高速道路を原則無料化して、地域経済の活性化を図る
【政策目的】
○流通コストの引き下げを通じて、生活コストを引き下げる。
○産地から消費地へ商品を運びやすいようにして、地域経済を活性化する。
○高速道路の出入り口を増設し、今ある社会資本を有効に使って、渋滞などの経済的損失を軽減する。
【具体策】
○割引率の順次拡大などの社会実験を実施し、その影響を確認しながら、高速道路を無料化していく。
【所要額】
1.3兆円程度(平成23年までは段階実施。その後、すべて実施)
ゆれる高速道路の自由化問題
選挙後に語られた説明によると、選挙前より明言していた首都高、阪神高速以外の路線においても渋滞が起こりうる路線においては無料化を行なわない方針とのこと。上記「社会実験を実施し、その影響を確認しながら」という部分が、渋滞しそうな高速道路を無料化しなくても公約違反とならない根拠だそうだ。釈然としない説明ではあるがその点は百歩譲るとしても、「原則無料化」という基本方針を忘れてはならない。高速道路の無料化は今回の民主党公約の内の目玉政策であっただけに、「社会実験の結果、全国の主だった路線は無料化できませんでした」という言い訳は許されない。
国交省が「存在しない」と主張し続けてきた高速道路無料化の経済効果試算が出てきたことは非常に喜ばしいニュースである。ただし、その試算によると東京外環道、東名高速、名神高速、東名阪道などの主だった路線は無料化によって渋滞が起こる可能性があるという。選挙前から明言してきた首都高、阪神高速に合わせてこれらの地方中核都市を繋ぐ高速道路でも無料化が実現できなかった場合、民主党が
マニフェストで掲げた「原則無料化」という公約は実現されたといえるのであろうか?
また、懸念事項は渋滞だけではない。交通利便性の向上は
ストロー効果によって地域から都心部へ消費が流出してゆく現象にも繋がる。(この現象は明石海峡大橋の開通以降の、徳島などで顕著にみられている。)民主党は、単純にこの施策によって地方経済の活性化が実現するとしているが、地方に流入する消費よりも流出する消費が大きければ地方の活性化するどころか、衰退してしまう。渋滞よりもこちらの方がより深刻な事態を招く可能性が高い。
2009年9月7日:TBS「朝ズバッ!」で民主党・長妻昭 生出演
「いいですか!いいですか!よく聞いてください。わたくしどものマニフェスト、公約で”実現する” とは言っていません。あくまでも ”実現を「めざす」”と言ってるんですよ。子ども手当て26,000円支給を「めざす」。高速道路無料化、徹底した無駄遣い削減を「めざす」。実現したとしてもそれが永久的に続くとは言っていません。維持できる保障はないんですよ」
残念ながら今の所オンライン上で残されている同番組のログは見当たらないが、生出演した民主党・長妻昭氏より上記のような発言が出た。これからやっと首班指名という政権獲得前の段階で、すでに「言い訳」モードの民主党。ちなみに上記の公約部分は民主党マニフェストから直接転載したものであるが、「めざす」などとは何処にも書いていない。このような詭弁が許されるはずもない。
最終更新:2009年10月16日 10:31