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  • 心に生まれた破れ目(後編)

コンペ・ロワイアル@ウィキ

心に生まれた破れ目(後編)

最終更新:2022年04月30日 19:58

匿名ユーザー

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「あれ?リルルさ……。」
目的地へ向けて歩き始めたと思いきや、すぐに止まったリルルに対し、声をかけようとするが、またもその口を塞がれる。

リルルの眼に、遠くからの来訪者が映った。


来訪者は、二人。
一人は細身の体つきに、長くも短くもなければ奇天烈に整えられたわけでもない白髪の男性。黒を基調とした服装は特別華美でも貧相でもなく、面貌も目を引く特徴はない。
もう一人はミニスカートにワンピースの女性。高貴な身なりなのかありふれた身分なのか今一つ判断が出来ないが、むしろこちらの方が目立つ外見をしている。


「止まりなさい!!私たちはゲームに乗ってない!!」

リルルは指を二人に向ける。
ジジジ……と音が鳴り、ボブゴブリンを一撃で黒焦げにした熱線のエネルギーが指に溜まる。

「あのさあ……。会うが否やいきなり人に命令するって、どんな教育受けてるの?おまけに見ず知らずの人に対して指差す?そりゃ人差し指っていうからには、そういう役割も持っているかもしれないけど、その使い方は僕はお勧めしないなあ。こんな腐りきった状況だから気が立っているかもしれないけど、それをいいことに何でもしていいわけじゃないんだよ。むしろこういう戦いだからこそ、日ごろ大事にしているマナーを守るってことが……。」


てんで中身のない言葉を発しながら、白髪の男、レグルス・コルニアスはリルルの警告を無視し、ゆっくりと近づいてくる。


「止まらないと撃つといったはずよ。」

リルルの指から、警告通り熱線が放たれた。
ボブゴブリンさえ黒焦げにするから、その3分の1ほどの体格すらない彼がまともに受ければ、ただでは済まないはず。


「人が気持ちよく喋ってる最中に攻撃だなんて、どんな教育を受けたの?いや、もしかして、教育そのものを受けてないんじゃない?それぐらい知性というものを全く君から感じられないんだけど。」

しかし、レグルスは熱線を受けた様子は全くなかった。
火傷はおろか、服の焦げや破れ、飛び散る埃による汚れすらない。


(外れた様子もないけど、避けた様にも見えない……一体どんな手品でしょうか?)
この世界なら、現実なら決して起こりえないことも普通にあり得る。
結界を張る魔法を使っているのか、そもそも効いていないのか、あるいは自分のダメージを誰かに肩代わりさせているのか。


ヘブンズ・ドアーのディスクを除けば、アイノイツキの唯一の武器は、「想像力」だ。
誰も読んだことのないほど面白い漫画を作るために、家にこもって何百冊、何千冊読んだ物語。
そこから目の前の男に熱線が効かない理由をひねり出す。


(そして隣の女性は何者?同じ殺し合いに乗った仲間か……それとも操り人形のような役割……?それともあの男が好きで保有しているとか?)


伊月にとっては、レグルスの隣にいたぉ姫様も、気になる相手だった。
隣についてくるだけで、口調もレグルスとは対照的に無口。
表情も能面のように動かない。


「言葉が通じないなら、こうしても良いよね?罰を与えて言うことを聞かせないといけない獣と同じだよ。そもそも僕は争いなんか嫌いだし、ましてや嗜虐性なんかとは無縁の寛大な人としての、清く正しく勇ましく人生を歩んでいるから、出来るだけ穏便に話し合いたいんだけど、話している最中に攻撃されれば、こっちも反撃せざるを得ないよね?」

レグルスは足を振り上げる。だが、二人にはとても届かない距離だ。



「!!」
しかし、足を振り上げただけで、凄まじい衝撃波が地面を走った。
慌ててリルルは、伊月を抱えて、空へと逃げる。


『強欲』の権能を持つレグルス・コルニアスは、自身が触れた物の時間を止める能力を持っている。
肉体の時間を停止させることで、肉体をこの世から「拒絶された」歪みにすることが出来る。
自らを拒絶された存在にすることで、外部からの干渉や衝撃の、一切合切を断つ。



また、自らが触れた石や飛ばした空気は、あらゆる物理法則から拒絶されて吹き飛び、あらゆるものを貫通して破壊する最強の武器になる。

しかし、その攻撃の違和感に、レグルスはすぐに気付いた。
右足から時放たれた力が及ぶ範囲が、いつもより狭い。
いつもなら数百メートルは届くはずの衝撃波が、今はせいぜい数十メートルといったところだ。
スピードもいつもより遅い。
本来なら計4本の脚が千切れ飛んでいたはずだった。

従って、レグルスの無効化出来る物理法則に、制限がかかっているのだ。


「力が……いつもより出ない!?ちくしょう!!あのミルドラースとかいう奴、どこまで僕に不快な思いをさせれば気が済むんだ!!いくら僕が素晴らしい力の持ち主だからって、そこまでするか普通!?」

あれこれと喋っている間に、リルルは飛行能力で空へと逃げる。

「ありがとうございますリルルさん!助かりました!!」
「まだ助かったとは決まってないけどね。」


一先ず二人は五体満足で、レグルスの攻撃を凌いだ。
上から見ると、先ほど衝撃波が走った辺りの場所に、大蛇のように太く長い溝が出来ている。




「あーあ。空に逃げたねえ。こんな諺知らないの?馬鹿と煙は高いところが好きって。あーだめかあ。知らないよなあ。君たち、人が話している最中に前触れもなく熱線打ち込んでくる、権利の強姦魔だからねえ。そういう奴等って、概して義務教育レベルの常識も知らないはずだよ。」

レグルスは地面に落ちてあった石畳の破片を広い、投げつける。


「来ますよ!!」
伊月の合図と共に、リルルは空中で旋回する。
すぐ近くを、竜巻か何かのような強風を纏ったアスファルトの欠片が飛んでいった。


「ちっ、避けたか。でもね、弾は無限にあるんだよ。こんな無駄な事もうやめてよね。僕は君たち二人だけのために、時間を使ってあげるほど暇じゃないんだ。君たちが自分たちの世界中心で生きていて、他人の世界なんか知ったこっちゃないという態度を取っているから、どうせ分からないだろうけどね。」

レグルスはさらに新手の弾を拾い上げ、投擲する。

プロ野球選手を優に上回る球速を纏った破片が、二人まとめて貫かんと飛んでくる。
しかし、そのコントロールは野球を始めた子供にも劣る。

二球でそれを察したリルルは、空へ逃げて振り切ることを決め、さらに上昇する。



このまま行ける、と思っていたリルル達だが、そうは問屋が卸さないことに気づく。


「リルルさん!!降りてください!!」
「!?」
伊月の声で、首輪から点滅音が鳴っていることにリルルも気づく。


リルルが飛行能力でジャンク・ジャンクションへ向かうと言っていた時点で、伊月は疑問に思っていた。
飛行能力があれば、一部のマーダーを除いてほとんどの脅威を無力化出来るのではないかという伊月は予想していた。
逆に、主催者たちがそのようなアドバンテージを見逃すのかという疑問にも思っていた。


そして、何のことなのかは分からないが、白髪の男が、「力が出せない」と憤っているのを見て、その予想はほぼ確実なものとなっていた。


案の定、一定時間空中にいると、首輪が作動する仕掛けが仕込んであったのだ。


(説明書に書いていないなんて、悪趣味ね……。)
リルルは明かされたルールに対し心の中で悪態をつきながらも、どうにかして地面に降りようとする。

しかし、地上に近づくと、それに従って、レグルスからの攻撃の距離も短くなる。
投擲された弾から生じる風圧が、リルルと伊月の髪の毛を何本か持っていった。


(このままでは……)
「いつきさん!スタンドで『すごいスピードで吹っ飛ぶ』って私に書いて!!」
リルルは指示を出すが、それに対し伊月は断る。

「ダメです!!リルルさんがそんなスピードで飛んだら私が……。」
「そうだった……。」
リルルがすごいスピードで飛べば、確かにレグルスからは逃げられる。
だが、その上にいた伊月は、どうなるか。
生身の人間ではとても耐えられない空気抵抗により吹き飛ばされ、地面にたたきつけられる。
あるいは、空気抵抗そのものに耐えられず、バラバラになるかもしれない。


「何だか分からないけど、どうやら状況は僕に味方しているみたいだね、まあ当たり前だけど。君たち満たされない奴らは、空へ逃げようと地上へ逃げようと追い回されるだけしかないんだよ。何故だか分かるかい?君たちは自分のことしか考えず、他者を攻撃することしか考えていないからだ。他者のことを考えてこそ自分自身も満たされ、完結した人物になり、周りも味方してくれる。そうじゃない人は他人は言わずもがな、自分でさえも満たされない。世の中上手く出来てるよね……」

幸いなことに、今4人がいる、リスキー・リールズは影になる建物が多い。
近くにある屋敷を影にし、地表に降りようとする二人。
しかしレグルスの吐息、吐息とも思えないつむじ風のような何かが、屋敷めがけて飛んできた。

2階に当たる部分が吹き飛ばされ、その残骸が二人に襲い掛かる。
「振り落とされないで!しっかりつかまって!!」
「分かってます!!でも、本当に降りられるのでしょうか?」

段々と大きくなっていく首輪の点滅音に、伊月は不安を示す。
リルルは躱すだけではなく、抵抗もするが、熱線は相変わらずダメージを与える様子がない。



「しつこい奴らだね。そもそも当たってさえいないし……え!?」
リルル達に近づこうとしたレグルスが、急に地面の穴に躓いて転んだ。
指から放たれた熱線は、『強欲』の大罪司教ではなく、即席の罠作りのために石畳を狙っていたのだ。
それに気づかず、上ばかり見ていたレグルスは地面に出来ていた穴ぼこに足をすくわれた。


出来た隙を無駄にせず、ようやく地面に降りた二人。


「よくも僕に恥をかかせてくれたな。確かに僕への攻撃が効かないからと言って、地面に攻撃して、僕をハメようとしたのは見事だ。無い頭でよく考えたことだけは見事だと思うよ。けどね。自分の考えを、人を貶めるのに使うのは良くないと思うな。考えだけじゃない。自分の力ってのは常に世のため人のために使うものだよ!」

そこへ、最初にリルルと伊月を襲った、地面を走る衝撃波が来る。


地面を走る空気のヘビは、まだ無事な屋敷の1階部分を真っ二つに裂く。

しかし、家を支える柱は壊されていなかったため、倒壊こそは免れた。
伊月を屋敷の裏に隠した後、屋敷の裂け目からレグルス達がいる場所に躍り出る。


そのまま突撃すると思いきや、頭上を飛び越え、さらにその先へ進む。
レグルスは固めた手刀を水平に振り、チェーンソーのような鋭さを持つ鎌鼬を発生させる。


しかし、リルルは飛行方向、そして飛行速度をわずかにずらすことで、鎌鼬は当たることなく飛んでいく。
とにかくレグルスのターゲットから伊月を逸らそうと、リルルは伊月が隠れている屋敷の裏とは反対の方向に移動した。


「バラバラに隠れて逃げるつもりかな?そんなこと出来るわけないだろ。自分から攻撃しておいてそれが効かないと分かったらはいさよならって、いくら何でも都合がよすぎない?そりゃあ人なんて僕みたいな満たされた存在じゃない限り、自分に都合が良い方向へと考えて動くのは良くあることだけど、こんな状況でやるべきことじゃないと思うよ。ねえ、ちょっと聞いてる?さっきから僕の話にだんまりだけど、僕の言葉が理解できない訳じゃないんでしょ?せめて何か反応くらいは示した方がいいよ。いくら人の話が自分に都合が良くないからって、無視ばかりしていると、誰からも相手にされない人生を送ることになるよ。」

レグルスは居場所を少しだけ変え、攻撃をリルルに当てやすい場所へと移動する。

「あなたと話すことなんて、何もないわ。」


上空で石畳を攻撃して以来、ずっと攻撃の回避に専念していたリルルが、ここだとばかりに熱線を打つ。
しかし、その熱線は大きく外れ、歪な夫婦の頭上を飛んでいった。
否。リルルは彼らの近くの建物のガラスを撃ったのだ。


破片が氷柱のように二人を突き刺さんとする。
「!!」
レグルスは近くのぉ姫様を抱きかかえる。


ガラスの雨はレグルスの前で消え、裂傷を与えることはなかった。

「僕の妻になんてことをするんだ!人のものを傷つけようとするなんて!!この権利の強姦魔め!!下町のそのまた汚れた場所にいる薄汚れたドブネズミでもやらないことをよくもやってくれるな!!」

怒りに任せた攻撃をレグルスは打つが、既に見切っていたためリルルは躱した。

「どんなに熱線を撃ってもへらへら笑っていたあなたが、そっちの人が傷つきそうになった瞬間、やけに焦るわね。」

そして、ある事に気づいたリルルはレグルスに対し、回答を突きつける。

「当たり前だろ!!誰だって自分の嫁を傷つけられそうになったら動揺する!!そして、傷つけようとした相手を絶対に殺したくなるはずだ!!そうじゃなかったら、人として、夫として失格だろ!?何を思い出したかのように当たり前の……。」

またしても一般論で取り繕おうとするレグルスに対し、今度はリルルが言葉で畳みかけた。

「あなたは他者を想う心なんてないわ。あったとしても、それはあなたに帰結するものでしかない。だとすると、そっちの女性はあなたの生命にかかわる何かなんでしょ?」

「はい。」
それまで話をしていなかった派手な格好の女性が、短く、単純に答えを出した。



キングダム王国の姫が、なぜあっさり肯定したのかは分からない。
だが、その答えは真であった。


レグルスの「小さな王」と名付けた疑似心臓は、ぉ姫様の心臓に寄生させてある。
従って、ぉ姫様自身を無力化、あるいは殺害してしまえば、彼の能力は無力化出来る。


これは、リルル自身が見つけた回答ではない。
彼女の同行者、アイノイツキが書いたホワイトナイトにヒントがあった。
ホワイトナイトに出てきたゴーストは、普通に攻撃するだけでは殺せない。
その殺し方の一つに、彼らの媒体になっている箱やガラス瓶、宝石を壊すものにあった。


「どういうことだ!?どういうことだ!?妻が夫の情報を話す!?そんなことあるわけないだろ!?くそ……ふざけるな!ふざけるなよ!!どうして何もかも僕の思い通りにならないんだああああぁぁあぁぁ!!」

それまで余裕綽々だったレグルスは地面を何度も蹴る。
しかし、既に見切られていた攻撃を、飛行能力があるリルルには容易に躱されてしまう。


「僕の妻をどうするかは後で決めるとして、まずはお前が先だ!くたばれ!!二度と生まれ変わらないように、徹底的にくたばれ!!」

我慢できなくなったレグルスは、命綱となっている姫を地面に置き、自由になった両手も自らの武器に加えようとする。

「馬鹿じゃないの。」
しかし、リルルはためらいなく指をレグルスではなく、ぉ姫様へと向ける。
なぜあの時彼女自身の質問に白い男の隣の女性答えたのかは、なおも分からないままだ。


だが、指示を出されるまで男の動きをトレースするように歩くだけである点、極めて無表情である点、質問者を問わず質問を肯定する点から、ロボットの遠い子孫、ヒトにとってのチンパンジーにあたる、極めて低スペックなからくり人形だと判断した。
地球人がかつて共通点を多く持つ、ミクロスという玩具を持っていたため、連想することが出来た。


「え!?」
リルルの眼のすぐ前にレグルスが現れ、熱線を撃とうとしていた手は、瞬時に切断された。

「ねえ。散々勝ち誇ったかのようなご高説垂れて、こんな結果で終わってどうするんだよ。まあ、人間なんてこんなものだよねえ。大体口ばっかりの奴って、終わるときは本当にあっさり終わるんだよ。」

(触れた物を加速させるだけじゃなく、自分自身も加速させることが出来るの!?)

リルルが驚いてからすぐに、レグルスの手刀が身体を上下に両断した。




「そんな、リルルさん!?」
彼女の異変を遠くから見て、伊月が駆け寄ってくる。

「逃げて……。」
そもそもリルルは、伊月を地面に降ろした時に、勝手にレグルスの眼を盗んで逃げると思っていた。
しかし、アイセンサーから出る光も弱くなり、ロボットは活動を停止した。


【リルル@のび太と鉄人兵団 死亡】
【残り 106名】




リルルの言葉も他所に、レグルスは伊月に近づく。
「ねえ君。可愛い顔しているね。僕のお嫁さんにならない?」
「あなたは、私の漫画を面白いと思ってくれま……。」

伊月がすべて話を終わる前に、レグルスの振った腕が伊月の少年ジャンプを開かれる前に引き裂く。
ヘブンズ・ドアーという、頼みの綱は一瞬で千切られた。

「………!!」
「質問を質問で返すのはやめてよね。僕はただお嫁さんにならないかって質問をしているんだ。君の本なんてどうでもいい。僕が気になるのは君が承諾してくれるか否かなんだ。改めて聞くよ。僕のお嫁さんになってくれるかな?」

ずっと中身のない言葉をつらつらと述べるレグルス。
その雰囲気を、伊月はかつて見たことがあった。


自分を引きこもりに追い込んだ、いじめっ子達。
彼、彼女らは身勝手に自分の意見だけを押し通そうとし、それにそぐわない者がいれば、相手自身も、その持ち物も、破って、汚して、壊そうとする。

しかも、今いる相手は、そいつらより遥かに強い力を持っている。
はっきり言って、彼女は逃げ出したかった。


「私の漫画を、破いて、よくそんなことを言えますね!!」
でも彼女は負けなかった。
逃げ出したい気持ちを他所に、レグルスに立ち向かう。

「おいおい。そんな怖い顔するなよ。可愛い顔が台無しだよ。君が何をしたか、これまでどんな奴だったのか、何を作ったかなんて全くと言っていいほど重要じゃない。顔だよ。可愛い顔で、君が処女であるかどうかが重要なんだ。あの本が君のものだったら後で謝るから、今はそんなことより僕と結婚……」

伊月はレグルスが話し終わる前に、右頬にビンタした。
当然、その一撃は全く通用しない。


「ふざけるな!!この売女があああ!!この僕の話をする権利を侵害した挙句、暴力を振るうってどんな了見だよ!?」

その報復か、右手が見る暇もなく切り飛ばされる。
漫画を描くために、何より大切な体の部分が無くなり、それでも伊月は負けることはなかった。

「あなたは私の漫画を破いた。大切な人を殺した。それだけであなたを嫌う理由になる。」
「やめろ……そんな顔するな……怒りも笑いも泣きもするな……ただその顔のままでいろってそれだけしか言ってないのに、なんで分からないんだよこの愚者が!!売女が!!権利の侵害者があああぁぁぁ!!!」

レグルスは怒りのまま、リルルを蹴飛ばす。
ただの蹴りではない。物理法則を無視し、どんなものでも破壊する一撃だ。


そのままリルルと同様、体の上下が生き別れになり、石畳に叩きつけられる。


「力もないし、満たされてもないくせに、僕に歯向かった罰だ。キミ達ばかりに限りある時間のすべてを使うほど僕は暇じゃない。だから、残された時間を全て自分の愚かさの反省に費やせ。」

「さあ、行こう。誰にでも簡単に、自分のことを話ししちゃダメだよ。僕は君のことを妻として信頼しているんだ……。」
「はい。」


ずっと中身のない言葉を言い続けながら、レグルスは妻を連れて去った。


【H-2/市街地 黎明 3:00】

【レグルス・コルニアス@】
[状態]:健康、『獅子の心臓』発動中 苛立ち
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:主催者を被害者の正当な権利として殺す。
1:とりあえず優勝を目指す。
2:夫として妻(姫)を守る。
[備考]
参戦時期は5章直前。
現在「小さな王」を姫に寄生させています。
自分のデイパックを姫に預けています。
※『獅子の心臓』で無効化出来る物理法則に、一定の制限がかかっています。

【姫@ファイナルソード】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3、レグルスのデイパック
[思考・状況]基本行動方針:キングダムに生還する
1:勇者様(レグルス)に従う
[備考]
主人公に救出される前からの参戦。
「小さな王」の効果により、レグルスの疑似心臓に寄生されています。姫に自覚はありません。
レグルスのデイパックを持たされています



「ああ……良かったですね。」
それを見て、途切れそうな意識で伊月はほほ笑む。
傍から見れば、仲間は殺され、彼女自身も出血多量で死を待つばかりで、何が良かったのかは全く分からない。


しかし、頭だけになったリルルの顔が、再び本のようになる。
彼女の支給品袋が輝き、それと同時に、伊月の書いた白の騎士がリルルの部品をかき集める。

「え!?これは……どうして……」
リルルは気が付いた時は、五体満足で立っていた。
あの男と戦って、バラバラにされたはずなのに、どういうことだ。


「良かったです……スタンド……成功したみたいですね。」
本にされたリルルには、『アイノイツキが強く想った時、一度だけ復活できる』と書いてあった。
スタンドに「射程距離」が書いてあったから、リルルから離れすぎればその力を発揮できないと思い、伊月は逃げようとしなかった。
勿論、スタンド能力だけで、致命的なまでの損傷を負った彼女を、完全復活できるわけはない。
彼女の支給品である「復活の玉」の力のあってのものだ。


「良かったじゃないわ!!早く治療を……!!」
そう答えて、すぐにリルルはハッとする。
余りにも出血が多すぎて、とてもじゃないが治せない。メカトピアの技術を総動員しても、難しいくらいだ。

でも、まだ希望はあった。
大爆発に巻き込まれ自分を故障寸前の状態から救ったドラえもん達がいれば、彼女だって救えるかもしれない。


「いいですよ……。別に。」
「そんなわけないじゃない!」
彼女が書いた漫画は、世界中、いやひょっとすればメカトピアのロボットでさえも喜ばせる出来だ。
彼女が、こんな所で死ぬなんて許されない。


「あなた……なんで私を助けようとしたの?」
これ以上言葉を話すのは、ただの人間である彼女の死期を早める。
だが、リルルは聞かずにはいられなかった。


「それは……リルルさんが、悩んでいたからですよ。」
確かに、自分は悩んでいる。
人間の味方をするか、敵になるか。
だがそれは伊月が命を張ってまで守る筋合いにはならないはず。

「みんながどんな悩みを抱えているか、それを知らないと、誰かを楽しませる漫画なんて書けませんからね……。」

彼女は、最後の最後まで漫画家だった。
漫画をタイムマシンで奪われ、殺し合いに巻き込まれ、挙句の果てに漫画を破かれ、漫画を描くための手も失って。
どんな理不尽にも負けずに、漫画家としての生を全うした。


「あ、そうだ。佐々木先生に……会ってあげてください。きっと、悪い人じゃ………。」

それきり彼女は言葉を発さなくなった。


(あーあ。もう少し、リルルさんとは話しておきたいことがあったのに。
ホワイトナイトの続きだって、気になるのに。
言われた通り、私は悪意に疎いのかもしれません。でも、本当に面白い漫画を見せれば、誰かを墜とそうなんて気持ち、無くなるはずです。)


(じゃあ、佐々木先生、ホワイトナイトの続き、お願いしますね。)



【藍野伊月@タイムパラドクスゴーストライター 死亡】
【残り106名】



(本当に……どうすればいいのかしら……)
伊月を町の隅に埋葬し、当初の予定通り、ジャンク・ジャンクションへ向かうことにする。


誰かのことを考え、素晴らしい才能を持った伊月が死に、佐々木哲平や白髪の男のような自分のことしか考えない空っぽの人物がのうのうと生きる。

伊月の最後の言葉は、反故にする訳にはいかない。

(でもあいつらは……絶対に許さない……。)
ロボットらしからぬ怒りを胸に、伊月を殺した存在や、マーダーは許さないと誓う。

(特にあの男は……絶対に仕留める……。)


彼女の心には小さいが、はっきりとした破れ目が出来ていた。


【H-2/市街地 黎明 3:15】


【リルル@ドラえもん のび太と鉄人兵団】
[状態]健康 怒り レグルス、佐々木哲平への嫌悪感(大)
[装備]なし
[道具]基本支給品 ランダム支給品1~3、ヘブンズ・ドアーのスタンドDISC、藍野伊月の基本支給品、防御スペルカード@ファイナルソード、
[思考・状況]
基本行動方針:ジャンク・ジャンクションへ向かい、首輪解除の部品を入手する
1:佐々木哲平に会えば、藍野伊月のことを話す。
2:レグルスはまた会ったら確実に殺す
3:ドラえもん、のび太と合流する
[備考]
アイノイツキとの会話で、彼女の過去、現在を知りました。
処刑されそうになっていた所を、ドラえもん達に助けられた直後からの参戦です。
原作版、羽ばたけ天使たち版どちらを参考にしても問題ありません。
佐々木哲平をタイムマシンを悪用した犯罪者だと認識しました。ホワイトナイトを盗作したと判断しています。
※飛行能力に制限があり、一定時間以上飛び続けると、首輪が点滅し始めます。


【支給品紹介】

復活の玉@ドラゴンクエストV

リルルに支給された宝玉。
HPが一度ゼロになった際に、宝玉が壊れてその持ち主を一度だけ復活させる。


019:反魂人形 投下順 021:高貴なる腐敗 ~ネメシ・ロトゥハダーシュ~
ファイナル婚約 レグルス・コルニアス 085:この騒がしい六人で話し合いを!
ファイナル婚約 ぉ姫様
007:明かされる真実 リルル 073:秒針が響くだけ
007:明かされる真実 藍野伊月 :GAME OVER
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