勇者は走っていた。先ほど聞こえた悲鳴の元へと急ぐために。
「確かこのあたりでしたね」
そして彼が辺りを見回すと、そこには無数のキャベツとそれに追いかけられる二人の女性の姿があった。
「はい!?!?!?!?!?!?!?!」
彼もこれにはさすがに面食らった。何故キャベツが空を飛んでいるのかなど、明らかにおかしいと思える箇所が多すぎたからだ。
ひとまず目の前にいる緑色の女性とメイドさんがピンチであることは分かったので、彼は魔法を使って彼女たちを助けることにした。
「マジックミサイル~!!」
彼がそう叫ぶと、彼の手のひらから紫色の玉が飛んでいき空を飛んでいたキャベツの何体かを打ち落とすことに成功した。
そうして彼が何回か魔法を使うと、キャベツの群れはどこかへと飛んで行った。
そして彼はいつもの調子で彼女たちに話しかけた。
「大丈夫ですか?大丈夫みたいですね」
自分が助けた人たちに対し大丈夫かと尋ね、そのまま不自然な自問自答をした。
それに対して彼女たちは、ひそひそと話し始めた。
(不自然な自問自答してますけど、大丈夫なんですかねこの人は?)
(きっと変人なんですよ、少なくとも私たちを助けてくれたのですがあまり関わらないほうが良さそうですね)
(きっと変人なんですよ、少なくとも私たちを助けてくれたのですがあまり関わらないほうが良さそうですね)
それは彼の明らかにおかしい言動についてだった。
自分で言った心配の言葉に対し相手の言葉も聞かずに自己完結をしていることについて、アブない感じの人だと彼女たちはそう解釈したのだ。
まあともかく、彼によって当面の脅威を乗り越えられた女性たちはそのことについてまずは感謝することにした。
「危ないところを助けていただき感謝します。私は千川ちひろと言います」
緑色の服を着た女性が感謝の言葉を言った後自己紹介をした。
「私はレムと申します。……すみませんが貴方は?」
青い髪をしたメイドが自己紹介をした後彼に名前を尋ねた。
「私は勇者と言います」
そして彼が自己紹介をすると、彼女たちはまたひそひそと話し始めた。
(自分のことを"勇者"って言ってますよ。そういうキャラなんですかね?)
(やっぱり関わらないほうが良さそうな方ですよ。あの手の人は迷惑かけまくるのが目に見えてます)
(やっぱり関わらないほうが良さそうな方ですよ。あの手の人は迷惑かけまくるのが目に見えてます)
彼の自己紹介から更に、彼がアブない人であるという印象を深めたのだ。
そんなわけで、森を脱出した後何かしらの理由を付けて彼から離れようと考えていたが、突如として開けた場所へと出てきた。
そしてそこには、一軒のログハウスが立っていた。
「ともかく、ひとまず避難できそうな場所がありましたので入ってみましょうか」
ちひろがそう言うと、彼女たちは森の中心にあったログハウスへと向かっていった。
こうして彼女たちがログハウスに入ろうとドアノブに手をかけた瞬間だった。
「ここに住んでいる人は会場内にいないし、カギがかかっていないから入っていいよ」
突然ログハウスから顔が浮かび上がって、彼女たちに話しかけたのだ。
当然のことながら彼女たちは仰天した。目の前の建物がいきなり話しかけてきたからだ。
「ああ、僕のことは気にしなくていいよ。気が付いたらいきなりこんな場所に連れてこられてきただけだから」
「それに自分の意志では一切動けないからね。今の僕はログハウスだし、そもそも木だから動けないことには変わらないけど」
「それに自分の意志では一切動けないからね。今の僕はログハウスだし、そもそも木だから動けないことには変わらないけど」
そのログハウスは時折ブラックジョークをかましながら、自分が危険な存在ではないことを彼女たちに伝えていた。
「えっと……じゃあ入ってもいいんですよね?あと、変な事したら……分かってますよね?」
レムは目の前のログハウスに釘を刺しながら入っていった。
そしてそれに続いてほかの人たちもログハウスの中に入っていった。
こうしてひとまず落ち着ける場所を見つけることができた彼らは、自分たちの支給品を確認することにした。
そしてレムのデイバッグからは、彼女が普段使っている武器によく似たものが飛び出してきた。
それは……。
「……どうやらこの子は主催者たちによって勝手に連れてこられ、そしてこのカバンの中に詰め込まれたらしく、とても不機嫌なようです」
犬の魂が宿ったトゲ付き鉄球だった。それはどうやら『トゲワンワン』というらしく、主催者たちに勝手に連れてこられてとてもストレスが溜まっているようだった。
そしてそのトゲワンワンに対しレムは自分たちの目的などについて話しかけていた。
「私たちは主催者に対抗するつもりですので、もしよろしければこのまま私の武器になってくれませんか?」
そしてトゲワンワンはレムのこの提案に頭を縦に振り、そのまま彼女の武器として一緒に戦ってくれることを了承してくれた。
そして千川ちひろには……。
「あら、コロッケが入っていました。せっかくキャベツも何玉かあることですし、まずは皆さんで腹ごしらえでもしませんか?」
丁度支給品の中に料理が入っていたので、彼らはそれを食べた後今後どのような行動をとるかを話し合うことにした。
しかしそのコロッケを食べた瞬間、ちひろは驚くことになる。何故ならば……
(これ、コロッケじゃなくて……カニクリームコロッケでした……)
実は自分に支給されていたのが「コロッケ」じゃなくて「カニクリームコロッケ」だったからだ。
(キャベツがあって、コロッケではなくカニクリームコロッケ……何でしょうこの釈然としない感じは…)
それによりちひろは食事中、今後の方針ではなく別のことを考えることになった……。
【I-3 デクの山ログハウス/深夜】
【勇者(主人公)@ファイナルソード】
[状態]:健康、カニクリームコロッケとキャベツを食べている
[装備]:令嬢剣士の家宝の宝剣と盾@ゴブリンスレイヤー
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1、キャベツ(3玉)@この素晴らしい世界に祝福を!
[思考・状況]基本行動方針:勇者として主催者を倒します。
1:襲われている人を助けます。
2:主催者はどこに居ますか? この会場のどこかにいますよ
3:この催しは神聖な木の試練ですか?
[備考]
支給品は確認済み。
参戦時期は神聖な木と会話した直後。
レムの話から、鬼族の女性(パワー)に関する情報を得ました。
【勇者(主人公)@ファイナルソード】
[状態]:健康、カニクリームコロッケとキャベツを食べている
[装備]:令嬢剣士の家宝の宝剣と盾@ゴブリンスレイヤー
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1、キャベツ(3玉)@この素晴らしい世界に祝福を!
[思考・状況]基本行動方針:勇者として主催者を倒します。
1:襲われている人を助けます。
2:主催者はどこに居ますか? この会場のどこかにいますよ
3:この催しは神聖な木の試練ですか?
[備考]
支給品は確認済み。
参戦時期は神聖な木と会話した直後。
レムの話から、鬼族の女性(パワー)に関する情報を得ました。
【千川ちひろ@アイドルマスターシンデレラガールズ】
[状態]:健康、疲労(中)、カニクリームコロッケとキャベツを食べている
[装備]:ー
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2(確認済)、カニクリームコロッケ(13/25個)@現実
[思考・状況]基本行動方針:死にたくないが、人も殺したくない。
1:ひとまず助かった……?
2:あ……このキャベツって普通に食べれるんですね。
3:自問自答してますけど、大丈夫ですかこの人(勇者)は……?
[備考]
勇者(主人公)のことを、ちょっとおかしい人だと思っています。
[状態]:健康、疲労(中)、カニクリームコロッケとキャベツを食べている
[装備]:ー
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2(確認済)、カニクリームコロッケ(13/25個)@現実
[思考・状況]基本行動方針:死にたくないが、人も殺したくない。
1:ひとまず助かった……?
2:あ……このキャベツって普通に食べれるんですね。
3:自問自答してますけど、大丈夫ですかこの人(勇者)は……?
[備考]
勇者(主人公)のことを、ちょっとおかしい人だと思っています。
【レム@Re:ゼロから始める異世界生活】
[状態]:健康、カニクリームコロッケとキャベツを食べている
[装備]:トゲワンワン@スーパーマリオくん
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2(確認済)
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いには乗らず、脱出方法を探る。
1:スバル君は無事でしょうか……
2:あの女(パワー)は鬼族の生き残りなの?
3:この人(勇者)は明らかにアブない人みたいですし、早めに離れるべきですね……。
[備考]
参戦時期は『イタダキマス』の後。
パワーを危険人物と認識。彼女を鬼族と勘違いしています。
勇者(主人公)のことを、パワーとは別の意味で危険な人物だと思っています。
[状態]:健康、カニクリームコロッケとキャベツを食べている
[装備]:トゲワンワン@スーパーマリオくん
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2(確認済)
[思考・状況]基本行動方針:殺し合いには乗らず、脱出方法を探る。
1:スバル君は無事でしょうか……
2:あの女(パワー)は鬼族の生き残りなの?
3:この人(勇者)は明らかにアブない人みたいですし、早めに離れるべきですね……。
[備考]
参戦時期は『イタダキマス』の後。
パワーを危険人物と認識。彼女を鬼族と勘違いしています。
勇者(主人公)のことを、パワーとは別の意味で危険な人物だと思っています。
【ランダム支給品】
【カニクリームコロッケ@現実】
カニの身をほぐしたものをホワイトソースに混ぜて俵形に成形し、そのあと凍らせて衣をつけてから油で揚げた料理。
カニの身をほぐしたものをホワイトソースに混ぜて俵形に成形し、そのあと凍らせて衣をつけてから油で揚げた料理。
この殺し合いでは25個支給されており、当然ながら付け合わせは付いていない。
【トゲワンワン@スーパーマリオくん】
その名の通り全身にトゲのついたワンワンで、振り回したり投げつけたりして攻撃する。
本来はクッパ専用の武器だが調整などにより(彼を振り回せるだけの腕力があれば)誰でも使えるようになっている。
その名の通り全身にトゲのついたワンワンで、振り回したり投げつけたりして攻撃する。
本来はクッパ専用の武器だが調整などにより(彼を振り回せるだけの腕力があれば)誰でも使えるようになっている。
なお本家ゲームである『スーパーマリオRPG』では顔が付いておらず身体から飛び出すトゲのみで攻撃をするが、
『スーパーマリオくん』に出た個体にはおなじみのあの顔が付いており、上記のほかに相手にかみつく攻撃も追加されている。
(※スーパーマリオくん51巻に登場)
『スーパーマリオくん』に出た個体にはおなじみのあの顔が付いており、上記のほかに相手にかみつく攻撃も追加されている。
(※スーパーマリオくん51巻に登場)
【施設】
【I-3 デクの山ログハウス@ペーパーマリオ オリガミキング】
デクの山のふもとにある、キャンプ場の管理人が生活しているログハウス。
デクの山のふもとにある、キャンプ場の管理人が生活しているログハウス。
山の長老である「デクじい」を切り倒して作られたためか自我を持っており、管理人の不在などを連絡してくれる。
なお中には暖炉と簡易的な棚、あとデクじいのフィギュアが入った宝箱(現在は空っぽ)くらいしかない。
005:うさぎ好きの人はうさぎのぬいぐるみを殴る...? | 投下順 | 007:明かされる真実 |
ファイナル開幕 | 勇者(主人公) | 063:森のキノコにご用心(もっこり編) |
鬼!悪魔!ちひろ! | 千川ちひろ | |
鬼!悪魔!ちひろ! | レム |