エレンは東に向けて道なりに疾走していた。
それも人間の足ではなく、馬に乗りながら。
それも人間の足ではなく、馬に乗りながら。
彼が乗っている馬の名前はエポナ。
ある世界において勇者の愛馬として語られ、そうでなくとも勇者の近くにいることが多い名馬である。
この馬はNPCではなく、クレマンティーヌに支給されたものだ。
多少目立ってでも迅速な移動手段を欲したエレンが、彼女のデイバッグを調べるとこの馬が出てきたのだ。
ある世界において勇者の愛馬として語られ、そうでなくとも勇者の近くにいることが多い名馬である。
この馬はNPCではなく、クレマンティーヌに支給されたものだ。
多少目立ってでも迅速な移動手段を欲したエレンが、彼女のデイバッグを調べるとこの馬が出てきたのだ。
最初はデイバッグから馬が現れたことにエレンは面食らうも、すぐに気を取り直した。
この殺し合いは進撃の巨人の力すら及ばず、見たことのないものがあちらこちらに当たり前のように存在する。
ならばもう、細かいことを考えるより先に、あるがままを受けて入れたほうが楽だ。
この殺し合いは進撃の巨人の力すら及ばず、見たことのないものがあちらこちらに当たり前のように存在する。
ならばもう、細かいことを考えるより先に、あるがままを受けて入れたほうが楽だ。
それに、馬なら調査兵団時代に散々乗った。おまけにこのエポナとかいう馬は名馬だ。
変に訳の分からないものを渡されるより、使いこなせるこっちの方が、エレンにはありがたかった。
変に訳の分からないものを渡されるより、使いこなせるこっちの方が、エレンにはありがたかった。
「GOBOOO!!」
疾走の最中、NPCのゴブリンが襲い掛かるも、エレンに届くより先にエポナの脚がそれを蹴散らす。
そんな一幕もあったものの、そうこうしているうちに彼はシフティ・シャフトに到着した。
そんな一幕もあったものの、そうこうしているうちに彼はシフティ・シャフトに到着した。
到着して最初にエレンの目に留まったものは、この採掘場の見張り台である。
勿論、ただの見張り場であれば何も思わなかったかもしれない。
だが、大量の白い蝶が群がっていれば流石にそうはいらない。
勿論、ただの見張り場であれば何も思わなかったかもしれない。
だが、大量の白い蝶が群がっていれば流石にそうはいらない。
蝶はなぜあそこに群がっているのか。
あの蝶はミルドラースが言う所のNPCなのか。
そんなものを会場に放して何になるのか。
あの蝶はミルドラースが言う所のNPCなのか。
そんなものを会場に放して何になるのか。
疑問は尽きないが、殺し合いの最中に藪を突いて蛇を出す道理はない。
よってエレンは、気持ち見張り台を避けながら採掘場へと入っていった。
よってエレンは、気持ち見張り台を避けながら採掘場へと入っていった。
だからこそ、彼は気付かなかった。
見張り台に集まっている蝶は参加者に群がっていることを。
その蝶が少しずつだが、エレンの方へ向かっていっていることに。
見張り台に集まっている蝶は参加者に群がっていることを。
その蝶が少しずつだが、エレンの方へ向かっていっていることに。
そんなことは露知らず、エレンはエポナを降り、デイバッグにしまってから採掘場を進んでいく。
とりあえず適当な建物に入って調べようとした矢先、彼はあるものを発見する。
それは、地面にある足跡と、狭い間隔で引かれた三本の線だった。
彼は知らないが、これは飴宮初夏といのちの輝きが移動した跡である。
とりあえず適当な建物に入って調べようとした矢先、彼はあるものを発見する。
それは、地面にある足跡と、狭い間隔で引かれた三本の線だった。
彼は知らないが、これは飴宮初夏といのちの輝きが移動した跡である。
ともかく、この跡の先に誰かいると考えたエレンは、素直にそれを追う。
罠の可能性も考えたが、未だ自分以外の参加者に一人しか出会えていないので、少々焦りが生じていた。
幸い、特に罠もなく、彼はあっさりと跡の先にある家にたどり着いた。
そこに入ろうとしたところで――
罠の可能性も考えたが、未だ自分以外の参加者に一人しか出会えていないので、少々焦りが生じていた。
幸い、特に罠もなく、彼はあっさりと跡の先にある家にたどり着いた。
そこに入ろうとしたところで――
「うおっ!?」
エレンは、ここで初めて自分が白い蝶の群れに追われていることに気付いた。
元々距離を取っていたことと、彼が止まらなかったためにここまで追いつかれなかったのだ。
全滅させるか、と一瞬考えるも、流石に蝶ごときのせいで手の内を晒す訳にはいかない。
ならば、とばかりに慌てて目的地の家に入るエレン。
どうせこの家にいるのなら、攻め込んでしまえばいい。
最悪は立体起動装置で脱出するという手もある。
元々距離を取っていたことと、彼が止まらなかったためにここまで追いつかれなかったのだ。
全滅させるか、と一瞬考えるも、流石に蝶ごときのせいで手の内を晒す訳にはいかない。
ならば、とばかりに慌てて目的地の家に入るエレン。
どうせこの家にいるのなら、攻め込んでしまえばいい。
最悪は立体起動装置で脱出するという手もある。
幸いなことに、家の中にまで蝶は入ってこなかった。
早速中にいるであろう参加者を探そうとするが、ここで彼はあることに気付く。
早速中にいるであろう参加者を探そうとするが、ここで彼はあることに気付く。
この家のキッチンの方角から、何やら光がどこからか照っているのが分かる。
見に行ってみると、青い光がキッチンの収納スペースから発せられているのが見えた。
エレンが収納スペースの扉を開けてみると、何やら青い光が渦巻いている。
その横の壁には、光が無ければ見えないであろう文章が書かれていた。
見に行ってみると、青い光がキッチンの収納スペースから発せられているのが見えた。
エレンが収納スペースの扉を開けてみると、何やら青い光が渦巻いている。
その横の壁には、光が無ければ見えないであろう文章が書かれていた。
『この装置はワープ装置で、ここにあるワープ装置の正式名称は旅の扉です。
使用すると会場内の違う場所に転移します。
転移場所は使用する度に変更されるため、転移先は特定できません。
ただし、少なくとも海の上など、参加者が転移した途端危険が及ぶような場所は選ばれません。
使用すると会場内の違う場所に転移します。
転移場所は使用する度に変更されるため、転移先は特定できません。
ただし、少なくとも海の上など、参加者が転移した途端危険が及ぶような場所は選ばれません。
また、ワープ装置は一度使用すると、使用した参加者は次の放送まで使用できません。
この点に関しましては、ここだけでなく全てのワープ装置において共通するものとします。
この点に関しましては、ここだけでなく全てのワープ装置において共通するものとします。
余談ですが、ワープ装置はこれ以外にも設置しています。
ここ以外のワープ装置は隠されている場合もあるので、興味のある方は少々気を付けて探してみてください。
また、ワープ装置の形状も異なっている可能性もあるのでその点も注意』
ここ以外のワープ装置は隠されている場合もあるので、興味のある方は少々気を付けて探してみてください。
また、ワープ装置の形状も異なっている可能性もあるのでその点も注意』
それはこの青い光についての説明文。
エレンは知らないが、これはF-3 ふたば幼稚園に設置されている次元転送装置の説明文と、ほぼ同一だった。
エレンは知らないが、これはF-3 ふたば幼稚園に設置されている次元転送装置の説明文と、ほぼ同一だった。
「転移、か……」
壁にある説明文を読んで、神妙な顔で呟くエレン。
そして彼は、旅の扉に飛び込むことを決断する。
未だほとんど他の参加者に会えていないことが理由だ。
そして彼は、旅の扉に飛び込むことを決断する。
未だほとんど他の参加者に会えていないことが理由だ。
「せめぇ」
身長180cmを超えるエレンには収納スペースは少々狭いものの、何とか入り旅の扉の上に乗る。
そして彼は、この場から消え去った。
そして彼は、この場から消え去った。
◆
白い蝶が小屋に群がられ、どうするかと考えていた桐山だったが、ここで彼は蝶が少しずつ減っていることに気付く。
そういえばさっき、何かの足音が聞こえた気がしたが、それに一部の蝶が引きつけられたのだろうか。
こう考えた彼は、ある賭けに出た。
そういえばさっき、何かの足音が聞こえた気がしたが、それに一部の蝶が引きつけられたのだろうか。
こう考えた彼は、ある賭けに出た。
まず、手にあるマイクロUZIを小屋の窓を破りながら蝶に向けて乱射する。
その後、銃をしまい壊した窓から飛び出した後、桐山は獣の槍を振るう。
槍がどの程度蝶に通じるかは分からないが、どれだけいるかも分からない蝶に対し、数に限りがある機関銃を放つほど彼は考えなしではない。
しかし、ここで彼は自分で考えているよりも幸運を掴むことになる。
その後、銃をしまい壊した窓から飛び出した後、桐山は獣の槍を振るう。
槍がどの程度蝶に通じるかは分からないが、どれだけいるかも分からない蝶に対し、数に限りがある機関銃を放つほど彼は考えなしではない。
しかし、ここで彼は自分で考えているよりも幸運を掴むことになる。
小屋に群がる白い蝶は、妖怪だ。
人に群がる習性を除けばほぼ蝶にしか思えないが、それでも妖怪である。
そして、桐山が持つ獣の槍は妖怪殺しの槍。
それもあの白面の者を滅ぼす為に、白面に全てを奪われたとある兄妹が、途方もない憎悪を籠めて作られた槍である。
そんな槍が、世界は違えどたかが蝶の妖怪を滅ぼせない道理はない。
人に群がる習性を除けばほぼ蝶にしか思えないが、それでも妖怪である。
そして、桐山が持つ獣の槍は妖怪殺しの槍。
それもあの白面の者を滅ぼす為に、白面に全てを奪われたとある兄妹が、途方もない憎悪を籠めて作られた槍である。
そんな槍が、世界は違えどたかが蝶の妖怪を滅ぼせない道理はない。
結果、穂先が僅かに触れるだけで白い蝶は塵となって消えていく。
そのまま槍を振るい続け、視界が確保できる位になったところで桐山は蝶殺しをやめた。
さしもの彼も、蝶相手に殺戮を重ねたところで楽しくもなんともなかった。
そのまま槍を振るい続け、視界が確保できる位になったところで桐山は蝶殺しをやめた。
さしもの彼も、蝶相手に殺戮を重ねたところで楽しくもなんともなかった。
とりあえず近くに別の誰かがいる筈なので、走って蝶から逃げながらそいつを探すことにした桐山。
途中、彼は足跡と車輪の後を見つける。それはエレンが見つけたものと同じものだった。
跡を追おうとする桐山だったが、なぜか前から蝶の群れがゆらゆらと彼の行く手に現れる。
途中、彼は足跡と車輪の後を見つける。それはエレンが見つけたものと同じものだった。
跡を追おうとする桐山だったが、なぜか前から蝶の群れがゆらゆらと彼の行く手に現れる。
それはさっきまで追っていたエレンが転移してこの場からいなくなり、追う対象を変えただけなのだが、その事実を桐山は知ることはない。
適当に蝶を殺しながら跡を追う桐山は、やがて一軒の家にたどり着く。
中に入ると、青い光が彼の顔を照らした。
飴宮達と違い、エレンは収納スペースの扉を閉めなかったので、桐山はすぐに気付けたのだ。
中に入ると、青い光が彼の顔を照らした。
飴宮達と違い、エレンは収納スペースの扉を閉めなかったので、桐山はすぐに気付けたのだ。
そのまますぐに旅の扉の元へ行き、説明文を読む桐山。
すぐに彼はこの扉へと入った。
まだ二人しか参加者と出会えていないことと、これ以上白い蝶に纏わりつかれながら歩くのはうんざりだったのだ。
すぐに彼はこの扉へと入った。
まだ二人しか参加者と出会えていないことと、これ以上白い蝶に纏わりつかれながら歩くのはうんざりだったのだ。
こうして、D-7 シフティ・シャフトに集った参加者は皆、ワープ装置でこの場を去る。
そして誰もいなくなった。
そして誰もいなくなった。
【???/黎明】
【エレン・イェーガー@進撃の巨人】
[状態]:進撃の巨人(脳内のみ) 首に切り傷
[装備]:グラグラの実、立体起動装置(ガス残り2/3)
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~1(クレマンティーヌの支給品、エレン確認済み)、エポナ@ゼルダの伝説シリーズ
[思考・状況]:基本行動方針:パラディ島を救うために、この場の全ての命を駆逐する。
1:NPC、今の所よく分からねえのばっかだな
2:女(クレマンティーヌ)の武技に加え、名簿と放送の食い違いに対する疑問
[備考]
30巻で座標に辿り着く直前より参戦です
どこに転移したかは次の書き手氏にお任せします。ただし、桐山和雄とは違う場所に転移しています。
[状態]:進撃の巨人(脳内のみ) 首に切り傷
[装備]:グラグラの実、立体起動装置(ガス残り2/3)
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~1(クレマンティーヌの支給品、エレン確認済み)、エポナ@ゼルダの伝説シリーズ
[思考・状況]:基本行動方針:パラディ島を救うために、この場の全ての命を駆逐する。
1:NPC、今の所よく分からねえのばっかだな
2:女(クレマンティーヌ)の武技に加え、名簿と放送の食い違いに対する疑問
[備考]
30巻で座標に辿り着く直前より参戦です
どこに転移したかは次の書き手氏にお任せします。ただし、桐山和雄とは違う場所に転移しています。
【桐山和雄@実写版バトルロワイアル】
[状態]:健康
[装備]:獣の槍@うしおととら、サバイバーのスタンドDISC、
[道具]:基本支給品(自分とアキネイターの物)、何かの骨@出典不明、ナタリアの短剣@妖怪の飼育員さん、マイクロUZI@実写版バトルロワイアル
[思考・状況]基本行動方針:バトルロワイアルを楽しむ
1:白い蝶はもういい
2:快楽のままに殺し続ける。
3:殺し合いサイコー!
4:褐色の男(シャガクシャ)は次に会ったら殺す。
[備考]
※もしかしたら、見張り場のトイレや見張り部屋で何らかの物品を調達しているかもしれません。(後続の書き手にお任せします。)
※どこに転移したかは次の書き手氏にお任せします。ただし、エレン・イェーガーとは違う場所に転移しています。
[状態]:健康
[装備]:獣の槍@うしおととら、サバイバーのスタンドDISC、
[道具]:基本支給品(自分とアキネイターの物)、何かの骨@出典不明、ナタリアの短剣@妖怪の飼育員さん、マイクロUZI@実写版バトルロワイアル
[思考・状況]基本行動方針:バトルロワイアルを楽しむ
1:白い蝶はもういい
2:快楽のままに殺し続ける。
3:殺し合いサイコー!
4:褐色の男(シャガクシャ)は次に会ったら殺す。
[備考]
※もしかしたら、見張り場のトイレや見張り部屋で何らかの物品を調達しているかもしれません。(後続の書き手にお任せします。)
※どこに転移したかは次の書き手氏にお任せします。ただし、エレン・イェーガーとは違う場所に転移しています。
※D-7 シフティ・シャフトにて、飴宮初夏といのちの輝きが使用した転移装置は旅の扉@ドラゴンクエストシリーズ でした。
【エポナ@ゼルダの伝説シリーズ】
クレマンティーヌに支給。
ゼルダの伝説シリーズに登場する、栗毛をしている雌馬。
設定は作品ごとに多少変わるが、おおむね特定の人(リンクなど)にしか懐かないことが多め。
本ロワでは特定の人にしか懐かないということはなく、普通に誰でも乗れる。
ただし、それは別に乗り手に特別気を遣ってくれるというわけでは無いので、彼女を乗りこなすなら馬術の心得か高い身体能力が必要となる。
あるいは、乗り手に勇者リンクを思い起こさせる何かがあるのなら、彼女の方が気を遣うかもしれない。
クレマンティーヌに支給。
ゼルダの伝説シリーズに登場する、栗毛をしている雌馬。
設定は作品ごとに多少変わるが、おおむね特定の人(リンクなど)にしか懐かないことが多め。
本ロワでは特定の人にしか懐かないということはなく、普通に誰でも乗れる。
ただし、それは別に乗り手に特別気を遣ってくれるというわけでは無いので、彼女を乗りこなすなら馬術の心得か高い身体能力が必要となる。
あるいは、乗り手に勇者リンクを思い起こさせる何かがあるのなら、彼女の方が気を遣うかもしれない。
余談だが、彼女には英語版ウィキペディアに記事がある。
【旅の扉@ドラゴンクエストシリーズ】
ドラゴンクエストシリーズに登場するワープ装置。外見は青い渦巻きのようなもの。
本ロワではD-7 シフティ・シャフトにある即席の家屋の内、キッチンの収納スペースに隠されていた。
スイッチを入れた状態で一度参加者の誰かが使用すると、青い輝きを放つようになり、そこにあることが分かりやすくなる。
使用すると会場内のどこかにランダムで転移させられるものとなっている。
転移場所は少なくとも海の上など、参加者が転移した途端危険が及ぶような場所にはならない。
要約すると、F-3にある次元転送装置@SKET DANCE とほぼ同様。
ドラゴンクエストシリーズに登場するワープ装置。外見は青い渦巻きのようなもの。
本ロワではD-7 シフティ・シャフトにある即席の家屋の内、キッチンの収納スペースに隠されていた。
スイッチを入れた状態で一度参加者の誰かが使用すると、青い輝きを放つようになり、そこにあることが分かりやすくなる。
使用すると会場内のどこかにランダムで転移させられるものとなっている。
転移場所は少なくとも海の上など、参加者が転移した途端危険が及ぶような場所にはならない。
要約すると、F-3にある次元転送装置@SKET DANCE とほぼ同様。
一度使用すると、使用した参加者は次の放送を超えるまでワープ装置は使用できない。これはこの旅の扉だけでなく、他のワープ装置を含むものとする。
076:タイクツな毎日 だから ほんのちょっとの 毒も必要! | 投下順 | 078:コスモダンサー(前編) |
054:考察するM/違うものは見える景色 | エレン・イェーガー | 089:世界は残酷なんだから |
076:タイクツな毎日 だから ほんのちょっとの 毒も必要! | 桐山和雄 | 084:Super Survivor |