ダンゲロスSS上海
可愛くてごめん
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1
ジャニス・チャンの経営する中華料理店。
厨房に入った姫愛星が中華鍋を激しく振り、炎が立ち上がった。彼女はもうこの店のスタッフではないはずなのだが、かつて自分の料理を褒めてくれたカルミアと芽芽がこの店で話し合うと聞いて、張り切っているのだ。
厨房に入った姫愛星が中華鍋を激しく振り、炎が立ち上がった。彼女はもうこの店のスタッフではないはずなのだが、かつて自分の料理を褒めてくれたカルミアと芽芽がこの店で話し合うと聞いて、張り切っているのだ。
「最高の料理をお作りしますね」
厨房から愛星の甘ったるい声が店内に響く。カルミア、喬芽芽、そして大戦持A子が座るテーブルに次々と料理が運ばれてくる。
貧民街での死闘の末、陸飛燕を捕まえにきたジャニス一派と和解を果たした。
本来の目的であったA子から、ダイヤの盗難について情報を聞き出そうとしていた。
本来の目的であったA子から、ダイヤの盗難について情報を聞き出そうとしていた。
「A子様。当日の警備について詳しく教えてもらえますか?」
A子は申し訳なさそうに首を振った。
「す、すみません。じ、実は、あの日、寝坊しちゃって。当日は現場に行ってないから、何も知らないんです」
「それであんた見せしめのために魔幇に命を狙われてるの?このまま殺されると後味が悪いわね」
カルミアが同意の意思を示すように頷き、続けた。
「百年節のセレモニーに参加する予定ですの。そこで魔幇の上層部に交渉できないものか・・・・・・考えてみますわ」
「あ、ありがとうございます・・・・・・」
目を丸くして感謝の言葉を述べるA子。そこへ新たな料理を運んでくる姚 静梅。
三人は一度会話を止め、運ばれてきた料理に箸を伸ばす。愛星の料理を堪能する。
三人は一度会話を止め、運ばれてきた料理に箸を伸ばす。愛星の料理を堪能する。
店に置かれたテレビの音が大きくなり、三人はそちらに目をやった。
画面を見ると上海大賽実行委員会によるインタビューが行われていた。
画面から実行委員の一人である講知泉のハイテンションな声が響いてくる。インタビューを受けているのは大会の有力候補である劉炎嵐。
画面を見ると上海大賽実行委員会によるインタビューが行われていた。
画面から実行委員の一人である講知泉のハイテンションな声が響いてくる。インタビューを受けているのは大会の有力候補である劉炎嵐。
「あいつがダイヤを持ってるのよね」
芽芽が呟く。
「は、はい。で、でも、あの人から奪い取れる人がいるとは思えませんけど」
A子が小さく頷いた。
一同はまだダイヤの所持者が白髪黒羽に移っていることは認識しておらず、現在の所持者は劉炎嵐であると認識している。
一同はまだダイヤの所持者が白髪黒羽に移っていることは認識しておらず、現在の所持者は劉炎嵐であると認識している。
そして次の瞬間、劉炎嵐の声が店内に大きく響いた。
『違うっていうならよぉ…穴倉から出てこい!魔幇の大鼠!』
A子が口に含んでいた水を思い切り噴き出した。
A子が口に含んでいた水を思い切り噴き出した。
「な、な、な、何をいってるんですかあの人!?正気じゃないですよ!!」
A子が顔を真っ赤にして慌てふためき、カルミアと芽芽は静かにテレビを見つめていた。
劉炎嵐の宣言ははっきり言って無謀で馬鹿げて到底不可能なことだ。だが、同時にA子は彼の宣言を聞いて胸が熱くなるのを感じていた。
自分はああはなれない。上海で過ごしている間、成長したつもりであった。それでも魔幇のボスに喧嘩を売るなんて想像もつかない。というよりそんなことができるぐらいなら逃げ回ってなんていない。
でも、だからこそ彼のことを凄いと思った。A子には劉炎嵐が輝いて見えたのだった。
自分はああはなれない。上海で過ごしている間、成長したつもりであった。それでも魔幇のボスに喧嘩を売るなんて想像もつかない。というよりそんなことができるぐらいなら逃げ回ってなんていない。
でも、だからこそ彼のことを凄いと思った。A子には劉炎嵐が輝いて見えたのだった。
「お、お二人がなんとかしてくれること、そして無事を祈ってます」
A子の言葉に反応して芽芽が笑った。
「ふふん、任せなさい。私に任せれば大船に乗ったも同然よ」
芽芽が首元のチョーカーのハートを指で弾き、自信満々にそう言い放った。
2
魔幇TVのマスターコントロールルーム。薄暗い部屋の中央に、数十枚のディスプレイが格子状に並び、絶え間なく映像を映し出していた。ドラマの収録現場、天気カメラのライブフィード、衛星回線、すべてが同時に流れ、絶え間なく動いている。
「違うっていうならよぉ…穴倉から出てこい!魔幇の大鼠!」
その中でも一際大きなディスプレイに繰り返し映し出されているのは、録画された劉炎嵐の宣戦布告映像。
「アハハハハハハハ。おもしれー!ボスに喧嘩売るなんて正気じゃねえな、こいつ」
画面の前ではサメの着ぐるみを着た女性がそれを見て、腹を抱えて笑っていた。
画面の前ではサメの着ぐるみを着た女性がそれを見て、腹を抱えて笑っていた。
車吾空。表向きの姿は若くして多くのテレビ番組を成功に導いてきた魔幇TVの敏腕プロデューサー。
業界では誰も知らないものはいない実力者。
その実態は魔都上海の情報を支配する、魔幇『メディア』部門幹部である。
業界では誰も知らないものはいない実力者。
その実態は魔都上海の情報を支配する、魔幇『メディア』部門幹部である。
「知泉ちゃんがスタジオ貸してくれって言うから何かと思ったらさー、これなんだもん、アハハハハハハハハ」
「笑い事じゃありませんよ。背筋が凍るような思いだったんですから」
「笑い事じゃありませんよ。背筋が凍るような思いだったんですから」
隣に立つ講知泉が、顔を赤くして笑い続ける車吾空を苦笑いを浮かべながら、とがめる。
「またまたぁ〜、知泉ちゃんはあの時、興奮してたくせにさ。この画面を見れば分かるよ。『もしかしたらこいつなら本当にやっちゃうかも』って思ったんだろ。私がサメ映画を見てるときとおんなじだな。大丈夫、チクったりなんてしねえから安心しなよ」
「その例えはよく分かりませんけど、そうですね。確かにあの人の熱さを感じましたよ」
「その例えはよく分かりませんけど、そうですね。確かにあの人の熱さを感じましたよ」
講知泉が頷いた。劉炎嵐には彼なら何かをやってくれるとおもわせる熱いものがある。
「本当に面白えやつだよなあ。百年節セレモニーの準備で忙しい時に仕事を増やしてくれてよ。最高だよ。アハハハハハハッ」
百年節のセレモニーは世界中から数多くのVIPを集め開催される、魔幇の威信を賭けたイベントである。
当然セレモニーは魔幇TVから上海全域に生中継される。さらにネットを利用した全世界同時配信。
メディア部門は総動員状態。猫の手も借りたい忙しさであった。
当然セレモニーは魔幇TVから上海全域に生中継される。さらにネットを利用した全世界同時配信。
メディア部門は総動員状態。猫の手も借りたい忙しさであった。
「さて、私はこれからボスの命令で、こいつの賞金を上海中に公布する番組を作成するわけだが」
吾空の目の前には台本が置かれている。
『劉炎嵐への賞金首番組(仮)』
『劉炎嵐への賞金首番組(仮)』
「普通に考えたら、魔幇の刺客からは生き残れねえよな」
ダイヤの警備をしていた連中の大半が物言わぬ屍に代わったように。
「けどよお、劉炎嵐。お前はそんなつまんねーやつじゃねえよな。」
皮肉ではなく心の底から劉炎嵐に感心していた。魔幇に所属する個人間での揉め事はあるがボスに喧嘩を売るようなやつは吾空が知る限り存在しなかった。もちろん吾空が歴史を全て知っているわけではないが、それは最早昔の出来事でしかない。
「私も熱に浮かされちまったか?私にサメ映画より面白いもんを見せてくれると信じてるぜ。やってみろよ」
3
「喰らえ!魔幇幹部奥義ーーーー!!」
「おととい来やがれ!!!」
「うぎゃあああああああ」
「おととい来やがれ!!!」
「うぎゃあああああああ」
劉炎嵐の拳が奥義を放とうとした魔幇メッド=アライJrの顔面にめり込み、背後の壁まで吹き飛ばした。
魔幇メッド=アライJrはそのまま白目をむいて気を失った。
魔幇メッド=アライJrはそのまま白目をむいて気を失った。
宣戦布告をしたあの日から、ボスの指令を受けた魔幇の構成員や幹部、さらには賞金目当ての解決屋がひっきりなしに襲ってくるのだが、劉炎嵐はその全てを返り討ちにしていた。
さらに襲ってきた身の程知らずを数人返り討ちにしたあと、事務所に戻った劉炎嵐は机の上に置かれた封筒をにらんでいた。
百年節のセレモニーへの招待状。
百年節のセレモニーへの招待状。
「・・・・・・どういうつもりだ、あいつら!何のつもりで俺にこんなもんを送ってきたんだ」
「それはホェンちゃんが今の上海覇者だからだと思うよ。セレモニーに上海覇者がいなかったら、魔幇の面子が丸潰れじゃん」
「それはホェンちゃんが今の上海覇者だからだと思うよ。セレモニーに上海覇者がいなかったら、魔幇の面子が丸潰れじゃん」
モニター越しに劉炎嵐の相棒であり、上海きっての情報屋・王双葉が答えた。
「じゃあ今みたいに事前に襲ってくるのはいいのかよ!!」
「ホェンちゃんが倒れたら、タイトルマッチに勝ったということにしてそいつが新しい上海覇者ってことでしょ。来なかったら来なかったで、『大口叩いておいてびびって逃げた臆病者』ってレッテル貼るつもりだろうし」
「どう見ても参加者じゃないやつもいただろうが!?」
「そこはどうにでもなりそうだからねえ。メディアだって支配してるんだし情報操作で参加者だったことにしちゃうつもりだよ」
「ホェンちゃんが倒れたら、タイトルマッチに勝ったということにしてそいつが新しい上海覇者ってことでしょ。来なかったら来なかったで、『大口叩いておいてびびって逃げた臆病者』ってレッテル貼るつもりだろうし」
「どう見ても参加者じゃないやつもいただろうが!?」
「そこはどうにでもなりそうだからねえ。メディアだって支配してるんだし情報操作で参加者だったことにしちゃうつもりだよ」
「罠だよな」
「当然だと思うよぉ。」
「当然だと思うよぉ。」
「罠だろうと関係ねえな。あいつらのボスに俺の怒りをぶつける最高の舞台をあいつらが用意してくれるってんだ。邪魔するやつはぶっ飛ばすだけだ」
劉炎嵐が拳を握りしめ、笑った。
「そうだよね、流石ホェンちゃん」
劉炎嵐は窓の外を見た。上海の夜空に、百年節の花火の試験点火が小さく弾けている。
「そっちが来いって言うなら望み通りいってやるよ」
ボスを倒す。衆人環視の場でそうなれば、最早何も言えないはずだ。
セレモニーの場で全てを燃やし尽くす。
その決意だけが、劉炎嵐の胸に熱く灯っていた。
その決意だけが、劉炎嵐の胸に熱く灯っていた。
4
占術師飛星の隠れ家。一件上海のどこにでもありそうな住宅であるこの場所で一つの戦いが繰り広げられていた。
「ば、バカなああああああ。あり得ません。この私の完璧な占いが破られるなんて」
筮錘推命を破られ、苦し紛れに細身で背の高い丸眼鏡の男が放った筮錘は巨大なヨウスコウアリゲーター、スパイクの身体を捉えることはなく、むなしく空を切った。
そして、ワニの身体が男の前に迫ると、その牙が彼の喉笛を捉えたのだ。
そして、ワニの身体が男の前に迫ると、その牙が彼の喉笛を捉えたのだ。
「ぎゃあああああああああ」
そして、断末魔の叫びをあげるとそのまま生命活動を停止した。
今、倒されたこの男は表向きは路地裏で辻占いを行う高校生に人気の占術師であり、その実態は、魔幇の諜報幹部であった飛星。
表では人々に親身で優しい占い師の顔を持ちながら、裏では人々の運命を弄ぶこの邪悪な男は魔幇のボスの命令を受け、恋辻メーメーの家族を奪い取った敵であった。
今ここに復讐は成し遂げられた。
表では人々に親身で優しい占い師の顔を持ちながら、裏では人々の運命を弄ぶこの邪悪な男は魔幇のボスの命令を受け、恋辻メーメーの家族を奪い取った敵であった。
今ここに復讐は成し遂げられた。
だが、『透明ワニ』スパイクと恋辻メーメーの復讐はこれで終わりではない。
飛星が持っていた情報から、魔幇のボスである五爪の翁が史上初めて公の前に姿を現すことが分かったのだ。
かつてメーメーの家族を奪った全ての元凶である魔幇のボス。彼女が復讐すべき最大の敵。
普段は、公の場に全く姿を表さない男が、百年節のセレモニーに登場する予定なのだ。
かつてメーメーの家族を奪った全ての元凶である魔幇のボス。彼女が復讐すべき最大の敵。
普段は、公の場に全く姿を表さない男が、百年節のセレモニーに登場する予定なのだ。
全ての元凶である魔幇のボスを倒すため、百年節パーティの襲撃計画を立てる一人と一匹。
復讐のために魔幇《モーパン》が取り仕切る高級デリバリーサービスの人気嬢となったメーメーはコンパニオンとして、百年節に派遣される予定だった。
復讐のために魔幇《モーパン》が取り仕切る高級デリバリーサービスの人気嬢となったメーメーはコンパニオンとして、百年節に派遣される予定だった。
(セレモニーに魔幇のボスが現れるっていうんならちょうどいいよね。私達で復讐をやり遂げよう、スパイク)
(そうだねメーメー。僕も最後まで協力するよ)
爬虫類とテレパシー会話することができる魔人能力、鱗語交流《リンゴトーク》でスパイクと会話をするメーメー。
5
百年節セレモニー当日。
雲一つない綺麗な青空が上海の空を高く澄み渡らせていた。
黒塗りの高級車が次々と、特別に解放された魔幇のアジトの駐車場に滑り込んでいく。
豪勢なドレスやタキシードに身を包んだ男女が次々と車から降りてくる。
黒塗りの高級車が次々と、特別に解放された魔幇のアジトの駐車場に滑り込んでいく。
豪勢なドレスやタキシードに身を包んだ男女が次々と車から降りてくる。
会場として特別に解放された魔幇のアジトには世界中からVIPが集まっていた。
上海が誇る伝説的アクションスター、ジェット・ワン。彼と双璧をなす伝説のアクション俳優チャッキー・リン。一流上海人である格付けマスター。芸能界を彩るスター達。そして政治・金融・闇社会―――あらゆる分野における世界的な要人達が一堂に会していた。
魔幇のアジトの所在地については以前から知られている。それでも鉄壁の警備と上海にいる誰もが魔幇の威光を恐れるが故にここに踏み込もうとする愚者はほとんど存在しなかった。
イギリスから招待された令嬢であるカルミア・チャムリーもまた、その一人であった。彼女の護衛である喬芽芽を引き連れて、魔幇のアジトに入場していた。
黒とピンクのフリルワンピース、厚底ブーツ、ピンクのグラデーションのツインテール。
普通のセレモニーであれば芽芽の服装は場違いであるが、魔幇の主催するこのセレモニーでは、明確なドレスコードを設定していない。魔幇の所属者である魔人には、奇矯な服装をするものも珍しくはないからである。
故に、地雷系ファッションに身を包んだ芽芽の服装も咎められることはなかった。
普通のセレモニーであれば芽芽の服装は場違いであるが、魔幇の主催するこのセレモニーでは、明確なドレスコードを設定していない。魔幇の所属者である魔人には、奇矯な服装をするものも珍しくはないからである。
故に、地雷系ファッションに身を包んだ芽芽の服装も咎められることはなかった。
それどころか、要人達を接待するコンパニオンたちの中でも、彼女たちの姿は一際目立っていた。
彼女の通称である「太可愛了」が示すように芽芽は事実としてかわいいのである。
彼女の通称である「太可愛了」が示すように芽芽は事実としてかわいいのである。
「ひどく注目されてますわよ」
「当然でしょ。だって、私は世界一かわいいんだもの」
「当然でしょ。だって、私は世界一かわいいんだもの」
カルミアの言葉を受けて、芽芽は得意げにチョーカーのハートを指で弾いた。
二人が会場内を歩いていると、芽芽たちは知っている顔を見かけた。
二人が会場内を歩いていると、芽芽たちは知っている顔を見かけた。
「あら、亀岩じゃない。久しぶりじゃない」
声をかけた先にいたのは郭亀岩であった。【点心會】は上部組織である魔幇の命令により、セレモニーの警備に駆り出されていたのだ。
「なんだ、芽芽か。・・・・・・ホテルの事件依頼か?久しぶりだな」
「私もいますわよ」
「私もいますわよ」
カルミアが会釈をする。亀岩が少し疲れたような様子で挨拶を返す。
彼とはジェット・ワンの新作発表会で会場がジャングル化する事件に巻き込まれた仲だ。
だが、亀岩の姿はあの時と比べて、心なしかやつれているように見えた。
彼とはジェット・ワンの新作発表会で会場がジャングル化する事件に巻き込まれた仲だ。
だが、亀岩の姿はあの時と比べて、心なしかやつれているように見えた。
芽芽が口元に指を当て、悪戯っぽく微笑む。
「あのときみたいに事件に巻き込まれたりして。ほら、劉炎嵐がテレビでボスに喧嘩売ってたでしょ?」
「勘弁してくれよ。ここであんな変なトラブルが発生したら俺が処罰されちまうだろ。ダイヤを盗まれた連中みたいにはなりたくねえよ」
「勘弁してくれよ。ここであんな変なトラブルが発生したら俺が処罰されちまうだろ。ダイヤを盗まれた連中みたいにはなりたくねえよ」
高層ビルのスクリーンに映し出された積み重ねられた警察官やマフィアの死体のことを思い浮かべ、亀岩が身震いする。
「ふふん、大丈夫よ。何せ世界一かわいい私がいるんだから。トラブルなんてあっさり解決♪なんてね」
芽芽が首元のチョーカーのハートを指で弾き、自信満々に胸を張る。
「そういえば、あんたあの娘はどうしたのよ?今日は一緒じゃないの?」
亀岩の表情が芽芽の言葉に一瞬凍り付いた。
「・・・ああ桃猫か。あの後色々あってな」
亀岩は礼拝堂での出来事について語り始めた。
が双喜についていったまま行方不明になった桃猫について説明した。
桃猫の正体が人間ではなく【ウーズ】であること。彼女が亀岩の孤児仲間であった玲紗であったこと。
彼女を拒絶するつもりはなかったが、「化け物でごめんなさい」と言われ、逃げられてしまったこと。
そして、双喜と共に行方をくらましたこと。
彼女を拒絶するつもりはなかったが、「化け物でごめんなさい」と言われ、逃げられてしまったこと。
そして、双喜と共に行方をくらましたこと。
「何で追いかけないのよ。こういうときはお姫様を追いかけるって言うのが相場でしょうが」
「あの時はあいつの拒絶が強すぎた、それにあの後追いかけたんだよ。【点心會】の仲間にも協力を頼んだ。けど目撃情報を追いかけてもいつも一歩遅かった」
「あの時はあいつの拒絶が強すぎた、それにあの後追いかけたんだよ。【点心會】の仲間にも協力を頼んだ。けど目撃情報を追いかけてもいつも一歩遅かった」
「俺はあいつが何者かなんてどうでもいいんだよ。人間じゃなくても、関係ねえ。絶対に二度とあんな顔させたくねえんだ」
「良い心がけよ。あんた。そうよ、外見も何も関係ないわ。私は私であるだけでかわいい。それが世界の真理よ」
「いや何の話だよ。お前の話はしてねえよ」
「いや何の話だよ。お前の話はしてねえよ」
亀岩が呆れたように呟くと、カルミアが堪えきれずに小さく笑う。
芽芽の言葉とともに張り詰めた雰囲気が弛緩していた。
芽芽の言葉とともに張り詰めた雰囲気が弛緩していた。
そして、芽芽とカルミアは立ち去っていった。
二人には言わなかったことがある。
なぜ、亀岩は警備を引き受けたのか。
警備の任務は【点心會】の仲間に任せて自分は桃猫を探し続けるという選択肢がないではなかった。
警備の任務は【点心會】の仲間に任せて自分は桃猫を探し続けるという選択肢がないではなかった。
――桃猫は、必ずここに来る。
亀岩はそう確信していた。
双喜の目的は「業突く張り」を集めること。
双喜が桃猫を連れていったのもそのためだ。
双喜が桃猫を連れていったのもそのためだ。
上海で最も欲望が渦巻く場所はどこなのか。
それは当然、今日のセレモニーに他ならない。
それは当然、今日のセレモニーに他ならない。
だから、逸る気持ちを抑えつつ、愛する少女を待ち続けていた。
6
双喜と桃猫のパート。セレモニーの会場に溢れる欲望を肯定する双喜。
7
本来のダイヤの所持者である『万事屋』白髪黒羽と日ノ御子神楽の登場。
「魔幇が威信をかけたイベントっていうだけあって流石に豪華なメシだな」
会場に用意された料理を食べながら、周囲を見渡す黒羽。
「そうですね。マフィアの主催するイベント」
「あいつらだって後ろ暗い部分を見せたりはしねーだろ」
「あいつらだって後ろ暗い部分を見せたりはしねーだろ」
8
拳狐の登場。何かする。
9
会場で食事をする張三と魔幇のボスの登場に備える希美。
10
様々な参加者達の思惑の中、百年節のセレモニーは滞りなく進んでいく。
弦楽四重奏が奏でるクラシックのしらべが流れる荘厳な雰囲気の中、司会を任された男が告げる。
「皆様お待たせいたしました。今日の主賓である我らがボスの入場です」
その言葉とともに音楽が止まった。そして、メイン会場全体に重く響く銅鑼の音が鳴り響いた。そして、中華服を着た男達によってゆっくりと重厚な扉が開かれた。
斯くして、現れたのは一人の老人であった。
髪を短く切り揃え、黒い丸眼鏡。長い髭を生やした顔中に刻まれた深い皺は、老いではなく、長く組織を統べてきた歴史を感じさせるものであった。
圧倒的な体躯は未だ強い生命力を誇り、わずかに腰が曲がり杖をついている老人であることを感じさせない。
髪を短く切り揃え、黒い丸眼鏡。長い髭を生やした顔中に刻まれた深い皺は、老いではなく、長く組織を統べてきた歴史を感じさせるものであった。
圧倒的な体躯は未だ強い生命力を誇り、わずかに腰が曲がり杖をついている老人であることを感じさせない。
五爪の翁。本来中国の皇帝にしか許されない五爪の龍を背中に背負い、支配者を僭称する男。長く公の場に姿を現すことのなかった魔幇のボスが百年節の場に姿を現したのだ。
彼が一歩を踏み出すとともに、会場に集められた全ての要人や魔幇の構成員達が自然と息を呑んだ。誰も声を上げることはなく、ただただ老人の姿をそのまま見守っている。
老人がゆっくりと壇上に向かっていく。大理石の床に杖の音が、規則正しく響いた。
それはまるで老人自ら奏でる行進曲のようであった。
老人がゆっくりと壇上に向かっていく。大理石の床に杖の音が、規則正しく響いた。
それはまるで老人自ら奏でる行進曲のようであった。
そして老人は壇上に用意された豪奢な椅子に座った。豪奢な椅子の周囲に待機していた側近達が恭しく礼をする。
それが合図だったかのように観衆達からは自然と拍手が湧き上がり、波のように広がっていった。
五爪の翁の魔人能力、『龍飛九天:雲従其志』を使うまでもなく、その場にいたほとんどのものが五爪の翁に従う意思を示したのだ。
それが合図だったかのように観衆達からは自然と拍手が湧き上がり、波のように広がっていった。
五爪の翁の魔人能力、『龍飛九天:雲従其志』を使うまでもなく、その場にいたほとんどのものが五爪の翁に従う意思を示したのだ。
11
五爪の翁を讃える雰囲気を破るように劉炎嵐の登場。静まりかえる会場。
「・・・ククク・・・貴様か。儂に喧嘩を売った小童は?」
炎嵐の姿を認め、翁は笑った。
「そうだ」
「ならば、貴様のために面白い余興を開催してやろう。おい、小娘」
翁が指を鳴らすと上海大賽の実行委員の一人である講知泉が姿を現した。
ボスを前にして粗相があってはならないと緊張しているようだ。
ボスを前にして粗相があってはならないと緊張しているようだ。
「えー、セレモニーにお集まりのみなさん。我らが偉大なるボス五爪の翁様の計らいにより。ここで現在『上海覇者』に指名されているの称号を賭けたタイトルマッチの開催を宣言します」
知泉の宣言を聞き、アジトの中で歓声が湧き上がった。そしてアジトの中の劉炎嵐の周囲から壁がせり上がってくる。
即席の闘技場である。どういうギミックかは知らん。深く考えるな。
即席の闘技場である。どういうギミックかは知らん。深く考えるな。
そして、劉炎嵐への刺客として入場してきた前回の上海大賽の優勝者である前上海覇者藺烏黒こと『趙賓』藺駑門客。魔幇四天王の一人でもある男顔負けのシラット使いの実力派格闘技アイドル『東海龍王』瑤瑤、魔幇の武闘派幹部であり、秘宗拳の使い手『強撃』向晨光、その他、上海大賽の参加者達である魔幇の構成員達。魔幇のボスである五爪の翁の目の前で上海大賽の最後の戦いをこの場で始めようというのだ。
「ふざけやがって。気にくわねえ。てめえならいくらでも魔幇をいい方向へ持っていけただろらん藺駑門客」
「お主は儂を買いかぶりすぎよ。儂は駑門客。駑なる門客に過ぎん」
「元よりこの宝の護衛はこの藺が仰せつかった大事な役目じゃ。儂がお主からアレを取り戻そうというのは当然の帰結よ」
清王朝のダイヤは魔幇の秘宝。
「アレだったら人に譲っちまった。今は持ってねえな」
「まあいい。ならばお主から今の持ち主を聞き出せばいいだけよ」
「まあいい。ならばお主から今の持ち主を聞き出せばいいだけよ」
藺駑門客が掌底を放つ。炎嵐がこれを回避する。
そこへ瑤瑤が低姿勢の構えから蹴りを放った。彼女のフリフリのピンクチェック柄アイドル衣装のスカートがふわりと浮かび上がる。彼女の攻撃は魔人能力『ETERNAL WIND~ほほえみは光る風の中~』により必中能力であり距離を無視して攻撃できるため、炎嵐の顔面に直撃した。
そこへ瑤瑤が低姿勢の構えから蹴りを放った。彼女のフリフリのピンクチェック柄アイドル衣装のスカートがふわりと浮かび上がる。彼女の攻撃は魔人能力『ETERNAL WIND~ほほえみは光る風の中~』により必中能力であり距離を無視して攻撃できるため、炎嵐の顔面に直撃した。
さらに向晨光がその異名の元である強撃を放った。一撃必殺の精神を込めた強い一撃をなんとか炎嵐は回避する。
「やれー!殺せー!」
ワイングラスを片手に盛り上がる観衆達。
多勢に無勢である劉炎嵐。だが―――
「上海大賽の優勝者を決めようというのなら己を忘れてもらっては困る」
魔幇の構成員の一人を吹き飛ばし、乱入する拳狐。
「おぬしらのやり方が気に食わん。それにおぬしについた方が面白そうだ。故に己はおぬしの方につくぞ劉炎嵐」
さらに新たな乱入者。白髪黒羽だ。
「えっ万事屋さん?」
いつの間にか隣からいなくなっていた黒羽に驚きつつ、乱入した彼女に目をやる。
「アタシは上海大賽の参加者じゃないが、参加させてもらってもかまわねーよな。
何せ、アンタらが御所望のダイヤとやらはアタシがもってるんだからな」
何せ、アンタらが御所望のダイヤとやらはアタシがもってるんだからな」
黒羽がダイヤを取り出し、その場にいた観衆達に見せつける。
劉炎嵐と拳狐そして、白髪黒羽が協力して、刺客達に立ち向かう。
そして一瞬にして有象無象達は蹴散らされた。
そして一瞬にして有象無象達は蹴散らされた。
残された藺駑門客、瑤瑤、向晨光。それと対峙する劉炎嵐と拳狐そして、白髪黒羽。
「瑤瑤の攻撃は避けられないよ」
肘打ち、掌底、足払い。シラットの技を次々と当てていく瑤瑤。
距離を取っても無駄だった。魔人能力によって距離に関係なく瑤瑤はヒットする。
距離を取っても無駄だった。魔人能力によって距離に関係なく瑤瑤はヒットする。
魔幇の首領がお忍びで敏腕アイドルプロデューサーとして育てた実力派格闘技アイドル。
上海のトップである事にこだわる五爪の翁がアイドルのプロデュースにおいても頂点に立てると育成したのが彼女であった。
上海のトップである事にこだわる五爪の翁がアイドルのプロデュースにおいても頂点に立てると育成したのが彼女であった。
向晨光が拳を振るう。強撃をぬきにしても拳法の達人である男は油断ならぬ強敵であった。
激闘の末、劉炎嵐と拳狐と黒羽が勝利し、改めて五爪の翁に宣戦布告をする。
決戦が始まる。
決戦が始まる。
12
五爪の翁と劉炎嵐達の決戦が始まると思われたその時、会場内に異変が起こる。
会場内に突如乱入する二人組が現れたのだ。
双喜と桃猫であった。
双喜と桃猫であった。
「みなさん。こんにちは。百年節のダブル・ハピネス・キャンペーン担当、双喜です。最後のダブル・ハピネス・キャンペーンのスタートを宣言します!!」
ダブルピースと満面の笑みと共に双喜が宣言する。
「さあ、みなさん。私と清王朝のダイヤ、二つのお宝をゲットしましょうね」
隣にいる桃猫のことを本物の清王朝のダイヤであるように唄う双喜。
会場がざわめく。
「どういうことだ」
「どちらが本物のダイヤなんだ」
「どちらが本物のダイヤなんだ」
黒羽のダイヤと合わせてなぜかダイヤが二つ存在するという状況に混乱する会場。
片方は偽物に違いない。
どちらが本物の清王朝のダイヤなのか。
片方は偽物に違いない。
どちらが本物の清王朝のダイヤなのか。
警備の魔人達が一斉に動き出したその中。
その一瞬の隙をついて―――
その一瞬の隙をついて―――
(今だよ、スパイク!)
メーメーの合図とともに、アジトの地下から10mはあろうかと思われる巨大な乳白色のワニ、スパイクが姿を現した。
キャラ設定には5mと書いてあるが多分成長期なのだろう。
キャラ設定には5mと書いてあるが多分成長期なのだろう。
五爪の翁を襲撃するスパイク。だが、五爪の翁は全く動じなかった。
「この程度で殺せると思われるとは、儂も侮られたものだな」
掌底を一閃。スパイクの巨体はそのまま弾き飛ばされた。
奇襲は失敗。スパイクはなんとかひとまず撤退する。
奇襲は失敗。スパイクはなんとかひとまず撤退する。
引き続き会場の混乱は続いている。
そんな中、亀岩が双喜の前に出る。
「桃猫を返せ!」
「別に無理矢理連れて行ったわけじゃないですし、返せと言われる筋合いはありません!」
「別に無理矢理連れて行ったわけじゃないですし、返せと言われる筋合いはありません!」
あくまでも同意の上であると主張する双喜。
「でもお兄さんの欲望は素晴らしいですね!ぜひ、告白するべきです!」
「ですが、ですが。立ちはだかる障害が大きい方が欲望もさらに燃え上がるというものではないでしょうか!」
双喜もエネルギーを見切り、亀岩の攻撃を回避。
激しい戦いを繰り広げる亀岩と双喜。
激しい戦いを繰り広げる亀岩と双喜。
「告白の邪魔をするのはやめなさい」
芽芽が厚底ブーツで地面を蹴り、二人の戦いに乱入した。ツインテールの髪がふわりと揺れ、フリルのスカートが翻る。
「貴方の欲望もいいですね。自分が世界一カワイイなんて強欲すぎる美少女さん」
「ふふん。誉めなさい。誉めなさい。私が世界一カワイイなんて当たり前のことなのよ。まあ、あんたもかわいいわね。私ほどじゃないけどね」
「ふふん。誉めなさい。誉めなさい。私が世界一カワイイなんて当たり前のことなのよ。まあ、あんたもかわいいわね。私ほどじゃないけどね」
二人が戦いを始める中、桃猫の方に走る亀岩。
「桃猫!」
後ずさる桃猫。
「来ないでアル。亀岩」
だが、亀岩は桃猫の言葉を無視して立ち止まらず、さらに距離を詰める。
そして、桃猫が拳銃を突き付ける。別れたときの再現だった。
そして、桃猫が拳銃を突き付ける。別れたときの再現だった。
「撃てよ。俺はお前にだったら殺されたって構わねえ」
そういうと、亀岩が自分にかけていた玄武印を解除した。
「正気アルか?」
「あの時の俺は覚悟が足りなかった。だから、あの時、お前にあんな顔をさせちまったんだ。今度は絶対にお前を離さない。俺はお前に殺されたってお前への愛を貫くぞ」
「あの時の俺は覚悟が足りなかった。だから、あの時、お前にあんな顔をさせちまったんだ。今度は絶対にお前を離さない。俺はお前に殺されたってお前への愛を貫くぞ」
拳銃を取り落とす桃猫。
「でも、亀岩を騙していたバケモノの私に隣にいる資格なんて……」
「資格なんてどうでもいい」
「資格なんてどうでもいい」
「俺はお前が好きだ。
資格なんてそれだけで十分だろ」
「亀岩……」
資格なんてそれだけで十分だろ」
「亀岩……」
亀岩は桃猫を抱き締めた。
「俺はお前が好きだ。ずっと一緒にいよう」
「……私も……大好きアル……」
桃猫が震える声で呟いた。
「いやあ素晴らしい。感動な光景でしたね」
芽芽のキックをその場で跳び跳ねて回避しながら、二人の顛末に拍手をする双喜。
「あんた敵なの?味方なの?」
「私は常に欲望の味方ですが、なにか疑問点でも?」
「私は常に欲望の味方ですが、なにか疑問点でも?」
なにもおかしなところはないといいたげに双喜が答えた。
なお、この光景は全世界中継に映し出されていた。
ネットの海の中で永遠に残ることだろう。
ネットの海の中で永遠に残ることだろう。
13
その後色々あって、五爪の翁との戦いの前に、最古参幹部である七鴉翁とのバトルが始まる。七つの能力を駆使して戦う七鴉翁。
立ち向かう張三と希美。その他。
戦いの中明らかになる出来事。本当の張三は既に死んでいる。五・三〇事件の時、能力を暴走させ、生み出した鉄の龍で多くの命を奪い取ったときに。何らかの方法でこの時作ったテツの龍に精神を憑依させ、生み出された幻覚的な存在が今の張三である。
今の彼はクラムと同じ幻の存在である。
今の彼はクラムと同じ幻の存在である。
張三の本名は張 三豊。道教を学び不老長寿の術を得た彼は、少林寺で修行した後、太極拳を生み出した仙人であった。
その後、張无忌、カリー・魔幣や七鴉翁とともに宗教組織であった『魔幣』を破り、現在に至る魔都の支配者『魔幇』を設立したのであった。
その後、張无忌、カリー・魔幣や七鴉翁とともに宗教組織であった『魔幣』を破り、現在に至る魔都の支配者『魔幇』を設立したのであった。
張三李四という言葉がある。張氏の三男と李氏の四男を指し、ごくありふれた一般人を意味する。
張三は本当の名前を捨て、魔幇の後継者の道を捨て、ただの一般人となる道を選んだのだ。
張三は本当の名前を捨て、魔幇の後継者の道を捨て、ただの一般人となる道を選んだのだ。
張三は相打ちにより、七鴉翁を倒すと、キラキラと輝きながら張三は消えていく。消えないでほしいという希美に対して張三は感謝の言葉を残しながら消滅した。
14
七鴉翁が倒れ、五爪の翁とバトルが始まる。
「跪け」
その言葉とともにカルミアが膝をついた。戦闘能力を持たない彼女は五爪の翁に逆らうことはできなかった。
メーメーも同じように五爪の翁に対して跪いた。
メーメーも同じように五爪の翁に対して跪いた。
「儂に忠誠を誓うな?」
「はい。私は貴方に忠誠を誓いますわ」
「はい私も従います」
「はい。私は貴方に忠誠を誓いますわ」
「はい私も従います」
カルミアもメーメーも忠誠の言葉を翁に告げた。
(メーメー、どうしちゃったの?)
スパイクは混乱していた。あれほど憎い敵であったはずの魔幇のボスに対して親友が突然従い始めたのだ。
メーメーの姿は演技とは思えない。
メーメーの姿は演技とは思えない。
(スパイクも翁様に従うべきだよ)
五爪の翁の魔人能力の効果である。
彼の声を耳にしたものは心の底からの忠誠を誓うようになる。
五爪の翁に対して一定以上の強さを持たないものは戦いの場に立つこともできない。
彼の声を耳にしたものは心の底からの忠誠を誓うようになる。
五爪の翁に対して一定以上の強さを持たないものは戦いの場に立つこともできない。
「小娘。お主の主人は儂に忠誠を誓ったぞ、お主はどうだ?」
「ふざけてるの?従うわけないでしょ。あんたの魔人の力なんでしょうけど、かわいくない能力ね」
「ふざけてるの?従うわけないでしょ。あんたの魔人の力なんでしょうけど、かわいくない能力ね」
芽芽が吐き捨てるように言った。
私はカワイイ。カワイイから褒められる。褒められると嬉しい。賞賛されると気分が良くなる。
だけどそれは
彼女の陰口を言う誰かの心を無理矢理変えて芽芽を賞賛させても、何も嬉しくない。
私はカワイイ。カワイイから褒められる。褒められると嬉しい。賞賛されると気分が良くなる。
だけどそれは
彼女の陰口を言う誰かの心を無理矢理変えて芽芽を賞賛させても、何も嬉しくない。
「儂を畏れぬか、小娘。蛮勇を振るうのも相手を選ぶべきだぞ」
「見解の相違ね。あんたは可愛くないを通り越して醜悪すぎるわ。世界一カワイイ私が負けるわけがないでしょう」
「見解の相違ね。あんたは可愛くないを通り越して醜悪すぎるわ。世界一カワイイ私が負けるわけがないでしょう」
魔幇を巡る最後の決戦にふさわしい激しい戦いが繰り広げられている。
とても老人のものとは思えない動きを見せる五爪の翁。
とても老人のものとは思えない動きを見せる五爪の翁。
最終的に芽芽が五爪の翁を倒して決着。世界中にセレモニーが配信される中、魔幇のボスの凋落が今示されたのだ。
15
五爪の翁を倒した一同。強者と戦うことを望む拳狐によって、拳狐VS劉炎嵐VS芽芽が勃発する。
「感謝しているが、強者と戦いを望むが故にダイヤの騒動を煽ろうとしていたあんたが気にくわねえ」という炎嵐。
激しい戦いが繰り広げられた。
外では、百年節を記念する花火が夜空に打ち上げられていた。
エピローグ
ボスにならないかと言われるが、芽芽はそんな柄じゃないと辞退する。「みんなに崇められるのは当然だし、気持ちがいいけどね」
と芽芽。
ボスにならないかと言われるが、芽芽はそんな柄じゃないと辞退する。「みんなに崇められるのは当然だし、気持ちがいいけどね」
と芽芽。
最終的に魔幇の新しいボスに担ぎ上げられる劉炎嵐。
カルミアは後援者として偉い感じになる。ダイヤは色々あって最終的に芽芽のものになります。
ボスが替わったのでA子にかけられた指名手配的なやつは解除されることになった。
飛燕に別れを告げ、日本に帰国しようとするA子。
飛燕に別れを告げ、日本に帰国しようとするA子。
カルミアと芽芽が何かいい感じの会話をします。
こうしてダイヤを巡る騒動は終わりを告げた。
Ex
死神です。私は参戦が間に合いませんでしたが、魔幇のアジトでの騒動も終わり、百年節が終わりを告げようとする中、魔都上海で新たな騒動が巻き起こりました。
突如、上海上空3600kmの地点に現れた巨大な人工天体「都市捕獲用無人衛星(仮)」。
アルクトゥールス星で設計、建造された人工天体は上海の街をそのまま地球から宇宙に持ち去ろうと牙をむきました。
アルクトゥールス星で設計、建造された人工天体は上海の街をそのまま地球から宇宙に持ち去ろうと牙をむきました。
混乱する上海の街と人々。立ち向かうのは我らが下山アンドロメダ師匠とわたし、そして新生魔幇の面々。
そして敵か味方か。宇宙規模の裏で暗躍する人類管理AIストレリチア。
そして敵か味方か。宇宙規模の裏で暗躍する人類管理AIストレリチア。
地球から切り離された上海の街を舞台に都市捕獲用無人衛星との新たな戦いが始まりました。
そして、ここでは真に驚くべき戦いが繰り広げられたのですが、この余白は全てを語るには狭すぎました。
この話を語るのは別の機会になるでしょう。
それではまた別のキャンペーンでお会いしましょう。
この話を語るのは別の機会になるでしょう。
それではまた別のキャンペーンでお会いしましょう。
P.S.この衛星って高いんですね。借金、全部返済できました。