「こら、待ちなさい!! 危ないと言っているでしょう!!」
風見一姫の叱咤が響く。
学校に到着して早々、江戸川コナンはピカチュウと一緒に走り出した。
「探検だぁ!」と叫びながら、「ピカピカピカァ!!」とピカチュウも楽しそうに鳴きだす。
後ろから聞こえる一姫の声など無視して、コナン達は突き当りの曲がり角に入って視界から消えていく。
学校に到着して早々、江戸川コナンはピカチュウと一緒に走り出した。
「探検だぁ!」と叫びながら、「ピカピカピカァ!!」とピカチュウも楽しそうに鳴きだす。
後ろから聞こえる一姫の声など無視して、コナン達は突き当りの曲がり角に入って視界から消えていく。
「コナンは子供だの……」
「私、追いかけてきます。ガッシュ君と一姫さんはここで待って……」
「……いいのよ、さくら。あなたはここにいて」
「私、追いかけてきます。ガッシュ君と一姫さんはここで待って……」
「……いいのよ、さくら。あなたはここにいて」
さくらの手をを掴んで、一姫は二人にしか聞こえない小さな声で耳打ちする。
一瞬、呆然とした後でガッシュとさくらは怪訝そうに見つめながら、小さく頷いた。
一瞬、呆然とした後でガッシュとさくらは怪訝そうに見つめながら、小さく頷いた。
(……う、うるさい子だな。小学一年生だからって、もう少し落ち着いてくれよ)
藤木は少々苛立ちながら、心の中で毒付く。
ここが殺し合いの場である事すら、まだ理解できていないような様子だった。
一姫が危ないからと注意するも、一人と一匹は聞き入れる様子もない。
ここが殺し合いの場である事すら、まだ理解できていないような様子だった。
一姫が危ないからと注意するも、一人と一匹は聞き入れる様子もない。
(シカマルの死体が見つかったら……いや、大丈夫だ……ば、バレる訳ないだろ)
藤木の懸念は放置していたシカマルの死体だ。
見つかっても、藤木の犯行がバレない自信はある、
一姫がどんなに頭が良かろうと、結局普通の人間だ。
藤木はゴロゴロの実という本物の超能力を使って、完全犯罪ならぬ完全殺人を成し遂げたのだ。
ここにいるのが仮に山田奈緒子と上田次郎だったとしても、何のトリックも必要としない超能力者の殺人を暴く事など出来まい。
見つかっても、藤木の犯行がバレない自信はある、
一姫がどんなに頭が良かろうと、結局普通の人間だ。
藤木はゴロゴロの実という本物の超能力を使って、完全犯罪ならぬ完全殺人を成し遂げたのだ。
ここにいるのが仮に山田奈緒子と上田次郎だったとしても、何のトリックも必要としない超能力者の殺人を暴く事など出来まい。
(……み、見つからないに越したことはないけどさ)
自信はあれど、やはり藤木はシカマルの死体が見つからないか冷や冷やしながら、コナンとピカチュウの背中を眺めた。
(ふ……ふふ……なに、ヤバくなったら僕の神通力で、全員殺してやるんだ……)
千年ロッドは臆病な藤木の背中を押すように、彼を強気で気骨のある男のように仕立て上げていく。
だが、その背に触れる悪意という名の見えない手は、藤木が未だに気付かない奈落へと突き落とすかのように、徐々に力を込め続けていた。
だが、その背に触れる悪意という名の見えない手は、藤木が未だに気付かない奈落へと突き落とすかのように、徐々に力を込め続けていた。
「わああっ! なんだ、これっ!!?」
「ピカピカピカぁッッ!!」
「ピカピカピカぁッッ!!」
数分後、一人と一匹の絶叫が木霊する。
シカマルの死体が発見されたのだと、藤木はすぐに察した。
シカマルの死体が発見されたのだと、藤木はすぐに察した。
(な、なんでだよぉ~~~~~!!!)
□□□□
「さくら、大丈夫かの?」
「うん、平気だよガッシュ君……」
「ここは一姫に任せて、あちらで休むのだ」
「うん、平気だよガッシュ君……」
「ここは一姫に任せて、あちらで休むのだ」
シカマルの死体を見付けてから、さくらは少し顔色が悪かった。
赤の他人とはいえ、酷い火傷をおった損傷の酷い死体だ。
荒事には慣れているとはいえ、平凡な日常を送ってきたさくらには酷な光景である。
ガッシュも気遣いながら、死体のある教室から離れるよう促した。
赤の他人とはいえ、酷い火傷をおった損傷の酷い死体だ。
荒事には慣れているとはいえ、平凡な日常を送ってきたさくらには酷な光景である。
ガッシュも気遣いながら、死体のある教室から離れるよう促した。
「死体を調べたけれど、あれは落雷で死んだとしか思えないわね。
ネモは雷を操れるの?」
ネモは雷を操れるの?」
一姫はシカマルの死体に刻まれた樹枝状の赤い模様を見つけた。
リヒテンベルク図形と呼ばれるもので、樹枝状の紋様であり落雷死で発生する熱傷だ。
電紋とも呼ぶ。
リヒテンベルク図形と呼ばれるもので、樹枝状の紋様であり落雷死で発生する熱傷だ。
電紋とも呼ぶ。
「あ……ああ、そうだよ。ネモは……そんな力を使えたんだ。思い出したよ」
それらの知識から、シカマルは感電して死んだのではないかと、目視による不確かな憶測ではあるが死因を推定した。
見ただけでそんなことまで分かるのかと、藤木は生きた心地がしない。
咄嗟に嘘を重ねながら、藤木はバクバクした心臓が体外まで聞こえないか不安だった。
見ただけでそんなことまで分かるのかと、藤木は生きた心地がしない。
咄嗟に嘘を重ねながら、藤木はバクバクした心臓が体外まで聞こえないか不安だった。
「えぇッ!? ネモはおへそも取っちゃうのかなぁ。
怖いよぉ……藤木さんはおヘソ大丈夫?」
怖いよぉ……藤木さんはおヘソ大丈夫?」
「はは、それは雷様だろ?
ネモはヘソを取らないよ。体を雷に変えて飛ばして襲ってくるんだ」
ネモはヘソを取らないよ。体を雷に変えて飛ばして襲ってくるんだ」
だが、一姫に分かったのは死因のみ。
「……」
それが限界だったらしい。
首輪を回収してから保健室から毛布を持ってきて、シカマルの遺体に掛けてから、一姫はそれっきりだ。
無言のまま顎に手を当てて、黙考し続けている。
首輪を回収してから保健室から毛布を持ってきて、シカマルの遺体に掛けてから、一姫はそれっきりだ。
無言のまま顎に手を当てて、黙考し続けている。
(どうだ……ちょっとびびったけど、超能力の殺人がバレる訳ないんだ)
藤木は誇らしかった。
自分よりずっと頭の良い一姫を出し抜けるなんて、とんでもない優越感だ。
彼女が自分を疑っている様子なのは、藤木も何となく察知していた。
だから、そんな一姫が藤木を犯人と断定できないのは気分が良かった。
自分よりずっと頭の良い一姫を出し抜けるなんて、とんでもない優越感だ。
彼女が自分を疑っている様子なのは、藤木も何となく察知していた。
だから、そんな一姫が藤木を犯人と断定できないのは気分が良かった。
(フフフ……家に帰れたら、僕の力を使って陰で悪人を裁くのも良いな。
その名も闇の騎士……ゴッド・ダークナイト・フジキングさ)
その名も闇の騎士……ゴッド・ダークナイト・フジキングさ)
ドラマで何となくだが、警察から見逃されてしまう犯罪者がいる事を知っていた。
将来この力を正義の為に役立てるのも良いかもしれない。
そう、自分は正しい事をやっているのだ。藤木はそう信じてやまない。
将来この力を正義の為に役立てるのも良いかもしれない。
そう、自分は正しい事をやっているのだ。藤木はそう信じてやまない。
(…………あっ、そういえば……僕、ネモの能力だって嘘吐いたけど、うっかりゴロゴロの実の能力全部話しちゃった……)
話し終えてから少しして、藤木は自分のミスに気付く。
コナンの子供らしい怯えように、つい訂正してしまったのだ。
ネモだと偽りつつも、ゴロゴロの実の力をコナン達に明かしてしまったのだ。
しかも、肝心のネモは電撃を使わない。もし、このままネモ達に会えば藤木が疑われてしまう。
コナンの子供らしい怯えように、つい訂正してしまったのだ。
ネモだと偽りつつも、ゴロゴロの実の力をコナン達に明かしてしまったのだ。
しかも、肝心のネモは電撃を使わない。もし、このままネモ達に会えば藤木が疑われてしまう。
(いや、あいつは僕以上の卑怯者なんだ、島の端っこから絶対に動かないさ……。
でも、念のために話を変えよう……)
でも、念のために話を変えよう……)
藤木は何とか話題を逸らそうと、必死で思案を巡らせる。
「ピカピカチュ! ピッカァ!!」
その時、ピカチュウが飢えた犬のように鳴きだした。
「こら! 今、大事な話をしてるのよ!
まさかまたケチャップ?
駄目よ、ケチャップは一日大さじ二杯までよ。
そんなケチャップばかり食べたら、デブチュウになるでしょう!!」
まさかまたケチャップ?
駄目よ、ケチャップは一日大さじ二杯までよ。
そんなケチャップばかり食べたら、デブチュウになるでしょう!!」
一姫は厳しくピカチュウを律しようと叱る。
どうやら、言う事を聞かないらしい。
声に苛立ちが乗せられていた。
どうやら、言う事を聞かないらしい。
声に苛立ちが乗せられていた。
「ピカピカピカァ……!!」
バチッバチバチッと頬から電気を弾かせて、ピカチュウはムスッとする。
要求が通らず、腹正しいようだ。
あの電気は、犬で言う牙を向けて威嚇するような仕草だろう。
要求が通らず、腹正しいようだ。
あの電気は、犬で言う牙を向けて威嚇するような仕草だろう。
(うん……一姫は、何か気付いた様子はないよね……うん……)
助かった。
ピカチュウのお陰で、さっきまでの話題が流れて有耶無耶に終わった。
何となくだが、コナンはちょっと頭がいいだけで好奇心が強い、結局ただの小1だ。
いざとなれば、小3の藤木の方が強い筈だ。
小学生時代の学年の違いはあまりにも大きい。小1が小3に挑むなど無謀も良いとこである。
やはり、問題は一姫だ。
一人だけ中学生位でこの中で一番大人であり、最も警戒しなければならない。
小3にとっての中学生は神にも等しい。
今にして思えば、150㎝はあったネモやシカマルに挑んだのも失策だったのだ。
これから先、しっかりと戦う相手は選ぶ。そして勝てない相手は謀殺する。
千年ロッドで冴えた頭脳が導き出した優勝までの最短ルートだった。
ピカチュウのお陰で、さっきまでの話題が流れて有耶無耶に終わった。
何となくだが、コナンはちょっと頭がいいだけで好奇心が強い、結局ただの小1だ。
いざとなれば、小3の藤木の方が強い筈だ。
小学生時代の学年の違いはあまりにも大きい。小1が小3に挑むなど無謀も良いとこである。
やはり、問題は一姫だ。
一人だけ中学生位でこの中で一番大人であり、最も警戒しなければならない。
小3にとっての中学生は神にも等しい。
今にして思えば、150㎝はあったネモやシカマルに挑んだのも失策だったのだ。
これから先、しっかりと戦う相手は選ぶ。そして勝てない相手は謀殺する。
千年ロッドで冴えた頭脳が導き出した優勝までの最短ルートだった。
「行きましょうか。これ以上、分かることは何もなさそうだし」
一姫は諦念した声でそう言い、シカマルの死体を残してその一室を後にした。
□□□□
「悪いな……木之本……」
所変わって教室の中で、日番谷冬獅郎はさくらに礼を言いながら、壁に背を掛けて倦怠感を露わにしていた。
『攻撃を当てないと体力が回復しないのか……どうするのだ一姫?』
『テオザケルは……もし発動しなかったら、ちょっと怖いわね』
『ウヌゥ……』
『ちょっと強めのザケルにしときましょうか』
『テオザケルは……もし発動しなかったら、ちょっと怖いわね』
『ウヌゥ……』
『ちょっと強めのザケルにしときましょうか』
戦闘後らしく、回復(ドレインシールド)を使ってもまだ疲労が拭えないのだろう。
気丈にふるまうが表情からは辛さが垣間見える。
気丈にふるまうが表情からは辛さが垣間見える。
(ふふ……弱そうだねあの子……)
それを藤木は一瞥して、じっくりと強さを位置づける。
恐らく小3。その年齢の平均並みの身長もある。
しかし、藤木には誰にも負けない長所があった。彼は高身長なのである。
同じ小3なら、身長の高い藤木の方が強い筈だ。
無論、相手は刀を持っているので油断は出来ないが。
恐らく小3。その年齢の平均並みの身長もある。
しかし、藤木には誰にも負けない長所があった。彼は高身長なのである。
同じ小3なら、身長の高い藤木の方が強い筈だ。
無論、相手は刀を持っているので油断は出来ないが。
(強いけど騙しやすそうなさくらちゃんとガッシュ君だけは別として……なんとか、一姫だけ殺せれば……僕だってまだまだ優勝出来るぞ……!)
一先ずのターゲットは一姫だ。
この場で唯一の中学生(おとな)である彼女の脅威は、小3の藤木にはあまりにも大きい。
さて、どう殺すべきか。
ランドセルの中で千年ロッドが煌めき、藤木の頭脳が超速で回転する。
この場で唯一の中学生(おとな)である彼女の脅威は、小3の藤木にはあまりにも大きい。
さて、どう殺すべきか。
ランドセルの中で千年ロッドが煌めき、藤木の頭脳が超速で回転する。
「一姫さん……誰か、来たみたい……」
さくらが窓際から振り返って、一姫に指示を仰ぐ。
「……そうね。行ってみましょうか。
私とガッシュ……さくらと日番谷君、貴方も来てもらえる? 荒事に備えたいの」
私とガッシュ……さくらと日番谷君、貴方も来てもらえる? 荒事に備えたいの」
日番谷は小さく頷いて、壁から背を離して立ち上がる。
「お主、大丈夫かの? もう少し休んだ方が良いのではないか」
「いや……ずっと休んでる訳にもいかねえだろ」
「ありがとう。
コナンとピカチュウは藤木と一緒にここで隠れてて」
コナンとピカチュウは藤木と一緒にここで隠れてて」
「はーい! 一姫お姉ちゃん!! 藤木さんと待ってるね」
(シュライバーじゃないよね……偽俊國だったら……いや、大丈夫だ。
日番谷君は死ぬほど弱そうだけど、ガッシュ君は強いんだもん。
が……頑張って、僕を守ってくれよ)
日番谷君は死ぬほど弱そうだけど、ガッシュ君は強いんだもん。
が……頑張って、僕を守ってくれよ)
□□□□
「貴女の杖、もしかしてイリヤスフィールの……」
金色の闇が見つけた少女はイリヤに似た恰好をしていた。
その華やかな衣装もだが、握っていた杖もまるでイリヤの変身する魔法少女のようだった。
ヤミの隣で浮いているルビーと、多少デザインも似ていたのもその認識に拍車をかける。
その華やかな衣装もだが、握っていた杖もまるでイリヤの変身する魔法少女のようだった。
ヤミの隣で浮いているルビーと、多少デザインも似ていたのもその認識に拍車をかける。
「はい?」
少女は困惑しながら、一歩後ずさる。
「いえ……」
イリヤの名に反応しない事から、関係のない他人だったらしい。
あの杖も同じ力を使ってはいるが、当人同士は全く面識がないのか。
本当に杖が似てるだけの無関係なのか。
ヤミには判別が付かず、それにどちらでもよかった。
あの杖も同じ力を使ってはいるが、当人同士は全く面識がないのか。
本当に杖が似てるだけの無関係なのか。
ヤミには判別が付かず、それにどちらでもよかった。
「もし、貴女が対主催なら、このルビーを預かってもらえませんか。そして、イリヤスフィールという……」
反応からして争いに慣れている様子もない。
だからといって、こんな殺し合いの場で一人で突っ立っていて生き残るのも。
何の力もない弱者では無理だ。
力はあるが、争いを好まない善人だろう。
根拠はない訳ではないが、それでも少ない思量でヤミは無警戒に肉薄する。
魔法少女という絵空事の力を操る術をヤミは知らない。ルビーをイリヤに届けるのも、自分よりは彼女の方が適しているだろう。
だからといって、こんな殺し合いの場で一人で突っ立っていて生き残るのも。
何の力もない弱者では無理だ。
力はあるが、争いを好まない善人だろう。
根拠はない訳ではないが、それでも少ない思量でヤミは無警戒に肉薄する。
魔法少女という絵空事の力を操る術をヤミは知らない。ルビーをイリヤに届けるのも、自分よりは彼女の方が適しているだろう。
『彼女は多分……ヤミさん!!』
ルビーもぼんやりと浮かびながらヤミに着いてきたが、我に返ってヤミの迂闊さを指摘する。
確かに攻撃性のない少女だが、パッと見は分からない精巧さで模倣した人外だった。
何かの罠の可能性だった高い。
仮にも高位の礼装であるルビーはその正体を看過し掛けたが、ヤミはそんな忠告を聞く素振りがない。
確かに攻撃性のない少女だが、パッと見は分からない精巧さで模倣した人外だった。
何かの罠の可能性だった高い。
仮にも高位の礼装であるルビーはその正体を看過し掛けたが、ヤミはそんな忠告を聞く素振りがない。
「あ……あの」
少女も困惑していた。
ヤミという人物は殺し合いに乗っている様子はないが。
向こうから話しかけてきたとはいえ、逆に少女を警戒しなさ過ぎている。
自分の安全にまるで関心がないかのようだった。
ヤミという人物は殺し合いに乗っている様子はないが。
向こうから話しかけてきたとはいえ、逆に少女を警戒しなさ過ぎている。
自分の安全にまるで関心がないかのようだった。
「……ちょっと待っててもらえますか」
僅かに、背後の学校へと一瞥して。
少女は逡巡してから、待つように伝える。
少女は逡巡してから、待つように伝える。
「こっちなのガッシュ君、一姫さん……日番谷君」
すると、少女の後ろからもう一人全く同じ格好をした少女が現れた。
一瞬訝しむが、ヤミはすぐにどうでもよくなる。
あまりにも、目の前の出来事に無関心だった。
一瞬訝しむが、ヤミはすぐにどうでもよくなる。
あまりにも、目の前の出来事に無関心だった。
「無事でしたか……日番谷冬獅郎」
「一応な」
「一応な」
金髪の髪の小さな子供と銀髪の少女。
そして、ヤミも面識がある日番谷の姿があった。
疲弊している様子だが、日番谷もヤミ同様に治療されたらしく動けるまでに回復したらしい。
彼がここに身を寄せているなら、少なくともこの集団は信用できるだろう。
そして、ヤミも面識がある日番谷の姿があった。
疲弊している様子だが、日番谷もヤミ同様に治療されたらしく動けるまでに回復したらしい。
彼がここに身を寄せているなら、少なくともこの集団は信用できるだろう。
「大丈夫だった、見張り?」
「はい」
「はい」
二人の少女、本物と虚像の二人のさくらの内、片方は敬語で話す。
まるで従者のようだ。
まるで従者のようだ。
「鏡(ミラー)」は、その姿を指定した対象へと変える。
それはさくらの操る魔符、彼女の式のような存在。
コナンの頼みで見張りをミラーに任せて欲しい。
そして、誰か来たり異変があれば合図を校舎内に送ってもらうようにと指示を受けて、さくらが召喚したさくらカードの一枚だ。
本体は外を監視できる所で待機し、見張りを分身に任せて、さくらへのリスクを最小限に抑えるのがコナンの狙いだった。
コナンの頼みで見張りをミラーに任せて欲しい。
そして、誰か来たり異変があれば合図を校舎内に送ってもらうようにと指示を受けて、さくらが召喚したさくらカードの一枚だ。
本体は外を監視できる所で待機し、見張りを分身に任せて、さくらへのリスクを最小限に抑えるのがコナンの狙いだった。
『……凄い魔術ですね』
「ほ……ほぇ……」
「ほ……ほぇ……」
高精度な容姿の複製。
殺し合い以前のルビーならテンションを上げて、魔術の解説を勝手に始めるところだったが。
今はそんな活力もない。
後の時空管理局の不屈のエースオブエースと金の閃光。
魔人錬成とは異なり、血ではなく歌で聖遺物を駆る使徒たるシンフォギア奏者達。
それに次ぐ、異世界の新たな魔法少女の出現に、普段のルビーなら絶対にちょっかいを出しただろうに。
マスター弄りが趣味と公言し、誰よりもフリーダムを愛した魔術礼装は今は見る影もなかった。
殺し合い以前のルビーならテンションを上げて、魔術の解説を勝手に始めるところだったが。
今はそんな活力もない。
後の時空管理局の不屈のエースオブエースと金の閃光。
魔人錬成とは異なり、血ではなく歌で聖遺物を駆る使徒たるシンフォギア奏者達。
それに次ぐ、異世界の新たな魔法少女の出現に、普段のルビーなら絶対にちょっかいを出しただろうに。
マスター弄りが趣味と公言し、誰よりもフリーダムを愛した魔術礼装は今は見る影もなかった。
「信用できるのかしら、日番谷君」
「……敵対する気はなさそうだ。それに、俺から聞きたい事もある。
そこに浮いてる杖にも……色々、な」
そこに浮いてる杖にも……色々、な」
一姫という少女の方からの入れ知恵だろうか。
ヤミはそういう印象を受け取った。
日番谷の視線はヤミから、横で浮かぶルビーへと鋭く注がれる。
ヤミはそういう印象を受け取った。
日番谷の視線はヤミから、横で浮かぶルビーへと鋭く注がれる。
「なるほど。警戒は解けないけれど、話を聞く価値はあるということね」
一姫は手の魔本を強く意識し、ガッシュは一瞬たりともヤミを視界から外さぬように注視する。
強く警戒されているのを意識しながら、ヤミは心底それに関心を持てずにいた。
いつ、撃たれても何の悔いも恨みもないと言わんばかりに。
強く警戒されているのを意識しながら、ヤミは心底それに関心を持てずにいた。
いつ、撃たれても何の悔いも恨みもないと言わんばかりに。
□□□□
「俺が見たのは、悟飯の奴が金色の髪に変わって……逆上し、牙を向いた。そこまでだ」
「────なるほど、海馬コーポレーションでの事は大体わかったわ」
教室の隅で、椅子に腰掛けた日番谷を見下ろして、一姫は腕を組み険しい顔で思案に耽る。
日番谷が目覚めたのは、学校に着いて数十分前。
改めて全員が揃った後、日番谷は海馬コーポレーションでの惨状を語る。
日番谷が目覚めたのは、学校に着いて数十分前。
改めて全員が揃った後、日番谷は海馬コーポレーションでの惨状を語る。
(こ……これ以上、大人が増えるのは困るなあ)
藤木は心の中で舌打ちする。
もう一人大人の女の人が増えてしまったのだ。
彼女は下手すれば中3か下手をすれば、高校生ぐらいだ。
スレンダーだが、肉付きの良さが完全に小学生のそれとは別格だ。
最優先して排除する対象が二人に増えてしまったせいで、ガッシュ達を偽俊國達とぶつける計画に影が差し始める。
もう一人大人の女の人が増えてしまったのだ。
彼女は下手すれば中3か下手をすれば、高校生ぐらいだ。
スレンダーだが、肉付きの良さが完全に小学生のそれとは別格だ。
最優先して排除する対象が二人に増えてしまったせいで、ガッシュ達を偽俊國達とぶつける計画に影が差し始める。
「雛見沢症候群を発症しているのは、間違いないんじゃないかしら。梨花から聞いた症状そっくりだもの」
「沙都子さんと会った時に罹っちゃったのかなあ」
「発症までのラグを考えれば、彼が初めて出会った時……殺し合いが始まってから、そんなに時間の経っていない頃でしょうね」
「沙都子さんと会った時に罹っちゃったのかなあ」
「発症までのラグを考えれば、彼が初めて出会った時……殺し合いが始まってから、そんなに時間の経っていない頃でしょうね」
日番谷の話から、一姫とコナンはその元凶が雛見沢症候群であることに当たりを付ける。
付近に沙都子もいたことから、悟飯を発症させる為に暗躍していたであろうことも推測できた。
付近に沙都子もいたことから、悟飯を発症させる為に暗躍していたであろうことも推測できた。
(……ふざけた病気だ。そんなもんが実在するなら、法律からまるごと変わっちまうぞ)
心神喪失は間違いなく、しかも発症者は最終的に自爆し死亡する。
死体から寄生虫は発見されず、生きた宿主からしか検出されない。
もし、こんなものがミステリーと謳われた作品でお出しされ、真相だとネタ明かしされればコナンはその作品のアンチにならない自信がない。
また現実的に見ても、善良な犯罪とは無縁の一般人を強制的に犯罪者へと付き落とすこの病気が認知されれば、社会は否応なく変化を求められる筈だ。
死体から寄生虫は発見されず、生きた宿主からしか検出されない。
もし、こんなものがミステリーと謳われた作品でお出しされ、真相だとネタ明かしされればコナンはその作品のアンチにならない自信がない。
また現実的に見ても、善良な犯罪とは無縁の一般人を強制的に犯罪者へと付き落とすこの病気が認知されれば、社会は否応なく変化を求められる筈だ。
「ま、これ以上……この病気が悪戯に広まる事はあまりないはずよ」
ねえ、そうでしょう?
一姫が声をかけた先、ヤミは無表情のまま小さく頷いた。
「ええ……北条沙都子は死にました。ドロテアが手を掛けたんです」
日番谷の説明と、悟飯戦で離脱して以降からの出来事をヤミが捕捉。
その後、元凶の可能性が高い沙都子と天使の少女カオスとモクバの末路をヤミは語る。
その後、元凶の可能性が高い沙都子と天使の少女カオスとモクバの末路をヤミは語る。
(沙都子が死んだのは朗報ね。厄介そうなカオスというのが死んでくれたのも)
一姫にとってのグッドニュースはやはり沙都子の脱落。
探知能力を持ち沙都子にも忠実だったカオスが死んだのも悪くない。
探知能力を持ち沙都子にも忠実だったカオスが死んだのも悪くない。
(マーダーとマーダー寄りの武器が、考えを改めてくれるのも……それが本当なら、こちらとしては有難いけれど)
ヤミの意気消沈した様子を伺うに、もうマーダーとして己を奮い立たせて乃亜の願いを叶える力に縋る気力すらなさそうだ。
友人を死なせ、その相手に徹底的に嬲られ半殺しにされれば冷静ではいられないはずだ。
投げやりになっているとはいえ、最低限の理性で自身を制しているのだけは幸いだった。
開き直って殺し合いに積極になるより、ずっとありがたい。
友人を死なせ、その相手に徹底的に嬲られ半殺しにされれば冷静ではいられないはずだ。
投げやりになっているとはいえ、最低限の理性で自身を制しているのだけは幸いだった。
開き直って殺し合いに積極になるより、ずっとありがたい。
(ドロテアも、かなり面倒ね)
もう一つバッドニュースもある。
ドロテアが完全に一線を超えたのだ。
モクバは殺され、一姫達が掴んだ首輪の手掛かりもほぼ振り出しに戻った。
フリーレンが向かうカルデアで、何か情報を掴めば良いのだが、あちらも無駄足だと事態は詰みに近づく。
ドロテアが完全に一線を超えたのだ。
モクバは殺され、一姫達が掴んだ首輪の手掛かりもほぼ振り出しに戻った。
フリーレンが向かうカルデアで、何か情報を掴めば良いのだが、あちらも無駄足だと事態は詰みに近づく。
「紗寿叶さんは? 紗寿叶さんはどうなったの!!?」
「…………すみません。私も、そこまでは。
しかし、埋葬していたのは三人でした。その内二人は……美柑と野比のび太だと思います」
しかし、埋葬していたのは三人でした。その内二人は……美柑と野比のび太だと思います」
「お前、ドロテアとモクバに誰を埋めたのか聞いてねえのか」
「すみません」
日番谷は心の中で舌打ちする。
あの場にいた力を持たない二人が案の定殺害され、もう一人誰かが犠牲になった。
イリヤか紗寿叶か、最悪の場合両方纏めて埋めた可能性もある。
あの場にいた力を持たない二人が案の定殺害され、もう一人誰かが犠牲になった。
イリヤか紗寿叶か、最悪の場合両方纏めて埋めた可能性もある。
「ケロちゃんだって、どうしてこんなとこに来ちゃったの!?
はやく、探しに行かなきゃ!!」
はやく、探しに行かなきゃ!!」
またケルベロスについても、参加者の扱いではなく優先的に狙われることはない筈だが。
正気ではない悟飯の近くにいて、無事とも考え辛い。
正気ではない悟飯の近くにいて、無事とも考え辛い。
「さくらお姉ちゃん、もしかしたらイリヤって人がケロちゃんさんや紗寿叶さんを連れて逃げてるかもよ。
ヤミお姉ちゃんと戦っても大丈夫だったんだし、イリヤお姉ちゃんもきっと強いよ」
ヤミお姉ちゃんと戦っても大丈夫だったんだし、イリヤお姉ちゃんもきっと強いよ」
コナンも言っていて厳しい推測だと思う。
ヤミと日番谷が到着した時点で、イリヤも虫の息だったというのだから。
仮にイリヤが生きていても、ランドセルに入れるケルベロスと違い、紗寿叶を連れて逃げる余裕があるかどうか。
それに墓穴は三つ、最低でもイリヤか紗寿叶のどちらかが埋まってる可能性は高く、それがイリヤであれば戦えない紗寿叶がこの先生き残るなど……。
ヤミと日番谷が到着した時点で、イリヤも虫の息だったというのだから。
仮にイリヤが生きていても、ランドセルに入れるケルベロスと違い、紗寿叶を連れて逃げる余裕があるかどうか。
それに墓穴は三つ、最低でもイリヤか紗寿叶のどちらかが埋まってる可能性は高く、それがイリヤであれば戦えない紗寿叶がこの先生き残るなど……。
(……妙だな。何故モクバ達は海馬コーポレーションに残っていたんだ)
ヤミがドロテアから聞いた話では、死者たちを埋葬していたと言っていたらしい。
(近くにメリュジーヌがいて、孫悟飯もイリヤとの戦闘で生死不明の状態……いくら何でも埋葬を優先するか?)
一姫を通じてでしかコナンはドロテアやモクバを知らないが。
通常の小学生よりは判断力が高そうだった。
海馬コーポレーションが依然危険なのは分かっている筈で、その場にとどまり遺体を埋めるのは致命的なミスだ。
結局、その後もメリュジーヌに襲撃されている。
通常の小学生よりは判断力が高そうだった。
海馬コーポレーションが依然危険なのは分かっている筈で、その場にとどまり遺体を埋めるのは致命的なミスだ。
結局、その後もメリュジーヌに襲撃されている。
(どうしても、残って埋葬しなければならない理由があった?)
いくつか考えられる。
一つはコナンにも縁深い、犯罪者が犯行を隠ぺいするための死体の処分。
しかし、これは少々考え辛い。
死体があることで、何か不都合な真相を隠そうとしているとしても、やはり時間の問題がある。
メリュジーヌや悟飯の事を考えれば、隠ぺいのリスクとメリットがあまり釣り合っていない。
最悪、悟飯に全ての罪を擦り付ける事も可能なのにも関わらず。
一つはコナンにも縁深い、犯罪者が犯行を隠ぺいするための死体の処分。
しかし、これは少々考え辛い。
死体があることで、何か不都合な真相を隠そうとしているとしても、やはり時間の問題がある。
メリュジーヌや悟飯の事を考えれば、隠ぺいのリスクとメリットがあまり釣り合っていない。
最悪、悟飯に全ての罪を擦り付ける事も可能なのにも関わらず。
(罪悪感……)
理屈では違和感が残る推測しか浮かばないが、感情に沿うと非合理な行動も腑に落ちる。
ドロテアの殺人を止めきれず、モクバが止む無く埋葬を強行した。
コナンの脳裏に浮かんだ一つのストーリーだった。
海馬コーポレーションの騒動で、イリヤか紗寿叶が死にかけて、ドロテアからすれば足手纏いになるのを避ける為に。
ドミノへの交換も兼ねて、殺害した。
戦闘力では劣るモクバでは止められず、また首輪の解析も思うように進んでいなかったせいで、ドロテアもいう事を聞く道理がない。
とはいえ、何の証拠もないコナンの突飛な想像でもある。
少なくとも沙都子と再遭遇するまで生きてる以上、海馬コーポレーションで何があったにせよ二人はまだ協力体制ではあったということ。
いくらドロテアが非道とはいえ、モクバとの協力を自分から投げ出すようなデメリットを承知で殺人を行うとは考え辛い。
ドロテアの殺人を止めきれず、モクバが止む無く埋葬を強行した。
コナンの脳裏に浮かんだ一つのストーリーだった。
海馬コーポレーションの騒動で、イリヤか紗寿叶が死にかけて、ドロテアからすれば足手纏いになるのを避ける為に。
ドミノへの交換も兼ねて、殺害した。
戦闘力では劣るモクバでは止められず、また首輪の解析も思うように進んでいなかったせいで、ドロテアもいう事を聞く道理がない。
とはいえ、何の証拠もないコナンの突飛な想像でもある。
少なくとも沙都子と再遭遇するまで生きてる以上、海馬コーポレーションで何があったにせよ二人はまだ協力体制ではあったということ。
いくらドロテアが非道とはいえ、モクバとの協力を自分から投げ出すようなデメリットを承知で殺人を行うとは考え辛い。
(限界だな……これ以上の推理は材料が足りねえ)
けれども、二人の不合理を推察すると、やはり感情的な理由に帰結する。
そうコナンは考えずにはいられない。
そして、もしそれが理由であるのなら。
イリヤかあるいは紗寿叶かまたは別の誰かかはコナンには分からないが。
三つ目の墓穴に埋葬された被害者を殺害した犯人は、ドロテアという事になる。
そうコナンは考えずにはいられない。
そして、もしそれが理由であるのなら。
イリヤかあるいは紗寿叶かまたは別の誰かかはコナンには分からないが。
三つ目の墓穴に埋葬された被害者を殺害した犯人は、ドロテアという事になる。
「一姫、急いで海馬コーポレーションに向かった方が良いのではないかの」
ガッシュは逸るように言う。
海馬コーポレーションで起きた事は最悪だ。
もしも、まだ紗寿叶やイリヤが生きているのなら。付近に無辜の子供達が何も知らずにいるのかもしれない。
悟飯に襲われる前に、これ以上の犠牲者を抑えなくては。
海馬コーポレーションで起きた事は最悪だ。
もしも、まだ紗寿叶やイリヤが生きているのなら。付近に無辜の子供達が何も知らずにいるのかもしれない。
悟飯に襲われる前に、これ以上の犠牲者を抑えなくては。
「ま……待ってくれよ、ガッシュ君……そ、その悟飯って子は凄く強いんだろう?
や……止めた方がいいよ。殺されちゃうよ」
や……止めた方がいいよ。殺されちゃうよ」
黙っていた藤木が震えた声を上げる。
偽無惨やよしんばシュライバーとぶつけるまでの短い付き合いだが、聞くに非情に凶悪で強い悟飯の元へ突っ込むなど御免被る。
野獣の檻の中に、自ら入って食われに行く気は藤木は毛頭なかった。
偽無惨やよしんばシュライバーとぶつけるまでの短い付き合いだが、聞くに非情に凶悪で強い悟飯の元へ突っ込むなど御免被る。
野獣の檻の中に、自ら入って食われに行く気は藤木は毛頭なかった。
「ガッシュ……悟飯とぶつかるのは、私も反対ね」
藤木に軽蔑すような険しい視線で一瞥した後、諭すように穏やかな口調で一姫は話す。
「危険すぎるわ。私は貴方を死なせる気はないし、そのリスクに対して救える人の数も多くはない」
「……うん、何か考えないと危ないよ、ガッシュ君」
命を計算で語りたくはないが、コナンもこのまま無策で海馬コーポレーション周りに向かうのは避けるべきというのは一姫と同じだ。
(放っておけば、悟飯はきっと自爆するでしょうし……)
聞く限り、悟飯は高レベルまで病状が進行している。
日番谷やヤミにも確認はしたが、首回りに掻いたような跡があったという。
言ってしまえば、危険度は高いが長生きは無理だ。
日番谷やヤミにも確認はしたが、首回りに掻いたような跡があったという。
言ってしまえば、危険度は高いが長生きは無理だ。
「……悟飯が弱るまで、待つと言うのも一つの手ではあるわ」
死に直結するワードを避けながら、一姫は悟飯の対処法を一つ提示する。
「悟飯の発症レベルは、ほぼ末期よ。下手に手を出して刺激するより、時間が解決するのを待った方がいいわ」
「でも……僕達がずっと同じところに居ると、禁止エリアになっちゃうかもだし……首輪のことだって調べなきゃ」
「でも……僕達がずっと同じところに居ると、禁止エリアになっちゃうかもだし……首輪のことだって調べなきゃ」
コナンもその意図は察していた。
悟飯をむざむざ死なせたくはないが、コナン達もその激しい強さに対抗する術がない。。
しかし、それをすれば乃亜から禁止エリアで追い込まれる恐れもあり、また首輪についてもまるで情報が掴めない。
悟飯をむざむざ死なせたくはないが、コナン達もその激しい強さに対抗する術がない。。
しかし、それをすれば乃亜から禁止エリアで追い込まれる恐れもあり、また首輪についてもまるで情報が掴めない。
『沙都子が会った悟空という奴が、カルデアで首輪の解析をしているらしい』
日番谷は筆談でカルデアという場所で首輪の解析をしていると、沙都子からの情報を伝える。
情報源が沙都子なせいで信憑性が薄く。
出来る事なら、直接カルデアの参加者達とコンタクトを取りたいところだ。
情報源が沙都子なせいで信憑性が薄く。
出来る事なら、直接カルデアの参加者達とコンタクトを取りたいところだ。
『メリュジーヌが待ち伏せていると思うわ』
厄介なのは、沙都子と組んでいたメリュジーヌが未だ生存していること。
カルデアに向かう対主催達を狩る為に、道中で待ち伏せさせる。
罠に長けた沙都子らしい策でもあり、梨花が生きてこの場にいれば一姫の憶測を支持するだろう。
カルデアに向かう対主催達を狩る為に、道中で待ち伏せさせる。
罠に長けた沙都子らしい策でもあり、梨花が生きてこの場にいれば一姫の憶測を支持するだろう。
「私が囮になりましょう」
「なに?」
感情を乗せない声だった。
コナンは思案に耽り俯かせていた顔をヤミへ向ける。
コナンは思案に耽り俯かせていた顔をヤミへ向ける。
「孫悟飯がこの島で、最も殺意を抱いているのはこの私です。
私は海馬コーポレーションへ、その付近にいる参加者も可能な限り探し貴方方と合流出来るように誘導しましょう。
そして孫悟飯と遭遇したのなら、離脱します。
あとは……シャルティアやメリュジーヌ、貴方方が出会ったシュライバーと言いましたか?
彼らと悟飯をぶつけられるように、誘い出します」
私は海馬コーポレーションへ、その付近にいる参加者も可能な限り探し貴方方と合流出来るように誘導しましょう。
そして孫悟飯と遭遇したのなら、離脱します。
あとは……シャルティアやメリュジーヌ、貴方方が出会ったシュライバーと言いましたか?
彼らと悟飯をぶつけられるように、誘い出します」
「ヤミお姉ちゃん……!!?」
囮になるまでは分かる。ダークネスという暴走状態とはいえ、ヤミは雪華綺晶という悟飯の同行者を殺害した。
死んだ参加者の心象がこれ以上悪化することもない為、悟飯にとってヤミは掛け替えのない仲間を殺した仇だ。
集中して狙われるだろう。
しかし、その後の悟飯を誘導してメリュジーヌ達とぶつけるという案が滅茶苦茶だ。
正確な居場所が分からない相手を、どうやって探し出し、しかも悟飯を連れたまま見つけ出せるというのか。
死んだ参加者の心象がこれ以上悪化することもない為、悟飯にとってヤミは掛け替えのない仲間を殺した仇だ。
集中して狙われるだろう。
しかし、その後の悟飯を誘導してメリュジーヌ達とぶつけるという案が滅茶苦茶だ。
正確な居場所が分からない相手を、どうやって探し出し、しかも悟飯を連れたまま見つけ出せるというのか。
「風見一姫、貴女は首輪の探知機を持っているのでしょう? それで……」
「これ、誰かまでは分からないわ」
「……ですが、やってみる価値はあるでしょう。孫悟飯を海馬コーポレーションから退かせて、イリヤスフィール達を助けられるのなら。
運が良ければ、シャルティア達も潰せるかもしれない。やらない理由はありません」
運が良ければ、シャルティア達も潰せるかもしれない。やらない理由はありません」
「お主……自分の心配をしておらぬのか?」
「それはこちらの台詞ですよ。ガッシュ・ベル。
私がいれば、貴方達は孫悟飯から……いえ、最初に私が襲ったディオという少年からも無条件で疑われます。対主催同士で、無用な争いが起きるかもしれない。
はっきり言いましょう。私がこれ以上ここにいて、貴方方にメリットはありません」
私がいれば、貴方達は孫悟飯から……いえ、最初に私が襲ったディオという少年からも無条件で疑われます。対主催同士で、無用な争いが起きるかもしれない。
はっきり言いましょう。私がこれ以上ここにいて、貴方方にメリットはありません」
『で、ですけど……それなら、美遊さんと一緒に……殺し合いに乗った私も……』
「……貴女は道具でしょう? 使い手によって、在り方を変えます」
ヤミは日番谷を一瞥する。
既に、ルビーを使った美遊との因縁は聞かされていた。
だが下手人は美遊であり、またイリヤの力になれる武器である以上、日番谷からもそれ以上の追及をする気はないと話していた。
ルビーは対主催の手に渡るだけの価値が残っている。
既に、ルビーを使った美遊との因縁は聞かされていた。
だが下手人は美遊であり、またイリヤの力になれる武器である以上、日番谷からもそれ以上の追及をする気はないと話していた。
ルビーは対主催の手に渡るだけの価値が残っている。
「イリヤスフィールの元へ返って、貴女は貴女の役目を果たして下さい。
それが貴女の贖罪と……彼女達の助けになる筈ですから」
それが貴女の贖罪と……彼女達の助けになる筈ですから」
『ヤミさん……しかし……!』
「てめえはどうなる?
死ぬことが罪滅ぼしになると思ってんのか」
死ぬことが罪滅ぼしになると思ってんのか」
背を向けて、教室から出ようとするヤミを日番谷が遮る。
「ええ……そうですよ」
「結城が、それを望むと本気で考えてんのか? あいつは……」
「…………美柑はもういないんですよ」
「結城が、それを望むと本気で考えてんのか? あいつは……」
「…………美柑はもういないんですよ」
助けられた。死なずに済む筈だった。
ヤミの行動が一つ違っていれば。
あんなに近くで、あんなにも強い頼もしい同行者がいて。
全身を鉛で穿たれ、血だらけの海に沈んで、絶望の淵で悲惨な最期を迎えていい筈がなかった。
ヤミの行動が一つ違っていれば。
あんなに近くで、あんなにも強い頼もしい同行者がいて。
全身を鉛で穿たれ、血だらけの海に沈んで、絶望の淵で悲惨な最期を迎えていい筈がなかった。
ダークネス? 暴走していた? 正常じゃなかった?
そんなもの、全て言い訳でしかない。
本当の友達ならば、美柑と出会った時にそんなもの全て根性で抑えて、美柑を助けるべきだった。
本当の友達ならば、美柑と出会った時にそんなもの全て根性で抑えて、美柑を助けるべきだった。
「私のせいです。私は…………美柑と、出会うべきではなかった。
友達になんか……なってはいけなかった」
友達になんか……なってはいけなかった」
こんな殺し合いに呼ばれたのだって、もしかしたらヤミと関わりを持っていた。
そのせいかもしれないのだから。
以前にもヤミに恨みを持つ宇宙人に、美柑が操られ絶体絶命に陥った時がある。
ヤミに目を付けた乃亜が、美柑を参加者に選出したのだとしたら。
美柑を案じるのなら、あの時に地球から自分は去るべきだった。
一度ならず、二度までも。
自分のせいで。
そのせいかもしれないのだから。
以前にもヤミに恨みを持つ宇宙人に、美柑が操られ絶体絶命に陥った時がある。
ヤミに目を付けた乃亜が、美柑を参加者に選出したのだとしたら。
美柑を案じるのなら、あの時に地球から自分は去るべきだった。
一度ならず、二度までも。
自分のせいで。
「ッッ……」
ヤミの言わんとしたい事は、日番谷にも理解できていた。
美柑が殺し合いに巻き込まれたのは、ヤミの巻き添えとして選抜された側面があったのではないかと。
それは否定しきれない。
こうしてヤミが友達をみすみす死なせ、自暴自棄になる様を乃亜が狙っていない訳がない。
言葉に詰まる日番谷の肩を、ヤミは避けるように横切っていく。
美柑が殺し合いに巻き込まれたのは、ヤミの巻き添えとして選抜された側面があったのではないかと。
それは否定しきれない。
こうしてヤミが友達をみすみす死なせ、自暴自棄になる様を乃亜が狙っていない訳がない。
言葉に詰まる日番谷の肩を、ヤミは避けるように横切っていく。
「駄目、そんなこと、ヤミさんが言っちゃ駄目だよ!」
さくらの声が、ヤミの足を止めた。
「木之本桜、あなたは……優しいですね」
教室の戸に手を触れて、ヤミは振り返らないまま背中越しに声を紡ぐ。
さくらという少女とはほんの数言話した程度。
名前と容姿以外何も知らない。
それでも、引き留めようとしてくれるさくらからは、かつてヤミが焦がれた温かい気持ちにさせてくれる。
美柑や、学校の皆と触れ合っている時の。今となっては懐かしくて、もう二度と戻れないあの世界の輝きだった。
さくらという少女とはほんの数言話した程度。
名前と容姿以外何も知らない。
それでも、引き留めようとしてくれるさくらからは、かつてヤミが焦がれた温かい気持ちにさせてくれる。
美柑や、学校の皆と触れ合っている時の。今となっては懐かしくて、もう二度と戻れないあの世界の輝きだった。
「だからこそ、あなたと私は関わるべきではない」
きっとさくらは、向こう側の世界の住人だ。
なら、美柑のように自分のせいで傷付ける訳にはいかない。
なら、美柑のように自分のせいで傷付ける訳にはいかない。
「分かりますか? 男も女も……それが子供であっても。
犯して殺して贄を捧げる事が、愛だと私は本気でほざいていたんです。
さくら、あなたの歳ではまだ分からないかもしれませんが、人の命はおろか……犯して尊厳すら平気で奪えてしまう」
犯して殺して贄を捧げる事が、愛だと私は本気でほざいていたんです。
さくら、あなたの歳ではまだ分からないかもしれませんが、人の命はおろか……犯して尊厳すら平気で奪えてしまう」
突き放さなくては。
また甘えて、こんな場所に留まれば余計な血が流れる。
また甘えて、こんな場所に留まれば余計な血が流れる。
「これが私の本性です。
壊して傷付け殺す。それしか知らない、それ以外に生きる方法が分からない。
貴女達はこのまま、ルビーと共にイリヤスフィールに会いに向かってください。
この島で私に襲われ、そして報復に来るものもいるでしょう。孫悟飯もその一人です。
私とは会わなかった。一切何の関係もない……それで良いんです」
壊して傷付け殺す。それしか知らない、それ以外に生きる方法が分からない。
貴女達はこのまま、ルビーと共にイリヤスフィールに会いに向かってください。
この島で私に襲われ、そして報復に来るものもいるでしょう。孫悟飯もその一人です。
私とは会わなかった。一切何の関係もない……それで良いんです」
「友達になったことが間違ってるなんて、それが間違ってるよ!」
さくらもヤミの事なんて、殆ど分からない。
初対面同然で、ダークネスという形態で正常ではなかったと言われてもしっくりこない。
それで少し前まで殺し合いに乗っていたと言われて、抵抗がないと言えば嘘になる。
初対面同然で、ダークネスという形態で正常ではなかったと言われてもしっくりこない。
それで少し前まで殺し合いに乗っていたと言われて、抵抗がないと言えば嘘になる。
「ヤミさんが、そばにいて欲しかったら、美柑さんは友達になったんだよ。
それは……ヤミさんに幸せになって欲しいって美柑さんも……考えてくれてたからだと思う」
それは……ヤミさんに幸せになって欲しいって美柑さんも……考えてくれてたからだと思う」
話に出てきた美柑という女の子なんて、最早顔すら知らない赤の他人だ。
さくらが口を出して良い領域にはきっとない。
こんな、あたかも知った風な口を聞くなんて、本当は良くない事なのかもしれない。
それでも。
ヤミと美柑が積み上げたものを、自分で否定して欲しくなかった。
口も聞いた事もない他人だけれど、それをしたら本当に美柑という人が救われないと感じた。
もう二度と、目の前の女の子は笑えなくなってしまうと思った。
さくらが口を出して良い領域にはきっとない。
こんな、あたかも知った風な口を聞くなんて、本当は良くない事なのかもしれない。
それでも。
ヤミと美柑が積み上げたものを、自分で否定して欲しくなかった。
口も聞いた事もない他人だけれど、それをしたら本当に美柑という人が救われないと感じた。
もう二度と、目の前の女の子は笑えなくなってしまうと思った。
「ヤミさんが、美柑さんと友達になった事……絶対に間違いなんかじゃないよ」
自分と知世のような、絆で結ばれた大切な友達同士が引き裂かれ、その始まりから間違いだなんて。
そんなのはさくらは嫌だった。
その終わりが、悲しみに満ちていても。
二人が出会って紡いだそれまでは決して間違いなんかじゃない。間違いで終わらせていい筈がない。
そんなのはさくらは嫌だった。
その終わりが、悲しみに満ちていても。
二人が出会って紡いだそれまでは決して間違いなんかじゃない。間違いで終わらせていい筈がない。
「だから……ヤミさんが……!」
他の人が言うのは仕方ないのかもしれない。
悟飯という人が、怒り狂ってしまうのは分かる。
自分の仲間を殺されてしまって、それに理由があったからと言って許せるはずがない。
でも、ヤミ自身が。
悟飯という人が、怒り狂ってしまうのは分かる。
自分の仲間を殺されてしまって、それに理由があったからと言って許せるはずがない。
でも、ヤミ自身が。
「美柑さんの友達が、そんな悲しい事を言っちゃ駄目だよ!!」
他の誰でもない美柑の友達が。
無意味であったと切り捨ててはいけない。
無意味であったと切り捨ててはいけない。
「…………!」
例えるなら、鳩尾に思い切り強烈な打撃を受けたような。
息をするもの忘れて、息苦しさを遅れて感じる。
全身が一つの衝撃に対する反応で、あらゆる生命維持が疎かになっているとでもいうべきか。
きっと心臓すら、この瞬間は鼓動を刻むのを止めただろう。
息をするもの忘れて、息苦しさを遅れて感じる。
全身が一つの衝撃に対する反応で、あらゆる生命維持が疎かになっているとでもいうべきか。
きっと心臓すら、この瞬間は鼓動を刻むのを止めただろう。
この戸を開けて、外へ行くべきなのに。
触れた手は、金属で出来た戸を温め人肌の温もりを伝わせる程に、そこから動けない。
躊躇いが迷いに。
もう、何も考えたくなかった。
ドロテアに兵器として使われて、それで使い捨ててくれたのならどれだけ楽だったか。
躊躇いが迷いに。
もう、何も考えたくなかった。
ドロテアに兵器として使われて、それで使い捨ててくれたのならどれだけ楽だったか。
だけど、さくらは……。
考えるのを止める事を、自分は捨てようとしたものを無遠慮に拾い上げてくる。
いっそ、この場で逆上して斬り掛かれば、日番谷辺りが自分を楽にしてくれるだろうか。
そんなことまで考えてしまう。
でも、それ以上に容赦なく自分の心に踏み入ろうとするさくらを恨み切れない。
ヤミが直視するのを躊躇った美柑の死に、さくらはヤミよりも向き合って、彼女の冥福を願ってくれていた。
考えるのを止める事を、自分は捨てようとしたものを無遠慮に拾い上げてくる。
いっそ、この場で逆上して斬り掛かれば、日番谷辺りが自分を楽にしてくれるだろうか。
そんなことまで考えてしまう。
でも、それ以上に容赦なく自分の心に踏み入ろうとするさくらを恨み切れない。
ヤミが直視するのを躊躇った美柑の死に、さくらはヤミよりも向き合って、彼女の冥福を願ってくれていた。
「……ミラーが、また何かを見付けたみたいよ」
窓際に立って外の様子を見ていた一姫が、ミラーからの合図を受け取る。
窓越しに豆粒のように小さく見えるミラーから、チカチカと光が何度か瞬く。
モールス信号だ。
鏡の性質を持つミラーは、こうして異変があった時に光の反射で合図を送るよう一姫から指示を受けていた。
窓越しに豆粒のように小さく見えるミラーから、チカチカと光が何度か瞬く。
モールス信号だ。
鏡の性質を持つミラーは、こうして異変があった時に光の反射で合図を送るよう一姫から指示を受けていた。
「────ガッシュ!!」
「ウヌ!!」
「ウヌ!!」
魔本が光り、ガッシュが飛び出し一姫が後退する。
瞬間、「ラシルド」の詠唱と共に巨大な楯が出現し、教室内を黒炎が覆った。
瞬間、「ラシルド」の詠唱と共に巨大な楯が出現し、教室内を黒炎が覆った。
□□□□
高位の魔術師の使い魔。
学校の前で、辺りを警戒する人間のように見える少女を見て。
リーゼロッテ・ヴェルクマイスター はそう判断する。
非情に高精度、リーゼロッテもあれが人でないと見抜くのに数秒の思索が必要だった。
なるほど、通常の参加者ではあの正体に気付ける者はほぼいない。
下手に攻撃でも仕掛けてみようものならば、本体が即座に異変に気付く。
考えたものだ。周辺の警戒と、本体のリスクを最小限に抑え両立させた手法は見事だ。
それを成り立たせる魔力と技量も、魔道を極めたリーゼロッテからして賞賛に値する。
リーゼロッテ・ヴェルクマイスター はそう判断する。
非情に高精度、リーゼロッテもあれが人でないと見抜くのに数秒の思索が必要だった。
なるほど、通常の参加者ではあの正体に気付ける者はほぼいない。
下手に攻撃でも仕掛けてみようものならば、本体が即座に異変に気付く。
考えたものだ。周辺の警戒と、本体のリスクを最小限に抑え両立させた手法は見事だ。
それを成り立たせる魔力と技量も、魔道を極めたリーゼロッテからして賞賛に値する。
(……体は回復したけれど、魔力の供給は依然変わらないわね。
それに、体も見た目だけが戻った状態……体調は最悪だわ)
それに、体も見た目だけが戻った状態……体調は最悪だわ)
五体満足の奇麗な体で、血だらけの黒ドレスを除けば健康体そのものだったが。
内実は魔力の供給が滞り、再生力の極限化までの低下とそれに伴う出力の下降。
見た目は回復しようとも、中身が伴わぬ為に拭えない倦怠感にも苛まれ続けている。
内実は魔力の供給が滞り、再生力の極限化までの低下とそれに伴う出力の下降。
見た目は回復しようとも、中身が伴わぬ為に拭えない倦怠感にも苛まれ続けている。
戦いは避けた方が無難。
高い技量を持つ魔術師が最低一人はいる。
不調を抱えたリーゼロッテが、消耗抜きで倒せる相手かは分からない。
力の回復に専念し、ここは敢えて引き返すのがベストではないか。
不調を抱えたリーゼロッテが、消耗抜きで倒せる相手かは分からない。
力の回復に専念し、ここは敢えて引き返すのがベストではないか。
「…………いえ、私が世界を終わらせるのよ」
だが、こうしている間にも絶望王がその終焉へ、着実に歩み出している。
認めない。認められる筈がない。
例えあれが、悠久の時を生き人の世を見つめ続けていたのだとしても。
人の世界を生き、舞台に上がり惨劇と歴史を歩んだのは他ならぬリーゼロッテだ。
世界を終わらせる資格があるのは、世界の当事者として生きた人だけだ。
認めない。認められる筈がない。
例えあれが、悠久の時を生き人の世を見つめ続けていたのだとしても。
人の世界を生き、舞台に上がり惨劇と歴史を歩んだのは他ならぬリーゼロッテだ。
世界を終わらせる資格があるのは、世界の当事者として生きた人だけだ。
絶望王の目論見を潰すには、乃亜の報酬システムを活用する必要がある。
情報を買うのだ。
その為には、殺害数を稼がなくてはならない。
情報を買うのだ。
その為には、殺害数を稼がなくてはならない。
だから。
杖を振るう。
魔力を伝わせ、世界を呪い己の国を創造し妖精を憎み、己の国に殺された魔女の呪詛を紡ぐ。
魔杖に込められた異聞帯の王の術理を解析し、己が術式へと近づけ再現する。
巨大な黒炎が撒き上がり、校舎一つを飲み込む。
一瞬で、鉄すらも焼き焦がし、学校から棟が一つ消し飛んだ。
魔力を伝わせ、世界を呪い己の国を創造し妖精を憎み、己の国に殺された魔女の呪詛を紡ぐ。
魔杖に込められた異聞帯の王の術理を解析し、己が術式へと近づけ再現する。
巨大な黒炎が撒き上がり、校舎一つを飲み込む。
一瞬で、鉄すらも焼き焦がし、学校から棟が一つ消し飛んだ。
「ッ……!!?」
ミラーは自身の頭上を過ぎ去る火炎と、さくら達のいる学校を燃え包んだ光景を見て瞠目する。
気付いただろうか。
一姫とコナンから教わった光反射を利用した信号で、異変があればある教室の一室、その窓へ合図を送れと指示された。
さくらは心配そうにしていたが、ミラーは主であるさくらの助けになればとその役割を買って出た。
お願いだから、あの合図が間に合って。そして無事であって欲しい。
気付いただろうか。
一姫とコナンから教わった光反射を利用した信号で、異変があればある教室の一室、その窓へ合図を送れと指示された。
さくらは心配そうにしていたが、ミラーは主であるさくらの助けになればとその役割を買って出た。
お願いだから、あの合図が間に合って。そして無事であって欲しい。
「ザケルガ」
その願いに答えるように、凛々しい女性の声が木霊した。
リーゼロッテは砲雷する雷の突撃槍を西洋剣へと変容させた杖で薙ぎ払い、魔を秘めた斬撃で相殺する。
金色の電撃は二つに枝分かれ、リーゼロッテを避けるように後方へ着弾し消失した。
魔術のランクとしては低級、だが出力元が上位に位置する人外。
リーゼロッテは赤い魔本を持つ一姫と、その電撃を宿すガッシュを一瞥しそう評価した。
リーゼロッテは砲雷する雷の突撃槍を西洋剣へと変容させた杖で薙ぎ払い、魔を秘めた斬撃で相殺する。
金色の電撃は二つに枝分かれ、リーゼロッテを避けるように後方へ着弾し消失した。
魔術のランクとしては低級、だが出力元が上位に位置する人外。
リーゼロッテは赤い魔本を持つ一姫と、その電撃を宿すガッシュを一瞥しそう評価した。
一姫の指先と共に、ガッシュが機械のような精密さで放射先をセッティングする。
二発目の電撃にリーゼロッテが身構えたと同時に、周囲の温度が零度へと凍結される。
二発目の電撃にリーゼロッテが身構えたと同時に、周囲の温度が零度へと凍結される。
「凍ってろ」
冷徹な日番谷の声が耳孔に飛び込む。
氷のベールが地表から実生し、それらはリーゼロッテの背丈を優に超えるまで成長。
頭上高くまで凍り付くと、隙間一つない氷の檻を生成する。
更に内部の空間すら全て埋めつくす勢いで、檻の中を氷結が侵食した。
だが、リーゼロッテの内側から溢れ出した火炎が氷結を跳ね返し、氷の檻ごと粉砕する。
遅れて到来した「テオザケル」という電撃を飛翔して避け、リーゼロッテは上空から杖を二振りし火炎を振り落とす。
ガッシュのマントが伸張して、火炎を払い除ける。
火と布という、燃やし燃やされるという相性すら覆し、マントは僅かに表面を焦がしただけに止まる。
あれもまた高い魔力を編み込まれた、魔具らしい。
氷のベールが地表から実生し、それらはリーゼロッテの背丈を優に超えるまで成長。
頭上高くまで凍り付くと、隙間一つない氷の檻を生成する。
更に内部の空間すら全て埋めつくす勢いで、檻の中を氷結が侵食した。
だが、リーゼロッテの内側から溢れ出した火炎が氷結を跳ね返し、氷の檻ごと粉砕する。
遅れて到来した「テオザケル」という電撃を飛翔して避け、リーゼロッテは上空から杖を二振りし火炎を振り落とす。
ガッシュのマントが伸張して、火炎を払い除ける。
火と布という、燃やし燃やされるという相性すら覆し、マントは僅かに表面を焦がしただけに止まる。
あれもまた高い魔力を編み込まれた、魔具らしい。
(この二人があの使い魔の主……いえ)
力の質が別物だ。
この二人の力と、あの少女の姿をした使い魔の力は異なる。
この二人の力と、あの少女の姿をした使い魔の力は異なる。
「彼の者が、一番強く想うものの姿を映し出せ!」
つまり、もう一人魔術師が……。
「「幻」(イリュージョン)!!」
『すべての人間を殺すことで、罪の円環をこわしたとしても、この私は不死……。
浄化された世界でも罪深い私は生き残ってしまうかもしれない────』
浄化された世界でも罪深い私は生き残ってしまうかもしれない────』
屍が並ぶ平野に聳える丘の頂。
男は悉くの愛を込めて約言し、誓いを立てた。
男は悉くの愛を込めて約言し、誓いを立てた。
『そのときまでに、そなたを殺す術を見つけよう』
閃光の刃が、呪われた魔女の心臓を穿つ。
鮮烈な電流の流れが、不死を失くしたただの女の体が焼かれる。
血を巡らせる臓器が損傷し、その機能を停止させ体が冷たくなる感触。
鮮烈な電流の流れが、不死を失くしたただの女の体が焼かれる。
血を巡らせる臓器が損傷し、その機能を停止させ体が冷たくなる感触。
那由多の果てから引き寄せた、虚無の魔石を破壊し魔女の生涯に終止符を打つという未来。
熱を奪われる肢体を支え、胸の中で抱き寄せる一人の男。
『愛しているからこそ────この手で必ず、そなたに死を与えよう』
「ヴェラード」
愛する男の剣に貫かれ、ようやく永遠の安寧を手に入れる事が出来た最期。
安らかな微笑みで愛を囁き、長すぎた生涯に幕を下ろす姿。
男の頬に触れようとして、それすら届かず息絶えてしまう。
赤い夜、黒い月の下で完結した。呆気ない魔女の終わり。
安らかな微笑みで愛を囁き、長すぎた生涯に幕を下ろす姿。
男の頬に触れようとして、それすら届かず息絶えてしまう。
赤い夜、黒い月の下で完結した。呆気ない魔女の終わり。
強く願う、リーゼロッテの望んだ光景。
故にそれが理想(ユメ)であることは、即座に理解した。
あの写影(こども)の幻影以上の高精度だ。
あの写影(こども)の幻影以上の高精度だ。
「…………ええ」
忌々しい程に。
「……?」
杖を片手にリーゼロッテは突貫する。
迎え撃つ雷撃と氷結を全身に纏わせた炎で薙ぎ払い、ガッシュと日番谷を過ぎ去って。
後方に居た桃色の杖を構えた魔術師へと。
まさか、とさくらは思う。
一姫とコナンとの打合せで。襲われた時、「幻」で逃走時間を稼ぐ算段となっていた。
それを一瞬で、強制的に幻覚を解除してしまうだなんて。
迎え撃つ雷撃と氷結を全身に纏わせた炎で薙ぎ払い、ガッシュと日番谷を過ぎ去って。
後方に居た桃色の杖を構えた魔術師へと。
まさか、とさくらは思う。
一姫とコナンとの打合せで。襲われた時、「幻」で逃走時間を稼ぐ算段となっていた。
それを一瞬で、強制的に幻覚を解除してしまうだなんて。
「「力(パワー)」ッ!!」
一個の魔術の発動と共にさくらのランドセルから、黒鉄の大剣が飛び出した。
その銘は斬月。
死神代行にして、滅却師と虚の力を混在させた唯一無二の斬魄刀。
担い手のない、無用の長物と化した快刀
その銘は斬月。
死神代行にして、滅却師と虚の力を混在させた唯一無二の斬魄刀。
担い手のない、無用の長物と化した快刀
『さくらカードは私よりさくらが持っていた方がいいね』
『俺の斬月も振り回せるのが、さくらかガッシュしかいないのなら、そっちに預ける』
『……ほ、ほえぇ』
『俺の斬月も振り回せるのが、さくらかガッシュしかいないのなら、そっちに預ける』
『……ほ、ほえぇ』
一姫が握っていた支給品には数枚のさくらカードも混じっていた。
その中に混じっていた「力」のカードは、使い手に怪力を与える。
であれば、この中でガッシュを除けば誰一人持ち上げる事の叶わなかった斬月は、さくらやガッシュに託す方がいいと雄二も同じように考え、半ば押し付ける形でそれを託す。
さくらもこんな大きな刀を、人前で振り回すのに乙女としての抵抗はあったが、命の危険と隣り合わせの戦場では我儘は言えない。
その中に混じっていた「力」のカードは、使い手に怪力を与える。
であれば、この中でガッシュを除けば誰一人持ち上げる事の叶わなかった斬月は、さくらやガッシュに託す方がいいと雄二も同じように考え、半ば押し付ける形でそれを託す。
さくらもこんな大きな刀を、人前で振り回すのに乙女としての抵抗はあったが、命の危険と隣り合わせの戦場では我儘は言えない。
「くっ……ぐ、くゥ……!!」
結果として、魔女の黒槍を黒の厚鉄が受け止め、さくらは僅かに後方へ退くに止まった。
数度の斬り合いを強化された膂力と持ち前の運動神経で応戦し、さくらの握る柄から上の刀身から激しい金属音が猛り響く。
手に響く衝撃と痺れが、改めて命の奪いをしているのだと、さくらは思い知らされた。
数度の斬り合いを強化された膂力と持ち前の運動神経で応戦し、さくらの握る柄から上の刀身から激しい金属音が猛り響く。
手に響く衝撃と痺れが、改めて命の奪いをしているのだと、さくらは思い知らされた。
「え、えーいっ!!」
大振りに剣を振って、「跳」のカードで跳ね上がった脚力でさくらは間合いを稼ぐ。
だがその間合いを一瞬で炎が埋めつくし、さくらは斬月を翳しながら防ぐ。
背後へと回ったリーゼロッテの斬撃が自身を切り刻む前に跳躍。
その頭上にリーゼロッテが先んじて飛翔していた。
だがその間合いを一瞬で炎が埋めつくし、さくらは斬月を翳しながら防ぐ。
背後へと回ったリーゼロッテの斬撃が自身を切り刻む前に跳躍。
その頭上にリーゼロッテが先んじて飛翔していた。
「ザケルガ!!」
さくらの脳天へ振り下ろされた杖を遮るように雷が迸り、リーゼロッテは飛び退く。
その振り返りざまに杖を振るい、その先には。
その振り返りざまに杖を振るい、その先には。
「う、うわああああああああああ!!!?」
「ヌウ!!」
「ヌウ!!」
藤木がいた。
悟空との交戦と同じだ。
虫けらだが、善良な者であればあるほど、あれを優先して狙えば庇おうとする。
ガッシュもその例に漏れず、藤木の前へ躍り出てマントを展開して防御する。
悟空との交戦と同じだ。
虫けらだが、善良な者であればあるほど、あれを優先して狙えば庇おうとする。
ガッシュもその例に漏れず、藤木の前へ躍り出てマントを展開して防御する。
「あなた達は後で遊んであげる」
だから、今は。
この忌々しい魔術師の小娘を先に葬る。
この忌々しい魔術師の小娘を先に葬る。
「みんな、先に逃げて!!」
狙いは、他でもないさくらに向けられている。
当のさくら自身もそれは理解していた。だからこそ、ここで残ってリーゼロッテと戦うのは自分の役目だ。
藤木を集中砲火して狙われれば、ガッシュや日番谷も戦い辛い。さくらも藤木を巻き込むのを良しとは思えない。
当のさくら自身もそれは理解していた。だからこそ、ここで残ってリーゼロッテと戦うのは自分の役目だ。
藤木を集中砲火して狙われれば、ガッシュや日番谷も戦い辛い。さくらも藤木を巻き込むのを良しとは思えない。
「一姫!?」
ガッシュもまたそれを理解していた。
リーゼロッテは容赦なく、足を怪我して動きが遅い藤木に狙いを定める。
ガッシュ達がそれを庇うことを見越して。
一姫からすれば、見捨てても平気だがガッシュやコナンはそうはいかない。
先へ行かせ、アキレス腱にもなり得る藤木を遠ざけるのが先決だ。
だからといって、藤木を一人で向かわせるのはマーダー疑惑が解決もせず、また藤木一人の貧弱さからも避けたい。せめて一人は戦闘の心得がある者を付き添わせなければ。
かといって、さくらをリーゼロッテと一対一で残すのもさくらのリスクが高い。
せめて一人は、彼女のフォローに残らなくては。
リーゼロッテは容赦なく、足を怪我して動きが遅い藤木に狙いを定める。
ガッシュ達がそれを庇うことを見越して。
一姫からすれば、見捨てても平気だがガッシュやコナンはそうはいかない。
先へ行かせ、アキレス腱にもなり得る藤木を遠ざけるのが先決だ。
だからといって、藤木を一人で向かわせるのはマーダー疑惑が解決もせず、また藤木一人の貧弱さからも避けたい。せめて一人は戦闘の心得がある者を付き添わせなければ。
かといって、さくらをリーゼロッテと一対一で残すのもさくらのリスクが高い。
せめて一人は、彼女のフォローに残らなくては。
「私が、さくらに助力します」
故に。
それを即座に察したヤミが声をあげ、ガッシュと一姫の視線が注がれる。
それを即座に察したヤミが声をあげ、ガッシュと一姫の視線が注がれる。
「待て、なら俺が……」
日番谷が待ったを掛ける。
ヤミを完全に信用していない訳ではない。
心情的には、同情もしているしダークネス状態と現在の霊圧の質も微妙に変化している。
今の彼女が正常になっているのを疑ってもいない。
だが、それとは別にやはり一線を超えかねないのではという危うさも孕んでいる。
結城美柑の蘇生の為に、マーダーとして道を外れさくらを後ろから刺してしまうのではないか。
日番谷からすれば、力はあれどさくらは自身が庇護すべき対象だ。
危険性が拭えないヤミと二人きりで置いていき、リーゼロッテのような相手と死闘を演じさせるわけにはいかない。
ヤミを完全に信用していない訳ではない。
心情的には、同情もしているしダークネス状態と現在の霊圧の質も微妙に変化している。
今の彼女が正常になっているのを疑ってもいない。
だが、それとは別にやはり一線を超えかねないのではという危うさも孕んでいる。
結城美柑の蘇生の為に、マーダーとして道を外れさくらを後ろから刺してしまうのではないか。
日番谷からすれば、力はあれどさくらは自身が庇護すべき対象だ。
危険性が拭えないヤミと二人きりで置いていき、リーゼロッテのような相手と死闘を演じさせるわけにはいかない。
「……私とガッシュとヤミ、そしてさくらであの女をどうにかするわ」
片手で日番谷を制して、一姫が提言した。
ガッシュも異論はなく、常に視線はリーゼロッテを向いている。
ガッシュも異論はなく、常に視線はリーゼロッテを向いている。
「貴方はもう少し体力を回復させた方がいいでしょう。それに……」
藤木を一瞥して、一姫は密かに眉を動かした。
ヤミの危険性について、一姫も認識しているつもりだ。
このままヤミと藤木を同時に抱えて、見張るというのも厄介な話。
これを機に、一旦この二人を別れさせそれぞれで対処する好機でもあるだろう。
ヤミの危険性について、一姫も認識しているつもりだ。
このままヤミと藤木を同時に抱えて、見張るというのも厄介な話。
これを機に、一旦この二人を別れさせそれぞれで対処する好機でもあるだろう。
「うん……こっちはこっちで何とかするね。
ピカチュウ、日番谷君、藤木さん、行こう。
それとミラーお姉ちゃんは、藤木さんに肩を貸してあげて」
「ピカピカッ!!」
「はい」
ピカチュウ、日番谷君、藤木さん、行こう。
それとミラーお姉ちゃんは、藤木さんに肩を貸してあげて」
「ピカピカッ!!」
「はい」
一姫と言葉を交わさずとも、同じく天才と称されるコナンの頭脳は思惑を読み取らせる。
コナンは頷いて、離脱する面々に指示を飛ばす。
ピカチュウは先んじて、これから行く道に敵がいないか自身の優れた勘を総動員して索敵。
ミラーは戦場に残る主を愁い気に見つめてから、さくらの姿のまま藤木の片腕を自身の肩に回す。
コナンは頷いて、離脱する面々に指示を飛ばす。
ピカチュウは先んじて、これから行く道に敵がいないか自身の優れた勘を総動員して索敵。
ミラーは戦場に残る主を愁い気に見つめてから、さくらの姿のまま藤木の片腕を自身の肩に回す。
「一つだけ聞かせろ」
一人、日番谷だけはまだ視線をヤミの背中に固定する。
「お前にとって、さくらは他人だろ。助けに行く理由がねえ」
この問いかけに意味はない。
嘘を吐けば、それを明らかにする術を日番谷は持たない。
ただ自身の心残りから、無意識のうちにそれを清算したいばかりに口にしたに過ぎない。
それは甘さだった。
僅かに関わっただけの相手に情が移った。
友達を死なせたというヤミに、かつては自分が守りたかった雛森桃を刺し、藍染惣右介の愉悦を満たす為の玩具にされた醜態を思い出していたのかもしれない。
それとも、黒崎一護の甘さが、尸魂界の掟すら変えた男の信念が自分にも感染したのだろうか。
さくらが駆る斬月を目にして、そう思わずにはいられない。
嘘を吐けば、それを明らかにする術を日番谷は持たない。
ただ自身の心残りから、無意識のうちにそれを清算したいばかりに口にしたに過ぎない。
それは甘さだった。
僅かに関わっただけの相手に情が移った。
友達を死なせたというヤミに、かつては自分が守りたかった雛森桃を刺し、藍染惣右介の愉悦を満たす為の玩具にされた醜態を思い出していたのかもしれない。
それとも、黒崎一護の甘さが、尸魂界の掟すら変えた男の信念が自分にも感染したのだろうか。
さくらが駆る斬月を目にして、そう思わずにはいられない。
「どうせ、命を使うなら……ドロテアよりあっちの方がマシに思えた」
あの少女は誰かの陽だまりなのだろう。
自分が永劫に失くしてしまった掛け替えのない至宝。
ヤミにとっての美柑が、ヤミの知らない誰かにとってのさくら。
自分が永劫に失くしてしまった掛け替えのない至宝。
ヤミにとっての美柑が、ヤミの知らない誰かにとってのさくら。
「……それだけです」
その誰かが悲しもうと、ヤミには係わりのない事だけれど。
あんな少女が友とするのであれば。
きっと、愛情深く慈愛に満ちた者なのだろう。
あんな少女が友とするのであれば。
きっと、愛情深く慈愛に満ちた者なのだろう。
「それに彼女の友達は……さくらが死んだら、悲しむでしょう?」
そんな人が、また涙を流すのであれば。それは嫌だった。
その返事に、喜んでいいのかは日番谷には分からなかった。
未だ、ヤミから気力というものを感じさせない。
それは生きる意志や勝とうという強い信念が、宿っていない。空虚な伽藍洞だった。
だが、ほんの僅かばかりの熾火が宿っていたとも感じた。
錯覚かもしれなくとも。
助けたいと、自発的に言ったヤミの言葉を信じたくさせる熱意が込められている気がした。
今までのように死に場所を探して、思考を放棄した自暴自棄ではないと。
その返事に、喜んでいいのかは日番谷には分からなかった。
未だ、ヤミから気力というものを感じさせない。
それは生きる意志や勝とうという強い信念が、宿っていない。空虚な伽藍洞だった。
だが、ほんの僅かばかりの熾火が宿っていたとも感じた。
錯覚かもしれなくとも。
助けたいと、自発的に言ったヤミの言葉を信じたくさせる熱意が込められている気がした。
今までのように死に場所を探して、思考を放棄した自暴自棄ではないと。
「……武運を祈る」
殺戮者ではなく、一人の戦士として。
自身の独りよがりと、願望を込めた一声だけを残して。
日番谷もまた、この先に待ち受けるであろう戦場へ踵を返した。
自身の独りよがりと、願望を込めた一声だけを残して。
日番谷もまた、この先に待ち受けるであろう戦場へ踵を返した。
「甘すぎますよ。日番谷冬獅郎」
死を司る神が、一個人に肩入れしてしまうだなんて。
しかも、数時間前までマーダーだった相手に。
それでは世の道理が成り立たなくなる。
そう、忠告めいた返しも思い付いたが。
しかも、数時間前までマーダーだった相手に。
それでは世の道理が成り立たなくなる。
そう、忠告めいた返しも思い付いたが。
「……」
彼の言葉は、悪い響きではなかった。
「────お主! 何故、人間の世界を滅ぼそうとするのだ!!」
ガッシュの怒号が猛り響く。
フリーレンから聞いた情報と一致していた。
炎の魔術に長けた銀髪黒衣の魔術師リーゼロッテ。
その目的が人類鏖殺であることも聞かされた。
フリーレンから聞いた情報と一致していた。
炎の魔術に長けた銀髪黒衣の魔術師リーゼロッテ。
その目的が人類鏖殺であることも聞かされた。
ガッシュの脳裏には、一人の青年の姿が過った。
クリア・ノート。
魔界を魔物を滅ぼすという意思と使命にのみ忠実に従う、ガッシュ達魔物の最大の脅威。
クリアの思想には善悪もなく、また個人の私情もなかった。
ただ滅ぼすという意思の元、王を決める戦いを利用しその特権を活用しているに過ぎない。
ガッシュが矛を交えた中で、最も空虚な何も背負っていない者であった。
クリア・ノート。
魔界を魔物を滅ぼすという意思と使命にのみ忠実に従う、ガッシュ達魔物の最大の脅威。
クリアの思想には善悪もなく、また個人の私情もなかった。
ただ滅ぼすという意思の元、王を決める戦いを利用しその特権を活用しているに過ぎない。
ガッシュが矛を交えた中で、最も空虚な何も背負っていない者であった。
「誰から聞いたのかしら……まあいいわ。
世界から争いが絶えないでしょう?
貴方の周りにはなくとも、必ず世界の何処かで血は流れているものよ。
とても穢れた不完全な世界だと思わないかしら?
だから……積み重なる人の業も罪も、全てを終わらせるの」
世界から争いが絶えないでしょう?
貴方の周りにはなくとも、必ず世界の何処かで血は流れているものよ。
とても穢れた不完全な世界だと思わないかしら?
だから……積み重なる人の業も罪も、全てを終わらせるの」
「だからといって、その世界に住む者全てから命を奪って良い筈がなかろう!!」
ガッシュは手の甲に血管が浮き出る程、力強く握り拳を作りあらん限りの力で叫んだ。
「一生懸命生きようとしている者達は沢山おる!!
お主の言うように酷い世界であっても、その中で幸せな毎日を送っている者達もおるのだ!!」
お主の言うように酷い世界であっても、その中で幸せな毎日を送っている者達もおるのだ!!」
魔界の王を決める戦いを通じて、成長したガッシュだからこそ頭ごなしにクリアとリーゼロッテを否定も出来ない。
世界にそういった一面があるのは事実なのだろう。
しかし、その世界で強く生きようとしている者達がいる。
悪い者もいれば、優しい者達もいる。
この世界は、ただの一人が上辺だけを見て滅ぼすようなそんな小さなものではない。
それが人であろうと、魔物であろうと。
世界にそういった一面があるのは事実なのだろう。
しかし、その世界で強く生きようとしている者達がいる。
悪い者もいれば、優しい者達もいる。
この世界は、ただの一人が上辺だけを見て滅ぼすようなそんな小さなものではない。
それが人であろうと、魔物であろうと。
「それが悲劇を生むわ。
貴方が尊んでいるものは、悲劇の火種でしかない。
さっき皆が生きようとしていると話したわね?
その通りよ。そして限られた食料や物資を巡り、パイの奪い合いが始まり……争いが生まれる。
あなたは肉を食べるかしら? それだって、生きようとする命を奪っているのに他ならない。
鶏や豚、羊や牛からすればそれも悲劇でしょう?」
貴方が尊んでいるものは、悲劇の火種でしかない。
さっき皆が生きようとしていると話したわね?
その通りよ。そして限られた食料や物資を巡り、パイの奪い合いが始まり……争いが生まれる。
あなたは肉を食べるかしら? それだって、生きようとする命を奪っているのに他ならない。
鶏や豚、羊や牛からすればそれも悲劇でしょう?」
「ヌゥ……!」
「人間が幸福を満たすために同じ人間を傷付けるなんて事もあるかもね?」
そして成長したからこそ、極端な暴論であろうとも。
断じて認めはしなくとも、頭ごなしに否定しきれるものではないとガッシュも否応なく理解してしまう。
まだガッシュが記憶失くして間もない頃、清麿と出会って以降初めて交戦したレイコムという魔物のパートナーはその最たる例だった。
私腹を肥やす為に、魔物の力を振るって大勢の人を巻き込み傷付ける事すら厭わない。
またその前に出会った銀行強盗も、同じような悪人だった。
断じて認めはしなくとも、頭ごなしに否定しきれるものではないとガッシュも否応なく理解してしまう。
まだガッシュが記憶失くして間もない頃、清麿と出会って以降初めて交戦したレイコムという魔物のパートナーはその最たる例だった。
私腹を肥やす為に、魔物の力を振るって大勢の人を巻き込み傷付ける事すら厭わない。
またその前に出会った銀行強盗も、同じような悪人だった。
「考えの違いも、あるかもしれないわ」
『人類だって考えの違いから争いが生まれる』
『人類だって考えの違いから争いが生まれる』
リーゼロッテに重なって。あの白滅の宿敵がガッシュに語り掛けてくるようだった。
「今の私とあなたのように」
『話が通じないから、力で白黒つけようと、戦争が絶えない』
『話が通じないから、力で白黒つけようと、戦争が絶えない』
その滅びこそが必然であると。
「ふざけるなッ! 今を生きている者達を、お主の勝手で死なせてよいわけがなかろう!!」
なまじクリアより質が悪いのが、クリア自身は滅ぼす事のみに忠実であり。
その正否を一切問わずに、文句があるのなら止めてみろとしか話していなかった。
その正否を一切問わずに、文句があるのなら止めてみろとしか話していなかった。
「安心なさい坊や。
この物質界(ろうごく)から魂を解放ち、全ての罪を雪いで。
全ての輪廻の円環を断ち切ってあげるから」
この物質界(ろうごく)から魂を解放ち、全ての罪を雪いで。
全ての輪廻の円環を断ち切ってあげるから」
この女は滅び去る事への正当性を謳い、一見すれば正しくも聞こえてしまう。
「ヴェラードさんのことが好きだって思いも……消しちゃうの?」
白熱しかけた二人の舌戦を冷ましたのは、さくらの哀愁を乗せた声だった。
さくらの生まれた現代から数百年以上も昔。
荒野で武装した戦士達が剣で槍で弓矢で、敵を切り裂く穿ち射抜き、血肉と臓腑を巻き上げ殺し合う戦乱の世。
荒野で武装した戦士達が剣で槍で弓矢で、敵を切り裂く穿ち射抜き、血肉と臓腑を巻き上げ殺し合う戦乱の世。
イリュージョンを使っていたさくら本人には、リーゼロッテの見た幻影が見えていた。
屍の頂で。
金色の右目を持つ、まさしく魔王の名に相応しい男ともう一人の黒衣の少女。
それがリーゼロッテであることはさくらにもすぐ分かる。
金色の右目を持つ、まさしく魔王の名に相応しい男ともう一人の黒衣の少女。
それがリーゼロッテであることはさくらにもすぐ分かる。
その眼前に広がるのは清算極まる光景だった。
生きながらに人を臀部から串刺しにして、敵へ警告し威嚇するように晒上げる。
とても、さくらには直視できない非道の数々。
王として自国を守るためとはいえ、あまりにも度が過ぎた過剰行為とも言える。
誰も信じていない。気を許していない。
剣を握る手を緩めれば殺される。だから、剣を離す事をせず屍を積み上げ続ける、
自分以外の全てを殺し尽くすまで、その王である男には安息は訪れそうにもなかった。
生きながらに人を臀部から串刺しにして、敵へ警告し威嚇するように晒上げる。
とても、さくらには直視できない非道の数々。
王として自国を守るためとはいえ、あまりにも度が過ぎた過剰行為とも言える。
誰も信じていない。気を許していない。
剣を握る手を緩めれば殺される。だから、剣を離す事をせず屍を積み上げ続ける、
自分以外の全てを殺し尽くすまで、その王である男には安息は訪れそうにもなかった。
だが、たった一人の例外を除いて。
不死という永遠の孤独を味合わせない為に。
愛しているから殺す。
一人にさせたくないから、必ずその戒めから解き放ってみせる。
返り血に塗れ、切創で溢れた甲冑を纏う非情の王が、ただ一人の女にそう誓っていた。
愛しているから殺す。
一人にさせたくないから、必ずその戒めから解き放ってみせる。
返り血に塗れ、切創で溢れた甲冑を纏う非情の王が、ただ一人の女にそう誓っていた。
「本当は、ヴェラードさんに会いたいんじゃないの!?
こうしてれば……いつかきっと、止めに来てくれると思っているから」
こうしてれば……いつかきっと、止めに来てくれると思っているから」
その時だけは魔王ではなく、一人の人間に戻ったかのように。
穏やかで慈しみに溢れた声で。
穏やかで慈しみに溢れた声で。
「あの約束を、ヴェラードさんが覚えていてくれるって信じてるんでしょう?
だから────」
だから────」
「私が愛したのは……偽りの神が作った罪深い世界にただ一人立ち向かい、屈しなかった男」
「違う。あの人があなたに誓ったのはそんなことじゃない!
ヴェラードさんはあなたに……!!」
ヴェラードさんはあなたに……!!」
魔女に訴えかける魔法少女の叫びは、最後まで紡がれないまま。
「人類鏖殺こそが、私の愛を示す唯一の手段」
黒炎がさくらの足元から発生し爆散する。
そのは業火の地雷だった。四方八方に飛散する炎の散弾が、例え直撃を避けようとも追撃する。
ジャンプのカードで飛び退いたさくらへ、炎の牙が襲い掛かる。
そのは業火の地雷だった。四方八方に飛散する炎の散弾が、例え直撃を避けようとも追撃する。
ジャンプのカードで飛び退いたさくらへ、炎の牙が襲い掛かる。
「ッッ……く、ゥ!!」
さくらの眼前に黄金が広がった。
それは、一つ一つが細く絹糸のようにしなやかな髪。
無数の髪の毛が一個の束になり、その質感すら変形していく。
二振りの剣となり、炎の散弾を全て切り伏せた。
それは、一つ一つが細く絹糸のようにしなやかな髪。
無数の髪の毛が一個の束になり、その質感すら変形していく。
二振りの剣となり、炎の散弾を全て切り伏せた。
「ヤミ……さん……?」
「来ますよ。さくら」
振り返る事のないまま、ヤミは口を開く。
その刹那、前方から巨大な火球が振り落ちる。
ヤミとさくらは互いに弾かれあるように左右に飛び退く。
その刹那、前方から巨大な火球が振り落ちる。
ヤミとさくらは互いに弾かれあるように左右に飛び退く。
「テオザケル!!」
射線に障壁が消え、驀進する業火と雷が激突する。
紅蓮と金色の高濃度のエネルギーは両者を呑もうと消失し合う。
世界の未来を信じる雷と、世界の終焉を望む炎。
紅蓮と金色の高濃度のエネルギーは両者を呑もうと消失し合う。
世界の未来を信じる雷と、世界の終焉を望む炎。
「お主にも、辛いことがあったのかもしれぬ。
だが、皆が生きようとする世界を終わらせる訳にはいかないのだ!!」
だが、皆が生きようとする世界を終わらせる訳にはいかないのだ!!」
「全く……これじゃ、逆ね」
世界を救うのは、人の身で偉業を為す英雄であると相場が決まっているものを。
人外の小僧に、世界を守ると啖呵を切られるとは。
乃亜はわざと当て擦ろうとあんな子供を呼んだのだろうか。
リーゼロッテは嘲笑した。
人外の小僧に、世界を守ると啖呵を切られるとは。
乃亜はわざと当て擦ろうとあんな子供を呼んだのだろうか。
リーゼロッテは嘲笑した。
「勇者が怪物で、魔王が人間だなんて」
決して交わらない二つの視線が砂塵を挟んで交差した。
【一日目/午後/G-5 小学校】
【ガッシュ・ベル@金色のガッシュ!】
[状態]疲労(中)、全身にダメージ(中)、シュライバーへの怒り(大)
[装備]赤の魔本
[道具]基本支給品、ランダム支給品0~2、首輪×2(ヘンゼルとルーデウス)
[思考・状況]基本方針:殺し合いを止める。
0:リーゼロッテを倒す。
1:戦えぬ者達を守る。
2:シャルティアとゼオン、シュライバーは必ず止める。
3:絶望王(ブラック)とメリュジーヌと沙都子も強く警戒。
4:エリスという者を見付け、必ず守る。
[備考]
※クリア・ノートとの最終決戦直前より参戦です。
※魔本がなくとも呪文を唱えられますが、パートナーとなる人間が唱えた方が威力は向上します。
※魔本を燃やしても魔界へ強制送還はできません。
※藤木マーダーであることを知っています
[状態]疲労(中)、全身にダメージ(中)、シュライバーへの怒り(大)
[装備]赤の魔本
[道具]基本支給品、ランダム支給品0~2、首輪×2(ヘンゼルとルーデウス)
[思考・状況]基本方針:殺し合いを止める。
0:リーゼロッテを倒す。
1:戦えぬ者達を守る。
2:シャルティアとゼオン、シュライバーは必ず止める。
3:絶望王(ブラック)とメリュジーヌと沙都子も強く警戒。
4:エリスという者を見付け、必ず守る。
[備考]
※クリア・ノートとの最終決戦直前より参戦です。
※魔本がなくとも呪文を唱えられますが、パートナーとなる人間が唱えた方が威力は向上します。
※魔本を燃やしても魔界へ強制送還はできません。
※藤木マーダーであることを知っています
【風見一姫@グリザイアの果実シリーズ(アニメ版)】
[状態]:疲労(大)、藤木に対する警戒。
[装備]:首輪探知機@現実
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2、首輪(サトシと梨花)×2、
ドレインシールド@遊戯王DM(夜中まで使用不可)
[思考・状況]基本方針:殺し合いから抜け出し、一姫の時代の雄二の元へ帰る。
0:リーゼロッテを処理する。
1:首輪のサンプルの確保もする。解析に使えそうな物も探す。
2:過去の雄二と天音の事が気掛かりだけど……。
3:藤木を警戒する。
[備考]
※参戦時期は楽園、終了後です。
※梨花視点でのひぐらし卒までの世界観を把握しました。
※フリーレンから魔法の知識をある程度知りました。
※絶対違うなと思いつつも沙都子が、皆殺し編のカケラから呼ばれている可能性も考慮はしています。
※藤木マーダーであることを知っています
[状態]:疲労(大)、藤木に対する警戒。
[装備]:首輪探知機@現実
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2、首輪(サトシと梨花)×2、
ドレインシールド@遊戯王DM(夜中まで使用不可)
[思考・状況]基本方針:殺し合いから抜け出し、一姫の時代の雄二の元へ帰る。
0:リーゼロッテを処理する。
1:首輪のサンプルの確保もする。解析に使えそうな物も探す。
2:過去の雄二と天音の事が気掛かりだけど……。
3:藤木を警戒する。
[備考]
※参戦時期は楽園、終了後です。
※梨花視点でのひぐらし卒までの世界観を把握しました。
※フリーレンから魔法の知識をある程度知りました。
※絶対違うなと思いつつも沙都子が、皆殺し編のカケラから呼ばれている可能性も考慮はしています。
※藤木マーダーであることを知っています
【木之本桜@カードキャプターさくら】
[状態]:疲労(中)、封印されたカードのバトルコスチューム、我愛羅に対する恐怖と困惑(大)、ヘンゼルの血塗れ、ヘンゼルとルーデウスの死へのショック(極大)、シュライバーへの恐怖(極大)「力」使用中
[装備]:星の杖&さくらカード×20枚(「風」「翔」「跳」「剣」「盾」「樹」「闘」「力」「幻」は確定)@カードキャプターさくら、斬月@BLEACH(破面編以前の始解を常時維持)
[道具]:基本支給品一式、ランダム品1~3(さくらカードなし)、さくらの私服
[思考・状況]
基本方針:殺し合いはしたくない
0:リーゼロッテを止めたいけど。
1:紗寿叶さんにはもう一度、魔法少女を好きになって欲しい。その時にちゃんと仲良しになりたい。
2:ロキシーって人、たしか……。
3:ルーデウスさん……
4:藤木さんの、さっきの目………
[備考]
※さくらカード編終了後からの参戦です。
※フリーレン達から斬月を譲渡されています。
※藤木マーダーであることを知っています
[状態]:疲労(中)、封印されたカードのバトルコスチューム、我愛羅に対する恐怖と困惑(大)、ヘンゼルの血塗れ、ヘンゼルとルーデウスの死へのショック(極大)、シュライバーへの恐怖(極大)「力」使用中
[装備]:星の杖&さくらカード×20枚(「風」「翔」「跳」「剣」「盾」「樹」「闘」「力」「幻」は確定)@カードキャプターさくら、斬月@BLEACH(破面編以前の始解を常時維持)
[道具]:基本支給品一式、ランダム品1~3(さくらカードなし)、さくらの私服
[思考・状況]
基本方針:殺し合いはしたくない
0:リーゼロッテを止めたいけど。
1:紗寿叶さんにはもう一度、魔法少女を好きになって欲しい。その時にちゃんと仲良しになりたい。
2:ロキシーって人、たしか……。
3:ルーデウスさん……
4:藤木さんの、さっきの目………
[備考]
※さくらカード編終了後からの参戦です。
※フリーレン達から斬月を譲渡されています。
※藤木マーダーであることを知っています
【金色の闇@TOLOVEる ダークネス】
[状態]:ダメージ(大)、疲労(大)、エネルギー残り(小)、美柑の前で絶頂したショック(超々極大)、
敏感、全裸、自暴自棄(極大)、自己嫌悪(極大)、グレーテルに惹かれる想い
[装備]:なし
[道具]:青眼の白龍(午前より24時間使用不可)
[思考・状況]
基本方針:……。
0:さくらに助力する。
1:グレーテルともう一度会えば…拒み切れる自信はない。
2:やっぱり、来てはくれないんですね、結城リト。
※ダークネスが解除されました。戦闘力も下がっています。
※ダークネスには戻れません。
※藤木マーダーであることを知っています
[状態]:ダメージ(大)、疲労(大)、エネルギー残り(小)、美柑の前で絶頂したショック(超々極大)、
敏感、全裸、自暴自棄(極大)、自己嫌悪(極大)、グレーテルに惹かれる想い
[装備]:なし
[道具]:青眼の白龍(午前より24時間使用不可)
[思考・状況]
基本方針:……。
0:さくらに助力する。
1:グレーテルともう一度会えば…拒み切れる自信はない。
2:やっぱり、来てはくれないんですね、結城リト。
※ダークネスが解除されました。戦闘力も下がっています。
※ダークネスには戻れません。
※藤木マーダーであることを知っています
【リーゼロッテ・ヴェルクマイスター@11eyes -罪と罰と贖いの少女-】
[状態]:ダメージ(大)、疲労(大)、虚無の石との接続不良(大よりの中 時間経過で回復)、再生能力低下、魔力出力減少、さくらに対する苛立ち
[装備]:モルガンの杖@Fate/Grand Order
[道具]:基本支給品、羽蛾のランドセルと基本支給品、寄生虫パラサイド@遊戯王デュエルモンスターズ(使用不可)
[思考・状況]基本方針:優勝する。
0:目の前の連中を皆殺し。特にさくら。
1:野比のび太、フリーレンは必ず苦しめて殺す。
2:ヴェラード、私は……。
3:絶望王ではなく、私こそが世界に終止符を打つ。
4:虚無の石との接続を 回復させる。
[備考]
※参戦時期は皐月駆との交戦直前です。
※不死性及び、能力に制限が掛かっています。
※幻燈結界の制限について。
発動までに多量の魔力消費と長時間の溜めが必要、更に効果範囲も縮小されています(本人確認済み)。実質、連発不可。
具体的には一度発動すると、12時間使用不可(フリーレン戦から数えて、夕方まで使用不可)
発動後、一定時間の経過で強制解除されます(本人確認済)。
※虚無の石との接続が初期化されました。時間経過や支給品によって回復しますが無尽蔵の魔力の制限と、再生能力が下落しています。
[状態]:ダメージ(大)、疲労(大)、虚無の石との接続不良(大よりの中 時間経過で回復)、再生能力低下、魔力出力減少、さくらに対する苛立ち
[装備]:モルガンの杖@Fate/Grand Order
[道具]:基本支給品、羽蛾のランドセルと基本支給品、寄生虫パラサイド@遊戯王デュエルモンスターズ(使用不可)
[思考・状況]基本方針:優勝する。
0:目の前の連中を皆殺し。特にさくら。
1:野比のび太、フリーレンは必ず苦しめて殺す。
2:ヴェラード、私は……。
3:絶望王ではなく、私こそが世界に終止符を打つ。
4:虚無の石との接続を 回復させる。
[備考]
※参戦時期は皐月駆との交戦直前です。
※不死性及び、能力に制限が掛かっています。
※幻燈結界の制限について。
発動までに多量の魔力消費と長時間の溜めが必要、更に効果範囲も縮小されています(本人確認済み)。実質、連発不可。
具体的には一度発動すると、12時間使用不可(フリーレン戦から数えて、夕方まで使用不可)
発動後、一定時間の経過で強制解除されます(本人確認済)。
※虚無の石との接続が初期化されました。時間経過や支給品によって回復しますが無尽蔵の魔力の制限と、再生能力が下落しています。