ここは、バトルロワイヤルの会場の中でも、大きな湖の東岸。
「ギャハハハハ!この湖、ウマそうな魚がいっぱいいるぜ!!」
「おいデンジ!!魚を食いたいなら、これを使えばいいだろう!!」
「おいデンジ!!魚を食いたいなら、これを使えばいいだろう!!」
金髪で鋭い目つきの少年、デンジは子供のように湖で手足をバタつかせている。
チェンソーの悪魔、ポチタと心臓の取引をしたデビルハンターである。
そのデンジに対し、釣竿を使うことを提案したのは、クッパ姫。
キノコ王国を何度も騒がせた大魔王……がスーパークラウンによって、女体化した姿だ。
チェンソーの悪魔、ポチタと心臓の取引をしたデビルハンターである。
そのデンジに対し、釣竿を使うことを提案したのは、クッパ姫。
キノコ王国を何度も騒がせた大魔王……がスーパークラウンによって、女体化した姿だ。
「なんだそりゃ?ま、オレならこんな風に取れるけどねー!!」
ザブンと水中に潜ったデンジは、新鮮な魚を見せつける魚屋か漁師のように、魚を掴んでいた。
ザブンと水中に潜ったデンジは、新鮮な魚を見せつける魚屋か漁師のように、魚を掴んでいた。
「何だか分からないがスゴイな!よし、ワガハイが焼いてやろう!」
「え?クッパちゃん、火なんて支給されていた?」
「え?クッパちゃん、火なんて支給されていた?」
デンジはクッパ姫の提案に疑問を感じつつも、湖から魚をぽーんと投げる。
クッパ姫の大きな口から、バーナーのように炎が吐き出された。
「おお!すげえ!!そうやって火を吐き続ければ、永久機関の完成じゃねーか!!」
オレンジ色の炎に、デンジは見とれている。
「おお!すげえ!!そうやって火を吐き続ければ、永久機関の完成じゃねーか!!」
オレンジ色の炎に、デンジは見とれている。
「ガハハハハハ!こんな所で採れた魚だから、マズイと思っていたら、意外といい味しているな!!」
こんがりと焼けて、いい匂いを出し始めると、デンジが湖から上がるのを待たずに、魚に大きな牙で噛り付いた。
こんがりと焼けて、いい匂いを出し始めると、デンジが湖から上がるのを待たずに、魚に大きな牙で噛り付いた。
「あー!!クッパちゃん、ズルイぜ!!とったのオレ!!オレにも喰わせろよ!!」
デンジは湖から上がり、口を開けて全裸のまま魚を見つめる。
デンジは湖から上がり、口を開けて全裸のまま魚を見つめる。
「焼いたのはワガハイだぞ!!部下の貴様は、食い終わるまで待ってろ!!」
クッパ姫は魚をデンジの届かない高さに掲げる。
クッパ姫は魚をデンジの届かない高さに掲げる。
「くっそー!部下にも食わせるのが、上司の仕事だろ!
つーかクッパさん、そっちのヤツにデカイ引きが来ていますよ!」
つーかクッパさん、そっちのヤツにデカイ引きが来ていますよ!」
ほんとか、とばかりに食べかけの魚を放り出し、ほったらかしにしていた釣竿を見に行く
「おっとと……あぶねえあぶねえ。」
実はそれはデンジが魚を取り返すためについた嘘だったのだが、こうも簡単に引っかかったことに、笑みを浮かべる。
実はそれはデンジが魚を取り返すためについた嘘だったのだが、こうも簡単に引っかかったことに、笑みを浮かべる。
「デンジ!!キサマも手伝え!!」
(え?ホントに当たり引いてたのかよ!!)
首尾よくキャッチした焼き魚を、可食部のほとんどを食べつくしたデンジが、クッパの方を見る。
嘘からでたマコトを体現したかのように、クッパが大きな獲物と格闘している。
クッパが援助を呼びかけ、デンジも釣竿を引っ張ろうとする。
嘘からでたマコトを体現したかのように、クッパが大きな獲物と格闘している。
クッパが援助を呼びかけ、デンジも釣竿を引っ張ろうとする。
殺し合いとは思えないほど、平和な時間だった。
このままクッパ姫の部下として釣りをするのも悪くはない。わずかな時間だが、デンジはそう思っていた。
このままクッパ姫の部下として釣りをするのも悪くはない。わずかな時間だが、デンジはそう思っていた。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
場所は変わって、荒野の中心にある町、パラダイス・パームズ。
「オラオラオラオラオラオラオラオラ!!」
「愛に!愛に愛に愛に愛に愛に愛に愛に愛に愛に愛愛愛愛愛愛愛!!」
「愛に!愛に愛に愛に愛に愛に愛に愛に愛に愛に愛愛愛愛愛愛愛!!」
少女、野崎春花に渡されたスタンド、スタープラチナと、大罪司教、ペテルギウスの権能、「見えざる手」がぶつかり合う。
叫びながら放たれる拳が当たった黒い「見えざる手」は、紙切れのように千切れ飛ぶ。
叫びながら放たれる拳が当たった黒い「見えざる手」は、紙切れのように千切れ飛ぶ。
乾いた空気で、闘気が辺りに充満した、デンジ達がいた場所とは、全く違う場所だった。
「見えざる手」は、スピード自体はそれほどでもない。
何らかの力で見ることさえ出来れば、スタープラチナのスピードも相まって当たる前に砕くことなど容易である。
しかし、見えてなお厄介なのは、文字通り「手数」だ。
砕いても砕いても、新手が次々に現れ、一向に手の内が無くなる様子がない。
何らかの力で見ることさえ出来れば、スタープラチナのスピードも相まって当たる前に砕くことなど容易である。
しかし、見えてなお厄介なのは、文字通り「手数」だ。
砕いても砕いても、新手が次々に現れ、一向に手の内が無くなる様子がない。
さらにスタープラチナは、パワーとスピードこそ文句の付け所がないが、攻撃できる範囲は限られている。
従って、「見えざる手」が現れてからすぐに砕くことは出来ず、野崎の近くに襲い掛かるまで待つしかないのだ。
従って、「見えざる手」が現れてからすぐに砕くことは出来ず、野崎の近くに襲い掛かるまで待つしかないのだ。
パワーとスピードで優るスタープラチナと、手数と攻撃範囲で優る「見えざる手」の拮抗状態は、意外と簡単に崩れる。
「オラオラオラオラオラ!オォオオラアアァア!!」
スタンドから雄たけびと共に放たれるとんでもない速さのラッシュが、見えざる手を5,6本まとめて破砕する。
スタンドから雄たけびと共に放たれるとんでもない速さのラッシュが、見えざる手を5,6本まとめて破砕する。
砕いてもすぐ次が来ると予想し、身構える野崎の前で、ペテルギウスが怪しく笑った。
「アナタ、『怠惰』デスね。」
顔を90度傾け、妙に並びの良い歯を見せながら笑う。
その笑顔を視線がとらえた時、少女の背に悪寒が走った。
顔を90度傾け、妙に並びの良い歯を見せながら笑う。
その笑顔を視線がとらえた時、少女の背に悪寒が走った。
その顔は、毎朝学校へ来たとき、彼女をよそ者扱いするクラスメイトが、今日はどんな手段でいじめてやろうかと話し合っている時の醜悪なものだったからだ。
しかも、その顔から放たれる威圧感はクラスメイトとは比べ物にならない。
しかも、その顔から放たれる威圧感はクラスメイトとは比べ物にならない。
だが、彼女はそのクラスメイトを、何人も殺した。
今更後には引けるかと、ペテルギウスに向かって足を踏み出す。
一体なぜ急に手を引っ込めたのか分からないが、チャンスは今だと躊躇いなく飛び込む。
今更後には引けるかと、ペテルギウスに向かって足を踏み出す。
一体なぜ急に手を引っ込めたのか分からないが、チャンスは今だと躊躇いなく飛び込む。
「オラアァ!!」
スタープラチナの拳がまっすぐにペテルギウスの痩せこけた顔面に刺さる……はずだった。
砕けたのは彼の後ろの建物の壁だけ。
スタープラチナの拳がまっすぐにペテルギウスの痩せこけた顔面に刺さる……はずだった。
砕けたのは彼の後ろの建物の壁だけ。
「アナタの能力はじつに、じつに勤勉な様デスが……肝心のアナタ自身は『怠惰』デスね。」
野崎の上から、声が聞こえる。
「見えざる手」が彼を上空へと運んでいるのだ。
「なかなかなかなかにぃ~。良い景色デスね。」
野崎の上から、声が聞こえる。
「見えざる手」が彼を上空へと運んでいるのだ。
「なかなかなかなかにぃ~。良い景色デスね。」
「オラオラオラオラ!!」
ペテルギウスの居場所が分かるや否や、すぐにラッシュを当てようとするも、すでにその腕が届かない高さにいた。
ペテルギウスの居場所が分かるや否や、すぐにラッシュを当てようとするも、すでにその腕が届かない高さにいた。
「見えざる手」に運ばれながら、突然野崎に背を向けたと思うと、急に上体をそらし、その形で下にいる彼女に顔を向けた。
「それにその力、使い慣れていないようデスね……強い勤勉なる力を手に入れたことに胡坐をかき、使い方を考慮しない……まさにぃ、怠惰!怠惰!!『怠惰』という言葉、あなたに相応しいデスねッ!!」
ペテルギウス・ロマネコンティの指摘は正しかった。
彼女がこの能力を手に入れたのは、ほんの数時間ほど前。
しかも、自分が発現したスタンドではなく、あくまで支給された力だ。
これがもとのスタンドの持ち主、空条承太郎なら、指を伸ばして刺し殺す「星の刺突」で対抗出来たかもしれない。
しかし、いくら修羅場をくぐった経験がある彼女とは言え、使いこなせと言うのが無理な話だろう。
彼女がこの能力を手に入れたのは、ほんの数時間ほど前。
しかも、自分が発現したスタンドではなく、あくまで支給された力だ。
これがもとのスタンドの持ち主、空条承太郎なら、指を伸ばして刺し殺す「星の刺突」で対抗出来たかもしれない。
しかし、いくら修羅場をくぐった経験がある彼女とは言え、使いこなせと言うのが無理な話だろう。
「オラァ!!」
スタンドで地面に落ちた石をペテルギウスにめがけて投げつけるが、上空に届く前に「見えざる手」で作られた壁に阻まれる。
剛速球はその壁をも打ち破るが、結局ペテルギウスには当たらない。
スタンドで地面に落ちた石をペテルギウスにめがけて投げつけるが、上空に届く前に「見えざる手」で作られた壁に阻まれる。
剛速球はその壁をも打ち破るが、結局ペテルギウスには当たらない。
「油断!!怠慢!!すなわち怠惰!!」
上空で黒い手に運ばれながら、さらに4本の手を野崎へと向ける。
上空で黒い手に運ばれながら、さらに4本の手を野崎へと向ける。
前からの攻撃だけだったこれまでとは違い、前後上左右の5方向から手が襲い来る。
「オラオラオラ!」
「オラオラオラ!」
瞬く間に左右、前、そして上から来る手を粉砕する。
しかし、最後の一本、後ろから来た手は破れなかった。
しかし、最後の一本、後ろから来た手は破れなかった。
「!!」
スタープラチナで咄嗟に身を守ったため、背から腹にかけて貫かれることこそ免れるが、それでも背中を刺され、厚着の服に大きな黒い染みが出来る。
スタープラチナで咄嗟に身を守ったため、背から腹にかけて貫かれることこそ免れるが、それでも背中を刺され、厚着の服に大きな黒い染みが出来る。
だが、それでも彼女は怖気づくことなく、スタンドで男に殴りかかろうとする。
その時、野崎の視界に靄が走った。
その時、野崎の視界に靄が走った。
「なるほど、なるほどなるほどなるほどぉ。その怪我でなお戦おうとする姿勢は認めるのデスが、自分の状態を分からないまま働くのは、『怠惰』と同じデス。」
半分ほど、野崎は高みの見物を決め込んでいる男が言っていることが聞き取れなかった。
半分以上、彼の自己満足の体現でしかない言葉を、聞き取れなくてもさほど問題はないのだが。
半分以上、彼の自己満足の体現でしかない言葉を、聞き取れなくてもさほど問題はないのだが。
再び迫りくる見えざる手と、ラッシュの戦いが始まる。
しかしすぐに、野崎の呼吸が、それまで以上に荒くなった。
彼女の五感への突然の不調。これは男の権能……という訳ではない。
「見えざる手」に背中を刺され、血を多く失った状態で、なおも戦おうとしたからだ。
彼女の五感への突然の不調。これは男の権能……という訳ではない。
「見えざる手」に背中を刺され、血を多く失った状態で、なおも戦おうとしたからだ。
それでも、彼女の漆黒の意思は、黒い手を砕き続ける。
砕ききれない手は、姿勢を下げたり、時には立ち位置を変えたりして、直撃を避ける。
しかし、激しい運動したことも合わさって、ひゅうひゅうとその場の命の繋ぐのも苦しそうな呼吸になってくる。
砕ききれない手は、姿勢を下げたり、時には立ち位置を変えたりして、直撃を避ける。
しかし、激しい運動したことも合わさって、ひゅうひゅうとその場の命の繋ぐのも苦しそうな呼吸になってくる。
そこへ、ペテルギウスの首輪が、突然点滅をし始める。
「おや?おやおやおやあぁ?どうやらこの首輪は、ワタシが空を飛ぶのを快く思っていないようデス。こんな小さなデザインでありながら、仕事を果たそうとするとは、なんという勤勉!!まあどの道勝敗は見えたようなものデスので、その勤勉さに敬意を払うのデス。」
「おや?おやおやおやあぁ?どうやらこの首輪は、ワタシが空を飛ぶのを快く思っていないようデス。こんな小さなデザインでありながら、仕事を果たそうとするとは、なんという勤勉!!まあどの道勝敗は見えたようなものデスので、その勤勉さに敬意を払うのデス。」
けたけた、けたけたと笑い口の両端を大きく吊り上げながら、地面に降りるペテルギウス。
「オラァ!」
立っているのもやっとな状態で、なおもその拳を当てようとする。
「アナタの攻撃の範囲は、既に知っているのデスよ。」
しかし、ギリギリでその攻撃は届かない。
拳を当てることは出来ない、が、その深い闇を抱えた瞳で、ペテルギウスを睨みつける。
立っているのもやっとな状態で、なおもその拳を当てようとする。
「アナタの攻撃の範囲は、既に知っているのデスよ。」
しかし、ギリギリでその攻撃は届かない。
拳を当てることは出来ない、が、その深い闇を抱えた瞳で、ペテルギウスを睨みつける。
「アナタは、とても頑張った。何をしたいのかはしれませんが、アナタは自分の使命に殉じ、力の限り戦った。そして、その使命は果たされることなく、虚空に消える。
ああ、アナタは、実に『怠惰』デスねぇ~。」
かたかた、かたかたと歯を震わせながら、彼女の生き様を侮辱して行く。
ああ、アナタは、実に『怠惰』デスねぇ~。」
かたかた、かたかたと歯を震わせながら、彼女の生き様を侮辱して行く。
野崎の心には、どす黒い怒りが高まっていく。
しかし、血を多く失った体は、言うことを聞かない。
しかし、血を多く失った体は、言うことを聞かない。
「おやぁ?」
突然、ペテルギウスの視線の方向が、野崎から外れる。
突然、ペテルギウスの視線の方向が、野崎から外れる。
「アレは……まさか………。」
その視線の先にあったのは、壁が壊れた建物の中にある、本棚だ。
その視線の先にあったのは、壁が壊れた建物の中にある、本棚だ。
「福音!!福音書!!ワタシが奪われた大切な福音書が、あんな所にあったとはああああぁぁぁぁあああ!!脳が!脳が震えるぅ!!」
野崎を突き飛ばし、真っすぐにその本棚目掛けて見えざる手で回りを薙ぎ払いながら猛スピードで走っていく。
本棚で唯一、表紙が黒い本に、ペテルギウスは手を伸ばす。
本棚で唯一、表紙が黒い本に、ペテルギウスは手を伸ばす。
「ああ!ワタシの愛しき福音書!!ワタシの愛に殉じるために絶対に大切な大切な大切な書を、ついに見つけ………。」
その瞬間、黒い本は、司教の緑の髪の毛に噛みついた。
その瞬間、黒い本は、司教の緑の髪の毛に噛みついた。
「は!?」
その本は、魔女教の福音書でなく、本のモンスター、エビルバイブル。
この会場に設置されたNPCの一体で、本棚に身を潜め、油断した参加者を襲うのを待っていたのだ。
この会場に設置されたNPCの一体で、本棚に身を潜め、油断した参加者を襲うのを待っていたのだ。
「許すまじ!!福音書の姿を借りる行為自体が、ワタシの愛を冒涜した、侮辱した、凌辱した、実に、実に実に実に許されざる行為!!」
福音書に意図してなり替わったわけではなく、ペテルギウスが勝手に勘違いしただけなのだが、権能の手と自身の手で怒りに任せて本の魔物を強引に破る。
福音書に意図してなり替わったわけではなく、ペテルギウスが勝手に勘違いしただけなのだが、権能の手と自身の手で怒りに任せて本の魔物を強引に破る。
「さて……さてさてさてさてさてさてさて……って、アレ?怠惰なる彼女は何処へ行ったのデスか?」
ふと気が付くと、少女の姿は何処にも無かった。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
(頭が……クラクラする………うまく……はたらかない……。)
突き飛ばされた先で、野崎は蹲っていた。
反撃して、目の前の狂人を殺さないといけない。
自分の未来は、その先にしかない。
だというのに、突き飛ばされて地面に頭をぶつけた時と、刺された時の失血で、視界も思考も常時より全く働かず、立ち上がることさえ出来ない。
今が反撃のチャンスかもしれないが、そこまで行くことが出来ず、スタンドも攻撃の範囲に入らない。
反撃して、目の前の狂人を殺さないといけない。
自分の未来は、その先にしかない。
だというのに、突き飛ばされて地面に頭をぶつけた時と、刺された時の失血で、視界も思考も常時より全く働かず、立ち上がることさえ出来ない。
今が反撃のチャンスかもしれないが、そこまで行くことが出来ず、スタンドも攻撃の範囲に入らない。
スタンドとは、精神の具現化である。
当然スタンドに攻撃を食らえば一部を除いて本人も傷つくし、酷使すれば使用者も同様に疲労する。
DISCという道具を使った、支給スタンドとて、同じである。
当然スタンドに攻撃を食らえば一部を除いて本人も傷つくし、酷使すれば使用者も同様に疲労する。
DISCという道具を使った、支給スタンドとて、同じである。
言ってしまえば、貧血や脳震盪のみならず、慣れないスタンドを過剰に使ったことによる、精神的疲労もあった。
突き飛ばされた際に、支給品が零れている。
一つは石、もう一つは草だ。
一つは石、もう一つは草だ。
残念ながら、狂人を倒すのに役立ちそうな道具ではない。
だが、その草に縛られてある説明書には、あることが書いてあった。
だが、その草に縛られてある説明書には、あることが書いてあった。
ペテルギウスと福音書に化けた本の怪物が戦っている今がチャンスと思い、草を口に含む。
独特の苦みと、過度の疲労のせいで吐きそうになるが、無理やり噛み砕いて飲み込む。
独特の苦みと、過度の疲労のせいで吐きそうになるが、無理やり噛み砕いて飲み込む。
そのまま周囲から、重力が消えたかのように、彼女は空高く飛んでいった。
(いつかは……殺す。でも、今は奴から遠い所へ……。)
彼女が口にした草は、「高飛び草」。
咄嗟に使ったそれで、難を逃れることが出来た。
咄嗟に使ったそれで、難を逃れることが出来た。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
パラダイス・パームズから大きく離れた、ルート・レイクの東岸。
「クッパちゃん!!空から女の子が!!」
ミルドラースからの放送を聞き終わったその瞬間、少女は空から降ってきた。
クッパ姫が、楽しげに釣りをしていた所、野崎は上から湖へと落ちてきた。
ミルドラースからの放送を聞き終わったその瞬間、少女は空から降ってきた。
クッパ姫が、楽しげに釣りをしていた所、野崎は上から湖へと落ちてきた。
釣りを放棄して、湖に飛び込み、少女を助けるクッパ姫。
「スゲエなクッパちゃん!!」
その咄嗟の動きに、デンジも驚く。
「ワガハイの名に懸けて、女の子をこんな戦いの犠牲にする訳にはイカン!!」
「アレ?クッパちゃん、ソッチの趣味?」
その咄嗟の動きに、デンジも驚く。
「ワガハイの名に懸けて、女の子をこんな戦いの犠牲にする訳にはイカン!!」
「アレ?クッパちゃん、ソッチの趣味?」
デンジはギザギザの歯を見せて、ニヤニヤと笑う。
(そうか……、コイツ、ワガハイのこと知らないのだな……。)
(そうか……、コイツ、ワガハイのこと知らないのだな……。)
「そ、そういやデンジ、コイツ、怪我をしているぞ!!手伝え!!」
「はいはーい。」
「はいはーい。」
野崎春花はかつて大切な家族の手を掴むことが出来ず、クッパ姫はケガをした彼女の手を掴むことが出来た。
ただし、掴むことが出来たのは良いことなのか、そうでないのかは、誰もわからない。
ただし、掴むことが出来たのは良いことなのか、そうでないのかは、誰もわからない。
【I-6 ルート・レイク東/深夜(放送直後)】
【野崎春花@ミスミソウ】
[状態]:疲労(大) 背中に刺し傷、貧血、びしょ濡れ
[装備]:スタープラチナのスタンドDISC@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]:基本支給品、何かの石@出展不明
[思考・状況]基本行動方針:優勝して、過去を改変する。
1:今は体力を回復する
【野崎春花@ミスミソウ】
[状態]:疲労(大) 背中に刺し傷、貧血、びしょ濡れ
[装備]:スタープラチナのスタンドDISC@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]:基本支給品、何かの石@出展不明
[思考・状況]基本行動方針:優勝して、過去を改変する。
1:今は体力を回復する
[備考]
参戦時期は死亡後です。
スタープラチナのDISCを装備しています。
スタンド使いになった影響か、ペテルギウスの『見えざる手』を視認できるようです。
参戦時期は死亡後です。
スタープラチナのDISCを装備しています。
スタンド使いになった影響か、ペテルギウスの『見えざる手』を視認できるようです。
【クッパ姫@Twitter(スーパーマリオシリーズの二次創作)】
[状態]:健康 びしょ濡れ
[装備]:スーパークラウン(解除不可)
[道具]:基本支給品、釣竿@ゼルダの伝説時のオカリナ、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:主催者を倒し、ワガハイが優勝する!
1:部下(デンジ)と行動する。
2:この姿は慣れんが……ワガハイは強いからな!丁度良いハンデだ!
3:少女(野崎春花)の手当てをする。
4:転送されたという名簿を読む。
[備考]
性格はマリオ&ルイージRPGシリーズを基準としています。
スーパークラウンの効果は解除できないようになっています。
[状態]:健康 びしょ濡れ
[装備]:スーパークラウン(解除不可)
[道具]:基本支給品、釣竿@ゼルダの伝説時のオカリナ、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:主催者を倒し、ワガハイが優勝する!
1:部下(デンジ)と行動する。
2:この姿は慣れんが……ワガハイは強いからな!丁度良いハンデだ!
3:少女(野崎春花)の手当てをする。
4:転送されたという名簿を読む。
[備考]
性格はマリオ&ルイージRPGシリーズを基準としています。
スーパークラウンの効果は解除できないようになっています。
【デンジ@チェンソーマン】
[状態]:健康、貧血(小)
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3 ツルギゴイ@ブレスオブザワイルド、ヨロイゴイ@ブレスオブザワイルド(大量)
[思考・状況]基本行動方針:とりあえず主催者をぶっ殺せば解決だぜー!
1:クッパ姫と一緒に行動する。
2:知り合いがいたら合流したい。
3:転送されたらしい本を読む。
[備考]
時間軸は永遠の悪魔の後。
[状態]:健康、貧血(小)
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3 ツルギゴイ@ブレスオブザワイルド、ヨロイゴイ@ブレスオブザワイルド(大量)
[思考・状況]基本行動方針:とりあえず主催者をぶっ殺せば解決だぜー!
1:クッパ姫と一緒に行動する。
2:知り合いがいたら合流したい。
3:転送されたらしい本を読む。
[備考]
時間軸は永遠の悪魔の後。
※ルート・レイクにはツルギゴイや、ヨロイゴイなど、様々な魚がいます。
他にも魚がいるかどうかは、他の書き手にお任せします。
他にも魚がいるかどうかは、他の書き手にお任せします。
「ああああああああああああああああああああ!!!」
一人を除いて、誰も居なくなった、パラダイス・パームズ。
そこに響き渡るかのように、彼は絶叫していた。
そこに響き渡るかのように、彼は絶叫していた。
「よりにもよって福音を偽物と間違え、挙句の果てに敵を見逃してしまったワタシを、お許しを!!お許しを!!お許しを!!お許しを!!お許しを!!お許しを!!お許しを!!お許しを!!お許しを!!お許しを!!お許しを!!お許しを!!お許しを!!お許しを!!」
そのまま、ガンガンガンと頭を壁にぶつける。
彼の顔はエビルバイブルにかまれた傷と、自分でぶつけた傷、そして自らの涙でぐちゃぐちゃになっていたが、それでも彼は止めずに続けた。
彼の顔はエビルバイブルにかまれた傷と、自分でぶつけた傷、そして自らの涙でぐちゃぐちゃになっていたが、それでも彼は止めずに続けた。
【I-8 パラダイス・パームズ/深夜(放送直後)】
【ペテルギウス・ロマネコンティ@Re:ゼロから始める異世界生活】
[状態]:健康、興奮(大)、盗人(主催者)への怒り(大)、自分の不甲斐なさに対する怒り
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:脱出優先。必要なら勤勉に優勝を目指す。
1:怠惰なるワタシを、お許しください!!
2:我が福音書を取り戻すのデス!
3:『見えざる手』を私以外が見ることが叶うなど、あってはならないのデス!
[備考]
野崎春花が『見えざる手』を視認できることを認識しました。
不可視の『見えざる手』は、少なくともスタンド使いなら視認できるようです。
憑依に関する制限は後続の書き手に任せます。
【ペテルギウス・ロマネコンティ@Re:ゼロから始める異世界生活】
[状態]:健康、興奮(大)、盗人(主催者)への怒り(大)、自分の不甲斐なさに対する怒り
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:脱出優先。必要なら勤勉に優勝を目指す。
1:怠惰なるワタシを、お許しください!!
2:我が福音書を取り戻すのデス!
3:『見えざる手』を私以外が見ることが叶うなど、あってはならないのデス!
[備考]
野崎春花が『見えざる手』を視認できることを認識しました。
不可視の『見えざる手』は、少なくともスタンド使いなら視認できるようです。
憑依に関する制限は後続の書き手に任せます。
【支給品紹介】
高飛び草@風来のシレン2
飲むか、敵に投げると、同じフロアのどこかにワープできる。
このロワでは、会場のどこかにワープできる(その先が陸地とは言っていない)
高飛び草@風来のシレン2
飲むか、敵に投げると、同じフロアのどこかにワープできる。
このロワでは、会場のどこかにワープできる(その先が陸地とは言っていない)
釣竿@ゼルダの伝説 時のオカリナ
魚を釣ることが出来る、何の変哲もない釣り堀でレンタルできる釣竿である。
ハートのかけらや釣り堀の親父の帽子も釣ったりできる。
魚を釣ることが出来る、何の変哲もない釣り堀でレンタルできる釣竿である。
ハートのかけらや釣り堀の親父の帽子も釣ったりできる。
【NPC紹介】
エビルバイブル@ドラゴンクエストシリーズ
黒い表紙の本の魔物で、本棚に潜んで、迂闊に本を手に取った人に襲い掛かる。
噛みついてきたり、炎や吹雪を吐いたりする。
なお、原作で使ってくる即死魔法は、本ロワでは使ってこない
黒い表紙の本の魔物で、本棚に潜んで、迂闊に本を手に取った人に襲い掛かる。
噛みついてきたり、炎や吹雪を吐いたりする。
なお、原作で使ってくる即死魔法は、本ロワでは使ってこない
ツルギゴイ@ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド
ルート・レイクで泳いでいる、本ロワで敵意を持たないNPC.
そのまま食べても少し回復するが、調理して食べると、攻撃力が一定時間上がる
ルート・レイクで泳いでいる、本ロワで敵意を持たないNPC.
そのまま食べても少し回復するが、調理して食べると、攻撃力が一定時間上がる
ヨロイゴイ@ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド
ルート・レイクで泳いでいる、本ロワで敵意を持たないNPC.
そのまま食べても少し回復するが、調理して食べると、防御力が一定時間上がる
ルート・レイクで泳いでいる、本ロワで敵意を持たないNPC.
そのまま食べても少し回復するが、調理して食べると、防御力が一定時間上がる
030:勃発!グルメレース | 投下順 | 033:紫さんは異変解決がしたい |
004:届かぬ場所に手を伸ばして | ペテルギウス・ロマネコンティ | 059:喪失の果てに |
野崎春花 | 050:未練だけは置いていく | |
ポジティブハッピーチェンソー | デンジ | |
ポジティブハッピーチェンソー | クッパ姫 |