つまらない。
人が人を畏れ憎む心から生まれた呪霊
その中でも爆撃機に匹敵すると呼ばれる『特級』に位置する真人がその女に出会って最初に抱いた感想は、その一言だった。
人が人を畏れ憎む心から生まれた呪霊
その中でも爆撃機に匹敵すると呼ばれる『特級』に位置する真人がその女に出会って最初に抱いた感想は、その一言だった。
「サンプルボイスを聞いていただき、ありがとうございます。
るりまでオナろう。淫語ロイドでキャラクターボイスを担当した、るりまです」
るりまでオナろう。淫語ロイドでキャラクターボイスを担当した、るりまです」
夜闇にも目立つ紅白の装束に身を包み、支離滅裂な言動を繰り返す女。
しかしこの世で唯一、魂の形を正確に認識できる真人にとって、目の前の女性の魂は特にあれふれた、見慣れた形をしていた。
確かに言動は普通の人間とは一線を画すものがある。
だが、刺々しい形を取ったり、或いは弱々しく萎んだり、弾むように揺れたり、魂の代謝の動きは普通の人間の女性から外れてはいなかった。
真人の知識の中で一番近い存在と言えば…この前見た映画の役者だろうか。
そう、彼女の言動は、何か別の人間を演じている印象を抱く。
しかしこの世で唯一、魂の形を正確に認識できる真人にとって、目の前の女性の魂は特にあれふれた、見慣れた形をしていた。
確かに言動は普通の人間とは一線を画すものがある。
だが、刺々しい形を取ったり、或いは弱々しく萎んだり、弾むように揺れたり、魂の代謝の動きは普通の人間の女性から外れてはいなかった。
真人の知識の中で一番近い存在と言えば…この前見た映画の役者だろうか。
そう、彼女の言動は、何か別の人間を演じている印象を抱く。
この殺し合いという異常な状況下で何かを演じる、という要素だけを抜き出せば、若干興味を惹かれる物がある筈なのだが…
真人は我の事ながら、なぜこんなにも彼女に惹かれないかを考え、そして一つの答えに行きつく。
真人は我の事ながら、なぜこんなにも彼女に惹かれないかを考え、そして一つの答えに行きつく。
「あ、そうか。君の演技があんまりにも下手すぎるからだ。何て言うんだっけな…そう、大根役者」
ぴしり、と空気が凍る。
クッソー☆
迫真の演技。
にんじんしりしり。
混ぜと化した先輩。
ゆうさくとトレードされた女。
覚悟浣腸。
クッソー☆
迫真の演技。
にんじんしりしり。
混ぜと化した先輩。
ゆうさくとトレードされた女。
覚悟浣腸。
初対面の男から受けた150キロを超える直球の指摘は彼女の地雷を見事に踏み抜いた。
ホモガキ達から名付けられた様々な不名誉な称号がRRM姉貴の脳内に溢れ出し、彼女の思考を一つの意思に染め上げる。
ホモガキ達から名付けられた様々な不名誉な称号がRRM姉貴の脳内に溢れ出し、彼女の思考を一つの意思に染め上げる。
「―――さて、もうサービス期間は終了しても良いでしょう?」
先程から支離滅裂にして正体不明な言動だった彼女の言葉が初めて指向性を得た瞬間だった。
怒り。憎み。黒い衝動のままに他者を排除しようとする。
それは真人を生んだ、魂の代謝そのもの。
何故彼女がここまで怒っているのかまでは真人には分からないし、どうでも良かった。
ただ彼は両手を鳥の様に広げて、その殺意の到来を歓迎する。
怒り。憎み。黒い衝動のままに他者を排除しようとする。
それは真人を生んだ、魂の代謝そのもの。
何故彼女がここまで怒っているのかまでは真人には分からないし、どうでも良かった。
ただ彼は両手を鳥の様に広げて、その殺意の到来を歓迎する。
「いいよ、戦ろうか」
デイパックから取り出した一振りの刀を腰だめに構えるRRM姉貴。
そんな彼女を目前にしてなお、真人は余裕を示すように、悠然と佇む。
そんな彼女を目前にしてなお、真人は余裕を示すように、悠然と佇む。
「お客様ぁ??
―――お覚悟を」
―――お覚悟を」
直後、白刃が煌めき、大気を裂く。
先程ゴブリンを鏖殺したときの様に、非の打ちどころのない、見事な動きだった。
本来ただの声優でしかない彼女が常人離れした一閃を放てるのは、皮肉にも彼女が何より憎悪したホモガキ達のミーム汚染の賜物なのだが。
先程ゴブリンを鏖殺したときの様に、非の打ちどころのない、見事な動きだった。
本来ただの声優でしかない彼女が常人離れした一閃を放てるのは、皮肉にも彼女が何より憎悪したホモガキ達のミーム汚染の賜物なのだが。
「へぇ、呪術師でもないのに大したもんだ」
対する呪いはニィと笑みを深め…あろうことか刃の前に手を晒して見せる。
すぱり。当然のごとく、肘から上の腕が泣き別れとなる。
しかし、それでも真人は笑ったままだった。
血をダボダボとホースの様に垂らしながら、残された腕をRRM姉貴の方へと突き出す。
プロボクサーのジャブの数倍の速度だ、振り切った体勢の彼女が回避するには困難を極めた。
それでも素早く後退しつつ咄嗟にデイパックに手を入れ、バズーカを取り出そうとする判断力は称賛されるべきものだろう。
通常の人間ならば片手の間合いの外。しかし。
ぐにィ。
真人の腕が蛇の様に、人ではありえない伸び方をしてRRM姉貴の腕をつかむ。
すぱり。当然のごとく、肘から上の腕が泣き別れとなる。
しかし、それでも真人は笑ったままだった。
血をダボダボとホースの様に垂らしながら、残された腕をRRM姉貴の方へと突き出す。
プロボクサーのジャブの数倍の速度だ、振り切った体勢の彼女が回避するには困難を極めた。
それでも素早く後退しつつ咄嗟にデイパックに手を入れ、バズーカを取り出そうとする判断力は称賛されるべきものだろう。
通常の人間ならば片手の間合いの外。しかし。
ぐにィ。
真人の腕が蛇の様に、人ではありえない伸び方をしてRRM姉貴の腕をつかむ。
「ンヒィッ!(絶望)」
真人の腕に掴まれた瞬間、怯えたような声を上げる姉貴。
猛烈に嫌な予感が背筋を駆け抜ける。
自分は将棋やチェスでいう詰み(チェックメイト)に嵌ったのだと、本能が告げていて。
猛烈に嫌な予感が背筋を駆け抜ける。
自分は将棋やチェスでいう詰み(チェックメイト)に嵌ったのだと、本能が告げていて。
「ま、待って…私がおまんこしてやろうか? おまんこだよ! おまんこ中出しOKだし、本当だよ。コンドームなんか、しなくていいんだよ。生ちんぽこ、おまんこにぶっさせるんだよ! からかってないよ。本当に本当―――」
「ごめん、興味ないんだ」
「ごめん、興味ないんだ」
迫真の声で必死に説得しようとする姉貴の説得(アジテーション)。
しかし真人は冷めた薄笑いでそれを切って捨てる。
真人にとって、愛も性欲も猫が毛布に執着する事と如何ほどの違いがあるのか分からないためだ。
無為転変。真人の手の中に術式が奔り、
しかし真人は冷めた薄笑いでそれを切って捨てる。
真人にとって、愛も性欲も猫が毛布に執着する事と如何ほどの違いがあるのか分からないためだ。
無為転変。真人の手の中に術式が奔り、
「壊れちゃった…私……」
ぐにぃ。ぱぁん。
【RRM姉貴@クッキー☆BB 死亡】
【残り107名】
【残り107名】
紅白の衣装に身を包んだその身体がはじけ飛ぶ。
びちゃびちゃと地面に彼女の臓物が降り注ぎ、真人の足元を赤く染めた。
魂を操る真人の術式は、触れさえすれば対象の防御力を無視して自在にゆがめる事ができる。
それを利用して、RRM姉貴の五体を弾き飛ばしたのだ。
びちゃびちゃと地面に彼女の臓物が降り注ぎ、真人の足元を赤く染めた。
魂を操る真人の術式は、触れさえすれば対象の防御力を無視して自在にゆがめる事ができる。
それを利用して、RRM姉貴の五体を弾き飛ばしたのだ。
「ちょっと加減を間違えたかな?まぁいいか、改造人間のストックは十分だし」
独り言ちながら、切られた腕を拾い上げ、切断面に付着する真人。
すると斬られたはずの腕は一瞬で癒着し、元通りに動くようになる。
呪霊は生命力が強い。特に特級ともなれば、首だけの状態ですら生存を可能とする。
更に呪霊の中でも魂の形を唯一知覚できる真人にとって、物理的攻撃は勿論、呪力を伴った攻撃すら致命傷にはなり得ない。
魂への直接攻撃だけが、彼にとっての有効打となる。
すると斬られたはずの腕は一瞬で癒着し、元通りに動くようになる。
呪霊は生命力が強い。特に特級ともなれば、首だけの状態ですら生存を可能とする。
更に呪霊の中でも魂の形を唯一知覚できる真人にとって、物理的攻撃は勿論、呪力を伴った攻撃すら致命傷にはなり得ない。
魂への直接攻撃だけが、彼にとっての有効打となる。
「最初に思ったより面白い女だったかな。呪術師でもないのにあれだけ動けるなんてね」
一仕事終えた後の様に軽く伸びをしてから、真人は地面に転がるRRM姉貴のデイパックを拾い上げ、中身を確認する。
「おぉッ、バズーカか。初めて見たな。この刀も…立派な呪物だ。漏瑚にあげたら喜ぶかな」
突然自分が消え、今頃頭の富士山を噴火させて怒り狂っているであろう仲間の呪霊の顔を想像して、笑みを漏らしながら、落ちた刀も拾い上げる。
呪霊は基本的に武器を用いないのだが、折角手に入れた玩具だ。
それにバズーカは一度派手に撃ってみたいかもしれない。
そんな事を考えながら真人は粛々とデイパックに戦利品を納めていく。
呪霊は基本的に武器を用いないのだが、折角手に入れた玩具だ。
それにバズーカは一度派手に撃ってみたいかもしれない。
そんな事を考えながら真人は粛々とデイパックに戦利品を納めていく。
「うん、まぁこんなもんか。アレみたいなお宝は無かったけど、最初の戦果としてはまぁまぁだね」
そう言ってRRM姉貴のデイパックを投げ捨てながら、真人は自分が背負うデイパックに入っている『お宝』を一瞥する。
それは指だった。乾ききっているのに何処までも禍々しい生命力に満ちた指。
当然、常人の指ではない。
その指の持ち主は両面宿儺といった。
真人と同じ特級に位置しながら、隔絶する力を持った呪いの王。
宿儺さえ復活すれば、呪いの時代が来ると言われるほどの魔神。
その顕現に必要な指の大半が今、真人の手の中にある。
それは指だった。乾ききっているのに何処までも禍々しい生命力に満ちた指。
当然、常人の指ではない。
その指の持ち主は両面宿儺といった。
真人と同じ特級に位置しながら、隔絶する力を持った呪いの王。
宿儺さえ復活すれば、呪いの時代が来ると言われるほどの魔神。
その顕現に必要な指の大半が今、真人の手の中にある。
「何だか宿儺の器や呪術高専が持ってるのと数が合わない気がするけど…まぁどうでもいいか。
それよりも…これをどう使ったら面白くなるかを考えた方が有益だよね」
それよりも…これをどう使ったら面白くなるかを考えた方が有益だよね」
特級呪物に位置する宿儺の指。
真人は既にこれを適当な参加者に、改造人間を使って食べさせようと考えていた。
猛毒の宿儺の指を食べて絶命するようならそれはそれで構わないし、もし生き残って宿儺が顕現したならばうれしい誤算だ。
真人は既にこれを適当な参加者に、改造人間を使って食べさせようと考えていた。
猛毒の宿儺の指を食べて絶命するようならそれはそれで構わないし、もし生き残って宿儺が顕現したならばうれしい誤算だ。
「その時は改造人間に適当に離れた所まで運ばせてからかな~宿儺に殺されてもいいけど
できるなら、俺もまだまだこの殺し合いを楽しみたいしね」
できるなら、俺もまだまだこの殺し合いを楽しみたいしね」
呪いの王、と言っても宿儺は呪霊の純粋な味方ではない。
天上天下唯我独尊。己の快・不快のみが生きる指針の宿儺なら、下手に甦らせれば次の瞬間真人は粉みじんになっている恐れすらある。
呪霊は死を恐れない。例え滅びたとしても人が人を憎む限り、真人は数百年後にまた現れる事ができるからだ。
だが、この殺し合いという極上のパーティーを途中で降りるつもりは、真人にはさらさら無かった。
この殺し合いはとても良い。怒り、悲しみ、憎悪…呪いが満ちる島の大気は、真人にとって心地良かったし、呪力を消費した端から与え続けている。
出来るなら最後までプレイヤーとして楽しみたい。
それが呪霊の中でも宿儺に対する執着の薄い真人にとっての結論。
天上天下唯我独尊。己の快・不快のみが生きる指針の宿儺なら、下手に甦らせれば次の瞬間真人は粉みじんになっている恐れすらある。
呪霊は死を恐れない。例え滅びたとしても人が人を憎む限り、真人は数百年後にまた現れる事ができるからだ。
だが、この殺し合いという極上のパーティーを途中で降りるつもりは、真人にはさらさら無かった。
この殺し合いはとても良い。怒り、悲しみ、憎悪…呪いが満ちる島の大気は、真人にとって心地良かったし、呪力を消費した端から与え続けている。
出来るなら最後までプレイヤーとして楽しみたい。
それが呪霊の中でも宿儺に対する執着の薄い真人にとっての結論。
――さぁ、次へ行こう。できるなら、宿儺の器になり得る人間に会いたいな
真人はそう言って再び不吉な笑みを浮かべて歩み出す。
彼がRRM姉貴を殺した理由は、特にない。
降りかかった火の粉を払っただけとも言えるし、彼女の方から手を出さずともきっと殺していただろう。
ミルドラースに命じられたから殺すわけでも、願いを叶えたいから殺すわけでもない。
何故なら、彼は呪いだから。
呪いは人の心から生じるが、呪いは人を殺す。だから共存の道はあり得ない。
そうやって、呪い呪われ、世界は廻っていく。
真人はそう言って再び不吉な笑みを浮かべて歩み出す。
彼がRRM姉貴を殺した理由は、特にない。
降りかかった火の粉を払っただけとも言えるし、彼女の方から手を出さずともきっと殺していただろう。
ミルドラースに命じられたから殺すわけでも、願いを叶えたいから殺すわけでもない。
何故なら、彼は呪いだから。
呪いは人の心から生じるが、呪いは人を殺す。だから共存の道はあり得ない。
そうやって、呪い呪われ、世界は廻っていく。
【H-6 /深夜】
【真人@呪術廻戦】
[状態]健康
[装備]三代鬼徹@ONE PIECE、沖田のバズーカ@銀魂、大量の改造人間@呪術廻戦
[道具]基本支給品、両面宿儺の指15本セット
[思考・状況]
基本行動方針:呪霊として殺し合いに参加する。
1:皆殺し、その過程で領域展開を取得したい。
2:宿儺の器を探す。
[備考]原作16話より参戦です
【両面宿儺の指15本セット@呪術廻戦】
特級呪霊・両面宿儺の20本の指の屍蝋のうちの十五本、特級呪物。通称「宿儺の指」。
1000年前の呪術全盛の時代に宿儺を封印した物。
最強の呪物の一つであり、宿儺の指を取り込んだ一般呪霊を特級に進化させるほどの力を持つ。
人間が取り込むことで宿儺をその身に受肉させることもできるが、
指自体が猛毒のため、取り込んだ人間はほぼ確実に死亡する。また肉体が耐えられたとしても精神が宿儺に支配される。
残りの五本の指も会場の何処かにあるかもしれない。
【真人@呪術廻戦】
[状態]健康
[装備]三代鬼徹@ONE PIECE、沖田のバズーカ@銀魂、大量の改造人間@呪術廻戦
[道具]基本支給品、両面宿儺の指15本セット
[思考・状況]
基本行動方針:呪霊として殺し合いに参加する。
1:皆殺し、その過程で領域展開を取得したい。
2:宿儺の器を探す。
[備考]原作16話より参戦です
【両面宿儺の指15本セット@呪術廻戦】
特級呪霊・両面宿儺の20本の指の屍蝋のうちの十五本、特級呪物。通称「宿儺の指」。
1000年前の呪術全盛の時代に宿儺を封印した物。
最強の呪物の一つであり、宿儺の指を取り込んだ一般呪霊を特級に進化させるほどの力を持つ。
人間が取り込むことで宿儺をその身に受肉させることもできるが、
指自体が猛毒のため、取り込んだ人間はほぼ確実に死亡する。また肉体が耐えられたとしても精神が宿儺に支配される。
残りの五本の指も会場の何処かにあるかもしれない。
【改造人間@呪術廻戦】
真人の能力である無為転変により魂の形ごと肉体を変質させられた人間。
魂を弄られた人間は真人の手駒となり、真人の命令に従って動く。
一度魂を弄られた人間は元には戻らず、僅かな時間で死亡する。
また、真人の意思で剣や射出武器など応用性は多岐にわたる。
NPCなのか、元の世界で作ったストックなのかは不明(後続の書き手にお任せします)
真人の能力である無為転変により魂の形ごと肉体を変質させられた人間。
魂を弄られた人間は真人の手駒となり、真人の命令に従って動く。
一度魂を弄られた人間は元には戻らず、僅かな時間で死亡する。
また、真人の意思で剣や射出武器など応用性は多岐にわたる。
NPCなのか、元の世界で作ったストックなのかは不明(後続の書き手にお任せします)
018:異世界にまつわるあれやこれや | 投下順 | 020:心に生まれた破れ目(前編) |
NATURAL BORN DESTROYERS | 真人 | 037:殺し抗え、人であるがために |
るりまの刃 チョコレート味 | RRM姉貴 | :GAME OVER |