コンペロリショタバトルロワイアル@ ウィキ

虚空に祈ってろ

最終更新:

Bot(ページ名リンク)

- view
だれでも歓迎! 編集
――例え世界が醜くとも、例え世界が残酷だとしても


◆ ◆ ◆


「一体誰なのかな、ボクの邪魔をするのは。」

理不尽を体現した少年が、そこには居た。
眩い金色の髪を揺らめかせ、超然とした態度で、殺意と疑問を重ねた視線で、その光景を目の当たりにしていた。怯える誰か、それを庇う紅い髪の少女。
殺すつもりで放った攻撃は、少女が召喚した砂の守護獣に防がれた。
一体彼女が誰なのか、一体彼女が何なのか、青年にはどうでもいい話。

「あなたこそ、どうしてこんな事をするんですか?」

対して少女は、警戒こそすれど、少年に問い掛ける。
殺意もなく、「どうして?」という理由から。
少女は少年のことをまだ知らない。その名前すらも知らない。
殺し殺されあう事が真理たるこの舞台で、善性という瞳の炎を絶やさぬ少女。

「……気に入らないよ、その目。」
「っ!」

怨嗟とも、諦観とも取れる言葉。同時に放たれる光の槍。
少女は砂の盾を展開し防ぐ。盾を貫通して静止すた槍は、少女の瞳数ミリまで迫り、消失する。
少女は少年の瞳に覚えがある。かつての自分と似た目。
運命を呪い、己を取り巻く世界を呪い、怒りのままに島を滅ぼそうと考えた己自身と同じように。

「同じなんですね。」
「何がだ、人間の分際でボクと同じ?」
「怒って、恨んで、悲しくて。似ているんです、私と。私と同じ……。」
「――黙れ。」

少女の言葉を静止する。満ちた怒りが少年に纏わり付く。
「同じ」と言われた事が、おぞましい。
自分と人間如きが同じだと、似ていると、己の怒りが少女の過去と同一と扱われることが。

「……今回だけは見逃してやる。お前たちなんか後でもどうにでもなるからね。」

だが、力を収め。少年は告げる。
己にはやるべき事があり、叶えるべき願いがある。
かつて挫折した願いを、再び叶えるための手段がある。
殺戮は、その為の手段の一つにすぎない。

「何も失っていない分際で、ボクと同じなんてほざくな人間。次はない。」
「……っ。」

そう告げて、少年は少女の前より立ち去っていく。
その背中は、寂しさ以上の憎悪が纏わりついているように見えた。



◯ ◯ ◯

「ねぇ、サボくんでいいのかな? 大丈夫?」
「あ、ああ……ありがとな、姉ちゃん。」

もう一人の、怯えていた少年に語りかける少女。
とある小島の砂塵舞う小国の巫女だった少女サラ。
奇しくも殺されそうになった少年の命を間一髪繋ぎ止めた少女は、目の前の彼、サボと名乗った少年と出会った。
彼もまた、この殺し合いに巻き込まれた一人。
兄弟の契りを結んだ二人が目の前で殺され、怒りと先程の少年によって齎されようとしていた死の恐怖。
結果としてサラに助けられて、こうして今も生きている。

「サボくんはさ、あの乃亜って子供のこと、どう思ってる?」
「どう思ってるって……まあ、うん……いい家に育てられたボンボンってとこか?」

サボ視点においての、怒りやらそういうの一先ず置いといての評価。
全能感に満ち溢れた子ども、自分の力で何でもできると思いこんでいる餓鬼。
甘やかされ、持て囃され、他人の犠牲なんてどうでもいいと思っている、サボにとって一番なりたくなかった貴族のような、そんな人間に、サボには乃亜がそうであるように見えた。
なんとも子供らしい言い方に、ほんの少しサラの口元が緩んだ。
そして、思い詰めたものを吐き出すように、サラもまた言葉を紡ぐ。

「あとさ、さっきのあの子、もしかしたらさ。私もあんな事になってたのかもしれないの、かな。」

先程サボを殺そうとした少年。
まるで幼い天使のような、超然とした生命体のような。
だが、その瞳の奥は、歪んでいた。憎しみ、哀しみ、怒り。何もかもが渦巻いて、万華鏡のように美しく、泥水のように濁った、そんな妄執の輝きが。世界への憎しみに満ちた、そんな悲しい少年の事が。



――何も失っていない分際で、ボクと同じなんてほざくな人間。

どう答えればいいか、分からなかったのかもしれない。少なくともあの時の彼に言葉に対しては。
あの少年の瞳は、燃え滾る憎悪は、あの頃の自分自身の写し鏡に思えてしまった。
守るべき民に「忌み子」と呼ばれ忌み嫌われ、ただ頼るだけの連中にしびれを切らした。
どうでも良くなって、辛いだけの全てに我慢が鳴らなくなって、壊そうとした。
止めてくれる人がいた。それぐらいに、自分のことを大切に思ってくれる人が居たから、止まることができた。騎空団の団長やルリア、ボレミアたち護衛のみんな。
島の民は許せないけれど、そういう人たちがまだいるというなら、歴代の巫女たちが命を捧げた意味があったのかもしれない。
だからこそ、あの少年の言葉が心にこびり付いている。もしあの人たちを失ってしまったら、だなんて妄想、考えたくもなかった。
もしそうなったら、本当に――――。

「姉ちゃん?」
「……ごめんね、ちょっと考え事しちゃった。」

不安がって声を掛けたサボに対し、思わず作り笑いで返す。
この子は目の前で義兄弟を、大切な友人を奪われた。何の感慨もなく、要らなくなったおもちゃをゴミ箱に投げ棄てるような、そんな幼稚さで。
許せるはずもないし、認める訳にはいかない。穢れた奇跡になんて縋ってなるものか。

「行こう、サボくん。私は、こんな殺し合いなんかに、あの乃亜って子に、負けたくなんて無い。」
「……ああ。そうじゃなきゃ、俺だってあいつらに顔向けできねぇからな。」

サボもまた、義兄弟を殺されて黙っている訳にはいかない。
あの金髪の少年、海賊なんかよりもよっぽどおっかない何かに殺されそうとなったとしても。
いや、彼としては、あの時既に命を落としていたのかもしれない。
サラと同じく、傲慢で幼稚な鍍金の独裁者に負ける訳にはいかないと。
二人の決意は、同じものであった。

【サラ@グランブルーファンタジー】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3
[方針]
基本.殺し合いには乗らない。あんな穢れた奇跡になんて縋らない。
1.もしかしたらみんながいるかもしれない?
2.あの少年、あの時の私に似ていた……?
[備考]
※最低でも『砂縛の涙、ひとしずく』終了後からの参戦
※グラフォスの能力は、殺し合いが崩壊しない程度に制限を課せられています

【サボ(幼少期)@ONE PIECE】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3
[方針]
基本.殺し合いなんてぶっ壊して、あいつ(乃亜)はぶっ飛ばす!
1.このお姉ちゃん(サラ)についてく
2.さっきの金髪の少年は警戒
[備考]
※参戦時期は乗ってた小舟を天竜人の船に撃ち落とされた直後




◯ ◯ ◯


「どいつもこいつも、ふざけたことを。」

それは、紛れもない憤怒だった。
予想外に予想外を重ねた、苛立ち。

「乃亜とかだったか。人間の分際でこのボクをこんな醜い殺し合いに巻き込ませるか。」

この自分が、姉の死因となった傲慢で欲深い人間が。
享楽ととして殺戮を見世物舞台にするのか、と。
少年――ミトス・ユグドラシルは怒りに震えていた。

「何処までも愚かで、救いようのない奴らしかいない。」

間違っていた。やはり神子を使っての復活は間違っていた。
姉さんがあんな事を言うはずがない。ボクを拒絶するはずがない。

「乃亜、もし君のその、死者すら甦らせる力が本当だったとするなら。」

だから、全てやり直せば良い。再び始めれば良い。
姉の復活も、千年帝国の成就も、そして愚かな生命を滅ぼすことも。

「ボクが全て手に入れてやる。それまで君の舞台で望み通り踊ってあげるよ。」

かつて英雄と呼ばれた少年は、喪失と憎悪の果てに狂って、歪み堕ちた。
その歪みは、最後の最後まで晴れることはなく。
ただ、その歪みを加速させて、誰にも止めることはできない。

「それに――ボクにあんな口を聞いた、彼女は必ず殺してやる。」

少年が求めるのは、永劫の千年帝国。
そして、ただ、姉と一緒に居たかっただけど、そんな少年の憎悪の一端でしかないのだ。

【ミトス・ユグドラシル@テイルズオブシンフォニア】
[状態]:健康、乃亜及びサラに対しての怒り
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3
[方針]
基本.優勝して、今度こそ『正しく』姉さんを蘇らせる。
1.乃亜は力を奪った上で殺す。
2.優勝するまでは乃亜の思惑通りに殺し合いに乗る
3.ボクにあんな事を聞いたあの女(サラ)は必ず殺す。
[備考]
※救いの塔でロイドたちと戦った後からの参戦
※制限で少年の姿に固定されています。
※制限によりタイムストップの停止可能時間は3秒となっています

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
ウィキ募集バナー