決闘の場、1人の男が怪物に迫られていた。
「やっ、やめてくだサイ!離れてっ!」
カタコト、イタリア育ち、秋葉原在住、カフェのオーナー、ブロンドヘア、高身長、美形、オタク、ヘタレ、一途、M疑惑。
どれだけ属性を並べたとて、彼――ディーノは一般人でしかなかった。
どれだけ属性を並べたとて、彼――ディーノは一般人でしかなかった。
彼の目前に迫らんとする怪物の名は、屑ヤミー。
屑の名が示す通りというべきか動きは鈍く、攻撃力も大したものではない、褒められることは耐久性が高い程度の弱い存在。
しかしそのゾンビ的な挙動、ミイラの如き外見――まず、現実じゃ存在しない化け物。
先刻1人の少年が殺された状況も相まってディーノは半ばパニックに陥り、ただ腰を抜かしたまま後ずさっていた。
屑の名が示す通りというべきか動きは鈍く、攻撃力も大したものではない、褒められることは耐久性が高い程度の弱い存在。
しかしそのゾンビ的な挙動、ミイラの如き外見――まず、現実じゃ存在しない化け物。
先刻1人の少年が殺された状況も相まってディーノは半ばパニックに陥り、ただ腰を抜かしたまま後ずさっていた。
だが彼に、抵抗する手段もないとは言えない。
事前に彼は確認していたが、彼の支給品は誰でも簡単に使い方がわかるものだった。
しかし彼は戦闘の経験なんてない一般人。
バットは、ボールを打つ物だ。敵を殴る物ではない。
ナイフは、食べ物を切るものだ。敵に刺したり、投げたりする物ではない。
鍋は、料理。投げつけようだなんて考えには到底及ばない。
事前に彼は確認していたが、彼の支給品は誰でも簡単に使い方がわかるものだった。
しかし彼は戦闘の経験なんてない一般人。
バットは、ボールを打つ物だ。敵を殴る物ではない。
ナイフは、食べ物を切るものだ。敵に刺したり、投げたりする物ではない。
鍋は、料理。投げつけようだなんて考えには到底及ばない。
このまま、非現実な存在に襲われ、無様に死んでしまうのだ。
ディーノの脳裏にはそんなことさえ浮かんでしまい、
ディーノの脳裏にはそんなことさえ浮かんでしまい、
(ああ、皆さん、苺香さん……!申し訳……ございマセン……)
自分は、もう終わりだ。絶望に打ちひしがれながら、彼はその目を瞑る――
――襲いかかってくる非現実があれば、救ってくれる非現実も存在した。
「『パラライズ』!」
少女の声。同時に文字では形容しづらい、なんともマジカルな音、そしてまるで陽の様に暖かい光。
「……えっ?」
そっと目を開けた時、彼の前に居る屑ヤミー達は完全にその動きを止め、襲いかかってくる様子はなくなっている。
状況が把握出来ていない彼に、再び少女の声が聞こえた。
状況が把握出来ていない彼に、再び少女の声が聞こえた。
「ディーノ様!こちらへ!」
「えっ、わ、私デスか!?」
声の主は、赤髪の少女。
今のは何?というかなぜ自分の名前を?疑問は次々浮かぶが、とにかく自らを助けてくれていることには変わりない。少し時間をかけなんとか立ち上がると、彼は少女の元へと駆けた。
今のは何?というかなぜ自分の名前を?疑問は次々浮かぶが、とにかく自らを助けてくれていることには変わりない。少し時間をかけなんとか立ち上がると、彼は少女の元へと駆けた。
ディーノの命は、赤髪の少女――ランプによって救われた。
◆◆◆◆
「ここまで来れば……。ディーノ様、ご無事で良かったですっ!」
「こ、こちらこそデスっ。助けてくださって……本っ当にありがとうございマス……!」
「いえいえ!女神候補生として当たり前のことをしたまでです!」
大きく礼をするディーノ、ランプは謙遜。
『パラライズ』。彼女の支給品として配られていた専用ぶきの力を使った、敵全体に少しのダメージと中確率でかなしばりの状態異常を与える固有スキル。
このスキルで屑ヤミー達をかなしばり状態にし、彼等が動けなくなった隙に逃げたのだ。
『パラライズ』。彼女の支給品として配られていた専用ぶきの力を使った、敵全体に少しのダメージと中確率でかなしばりの状態異常を与える固有スキル。
このスキルで屑ヤミー達をかなしばり状態にし、彼等が動けなくなった隙に逃げたのだ。
ディーノから見た彼女、ランプ。
綺麗な赤髪や、そのセーラー服じみた衣装。コスプレイヤーでもなければ、この歳の少女が普段着にはしないであろう変わった姿。
だが見た目と年齢が大きく離れているという事例は星川麻冬という存在で普段から目にしている。
ディーノは彼女は若々しいコスプレイヤー、とでも考えその容姿に触れることはなかった。
綺麗な赤髪や、そのセーラー服じみた衣装。コスプレイヤーでもなければ、この歳の少女が普段着にはしないであろう変わった姿。
だが見た目と年齢が大きく離れているという事例は星川麻冬という存在で普段から目にしている。
ディーノは彼女は若々しいコスプレイヤー、とでも考えその容姿に触れることはなかった。
だがそれより、もっと気になることがある。
「あの……いきなりスミマセンが、何故、私の名前を?」
「あぁ、すみません。コールされた形跡もなさそうですし、やっぱりエトワリアのことは知りませんよね」
知らない少女から名前を呼ばれる経験。しかも様付けで。
スティーレのホールスタッフならともあれ、自分の名前がそんなに有名になることはない。
そこで問うてみた所、コールやらエトワリアやらよくわからないワード。
スティーレのホールスタッフならともあれ、自分の名前がそんなに有名になることはない。
そこで問うてみた所、コールやらエトワリアやらよくわからないワード。
「では、説明しますね!私の住む世界、エトワリアの事を!」
そして、ランプは語り出す。
エトワリアと言う世界のこと、その世界の主なエネルギー源となる『聖典』のこと、
その『聖典』の一つに、ディーノ達が活躍する世界についても、綴られていることを。
エトワリアと言う世界のこと、その世界の主なエネルギー源となる『聖典』のこと、
その『聖典』の一つに、ディーノ達が活躍する世界についても、綴られていることを。
しばらくして、ランプは話し終える。
「え、えっと……つまり、私達の世界が、書物になって読まれているという……ことデスか?」
「その通りですっ、苺香様のドSっぷりも、ひでり様の可愛さと秘密のギャップも、ディーノ様と苺香様の恋模様についても、私ランプ、把握しています!……あっ、私の名前はランプです、よろしくお願いしますっ」
「は、はぁ……ランプさん、こちらこそよろしく、デスが……」
どうも簡単には信じられない話。
だが、スティーレのコンセプトも、桜ノ宮苺香の性格や属性についても、神崎ひでりの秘密も、自らが抱く恋心も、全て知っているとなれば信じざるを得ない。
だが、スティーレのコンセプトも、桜ノ宮苺香の性格や属性についても、神崎ひでりの秘密も、自らが抱く恋心も、全て知っているとなれば信じざるを得ない。
(……恋心?)
そして、ディーノはひどく赤面した。
「ななななっ、何で私と苺香さんの関係までっ!?」
「もちろん存じてます!むしろ聖典のメインです!」
「メインなんデスか!?」
「はいっ、苺香様のドSっぷりとディーノ様のヘタレっぷりの組み合わせがたまらなく……」
「そんな直球にヘタレって言わないでクダサイよーっ!!」
自らの恋心が全て開示されているなど、ディーノとしてはたまったものじゃない。
好意的に見られている所については安心したが、色々と複雑であった。
好意的に見られている所については安心したが、色々と複雑であった。
「ま、まぁ……もし苺香さんと出会っても言いふらさないでくださいよ?」
「もちろんですっ、私見る専ですしっ……あ、そして苺香様達のことなのですが……」
先程までとにかく明るく振る舞っていたランプの声のトーンがひとつ下がる。
「ディーノ様がここに呼ばれている以上、苺香様や夏帆様達、それに他の聖典のクリエメイトの方々もここに呼ばれているかもしれません……なのでっ」
「どうか、お願いしますっ。私と一緒に、クリエメイトの皆さんを……この殺し合いを止められる様な仲間を探す事を手伝っていただけませんか?」
クリエメイト――『聖典』世界の人物達。
ランプの知るクリエメイトは、殆どが善良で正義の心を持つ、殺し合いに反旗を示す者であろう人たちだ。
だからそんな綺麗な心を持つクリエメイト達はエトワリアの民としてしっかり保護し、元の世界へと返さないといけない。
だが、NPCと呼ばれる化け物たちに、殺し合いに乗っている人物達。
それらと遭遇した時、ランプ1人で解決できるかといえば、怪しくなる。
だから仲間を集めたい。仲間を集め、協力してこの殺し合いを打破する。
それこそが、ランプの目的。
ランプの知るクリエメイトは、殆どが善良で正義の心を持つ、殺し合いに反旗を示す者であろう人たちだ。
だからそんな綺麗な心を持つクリエメイト達はエトワリアの民としてしっかり保護し、元の世界へと返さないといけない。
だが、NPCと呼ばれる化け物たちに、殺し合いに乗っている人物達。
それらと遭遇した時、ランプ1人で解決できるかといえば、怪しくなる。
だから仲間を集めたい。仲間を集め、協力してこの殺し合いを打破する。
それこそが、ランプの目的。
対するディーノ。
状況の把握は未だにおおまかとしか出来ていず、ただ家に帰りたいという思考しかなかった。
だが、いくら力があるとて目の前の少女がこんなにも強い意志を持っているのだ。
ここを断れば、苺香さんにも顔向けできない。
そんな感情で、彼女の手を取る。
状況の把握は未だにおおまかとしか出来ていず、ただ家に帰りたいという思考しかなかった。
だが、いくら力があるとて目の前の少女がこんなにも強い意志を持っているのだ。
ここを断れば、苺香さんにも顔向けできない。
そんな感情で、彼女の手を取る。
「わかりマシタ。私も苺香さんが居るなら探したいデスし、皆さんで安全に帰りたいデス」
「……っ!本当ですか!?」
「勿論デスよ。ランプさん、協力して帰りマショウ!」
「ええ、それではどうかよろしくお願いします!、ディーノ様っ!」
硬く握手を交わし、2人はこの決闘からの打破を望んだ。
次に2人は互いの支給品の確認を行ったのだが、ディーノの支給品が揃いも揃って聖典世界からのアイテムだった為ランプが興奮しまくったのは別の話。
【ランプ@きららファンタジア】
[状態]:健康
[装備]:ランプ専用羽ペン@きららファンタジア
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2
[思考・状況]基本方針:殺し合いの打破
1:ディーノ様と共に、仲間集め
2:他のクリエメイトの皆さんも巻き込まれているかもしれません……
3:男性のクリエメイトと出会えるのは貴重です……!
[備考]
※参戦時期はメインシナリオ第2部開始前。イベントシナリオ等は時系列がすべて第2部開始以前となっている為全て経験しているものとします。
※エトワリアの民、その上聖典にかなり精通している為、聖典――まんがタイムきらら作品の登場人物、世界観については概ね把握しています。
※同じスキルは連続して使えません。
[状態]:健康
[装備]:ランプ専用羽ペン@きららファンタジア
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2
[思考・状況]基本方針:殺し合いの打破
1:ディーノ様と共に、仲間集め
2:他のクリエメイトの皆さんも巻き込まれているかもしれません……
3:男性のクリエメイトと出会えるのは貴重です……!
[備考]
※参戦時期はメインシナリオ第2部開始前。イベントシナリオ等は時系列がすべて第2部開始以前となっている為全て経験しているものとします。
※エトワリアの民、その上聖典にかなり精通している為、聖典――まんがタイムきらら作品の登場人物、世界観については概ね把握しています。
※同じスキルは連続して使えません。
【ディーノ@ブレンド・S】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、トオルのバット@Aチャンネル、ソーニャの投げナイフ×10@キルミーベイベー、カオス鍋@GA 芸術家アートデザインクラス
[思考・状況]基本方針:殺し合いを止めマス!
1:ランプさんと行動
2:苺香さん達が居たら探さないと……!
[備考]
※参戦時期は店を畳む決意をする以前のどこかです。
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、トオルのバット@Aチャンネル、ソーニャの投げナイフ×10@キルミーベイベー、カオス鍋@GA 芸術家アートデザインクラス
[思考・状況]基本方針:殺し合いを止めマス!
1:ランプさんと行動
2:苺香さん達が居たら探さないと……!
[備考]
※参戦時期は店を畳む決意をする以前のどこかです。
『支給品紹介』
【トオルのバット@Aチャンネル】
ディーノに支給。
一井透が携帯していたバット。普通に金属製で振り回すと危ない。
【トオルのバット@Aチャンネル】
ディーノに支給。
一井透が携帯していたバット。普通に金属製で振り回すと危ない。
【ソーニャのナイフ@キルミーベイベー】
ディーノに支給。10本セットで支給。
ソーニャが携帯している投げナイフ。切れ味は良い。
ディーノに支給。10本セットで支給。
ソーニャが携帯している投げナイフ。切れ味は良い。
【カオス鍋@GA 芸術家アートデザインクラス】
ディーノに支給。
ノダミキ達の悪ノリで生み出してしまった闇鍋を越えた何か。
蓋止めの金具がついた状態で支給されている。
ディーノに支給。
ノダミキ達の悪ノリで生み出してしまった闇鍋を越えた何か。
蓋止めの金具がついた状態で支給されている。
【ランプ専用羽ペン@きららファンタジア】
ランプに本人支給。
装備することで身体能力、魔力の増強、固有能力の使用が可能、対象が敵単体のスキルの範囲増加、と様々な恩恵を受けることができる。
ランプは元々エトワリアの住人である為、『変身』の機能はない。
ランプに本人支給。
装備することで身体能力、魔力の増強、固有能力の使用が可能、対象が敵単体のスキルの範囲増加、と様々な恩恵を受けることができる。
ランプは元々エトワリアの住人である為、『変身』の機能はない。
『NPC紹介』
【屑ヤミー@仮面ライダーオーズ】
半分に割ったセルメダルの破片から生み出される下級ヤミー。
戦闘力は極めて低く、動きも鈍い。
しかし物理的な攻撃に対する耐久力はかなり高い。
【屑ヤミー@仮面ライダーオーズ】
半分に割ったセルメダルの破片から生み出される下級ヤミー。
戦闘力は極めて低く、動きも鈍い。
しかし物理的な攻撃に対する耐久力はかなり高い。