― 第四調査兵団・事務所 ―
薬師寺九龍「…………うし、集められるだけ集められたな。アギトと氷川さんはあとから合流するって連絡は受けてる。だから、あれだ。今いるメンツで俺らがやるべきこと説明すっからよく聞け(会議室にて捜査会議のように机やいすを配置しパワポで撮った写真を拡大し全員と情報を今共有する) 」
薬師寺九龍「もう全員見たとは思うが、もう一度確認しておく。…………ウィーン・マルガレーテ、らしきデカブツだ。見ての通り機械生命体に取りつかれてる可能性が高い。彼女を保護することが俺たちの任務だ。……だが、機械生命体に取りつかれている可能性がある以上、こっちに攻撃してくることは念頭にいれておけ。 」
隊員A「となると、全員フル装備ってことで? 」
薬師寺九龍「そうなるな。他の部署からの応援も頼んではみたが、今時期が時期だ。マルガレーテ保護は俺たちの問題だ。俺たちでカタをつける。いいな!! 」
おお!!と掛け声が上がる。みんなマルガレーテに思うところがあり、なにより仲間である。警察官としてのメンツが誇りが、意志をさらに強固にして燃え上がらせる。
数分後、マルガレーテのいる現場――――
マルガレーテ「ーーーーーーーーーーーー(姿勢は変わらずだらりとしたまま動かない。依然白目をむいたままで口をあんぐりと開けたまま。ときおりか細い声が漏れるが……) 」
薬師寺九龍「(ガシェットを引きずらないよう先頭に立ちつつ、陰に隠れながら誘導していく)…………あれだ。見えるな?(スナイパーライフルのようなガシェットを持った隊員に告げてから手で合図を送り隊員たちを分隊させた)……いいか、少しずつ近づけ……妙な動きをしたら、そのときは…………(苦い顔をしながら言葉を濁す) 」
隊員B「わかっています。これは、『仕事』ですので。民間人の安全を第一にするのは我々の義務ですから(スナイパーライフル型のガシェットを構えながら九龍を気遣うように淡々と返事をする) 」
隊員F「(各5人編成。マルガレーテまで距離8メートル。手で合図し率いていたメンバーの足をそこで止めさせる)…無線をよこせ(隊員のひとりに)…………"九龍さん、動きありました。対象、上体を起こして……なんだ? 天を仰いでる?" 」
薬師寺九龍「(隊員Bのガシェットを確認し無線で連絡しかえす)あぁ、こっちも確認できた。…………お日様だな。いい天気だ。あれ…………そういえば今日って(新聞に載っていた。この国では数十年に一度かそんなだったか。特に興味がなかったのでよく覚えてないが空の"異常"に気づいたときだった) 」
laaaa~~♪ laaaaaa~~~~~、LAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA~~~~~~~~~!!!!!!♪
隊員たち「「「!!!!?」」」 」
薬師寺九龍「な、なんだ!!? 」
マルガレーテ「(響き渡る美声。土地の形状、風向き、木々の方向性、それらすべてが好条件となり彼女の持つ才能がこの場にいる全員の魂を揺さぶるかのようにしみわたらせていく。セイレーン、スキュラ、美声で人を惑わす魔物は数あれど、それは機械というにはあまりにも生生しく、生物というにはあまりにも調整されすぎた神秘の歌声だった) 」
【純粋音楽濃度:23%】
薬師寺九龍「(これまで数多くの修羅場を経験してきたが、自分を含め隊員たちの本能が極限まで警報を鳴らしていた。 『歌 わ せ て は な ら な い』。そんな感情が巡ってきた。…………だというのに)な、なんだ。一体……(体が動かない。拘束されたとか緊張でそうなったとかそういうのではなく、歌を聞いた瞬間強制的に歌を聴く身体の状態を強いられているかのように。実際、本能は危険を察知している反面、『この歌を聞いていたい』という欲望がわいて誰もが邪魔できなかった) 」
マルガレーテ「ラー、ラー、ラーーーーー。…………(オペラ歌手顔負けの美声がやんで数秒の沈黙。そしてまた声を出した次の瞬間)『ラーーーーー/らーーーーーーー♪』(マルガレーテのほかに誰かの声がダブって聴こえた。それはまるでデュエット。…………いや、実際にそうなのかもしれない) 」
そのもうひとつの声というのが、-----『渋 谷 か の ん』のものなのだから。
【純粋音楽濃度:46%】
マルガレーテ「(愛する人、渋谷かのんの声を完全再現し終え、チューニングも万全。そして彼女は歌い始める。彼女の求めた『完璧な歌』『純度100%の音』『音の黄金比』) 」
大智「あれは…ッ…! カタ、カタタタッ…(見覚えのある少女の顔に、もしやと眉をひそめてデータベースへアクセスする)……ビンゴ…!ようやく姿を現したようだね…五大国で反復現象《オーバーラップ》を齎している元凶…謂わば、今回の事件の"黒幕"!『イーティス・センシオン』!!(眼鏡をくいっと上げてそのレンズを光らせる)……僕らレギュレイターが最優先に取り押さえるべき対象…!まさかこのような場所で出くわすとは思わなかったが、こちらとしては好都合だ…!(インカムに手を当てる)キコ姉!ガレアの治療を早急に!大至急だ!(いつになく切羽詰まった様子で通達を行う) 」
イペリ「うはぁ……マジかよ……なんだってこんな時に首謀者が… ツイてんのかツイてないのかわかんないわ…(神妙な顔つきで
イーティスと対峙する) 」
鬼塚冬毬「……!あの者が、過去に第3調査兵団が遭遇したという、本事件の黒幕…!これは、エマージェンシーですよ…(険しい表情で
イーティスを見据える) 」
ネブカドネザル「イエス。モーターツヨシ、戦闘続行に問題ありません。既存データより敵戦力を分析。以前問題ありません(ホバリングから勢いよく着地!サイバネ化された目を向けてその様子を観察する) 」
イユンクス「ヒュ―――――ウ(口笛を鳴らし立ち塞がる黒幕、最優先討伐対象を前に口端を釣り上げる)来ちゃった。うーんどうしよ、やっぱり"アレ"使うのかなぁ!ね、ベファーナ。どう思うベファーナ 」
イーティス「せっかくヘリックスの感染をさらに拡大させるチャンスだったのに……ま~たアンタたちザコキャラどもがお出ましとは、このアタシもツイてないのだヮ―――うぇ、げほっげほっ!サイアク、煙くさっ……ま、今回は『レギュレイター』の介入も想定済みだったけどね(機蛸《タコガタ》から上がる黒煙にむせ、「はぁ~あ」と大げさに肩をすくめながら)機械生命体の殲滅スピードもまぁ悪くなかったのだわ、前回よりも多少強度を上げたけれど……ギリ合格ってとこかしらね。どう諸君?準備運動くらいにはなったのだわ?(どこまでも上から目線で物を言い、鼻を鳴らしながら腕を組む) 」
ヘルトラウダ「(どう考えても、首謀者……というか、現時点の最重要目標がヘラヘラ出てくる訳ないじゃないですか……投降以外なら、目的があるとすれば……)……後ろお願いしま~す……(ふらふらと
イーティスの前まで歩きながら、周囲の状況を軽く確認) 」
ベファーナ「フゥー…… フゥー…… (肩で荒い呼吸をしていたが、先までの思考を侵す怒りは消え、自身を戒めるように目を閉じる) ガコンッッ……(ガジェットを"盾"形態へ以降。 ガレアを治療するキコを囲うように移動させ) 仕事、に徹しよう姉さん。お陰で頭が冷めた…… 」
桜小路きな子「どっ、どどどっ…どうしようどうしよう~~~!?こんな時にとんでもない相手が来るなんて、きな子聞いてないっすよ!!
ライオットさんたちもいないのに、きな子たちだけで太刀打ちできるんすか…!?(激しく狼狽している) 」
ツクモ「……本格的に、ヤバい感じですかネ? 」
鬼塚夏美「落ち着くですの、きな子!寧ろこれは好都合ですの!女王から反復現象の救済方法の手がかりがつかめなくなったのなら…張本人をここで捕らえて吐きだせばいいだけの話!怖気いてる場合ではないのですの…タイムイズマネー…時は金なり、ですの…!それに…―――(ちらり、と横目に冬毬を一瞥する。大切な妹が傍にいる以上、絶対にしくじってはならない、そんな姉としての矜持に狩り立たせられているのだった) 」
ロジェスティラ「(Upg機能があればユナイタルに攻撃は通る。 勝てるかは別として……"戦い"にはできる、はず……) ガコンッ (自身のガジェットを背負い直し) クルセイダー:1(大型口径のロングバレルライフルをバックパックから取り出させ、手に取り戦闘態勢を取る) 」
機人《ヒトガタ》・三式×3『 ダ ァ ン ッ ! (その時、
イーティスの周囲を取り囲むように三体の人型の機械生命体が空から着地して出現。それらは彼女を守る三銃士のような佇まいで予め握られていたビームサーベルとビームライフルを構え、戦闘態勢に入っていた)』
キリエ「そう!ビィクールなハートにキャッチーな笑顔!!大切なのはどんあライブなのか、何人が見てるのか!自身のコンディションは!?そんなことじゃなくって!!今自分が何者で何をするべきか!!!!(きな子の後ろから颯爽と踊り出、スタンドマイクを軽々と振り上げ決めポーズ。おひさまもニッコリ、陽光を照明代わりに独り占め)さあ!私に最高のパフォーマンスを見せてご覧よ!ゴッデス!!!!! 」
鬼塚冬毬「……!更に三体の増援を確認!(
イーティスを守るように現れた機械生命体に、更なる警戒心を剥きだす) 」
ネブカドネザル「新型の増援を確認。既に確認されていた人型の改良型と推測。以前殲滅行動に問題無し。当然ながら降伏は認めない 」
イユンクス「しょうがねえなァ~~~ほらザコワカメ!ここが鍋の中じゃないんだし茹で上がってないでさっさと這い上がれよ。それもできないならライオントイレットくんと一緒に便器にぶち込まれちゃえば? あっ、便器の中で念願の彼に追いつけて本望か(笑)(ベファーナと並んでチームガレアを守るように、ヒトガタ三銃士に対し迎撃の構えを取る) ロジェー!8番よろー! 」
桜小路きな子「……!は、はいっす…!(夏美とキリエに鼓舞され、気持ちを切り替えるように頬を叩く)きな子、サポートに徹します!短かったとはいえ、これでも元は第3にいた身…!研修の成果を見せるっす! 」
イーティス「あ、アンタよくもそんな無防備に敵の前に出てこられるのだわ!?アタシが舐めプするつもりが無かったらとっくに海のモクズになってるとこよ……分かってるのだわ…!?(ふらふらと前に出てきた
ヘルトラウダに絶句し半目)(それとも、余程自信があるって線もあるかしら……) あっそ~なの?それは耳寄りな情報なのだわ♪だったらホントにザコキャラしか居ないってことだものね~♪(きな子の「
ライオットがいない」という発言を聞きつけ) 」
イーティス「まぁヤバイっちゃヤバイのだわ~! だって、あとちょっとしたらアンタは死んじゃうか、二度とこの件に関わりたくなくなるかするはずだもの(ツクモににこりと邪悪さをはらんだ笑みを見せ) うおっ、濃っ……!さっき機蛸で相手してるときも思ったけれど、アタシこいつ苦手なのだわっ…!(陽っ…!の気を浴びてデフォルメされた苦い顔)さて、じゃあそろそろ――――(機人《ヒトガタ》・三式×3が着地したと同時に、懐から懐中時計――「ユナイタルウォッチ」を取り出し正面に翳す) 」
イーティス「――― 変 身 ――― 」
――― Vs. イーティス&機人《ヒトガタ》・三式×3 ―――
イーティス【サイナス】「 キ ュ ィ ン ―――――!! (瞬間、時計から紫紺の光が弾け、流線型のエネルギー光が
イーティスの全身を包み込む。秒針が時を刻むような音を立てながら周囲に星を散りばめたような空間が展開され、その点と点をひときわ眩い光が星座を描くように結ばれていく。描かれた星座空間から装甲が現出し、
イーティスの全身に自動的にユナイタルが装着され―――瞬く間に、白と青を基調とした騎士のような姿に変身した)―――シャラ……!(純白のユナイタルソードを携え、バイザー越しにレギュレイターの面々を睥睨する) 」
大智「…やはりユナイタルに…だが…(インカムに手を添える)――― ノイン、先手必勝だ。君の暗殺歩法をもって彼女を一瞬で押さえろ。たとえユナイタルを装着していたとしても、不意打ちで出鼻を挫けばこちらが初手有利になる。ここでなんとしても彼女を捕らえる…!(小声ながらも強かな声音でノインへ通達する) 」
ノイン「 コ ク リ (インカムから聞こえる大智の声に静かに頷くと―――)―――― シ ュ オ ン ッ ! (その場から一瞬で姿を消す) フ ォ ン ッ ―――――(残像すら残さない音速移動で
イーティスの背後へ旋回。すでに振り抜かぶった鉤爪型ガジェットの爪先で背後を斬り裂こうとするが――――) 」
ネブカドネザル「ドーモ、ネブカドネザルです。あなた方のアイサツは省略します(そうアイサツを済ませると、相手の返事すら待たず、電撃めいて先制、アンタイ・ニンジャ・アサルトキャノンが火を噴く!!BOOM!!BOOM!!) 」
キリエ「えっ…………照れ隠し?わぁおかっわい~~(両手を頬に添えわざとらしく瞬きをし)スゥ………(さ、て、と……あれが件の"ユナイタル"、ね。私の聖拳も恐らく、いえ確実にアレには通用しない。ガジェットのブーストには"攻撃による"チャージが必要だけど、あのボス格相手に悠長にチャージするのはうまく立ち回らないと危ない。 ともすれば――――)(背後の兵団、前方のヒトガタを順に見やり) よし。(両手剣型のガジェットを機動。砂浜に横一文字を一振りで刻み込み、 "殺し慣れた眼差し"をイーティに送る)―――――あなたは"この先"通れないよ 」
高坂穂乃果「(パワードスーツ)武装は、このままで行けるかな…?!(構える) 」
キリエ「 Chu★ (両手剣の刃に口づけし、極端に脱力。腕を垂らし、項垂れるように腰を曲げ上体を揺らすと……) クン グニャァァァァァ ァ ア 了 (右へ7m 左へ14m 大蛇のように大きくS字に蛇行し、 "読ませない"足取りで、三銃士を避けつつサイナスへ距離を詰め) フ…… ドボォンッッッッ (斬撃をサイナス…の、足場を狙って放つ。 彼女が佇む足場がスプーンで刳り飛ばしたかのように四散して吹き飛ぶ) 」
ロジェスティラ「8番、指示了解(イユンクスへ無線で返し) トンッ トンッ ダッッッッ (機人《ヒトガタ》・三式の内一体へ急接近、 しかし攻撃はせずすぐにバックステップを踏んで後退。 続けざまに別の個体へ接近し、サイドステップで距離を離す。 接近、後退を素早く繰り返すが"攻撃しない") 」
ヘルトラウダ「ここで引いたら私が負けたみたいなので…後は、大人しく投降してくれるなら近付いてたほうが楽なので…あっ変身してきた…出し惜しみとか無いんですね…(どっちにしろ私に出来るのは接近戦のみ、後ろの連中も火力を出せる状態になってる…結局、これが最適解ってわけ)(イーディスの変身にも怯む事無く距離を詰め、手甲型の固有兵装を構え) 」
機人《ヒトガタ》・三式×3『 カ チ ャ リ … ! (こちらへ迫るロジェスティラへ二体が接近を開始する)』
ツクモ「ど、う、で、す、か、ネ(そう言うと勢いよく印を結び、飛び上がって、紅い瞳を煌めかせながら)火遁・豪火球の術!!(機人《ヒトガタ》・三式の集団へ巨大な火球を吹き付け、それに紛れて走り寄る) 」
オレンジ侍「く、だったらコイツの出番か? イチゴアームズ!シュシュットスパーク! (取り出したのはイチゴクナイ。俊敏な動きでそれをヒトガタにばらまいていく)ズドドドドドドドドドドドドド!!(内蔵するスラスターにより爆発する) 」
機人《ヒトガタ》・三式×「 ヒ ュ オ ッ (残された一体が跳躍。ツクモより放たれた業火をサーベルで一刀両断する。この時点で従来の機体とは格の違いが明らかだが―――)―――バシュン、バシュゥンッ!!(ビームライフルによる第二波の射撃をツクモへ放った)』
機人《ヒトガタ》・三式×3『 シ ュ バ バ バ ッ ! (三体が一斉にイチゴクナイの雨を、爆撃を、左右へ反って回避していく)バシュンッ、バシュンッ、バシュゥンッ!!!(オレンジ侍へ三方向からなるビームライフルで反撃に回る)』
ロジェスティラ「(ツクモ、オレンジ侍の攻撃を順に視認し、ヒトガタから一気に間合いを離す、そして) グンッ ピ ィ ィ … ン (片腕で何かを引き寄せる。すると先にロジェスティラが通ったルートの砂からワイヤーが出現し、 一気に三体のヒトガタの足を絡め取り回避行動を妨害しようとする) 」
ツクモ「げッ(放たれた射撃をその瞳で視認すると、間一髪潜るように躱し)ウソ……なら(続いて急接近、頭部に向けて回し蹴りを放つ) 」
イーティス【サイナス】「(ノインの先制攻撃は完璧だったはず、にも関わらず) ゴ ッ シ ャ ア ……ッ――――――!!!! (あろうことか、彼女の斬撃に完璧に合わせ、最小限の動きで交差するように強烈な裏拳を叩き込んだ) BOOOOM!!!(ネブカドネザルの砲撃を受ける)―――あーっはっはっはっ!!もっと火力を積んだほうがいいんじゃない!?(無傷――砲撃はユナイタルに傷をつけることはできなかった。ネブカドネザルへと狙いを定め、掌部からレーザービームの反撃を放つ)―――どいてよ。”アタシの道”を塞げるかどうか、やってみれば?(キリエと視線を結び、その威勢が徒労に終わると確信し口端を釣り上げる) !! (キリエに足場を吹き飛ばされ、若干の滞空―――) あら、そうなのだわ?大人しく負けておいたほうが賢いときだってあると思うのにね―――フォンッ!! ズダダダダダッ!!(背から2基のパイルが飛び出し、電子的な機械音を鳴らしながら
ヘルトラウダへ光弾を連射する) 」
オレンジ侍「なに、コイツら思った以上に素早……-----ぐああああ!!(三方向からのビームをよけきることができず被弾。すさまじい火花とともに後方へ転げる) 」
ノイン「 ! ! ? (―――― ズ ガ ア ア ア ァ ァ ァ ア ア ン ッ ! ! ! )(刹那の出来事だった。気配を完全に消して至近距離まで迫ったはずだったが、気づいた頃には脇腹に強烈な激痛が走り、海岸へ勢いよく激突し、その華奢な体が岩石にめり込んでしまった) 」
大智「…ッ…?!(バカなッ…!奇襲作戦が失敗するだと…!?暗部出身の凄腕暗殺者のノインの速さにすら順応するとは… 逆にこちらの出鼻を挫かれたか…くそッ!!)イペリ、ノインを連れて後退!急いでキコ姉のもとへ!回復するまでの間、他の部隊に任せる!急げ! 」
イペリ「ぎゃーぎゃー喚くなってうるさいなあ…!ああ、もうっ!(指示されるままに重傷を負ったノインの肩を担ぐ)おーい、生きてる~…?私だって寝てたいんだからさぁ…(愚痴を零しながら彼女を連れて戦線離脱する) 」
機人《ヒトガタ》・三式×3『 ギ チ ィ ッ … ! !(ロジェスティラの罠に嵌り、全機体の足にワイヤーが絡まり身動きを封じられる―――)――― バ チ ィ ン ッ ! (――ほど甘くはなかった。瞬間的に編み出されたAI処理によってそのワイヤーをサーベルで切り離したのだ) タン、タン、タン――――(その後、、三体が縦一列に並び構えだした)』
機人《ヒトガタ》・三式×3『 ド ド ド ド ド ド ッ … ! ! (並列する全機体が隊列を維持したまま突撃。最前に立つ機体がサーベルを盾のように構えて、ツクモの回し蹴りを受け止めつつ薙ぎ払い、そのまま突進で突き飛ばす) ヒ ュ ッ ――― バシュゥンッ、バシュゥンッ!!(真ん中の機体が中段跳躍で顔を出し、ロジェスティラとオレンジ侍へライフルで射撃) キ ラ ン ッ ――― バ シ ュ ゥ ウ ウ ウ ン ッ ! !(そして、死角で見えなかった最後列の機体が大跳躍し、発光した胸部のコアよりレーザーを薙ぎ払うように放つ。被弾部に火柱が上がり、激しい爆炎が衝撃となって彼らに追撃を浴びせていく)』
鬼塚冬毬「あの隊列…あの動き…全く無駄と隙がない、調和の取れた連携…!まさに、ジェッ○ストリームアタック…!(機人《ヒトガタ》・三式の挙動に目を見張る) 」
キリエ「【IXANAMI】 (左手にもう一振りガジェット、黒い突撃槍型の【IXANAMI】を携え、それを砂浜に突き刺す。 瞬間、その鉄の塊はどろりと溶解し……) ザグンッッッッ (砂浜のあらゆる場所から茨型の液体金属が這い出、サイナスに巻き付こうと迫り……) ガコンッッ 【IXANAGI】 (右手に持った両手剣型のガジェット【IXANAGI】をサイナスへ向ける。刃が三叉に分かれ、剣先にエネルギーが凝集し……) ズォビィッッッ (視界を覆い尽くす程の雷光がサイナスへ向かって放たれる) 」
ネブカドネザル「イエス。俄然問題はありません。モーター理念は正しい(自らの砲撃を全くものともしないそれに機械的に動揺を見せず、曲面装甲でレーザービームを受ける!)損傷率小数点以下(なんたる装甲か!カイジュウめいた装甲は目の前の怪物から放たれた光線とも真っ向から撃ち合うというのか!)当然降伏は認めない。イヤーッ!!(その装甲を試すように、急接近の勢いも乗ったシリンダー型のアームパンチが炸裂!!) 」
ヘルトラウダ「いや、分かってたとはいえ……良く動く……!!(ノインの奇襲が失敗した事を悟り、一気に跳躍)『スウォーマーモード』…!!(手甲を両腕に展開、光弾を両拳によるラッシュで相殺しつつ、掠める様に数発被弾しながらも
イーティスへと跳躍して強引に距離を詰め)弾幕も分厚い……火力役の為に引き付けるどころか、普通に相手する流れじゃないですか…… 」
鬼塚夏美「それだけじゃないですの…!首謀者の彼女も、あの一斉攻撃に微塵も動じていないのですの!戦闘データにあったように、やはりユナイタル相手に通常攻撃は通用しない…強敵ですの…! 」
星空凛「(猫型パワードスーツ)こうなったら、高速にゃ!!(QBで旋回しつつ超加速ブースターを展開) 」
ロジェスティラ「(搦め手が通用しない……動きがより鋭く、判断力を備えているのか…!) ッ! ゴ ンンッ (反撃が来ると即座に判断。 背負ったバックパック型のガジェットを"大盾"形態へ切り替え、砂浜に突き刺して固定し防御姿勢を取るが)づぁ"……っ……!!(ライフルを弾けても後続のコアレーザーに小柄な身体が押され、防御こそするが吹き飛ばされてしまう) 」
オレンジ侍「(くそ、メガヘクスと戦ったとき見てえだ。だが、これ以上好き勝手にはさせねえ!)ーースチャ(もう一つのロックシードを取り出し、装着)『カチドキアームズ!いざ出陣!エイエイオー!』(アームズはより重厚かつ絢爛なアーマーとなっており、兜飾りの形状も従来の三日月に加え、徳川家康所有の歯朶の葉前立てを思わせる兜飾りが新たに追加されているなど、強化前よりもさらに戦国武将然とした出で立ちとなっている。また、マスクには髭のようなパーツが追加され、複眼も完全ではないながらもよりはっきりと分かれたデザインになっている)俺は諦めない!犠牲が必要だっていうなら、それを求めた世界と戦う! 」
ツクモ「ぐぇ(弾き飛ばされて頭から落下、バウンドして態勢を立て直す)ア、アイツら出来……でもサーベルはサーベルって感じじゃなイ!しばき棒って感ジ!希望出て来タ! 」
機人《ヒトガタ》・三式×3『 ダ ァ ン ッ … ! (着地後、今度は横一列に並ぶと右方向から順番に、傾倒するような態勢から弧を描くように移動を開始) ザ キ ィ ン ッ ――― ザ ギ ィ ィ ン ッ ――― ザ ギ ィ ィ イ ン ッ ! ! ! (ロジェスティラ→ツクモ→オレンジ侍の順に、滑るような挙動からサーベルを振るって斬り崩していく)』
オレンジ侍「でりゃあああああ!!(機械がおりなす美しい剣の軌道。それを背負った旗『カチドキ旗』ではじく)お前ら機械生命体がなんなのかもまだよくわからない。オーバーラップってのがなんなのかも! だが、これ以上暴れるってんなら俺はもう容赦しない!! 」
ツクモ「っと!!(サーベルをブリッジして躱すとそのまま後ろに転がってから手の力で飛び上がり)じゃあもう、あれですネ?小道具使うしかないっぽいですネ?(そう言って背中をまさぐる) 」
ロジェスティラ「 キンッ ボグォォォォン!!!!(盾内側のレバーを引く。すると盾表面に装填された小型爆弾が爆発し、爆風でヒトガタと自身を同時に吹き飛ばし間合いを無理やり離す)………。(奴らは"正解"と"最適解"を選択してくる。なら……"選択肢を狭める"のが有効…!) ガコンッッ(盾を前に構え、その上に
ロングライフルの銃身を固定。) ドギュォォォン!!――― ドギュォォォン!!―――(レーザー光線をヒトガタ三体の右側、左側と交互に放ち、"行動範囲を狭め")……(オレンジ侍、ツクモへアイコンタクトを送る) 」
イーティス【サイナス】「―――――――。(須臾の滞空に、
イーティスの機体を捕縛しようと迫る液体金属。その
イーティスの動きを封じ込める奇策に、ほぼ同タイミングで厚い攻撃を重ねようとするキリエ、ネブカドネザル、
ヘルトラウダを俯瞰した意識で”視る”。)(高度な連携攻撃―――偶然?いいや、この好機にこれだけの攻め手を集めたのは偶然じゃない。能動的な選択でないなら、無意識レベルで嗅ぎ付けたことになる。優秀。さすがは政府が選りすぐった精鋭たち―――けれど、)相手がアタシだったのが最大の失敗ね 」
機人《ヒトガタ》・三式×3『ズザザァー…ッ…!(ロジェスティラより齎された爆風に軽く吹き飛ばされるもすぐに態勢を整え直す)ギッ、ギュゥンッ…ガギォインッ!!(左右交互に放たれるレーザー光線をサーベルでいなし、少しずつ追い込まれていく)』 」
イーティス【サイナス】「ガシッ、ガシッ!!(ネブカドネザルのアームパンチ、
ヘルトラウダの急接近を目視してから反応し、完全に上回った速度で二人を子猫でも掴み上げるように片手で掴んで引き寄せ、)バリバリバリッ!!!(キリエが放った雷光の盾にする。その後、雷撃の盾にした二人をキリエへ放り投げ―――)ズザァッ…!!(キリエの正面にいたはずの
イーティスが既に姿を消しており、あろうことか彼女の背後から回し蹴りを繰り出していた) 」
オレンジ侍「ーーーーー!!(ロジェスティラの視線を受け取り)よっしゃああ!!(ガシャンと取り出した『火縄大橙DJ銃』。DJピッチでモードを操作し大砲モードへと)オラァアアア!!!(すさまじい轟音を上げて砲撃が放たれる) 」
鬼塚冬毬「………後ろから蹴りが来ます!(キリエに向けて叫ぶ) 」
ヘルトラウダ「(捉えた、制空権内―――っ…!?)なっ、こいつ………!!(接近に成功し、肉薄する程に踏み込みながらショートアッパーを撃ち込もうとした矢先……簡単に
イーティスに掴み上げられ、即座に反撃を行おうと再び拳を振り上げた、その瞬間―――)がっ………!!(キリエの放った雷光が直撃。声にもならない悲鳴と共に硬直し、そのままキリエへと投げ飛ばされる) 」
ネブカドネザル「高速、高出力の動作を確認(ゴウランガ!モーターツヨシの巨体ごとネブカドネザルを引っ張り放り投げるなんたる剛腕!しかしネブカドネザルはあくまで無感動にその損傷の計算に入り)ミサイルポッドをパージします(腕部よりミサイルを、
イーティスに向けて撃ち尽くすと続いてガトリングを装備!BRATATATATATAT!周囲の被害も厭わず撃ち放つ!) 」
キリエ「 !!? (自身の放った雷光が味方二人を攻撃し、動揺で眼が小刻みに震え)やっ……(しま――――)(背後からの攻撃に回避行動を取ろうとするが、自身へ投げてられる
ヘルトラウダを抱き止め) ゴ ッッッッ (回し蹴りが脇腹にクリーンヒット。肋が何本も逝く音が遠巻きに聞こえるほどのダメージを負い、彼女の立つ位置から衝撃が駆け抜け砂塵が舞う。) ツツー……(口橋から尋常じゃない量の血潮が流れる。尚も"立ち続け"る)い"……ったいなぁ………(ギョロリと眼球を動かし背腰に一瞥) ガッッ(蹴りが背に密着しているのをいいことに脇で固定し、あくまで時間稼ぎに徹しようとする) 」
ツクモ「GO!『シノビ・ノート』!!(取り出した本型の機械が籠手のように装甲へ変化し蒸着、砲撃に追いつくように駆け抜け)『形異・アンジン』!!(その籠手により増幅された力が、その手刀を弾丸へと変え、砲撃と同時、引き裂くように放たれる) 」
機人《ヒトガタ》・三式×3『 ボ グ ゥ ォ ン ッ ! ! (オレンジ侍、そして彼に合わせるように放たれたツクモの両者の砲撃に吹き飛ばされ後方へ転がり倒れるも、すぐに態勢を整え直す) ギャリ、ギャリ…ッ…! (だが戦闘能力もさることながら機体スペックも従来機より強固に作り込まれている為か、致命的なダメージを追っている様子は見受けられない。機械生命体の類でありながら、ユナイタルに勝るとも劣らない存在感を放っていた)』
ヘルトラウダ「いい……武装ですね、キリエ……隊員……(身体や装備の彼方此方に雷光に寄る焦げ跡が残った状態ながら、ゆらりと立ち上がって
イーティスをキリエと挟み込む様な立ち位置に移動し)……人より丈夫な身体でして……!!(キリエが時間を稼いでいるのを利用し、
イーティスに向かって一息に踏み込みながら……その背中目掛けて左ストレートを撃ち込む!) 」
機人《ヒトガタ》・三式×3『 ガ ッ ――― ブ ォ ン ッ ! (ここで、三機が再び
イーティスのもとへ集合するように駆けつけ、
ヘルトラウダのストレートをブレードで弾き返し、初期位置に戻るように態勢を固めた)』
ヘルトラウダ「まぁーじ……かぁー……(あっさりと弾かれ、その勢いで仰向けに倒れ込む) 」
大和「(光学迷彩使用輸送機より)我々ファミリアの技術すら急速に陳腐化させるとはなかなかですが、命運は己が選ぶものです。(パワードスーツごと彼女らを回収する) 」
イーティス【サイナス】「あっははっ!♪ 痛そ~…!!(雷撃を浴びた
ヘルトラウダを見てフェイスバイザーの裏で口唇を歪める) ――――!!さっきの言葉訂正、火力は足りてるのだわ……ユナイタル以外を相手にする場合に限るけれど!(ネブカドネザルの火力に次ぐ火力の暴力、爆音と衝撃に顔をしかめるが、ユナイタルのボディには依然として傷はつかず……) ゾ――――……!(キリエの剥いた目に根源的な恐怖を覚えた)(この女……あの蹴りをまともに食らって”立っている”……!?)」
イーティス【サイナス】「チッ、無駄な足掻きを――――!!(キリエの時間稼ぎに数瞬囚われ、
ヘルトラウダによる挟み打ちを機人《ヒトガタ》に救われた瞬間に、拘束を脱して距離を取る) 思ったより手間取らせてくれるわね……!(光剣を構え、背からの排熱が激しくなる)いいわ、もうザコキャラのお遊戯会も終わりにするのだわ!アタシの邪魔をしたことを永遠に後悔させてやるんだから――――! 」
機人《ヒトガタ》・三式「 ジ ャ キ リ … ―――― ダ ッ ! (
イーティスの圧倒的な戦闘力を前に尻込みする者たちへ追い打ちをかけるが如く、一体が動き出して襲撃しようとするが―――)―――― ガ ギ ィ ン ッ ! ( ズザザザァーッ…! ) (そこへ飛来する武器に突き飛ばされて元の位置へ退いていく) 」
ガレア「――――― フゥゥゥー…ッ……!(ヒトガタへ投擲し、ブーメランのように戻ってきた大太刀をキャッチする)…この俺を出し抜きやがって…!こんな屈辱な思いを受けたはあいつ(
ライオット)以来だ…イライラするぜ…!(静かなる激昂を込めた眼差しで眼前の敵陣を見据えながら前線へと復帰する)…大智!状況は! 」
大智「ようやく復帰したか…待ってたよ。戦況は芳しくない。ユナイタル相手にはガジェットのUpG.《アップグレード》が不可欠。他の団は敵と交戦し続けたことで間もなくチャージが完了、ブーストを解禁できる。だが、前線から離れていた僕たち(チーム・ガレア)はチャージまでかなりの時間を要する。腑に落ちないだろうが、ここは彼らのサポートに徹した方が賢明な判断だ。 」
キコ「みんなぁ~、待たせてごめんねぇ~。でも、あともう少しの踏ん張りどころよ~♪ 」
ガレア「構いやしねえ。ここで黒幕を落とせばあの野郎にでけえ顔ができる。だが、せめて一矢は報いてやらねえとなぁ…!?(大太刀を背負うように身構える) 」
イペリ&ノイン『やるならさくっと終わらせようよ、なんかもう懲り懲りなんですわ… / ……っ……(ノインの回復を終えて二人同時に前線へ復帰する)』
機人《ヒトガタ》・三式×3『 タン、タン、タン――――(ガレアたちが前線復帰する…だが、そんなことお構いなしと言わんばりに、再び三体が縦一列に並んで構えだす)』
大智「(イーティス・センシオンも厄介だが、まずは彼女を守る取り巻きの機械生命体から潰すのが賢明…!)――― ガレア!イペリ!ノイン!新しい戦術「オペレーションΩ」を実行する!今から指示を出す!いいかい…―――(その後、インカムを通じて三人に具体的な指示内容を告げる) 」
ガレア「(大智からの告げられた指示内容に何度か相槌を打つと―――)―――いいだろう。その新戦術とやらに乗ってやる…! ガ ゴ ォ ン ッ … ! (背負っていた大太刀を地へ叩きつけるように新たな構えを取る) 」
機人《ヒトガタ》・三式×3『 ド ド ド ド ド ド ッ … ! ! (並列する三機が隊列を維持したまま突撃する、あのフォーメーションアタックが再び始まる) バ ッ ! ! (最前はそのまま勢いを止めず特攻、真ん中は中段跳躍後による射撃、そして最後尾の機体のコアが発光し、広範囲を焼き尽くすレーザーを放とうと予備動作に入る)』
ガレア「――― 行くぞッ、オペーレーションΩッ!!( ギ ャ リ ギ ャ リ ギ ャ リ ィ ッ ! ! )(そう叫ぶと左右に構えていたノインとイペリ、三人同時に疾走。自身は大太刀を引きずりながら猪突猛進し、上空からの射撃を掻い潜りながら最前のヒトガタへ真っ向から突撃をしかける。近接武器で攻撃を仕掛けようとする相手の凶刃を回避すると――)――― ぬ お ら ぁ ぁ あ あ ッ ! ! (素早く回転させて大太刀を振り抜き、プロ野球選手宛らの豪快なスイングでその機体を上空…に跳んだ他機体目掛け吹き飛ばした) 」
機人《ヒトガタ》・三式×3『 ガ シ ャ ン ッ ――― ド ガ ァ ッ ! ! ! (ガレアに吹き飛ばされた最前機がまずは中段の機体に激突、そこから玉突きのように更に頭上の最後機に衝突し、レーザーが放たれる前にその連携が見事に崩された)』
イペリ&ノイン『 いよっ / ……! (ガレアを挟むように左右それぞれから駆け出していた二人が、三機が衝突し合い重なったタイミングを見張らかって跳躍。連携が崩れたヒトガタ三体に目掛け、左右から挟み撃つように×状に斬り伏し、華麗に着地する)』
機人《ヒトガタ》・三式×3『 ザ キ ィ ン ッ ! / ザ ギ ィ ン ッ ! (そして、イペリとノインの息の合わさった二重斬撃に斬り崩され、撃ち落とされた鳥のように墜落してしまう)……ギ、ギギュゥ…ッ……!(それでもまだ立ち上がろうと、鈍い金属音を鳴らしながら態勢を整え直そうとする)』
大智「カタカタタッ…(ノートPCのモニターより、前線で戦うレギュレイターのガジェットのチャージ状況を確認する)―――― チャージ完了!!総員、UpG.《アップグレード》を解禁だ!! 」
" ブ ー ス ト " ッ ! ! ! (全団員が一斉に声高らかに叫ぶ。そして――――)
―― ⚠RELEASABLE⚠ ―― (チーム・ガレアを除く全団員のガジェット、その表面に「解除可能」のアラートが表示され、各々のガジェットが赤い光に包まれていく)
AEGIS《神楯》×2「ブ ゥ ン(突如、二体のイージスが地面を掘り進むように飛び出し、そのまま強襲形態へ変形。ビーム砲『スキュラ』を放つ) 」
オレンジ侍(カチドキアームズ)「よっしゃぁあー!!ここからが俺たちのステージだァ!!!(勝鬨のような叫びをあげると、全身から沸き立つブーストの力に高揚感が刺激されて、背に帯びていたカチドキ旗を掲げる)おらぁッ!!(二刀流の如くカチドキ旗を豪快に振り回す。それだけで竜巻が起きかねないほどの強力な衝撃が迸り、ヒトガタを圧倒していく) 」
鬼塚冬毬「全団員のブースト解禁を確認!これより反撃に出ます!! 」
鬼塚夏美「しまって行きますの~~~! 」
ツクモ「『シノビ・ノート』……『術儀・シャドーダイブ』!!(そう言って籠手にしていたそれと生身の手を突き合わせるようにすると、その身が自らの影の中へ溶け)っト(ヒトガタの足元、影の中からヌルリと現れる) 」
ヘルトラウダ「……(仰向けに倒れた状態から、ぐっ、と力を一瞬だけ込め……腹筋だけで起き上がり)実戦では……初めてですね……(両腕の手甲がさらに巨大化、肩まで全体を装甲が覆い)加減……は必要ないですよね…! 」
イーティス【サイナス】「ピピピッ…!(チーム・ガレアの反応を検知し、そちらに意識をやる)(なに、また新手? 関係ない、ザコが数体増えたところで―――)―――……っ…!!(複数人の華麗な連撃で機人が圧倒される様を見て目を丸くする)な―――――(続けざまに起きたのはレギュレイターの「UpG.《アップグレード》」。個が持つパワーが飛躍的に向上したことに反応を見せるが…)―――関係ない!!アンタたちのその程度の技術で、このユナイタルを傷つけることは不可能なのだわッ!!(AEGISに放たれたビーム砲をユナイタルソードで斬り伏せ、そのまま突進しAEGISを貫こうとする) 」
機人《ヒトガタ》・三式×3『 グ ワ ッ シ ャ ア ァ ー ン ッ … ! ! (オレンジ侍より迸る衝撃に全機体が耐え凌ごうと身構えるも、そのうちの一体が耐えられず吹き飛ばされていく)……!(だが残りの二体も耐え抜いたと思った矢先に背後の影から迫るツクモを捉えきれていない)』
ネブカドネザル「レギュレイター正規隊員全員のUpG.《アップグレード》と呼ばれる機能の解放を確認。モーターツヨシ、追随して裏コードを承認します(恐るべき変形!ガシャコンと大きく機械音を立てて全身の武装が展開!同時に翠色の粒子が背部より放出される!モーターツヨシ更なる狂気!『ゼンメツ・アクション・モード・モーター・ブースト改善』である!!) 」
ガレア「――― ド シ ャ ア ア ァ ア ア ン ッ ! (ヒトガタを退けた後、勢い良く跳躍して
イーティスの目の前へ盛大に着地する)……よお…!テメェがあの野郎(
ライオット)と戦った親玉か。あいつは弱かっただろう!?言っておくが…俺はあいつよりも強い…ッ!テメェ如き、ユナイタルもブーストも使う必要はねえ…ハンデをくれてやる!( ガ オ ン ッ …! )(そう強がるように大胆不敵に嗤うと、無謀にもブーストを纏っていない状態で大太刀を振るって
イーティスの妨害に徹する) 」
ツクモ「背後から……『機具・ヴァイブロブレイド』!!(瞬間、籠手がシャコンという音と共に手に収まる忍刀へ変わり……)殺ッ!!(高周波振動により切れ味を格段に増したそれを、突き刺す) 」
ヘルトラウダ「ブーストモード……『パウンド・フォー・パウンド』…!(機人が撃破されるのを見て、狙いを
イーティスへと定め、ガレアの横合いから彼女に飛び掛かり)抑えるのは、私が……何とかブーストさせてください…!(
イーティスに向けて、強化された両腕のデバイスで…一発一発が爆発の様な衝撃波を伴う、超高速のパンチの連打を放つ) 」
イーティス【サイナス】「アイツ―――…!!(変形した…!まだあれだけの装備を載せていたなんて…!!)(ネブカドネザルの変形に驚愕する) ピキッ……!はあ…!?(ガレアに
ライオットのことを言及され、苛ついたような素振りを見せる)ハンデ……? 舐めてるのだわ…ッ?! ガギィイィィィインッ!!!(目の前で振るわれる大太刀をまるで脅威にも見ず、力の差を思い知らせるためか、ユナイタルソードをガレアの大太刀に強く打ち付ける) 」
ガレア「チィ゛…ッ…!!(真正面からユナイタルによる斬撃を受け止めるが、ここで初めて身をもってその脅威性を思いすることとなる)("重い"…ッ…!いや、単純な戦闘能力だけじゃねえ…!こいつ(ユナイタル)が…こんなデケェ一撃を普通に叩き込めるのか…!?化け物めッ…!!)(ギリ、ギチギチィ…ッ…!!)(歯を食いしばりながら受け止め続けるが…)……!(そこに、ブーストを解禁した
ヘルトラウダの介入によって難を逃れる)……くそッ…どいつもこいつも舐めくさりやがって…!!(自らの不甲斐なさに、静かに拳を震わせる) 」
キリエ「いっだぁぁぁーーーーい……いやほんと、もう……持久戦って意地はらないといけなくってやんなっちゃう~~……("ブラフ"、相当無理に意地を張っていたのか装備を杖代わりに座り込み)あーもう……でもよーーーっく考えたらこのままだと私引き立て役じゃん……ん"ん"ん"ん"~~~~(IXANAGIに電力を再充填。ブースト解禁により刃が色を失う程に輝きを帯びる)もういっちょ頑張っちゃお★ こっからが私達のスペシャルステージだよ!! 『聖★剣(セイント・セイバー)』ァァァーーーーー!!(柄に両手を添え、一気に振り下ろす。 眼を焼き潰す輝きを伴って放たれる極太光線がサイナスへ迫る) 」
ネブカドネザル「モンドムヨー、これより全滅させます(BOOM!BATATATATAT!全身の火器が
イーティスに向けて殺到!更に背部のアンタイ・ニンジャ・アサルトキャノンが更なる鉄の音を鳴らして変形!)イヤーッ!!(おお、なんたることか!日輪めいて変形した背部は周囲の粒子を集め、大きな光と共に砲弾を解き放つ!レーザービームめいた暴力的な砲撃!!) 」
機人《ヒトガタ》・三式×3『 ザ ッ ギ ィ ィ イ イ ン ッ ――― ド グ シ ャ ア ア ァ ァ ア ン ッ ! ! (ツクモの強烈な斬撃を背中からダイレクトに受けて、盛大に転がるように吹き飛ばされる)…ズザザァー…ッ…!(それでもすぐに態勢を整え直すと…) ガ ッ ―― ガ ッ ―― ガ ッ ―― !(三機が組体操のように一つに合体する。その姿は宛ら「ケンタウロス」)』
機人《ヒトガタ》・三式×3『 ドッ、ドッ、ドッ…! (それぞれの武器も合体させて生み出した大きな薙刀と丸型の盾をその手に、威嚇するように馬脚を上げてから突撃していく) ブォンッ、ブォンッ、ブォンッッ!! (薙刀を8の字に豪快に振り回しながら彼らを擦れ違いざまに斬り伏し、Uターンして再び襲い掛かる)』
オレンジ侍(カチドキアームズ)「いよっ…とォ!(ケンタウロスに姿を変えた人型の斬撃を前転回避で紙一重に受け流し、立ち上がる) まだまだァ!!(火縄大橙DJ銃へ無双セイバーを差し込むことで大剣モードに切り替える)っしゃあァ!!!(叩きつけるような、重く豪快な一太刀を繰り出し、人型の斬撃と火花を散らしながら穿ち合う)諦めないって、決めたんだ!そうすれば、必ずチャンスは巡って来るからなッ!! 」
ツクモ「わッ!!合体しタ!!(合体したそれに面食らい、斬撃を間一髪ブリッジするように躱すと)っト、『形異・センコウキャク』!!(今度はデバイスが脚へ凝着、その補助を受け閃光のように加速、ヒトガタへ肉薄すると、一瞬にして無数の蹴撃を放つ) 」
オーランド「どうも、毒抜きに苦戦してしまい申し訳有りません。穴埋めはさせていただきますよ……(ツクモをすれ違って前に出、 大剣を一流バッターのような美しく荒々しいフォームで豪快に構え) リミッター解除・制式大剣"対獣形態"…… 打ちます(大剣がギミックにより拡張。峰からはバーナーを噴射し) ブ ォ ン (真円を描く回転斬り。遠心力、重力、加速、あらゆる運動エネルギーが乗った力押しの斬撃で機人《ヒトガタ》を迎え撃ちにかかる) 」
ヘルトラウダ「素振りでも解禁されてくれれば楽なんですが、ね……!(ガリアのカバーに成功した事を悟り、微かに目線だけ動かして背後のキリエとネブガドネザルを確認。彼らの武装が発射される瞬間、ラッシュを止めて真横へと跳び)……今度は巻き込まれない様に、しないと……痛いので…
ウェルドさんに来させれば良かった… 」
機人《ヒトガタ》・三式×3『ドッ、ガガガッ…!(右の薙刀で鎧武と衝突し合い、左の盾でツクモの蹴り技を受け止めにかかるが、それによって両手が塞がれてしまう。そこに…)―――― ド グ ゥ ォ ン ッ ! ! ! (オーランドが放つ至高の一撃が無防備な動体へ大炸裂。重量感のあるケンタウロスが軽々と薙ぎ飛ばされてしまう)ギッ……ギギッ…―――― シ ュ バ バ バ バ バ ッ ! (それでも起き上がる。すると、両手の武器を更に変形。薙刀と盾が合わさって弓矢となり、今度は遠方から対立者たちへ無数のエネルギーアローを放って牽制を試みる)』
イペリ&ノイン『 ヒ ュ オ ン ッ ―――― ズ ガ ア ア ァ ァ ア ア ン ッ ! ! (二人同時にして瞬間的に割り込んでくるや否や、ヒトガタのエネルギーアローを盾形態に変形したガジェットで防ぎ、彼らをサポートする) 面倒事は他人に擦り付けるのが効率的なんですわぁ… / 他部隊の団員、支援…! 』
オレンジ侍(カチドキアームズ)「ちょちょちょっ…!そんなのアリかy―――!?(敵とのリーチ差に慌てるも、割り込んできたイペリとノインのサポートに助けられる)…おう、助かったぜ!っしゃぁ!!(二人に礼を言うと、ラグビー選手のようなか前から突撃していく)今の俺たちは…一味違うぜ!!(更に降り注ぐ矢を大剣を振り回して弾き返しつつ進撃していく) 」
高雄「(従来型のパワードスーツで転送され)彼女たちに続いて、一矢報います。(高機動四脚で接近) 」
オーランド「 即時修復可能と判断、対応方法を変更(大剣を浜辺突き刺しそれを遮蔽物にエネルギーアローをやり過ごしつつ、 備え付けの拳銃型ガジェットを分離。牽制程度に射撃し応戦) 専門職に頼むか……。二等兵、カバー 」
ツクモ「ワ!!まだこのスピードに慣れてないのニ!!(弓矢を掻い潜りながら駆け抜けると、その懐に潜り込み)『機具・エンゲツクナイ』!!(続いてはクナイへ変形したガジェットで、回転するように切り裂く) 」
ロジェスティラ「了解<コピー> ガコンッッ (オーランドの背後でアローをやり過ごしつつ、自身のバックパック型ガジェットを足場に固定。レバーを勢いよく下ろし) ドドッドドドドドドドドンンンッッッッ……(バックパック上部のハッチから大量のエネルギー弾が打ち上げられ、空中で旋回しヒトガタへ向かって降り注ぐ) 」
機人《ヒトガタ》・三式×3『ドッ―――ドッ―――ドッ―――!(馬脚を掻き鳴らし、まずはオレンジ侍の斬撃を高い跳躍力をもって飛び超えていく) ガ ッ、 ギ ィ ィ イ イ イ ン ッ ! ! (その後、ツクモの回転斬りにぶつかるように弓矢を分離させて生み出した二対の青龍刀型エネルギーブレードを振るい、その斬撃を相殺。だがこれにより、その刃の表面に一瞬で亀裂が生じた) ズ ド ド ド ド ッ ! ! (そこに注がれるのは、ロジェスティラが放つ大量のエネルギー弾。それらを防ごうと武器を交差して構えるが、受けきれずに亀裂が更に深くなり…)――― パ リ ィ ィ イ イ ン ッ … ! ! (武器が破壊されてしまった)』
イーティス【サイナス】「だから、そんなものは無意味――――(ガレアのフォローに介入してきた
ヘルトラウダのパンチを、さして大したものでもないように軽くあしらおうと手を上げ―――) ビ キィッ……!!(手のひらに
ヘルトラウダの爆発的な拳を受けた瞬間に、ユナイタルの腕部装甲が悲鳴を上げた)(は――――)―――くッ!!(
ヘルトラウダによる攻撃の衝撃をあえて受け、自ら吹き飛ばされることで連撃から脱する)ゴリラめ……筋トレしすぎじゃない……!?(―――想定以上なんだけど……!ユナイタル以外の装備が、ユナイタルにダメージを与えた……!?)(明らかに動揺した様子で、周囲の状況を把握しようとする) 」
イーティス【サイナス】「(なるほど、ブーストモード……それがこの飛躍的な能力の向上のカラクリってわけ…!チッ、レギュレイターにも腕のいい技師がいるみたいね……ッ!)アイツ(ガレア)はまだブーストを解禁していないはず、まずはアイツを片付けて―――(閃光に視界が霞み、キリエより放たれた極太光線が迫っていることに気がつく)―――パイル!!多重障壁を展開!!最大硬度を保って!!!―――バリンッ、ガシャン、ガシャアンッ!!(幾重にも折り重なった障壁を展開し光線を防ごうとするが、数瞬拮抗したかと思えば障壁を割られ、徐々に
イーティスへと光が迫っていく) 」
イーティス【サイナス】「―――(割られる……!?馬鹿な、そんな火力が―――)―――ッ!? パイル、障壁を―――ボッガァァアアンッ!!!!(極太光線に意識を囚われいたため反応が遅れ、ネブカドネザルによる一斉掃射を受けて軽々と吹き飛んでしまう)(しっかりしろ、
イーティス…!悪い癖が出ていた、舐めてかかると、今回は本当に―――!!)(放物線を描き投げ出されていた最中、両手を合わせてエネルギーを充填し―――) ビィッ ッッギュォォォオオオオンッッ!!!!!(両手を振り抜き、鋭いレーザービームを薙ぐようにレギュレイターの面々に放つ) 」
オレンジ侍(カチドキアームズ)「っしゃあ!決めるぜ! 一、十、百、千、万、億、兆!無量大数!カチドキチャージ! (DJ銃大剣モードのピッチをスクラッチしてカチドキチャージを発動) ぜいりゃあああああああああああぁぁぁぁーーーーッ!!!(オレンジ色のエネルギーを纏う強力な斬撃を放った) 」
ヘルトラウダ「(機械生命体は処理できてそうですね……よし……) ……後ろに退避願いまーす……(両腕を叩き付ける様に地面に付け、手甲から大型の盾を展開。レーザービームから身を隠し) 」
大智「(やはりユナイタル相手にはブーストの解禁が絶対条件…これで決まった…!)一気にこちらが優勢になった!総員、一斉に畳み掛けるんだッ!! 」
ネブカドネザル「イエス。オムラは強い。強く、大きく、そして勝つ(全火器を乱射、火力にて
イーティスを圧倒することを目的とした破壊的嵐!薙ぎ払われたレーザービームを、緑色の粒子の混ざった電磁バリアで弾き返すと、全身のブースターを急加速し一気に肉薄!!貫けぬのなら叩き壊す、巨人めいた剛腕がアクチュエータの駆動音と共に唸り)イヤーッ!!(シリンダー式のアーム・パンチ!恐るべきサイバネカラテが三度放たれる!!) 」
鬼塚冬毬「敵が迫ってきます! 」
キリエ「ゲホッッゲホッ……いっけない……早"め"に切り上げなきゃ……(蹴りの直撃が尾を引き喀血するも笑みは絶やさず、対象を見上げ)トンッ トンッ ト ン ッ (放物線を描くように旋回しながら駆け抜け、サイナスから放たれる攻撃が掠めながらもお直撃を避け) バリッッッッ (IXANAGIを振るい雷のエネルギーボールを3つ飛ばす。同時にIXANAMIを液体金属形態へ移行させ) ド 【遠隔駆動】 ギュ ルルルルルルルル(地面に沈んだIXANAMIが飛行するサイナスの直下、影から出現。巨大な螺旋状のドリルによる突き、本命の攻撃が迫る) 」
ロジェスティラ「(火力武装は使い果たした。後は……)これで、終わり……ッだァァァーッッ!!(バックパックを"大盾形態"へ以降。 飛翔し、それを突き立てるように全身全霊でヒトガタへ振り下ろす) 」
高雄「(パワードスーツ)私だって、負けてられないわ!(一気に
イーティスへ接近し、月光と呼ばれるエネルギーブレードで斬撃を喰らわせる) 」
ツクモ「『形異・チャージリリース』!!(そう言うと今度は両腕を覆う籠手のように変わり、その掌から球体状のチャクラ……螺旋丸が生まれ)……解ッッ放!!(それまで、アップグレードとはまた別に蓄積されていた『エネルギー』……それを解放するように、機械生命体へ向けて叩きつける) 」
オーランド「(小さく頷くと呼吸を殺し、両手で握りしめた大剣を振り上げ) シッッッ !! (五行の構え上段、基本に則った最も全力を出しやすいか前から、衝撃波で海を割る斬撃を縦一文字にヒトガタへ振り下ろす) 」
機人《ヒトガタ》・三式×3『 (オレンジ侍、ツクモ、オーランド、そしてロジェスティラの最大火力の一撃がひとつとなって、無防備な態勢を曝け出した自機に迫ると―――)―――――― ボ ォ ッ ゴ ォ ォ オ オ オ オ オ オ オ ン ッ ! ! ! ! (眩い光が一瞬で弾けた時には、三体がまとまった大きな機械生命体が粉々に空中分解され、その後激しい爆発の末に残骸ひとつ残らず消滅するのだった)』
鬼塚夏美「ヒトガタ三体、消滅を確認! 」
イーティス【サイナス】「はやッ――――(《ヒストリk――》―――間に合わないッ!?)はぁッ!!(ネブカドネザルから放たれるアーム・パンチにこちらも出力を上げたパンチを放ち相殺――)ッ…!こ、のォッ!!(二度目のインパクト、先に受けた
ヘルトラウダのパンチが尾を引いたか、腕部装甲に亀裂が入る)はぁッ、くッ―――― ド ゴ オ ン ッ !!!(三度目のインパクトではついに力負けし、地上へと打ち落とされる)かはッ―――(衝撃に目眩がし、遠のく意識を強引に引き寄せる)(ぼうっとするな、すぐに次が―――)チュイン、ボガァアンッ!!(キリエが放つ雷のエネルギーボールをパイルによる射撃で撃ち落とし、攻勢に 」
イーティス【サイナス】「(ぼうっとするな、すぐに次が―――)チュイン、ボガァアンッ!!(キリエが放つ雷のエネルギーボールをパイルによる射撃で撃ち落とし、攻勢に転じようとしたところで―――)―――下からッ!?!(下部より突如として現れた巨大ドリルに驚愕する)(完全に不意をつかれた、あのエネルギーボールはデコイだったのね……ッ!)(通常なら歯牙にもかけずに割り砕く―――が、レギュレイターはこのユナイタルにやすやすと傷をつける手段を持っている。体勢も悪く、スラスターユニットによる推進でも逃れられるか危うかった。迂闊に触れればその先は―――) 」
イーティス【サイナス】「―――うおぉおぉおぉおぉぉぉぉぉッッ!!!!(高速で回転するドリルの頂点を避けて自ら抱え込みに行き、接したユナイタルの装甲をガリガリと削りながらドリルを抑え込む)はぁ、はぁッ…!!バチ、バチッ……!(装甲から漏電しはじめる)負けてられない……?そんなの、こっちだって―――!!? ザシュウッ!!(高雄と正面から切り結ぼうとしたが、著しい体力の消耗によりエネルギーブレードの軌道を見誤り、斬撃を胸部に受ける)しまっ……!!(まずい、これ以上はスーツが…!) ギュオンッ!!(スラスターユニットを吹かし、全員から距離を取る) 」
イーティス【サイナス】「アンタたち、やってくれたわね……不本意だけど、今回もアンタたちに勝ちを譲ってあげる!!だけど覚えておきなさい、最後に笑うのはこのイーティス・センシオンよ……!!(上空から憎々しげに面々を見下ろし、パイル・ジェットを起動しその場から撤退する) 」
機人《ヒトガタ》『 ガシャン、ガシャン、ガシャン…―――――! (その時、
イーティスを庇うように出現したのは、遠方のエリアより緊急集合した機械生命たち。各々に武器を構えて彼らの前に立ち塞がり、これ以上彼女に手出しはさせないと身を固めて防衛隊態勢に入った)』 」
キ ュ ウ ゥ ゥ ゥ ン … … ―――― (ここで、全団員に解放されたブーストが時間切れとなり、彼らを纏う赤い光が消失していくのだった)
大智「しまった…ッ!主犯格を逃してしまうとは…最優先対象の確保に熱中するあまり、奴の撤退の可能性を考慮していなかった…!くそッ!!ただちに追跡したいが…!(敵の増援部隊に妨害され、舌打ちする) 」
オレンジ侍(カチドキアームズ)「っしゃぁああーっ!俺たちの"勝ち"だァアーッ!!!(拳を高らかに突き上げる)って…待ておいッ…!逃げられちまった…それに…!(休む間もなく現れた次の敵、消失していくブースト機能に高揚感が次第に鎮められていく)まだ俺たちの戦いは終わっちゃいねえ…ってことか…!(武器を構える) 」
ヘルトラウダ「……ダメージの蓄積はあれど、あの機動力で逃げる相手を追い掛けるのもまあ……リスクですよね……(再び立ち上がり、機人達の前へと躍り出る)……最優先は、事態の鎮圧ですよね……殲滅しないと 」
ネブカドネザル「敵の撤退を確認。当然許さない。追撃し、あわよくば敵陣を攻撃します(威圧的な電子音声を発すると、アサルトキャノンを放射して機人を蹴散らしながら、カイジュウめいた唸るようなスラスターを吹かし、空路より追撃を図る!) 」
高雄「(パワードスーツ)ここは、やるしかなさそうね…?(無限弾薬をインストール) 」
オーランド「(さすが、引き際も熟知している、判断も早い。)ブーストが通用することは実戦で証明されましたが、あの手合は"それを対策してくる"可能性がある……。戦果、とは言い難いですね……(真顔を崩さず、攻撃対象を切り替え大剣を淡々と構え)すべきことをしましょうか。ここを維持できるのは我々だけ、ですからね…… 」
ツクモ「まだ終わりじゃないかァ……追いたいところですけど、こいつら倒して、それからですよ……ネ?(カッ飛んでいったネブカドネザルにその目を開いて)……一番殲滅向きみたいな人飛んでっタ…… 」
キリエ「フゥー……フゥー……(呼吸を整え出血を抑えながら動いていたが、それも限界に達したのか片膝を突き)あはは……ちょーっとコンディションばってんかも……誰か、フォローおねがーい…… 」
ネブカドネザル「ドーモ(追撃を図り高速で飛行するモーターツヨシ!何やら会話するそぶりを見せながら、その速度を落とさず)ノー、ボス。私はCEOの指令に従い、最優先目標を追撃、殲滅します(もはや線しか見えない距離、誰かにその行動を諭されているのか、無感動に会話を行い)……イエス、ボス。追跡を中断、目標を切り替えます(急激にターン、レギュレイター一行のいる場所へ戻ってくる) 」
ガレア「チッ…まあいい… 次に会った時はこうはいかねえ…!(「今に見ていろ」と 撤退する
イーティスの背を静かに睨みつける。そしてその視線を眼前の機械生命体たちに向き直すと…)……最後の殲滅戦だ。憂さ晴らしに暴れてやる…ッ…!(大太刀を水平に構え、獲物を駆る獣が如き勢いで迫っていくのだった) 」
ロジェスティラ「………(撤退するイーティスを目で追い、追撃しようという気さえ起きないのか呆然とそれを見送り)……。イーティス・センシオン……(あれが……。………) 」
ライオット「――― ぜぇあぁッ!!(ロジェスティラたちが浜辺で機械生命体たちと交戦していたその頃、そこから離れた箇所にて
アサギと二人で同様に殲滅戦を燃やしていた。眼前の敵を蹴り飛ばし、追い打ちと言わんばりにガジェット・閃光《グリント》で突き刺して撃退していく) 」
アサギ「いよっ―――ほっ!(先輩に後れを取るまいと、鈍重な重火器を抱え上げながらも猫のような軽い身のこなしで距離を保ちつつ自身の射程範囲に入った機械生命体どもの急所をを次々と撃ち抜いていく) 」
アサギ「…フゥー……機械生命体の反応消失… このエリアは片付いたみたいっすね……?(ふと、自分たちが撃退した機械生命体の残骸を見渡す。以前、発電所の襲撃事件で見出したゼレオロスの紋章が、今回はどの機体にも見当たらないことに気づいて眉を顰める)………「無い」……?(その気がかりな点に鋭く目を細め、眼鏡のレンズが逆光に輝きだす) 」
アサギ「……!(
ライオットの声にぴくりと微動する)へぇ~、後輩を気にかけてくれるなんて、先輩ってばや・さ・しー、ですねー♪(振り返るといつものお茶らけた様子で小悪魔な笑みを送る)…あたしなら平気っすよ。それより、そろそろ…(他の場所へ移動しよう、と目で促す) 」
ライオット「そうか…っし、ならそろそろあいつらのもとへ戻ろう。何故か、妙な胸騒ぎがするんだ……心臓にずきずきとくる、この、ざわつきが…! 」
ライオット「ああ、そうだ…俺たちはこの時知る由もなかったのだ…運命の歯車が大きく動ぎ出していたということに――――(迫真のシリアルフェイス) って、やかましいわ!要らんこと言うな!ほらっ、行くぞ…!(そう言って踵を返そうとした、その時だった―――) 」
イーティス「ハッ、ハァ―――(危なかった…!こんなこともあろうかと緊急用のリペアキットを持参して正解だったわ…!サイナスの緊急修理はなんとか着手できた…これで安全に撤退はできる。あとは…ヘリックスの感染をある程度拡散することができれば―――)(足を引きずるような覚束無い足取りで裏道から姿をあらわにするが、その時――――) 」
ライオット / イーティス『――――― ! ? ―――――』
偶然か、必然か
運命の歯車は大きく動き出す。再び、二人は出会ってしまったのだ――――
二度目の邂逅を果たした二人は互いに互いを見張った
因縁の敵…というには、彼らにとってはまだ日が浅い
それでも、二人の間に流れるはまるで古くから続く長い因縁のように、切っても切り離せない繋がりを意識するかのようであった―――
ライオット「……お、お前……(ぷるぷると声を震わせながら、恐る恐る目の前の
イーティスへ指先を示すが…)――――― 少し見ないうちに、丸くなったか…?(ぇ) 」
イーティス「……は…? はぁぁぁぁあああ!!?? (
ライオットの質疑に目玉が飛び出る勢いで驚愕を覚える)…あ…アンタねぇ…!?他に何か言うことないの!?ていうか、レディーに向かって無礼が過ぎるわよそういうの!!(やや顔を赤らめながらも
ライオットに指差す) 」
アサギ「先輩、流石に今回はフォローできねえっす(引き気味にジト目で
ライオットを睥睨) 」
ライオット「んあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛やらかしたあああああああ!!!!俺としたことがあああああ!!!全然紳士じゃねえええええ!!!(そこじゃねーよ)…ってぇ…そうじゃねえんだ…!緊張しすぎて違う裏の人格の俺が出るところだったぜ…フゥ、あぶねえあぶねえ…!(わざとらしく額を腕で拭う) 」
イーティス「(こいつやっぱり正真正銘のバカなのかしら…?)(ゴミでも見るかのような冷ややかな眼差しを向ける) 」
ライオット「……(だがここで一度目を瞑る。そして瞼を開いた時には改まった表情で毅然と
イーティスと向かい合う)……初めて会った時から、お前には聞きたいことが山のようにある。だがその前に……このふざけた騒動を止めろ…ッ!さもねえと、力づくで取り押さえる…! 」
イーティス「…ククッ……あ――――っはっはっはっ!(心底愉快そうに腹を抱えて高笑いする)…ええ、そうね。聞きたいことがあるのは私も同感。けれど、私が成そうとしているこの崇高な『計画』をおふざけ呼ばわりするあたり、やっぱりバカザルには理解が程遠いようね。はっきり言うわ…止めるつもりは微塵もないわよ!たとえあんたたち「レギュレイター」とやらが総力を決してこようとも、私は怯まない!こっちも全力で叩き潰してやるのだわ!(ビシィと大胆不敵に指差して反抗の意を示す) 」
ライオット「……だったら…やることはひとつか……ッ…(グググと拳を強く握りしめる) 」
ライオット「アサギッ!お前は手を出すな!こいつは…―――― 俺がやるッ!! 」
―――――― カ チ リ (ライオットの腰からぶら下がっていた懐中時計『ユナイタルウォッチ』が起動する。2時を指したまま動かなかった針が、「3時」にその先端を傾けた。前回までのスパンは短い。そうなってしまったのは、それこそ、「大きな運命」とやらに突き動かされたかのようであった―――)
ライオット「(刻の音に気づいているのかどうかは定かではない。ただ本人は、変身ができるできない以前に、「今こそやらねば」と確固たる強い想いだけで満たされていたのだから―――)――― バ ッ ! (ユナイタルウォッチを正面へ翳す) 」
イーティス「……! ハァ…… (
ライオットが取り出した「ソレ」に一度は驚きを見せるも、その意を汲み取ったかのように重い溜息をつく) バカにつける薬も言葉もないわ。アンタがその気なら、いいわ。今度こそ思い知るといいのだわ…!(ユナイタルウォッチを正面へ翳す) 」
カ チ リ――― キ ュ ィ ン ! (
ライオットと
イーティスが互いに時計天面ボタンを押すと、時計から紅白 / 紫紺の光が弾け、流線型の光が星座空間となって周囲に展開。空間内に瞬く星々のような光、二人はその点と点を繋ぎ合わせて星座を描くように印を結んでいく)
カ チ ャ ガ チ ャ ガ ギ ャ ン ッ ―――― !(星座より現出した装甲が全身へ自動的に装着され―――
ライオットは【クラクス】へ、
イーティスは【サイナス】へと変身を遂げた)
ジ ャ キ ィ ン ッ ――――!(装甲を纏いし二人の手に顕現されたのは、ユナイタルソードと呼ばれる光剣。
ライオットは翡翠と蒼白の二刀流、
イーティスは純白の一振りが、握られた――――)
シ ュ ゥ ゥ ゥ ゥ … ッ … … ―――― ! (機体から零れだす僅かな白煙が空間を満たす。その中で、青年と少女は互いに対立し、睨み合う。静寂に流れる稲妻のような刺刺しい視線が相克に燃え、今にも食い破らんとしていた――――)
ライオット【クラクス】 /
イーティス【サイナス】『 づ ぇ あ あ あ ぁ ぁ ぁ ッ ! ! ! / は あ あ あ ぁ ぁ ぁ ッ ! ! ! 』
ガ ッ ギ ィ゛ イ゛ ン゛ ッ ! ! ! (距離感など感じさせない疾走から繰り出された両者の斬撃による衝突が、その沈黙を破る。空間一帯に迸る蒼電の稲妻が大気を貫き、、地を裂き、海を震わせる――――)
ライオット【クラクス】「ぐゥ…ッ……!!(初撃の衝突、それによって迸る強い衝撃から両者退くように距離が突き放されるも―――)――― だ ぁ ッ ! ! ! ( ズ オ ォ ン ッ ! ! )(腰部から射出された二基のパイルを背面へと纏い、ブースターを起動。瞬く間に大地から飛翔し、空へと舞いあがった) ギ ュ ル ン ッ ――― グ ル ン ッ ――― ズ ア ァ ン ッ ! ! (右から左へとジグザグ状に飛び交い、勢いをつけた二閃を刻み付けんと光剣を振るう) 」
イーティス【サイナス】「ピピピピピ……!(――アンタの戦闘データは嫌と言うほど分析した…!確かにアンタは速い、だけれどその速度はアタシが叩き出した計算の範疇!伸び代さえもね!だって、それも当然―――その「ユナイタルウォッチ」はアタシが開発したものなのだから―――!) はぁあぁあぁぁッ!!(降りかかる二つの閃光を受け止め――この瞬間に、
ライオットがそうしたように2基のパイルを背面に装着し、)ッずぁあぁぁ!!(ブースターを起動。強力な推進力を得て
ライオットを空中へ弾き飛ばし、そのまま飛翔し追撃を浴びせようと、彼の胴へ鋭い銀光を奔らせる―――!) 」
ライオット【クラクス】「 ギ ィ ン ッ、 ガ ギ ィ ン ッ ――― ! ! (空中にて
イーティスの剣とぶつかり合い、再び擦れ違うように飛行していく) ――――ッ(こいつ…ああ、そうだ…!前よりも強くなってる…ッ!!アサルトの連中とは違う…クラクスと同じ力を持つ、純粋なユナイタルなのか…ッ…!?)(斬撃と飛行の間際、その一瞬で
イーティスの実力をすぐに見出す) ず ぁ ッ ! ! (翼を広げた鳥の如く、二刀を振り払ってさらに天高く舞いあがると、そこから燕のような急降下の勢いを乗せた斬撃を叩き込む) 」
イーティス【サイナス】「 ク ィ ン ッ (斬撃が
イーティスに触れる寸前、見切っていたとせんばかりに、最小限の動きでその間合いから脱し、)その予備動作―――(擦れ違う瞬間に、横っ面を目掛けて掌底を繰り出す)―――やりたいことが見え見えなのよっ!! 」
ライオット【クラクス】「 ち ィ …ッ゛…! (攻撃をいなされ、反撃に繰り出された掌底に突き飛ばされる)…俺にはわかる…!こいつ(ユナイタル)の力は普通じゃねえ!いったい何なんだこれは!?どうしてお前"も"使えるんだ…!?知ってること全部教えろッ!!( バ シ ュ ゥ ゥ ウ ウ ウ ン ッ ! ! )(バッ、と全身を大の字に広げて反動を押し殺すと同時に全身から放たれた複数基のパイルがミサイルの如く一声射出され、イーティス一点のみに狙いを定めて襲撃していく) 」
イーティス【サイナス】「なぜアタシ”も”使えるかですって? 答えは簡単よ―――それは、その「ユナイタルウォッチ」はアタシが開発したものだから!! ド ギュゥゥゥゥゥウウンッ!!!(ライオットから放たれた複数基のミサイルから逃れようと、パイル・ジェットを全速で吹かして回避行動を開始する) 」
イーティス【サイナス】「今度はアタシの質問にも答えなさい…ッ!アタシが発明した『ウォッチ』をどうしてアンタが持っているの!?それはこのアタシが造り上げた世界に二つとない"完成品"なのよ!!ギュンッ ボガァァアアンッ!!(ジグザグに、無軌道に、縦横無尽に飛翔しながら追随するミサイルを翻弄し、急旋回した瞬間に薙ぎ払うビームでミサイルを破壊する)―――ギュォォォオンッ!!(間髪入れず、急旋回した勢いのままライオットに肉薄し、すれ違いざまにユナイタルソードによる斬撃を繰り出す) 」
ライオット【クラクス】「 な ッ゛ ―――― ! ! ? (その答えに、頭部を鈍器で打ち付けられたような衝撃が奔った)お前が…こいつを…ッ…!?(納得できる―――この得体の知れない力を知り得ている彼女の適応力を見れば、一目瞭然だ。機械生命体に、ナノマシン「ヘリックス」…それらを作り出せる彼女ならば、低能な自分でも嫌というほど理解できる。だが―――) 」
ライオット【クラクス】「――― なら…なんでそんなものが「 二つ 」もあるんだ!?いや…二つどころじゃねえ!ゼレオロスの連中"も"持っていた!(過去に交戦した04との戦闘がフラッシュバックする) お前ら一体何者なんだ!?こんなことをして、何がしてえんだッ!!( ザンッ、ザンッ!! ド ゥ ッ ! ! )(鋭く研ぎ澄まされた衝撃斬でイーティスと拮抗し、互いに交錯しながら斬り合い、火花と鋼の残響だけをそこに残して更に飛翔していく) 」
イーティス【サイナス】「アンタには関係ないわよ!ていうか、質問に質問で返すな!バカザル!!(ギャリィンッ!)くっ―――逃げんなっ!!(ドギュゥッ!!)(飛翔した
ライオットを追い掛けてこちらも飛翔し追随する)アンタら政府の連中こそ、いい加減に手を引いてくれないかしら!?ちょこまかと嗅ぎ回って、鬱陶しいのよっ!!(ドギュン ドギュン ドギュンッ!!)(後方から追い掛けながら、光弾を乱射する) 」
ライオット【クラクス】「バカとはなんだバカとは!!俺はまじめに聞いてんだよッ!!つーか、バカって言う方がバカなんだよ!バーカバーカ!! ( ん゛……?なんだ、"これ"は……―――― 『既視感《 デジャブ 》』……? )(ふと、脳裏にこのやり取りに近い記憶が反響される。だが、それを鮮明に思い出すことはできない)――――ッ!(その混迷に、反応に遅れて光弾が全身を掠り、咄嗟に身を翻すように旋回し。インターフェイスに映る、遥か先に浮かぶ
イーティスにロックオンを定めると―――) 」
ライオット【クラクス】「づぇああぁぃッ!!!( バ シ ュ ン ッ、 バ シ ュ ン ッ、 バ シ ュ ン ッ ―――― ズ オ オ オ オ ォ ォ オ オ オ ン ッ ! ! ! )(こちらも負けじと光弾を幾つか放った後、胸部のコアに溜め込んだ粒子をレーザーとして解き放ち、熾烈な弾幕戦に躍り出る) 」
ライオット【クラクス】「だったら反復現象《オーバーラップ》をとめろッ!!同じことを繰り返させて、何がやりてえんだ…!!これ以上、犠牲者を出したくねえッ…!(反復現象に陥ってしまったヴィエル女王、その彼女を守ろうとして命を落とした
セイン、そしてそんな反復現象から抜け出したにもかかわらず不遇な扱いを受けているリンネなど、様々な被害者の顔が脳裏を過る―――) 」
イーティス【サイナス】「データ通り!アンタなら”そうする”はずよねッ―――!!(冷静に光弾を掻い潜り、)ヂリヂリヂリヂリィィ―――――(粒子レーザーを肩部装甲で掠めるギリギリの軌道で飛翔する)同じことの繰り返しって、アンタら政府の人間はどうだっていうのよ…!アンタらが言えた口!?いつも後手に回って、あはっ!いったい何人の犠牲を出したわけ!?指でもくわえて黙って見ていれば良かったんじゃないの!? 」
イーティス【サイナス】「―――いい? 反復現象《オーバーラップ》は絶対に止めない。アタシはもう、止まるつもりはない!私の『計画』は人類が到底辿り着けなかった『夢』なのよ!誰もが追い求め、挫折し、諦めるしかなかった『悲願』なの!それをアタシが叶えてやろうって言ってるのよ……アンタたちバカどもには絶対に成し得られない!!(先にライオットがそうしたように、複数基のパイルを射出してミサイルのように彼に狙いを定めて放つ!) 」
ライオット【クラクス】「ぐッ…―――!!(次々と撃ちこまれるミサイルの爆風と共に突きつけられた痛い事実。彼女言うことに嘘偽りはない。士官学校を卒業した若き軍人でありながらも、世論で問われる政府の汚点は痛いほど知っている。現に、外ならぬ自分自身も体験した…それでも…――――)―――俺は…政府の将校だった「親父」に憧れてこの道を進んだッ!テメェの言う通り…偽善と罵られることも少なくはねぇ… 俺の親父はその重圧に押し潰されて、死んだ…――― 」
ライオット【クラクス】「―――― けどッ!! ( グ ル ル ル ル ン ッ ――― ズ ァ ア ン ッ ! ! ボ ギ ャ ア ア ア ァ ァ ア ア ア ン ッ ! ! ! )(縦に高速回転して上空から急降下、そして叩き割る勢いで思いきり双剣を振り下ろし、ミサイルを一掃する) "自分の使命を背負って最後まで誰かを守り続ける" ――― その生き様に倣って俺は今日まで生きてきたッ!!それが親父と俺の『夢』だからなッ!(バ シ ャ バ シ ャ バ シ ャ ァ ッ ! ! ! (ミサイルをいなし、海面すれすれまで下降した低空飛行から勢いをつけてテイクオフ) 」
ライオット【クラクス】「どうやら俺とお前にはぜってー譲れねえもんがあるみてえだ… だがッ!! 俺は諦めねえ!!お前のその『計画』が如何に理想的だろうと… 人類を救うのは…―――― 俺 だ ッ ! ! ! (そのまま急上昇し
イーティスへと肉薄。一段階速度を上げたジェットから双剣で躍り出る) 」
ガ ン ッ ――― ギ ィ イ ン ッ ―――― ズ ギ ャ ァ ン ッ ―― ガギ ィ ン ッ ――― ギ ャ ギ ィ ン ッ ――― ! ! ! (紅と蒼の光芒が鋭い軌跡の筆で螺旋を描くように錯綜し、光の速度でぶつかり合うドッグファイト。鋼の衝突音と共に散らされる火花。二つの光は大空を駆け巡り、果ての向こうまで消えていく勢いで飛んでいく―――)
ガ ァ ン ッ ―― ガ ン ッ ――― ガ ン ッ ―― ギ ィ ン ッ ――――― バ ヂ ィ ン ッ ―― バ ヂ ィ ィ イ ン ッ――― ! ! ! (だがその勢いは依然収まらないどころか、よりその激しさを増していく一方であった。互いに譲らぬ意地と意地の衝突。気を抜けば落とされる一発触発の大激突。勝負の行方は、誰にも分らない――――)
イーティス【サイナス】「くッ――――しつ、こいのよッ!!(繰り返される極限の錯綜。
ライオットの一手先を行こうとするも阻まれ、彼が出し抜こうとする瞬間をイーティスが先手を取る。そんな一進一退の攻防に疲れと焦りが滲みはじめる)(こいつ、やっぱり強い……!この男は必ず脅威になってアタシの前に立ちはだかるはず、そうなっても手遅れにならないように…もっとデータを…!アイツの手の内をすべてこちらが握らないと―――!) は ぁ あ ぁ ッ ―――― !!(これまでよりも更に苛烈さを増した攻撃に打って出、
ライオットを圧倒しようと並走しながら連撃を繰り出す) 」
ライオット【クラクス】「 うおらああぁぁぁあああッ!! (鋼の如き光の刃で穿ち合い続け、戦い慣れしている戦士ですら呼吸が乱れる程の熾烈な拮抗に焦燥感が滲み出る)(こいつ…ッ…やっぱ強ぇ…!!意志の強さがその人の強さだって師匠も言ってたが、こういうことか…ッ…!何が、こいつをそこまで狩り立たせるってんだ…ッ!! ) づ ゥ … ッ … ――――― !! (引いては推しての繰り返し。その苛烈な激闘に踊り続け、互いの連撃が広範囲に火花を散らしていく) 」
イーティス【サイナス】 /
ライオット【クラクス】『 邪 魔 す る な あ ぁ あ ぁ あ ぁ あ ぁ あ ぁ ッ ! ! ! / っ る せ え ぇ ぇ え え ぇ ぇ え え え ぇ え え ッ ! ! ! 』
互いの最後の一撃が衝突する、その瞬間…
稲妻のように脳内に先走ったヴィジョンが、衝撃となって二人の記憶回路に流れ込んでくる――――
パパ……え……? ち、ちがっ……みくだす、って え…? ゃ、あッ……! ご、ごめ、なさっ……! ごめんなさい……!
そっか、そうだ……わたしなんか、ここから居なくなったほうが良いんだ……こんな、スクラップなんか……
鳥になりたいんです。お願いですから、わたしのことは放っておいてください
えへへ……チェス、楽しいです。[[ノイマン]]先生と一緒にこうしているのが……わたしは……
先生っ!聞いてください!アタシ、あのテクノロジーコンペで最優秀賞もらってきました!まあ、先生の生徒なんだから当然よねっ!
ライオット「――――――(これは…「あの時」の…!?"また"、なのか…!?いったい、なんなんだ……!)(気が付けば、互いに互いの不可思議な精神世界を生身で彷徨っていた。そこに広がるのは、自分のものではない、誰かの記憶… 映画のワンシーンのように映し出されるそのビジョンに、ただただ動揺するばかりであった) 」
かーさん!俺、とーさんのようになるよ!強くてかっこよくて、みんなから憧れていた…英雄《ヒーロー》に!
弱い者いじめなんか許さねえ!担任に言いつける前に、俺が懲らしめてやらぁ!
じゃあお袋…俺、行ってくるよ。親父の遺志を引き継いで、立派な軍人になってくるわ
師匠…俺、上手くやれてるかな…?こんなんで、誰かを守ることができるんかな…?
俺は第3所属の最強レギュレイター、"閃光"の『[[ライオット]]』だッ!道を開けろ!!
イーティス「―――――(なに、これ…!?いや、この体験には覚えがある……そう、そうよ…「あの時」の感覚だわ……!)(
ライオットと時を同じくして、不可思議な精神世界を生身で彷徨いながら、流れていく記憶のビジョンから少しでも冷静に情報を得ようと目に焼き付ける) 」
子どもから大人へ… そんな、誰もが辿る成長期を断片的に描いたヴィジョンが走馬灯のように過られる。
苦いひととき、それを乗り越えた先に待つ一縷の幸せ。喜怒哀楽に溢れた、そんな誰かの記憶―――
ライオット&
イーティス『―――― っ は ぁ … … ! ! (止まった時間が動き出す、そんな不可思議な感覚から解放されたかのように、遅れた呼吸を取り戻す)』
ライオット【クラクス】「…ぜぇ……ぜぇ……っ……!(何故だ…ッ…?いつもより…濃く、鮮明に…っ……)(突如過った「見覚えのない記憶」に、心臓の鼓動がどくどくと高鳴る。装甲内で尋常ではない汗が流れ出している) 」
イーティス【サイナス】「…はぁ……はぁっ……!(精神的な消耗も相まって、少しでも早く落ち着きを取り戻そうと玉のような汗を浮かべながら深い呼吸を繰り返す)(間違いない……あの「見覚えのない記憶」の持ち主は……それに、アイツのあの様子……!)ねえ、アンタいま――――ビーッ!!ビーッ!!ビーッ!!(
ライオットに問い質そうとした時、サイナスから稼働時間の超過による、オーバーヒートを警告する緊急アラートが鳴り響く) 」
イーティス【サイナス】「チッ、こんな大事な時に……!コイツの前で無防備になるわけにはいかないわね――――今日はここまでにしといてあげるのだわ!!いい、見逃してあげるんだからね!アタシが逃げるんじゃないのだわ、勘違いしないでねバカザル!(ギュインッ!ゴォォォォォ……)(典型的な捨て台詞をはき、パイル・ジェットで天高く飛翔してその場を後にした) 」
ライオット【クラクス】「(今のは…まさか―――)おい、お前――――!?(
イーティスのユナイタルから轟く警告音に自身の声を遮られる)ちょ…おいっ!!待てよ…ッ…!まだ、お前には聞きてえことが――――(そんな
イーティスへ手を伸ばそうとした、次の瞬間――――) 」
ライオット「( シ ュ ン ッ … ――――) ! ! ? (時間切れと言わんばりに装着していたユナイタルが突如喪失。高い空中で停止しコメディアニメによくあるように目を何度もぱちくりさせると―――)―――― ぃ゛ ぇ゛ ぇ゛ ぁ゛ ぁ゛ ぁ゛ あ゛ あ゛ あ゛ あ゛ ? ! ? ! ? ! (まっ逆さまに高所から海へどぼんと墜落していく) 」
アサギ「ちょッ…先輩…!?あれ、落ちたよね…ッ?やばっ…!(遠目から
ライオットが海へ墜落したのを目撃すると、慌ててガジェットをボード形態に変形させてサーフボードのように勢いよく海へ飛び出していく) せ ん ぱ ー ー ー ー ー ー ー ー い ッ ! ( ド ド ド ド ド ド ド ッ ! ! )(ものすごい勢いで海を駆け抜けて墜落地点へと急速していく) 」
ライオット「―――― っ ぷ は ぁ … ! (その後、辛うじて海面より顔を出して生還する。何度か辺りを見渡し、空を仰ぐ。気が付けば青かった空は茜色に染まりかけ、沈む太陽の向こうに見える僅かな黒い影…立ち去る
イーティスが消えゆくその最後まで見届ける) 」
ライオット「……さっき見た『記憶』… あれは、もしかすると……―――――(リフレインする「誰かの記憶」。その正体を微かに掴みかけた頃にはアサギの救援を受けて地上へと帰還するのだった――――――) 」
アサギ「……すっげ…(上空を舞う二人の相克を見上げては唖然と口を開けている)…尊敬する先輩が、どんどん"遠くなっていく"なあ~……――――(遥か先で戦う
ライオットを見つめながら、瞼の裏に浮かぶいつかの記憶が掘り起こされる――――) 」
「 俺と…付き合ってください! 」
「 ん、いっすよー 」
初めて異性から告白を受けたのは、高校三年生の時
ちょうど、士官学校への推薦入試に合格し、ひと段落がついた頃だった
その頃のあたしといえば、広く浅くいろんな趣味に手を染めていたけれど、
飽きやすい性格ですぐに次へ次へと目移りしてしまう。恋愛だって、そうだった
結局初めての恋は長続きしなかった。それもそうだ
だって、ほんとは最初から好きじゃなかった。ただ、暇つぶしになれればそれでいい
そんな軽い気持ちで恋というものに触れてみようとしただけのことだったから
「 ん、いっすよー 」
士官学校生へ入学して間もないころ、また新しい彼氏ができた
あれから少し成長して、ちょっとだけ恋心ってものが分かるようになればいいなと思って、また、そんな軽い気持ちで
でも…
「 なんだよ、BL本って…男同士が裸で付き合うを見て興奮するとか…やめろよ、こういうの。萎えるんだけど 」
「 あんたに制限される筋合いはないっす。ほっといてくれっす 」
「 …別れよう 」
そうして、一度興味を示したことでもすぐに冷めてしまう。拾っては捨てての繰り返し
誰にも理解されないんじゃなくて、あたし自身が心から理解しようとしないだけ。薄情な人間だと言われたらそれまで
でも、仕方がないんだ。だって、飽きちゃうものは飽きちゃうんだもの
いつからか、そんな自分が怖く感じるようにもなった
最初はときめいていたものも、時間が経てば色褪せて、あの頃感じた感情はもうどこかへ消えちゃって
ああ、きっとこれから先、ずーっと一人のまま退屈な人生を過ごしてしまうんだろうな
何も得ず、何も理解せず、ただ風の吹かれる雑草のように、枯れ果てていくのを待つだけなんだって
そんな恐怖を感じていたら、いつしか周りを拒絶するようになった
誰とも目を合わせたくない。何にも興味を持ちたくない
どうせすぐに切り捨ててしまうものなら、そんな無駄な感情も時間も費やしたくない
何も考えたくない。ただ一人でいたい。殻に閉じこもっていたい
そう思い込み続けた時、『あの人』と、出会ってしまった…――――
「 うーわっ、最悪… 傘忘れたし…はぁ……早く帰ってアニメ見たいのに…… 」
「 どあああぁぁーーーっ!濡れる濡れる!!はぁぁ……ったく、参ったな…… 」
「 ……ん?なんだ、お前も傘忘れて雨宿りか?ははっ、俺たちツイてねーな。 」
ネクタイの色が違う…上級生だ。あたしより二つ上の、三年生
いかにも陽キャって感じだ。少なくともあたしとは住む世界が違う。なんか声掛けられたけど、無視決め込もう…
「 ……!お前それ…そのストラップ… 「怪盗ピエトラ」の…!お前も好きなのか、あの漫画…!? 」
「 ぇ……!? 」
あたしの好きな漫画の一つ。それも、決してメジャーなものではない、かなりコアなもの。
これを知っているということは…
「俺も読んでんだよ…!かっこいいよな、「怪盗ピエトラ」!あのマントとペルソナマスクが欲しいけど…残念ながらまだグッズ化できるくらいの有名作品じゃねえからさ…けどもったいねえよなぁ~~!あの神作が日の出浴びねえなんてよ~…俺には理解できねえな。だってさ、知ってるか?あの漫画の作者って実は今話題沸騰中の「ブレイジャー」の作者と兄弟でよぉ、それで―――― 」
意外だった。如何にもそういう道に興味がなさそうな見た目なのに、あたしが好きなものをここまで熟知しているなんて
そう…この人は、あたしと同じ隠れオタクだったんだ
思えば、こうして同じ趣味について語り合うことなんてなかった。そもそも、誰かと話をすることすら…
でも気が付いたら、あたしたちは雨が降り止むまで、軒下でたくさんのことを語り合った
お互いがかつて夢中になったものから、今ハマっていることまで
正直、時間なんかすぐに忘れてしまっていた
こんな気持ちは初めてだった。誰かと分かち合える瞬間を味わったのは
心の底から、夢中になったのは
「 ……っと…なんだ、もう晴れたか。意外とあっという間だったな。気をつけて帰るんだぞ。 」
「 ……あのっ…! 」
「 ……ん…? 」
「 ……一年の「胡桃田浅稀」です。お名前、聞いてもいいですか…? 」
「 …三年の「ライン・オーレット」。気軽に『
ライオット』って呼んでくれ 」
「 せ、先輩…!?…ぉ……お、俺を…?……困ったな…俺をそう呼んでくれたのは、お前が初めてだ…っ……! 」
「 俺にも…ついに後輩が…… よ、よろしくな、
アサギ後輩! 」
「 その呼び方はどうかと思いますけど…―――――「アサギ」でいいっすよ 」
「 そうか……じゃあ、よろしくな、「
アサギ」! 」
「 ――――― はいっ…♪ 」
「 今日から我々第3調査兵団に、新たな団員が加わることとなった。入ってきなさい。 」
「 新団員が…?いったい誰が…――――って、ええぇ…っ…?! 」
「 ちーっす☆ 本日からお世話になります、胡桃田浅稀でーす♪ 」
「 ぉ…おいおいおい…っ…よりにもよってお前が… 」
「 ほう、貴殿等は知り合いの関係だったか。なるほど…これも博士の計らいというものか…フフッ… 」
「 優秀な後輩ができてよかったすね!てなわけでぇ…よろしくお願いするっすよ、「先輩」♪ 」
「 …は、ははは……これは、参ったなぁ…… 」
こんなに何かに夢中になれたのは、誰かを信頼できるようになれたのは、生きていくことが楽しく感じられたのは…
あの日、憧れの「先輩」に出会えたから
先輩に会えて、
レヴィやアルなどの友達も増えて、学園生活が楽しくなって
第3に来てからも、師匠や博士にあたたかく歓迎されて…気が付いたら、もう、一人じゃなくなってた
おバカで間が抜けて、時々厨二臭いけれど、先輩と過ごす日々はほんとに、本当に、心の底から楽しくて
今のあたしがあるのは、そんな、『あの人』のおかげだから―――
アサギ「――――……(空を描く不規則な飛行機雲を見上げながら、そんな物思いにふける。憧れの人はどんどん空の向こうへと飛んでいく。自分もそんな、『あの人』のように遠くまで飛んでいけたらと、切に思う。今はまだ、何もない『夢』を追いかけている途中だけれども、いつかきっと掴んでみせる。憧れの人が、そうしたように――――) 」
アサギ「 ぁ (そんな時だった。決着がついたのだろう。水平線に向かって沈んでいく小さな影を目撃し、思わず声を上げた。やれやれと一度視線を傾けて、すぐに自身ののガジェットを踏み台に海へと身を乗り出す) 」
――― 先輩。いろいろ大変だとは思いますけど、時には後輩《 あたし 》を頼ってください
いつか、いつか本当に、先輩に似合う立派な後輩になってみせますから
繰り返される日々から手を引いてくれた、あの日に誓って――――
教授「名前、年齢、所属、本プロジェクトの志望動機を簡潔に 」
女学生「イシス・ローシャ、15歳、医学部所属。本プロジェクトへは医学発展に貢献し、国防、国民の生命保証を強化するべく参加しました。 」
教授「この年で国家資格相当の医療技術、知識を保有……出身はペガサス国か、戦争孤児だな。聞いた話では孤児仲間の治療、衛生管理に貢献。
政府軍の到着まで幼い命が残っていたのは君の手柄だとか 」
女学生「生まれた時から私の住んでいた地域には医療機関がありませんでしたから 」
教授「"できることをした"か、君の口癖らしいな。これからも続けられるか?君にできることを 」
――― 今思えば簡単なことだ ―――
― 30年前:世界政府第8技術研究所 ―
軍医「大佐、説明願えますか。 」
将校「 【エリア7】 ……プラリーニ王国とゼレオロスの国境、エーテルベール境界線上にある区画を政府軍上層部は"非加盟国区画"と定めた 」
軍医「場所ではありません、人命の話をしています、この子供たちはなんなのです。栄養失調、感染症、凍傷、症状は様々ですが何故、このような子供達を医療施設ではなく"ここ"へ搬送したのですか 」
将校「世界政府は【エリア7】区画在住民への人権を保証する義務を負わない。同時に彼等は制式に
ゼレオロス帝国の領土民に該当しない、まだな。よって彼等はどの場所にも存在しない、ゴーストだ。しかし生きた臓器と機能する脳、何よりゼレオロスへの復讐心を備えている。この意味がわかるな、ローシャ中尉 」
軍医「……。理解しかねます 」
将校「君はアトラス医療技術研究室に席をおいている。上層部はあの場所の技術を欲している。高水準の魔導技術だが、ロジックさえわかれば世界政府に模倣不可能な技術など存在しない。 君は彼、彼女らを被験体としてアトラスから持ち帰れば良い。わかるな、ローシャ中尉 」
――― 今思えば明確だった ―――
― 10年前:
政府軍■■■■■■プロジェクト 適合種養成所 ―
研究員「31号、そのぬいぐるみは……? 」
赤髪の少女「家族達だよ。本当の親はとっくに死んでるけど、死ぬことが"いない"って証明するわけじゃないんだってさ。だから今はこれらがパパママってわけ 」
研究員「32号、種痘時間は過ぎている。 何をしている……。 ………何を、描いてるの…… 」
青髪の少女「…………………。あなたにはわからないよ、絶対、何度生まれ変わってもわからない 」
研究員「33号……。今日まで君は一度も規則違反を侵さなかった、模範的な軍人といえる。……それがわからない、なぜだ? 」
白髪の少女「私があなたを殺すため、そう言ったらどうする? 」
研究員「…………。死にたくはないな……君もそうだろう……誰もがそうなはずだ。7号…… 」
黒髪の少年「そうとも、誰もが"自分だけは死にたくない"。その為に命を懸ける……ま、他人の命だけどね。 あなただってそうじゃないか 」
研究員「47号。君はあの姉妹と血縁者らしいね。なぜ、何故今更ここへ……? 」
朱色髪の少女「家族はおかーさんだけです!おかーさんがここで勉強しなさいって言ってました!それが"戦士"ですから! 」
研究員「おかーさんに私を殺しなさい。そう言われたら? 」
朱色髪の少女「――――――はい!殺します!! 」
――― やめればよかった。
それしかできないと言うなら、いっそ立ち止まって誰も傷つけなければ良かっただけの……当たり前の結論だった ―――
第5調査兵団団長「マリマ、ロン……私が……? 」
第5調査兵団団長「……時間を、時間をちょうだい。場合によっては……代役を用意しないといけない……。 」
ある日の朝の事だった、自室で大切に育てていた観葉植物が穴だらけになっていた。
植物の葉の上では青虫が這っている。愚鈍で、能無しで、無力な癖して
「あなただってそうじゃないか――――― ム シ ケ ラ 」
いつの間にかそこにいて誰かの領域を食い荒らしている 」
青虫「ムシケラ。 」
まるで……私のようだった。
― 現在:第5調査兵団事務所 団長執務室 ―
――――地下■■階。陽光が届かず電算機のランプが光源を担う事務所。
"球体関節"を軋ませ、紫髪の少女……第5調査兵団団長:オアシム・ハペコラは膝を抱えソファの上にうずくまっていた。
虚ろな目は常に書き換わるモニター上の数字を置い、その端末に繋がれた"人を模した影"を見据える。
その日は初めてではない、しかし唯一の客人が訪れていた。
ウェーブの掛かった銀の髪、目元を隠したベネチアンマスク、18世紀イギリス然とした洋装の男は、
オアシムが蹲るソファにもたれ掛かり、手元の携帯端末上で再生される複数の動画ファイルを閲覧していた。
ロナの操る機体、アリエルが
ゼレオロス帝国の兵士を"収穫"する様、
ライオット、
イーティス、不可思議な力を持つ双星が巡り合い、海上戦を繰り広げる様子……
■■■■「―――――意思伝導体に次いで"アナグラム体"とは……解明し難い現象とは神秘に等しい、これに挑み研鑽を重ねるのが学者という種の生態系だ。アトラスの学者達は黙っていないだろうな……。 だが我々は違う、彼等のような観客ではなく、常に"対象"を生み出す脚本側の人間だ。そろそろ新しい舞台装置を用意しては如何かな、ドクター。 」
オアシム「……。"アンティキラ"は理論上戦略的価値を持つけれど……あくまでそれは動作限界値までに敵を殲滅することが可能な状況にある場合。 レギュレイターを、ゼレオロスを過小評価しすぎている……今あれを動かせば、あなたが手塩をかけて育てた被検体を失うわ 」
■■■■「得るものがない……と? (背もたれへ腕を突きたて、オアシムへ顔を近づける。互いの吐息が届き、重力に従って下がった髪が頬に触れる程に。 何度も何度も、呪詛を刻みつけるように囁いた)違う、違う違う違う違う違う違う……凡人の考えだ。失敗することは、間違うことは後退ではない。不正解を、可能性の添削を重ね、石橋を叩いて叩いて叩いて叩いて叩いて叩いて叩叩叩叩叩叩叩叩叩叩いた先に、唯一残った最適解が"真理"であり"崇高"となるのだ。私がアトラスに席を置いた3年間、私がアルカノスに席を置いた3年間、私が聖風に席を置いた3年間、あらゆる幼い私を経て辿り着いた答えだ。 」
■■■■「ああとも、失敗するだろう。だがそこに最適な駒を置く必要はない。"特定の誰か"の為に捧げられる命題は、それを完遂するまでに何人もの"別の誰か"を使う。 最適解を残すために、究極の一<アルティメットワン> を残すために全てをゴミにすればいい。 お前はまた間違え、だが流血は別の誰かでいいのだ、ドクター。 」
■■■■「――――――ロジェスティラをアンティキラに騎乗させろ。最初に失うのは、"白いラット"だと定まっているだろう 」
ライオット「………(ずぶ濡れの身体を乾かそうと浜辺で大の字で仰向けに倒れている。やがて暗がりへと変わっていく茜空を呆然と眺めながら、何か物思いにふけるように黄昏ていた) 」
アサギ「………先輩、生きてますー?(そんな彼の隣で体育座りで居座り、水平線の彼方を呆然と眺めていた) 」
ライオット「…その質問にまじめに応えるなら、俺は…生きているのかどうかわからねえな。(まるで他人事のように小さく吐き捨てる)……不思議な感じなんだよ。『あいつ』と出会ってしまうと。 」
ライオット「……"見えた"んだ。もしかすると…あの『記憶』は…あいつのかもしれねえ…(最後に二人が直面したあの不可思議な現象がフラッシュバックする) 俺とはほとんど真逆な人生で… あんな経験をして、よくあんなに強がっていられるよなって思えるくらいだ… 」
ライオット「もしあの『記憶』が"そう"だったとしたら、あいつの意志は…とてつもなく、強え。あいつをそうさせているのは…―――――(ふと、あの『見覚えのない記憶』に何度か過った『ノイマン』という人物。彼女が「先生」と呼んでいる、あの男性の像が脳裏にちらついた) 」
ライオット「……なあ、アサギ。前世って信じるか? 」
アサギ「考えたこともなかったっす、前の自分がどうだったかなんて。来世はベニクラゲになりたいなって思うことは時々あるっすけど。あ、知ってるっすか?ベニクラゲって若返ることができるから、理論上は不老不死なんすよー。 」
ライオット「そうなのか?まあ、不老不死となのはこの際おいといて…そうだな…来世なら、誰でも考えるよな… 俺だって"次"は何に生まれ変わるんだろうかって思うことくらいはある。そんな俺は異世界の魔王か勇者に生まれ変わりてえがな!がはは! 」
アサギ「うわでた。でも、そういうのもいいっすよね。(釣られてほくそ笑む) 」
ライオット「……多分、俺は前世はすごい奴だったかもしれねえし、来世でも今よりもっとすげえ奴になっているかもしれねえ。俺があの『記憶』に覚えがないのは、きっとそんな…現世(いま)の俺ではない俺が辿ってきた…もしくは辿るかもしれねえヴィジョンなのかもしれねえな…って… なんか、ふとそう思っちまってな……(「よっこらせ」と上半身を起こす) 」
アサギ「先輩の目にはすべて視え透いてるんすね。もしかすると、本当に異世界転生できちゃうかもしれないっすね。(にやにや) 」
ライオット「そうなったらもう、無敵よ。(と、ウインクしながら力こぶを見せつける) 」
アサギ「……でも……(ここで視線を目の前に移す)……あたしは来世でも、先輩と一緒に居られるなら……(そう、囁くような小声で呟く) 」
ライオット「 ? (小波の音に
アサギの小声が掻き消されたため、彼女が何を言ったのか聴き取れなかったのだろう、彼女の横顔へ振り返りながら小首を傾げる) 」
アサギ「 ♪~ ――――― ! (そんな時、スマホに通知が入る)……あ、集合命令出たっす。もう一度海の家へ集合…また全員で女王様のもとへ向かうみたいっすね。 」
ライオット「……そうか…(それを聞いて、あのエデ女王の顔が脳裏を過った)そういえばあの女王様…今思い返せば…!いったい何考えてんだ…地上がこんな目に遭ってるってのに……! 」
ライオット「ここは一度強く言うべきか… とにかく、みんなのもとへ戻ろう。あの女王様に問いたださねえとな。 」
エクレイル「コツ、コツ、コツ、コツ…(アトラスへの二度目の上陸。他の団員たちを引き連れてだだっ広い廊下をずかずかと進み、女王のいる最高裁へと向かう。だが、その横顔は決して穏やかなものではなかった―――) ―――やはり看過することはできん。もう一度女王陛下に会い、事の真相を話してもらわねば…! 」
劉狼「機械生命体の撃退には成功…しかし……やはり女王陛下のあの決行は……(曇る表情に眉をひそめながら歩いている) 」
フロール「……先程はあんな結果になってしまいましたが、やはり……こうなった以上、引き下がるわけには行かないでしょう。なんとかしなければ……(
エクレイルに歩調を合わせ、真剣な顔つきで歩いている) 」
マリ
マロン法廷守衛「 ガンッッ (黒装束の兵士二名が正門の前に陣取り、互いのやりを交差させ
エクレイルの行く手を阻む) ――――女王陛下は公務に当たっております。謁見を希望される場合、事前にアポイントメントを…… 」
ガダル「―――――――― 構わん、通せ。(正門横、遠くに見える壁の一部が回転ドアのように動き、中から甲冑を鳴らして現れる。 法廷守衛へ歩み寄り、 掌をかざす。手帳サイズのホログラム映像が表示された) 陛下への謁見には私が付き添う、規定違反にはならないだろう 」
エクレイル「急を要する事態だ!すまないが、今すぐ女王陛下に会わせてほしs――――!(そこに、ガダルの抑制の声に振り返る)………恩に着る。(そんな彼へ首を垂れる) 」
マリ
マロン法廷守衛「…………。(互いに顔を見合わせ、当惑しながらもうなずくと道を開け、槍を床に打ち付ける)――――通れ。 (それを合図に、正門のドアは外見の仰々しさとは裏腹に、音もなく開き法廷への道を開けた) 」
ライオット「……っ……(いよいよただごとではないことを先頭を歩く団長陣の会話から、息を呑む) 」
エデ【審判】「(法定の最奥、裁判官の席に自らを固定した少女はレギュレイターに一瞥もやることなく、彼女を取り囲むように浮遊する複数のホログラムモニターのデータを閲覧していた。ただ彼等の存在は認識しているようで…)―――――当法定は規定231に従い、地上敵勢力の分析・対策協議へ公務を移行しています。外部の者の出席は許可されていません、速やかな退出を 」
エデ【執行】「ほう、これが件のアナグラム体か……。魔眼を以てしても構造解析に至らないとは……。いやしかしいい目をしているなぁ……イーティス・センシオン。"現状に満足していない"目だ。実に良い、なんとしても欲しい(賢人の席から無数のホログラム映像の一つ、
ライオットとイーティスの繰り広げる海上戦の映像を眺めていた。ポップコーンを頬張りながら、娯楽を眺めるかのように) 」
フロール「……有難うございます(
エクレイルに続き、ガダルに一礼)(相変わらず、此方を意には介していない……その上、今一人が見ているのは……)……隊長 」
エクレイル「 女王陛下ッ!! (叱責するような厳かな表情で女王の機械的な言葉を遮り、怒号にも近い叫びをあげる)……イースターにおける機械生命体は、我々レギュレイターが無事撃退。住民らの避難、及びその身の安全も確保し、幸い負傷者は誰一人出ませんでした……しかしッ!!今回の問題は、"女王の決断"です!! 」
劉狼「左様。我々政府の一兵団がこのような場において意見するのは烏滸がましいことは重々理解しておりますが、此度の件については看過できぬ問題ですぞ。何故、地上のイースターを見捨てなさった…?マリ
マロンへ初めて上陸した際にも気がかりではあった…イースターとアトラス、同じ
マリマロン王国圏内でありながら、両者にはただならぬ格差を垣間見た。女王陛下、貴女の真意をお聞かせ願いたい。(
エクレイルへ続くように申し出る) 」
ライオット「…っ………(
イーティスとの戦闘を監視されていた。その事実を目の前で思い知らされ、身の毛もよだつような感覚に陥った)……何考えてんだ…っ……(ただただ疑念の渦が強くなっていく) 」
エデ【執行】「
マリマロン王国の国家運営は当法定の決定、並びにアトラス都民のフィードバックを参考に行われています。外部の者に対する説明義務を持ちません。また、地上への対処に疑問があるとのことでしたら閲覧レベル1資料に資料があります。各自、そちらを参照ください。(声色一つ変えず、複数のモニターを引き続き見比べ) ガダル、退出させなさい 」
エデ【執行】「まあ待て【審判】、そう固いことを言ってやるな。少しばかり考えたのだがアレらに私の言葉は理解し得ないのかもしれない。ここはこちらから知能レベルを合わせてやる……そうだな、Q&Aの方式で答えてやってはどうだ(その気はない、茶化すように笑いながら) 」
エデ【審判】「…………(目を伏せ首を横に振る。指を鳴らし、ホログラムモニターを全て閉ざすと、レギュレイター達を視界に入れ)……。アトラス建造の経緯は外部の者が知る由もないですね、確かに我々の配慮が至らなかったのは事実でしょう。 さて、どこから話せば良いのか……どこまで理解しているのか、によって変わってきますが…… 」
エデ【執行】「(え? 応じるの? という顔) 」
コンラード「………。(実際どこまで知ってるの?私は何も知らない。 という顔で面々へ目配せする) 」
エクレイル「我々はまだ、五大国のすべてを知り得ているわけではない。ラステルム王国のヴィエル女王からは、五大国とゼレオロスの永き五渡る因縁を拝聴したが…五大国そのものの歴史についてはまだまだ疎い点が多くある。中でも、ここマリ
マロンは開示された情報が極めて少ない。件の反復現象克服者についても、各国に精通しているリオン氏が掴んだ貴重な情報でもあったが故だ。つまり、貴方がたは、この事実を表沙汰にしようとはしなかった。それこそがマリ
マロンの情報の希薄さを物語っている。 」
エデ【審判】「承知しました。門脇リンネについて情報の隠蔽を測った事実は在りませんが、確かに五大国全体へ共有はしていません。"あの現象"が特別……多くの"人類"の"平常時"と、相違がないものと判断できた為です。(頭上に門脇リンネ収監された部屋が表示される。それを一瞥すると、見慣れたものを視界に入れたかのように目線を外し)………。(一瞬、
ライオットを一瞥した) 」
エデ【審判】「(その場の全員をぐるりと見渡し、機械的でない、明らかに人のそれである抑揚をつけた語りで彼女は問いかける)皆さんへ問題を提示します。 『焼き回される営みに意味はあるか?』 」
ライオット「 !? (その瞬間、エデと目が合うとそれに気づいてぴくりと微動した) 」
アサギ「………どういう意味っすか?(その問いかけに、素朴な疑問符を浮かべる) 」
ガレア「………(一同から離れ、それでも彼らの問答が耳に入る圏内で腕を束ながら壁に凭れかかっていた) 」
フロール「ええ、我々はそもそも情報が足りていない状態です、最初来た時と同じように……っ?(部屋のホログラムが目に入り) 」
コンラード「な、なんだ藪から棒に……なぞなぞかね?……で、ですかな?(眉をひそめ髭を弄りながら) 忙しい忙しいってそっちが言ってるだろうに全く(ブツブツ)……(さーっぱり意味がわからん……)あー……繰り返しということ、かね?意味がない、のでは……? 」
エデ【審判】「歴史は繰り返す。よくあなた方も言うでしょう。私も同じ意見ですが、受け止め方が違う。 繰り返される営み、虫酸が走る循環だ。 (嫌悪感。それも毛虫などの不衛生たるものを見るような眼差しでそれを明らかにした)イースターの民も同様です、彼等も繰り返すことを選択している。オーバーラップと相違ない 」
エデ【審判】「イースターの囚人は元々精霊種の領地であるマリ
マロンへの武力制圧を試みた海賊の出自です。我々精霊種は迎撃こそしたが、彼等に二度の"反省"と"成長"の機会を与えた。一度目はこの侵略行為を不問とし居住権を与えること。略奪による生活の維持は無知故、低い文明レベル故と判断し、知識と法を教え、更生と成長を促した。 」
エデ【審判】「しかし、彼等が文明レベルを上げ行ったことといえば外海への軍事進出だった。それも
マリマロン王国の名を我がものとした上でだ。軍事衝突から得られるものは無い、我々はこれを制御しようと試みるが、既にそれを読んでいた一部の知恵ある者達の襲撃に合い、精霊種と魔術師は1/2が還らぬものとなった。 」
エデ【審判】「100年前だ。私は地上を"群青の唄"による大津波で浄化、知識、文明の一切を取り上げた。くわえて、隣国へ危害が及ぶことのないよう生き残った地上の民は"囚人"と定め幽閉する事とした。これが二度目の慈悲だ、 "奇跡的に己を変える意志を以て知識を求める者"を資源と定義しアトラスへ回収、第三の審判を行うまでの執行猶予期間、あの砂浜に生きさらば得ている不要物。それがイースターの囚人だ、故に我々は"救済しない"としている 」
エデ【審判】「(目を伏せつつも、片手を右側へかざす。するとイースターの浜辺の景色が表示される)イースターという"施設"の"役割"について明らかにしておきましょう。あれは『監獄』です。 私にも外交や他国への礼節は弁えています、統治者として、自国の民が隣国を害さないよう、制御しなければならないということも。 あのおぞましさを、愚劣さを彼等は必ず"繰り返す"。だからアトラスという"人"の国へは入れない。囚人として、第三の審判まで幽閉する。 以上が"イースターを救わない"理由です 」
ライオット「―――――ッ!?(エデの発言に覚える既視感。それは――――) 」
(回想)イーティス「同じことの繰り返しって、アンタら政府の人間はどうだっていうのよ…!
アンタらが言えた口!?いつも後手に回って、あはっ!いったい何人の犠牲を出したわけ!?
指でもくわえて黙って見ていれば良かったんじゃないの!? 」
ライオット「―――――………(先程交戦したばかりの
イーティスの発した言葉。それと重なる。反復現象《オーバーラップ》云々以前から、人々は、世界は、そうして何度も同じことを"繰り返して"きたのだ。その皮肉な現実に、やはり今回"も"言い淀んでしまう) 」
エデ【審判】「繰り返しから脱する、現状を良しとせず理想を持って前へ進もうとする……そんなシンギュラリティ足り得る人間を選定、回収し保管する。本来のアトラスの役割は"生かし"、"活かす"べき人間の選定。門脇リンネも或いは……と思いましたが。(頬杖を突き、モニターを消すと重い溜息をついて言い放った)―――――我々は失望した、私は心底がっかりした。ああ、その"程度の問題だったのか"……と。 」
コンラード「(門脇リンネ、その程度の問題、点と点が結びつき顔を上げ思わ身を前に乗り出す)――――!! まっ……まさか、"解明した"のか!!?そんな……!我々が長らく追っていた、あれを……ッ!!? 」
フロール「……”繰り返す”事に対する憎悪……確かに、誰もがその停滞と反復から容易に抜け出せるわけではありません、しかし……!? ……まさか、解明したというのは…! 」
エクレイル「……ッ……地上が、「監獄」……(常識外れの歴史、そしてそこから紡がれる現代の有様に困惑する)…確かに、我々は人類は同じ過ちを何度も繰り返してきた。他ならぬ私自身も、他人事ではない…――――(閉じる瞼の裏に広がるは、忌まわしき過去――――) 」
挫けても、倒れても…それでも立ち上がり、いつだって前へ進み続ける。レイル…君は、本当に、強い人だ。
お前が思っているほど、私は強くない。
だが、人はこの足がある限り歩み続ける生き物だ。
立ち止まる理由などあるまい。ワカツ、お前もその先へと連れていく。
……こんな繰り返される絶望の中で、君と会えてよかった。少しだけ、勇気が持てたよ。
挫けても、倒れても…それでも立ち上がり、いつだって前へ進み続ける。レイル…君は、本当に、強い人だ。
…… …… ……
……こんな繰り返される絶望の中で、君と会えてよかった。少しだけ、勇気が持てたよ。
…… …… ………ワカツ……
エクレイル「―――――(お前は今も、「あの時」のままだ。生きる希望を見出した矢先に、お前は…――――)(ぐっ、と眩暈にたち眩むように顔を伏せる。)……!(だが、その忌まわしき過去の先に照らされた光明。エデの発言にがばっと顔を上げた)……反復現象《オーバーラップ》の解明が…その謎が、解ったというのか…!?(前のめりに、食らいつくように、詰め寄る) 」
エデ【審判】「明確な反論がない。理解は得られずとも異論はなし。そうみなして相違は在りませんね(瞼を閉ざし、どこか疲労感の見られる散漫な所作でガベルを手に取る)ああ、門脇リンネの医療カルテ等の情報共有の件ですが、条件に変更はありません。あなた方、世界政府もまた繰り返しという"輪廻"の一部です。必要以上の接触は避けなければなりません。(答えない。一貫してその姿勢を貫き冷淡な眼で
エクレイルを一瞥する) 」
エクレイル「ッ……!(女王の冷徹な瞳を前に尻込みする。反復される「友人」を救えなかった、過去の軛に囚われた今の非力な自分には、彼女に強く物申すだけの度胸は備わっていない) 」
劉狼「………(
エクレイル殿……)(ここで折れかける彼を垣間見たのは初めてだが、彼の過去を知る身としてはその心中を察する。致し方ないことだ、と目を伏せる) 」
フロール「……(尊敬する
エクレイルの過去、そして悔恨を察するが、気の利いた言葉を発することが出来ず)……(考えろ、考えろ……彼女の、そしてこの国家の…”輪”への嫌悪…僕たちだって、今はそれを断ち切るために…!) 」
エデ【執行】「やれやれ、またもや茶番化……審判、話の続きだが。(挙手をし彼女へ疑うような、不安げな眼を向け)マーサリアの寿命が近い、執行猶予は彼女の生命そのものだ。資源にもならない囚人を保護する意味はないが、彼女はあれでもイースターを好んで留まっている。第三の審判まではなるべく静かに過ごさせてやってはどうだ? 」
エデ【審判】「否定します。(目元を片手で抑え、明らかに隠しきれない疲労故なのか項垂れる)執行の発言は"特定個人に対する心情"に由来するもの。我々は執政システムとしてあらねばなりません。執行ユニット管轄の衛兵をイースターへ送り、"マーサリアをアトラスへ異動させなさい"。執行猶予はあくまで猶予です、予定は早まりましたがゼレオロスの介入が確認された以上、最優先とすべきは『アトラスの保護』です。 イースターの浄化を行います。奴らの言う"被検体"諸共洗い流せば事は済むでしょう 」
ヴェスパー「(だんちょちゃん……)(彼の心情を汲み取っても気の利いた言葉一つかけられない。目を伏せていたが、目の前で堂々と継続される会話の内容に耳を疑い、顔を上げる)はっ……? イースターを浄化、て……。(早める?元々その予定だった?じゃあなんで今になっ、て……) ねえちょっと!?リンネちゃんは"囚人"って言ったよね!?じゃあ今彼女がいるところって……!! 」
エデ【審判】「………。話しすぎましたか、メンテナンスを受ける必要がありますね(額に手を当てたまま首を横に振り)否定、門脇リンネの収容区画は"地下"です。 地上、囚人居住区画へエレベーターでの輸送を可能とします。 あれはゼレオロスにとっては"アキレスの踵"でしょうからね、そうそうにアトラスから切り離す準備は備えているだけのことです 執行ユニット、マーサリアをアトラスへ輸送なさい。 ガダルは世界政府の皆様を潜水艇に載せ審判の範囲外へ避難誘導を。(ガベルを繰り返し打ちつけ迅速な行動を促す。これ以上の会話を拒むように、乱雑に) 」
ライオット「……
エクレイル団長…(あまり他の部隊やその団長と関わる機会こそはあまりないが、少なくとも今は彼の心情を察し、神妙な顔つきに歪めていたが…)――――!?ちょ…今なんつって…ッ…!?浄化…?洗い流す…?まさか、それは――――ッ!?(機械的に行われる会話から聞き捨てならない内容に声を荒げる) 」
鬼塚冬毬「………穏やかではありませんね。まさか自然的な意味ではないでしょうね‥? 」
ガダル「………(この決定は今始めて知ったわけではないのか、驚きこそしなかったが、籠手越でも指が掌に食い込み血を流す程に拳を握りしめ、出掛かった言葉を握り潰そうとしていた、が……)――――お、お言葉ですが陛下……。地上の浄化は規模が大きすぎます……それは奴らの目的である被検体の抹消を知らしめる事にはならないのでは……!せ、せめて……ここは彼等に、世界政府に門脇リンネの身柄を引き渡し、アトラスから早々に立ち去らせれば……ッ(苦し紛れの提案に自らへの嫌悪感が増す。外部の者に、ただ一人の子供に国の問題を投げ捨てるような提案に他ならない。こんなことでしか、女王に歯向かうカードがない己への苛立ちに歯を食) 」
エデ【審判】「――――――。(ガダルの反論とも取れる提案に何度か瞬きをし、自身の中で彼の言葉を繰り返し確かめるように沈黙した。暫くすると、どこか憐憫にも似た眼差しを向け)ガダル……1ヶ月の有給を認めます。衛兵、彼を回復室へ(手を上げ、遠くに見える彼を払うように振るう) 言葉通りの意味です、第三の審判を行います。彼等には充分な猶予は与えました、にも関わらず……あなた方客人への無礼な振る舞いを初め、様々な愚行を行うような人ならざるものです。 私の権能を持ってすれば、一度の並で死に絶えるでしょう、虫のように 」
ガダル「――――――――!!(脱力。叱咤されるどころか、自身が正常な判断ができないと憐れまれていることに脱力し、両膝をつく。 衛兵に両脇を抱えられ、連れられる中言葉を失っていたが、その過程でエクレイルとすれ違い……)―――――違う、違うんだ!!特別だから輪廻から脱するのではない!!才を持つから輪廻を超えたのではない!! 誰もが最初は取るに足らない凡人だった!!私が陛下に救われたように、門脇リンネが目覚めたように、ただ"時間"と"助け"が必要なんだ!!!! それを忘れないでくれ!!!! 」
エクレイル「……!(連れ去られていくガダルの声にはっと我に返る。「誰もが最初は取るに足らない凡人」、故に"時間"と"救い"が必要なのだ。それは、他ならぬ自分自身の現状にも当てはまることであったからだ) ガダル氏……!!(連行されていく彼に手を伸ばしかけるが、その手は空しく虚空を掴む) 」
大智「フッ…まともじゃないね、この国の女王は。(まるで他人事のように外野で失笑している。事実、他人事であるが故、我関せずのスタイルでただただ静観している) 」
ガレア「……俺たちには関係ない。これは王国の問題だ。(と、自身へ言い聞かせるようにそう冷たく吐き捨てる) 」
フロール「……文字通り、”波で洗い流す”という事ですか……確かに、あの地形と生活状況では……全てを波に飲み込むのは、簡単でしょうね……(無言でガダルを見送り)…我々も、何とか出来ませんか。このまま見過ごすことは出来ません…! 」
キコ「ん-…お姉ちゃんは、あんまり感心しないけれど……ガレアちゃんがそう言うなら… 」
イペリ「いやもう勘弁してくれ…あたしら関係ねえから早く帰らせてくれって… 」
ノイン「……???(そもそも何の話題なのかあまり理解しておらず終始小首を傾げてばかりいる) 」
コンラード「マーサリア殿をアトラスへ輸送すると言っていた……!なんとかすると言っても避難誘導はそれまでがリミットだと思うんだが普通にシビアすぎないかね!?地上の住民我々の避難誘導に従うと思えんのだが!? 」
エデ【執行】「 クルン ト ッ (後ろ手を組んだまま検事席から飛ぶ。空中で何度も回転をし、直立不動のまま
フロール達の前に垂直落下、着地した) 見過ごせない……ならどうするって? 聞き捨てならないな、囚人への刑罰は執行官である私の管轄だ。公務に従事するものなら、己の領分を荒らされるのがどれほど不快か熟知しているだろう? 」
ライオット「 ………( グ グ グ ッ … ―――)(爪が食い込む程に、怒りに握力を強めていく。女王が紡ぐ言の葉を耳にすればするほど、怒りの噴火はその兆しを見せ始めていた) 」
エデ【審判】「【執行ユニット】の刑罰権限を開放します。殺傷は許可しません、無力化し国境外へお連れしなさい(頬杖を付き、煩わしいものを視界から外そうと目を伏せる) ―――――マーサリア……あなたが変わり果てたと言うなら構いませんよ。ここで裁決を下しても…… 」
キリエ「わーん白状者!!えんがちょ!!最近の新人とか第9ってこんなんばっかりだよー!!(ガレアを初めとしとっかえひっかえ襟首を掴んで揺さぶってはギャン泣きする) 」
ロナ「説得はたぶむむむっむりです!!これ以上お話がこじれる前にここを出てできることをしましょうよ!ね!!ね!!(
コンラードの腕を引っ張りつつその場の調査兵団面々へ呼びかける中、執行と目が会い)うひぇ……!? 」
アサギ「……マーサリアのおばあちゃん……(地上にいる彼女の話題が上がった時に表情が曇りかける) 」
フロール「……それでも、強行策を取るなり、従う人間だけでも動かすなりすれば少しでも犠牲者は減ら……!(眼前へ降り立ったエデに慄くも、その顔を見据え)……公務に従事する者であれば、人命を尊重する事もまた使命であり、我々の矜……(白けた様子の面々に振り返り、苦々しい顔で)……これは、虐殺ですよ…! 」
エデ【執行】「 抜刀 (両腕を広げ一礼。それに合わせ天井から六本の光剣が降り注ぎ、彼女を囲うように浮遊した)――――私は直接戦闘行動が許された個体だ。どこぞの王族のように座したままオルゴールになる覚えはないし、君達に舐め腐られるのも不快だ……。手こずらせてくれるなよ? 私の公務が遅れマーサリアが取り残されようが、奴は審判を実行する。私もそう、尊いおばあちゃんの人命が損なわれるのは流石に心苦しいのでな 」
ライオット「………(悪ぃ…セイン団長… 俺、やっぱり"紳士"にはなれねぇ…―――)(彼の死の間際に託された最後の言葉が脳裏をちらつくも、目の前の人の皮を被った悪魔に屈することはできない)――― 一発ぶん殴らねえと気が済まねえ……!!(ついに堪忍袋の緒が切れた青年は身を乗り出す。自分がこれから行うことは、政府の人間として、ましてや男として最良とは決して言えぬ行為。苦渋の決断の末にその腕を振りかぶりかけた、次の瞬間だった―――――) 」
アサギ「―――――――― パ シ ィ ン ッ ! ! ! (空間に残響する痛々しい炸裂音。ライオットが繰り出すよりも前に鳴り響かせたのは、彼の後輩である眼鏡の少女だった。その手は、眼前のエデ【審判】の白い頬に赤い手形をくっきりと残し、レンズの内側で鋭い眼差しでただ女王の一点だけを睨みつけていた) 」
エデ【審判】「 ゴ ッ ガンッ ガランガランッッ ッ . . . (横っ面へ
アサギの渾身の一撃がクリーンヒット。上体が捻じれ玉座から床へ、床から階段へ転がり落ち金属が床板を叩く音が響く)……。(横たえたまま眼球だけがギョロリと
アサギを見る。そこに怒りはない、ただ自身を攻撃した対象を観察するように瞳孔が凝縮と拡大を繰り返していた) 」
エデ【執行】「 ジッッ ジッ (別個体へ加わった打撃、その衝撃が共有され一瞬ふらつく。何事かと振り返ち) うっわ……こわ~~………。(頬杖を付きその一部始終をぼんやりと眺めていたが、遅れて席を立ち)って今のは暴力だな、暴力だよな?私への、我々への敵対行為だな。よし、ガダル!!行け!! イなかった!!くそが!!私自ら粛清せねば!!めんどくさい!! 」
フロール「(脱出ルートを探す為、周囲を目配せしていた最中、手を出した
ライオット、そして
アサギが目に入り……)………え、ちょっ……(止める間も無く目の前で行われた惨劇に、目を見開き) 」
コンラード「え"え"え"え"え"え"え"え"ぇ"ぇ"ぇ"ぇ"ーーーーーーーーーーッッッッ!!!?!?!?!?(某ワンピ風に眼と舌が飛び出す)ちょっ……やっちゃったよ!!?女王だよ仮にも!!?国際問題にならないかね!?なってた!!今まさに!! 」
アサギ「―――― いい加減にするっす。(低く、それでいて厳かな声音で言い放つ) 」
ライオット「―――――!?(自分よりも先に思わぬ行動に出た後輩の姿に驚愕し、硬直してしまう)……
アサギ…っ……?! 」
アサギ「…おんなじことを繰り返す?だから抜け出そうとしない人たちを見捨て、切り捨てるんすか?めちゃめちゃ短絡的じゃないすか。でもっすね…一見は繰り返される日々かもしれないすけど、それでも時間は進んで…みんな、その流れに乗って確かに未来へ進んでいるんすよ! 」
アサギ「海より深い歴史の話なんか知らねえっす。イースターもアトラスも関係ねえっす。同じ『マリ
マロン』で生まれ育った人間同士、どうしてその"つながり"を断つことがありますか?切り離してしまえば、それこそお互いの進む先は堂々巡りじゃないすか!おたくら一体どこへ向かっているんです!? 」
劉狼「………(副団長として、
アサギの行動や発言を止める…ようなことはしない。寧ろ、それを是とするかのように、彼女の考えに身を委ねるかのように静観する。我が子を見守る父のように…) 」
アサギ「同じような毎日に嫌気がさして、生きてる理由さえも見失って… そうして、「明日なんか来なくてもいい。いっそのこと昨日や今日と同じでいい」。そうやって目を伏せて、嫌なものを拒絶する。昔のあたしみたいに。でも…―――― 」
なんだ、お前も傘忘れて雨宿りか?ははっ、俺たちツイてねーな。
……っと…なんだ、もう晴れたか。意外とあっという間だったな。気をつけて帰るんだぞ。
アサギ「―――― それでも、そんな「明日」に進みたい。そう思わせてくれるものがあるから… 人は、人と巡り会い、"つながる"。この世に同じものなんかない、そんな「人」と…(ここでライオットへ一瞥を与える。その眼差しは、とても穏やかで、あたたかかった) 」
アサギ「出会った「人」の数だけ、"つながり"は生まれる。その"つながり"が、同じような日々からあたしたちを掬い(救い)上げてくれる。 」
アサギ「 同じ顔をした貴女たちにはわからんでしょうけど! (そう言って、ここで彼女にあるものを差し出す。それは――――) 」
(回想)マーサリア「ありがとうねぇ……特にお嬢さんなら、今のあの子に言葉がよく響くかもねぇ。 」
それは、マーサリアが
アサギに託した、「蓋の閉じなくなったロケット」。
その中には写真―― 白髪であろう幼い少女と、同じく白髪の、メイド服、長身の女性が並んで浜辺に立っている ――が入っていた
アサギ「―――『疲れたらいつでもばあのところに戻っておいで。待っているからね』 (マーサリアの穏やかな表情と震えるような声音が、ここで重なる) 」
アサギ「……海の家のおばあちゃんからっすよ。貴女にも、共に先へと進みたい「人」がいたんじゃないすか。今でもその"つながり"はあるんじゃないすか? 」
アサギ「あのおばあちゃんは、今でも貴女の帰りを待っている!ずっとずっと、貴女との"つながり"を大事に、「あの場所」で待っているんすよ…!! 」
アサギ「人も、場所も、時間だって…同じものなんか、絶対ない。一度できた"つながり"を断てば、もう二度と繰り返されない!寄せては返す波に攫われて、暗い海の底で永遠に沈んでいたいんすか!? 」
アサギ「 あんたの本音(こえ)を聞かせろよッ!! 」
エデ【審判】「 ジ ジジ……ジ…… 非論理的です、理解に苦しむ(
アサギに殴られたまま曲がった首が、ノイズめいた音を立て軋みつつ元に戻ろうとする)論理演算、不可能。不可解…… 優先処理対象を指定、指定、指定……公務に対する障害と認定。しかし……アレは違う、あの眼は取り除いてはならない、アレは……輪廻から外れた目だ。その眼をした者が何故私を拒む……?なぜ、なぜ……な……――――― 」
輝かしいものは過ぎ去る 美しいものは錆びつく
私は取り残される。誰も彼もが失われ、愛さえ必要なくなるのに
私の周りには、不要者しか残らない こんなに醜いのに、 こんなに無価値なのに、 そんな山に私は囲まれている、 お前達のせいで何も愛せない、自由になれない
エデ【審判】「(トリガー。自らを裁くものと定め、憎悪を公に属するものとおいう責務に隠していた理性が、 その写真を引き金に、壊れた) ジ …… あ 。 ああ……あア"ア" ア"ァ"ァ"ァ"……ッッ!!!!!!! 」
もう疲れた。 人には飽いた。 だから証明したい。 美しいものは、尊いものは確かに"あったのだ"。
それを自ら捨て去ったのだ、人類<お前達は>
何故だマーサリア。お前は美しいものだ、尊いものだ、研鑽された武、転生のお優しさ、人徳、教養……
私を理解してくれる美しいものだ。 私が、疲れている?
当然だ、誰の……誰のせいでそうなったと思っている!!!!
エデ【審判】「(ノイズが絶えず走り痙攣し続ける。上体を上げ、全てを憎むように定まらない目線は合うもの全てを睨みつける)ジジジジジジ演ジジシざん゙ジシ演算゙ジジジジジ おまえたちのせい ジシだ゙ジシジジジジジジジ み、んな ジジジ つみびとのくせに ジジジジジジジジジジジシ私の ゙ジ愛したジシ もの せんぶ 奪っていくのにジジジジジジジジジジジジジジジ お前達ジジジジジジいらないのにジジジジジジ 」
エデ【審判】「(あんたの本音(こえ)を聞かせろよッ!!)――――――――死ねばよかったんだ!!!!!ダンテスじゃなくてお前らが死ねばよかったんだ!!!!!マーサリアじゃなくってお前らだけが老いて消えればよかったんだ!!!!!!アトラスにみんな残ればよかったんだ!!!!!なのに!!!!!お前達だけが生き残っているから―――――――!!!!!! 」
子供の癇癪だった、嗚咽だった。長く封じ込めていた、感情の吐瀉。
女王エデ【審判】は慈悲を切り捨て、憎悪から愛を取り除いた機能。
かつての女王エデの、怒りに身を任せてしまえば楽になれるはずが、それを留め苦しめる愛情という抑制、それを取り除いたもの。
そこに再び愛情を注げば、機能は自己矛盾によって破綻する。自明の理だった――
エデ【戒律】「…………………………………… カクンッ (今まで浮遊椅子に座したまま動かなかった少女の首が音を立てて垂れた。それと同時に、腕をゆっくりとエデ【審判】へ伸ばし……) 【 PROTECT 】 (掌から放たれる、水で構成された2進数が連なって成す"鎖"がエデ【審判】を囲う) 」
エデ【審判】「 世界政府も 五大国も ゼレオロスも、 みんなみんな消えてしまえば私はわたしは楽に ―――――― ガ ク ン (一瞬の痙攣。先まで上体を起こそうとしていたそれが脱力し、目を開いたまま電源を切ったかのように倒れ伏し動かなくなった) 」
エデ【戒律】「 ヒタ (裸足。靴音を立てず、弁護人の席から今まで沈黙していた第三の執政者が動き出す。 動かなくなった【審判】の前に立つと、鏡に映る己から目を伏せるように瞼を閉ざし…… ようやく意を決して、顔を上げレギュレイターを見渡した) 機能障害を確認。運営規定7条3項に則り権限を継承する(腕を伸ばしたまま機械的に言葉を紡ぐ。暫くして、微かな駆動音とともに顔を上げ緑白色に輝く眼を開いた)――――― 現コアユニット【審判】の機能修復シークエンス完了まで、コアユニット権限を20%リソース相当サブユニット【戒律】が代行するわ。 」
エデ【戒律】「まずは謝罪をさせてちょうだい。心からの……といっても、私達のそれは、あまりにも軽いけれど……(
アサギの両手を包むように握り、ロケットを"閉ざさせる") 」
ライオット「……
アサギ………(胸がすいた。彼女は、自分が思っていること以上のものをぶつけてくれた。ずっと自分の背中を追いかけるだけの後輩が、今こうして自分の先頭に立っているその光景だけで、嬉々たる感情に満たされていくのだった)……!(そして、人が変わったかのように…それこそ、今までの誰よりも"人間らしい"エデの本性を垣間見、動揺する) 」
アサギ「……!(その声音、挙動から、今までの女王とは何かが違うことを悟る。だが、警戒することは微塵もない。何故なら、一番自分が会いたかった女王の本当の姿であると、そう強く感じたからだ) 」
エクレイル「……フッ…劉狼副団長。本当に、貴方の団には優秀な団員しかいないな。(
アサギの一連の行動には目を見張ったが、彼女は自分たちには出来ないことをしてくれたと総体的に判断。強かに、そう頷いた) 」
劉狼「ええ…拙僧も、改めて痛感しておりますれば。(
ライオットだけではない。
アサギもまた、第3が誇るかけがえのない優秀な仲間である。先輩と後輩という上下関係の間で生まれた、その不思議な"つながり"が齎したものだと、今改めて実感する) 」
エデ【執行】「は、ま……は!?はァーーーーー!!? ふざッ……けるなァ!!当法定における置物がしゃしゃり出てくるな!!無効!無効だ!私が代行する!!0.7リソース権限の私の方がえらっっっ……。……………………。20%も眠らせてたの!?ふざけろよ!!!!何をサボってやがった!!!!! 」
フロール「……まさか、本当に……出来てしまうなんて………(僕も、まだだですね…) 」
エデ【戒律】「初めまして、といっても実感はないでしょうね。私はエデ【戒律】……コアユニットの自己矛盾が発生した場合、機能を停止させ政治主導権限を代行する機能を持つわ。他には……他にはそう、法廷の弁護人、民の相談役、後は……何かあったはずだけれど"オーバーフロー"で停止した影響ね、さっぱりだわ(両腕を広げあっけらかんと微笑み) 粗方の状況は把握しているわ。門脇リンネとの面会……というより反復現象《オーバーラップ》の解決方法を確認したいのよね? 」
エクレイル「あ、ああ…そうだ。だが、それには交換条件があるが、それに関してはどうしてもすぐに回答が出ないのが現状で……(そう言いかけるが…) 」
ヴ ゥ" ゥ" ゥ" ――――――― ヴ ゥ" ゥ" ゥ" ――――――― ヴ ゥ" ゥ" ゥ" ――――――― (警報が
エクレイルの言葉を遮る。 先のイースター襲撃のそれとはパターンが異なる、音量も大きく事態がより深刻であるかのような……)
ガダル「―――――――― 陛下ッッッ!!!!!(正門を跳ね除け、自らに組み付く衛兵を蹴散らし強引に法廷へ乱入する) 襲撃です!!シグナルパターン未確認!!ゼレオロス勢力の"巨大機械生命体"と思しき物体が領海内へ侵入!! 加えてアトラス内に侵入者の形跡あり!! 医学部の"ゴドリッジ"学士他研究チームの学者が殺害されたとのこと!!」
ゴ ォ ウ ン … ッ …―――― ゴ ォ ウ ン … ッ …―――― (深海都市の海空に現れるは、海豚を彷彿とさせる見た目をした、超巨大起動兵器であった―――)
ライオット「 ッ゛!!? (ようやく女王と分かり合える…そんな雰囲気をぶち壊す警報に左右交互に振り返る)ゼレオロスだと…!?さっき襲って来たばかりだってのに…再襲撃までのスパンが短すぎじゃねえか!!いったいどうなってんだッ!? 」
エデ【戒律】「(驚愕した表情は見せない。想定内なのか、それとも単に鈍感なのか、指を口元に当て、レギュレイターの面々を見やる)――――――アサルトタイプの侵入を前提に動いて頂戴。ガダル、あなたは政府の皆様を護衛なさい。 サブユニット執行。あなたは権限を持って征伐機関を機動、巨大機械生命体の迎撃へ(腕を振るいそれぞれへ機敏に指示を出すと、自身も法廷の外へ歩き出す) 門脇リンネ……彼女は文字通りアキレスの踵ということよ(すれ違い際、
ライオットへ短く伝え) 」
ガダル「それはつまり……状況によっては彼等との共闘を……?(借りを返せる、その高揚感から声を弾ませ、左胸に手を当て頭を振り下ろす)はッ!!我が命に替えてもッッ!! 」
ゴ ォ ウ ン … ッ …―――― ゴ ォ ウ ン … ッ …―――― (凄まじい速度で海中を遊泳する巨大な鉄の塊。光学迷彩によって外界からは決して見えるはずがないアトラスがある場所へ確かに狙いを定めて着実に侵攻し…ついにその領域へと侵入。一目散にその中枢にそびえ立つ塔へと――――)
―――― ┣¨ グ ァ゛ ァ゛ ア゛ ン゛ ッ゛ ! ! ! ! (―――盛大に激突するのだった)
エデ【執行】「ふん、まあコアユニットがどちらでも私のやることは変わらん。まーとにかくポテチが切らしてて腹が立っていたところだ、いいんだな?あれはスクラップにしても。断っておくが私は周囲への被害は考慮しない、そうプログラミングされているぞ(軍用のレザーグローブを嵌めつつエデ【戒律】へ続くように歩き出す) 」
フロール「本格的に、目標を取りに来てるという事ですね……我々としても連戦になります 」
アサギ「…っ……やばいっす…!なんだってこんな時に……!(チッと舌打ちしながら身構える)女王様……!(あんなに警戒心の強かった彼女が、今は自分たちを信頼してくれている。その様子を垣間見、思わず表情が綻ぶも――――)――――い゛っ゛!?(激しい衝突に伴う地響きに転倒しかける)っ……今の…マジヤバないすか…!? 」
ライオット「……!?それは、そういう――――ッ゛!!?(女王の言葉の意味を理解しようとしたその時、激しい衝突と共に伝う振動に「どわっ!?」と体勢を崩されてしまう)……"来たのか"…ここまで…ッ……!?(イースターだけに留まらず、ついにアトラスまで攻めてきた。戦闘は避けられない。これから起こりうる出来事に覚悟を決める) 」
劉狼「総員!要警戒態勢!!これよりゼレオロスの迎撃戦に入るッ!!女王陛下、並びにアトラスの民間人を死守し、奴等を撃退する!! 」
帝国軍隊『 ド ド ド ド ド ド ド ド (塔内部へ突撃し、不時着したゼレオロイドの装甲側面のハッチが開かれ、その内部より…大勢の武装兵が次々と出現。解き放たれた猟犬の如き勢いで拡散し、迎撃に来る衛兵を蹴散らしながら奥部へと進撃を開始する)』
エクレイル「おのれゼレオロス…ッ!!このような時に、ついにアトラスまで……!!我々も向かうぞ!!女王の間には近づけさせるなッ!!(そう言うとガジェットを手繰り寄せて最高裁を飛び出していく) 」
エデ【戒律】「ヤバイわね。(即答) "群青の唄"による迎撃機構は審判のものだったから今のアトラスは主砲を失った軍艦同様なの。(両腕を広げ倒れないようにバランスを取りつつ) 【陪審員】 リソースを結集し防衛機構の補強を。焼け石に水でも構わないわ、都民を避難させるまでの時間を稼いで 私は一部ユニットが残っていれば修復できる。何よりも民間人の保護、私はあなた達(レギュレイター)自身の安全より優先順は低いものと心得て頂戴……! 」
ガレア「 ニ ヤ リ … 来たか――――(この時を待っていたと言わんばりに口角を上げる) 出るぞ!チーム・ガレア、
ゼレオロス帝国撃退に出陣する!(バッと片腕を上げながら残りのメンバーを引き連れて現場へと向かう) 」
エデ【陪審員】「あいさー! ガッテンダー!! イェーイ!!!! (魚の下半身、人魚のようなフォルムをした"大量の"より幼い容姿のエデが、アトラス全体へ広がり損傷箇所に手を当て、魔力による補強を試みる) 」
アサギ「そうはいかないっすよ!女王様も、この国の人たちも、みんな守るっす!そうっすよね、先輩!? 」
ライオット「ああ…!ぜってぇ守り抜く!あんたらの"つながり"も、あんな奴らに断たれてたまるか…!行くぞ
アサギ、師匠ッ!ゼレオロスを叩きのめしてやる!!(そう言って第3メンバーも現場へ急行していく) 」
ロジェスティラ「……。(ゴドリッジ博士……まさか……)ッ……!(
ライオット達に続き、今は自身も第三の一員だと言い聞かせ駆け出す) 」
塔内部の至る箇所から銃撃音と奇声のような叫び声が上がる中、最高裁へと続く通路に出たレギュレイター陣。
そんな彼らの前に、二つの影が現れる――――
05《 ピスカ 》「―――― お邪魔しまーーーーっす☆ マリ
マロンをぉ~…"せーあつ"!しに来ましたー♪ (広大な蒼い廊下の中央を渡りながら一同の前に姿を現したのは、ガスマスクを覆った水色髪の少女と思わしき人物。あどけなさのある素振りや黄色い声音を発しながらいけしゃあしゃあと宣戦布告を物申す) 」
ゼレオロス帝国・遊撃隊《 アサルト 》 ―――― 05《 ピスカ 》 / 五(ユキ)
09《 ノーイン 》「 美味ソウナ獲物ノ匂イ アチラコチラカラ ヨダレ 止マラン (05と並歩するは、同様のガスマスクを着用した緑髪の少女らしき人物。前のめりにだらしなく両腕をぷらぷらさせながら彷徨うように歩を進め、マスクの内側より尋常ではない涎を垂れ流している) 」
ゼレオロス帝国・遊撃隊《 アサルト 》 ―――― 09《 ノーイン 》 / 九(イチジク)
ライオット「あいつらはッ――――!(現場に到着後、遭遇したガスマスクを着用した二人組を見て過った既視感。以前対峙した04と同類だと察し、大きく瞠目した)……この前の連中の仲間か…テメェら何しにきやがった!! 」
エクレイル「奴らが、先日の報告にあったゼレオロスの精鋭部隊『
遊撃隊《アサルト》』の連中か…!あの者たちが、ヴィエル女王陛下に反復現象を齎し…あまつさえセインまで手に掛けた…!そして今回はこのマリ
マロンさえも……断じて許すわけにはいかないッ!! 」
アサギ「……今マリ
マロンはええ感じなんすよ。なんであんたらみたいな連中が掻き乱してくるような、掻きキャラがいるんすか?はっきり言って邪魔、害悪っす。とっとと出ろー! 」
フロール「ラステルムで交戦した際、王宮で戦闘したという……!!二人で直接ここにやってくるとは…… 」
05《 ピスカ 》「えっ、やっば…みんなして激おこぷんぷん丸で怖いんだけど。 きゃっ♪ (わざとらしく目を伏せる、が、すぐに開き直る) この生魚臭い王国を潰しに来たっ☆今からぶっ壊しちゃうけど、いいよね?だーいじょうぶだいじょーぶっ!壊した後はボクたちのモノになるんだか、さ♪(人差し指をちょんちょん動かしながら) 」
09《 ノーイン 》「 オマエラモ コノ王国モ ゼンブ食イ尽クス 魚ノヨウニ 骨丸ゴト食ラウ (ひとりひとりを品定めするように見渡す様は、空腹に飢えた獰猛な獣のよう) 」
ガダル「貴様らの愚行がこの国に……いや五大国に混乱を齎した。許しがたいその悪行、ここで成敗する。覚悟めされよ……!(バックルから筒を取り出す。先端からky代なレーザーブレードが出現し大剣の形を成し、それを携え身構える) 」
ガレア「こいつらが帝国の精鋭部隊だぁ?女しかいねーじゃねえか。テメェー等は下がってな。こんな奴等…俺だけで充分だ…!!(ガジェットの大太刀を背に乗せて前へ乗り出す) 」
劉狼「そういう貴殿等は、血腥い…というより、なにやら腐臭のような鼻につく臭いがするものだな。(ガルルルと、狼の威嚇音を静かに掻き鳴らす) 貴殿等の狙いは、取り押さえた後でじっくり聞かせてもらう。まずは…大人しくしていただこうか。 」
ロジェスティラ「………。(レギュレイターのように積極的にはなれない、何か彼女を縛るものがあるのか目線を泳がせていたが……)ッ……!(意を決し、バックパックを大盾型へ切り替える)タンクを担当する……先輩方、よろしく頼む……! 」
05《 ピスカ 》「えっ…もしかしてボクたち、か弱い乙女だとおもわれてるぅ?やぁだなんか嬉しーーー♪そう…ボクはゼレオロスでいっちばんキュートな05《 ピスカ 》ちゃんです♪ヨロシクネ~☆(手を振る)や~~だねっ☆ そうなる前に、キミたちみんな床ペロさせちゃうからさっ! ( ク ル ル ル ル ッ ――― パ シ ッ ! )(懐から引き抜いたサブマシンガン、そのトリガー部に人差し指を差し込み器用に振り回しながら顔の近くで停止させて構える) 」
09《 ノーイン 》「 オデ オマエラ マルカジリ ( カ ジ ャ リ … ッ … ! )(背に帯びていたブルパップ方式短機関銃を引き抜き、片手で持ちながら平行に構える) 」
ライオット「やれるもんならやってみろよ…ッ……!!もうこれ以上、テメェらに誰も殺させはしねえ!行けるな、
アサギ!! 」
アサギ「もちっす!今日のあたし、絶好調なんで!(ずっと後方支援に回っていた彼女が、ここでようやく、
ライオットと"並び"立った) 」
エクレイル「―――― 来るぞ…ッ…!!(黒槍を突きつけるように身構える) 」
05《 ピスカ 》「 加減できないけど許してちょっ☆ 」
09《 ノーイン 》「 食事ノ時間 イタダキ――――― マ ス ッ ! 」
レギュレイター陣がアサルトの二人組と交戦を始めた、その頃――――
01《 アオン 》「 コ ツ ン … コ ツ ン … コ ツ ン … … ――――(閑散とした広い通路を、陽炎のようにその身を揺らしながら歩く。その軌跡には血だまりをつくり横たわる衛兵たちが転がり、もはや誰もいない沈黙に、自身の足音だけが鳴り響く) 」
01《 アオン 》「……そろそろおっ始めたろうねぇ。やんちゃなあの子たちに面倒事押し付けて、ワイは本来の任務に当たろうか。(その道先にあるのは、アトラスが握る最重要施設。そこへ、一歩ずつ忍びよっていくが――――) 」
ボッ (
01《 アオン 》の向かう先、足元の非常灯だけが頼りの暗がりに光源が一つ。 その蒼炎は"彼"の指先で熱をくずぶらせていた。チリチリと、今にも弾けそうに)
エドガー「 カツ……ン (指先に灯した蒼炎、それが照らし出すよく知った顔を前に表情は固まったまま、ジャケットのポケットに片腕を突っ込み、首をひねって鳴らす)肝試しのバイトか? やめとけよ、その背格好じゃ季節外れのハロウィンのアルバイトがせいぜいってとこだぜ 」
01《 アオン 》「(遮るように広がる蒼炎にぴたりと歩み止め、目と鼻の先に佇むその人物の顔を拝もうと首を上げる)……ぉー、ぉー、おーぅ……誰や思うたら、あん時の「兄ちゃん」やないか。また顔拝めて光栄やわぁ~…(馴れ馴れしく、顔馴染みのようにフランクに語り掛ける)……ワイがここ通るってのも、お見通しなんか。こりゃ一本取られたわ。あんさん楽させてくれへんのやなぁ…。(後頭部を掻きむしる) 」
エドガー「来ないなら来ないで楽できたんだがな、いや来るなよお見通ししたくなかったわクソが。楽視させてくれねーのやなぁ(鼻声)はこっちのセリフだっての(気の知れた友人と会話するように朗らかに笑い軽口を飛ばしていたが)――――――――― ス ッ (朗らかな表情がそのまま、常人では音すら感知できない刹那、喉笛を狙い貫手で"取り"に行こうとする) 」
01《 アオン 》「あんさん強そうやしなぁ…この間の件でそう感心したんやわ。ワイは面倒事がえろう苦手での…ここはトンズラさせてもらいたいところやねんけ・ど・も。(独特のイントネーションで一拍置く)…手ぶらで帰ったらどつかれんねん、「こういうの」に。(人差し指を上に挙げることで「上の者」、つまり自身の命令を下したリーダー格のことを示している) 」
01《 アオン 》「せやからしゃぁない。ここは人肌脱がなあかんねん。まあそうは言うてもよ…――― "人肌脱いだら何もねえへんけどな、アナグラム体《 ワイら 》は"。(自らの冗談を自嘲気味にせせら嗤うと、満足したのかその笑みが一気に抜け落ちる。それと同時に引き抜かれた自動小銃「H&K G11」の銃口を、
エドガーへと突きつけた) 」
マルガレーテが歌い始めて数秒、薬師寺九龍率いる第四はその美声に動きを止める。
その音楽はあまりに心地よかった。本能ではわかっているのに永遠に聞き続けたくなるほどの…。
誰もがわかった。『これは攻撃行動ではない』。だた歌を歌っているだけだ。
美しい歌を歌いたいという純粋な願い。最初は困惑していたが、徐々にそれは脅威となるものであると気づく。
薬師寺九龍「…………ッ、くそが! おいお前ら応答しろ! いったん退避だ! 『……………………』『……………………』 ……?おいお前らどうした応答しろ!!(無線からの返答はなく、ただ彼女の歌が無線越しに聞こえるだけ) 」
隊員A「(隊員Bと一緒に九龍についていたため、その状況に生唾を飲む)もしかして、これがマルガレーテちゃんの言ってた。音楽の力ってやつなのか? ……あ、すみません九龍さん。実は俺も音楽にはちょっとした心得があって、それで軽くそういうの聞いたんですよ。その中にぽろっと出てきたのが、黄金比音律っていうので……。 」
薬師寺九龍「おうごんひ……なんだって? くそ、パチンコ行きたくなるような名前だな。それで、その黄金ナンタラがどうしたったってんだ! 」
隊員A「黄金比音律です。その、黄金比音律ってのが関係してるのかどうかわかりませんが、『純粋な音楽は世界を変える力がある』……だったかなぁ。なんかそれっぽい話を聞いたんです。もしかして、今彼女がやってるのがそうなのかなって 」
薬師寺九龍「…………だー! わけわかんねえ! するってぇとあれか? 今まさに世界が変わりかけてるってか!? 見てみろ! なんも変わってねぇ! 」
隊員A「いや、俺もマルガレーテちゃんとちょろっと話しただけで、全然詳しくなくて…… 」
【純粋音楽濃度:53%】
シビレを切らした九龍はもう一度隊員たちに無線を送る。何度も怒鳴る。だが応答がない。
目視している限り存在しているのに、目に見えない無線越しでは無人であるかのように。
だが、そのうち妙な雑音が聞こえてきた。
嵐千砂都「―――― ズ サ ァ ァ ア ア ッ … ! (滑り込むように、戦慄が包み込む現場へと馳せ参じる。ここまで我を忘れるように駆け抜けてきたのか、体力に自信がある彼女ですら呼吸が乱れていた)……っ……マルガレーテ…ちゃん……ッ……(ここに来る直前、九龍からの応援要請を聞き付け、現在取り組まなければならない任務を放棄してまでやってきた。何故ならこれこそが、長年自分が追い続けてきた事件の真相…その一片に関与するものなのだから) 」
嵐千砂都「…はぁ……はぁ……ッ……―――― ゴ ク リ (変わり果てた歌姫の今の姿に、大きく息を呑む。だが、それに大きな絶望感を感じさせないのは…彼女の、否…「彼女たち」の歌声に中和されているからだ)…この歌声(こえ)……間違いない…―――――――『かのん』ちゃんの声だ……!(忘れもしない、幼馴染の透き通るような歌声。それを見事に再現しているマルガレーテに、形容しがたい感情が錯綜する) 」
隊員F『◇&×△%……■■■! ぎぴっ!』(それは明らかに人間の声ではない。動物の声や木々がミシミシと音をたてるような音が絶妙なバランスで混ざり合ったかのような。少なくとも人間が出していい不協和音ではない)
薬師寺九龍「…………ゾ ワ お、おい、なに馬鹿なこと言ってんだ。ちゃんと、応答しろ。(異様な寒気が一気に怒気を鎮めた。否、鎮めざるをえない。これまでの事件とはまるで違う……いわば、『神秘』の領域に知らず知らずのうちに踏み出してしまったのだと実感してしまったから) 」
薬師寺九龍「!! おお、嵐! こっちだ!!(嵐千砂都に気が付き手を振る)見てのとおりだ。ちょっと、やばいことが起きるかもしれねえ。ほかに援軍は!?お前以外に誰かこれたりしないか!? 」
【純粋音楽濃度:61%】
嵐千砂都「…マルガレーテちゃん……どうして…――――!?薬師寺さん!!(彼の呼び声に振り返る)い、いえ…ここには私だけで…それより、状況は今どうなって…!?貴方の報告に受けていた通りなら、これは――――(そう言って彼女の方へ振り返ろうとする) 」
隊員B「(先ほどからスナイパーライフル型のガシェットを構えていたが、嵐千砂都にも聞くように言葉を発し始める)な、な、ああ、ああ……。九龍さぁん、千砂都ちゃ、ん……この、音が、く、気持ちよくて、さあ……おデ、へんに、なっちゃったの、かあなあ(匍匐状態だったため今まで目立っていなかったがここで彼が『驚愕の姿』をさらす) 」
薬師寺九龍「あぁ? 一体なんd---------(隊員B、いや、隊員B『だったもの』がそこにいた。金属であるガシェットすらももはや石なのか木なのかさえわからない素材に変わっており、肉体に至っては変異が顕著だった。身体中は岩になり苔が生え、肩や足は大樹の根っことなって地面奥深くへもぐりこんでいた)な、なんだ。お前……その、姿……なんなんだよ!それはぁ!! 」
隊員B「九龍さあ、ん、千砂都ちゃぁ、ん、うごけ、ないいんだ、よお、うええあ。いでええ、いだい、なんかせなか、いだい。あぁぁあああああああああああ!!!(岩となっていた背中にひびが入る。バキバキと音を立てなにかが這い出ようとしていた。そして一気に背中を突き破って出てきたのは)ピィ ィ イ イ イ ……グェエ (羊水めいた粘液にまみれた、生まれたばかりにして腐敗した小鹿。ギチャギチャと音をたてて隊員Bから出るも腐臭をまき散らしながらその場に倒れそのまま動かなくなった) 」
嵐千砂都「 ぇ (隊員Bの異変に気付き、瞳孔が縮小する) ……待って……これは、いったい…ッ……?!(何が起こっている…の……?)―――――!!(「まさか」と、再びマルガレーテの方へ勢いよく振り返る。原因は言わずもがな、あの「歌声」にある。美しくも不気味な、あの、身が震えるほどの讃美歌に、人間としての本能が危険予知を察する) 」
隊員Bだけではない。マルガレーテに近づくため部隊を組んだ隊員たちが皆にたような症状を引き起こしていた。
それは生物なのか無生物なのかすらわからない。この世のものとはまったく別のもの。
ひとりこっちに逃げてくる者たちがいたが、体中からザリガニや爬虫類などを生み出すという変死を遂げていく。
マルガレーテ「ク、ロ、い、は、な~♪ あ~の~声が~♪(素晴らしい音楽は変化の力をもたらす。しかしそれがもしも黄金比による無限のエネルギーを有せばどうなるか。それはもはや異能という次元ではない。魂に刻まれているのはなにもDNAだけではない。人間、非人間問わず、生命のこれまでの進化の軌跡や生命がこれから歩むだろう進化の可能性が内包されている。もしも歌の力でそれらを解放できるとしたら?解放された魂が肉体や現実に与える影響とは?今まさにそれが顕現しようとしている) 」
薬師寺九龍「こ。これ以上アイツの歌を聞くなーーーーーー!! 手遅れになるぞぉおーーーーー!!(恐怖のあまり声を上げながらイヤホンを取り出し、本来聞くことのないデスメタルをフル音量で聴く。少しでもマルガレーテの影響を受けないために) 」
【純粋音楽濃度:79%】
嵐千砂都「 ッ ! (咄嗟に両手で耳を塞ぐ。それで効果は出るかは定かではないが、今はそれが最良の判断だと信じて)(マルガレーテちゃんの歌声は、世界に響く絶世の声だった… 誰もが彼女の歌をほめたたえていた…かのんちゃんもそうだったように… けど、こんなの…こんなのは…――――!) 」
無限のエネルギーによって現実を変異させていく音楽は這いよる影として九龍たちに襲い掛かる。
そして彼女の歌声がさらに磨きがかかっていくにつれ、ふたりにも変化が起き始めていた。
……………………『見える』。それは"黄金長方形"。
周囲にチラホラと浮いていたり、ペタリと張り付いていたりしている。
これはなにを意味するのか一瞬迷ったものの、すぐに理解する
ギチギチギチギチギチギチギチギチィイ……!!(もはや無生物だろうと関係ない。そこから新たな生命や無生物が生まれ出る。
嵐千砂都「ひっ!(思わず声を出す。もはや幻視といっていいのかわからないほどに異物的な現実が彼女を混乱させた。ーーーーーーこれはもう音楽ではない)……めて。ーーーーもうやめて!! マルガレーテちゃんお願い!! もとに、もとに戻ってぇええ!!(金切り声にも近い悲鳴を上げながら、なおも歌い続けるマルガレーテに懇願する。だが、その声が彼女に届くことはなかった) 」
………ポンッ(千砂都の肩に後ろから手が添えられる)
ヒロ「……すまなかったな、遅くなって(千砂都の肩に手を置いた主。目の前にある現実に対して不安に襲われる彼女を安心させようとそっと囁く)……どうやら、行方不明の彼女は見つかったようだが……(マルガレーテを見据えて) 」
嵐千砂都「 ?(うしろからの存在に気付く) 」
マルガレーテ「ーーーーーーーーーーーー♪(笑っていた。白目をむいたまま。……もう内臓も骨も脳みそもぐちゃぐちゃにほじくり取られ、中身は完全に機械となり果てても、その笑みはどこか子供じみていた)ーーーー♪(そして歌いながら天を仰ぐ。天上もまた大いに変化していた。しかしこれは歌のせいではない。それは今日の日付にある。ーーーかつてこの『現象』が起きたとき、大気中の電離層に穴が空いたという記録がある。世界には常に太陽の電磁波と月の引力が働き、2つの力で大気の【ゆらぎ】が起こっている。しかしその二つの力が重なるとき、それぞれがつり合い力の穴ができるのだ。ゆらぎもノイズもないよりクリアな環境が、いまここに齎されるのだ) 」
あたりが暗くなっていく。
空から降り注ぐ太陽の電磁波----世界に干渉するエネルギーが消えていく。
そう、太陽。雲がかかろうが霧がかかろうが、太陽は常にそこにある。変わり続けぬ天上の象徴。『それがどんどん欠けていく』。
じりじりと黒い円が浸食していくさまは闇に食われていくかのようで、それはさながら神の死を思わせる。
これすなわちーーーー
【 金 環 日 食 】 この国で拝むには数十年に一度の、宇宙の奇跡。
【純粋音楽濃度:100%】
マルガレーテ「ーーーーーーーーーーーーっっっ♪♪♪(純粋音楽濃度の目標水準まで到達。ここで曲調が大きく変わる。それは歓喜に震えているようでもあり、まるでいるはずのない渋谷かのんと抱き合って祝福しているかのような) 」
彼女の歌はこの区域だけでなく国中に響き渡っていく。まんべんなく、濁りなく。
街の一区画では現場と同じ現象が起きてパニックになっていった。犠牲者は依然増加傾向にある。
薬師寺九龍「あああああああ!あああああああああ!! あああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!(ついに発狂。もう上がることのない音量を上げるスイッチを連打しながら地面を転げまわる。そして知らずのうちに犠牲になって水を吹き出す壺のような植物と化した隊員Aを見てさらに発狂)うゎぁああああぁぁあああああ!!!!(どれだけデスメタルがうるさくとも、それを突き抜けて聞こえてくる音楽。ここで彼の肉体に限界が訪れる)ギチギチギチ……ビチビチビチ!(左目が魚の尻尾となり爪からは小枝やムカデが伸びててくる) 」
嵐千砂都「き、君は……! いけない!アナタも耳をふさいで。こ、この、まま、じゃ……ああああ!!(徐々にではあるが九龍やほかの隊員のように影響を受け始めている)お願い!止めて! マルガレーテちゃんを止めてぇぇぇえええええええ!! 」
加賀「(ファミリアの緊急基地にて、耐えがたい苦痛に見舞われるも耐え続け)総員、退避を…(その直後、倒れる) 」
もはや戦力は一気に削れ、このまま彼女の黄金の歌声に世界は完全変異を遂げてしまうだろう。しかし、そのときーーーーーー。
ヒロ「……まさか、あの歌声が!?(薬師寺や他の隊員を見て)……気絶させる程度でなんとかできるか…!?(とっさに耳栓を耳に装備。バットを構え、開かれたハッチからボールをマルガレーテに連射する) 」
仮面ライダーアギト&氷川さん「は ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ あ あ あ あ あ あ あ あ!!(バイクにまたがったふたりがようやく現場に到着)こ、これは!!(隊員たちの惨状、そしてその元凶であるマルガレーテを見て、悲痛な声を出す。氷川さんに至っては……。) 」
矢澤にこ「(専用パワードスーツ)残念だけど、その中に彼女の意識はもう皆無よ。形こそ彼女だけど中身はもう彼女ではない。せめてこの手で安らかに眠らせてあげるわ!(KANONと刻印されたライフルを発射) 」
ヒロが連射するボールは真っ直ぐ飛ぶ。
そしてすぐに黄金長方形の影響を受け、花びらか、はたまたカナブンに変異しバラバラになっていく。
矢澤にこのライフル弾も同じくヒロのボール同様、まったくの別物に変異して使い物にならなくなる。
生物、非生物問わず、彼女に近づくとその影響を大いに受ける。
片桐「―――――戻らねえよォォォォ…… 私のそばでェェェ……私のためにィィ……死なないで下さぃィィィィ……ってやつだァァァ…………(いつからそこにいたのか、千砂都の横に立ち気もそぞろに虚ろな目でマルガレーテを見上げる)ありゃガワだけだ……操られてるどうこうとかじゃなくってなァァァ……死体に詰められるもんだけ詰めて動かしてるオルゴールみてえなもんだろうなァァァ……(くわえたタバコが花へ変わる。ボトリと落ちるそれを見、酒気そのものの溜息を零した) だから未成年を署に入れるなって口酸っぱくなァァァァ…… 」
仮面ライダーアギト&氷川さん「ーーーーーーーーーーーー俺が行きます。(全員の攻撃が無限のエネルギーによって阻まれるとみるや、彼は進んで前へ出る)俺には音楽のことはわかりません。でも、あの力がとんでもないものなのは確かだ。だったら!! ーーーーーー『無限のエネルギー』に【無限の進化】をぶつければいい!!(アギト、すなわちそれは『限りなく進化する力』。無限の概念には無限の概念をぶつける。そうすることで活路が見いだせると考えたのだ)皆さん! 俺が近づきます!! だから援護してください!!(氷川さんともども、マルガレーテのほうへ一直線に 」
東條希「(最前線基地の陥落を知り)ここまできて、皆の世界のために戦ったことが無駄になったなんて信じられないんよ…(巨大宇宙船ファミリア内部にて) 」
嵐千砂都「か、片桐、さん?(花に変わったタバコが落ちるさまにふと哀愁を感じた)死体の、オルゴール……う、うぅ(その場にぺたんと座り込む)お願い、します。あの子を、止めてください……私じゃ、無理だった……。私がもっとしっかりしなきゃダメなのに、わたしが……。(片桐にすがるように嗚咽を漏らしながら) 」
片桐「往路切符は確保しておけよォォォ……死に道の援護だなんて葬儀屋とか億り人じゃねねェんだぞ俺はよォォォ……(アタッシュケースを床に落とし、踏みつける。) ガコンッッ (するとアタッシュケース、否、"ガジェット"が開閉し、瞬く間に片桐の全身を白を基調とした"パトカー"のような配色の強化外骨格で包んでいく)"イングラム01"……援護する(人の腕力では形態が困難な光子エネルギーライフルを片手で持ち上げ、ブレることなくマルガレーテへ照準を合わせる) タイムカード押しに戻ってこいよォォ……翔一ィィィィ…… 」
薬師寺九龍「あがぁあ、あががああああああ!!!(まだ人間の部分を残しているもののほぼ変異している状態。しかし彼の内に秘める根性のようなものが再び火をつけてガバメントを握らせた)ぬぉおぁああああああ!!!!(乱射、何度も乱射。主に黄金長方形を狙うように。無駄とはわかっていても撃ち続ける) 」
ヒロ「………君は十分しっかりしてるよ(千砂都を見て声をかけようとする……だが、言葉として発しても今の彼女にとっては苦しいだけだと察してふと呟くのみに留める)………近づくものは全て影響を受けて変異するってのか…!近づいてもダメ、遠くから攻撃してもダメ……か 」
仮面ライダーアギト&氷川さん「団長……はい!絶対に戻ってきます!!(全員の援護もあって距離を縮めていく。だが)バチバチバチバチ……!(ふたりの装甲にも歌の力が及んでいる。これ以上近づけば攻撃どころではない)……氷川さんはここで。あとはお願いします!! \解除シマス(氷川さんがGX-05 ケルベロスを起動させ)/バラララララララララララララッ!!(アギトを援護するべく全弾丸を掃射) 」
片桐【イングラム】「焼け石に水か……ヤケになっちまったか焼け石なだけになァァァ…… (両腕を眼へ突き出し装甲を分解。 前進するアギトを援護するように徹甲弾へ変形したそれを飛ばし、攻撃にこそならないがアギトの変異を片代わりさせようとする) 」
仮面ライダーアギト「(みんな、ありがとう)はぁあああ……!!(バイクから上空へとジャンプし、ぐっと構える。歌い続けるマルガレーテに照準を合わせるようにアギトの紋章が並ぶように宙にいくつも浮かぶ。そして)やぁぁあああああああああああああああああああああああああ!!!(満身のパワーを込めたライダーキックをマルガレーテに放つ) 」
マルガレーテ「ーーーーーーーーーーーー!!!(迫りくるアギトの力、自分の歌がやや拮抗しているのを感じる。そしてそれが自分の身を脅かすことにも。そこで宙に現れたのは花を彷彿させるように幾重にも重ねられた黄金長方形。アギトの力と歌の力がぶつかり合い。黄金のエネルギーがバチバチと空間を軋ませる) 」
ぶつかり合う無限の概念。だがその拮抗も長くは続かなかった。
というのも、金環日食の『終わり』が訪れていたからだ。
-----日の光が再び地上に降り注いでいく。
すなわち、純粋な音楽の力は衰える。
仮面ライダーアギト「ーーーーーーーはぁああああああああああああ(バキバキと黄金長方形の束にひびを入れていく。衰えこそしているがまだ火力が足りない。ゆえに……【バーニングフォーム】からの『シ ャ イ ニ ン グ フ ォ ー ム』)でぇぇりゃあああああああああああ!!!(さらに進化した力で押しとおる黄金長方形は最後の一枚になったとき)---みなさん!今です!! 」
片桐「(アギトに続き一歩、その音を消した踏み込みで…) フッ (既に変異し始めた装備を置き去りに距離を詰める、握りしめるはいつもの出刃包丁と……彼女へ渡すはずだった、ストラップ) 【 極閃 】 (最後の一枚となった黄金長方形へ、感情と正気を失った男は、ただひたすら殺しに特化した一閃を、より鋭く、一瞬で終わるようにと解き放つ) 」
マルガレーテ「-----がっ!!(最後の黄金長方形が割れた。純粋は純粋でなくなり、ごく一般にありふれた音となってあっけなく響く。そして)ーードガァア!!(それぞれの攻撃がうち貫かれ釣鐘状の鉄塊に巨大な空洞を開ける。)あ、あぁぁ、ぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!(マルガレーテ本人の悲鳴。突き破られた願いとともにあげられた断末魔。直後、それは強烈な圧力を持った閃光となり)ドゴォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!(周囲を巻き込むほどの大爆発を巻き起こした) 」
クレーターを生み出すほどの大爆発。
ガラガラと瓦礫が転がり、あちこちで煙がぶすぶすとあがる。そんな中……。
マルガレーテ「ギュイン、ガシャン、ギィーン……ガガ……(あられもない姿から見える機械の部分。それでもヨタヨタと二本の足を使って歩いている)あ、……ぁ・・あー……あ(もはや歌ですらないうめき声。依然白目をむいたままなので進む方向も定まっていないだろう) 」
仮面ライダーアギト「ま、マルガレーテ……ちゃん(ボロボロになりながらも彼女の痛ましい姿に唖然とする。歩み寄りたいが力を使いすぎたようで思うように体が動かない) 」
あの大爆発を生き残った誰もが、マルガレーテの姿に心を痛ませる中……
ついにあの男が悲痛の叫びをあげ、引き金を引いた
氷川さん「(G3-Xの装甲は歌でところどころ変異し、その挙句に大爆発によって大部分が破損している。そしてまだ動く、もはや生きるしかばね、壊れたネジマキ人形のような存在と化したマルガレーテを見て悲痛な表情を浮かべ)もういい……………………もういいだろ!!!!(GM-01 スコーピオンを手に取り発砲) 」
マルガレーテ「ズ ガ ン … (一瞬体が痙攣し、そのままのけぞるように倒れる。そして)……………………か、…の、‥ん(最後の音声出力を振り絞り漏らした遺言(ノイズ)。その死にざまは人間としてどうであったか。もはや機械と化した彼女にそれを確かめるすべはない。そのまま力なく仰向けに倒れ、息絶えた) 」
氷川さん「…………(機械化したとはいえ仲間を、しかも少女を撃った。これまでのダメージとその現実に打ちのめされるように、彼は静かに気を失った) 」
片桐「…………。 キュポンッ(遠目に、せめて直視すべき現実の一幕が小さく映るように遠くからそれを見届ける。おもむろに開いたボトルは変質した影響で中身を失っており、 逃げ場を失った彼は……) 何も見たくね ェ 。 (狂気を視界に入れる術を失った) 」
薬師寺九龍「あ、あ、うう……………………ちくしょー。最近いいことねえや。(一時の狂気から離れるも、まだ肉体は変異したまま)これ、治せるかなぁ……。いや、治してくれねぇと困る(実際、人間の魂がまだ残っているのなら治すことは可能。しかし完全に変異してしまえば治すのは難しい。とはいえ、大部分が大爆発で吹っ飛んでしまった今となっては……)……こちら、第四。おい聞こえるか?第四の九龍だ。街が大変なことになってんのはわかってる。でも、至急こっちにも応援をくれ。場所はーーーーーー(奇跡的に無事だった無線を使って本部に連絡。王国内ではところどころに救急車やパトカーのサイレン音が響き渡っている) 」
矢澤にこ「(パワードスーツは変形し使用不能となったもののマルガレーテが機械化する前の最期の記憶が流れ込んでいた)こいつが彼女をここまでにした犯人…(今はただただ、冥福を祈るしかできなかった) 」
一連の悲劇が鎮まり、これですべてが終わったと思われた。だが…その考えは甘かった――――
嵐千砂都「――――――――(地面に四つん這いに崩れたままの少女。俯いた顔に映るは虚無に広がる土の盤面。そこに映るものは何もない。まるで、目先のビジョンが何も見えず真っ暗に包まれた彼女自身の心情を表すかのように――――)」
"また"―――― 守れなかった
『あの時』と同じだ。私は、また、目の前で大切な人を失った。違う……"失わせた"んだ
こうなったのは、誰のせい?こんなのことになったのは、誰のせい?
誰のせい? 誰のせい? 誰のせい? 誰のせい? 誰のせい? 誰のせい? 誰のせい?
嵐千砂都「―――――――――――――(蘇るは過去の記憶。まだ、何もかもが失っていなかった頃の、あたたかな記憶――――) 」
――――― ちぃちゃんは悪くないよ!
……せ、ない…
――――― ちぃちゃんは悪■な■よ!
……せない……
――――― ちぃちゃん■悪■■■よ!
…る……せ…な…い……
――――― ちぃちゃん■悪■んだよ!
許 せ な い
――――― ちぃちゃん が 悪いんだよ!
許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない
許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない
嵐千砂都「 ハッ ハァ ハッ ハァ ハッ ハァ ハッ ハァ ハアッ (ノイズが走る記憶は改竄されるように歪みを帯びて、己を責め立てていく―――) 」
私は 「私」を 許せない
自分だけが生きている、こんな私を許せない
かのんちゃんもマルガレーテちゃんが帰らぬ人になったのは、ぜんぶ、ぜんぶ…――― 全 部 私 の せ い だ ッ! ! !
嵐千砂都「… … … 絶 対 に 許 さ な い … ッ … … (ここでようやく言の葉を紡いだ少女。その殺気にも近いその激しい憎悪が含まれた声を聴いた者はきっと誤解するだろう。この怒りの矛先が、亡き歌姫でもなければ彼女を亡き者にした黒幕でもなく――――救うことができなかった自分自身に向けられたものとは知らずに―――)」
嵐千砂都「…ザリ……ッ……ザッ……ザ…ッ……――――(そして少女は重りに囚われたかのような重い足取りでその場を後にする。その行く先は分からない。だが、ただでさえ赤い瞳は血のように真っ赤に染まり、魅力的だった丸い瞳は鋭く尖っていく。丸みを帯びた猫背は、十字架を背負い、歩み止まることを許されない罪人のように描かれて。彼女はただ、暗闇の中に身を投じるのだった――――) 」
ボ ト ッ … ――――(そんな彼女が最後に落としていったのは、片桐から手渡されたあの、不細工なネズミのキーホルダー。まだ彼女が希望を留めていた証拠。それが欠け落ちた今、彼女を留めるものは―――)
ヒロ「…!ちぃちや………!(様子がおかしい彼女に声をかけようとするも、その先へと手を伸ばさずに力なくその手は降りる)……? 」
ヒロ「………これは…?(彼女が落として行ったキーホルダーを見て)………これが、何かの手掛かりか…?(キーホルダーを手に取る) 」
ヒロ「………ちぃちゃん、絶対救ってみせるから…(キーホルダーを胸のポケットにしまう) 」
最終更新:2025年05月29日 00:22