マニフェストとは
マニフェストとは、選挙において有権者に政策本位の判断を促すことを目的として、政党または首長・議員等の候補者が当選後に実行する政策を予め確約(公約)し、それを明確に知らせるための声明(書)である。いつ(実施時期)の予算(目標設定)に何(具体的な施策)を盛り込んで実現させるのかを明文化するものであり、必然的に政権を取り予算を制定し行政を運営することが条件となるため、「政権公約」という訳があてられ定着しつつある。
マニフェストに対するより詳細な説明は
コチラへ。
2009年8月衆院選における民主党マニフェスト
2009年8月衆院選における民主党のマニフェストは
民主党の公式サイトにて公表されている。本マニフェストのタイトルは「政権交代。」。まさに、長きにわたって続いた自民党政権からの政権奪取を誓ったものであった。その内容は主に以下の5項目からなる。
1.
ムダづかい
国の総予算207兆円を全面組み替え。税金のムダづかいと天下りを根絶します。議員の世襲と企業団体献金は禁止し、衆院定数を80削減します。
2.
子育て・教育
中学卒業まで、1人当たり年31万2000円の「子ども手当」を支給します。高校は実質無償化し、大学は奨学金を大幅に拡充します。
3.
年金・医療
「年金通帳」で消えない年金。
年金制度を一元化し、月額7万円の最低保障年金を実現します。後期高齢者医療制度は廃止し、医師の数を1.5倍にします。
4.
地域主権
「地域主権」を確立し、第一歩として、地方の自主財源を大幅に増やします。農業の戸別所得補償制度を創設。高速道路の無料化、郵政事業の抜本見直しで地域を元気にします。
5.
雇用・経済
中小企業の法人税率を11%に引き下げます。月額10万円の手当つき
職業訓練制度により、求職者を支援します。
地球温暖化対策を強力に推進し、新産業を育てます。
また、以上の主要5項目以外にもマニフェスト内では
消費者・人権、外交、
憲法論議に関する項目も含まれている。
マニフェストは国民との「お約束」
読売新聞 7/8号朝刊 3面 民主 バラ色公約 イバラの財源
財源を重視する岡田幹事長は「税収などはもっと厳しく見積もった方がいい」と指示し、新規財政の総額も小沢前代表当時の20・5兆円から16・8兆円に下 方修正した。それでも、「政権を獲得しないと財政の内実は分からないし、財源を作れと言えば出てくるはずだ」という楽観論が根強い。
前回の衆院選直前の2009年7月8日、民主党の藤井裕久最高顧問から上記のような発言が為されている。藤井氏は旧大蔵省出身の議員で特に民主党政策の財政政策に強い影響力を持っているといわれる。その藤井氏からこのようなマニフェストを軽視する発言が出るのは嘆かわしい限りである。マニフェストは国民との契約であり、それが絵空事であった場合、「ごめんなさい」で済まされることは断じてないということを藤井氏には強く再認識を頂く必要がある。
選挙直後の長妻発言
2009年9月7日:TBS「朝ズバッ!」で民主党・長妻昭 生出演
「いいですか!いいですか!よく聞いてください。わたくしどものマニフェスト、公約で”実現する” とは言っていません。あくまでも ”実現を「めざす」”と言ってるんですよ。子ども手当て26,000円支給を「めざす」。高速道路無料化、徹底した無駄遣い削減を「めざす」。実現したとしてもそれが永久的に続くとは言っていません。維持できる保障はないんですよ」
(今の所、オンライン上のソースが発見できず。)
また、首班指名も未だ行なわれていない選挙直後における長妻氏の発言も、厚顔無恥ともいえる有権者と国政選挙をバカにした断じて許されないものである。ちなみに「子供手当て」「高速道路無料化」「ムダづかい削減」の3項目に関して改めてマニフェストをチェックしてみたが、長妻氏が指摘した「めざす」という表現は何処にも記述がなかった。このような詭弁は当然、許されるはずもない。
もし、長妻氏が本気でこのような主張を述べているのだとすれば、あたかも自民党が民主党のネガティブキャンペーンとして作成したアニメCMの「結婚サギ男」のような状態が現実のものとなったといえる。我々国民は、もし民主党の掲げた「公約」が選挙前のただのリップサービスであったと判明した場合には「彼らの政治生命を完全に絶つ」という強い覚悟で政権運営をチェックしてゆく事が必要だ。マニフェスト選挙とはそういうものである。
最終更新:2009年10月28日 04:17