ナック制作のテレビアニメ。サン=テグジュペリ原作。1978年(昭和53年)7月4日から1979年(昭和54年)3月27日まで毎週火曜日19:30 - 20:00に朝日放送系列で放映された。全39話。
世界的に親しまれている名文学「星の王子さま」のアニメ化作品。地上波、衛星放送でたびたび再放送され、ナック作品の中では比較的知名度が高いと思われる。「カードキャプターさくら」本放送時の後番組として記憶している
かわいそうなお友達もいるだろう?
本作を一言で言い表せば「
ナック最高傑作」である。この作品が
文化庁こども向けテレビ用優秀賞受賞作品だと聞けば、凄さが分かるだろう?
プロデューサーに
西野くん、キャラデザに
田中英二氏と、他にも
チャーケニストにとってお馴染みの面子が制作陣として並び、不安をかきたてられるが、ストーリー、作画ともに普通どころか名作と呼んでも大げさではない出来に仕上がっており、初見でナック作品と見破る事は難しいであろう。文庫本一冊におさまってしまう原作を3クールのアニメ作品に引き延ばすにあたって基本一話完結形式のオリジナルエピソードが大半を占め、熱心な一部の原作ファンに指弾される事もあるが、OPで「自分が子どもだったころを忘れがちだった大人たちへ」とも述べられている通り、少年時代の懐かしさを感じさせるほのぼのとした、そしてちょっぴり切ないエピソードの数々は決して原作の雰囲気を損なうものではない。
演出には「勇者ライディーン」「機動戦士ガンダム」シリーズで著名な安彦良和氏を迎え、田中氏の得意とする美少年、美少女キャラクターたちの
ミリキが存分に引き出されている(回によっては「いつものナック」クオリティなものもあったりするが
気にするな!)。主人公・王子さまを演じる少年は、後の「金田一少年の事件簿」等で有名な声優・松野太紀氏であり、
劇団近代座と
比べるのも失礼な肩を並べる演技力と前述の田中氏による筆致とが相俟って、
研と似た顔立ちであるにも関わらず王子さまは非常に愛らしく描かれている。おかし、萌えるじゃねえか!
また楽曲に関しても今回は「楽曲も一流」なナックになっており、作詞に阿久悠氏、作曲に三木たかし氏という大御所を迎えOPも切なく美しい名曲となっている。現在全話収録のDVDが発売している他、ナックもといICHIの公式配信、地上波および専門チャンネル等の再放送等で視聴可能であり、たまには綺麗なナック作品にふれてみるのも悪くないと思うんDA☆
1998年のNHK衛星アニメ劇場放送時では全話ともエンディングが9話の使いまわし、かつ予告もなし、と原版の散々な管理状態が伺えたが、2000年のチャンネルNECO放送時に各話予告を発掘、その後DVD化にあたり各話のエンディングも見つかり、現在はほぼ完全な状態で視聴できる。
「
星の王子さま」というタイトルや、キャラデザからしてチャー研との親和性も高いと思われるが、ネタ的要素が少ないからか、ナックの数少ない秀作を汚すに忍びないのか、はたまた単純に知名度が低いのかは不明だが、現在この作品を題材にしたチャー研MADは確認されていない。
因みに、本放送での提供はキッコーマンの単独で、本来は凝った提供表示込みでオープニングが2分ちょっとと言う長めのものになっている。
(かつては単独提供のアニメの場合、オープニングの最後が提供表示になっていた例が多かった。例えば三洋電機一社提供のジャングル大帝なら、三洋電機の提供表示が入り、「サンヨー、サンヨー、三洋~電機!!」のコーラスとアウトロが入っていた。(これもなかなかの尺の引っ張り具合である)グリコ劇場(鉄人28号など)の場合はグリココール(普通は「グリコ」が三回)とともに提供を表示していた。ただしスローガン読み上げまで入れて結構尺を伸ばすのは珍しいのではなかろうか?)
提供表示はまずオープニングの最後の引いていくカットからクロスフェードで星空を背景に"P&N"が赤い丸の中に白文字でかかれたものを大写し(中央下に前述の赤丸がくる)し、そこから縮小してキッコーマンの当時のスローガンを写し
ピュア ナチュラル----○
「Pure&Natural」
純粋・自然であること。
これがキッコーマンの
ねがいです
↑こんな感じ
「ピュアー・アンド・ナチュラル。キッコーマンは食生活に失われがちな純粋なもの、自然なものを大切にしてきました。」のナレーションが入り、
その後、キッコーマンの提供表示(星空の背景はそのままに)に切り替わり、「味の世界を豊かに広げるキッコーマンがお送りします。」とナレーションが入るものであった。
ナックどころか本放送のスポンサーであったキッコーマンもかなりの本気であったと見られる。
最終更新:2017年07月19日 03:12