ダンゲロスSS上海
Aルートプロローグ
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dangerousss_shanghai
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Aルートプロローグ『scramble』
「……ん?どうした、2階に用かい?解決屋なら出払ってるよ」
「あぁ、アタシぁただのしがない家主さ」
「なんで解決屋が事務所に居ないのかって?アンタも知ってんだろ?例の事件のおかげで、今はどこもかしこも大忙し。みんなダイヤを探してんだよ」
「そりゃ、ダイヤ探す理由なんて色々さ。誰かの依頼を受けてダイヤを探してるやつ。依頼は受けてないけど勝手に動いてるやつ。魔幇の命令で動いてるやつ。復讐が動機のやつ。それぞれの事情で動いてるってわけさ」
「そうさねぇ、一人でやってる奴もいりゃ、徒党を組んでる奴もいる。手広くやってる奴もいるし、解決屋の在り方に、これといった決まりなんてないよ」
「取りまとめ?馬鹿言ってんじゃないよ。そもそも魔幇のボスが正体不明なんだから、どっかの大会みたいに仕切ってくれる奴なんていやしないよ。今や上海はどこも戦場だ。どいつもこいつも欲に目が眩んで、最早なんでもアリさ」
「でも、ま、解決屋はマフィアがお得意様ってのが多いよ。そのぶん、逆にマフィアを敵に回すことも多いけどね。持ちつ持たれつってやつさ」
「そもそもダイヤ探してるのが解決屋だけ、なんて決まりはないさね。そうだねぇ……まず街の住人はみんなダイヤを狙ってるよ。特に貧民街の連中は意地汚いやつばかりさ。盗人とかもいるかもしれない。人間以外の魑魅魍魎なんてのもイイかもね。それに、ダイヤを盗んだ当事者だって、言ってみればこの騒ぎの登場人物さ」
「本当に、上海には色んな奴らが流れ着くのさ。アタシやアンタみたいにね」
「ところでアンタ見ない顔だね。大方、日本人の学生さんってとこだろ?当たりかい?百年節には日本人も来るからね。知ってるよ」
「ああ、そう。持ち物盗まれたのかい?それで解決屋に助けを求めに来たってかい。形見なのかい?へぇ可哀想にね」
「さっきも言ったけど、今の上海はどこも戦場だからね。清王朝のダイヤといいつつ、実物は誰も見たことがないからねぇ。貴重品ならとりあえず強奪するやつも、そりゃ出てくるさね。あるいは単なる勘違いかもしれないけどね」
「ま、ウチの解決屋が帰って来んのを気長に待つこったね。今の上海は、観客でいる分には退屈しないよ。そいつぁ保証するよ」
「盗みに強盗、騙りに暴力、運と偶然に買収に、情で絆すなんてのもアリ。何でもアリさ、上海は……」