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  • どうにもならないからよ

決闘バトルロイヤル @ ウィキ

どうにもならないからよ

最終更新:2025年05月25日 18:43

zombi2baisoku

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概ね予想通りの内容だった。
ひたすらに上から目線で喧しく放送が行われ、不快感を抱くこと数分。
苛立ちはあるものの、直接ぶつける機会は当分訪れないとも分かっている。
なので今は不機嫌さを内に留め、得られた情報を吟味。

(おおよそ全体の三割、ってところかしらね)

最初の放送前に死んだ者達と、ゲームが本格始動して以降に死んだ者達。
計40名の死亡に然したる驚きはなく、むしろカイザーインサイトには納得さえあった。
100人以上を閉鎖空間、それもアストライア大陸とは比べ物にならない小島に集めたのだ。
積極的に他者を襲う気質のプレイヤーを相応数用意し、円滑な進行を可にするのは何も不自然じゃない。

序盤はハイペースで篩にかけて参加者を選定、黎斗の思惑通りにゲームは進んでいる。
向こうにとっては満足だろうが、脱落ペースを考えると余り悠長に事を構えるのは宜しくない。
死亡者の中にキャルとコッコロは含まれなかった。
後者はともかく前者の生存を知れたのは朗報だろう、使える駒を一つ失わずに済んだのだから。
尤も正確な現在位置は不明、キャルと合流するまでは現状動かせる駒でどうにかする他ない。

チラと見やれば、人形染みた真顔の少年少女が映り込む。
開始早々暗示を受けたココアと、名簿上でマサツグ様と表記された使い捨ての道具。
知己の者だろう名が呼ばれ、ほんの僅かにココアの瞳が揺らいだがそれだけだ。
支配下を脱する気配は微塵も表れず、都合の良い傀儡のまま。
マサツグ様に至ってはそもそも意識がなく、放送を聞けてもいない。
仮に起きていたとしても、脱落者に心を痛める人間ではないが。

「なに、それ……」

となれば問題は残る一人だろう。

白鳥司の名前が呼ばれる可能性を、みかげは考えていなかった。
或いは、考えないようにしていたのか。
陛下と呼ぶ同行者に任せておけば大丈夫、何も問題無い筈。
暗示の影響込みとはいえ、根拠もなしにそう結論付けて。
結果、司はみかげの関わらない所で命を落とした。

有り得ぬ話、とは言い切れない。
司本人に死ぬ気がなくとも、ゲームに乗った参加者は容赦なく死を突き付けて来る。
自分と違い、保護してくれる者とは会えなかった。
若しくは会ったけど、その人共々殺された。
過程の想像は幾らでも出来るが、結果は既に放送で伝えられた通り。
まして司は自分と同じ、本来争いとは一切無縁の女子中学生。
運動神経に優れてるからといって、常人以上の力を持った相手に襲われればどうしようもない。

実は脱落者の情報は嘘で、司はまだ生きている。
都合の良い展開に期待しようにも、そんな訳がないとみかげ自身の内で声が囁く。
呼ばれた名前の中には一番初めに会った少女、ニノンもいた。
定時放送が始まるより先に死を知らされ、証拠と言わんばかりに脱落者へ名を連ねたのだ。
ニノンの死は本当なのに司の死は嘘、と断じるのは流石に不自然。
納得なんてしたくないのに、放送内容が嘘と思い込める強い根拠がどうしても見付からなかった。

「死ぬわけないじゃん…だって……」

だって、その先の言葉が思い付かない。
自分と撫子を置いて、勝手に死ぬ奴じゃないから?
会えたら何て言うかも決められてないのに、死ぬなんておかしい?
どれもがその通りであり、同時に違う気もする。

考えが纏まらず、こめかみがズキズキと痛む。
自分が立っている場所が平らな床なのに、不安定な足場のようにグラつく錯覚があった。
喧しい自称神様が言った白鳥司の三文字だけが、嫌になるくらい木霊して消えない。

「まだ取り戻すチャンスならあるんじゃないかしら」

耳障りなゲームマスターの声がフッと消える。
蝋燭の火を吹き消すみたいに、一瞬で無くなった。
か細く声を漏らし振り返った先には、同性の自分でさえ息を呑む美貌の『彼女』。
浮かべた笑みは優し気で、こっちの抱える事情に理解を示してくれた時と同じ。
帰り道を見失った迷子の手を引くように、此度もみかげの憂いを取り除かんと口を開く。

「あなたの大好きなお友達を取り戻すチャンスなら、まだゼロじゃないわ」
「陛下……?それってどういう……」

自分の力になろうとしてくれるのは分かる、けど具体的に何を言いたいのか不明。
困惑を隠さずに問うと、機嫌を悪くした風もなく答えが返って来る。

「自称神様も言ってたじゃない、死をも覆す権利を与えるって」
「え……いや、ちょ、待って……!い、言ったけど、でもそれは……」

真実かどうかは一旦置いて、そのように言ったのは本当。
願いを叶える、死者の蘇生だって不可能じゃない。
但し、ゲームに優勝したらという大前提が付く。
ルールの制定されたスポーツなんかじゃない、正真正銘の殺し合いに勝ち残る意味での優勝だ。
暗示の影響下にあるがココア同様の完全な操り人形でない為、至極当然の倫理観で拒否を示す。
あからさまに狼狽するみかげをどう思ったのか、笑みを崩さずに続ける。

「落ち着きなさいな。誰も優勝しろ、何て言ってないわよ?」
「えっ?だ、だって……」
「願いを叶える力は檀黎斗の手元に存在する。なら、別に優勝しなくてもあの男を倒した後で奪えば良いと思わない?」

何を言われたのか分からない。
予想してたのと全く異なる答えが返って来て、暫し年頃の少女らしからぬ間の抜けた顔を作る。

「ゲームのクリア条件は優勝か檀黎斗の撃破。でも願いを叶える報酬は優勝の場合のみ。どうしてなのかしらね」
「どうしてって……」

どうしてだろう。
いきなり殺し合いに巻き込まれ、司まで参加してるのを知り深く考える余裕なんてなかった。
でも今になって自分よりも遥かに冷静な大人から問われれば、確かに疑問に感じる。
参加者を殺さず、あくまで主催者だけを倒す。
黎斗直々に提示されたのもあり、優勝以外のゲームクリア方法も禁止ではない。
けど願いを叶えるのは優勝者が出た時だけ。
漠然と「そういうもの」と思っていたが、言われてみると妙な話だ。

「…………殺し合うのをやめる人が大勢出るかもしれない、から?」
「極端に沢山って程じゃないにしろ、そうなるのを防ぎたいのはあるでしょうね」

最初から自分以外の命に一切の価値を見出していない者や、協調性皆無の者。
若しくは殺戮に喜びを感じる者、そういった連中は抜かすにしてもだ。
譲れない願いの為に血を吐く思いで殺し合いに乗った者がいるとして、別に優勝を目指さなくても願いは叶うと聞かされればどうなるか。
本当はやりたくもない殺人で手を汚さず、巨悪を倒す方法で良いのならそっちを選ぶ可能性は低くない。
自身との直接対決も望む所と豪語する黎斗だが、ゲームの根本的なルールは参加者同士の殺し合い。
故に一番の報酬である願いを叶える権利を、優勝以外で渡す気は無いのだろう。

しかしだ、その願いを叶えるナニカを黎斗が確保してるなら。
わざわざ言いなりになって皆殺しせずとも、奪い取るのが不可能とも限らない。
カイザーインサイトの言いたい内容を理解し、尚もみかげの顔色は曇ったまま。
願いを叶える力を奪うにしろ、本当にそんな力は黎斗は持っているのか。

「力の正体は分からないけど、これだけの規模の殺し合いを始めたんだもの。こっちの想像を超える力を持っている可能性は、低くないんじゃないかしら」
「そりゃ、そう………かもだけど……」

コミックの世界とかアニメの設定とか、非現実的な事が殺し合いでは起きている。
みかげとしてもそこは受け入れざるを得ない。
死者が生き返るのが有り得ないと言い切るには、己の常識を壊す存在に遭遇し過ぎた。
完全に信じてるとまでは言えずとも、若しかしたらという思いはみかげの中にも芽吹きつつある。

「すぐに全部を信じろとは言わないわ。ただ、後悔させないって事だけは約束させて。……生きてる内に、あなたの友達を助けられなかった贖罪も籠めて、ね?」
「陛下……」

申し訳なさそうに告げられれば、みかげとしても何も言えない。
何とかすると言ったのにと責めたら、多少は心が楽になるのだろう。
けどみかげにとって、相手は初めて自身の苦悩に共感し味方してくれた大人。
傷付けたくないし、傷付けるような言葉をぶつけ失望されたくもない。

「取り敢えず、みかげは少し休んでなさい。ここの探索は私とココアでやるから、あなたには落ち着く時間が必要よ」
「うん……」

私なら大丈夫と返すには、精神的な疲れが大きい。
気を遣ってもらってるのへ素直に感謝し頷く。
一言も発さず様子を見守る少女を引き連れ、カイザーインサイトは部屋を後にした。
だだっ広い空間に残ったのは傷心中の少女と、念の為に護衛で置いていった少年。

放送前、移動した先のエリアで見付けたのが今いる場所。
白い外壁の巨大な施設は外見のみならず、内部も豪奢な装飾に彩られてあった。
だが真新しさはなく、所々年季の入った箇所から察するにさぞ歴史ある建造物らしい。
外から見た以上に広大に感じる施設を探索中に放送が流れ、今に至る。

古いけど座り心地は悪くない長ソファーに寝そべり、じっと天井を見つめる。
もう一人の少年は何も言わず、傍らであらぬ方を向くばかり。
正直、ニノンを殺した相手との二人きりで不安が無いと言うと嘘になる。
ただこちらへ敵意を剥く様子はなく、カイザーインサイトだってあくまでみかげの安全を考え置いて行った。
不満を口に出さずにいると、話し相手もいなくなったからか。
司がどこかで死んだ事実が毒のように内側を蝕み、目尻に涙が溜まる。

「……っ」

制服が濡れるのも構わず、腕を強引に瞳へ押し付けた。
ストレートに喪失へ泣き叫んでしまったら、司の死を心から受け入れてしまってるような気がして。
直接この目で見た訳でもない、胡散臭い男の悪趣味な放送一つで伝えられ納得なんて出来ない。
『三人組』が喧嘩とかじゃなく、死に別れる形で完全に壊れてしまう。
現実として簡単に飲み込むには余りにも苦い。

「なんでよ……」

叶わぬ恋だと自覚はあったし、叶わなくて良いと思ってた。
小学校時代と同じ結末を迎えるくらいなら、友達のままで良い。
『普通』の関係のままで、三人ずっと一緒にいられればそれだけで十分だった。
でも、こんな風に永遠に会えなくなるのは望んでない。

陛下を信じていない訳ではない。
けどもし司の蘇生が不可能となって、自分だけが元いた場所に戻ったら。
撫子になんて言えば良い。
司の弟にだってどう伝えてやるのが正解なのか。
分からない、何も分からない。
『普通』を望んで、その結果が『普通』とはかけ離れた友達との別れだなんて。
とてもじゃないが現実とは思いたくない。

どうしてこうなっちゃうんだろう。
零れた嘆きに応えてくれる者は、誰もいなかった。


◆◆◆


「どうなるかしらね、あの娘」

階段を降り地下深くを歩く最中、ポツリと呟く。
傍らに控えさせた少女から返答はないし、求めてもいない。
先程みかげを気遣ったのとは似ても似つかない、冷めた表情でカイザーインサイトは歩を進める。

自身が仕掛けた暗示解除の兆しはなかった。
もし素のみかげならもっと取り乱したろうけど、今は術中に囚われている。
だから司の死を知り動揺こそ抱いても、会話もままならない程の錯乱や八つ当たりには出ていない。
後は適当に彼女を落ち着かせる言葉を選び、尚且つこちらを頼らざるを得ないよう働きかける。
一般的な10代の悩みとは少々違う背景があろうと、所詮は平和な世界を生きて来た子供。
手玉に取るのは実に難しくない。

完全にへし折れて使い物にならなくなる前に、希望をチラ付かせてやった。
なので利用価値ゼロと断じるにはまだ早い。
最終的に使い潰す駒なのは変わらないが、生憎ランドソルにいた頃よりも諸々の制限を受けた身。
普段なら見向きもしない小娘だろうと、ここでは貴重な道具の一つ。
無意味に手札を失うのはなるべく避けたい。

その為に使えるカードを多く集めて損はない。
現在いる施設へ立ち寄ったのも、自分の役に立つ物があるかを確かめたかったから。
C-1エリア、桜ノ館中学校から北西に向かった先。
最も目を惹く白い建造物、名をホテル・フェントホープという。
元はマギウスの翼の本拠地である巨大な廃ホテルも、ゲームにおいては精巧に再現された施設に過ぎない。
羽の魔法少女とすれ違う、なんてこともなく主不在の寂れた城同然だ。

地上の音が届かない程の深い場所を臆さずに進む。
ただの廃ホテルにしては余りに妙な作りだ。
人目から遠ざけておきたい、簡単に手出しが出来ない所へ隠したい。
そういった理由で地下空間が作られたと仮定するならば、多少は期待して良いのかもしれなかった。

「へぇ……当たりを引いたって所かしら?」

進み続け見付けたモノに、思わず薄く笑みが零れる。
里見灯花や柊ねむがこの場にいたら、わざわざ再現したのかと呆れただろう。
透明な球体へ閉じ込められた、何十体もの異形。
どれもが人の大きさを遥かに超え、身動ぎせずに捕らえられていた。
一つへ近付きそっと掌を当てる。
人間の生命とは別物、なれどまだ生きてるのが分かった。
動きを封じられてるだけで死んではいないらしい。

希望を抱き願いを叶えた少女達の成れの果て。
魔法少女がいずれ行き着く絶望の末路。
マギウスの翼によって飼育され、やがて大いなる救済の贄となる存在。
魔女を閉じ込めた檻が、カイザーインサイトの目の前にあった。

エンブリオ・イヴの成長を早める餌として飼われた魔女達だ。
秘めた力も相応に高められ、イヴの栄養源に相応しく育てられている。
発見したのがマトモな感性の持ち主だったら、触らぬ神に祟りなしと放置を選んだかもしれない。
カイザーインサイトにそういった弱腰の姿勢はなし。
警戒は払うも、利用せずに立ち去るのは馬鹿のやること。
唇に人差し指を当て、暫し考え込む仕草を取る。

(解放すれば勝手にこっちの言う事を聞く、なんて都合良くはいかないわよね……)

ケージ越しに魔力を感知し、魔女の気性をある程度察知。
解き放った者に従順な忠犬とは、残念ながらいかないだろうと分かる。
とはいえそこはカイザーインサイト、御するのが不可能かと言われれば否。
多少は「じゃれつく」だろうが、相手が未知の魔物であっても恐れる必要はない。
人間程融通は利かなくとも、手駒を纏めて増やすのは悪くない。
場合によってはプリンセスナイトの力を持つココアに、数体貸し出す手もある。

(ま、キャル程の働きが出来るかは微妙だけど)

魔物の使役能力の精度で言ったら、与えた力の量の差も影響しキャルの方が上。
今頃どこをほっつき歩いてるのかと、呆れたようにため息を吐く。

よもや自分が敗北した未来の時間軸からキャルが参加してるとは、夢にも思わず。


◆◆◆


「ん……」

小さく身動ぎし、やけに重い瞼をこじ開ける。
精神的な疲れもあったのか、何時の間にか眠ってしまったらしい。
彼氏でもない男子がすぐ傍にいるのに、無防備を晒すとは自分らしくもない。
来る者拒まずと豪語するみかげといえども、流石に相応の警戒心は持つ。
陰湿な性根の見え隠れする相手であれば猶更だ。
自我を奪われ操り人形状態だからといって、気を抜き過ぎたか。
のっそりと上体を起こし、寝惚け眼を擦る。

「おはようさん。快適な睡眠が出来たようで何よりだよ」
「……うわっ!?」

友人のような気楽な口調で話しかけられ、思考が数秒フリーズ。
起きた筈だがまだ夢の中かと思い、徐々に精細さを取り戻す五感に現実と理解。
予想外の、ここにいる筈のない者がテーブルを挟んだソファーに腰掛けリラックスしていた。
四十は超えてるだろうに引き締まった体付きに加え、やけに脚の長いモデル体型。
整った顔立ちも相俟って、みかげの母くらいの年の女性達から黄色い歓声を浴びそうな男。
但し、間違っても心を許して良い相手ではない。
気さくな態度を取ってるが、男の持つ本当の『顔』をみかげは知っていた。

「な、何でいるのよ!?陛下との合流はまだ先の筈じゃ……」
「俺だってこんなに早く再会するとは思ってなかったんだぜ?それもこれも、どっかの神様が余計な事してくれちゃったせいでなァ」

肩を竦め、大袈裟に嘆くリアクションを取る。
放送前に協力を取り付け別行動となった参加者、エボルトが何故かフェントホープ内に現れた。

理由を説明するには少し前、エーデルフェルト邸を発った時まで遡らねばなるまい。
イリヤ達との情報交換を先延ばしにし、戦兎の元へ戻るのを優先。
となったまでは良かったが、オーエド町に近付いたタイミングでふと現在時刻を確認。
これは無理だと理解するのに時間は掛からなかった。

指定された禁止エリアにはオーエド町が設置済の、D-1も含まれている。
エーデルフェルト邸のあるD-3から戻るには、どうやったって1エリア分余計に移動しなくてはならない。
トランスチームガンのワープ機能は未だ使えず、来た時と同じ大幅ショートカットは不可能。
しかもこういう時に限ってNPCは影も形も見せない。
フライングスマッシュを作って移動時間短縮という手も、肝心のスマッシュの素材がなければ無理。
結局早足で移動したものの、戦兎達が呑気に待ってるとは言い難い時刻へなってしまった。
幾ら何でも、禁止エリアが機能するギリギリまで戦兎が待つとは考え辛い。
同行者には重症を負ったモニカもおり、いざ禁止エリアを離れるタイミングで移動に遅れが生じ揃って死亡。
といった展開を避ける為に、もうとっくに戦兎達はオーエド町を去ったと考える方が自然である。

「で、どうせ大遅刻確定ならもうちょっと寄り道して、手土産を増やしてからでも良いかと思ったんだよ。丁度馬鹿デカい施設も目に付いたしな」
「いやそれ、あんたの自業自得じゃない……」

参ったもんだぜと頭を抱える仕草を見せ、説明を終えるエボルト。
事のあらましを聞いたみかげからすれば、呆れ交じりに返す以外ない。
自分達と別れた後、真っ直ぐオーエド町に戻っていれば良かっただけの話ではないか。
D-1が禁止エリアになるのが予想外だったのは分からんでもないが、帰還を遅らせなければ避けられた事態だろうに。

「耳が痛ぇが、俺がいなけりゃ殺されてた連中がいたんだ。人助けと思って大目に見て欲しいもんだね」

目的はパンドラパネルとボトルの回収であり、イリヤ達を助けたのはほとんどついでだが。
詳細を聞かされなくとも、純粋な人命救助目的で寄り道したんじゃないとはみかげにも察しが付く。
飄々とした言動の裏に隠された、地球外生命体の本性を見ただけに余計そう思う。

「そんで中を適当に見て回ってたら眠れるお姫様と、番犬坊主を見付けたって訳だ」
「この人、あんたを見ても何もしなかったの?」
「ああ、指一本触れられてねぇさ。お前さんに手出ししない限り、特別アクションも起こさないんだろうよ」

こうなると本当にただの人形と変わらない。
軽薄な笑みをエボルトに向けられて尚も、少年は無表情で佇むだけ。
ニノンを殺した相手だけにどう思えば良いのか分からず、何よりニノンへの感情も整理が付かない内に彼女は退場。
言葉に出せぬ複雑な思いがよぎる。

というか、何で自分はこんな得体の知れない怪物と雑談をしてるのだろうか。
カイザーインサイトと手を組んだ以上、自分へ危害を加えるつもりは無い筈。
だからといって仲良くしたい男でもなく、今更になって居心地の悪さを覚える。

「そういや、お前の尊敬する陛下殿は――」

気安い態度で問い掛けた内容を中断、エボルトの顔が一瞬で引き締まった。
突然の変化の理由はみかげには何が何やら不明。
片腕にブラッド族のエネルギーを纏わせ、振り向きながら放射。
同じタイミングで壁を破壊し、光輪が猛加速し侵入。
放って置けば室内の全員を焼き殺すだろう熱量を、むざむざ受け入れ得る自殺志願者はいない。

「訪問のノックにしちゃ乱暴過ぎじゃねぇか?いつから地球の常識は変わっちまったんだ?」

皮肉を乗せながらエネルギー波の出力を上昇。
エボルドライバーが無くとも、石動の体に憑依していた頃より能力全般が上だ。
徐々に光輪の威力は低下し、鮮血の渦に飲み込まれ消滅。
唐突過ぎる事態に目を白黒させていたみかげだが、ようやっと自分達が襲われたと気付く。
途端に全身が強張る少女へ見向きもせず、もう一人の男も動きに出た。
番犬の役目を担わされた少年のやる事は一つ、己の命を度外視してでもカイザーインサイトの駒を守る。

『ヨモツヘグリ!』

エボルトを押し退けるように前へ出て、右手の錠前を起動。
鳴り響く音声が果実の名を告げる。
同時に肉体を激痛が走り、多大な負荷を掛けた。
正気であれば苦悶の声を上げたろう現象にも、一切の反応を示さない。
標的排除、そこに少年の意志が介入するのを覇瞳皇帝は望まなかったのだから。

『ロックオン!ハイーッ!ヨモツヘグリアームズ!』

『冥・界!ヨミ・ヨミ・黄泉…!』

頭上に出現した暗雲から果実が落下し、鎧状へと展開。
ライドウェアの上に纏う装甲は、通常のアーマードライダーであれば身を守る役目を持つ。
しかし、この戦士だけは違う。
腐り切った果実の如く紅黒いカラーリング、所々の特徴は殺し合いでフグ田タラオが変身したのと同じ。
なれど性能はおろか、変身者へのリスクも決定的に異なる。
禍々しいオーラを漂わせる姿に、安堵を覚える者は存在しない。

アーマードライダー龍玄・黄泉。
戦極凌馬の手で生み出された、文字通りの禁断の果実。
利用される形で呉島光実が変身を実行し、果てに自らの手で絆を砕いた苦い過去の証。
聖剣も己を守護するスキルも奪われ、唯一少年に与えられた力。

「代わりに戦ってくれるのか?なら、俺は安心して見物出来るみたいだな」

ヘラヘラと笑うエボルトは無視、襲撃者への対処に動く。
自我無き龍玄の右手にはアームズウェポン、ブドウ龍砲が出現。
名前通りブドウ状の銃口からエネルギー弾を吐き出し、壁に開いた穴から外を狙う。
闇雲に撃ってるのではない、龍玄の視覚センサーは標的の位置を正確に捉えた。
但し敵も簡単には当てさせてくれない。
得物を翳しながら飛び退く影を追い、龍玄は追跡を開始。
赤銅色の髪の少年と、バイザーで表情を隠す鎧の少女をレンズが映す。

敵を見付けた以上は容赦や加減が入る余地なし。
相手も迎撃を選んだのだろう、それぞれの刃が龍玄を襲った。


◆


定時放送によって揺さぶられる者がいる一方で、何ら影響を受けない者も存在する。
目的の為に手を組んだ二人、士郎と風もそう。
勇者部の面々は勿論、最愛の妹である樹も不参加。
優勝の為に助けたい者達を殺す、という矛盾は立ち塞がらない。
故に風が今になって考えを変える展開は起きなかった。

士郎も同様に、元から参加者の中に知り合いは皆無。
唯一知っている美遊は今も主催者に囚われたまま。
仮にほんの少しだけ未来の士郎なら、妹の親友も参加者だと気付けただろう。
そんな事実を知る由もなく、引き続き協力相手に真意を隠し兄としての戦いを続ける。

檀黎斗の放送は神経を逆撫でされる内容ではあったが、二人の方針を揺るがす効果は無かった。
エーデルフェルト邸を離れ幾分かの休憩を挟んだ後、次の標的を探し移動を再開。
辿り着いたのがマギウスの翼の拠点、フェントホープだった。
そこからは放送前の襲撃と同じ、風が支給品を使って内部の参加者を確認。
流石にエーデルフェルト邸を超える大きさな為時間は掛かったが、広い一室に三人の姿を見付けた。
砲撃で先手を打った、までは良いが結果は失敗。
三人の内の一人と対峙し、直接戦闘を強いられている。

「ねえ、連続でミスってるし次はやり方変えない?」
「それを話し合うのは、切り抜けてからのが良さそうだぞ。向こうは逃がす気ゼロみたいだ」

敵が手練れなのを加味しても、またもや誰も仕留められてないのは思う所がある。
唇を尖らせ愚痴る風に苦笑いを返しつつ、士郎も意識を戦闘に集中。
放送前に戦った銀狼とは違うが、全身を鎧で覆い素顔は見えない。
説得を試みる手合いでないらしく、これが答えとばかりにトリガーを引いた。

「あっぶな…!」

剣を用いた斬り合いは経験済だが、銃で撃たれるのは初めて。
火力は東郷に劣るからといって、軽くは見れなかった。
焦る口調と裏腹に、回避行動へ出るまでに時間は掛けない。
夢幻召喚の効果は依然変わらず風を強化し、常人を遥かに超える動きを可能とする。
飛び退きエネルギー弾を避け、地面に降り立つや即座に疾走。
棒立ちになって、的と化すつもりがないのは士郎も同様だ。
英霊への置換により得た身体能力を以てすれば、銃撃の対処も不可能に非ず。

地を駆けエネルギー弾を躱しながら、得物を手に距離を詰める。
日本刀と西洋剣の間合いへ閉じ込めるまで残り僅か。
しかしむざむざ接近を許す程、容易く打ち破れる相手ではない。

『ヨモツヘグリスカッシュ!』

ドライバーを操作しロックシードからエネルギーを更に引き出す。
通常形態の龍玄と違い、チャージという手間を挟まずに高威力の弾を発射。
連射性能を大幅に上げた弾幕を張られ、近付く足にもストップが掛かる。
再び回避へ動く士郎と反対に、風が選んだのは突進。
剣を風が覆い刀身が消失、間髪入れずに大きく振り被った。

「逃げてるだけじゃ埒が明かないでしょ!」

風王鉄槌(ストライク・エア)。
剣を不可視へ変えた風の鞘を解き放つ、サーヴァントカードを使用中だからこそ使える攻撃方法。
暴風の砲丸にも等しい威力で、エネルギー弾を纏めて薙ぎ払う。
装甲からも火花を散らし怯んだ今がチャンス、脳天から叩き割らんと振り下ろす。

しかし龍玄、ここで得物を即座にチェンジ。
銃を投げ捨て両手に出現させたのは、円盤状の刃。
アームズウェポンの一種、キウイ撃輪で聖剣を防ぐ。

だったら武器共々粉砕すればいいと、篭手で覆った両手に力が籠る。
バーテックスとの戦いを通じ、剣の扱いにも慣れた。
勇者に変身時にも引けを取らない、ともすれば超えるやもしれぬ身体機能も味方し苛烈極まる猛攻を実現。
されど龍玄という壁は、呆気なく突破可能な紙切れではない。
変身者の生命力を代償に膂力を強化、キウイ撃輪を振るう速度が急激に上昇。
聖剣を寄せ付けず防ぎ切る。

どちらかが痺れを切らすのを待たずに動くは、勇者の協力者たる少年。
シンケンマルのディスクを交換し回転、日本刀から全く異なる形状へ変える。
聖女相手にも使ったシンケンブルーの固有武器、ウォーターアローを新たに装備。
投影により出現させた弓と若干使い勝手は違うも、精度を低下させる程じゃあない。
弦を引き絞り狙いを定め、水の矢を解き放つ。
この一発で敵の装甲を破れるとは思ってない、貫く対象は別の所だ。

キウイ撃輪の刃と中央の安定板を繋ぐ接続部が破壊。
得物の片方が使い物にならなくなり、更に射抜かれた衝撃で体勢が崩れた。

「衛宮さんナイス!」

的確な援護へ感謝を返すも、視線は真正面の標的へ固定。
振り上げた剣がもう片方の円盤を叩き落とし、すかさず胸部へ突きを繰り出す。
少女の細腕ながら弾丸もかくやの勢いだ、呻き声一つ出さずに後退。

追撃へ一歩踏み込む風を近付けさせまいと、次なる武器を出現。
先端に果実をぶら下げた長槍、ダウを豪快に振り回し接近を阻む。
元々はフェムシンムののレデュエが使う得物なのを、この場の誰も知る筈はなく。
ロングレンジを活かし突き出された穂先が、的確に急所を狙う。
素の状態に比べ打たれ強さも上がったとはいえ、あえて受ける理由はない。
聖剣の強度はそのまま防御にも利用出来る、ダウを弾き一撃たりとも食らってはやらない。
ならば確実に力尽きるまで繰り返すだけ、喉元目掛け殺意を籠めた槍が迫り、

「ああ、やっぱりそう来るんだ」

予想通りの攻撃にするりと回避、懐へ潜り込み剣を叩き付けた。

キウイ撃輪を振り回した時も、今のダウの猛攻の時も。
防御を繰り返す内に風が抱いたのは違和感。
敵の力は侮れない、かといって放送前の戦闘時程の脅威を感じ取れない。
疑問への答えはすぐに見付かった。
龍玄の動きは激しくはあるも、ワンパターンなのだ。

意識を奪われ支給品の効果で操られるだけの変身者では、閃刀姫やホーリーフレイム総長のような戦闘技術は発揮不可能。
龍玄・黄泉のスペックでカバーしたものの、やはり限界は訪れる。
戦闘の不得意な相手ならともかく、勇者としての戦闘経験を積んだ風にとっては十分突ける隙。
血飛沫代わりの火花を散らす龍玄の手から得物が落ち、ダメージに堪らず怯む。

意識は無くとも命令には逆らえない、再びドライバーに手を伸ばす。
得物を細かく変えるより、高威力の技で一気に仕留めるつもりか。

尤も、むざむざ敵が許すかは別。

腹部の機械を操作し、特殊な技を繰り出す。
既に一度見せた工程故に、生まれる僅かな隙を見逃さない。
鍔状のディスクを回転させ、士郎はシンケンマルを再度変化。
シンケンレッド専用の大剣、烈火大斬刀を両手で振り被り急接近。
士郎もまた龍玄の動きを見て察したのだ。
戦闘技術の面において、黒衣の魔戒騎士程の手強さはない。
手数と速さを捨て威力重視の武器に変え、決着を早めても問題ないと。

「悪い、こっちも容赦なんかしてやれないんだ」

無意味と分かった上で謝罪を入れ、火炎を纏った大剣を振るう。
血も涙もない外道衆を幾度も葬った刃が、黄泉の遣いを切り裂く。
咄嗟の防御すら間に合わせず、斬り飛ばされた龍玄からは悲鳴も上がらない。
意図したつもりはないが砲撃で開いた穴へ見事に吸い込まれ、屋内へ逆戻り。
所々に亀裂の走った床へ、盛大に叩き付けられた。

「な、なに…!?」
「どうやら、こいつにゃ番犬の仕事は重荷だったみてぇだな」

出て行ったと思ったら時間を掛けずダイナミックな帰還。
ビクリと震えるみかげの横で、エボルトは大袈裟にため息を吐く。
これを見て襲撃者を華麗に撃退、などと口が裂けても言えまい。
十中八九返り討ちに遭ったのだろう、ボディーガードとしては合格点を与えてやれない。

別に期待はしてなかったがとの呟きに反応してか、勢い良く龍玄が立ち上がる。
ライダーに変身中なのもあってか中々にタフらしい。

だが次の行動はエボルトの予想と大きく異なった。

「え、なんでこっち来て……!?」

もう一度襲撃者を相手取ると思いきや、龍玄はみかげの元へ突き進む。
困惑し距離を取ろうとするも、突然の動きへ頭は半ばパニック状態。
呆気なく接近を許し、次に何か言うより早くデイパックを引っ手繰られた。

「……あ!それ私の……!」

何をされたのか理解が追い付き、至極当然の抗議を口に出すも効果なし。
デイパックを奪うと背を向け、あっという間に走り去って行く。
声は届いてるだろうに、振り向く気配すらなかった。


◆◆◆


取り出した菓子パンに無我夢中で齧りつく。
食べる、というよりは貪ると言った表現が当て嵌まるだろう。
数日は食料に有り付けなかった乞食もかくやの、鬼気迫る食べっぷりだった。
但し食事中の当人は空腹を満たすのが目的じゃあない。
もっと別の、自身を苛む苦痛を和らげる為だ。

「ハァ…ハァ……クソッ!あの蛆虫どもが……!」

デイパックに入っていたコロッケパン三つを平らげるが、そこに満足の二文字は無い。
食べれば体力を回復させるとの、説明書の記載内容に偽りはない。
全快には至らずとも、痛みが遥かにマシになった。
しかし傷の癒えた喜び以上に、胸中を占めるのは圧倒的な憎悪。
自分を散々痛め付け、あまつさえ道具のように使った連中への耐え難い怒り。
悪鬼同然に歪んだ顔は自我無き人形ではない、マサツグ様が正気を取り戻した証拠だろう。

マサツグ様が支配を解かれた原因は、つい先程の襲撃者達との戦闘にあった。
まず第一にマサツグ様は士郎達を迎え撃つ際、アーマードライダーへの変身を実行。
元は並行世界のココアに支給され、カイザーインサイト経由で装備させられたヨモツヘグリロックシード。
使用者の生命力を代償に能力を強化する危険な代物だ。
嘗ての呉島光実同様、マサツグ様の肉体もロックシードの影響で負担が圧し掛かった。
ただ此度は度重なるダメージの蓄積が、封じ込められた意識の強引な覚醒を促したのである。
加えて士郎と風の攻撃はマサツグ様のみならず、彼を操った不可視の支給品にも衝撃を与えた。
意図したつもりはなくとも、結果的に人間あやつり機の機能に障害が発生。
正気に戻ったマサツグ様はみかげの支給品を奪い逃走、フェントホープ内の別室に身を隠し今に至る。

「なにが『私の』だ。ハイエナのように他人の物を盗むゴミめ…お前のような猿以下の奴に物を与えても、無意味なだけだろうが。俺の手に渡った事を感謝しろ」

みかげのデイパックを奪ったのに罪悪感は微塵もない。
姑息にも支給品を取り上げた女の仲間だ、傷の回復を優先していなければ道具のみならず命も奪ってやった。
何よりマサツグ様にとって自分以外の参加者は、優勝を阻む屑の集まり。
仮に支給品を取られていなくても、一切躊躇せず殺したのは想像に難くない。

ともかく回復が済んだなら次は武器だ。
一番良いのは自分の支給品の聖剣だが、忌々しい事にみかげとは別の女の手元にある。
あのような物の価値も分からず、我こそに相応しいと抜かす勘違い女に奪われたままなのは非常に腹立たしい。
直ぐにでも殺して取り返したい衝動に駆られつつ、指先がナニカに触れた。
引っ張り出すも聖剣どころか武器ですらない。
顰めっ面で一応説明書に目を通し、顔色を変え即座に使用を決めた。

「やれやれ、代用品とはいえ戻って来たか。全く、ゴミは人様の手を煩わせるのだけは天才的だな」

満足気に見つめる手元には、紺色に輝く一振りの聖剣。
腰にはバックル型の鞘と、神獣の物語を記した本。
クロスセイバーの変身に必要な装備一式が、一つも欠けずマサツグ様の元へ返って来た。

カイザーインサイトから取り返し、再び装備したのではない。
みかげの支給品にあった、タイムコピーというひみつ道具の効果だ。
名前の通り、過去の映像に映った物を立体コピーする機能を持つ。
時間をずらしながら細かく操作を続け、目当ての人物を発見。
地下へ降りる前のカイザーインサイトの持つ、聖剣一式を対象にコピー開始。
複製品と侮るなかれ、性能はオリジナルと変わらない。
念の為に変身してみれば、問題無くクロスセイバーになれた。

いずれカイザーインサイトを殺し本物を取り戻すのは確定事項だが、まずは試運転がてら奴の腰巾着を軽く仕留める。
ついでに自分を痛め付けた少年と少女、奴らも生かす気はない。
己の油断がオーエド町での敗北に繋がったと、反省の二文字がある筈もなく。
鬱屈とした本性を傲慢さで隠し、来た道を戻って行った。


◆◆◆


支給品を勝手に持っていかれたみかげは、怒りと困惑で頭がどうにかなりそうだ。
陛下はあのような命令を下してないだろうに。

「結局俺が働くしかないってか。短い休憩時間で涙が出そうだよ」

苛立ちを声に出し掛けるも、うんざりしたエボルトの言葉で中断。
面倒そうに見つめる先に誰がいるのか、みかげだって分からない筈はない。
嫌な予感で背筋が寒くなるがお構いなしだ、状況は待ってくれない。

黒い鎧の少女と赤毛の少年。
龍玄を追って襲撃者達も屋内へ現れ、視界に映る二人を見据える。
紅黒い装甲の者が変身を解いた、にしてはダメージを受けた様子がない。
何処へ行ったという疑問は、軽い足取りで前に出た地球外生命体から答えがあった。

「お前達とはしゃいでた奴なら、こっちのお嬢ちゃんの支給品を奪って逃げて行ったよ。今頃は一人反省会でもしてるかもな?」
「……女子の持ち物取って一人だけ逃げるとか、普通にドン引きなんだけど」
「そう思うんだったらこっちは無視して、アイツを追い掛けちゃあくれないかねぇ?」
「悪いけど無理な相談だ」

冗談交じりの提案はバッサリ切り捨てられた。
別に本気で言った訳じゃない、予想通りの答えである。

真っ先に自分達へ向かって来た相手が、まさか我先に逃げ出すのは士郎達にも驚きだ。
しかも仲間の支給品まで奪うとは、少々思っていた人間性と違う。
かといって残された二人を見逃す気はない。
向こうもそれが分かってるのだろう、怯えを露わに少女が後退る。

「ちょっと…!どうすんのよ…!?」
「まぁそう慌てなさんな。俺じゃ愛しの陛下程の安心感は無いってか?泣かせてくれるよ」

この期に及んで緊張感の欠片もないエボルトへ、敵対中の士郎達も思わず呆気に取られた。
青褪めながらも他に頼れる相手のいないみかげは、苛立ちと恐怖でいっぱいいっぱい。
流石に同情を抱かないでもないが、優勝の為に蹴落とさねばならない相手。
切り替えた風が殺意を発し、

「ま、協力者のよしみで一働きしてやるよ」

口調は軽いままで、エボルトが長ソファーを蹴り飛ばす。
幾ら成人男性とはいえ、容易く片足で動かせる重量じゃない。
驚きつつ聖剣を振るって両断、綿や部品が床へ散らばる。

拙い目晦ましだがこれで十分だ。
みかげの腕を掴んで大きく後退、傍らで悲鳴が上がるのも無視。
降り立った先で懐から得物を取り出し、反対の手でボトルを活性化。
ファウストを隠れ蓑に使っていた時からの慣れた動作で、スロット部分へ叩き込む。

「蒸血」

――MIST MATCH――

――COBRA…C・COBRA…FIRE――

有毒色のスモッグが全身を覆い、擬態中の肉体を血濡れの装甲で隠す。
各部から蒸気が噴出、背後で盛大に花火が散る。

「ほらよ」
「熱っ……え、ちょっ…!?」

ブラッドスタークに変身すると、デイパックから引き上げた道具をみかげに放った。
火花が手に当たり熱がっていた所へ渡され、慌ててキャッチ。
突然の譲渡へ意図を掴めずにいるのも気に留めず、ブラッドスタークは自身の得物を操作。

――RIFLE MODE――

『特別にくれてやるよ。こっちでカバーが追い付かない分は自力で何とかしとけ』
「はぁ!?」

気安く告げられ堪らず聞き返すも、会話を続ける気はないらしい。
薙ぎ払うようにトランスチームライフルを撃ち牽制、床一面に火花が散る。
先手を切り相手の動きを止めるやすかさず接近、ブレード部分で斬り掛かった。

武器内部のスチームヒーターで加熱された刃は、敵を溶かしながら切断する。
仮面ライダー相手にも有効な斬撃を、生身で受ければ結果は言うまでもない。
大剣を元の形状に戻し、士郎は双剣を重ね防御。
ただの刀では溶解は免れないが、対外道衆を想定した侍戦隊の装備なら別。
高熱ブレードを防ぎ、押し返さんと両腕の筋肉が盛り上がる。
士郎の望み通りにむざむざ怯んでやる理由はない、自ら得物を引き蹴りを放った。

靴底が胴体を叩くより先に、床を転がり回避。
英霊との置換により打たれ強さも常人以上であるも、余計なダメージは負わないに限る。
入れ替わりで攻撃に出たのは風だ、跳躍しブラッドスタークの頭上を確保。
落下の勢いを乗せ聖剣の威力を引き上げ、フルフェイスの頭部を砕き斬るべく迫る。

『おっかないねぇ。最近のお嬢ちゃんはお淑やかって言葉を知らないのか?』

高度な視覚センサーと変身者自身の戦闘経験が、頭上からの奇襲にも焦りを生じさせない。
軽やかにステップを踏み回避、聖剣の餌食となった床は憐れ木っ端微塵。
力を籠めた強力な攻撃程、空振りが発生時の隙は大きい。
シューズに搭載済の機能が足音を消し、一瞬で死角へ移動。
猛烈な悪寒が風を襲った時にはもう遅い、後頭部へ銃口が突き付けられた。
三点バーストの高熱硬化弾が頭蓋骨を食い破り、脳漿で部屋を汚すまで残り僅か。
名前も知らない少女の命を終わらせたとて、ブラッドスタークに一切の罪悪感はなし。

故に風の死を阻むは仮初の協力者。
生まれた隙に我が身を躍らせるのは、何もブラッドスタークのみに限った話ではない。
獣の牙の如く双剣が長銃を弾き、得物を操る本人をも仕留めんと走る。

『おっとォ、優秀な騎士様の参戦か』

軽口を叩きつつも双剣を捌き、時には間を縫って打撃を放つ。
首を狙った手刀を躱し、反対に士郎が切っ先で腹部を突く。
喉元はパイプが巻かれ胸部には分厚い装甲がある以上、脆いだろう箇所はそこだ。

ブラッドスタークが纏う鮮血色のスーツは変身者の強化のみならず、耐衝撃の盾としても機能する。
しかし既存の生物を超える生命力の外道衆を幾度も斬り、地獄へ送り返したのがシンケンマル。
士郎自身の身体能力と相俟って、直撃を受ければ相応のダメージが襲うのは確実。
トランスチームシステムを過信せず、迫る刀身を蹴り上げ退ける。
爪先で得物を叩かれ、士郎の意志とは無関係に腕が跳ね上がればがら空きの胴体が完成だ。

が、そう何度もブラッドスタークの読み通りにはしてやらない。
ただ闇雲に得物を振るうだけでは聖杯戦争に勝ち残れなかった、油断を持ち込まず一挙一動へ常に気を払う。
脚部の僅かな動きを捉えた瞬間、自らシンケンマルを手放していた。
宙を回転し舞う刀には目もくれず、装填済のディスクを回転。
新たにシンケンマルを複製し懐へ潜り込み、今度こそ両の刃が赤い蛇を切り裂く。
なれど標的の動作を冷静に見極められるのは、ブラッドスタークもまた同じ。
斬られる寸前で全身を影状に変化、地面を這い士郎の背後を取る。
うなじがヒリヒリと痛む感覚へ逆らわず、振り返り様に双剣を振るって対処。

『悪くねぇ反応だな。どっかのお坊ちゃんよりも、よっぽど腕が良い』
「誰と比べてるか知らないが、俺だってあんた相手に余裕がある訳じゃないぞ」
『そう腐りなさんな。年長者からの誉め言葉には素直に喜んどくもんだぜ?』

どこまで本気か分からない称賛への反応もそこそこに、武器を動かす手は互いに止めない。
双剣の乱舞を銃剣一本で捌き、時に至近距離で高熱硬化弾を放つ。
顔面スレスレを横切る銃弾に冷汗を掻く暇すら惜しい。
全身装甲姿はついさっきの果実を被った者と同じでも、強さは明らかに目の前の男が上。
剣のみに限って言えば黒衣の剣士に及ばないが、培っただろう戦闘技術は引けを取っていなかった。

「おじさんの癖に動き良すぎでしょ……」

士郎と鎬を削るブラッドスタークに、風も呆れ交じりで呟く。
あの赤い装甲がそこまで高性能なのか、男自身が相応に場数を踏んで来たのか。
いずれにしろ面倒な手合いということは分かった、士郎との二人掛かりで片付けようとし、

「あっ」

視界の端に後退る少女を捉えた。
突如始まった戦闘へ慄き動けずにいたみかげだが、我に返って真っ先に思い付いたのは逃走。
エボルトから道具を渡されたからといって、はい分かりましたと即座に戦える訳がない。
真っ赤な装甲姿よりも更にヤバい、怪物の力を発揮すれば2対1でも問題ないだろう。
むしろ自分は足手纏い、早く陛下を呼びに行った方が良い。
己を納得させる言葉を繰り返し逃走を試みたタイミングで、運悪く見付かった。
バイザーがこちらへ向けられてると気付き、ぶわっと冷や汗が流れ出す。
弱者には興味の無い武人肌、なんて都合の良い展開は当然やって来ない。

風が目指すのは優勝による願いを叶える権利の獲得。
一時的に手を組んだ士郎を含め、全参加者が殺すべき対象。
戦えるかどうかは関係無く、殺し合いのプレイヤーに選ばれた時点で例外はない。
ここでみかげを見逃す理由は欠片も存在しなかった。

「……ごめん」

それでも、何一つ感じないと言えば嘘になる。
様子を見れば元々争いとは無縁の、巻き込まれただけの一般人だと察しは付く。
勇者とバーテックスの戦いを知らず、日常を謳歌して来た者達と変わらない。
人の為になることをする、勇者部の部長にあるまじき暴挙。
自分の行いが誰にとっても許されない自覚はあり、風本人にしか聞こえない声量でその三文字が零れた。

だけど今更後戻りするつもりもなく、聖剣の柄を痛いくらいに握り締める。
せめて余計に苦しませないよう一撃で、相手にとっては何の嬉しさもない心持で突進。
斬られたと理解させずに首を落とし、今度こそ本当に手を汚す。

「――――っ!」

風と目が合った瞬間から、みかげは己の死を強く予感した。
蛇に睨まれた蛙という諺がここまで合う状況は、平凡な学生生活でまず訪れない。
『普通』を求めた末に、『普通』じゃない相手の手で『普通』からかけ離れた終わりを迎える。
納得なんて出来ない、大人しく受け入れる気が起きるなど有り得ない。

(いや……私まだ……だって……)

自分が何をやれば良いのか答えは見付からない、でも死にたいとだけは思えない。
死にたくない、声には出さずとも心からの叫びを聖剣が終わらせる。

『黄雷抜刀!』

「なっ…!?」

逃れられない結末へ否と答え、雷がみかげを守る盾と化す。
聖剣によって引き起こされる死を阻むのは、同じ聖剣以外にない。

光がみかげを包み込み、現れるは甲冑を着込んだ新たな剣士。
左肩には黄金のランプを思わせる装甲。
垂らしたローブも同色で高貴さが漂う一方で、頭部からは鋭利な刃が突き出る。
稲妻を象ったエンブレムを填め、聖剣の使い手がここに降臨。
仮面ライダーエスパーダ。
予選では破滅の未来に囚われた青年が、本来振るった力の名。

「た、助かった……」

手にした雷鳴剣黄雷を見つめ、震える声が喉を引き絞り溢れる。
元々黄雷を含めたエスパーダに変身する為の装備一式は、ルナの支給品だった。
ライダーにならずとも十分な強さを持つ魔女には無用の代物として、生きてる間は使われず死蔵。
だが放送前に脱落し、残った黄雷はデイパック諸共エボルトがちゃっかり回収。
ついでに司の支給品もドレイクグリップを含め、自分の手元に確保。
エーデルフェルト邸に集まった面々が定時放送で大なり小なり動揺があった為、エボルトの抜け目ない行動に口を挟む余裕も無かったのである。
とはいえ自前の戦闘手段を有するエボルトも聖剣は必要としていない。
未知のライダーシステムへ多少の興味こそ抱くも、譲渡は問題無しとみかげへくれてやった。

(ってかこれ、陛下が使ったのと同じっぽい?)

みかげが咄嗟の変身を実行に移せたのは、事前にクロスセイバーの存在を知れたから。
スペックこそ大きく差が開くが、バックルから聖剣を引き抜く工程は同じ。
死への恐怖から無我夢中で黄雷を抜き、こうして死なずに済んだ。

「あんまり余計な抵抗しないで欲しいんだけど!」
「っ、するに決まってんでしょ…!何なのよいきなり襲って来て!頭おかしいんじゃないの!?」

安堵するにはまだ早い、一撃防いでも襲った相手が健在では根本的な解決にはならない。
理不尽な要望へ苛立ちを露わに返し、次いで起こるは聖剣同士の激突。
黒を纏いし刃が変わらず死を望み、稲妻を帯びたが死を否と叫ぶ。

「ぜやああああああっ!!!」
「痛っ……!」

気合の入った構えからの豪快な振り下ろし。
得物は勇者だった時の大剣よりサイズダウンしてるが、強度も切れ味も上。
得意の戦法で敵の剣共々破壊に出る。
しかし世界は違えど聖剣は容易く砕けはしない、翳した黄雷がみかげへの被害を防ぐ。
尤も夢幻召喚を経た斬撃だ、両腕を襲う重圧に短く悲鳴が漏れた。

「この……離れなさいよ…!」

みかげの意志に聖剣が応え、刀身から稲妻が更に迸る。
鍔迫り合いの体勢を崩さず電撃を流し、全身の痺れに風の力が幾分弱まった。
戦闘の素人と言えども今がチャンスだとは分かる。
引き上げられた膂力で力任せに振り払い、敵を押し返すのに成功。
また斬り掛かられるのは御免だ、刀身から電撃を放射。
マトモに食らえば危険な黄雷の能力も、一度我が身で味わえば二度目は許さない。
夢幻召喚で風が得たのは、少女にあるまじき怪力のみに非ず。
床を踏み砕き疾走、泳ぐように電撃を避け再び接近。
横薙ぎに振るわれた聖剣をみかげが防ぎ、続けて二撃三撃と刀身が叩き付けられた。

「そらそらどうしたっ!敵わないって分かったら大人しくしてな!一撃で終わらせてあげるからさ!」
「勝手な事ばっかり言うな!くぅ…っ!ゴリラみたいな力して……!」
「はぁ~~~!?こんな美人相手に何言ってくれちゃってんのかしら…!女子力の高さが剣の強さにも出ただけでしょ!」
「剣振るうのに女子力は関係ないでしょうが…!」

向こうが言えばすかさず言い返してを繰り返し、口と腕が休まる所を知らない。
相手に勝ちを譲るつもりは互いに無くとも、押されているのはみかげの方。
エスパーダの機能でどうにか動けてるだけで、元々ただの女子中学生では勇者として戦って来た風には届かない。
細腕に圧し掛かる重みへ戦慄を抱き、防御を崩さずに口を開く。

「ほんっとに…なんなのよ……!あんな自分を神様とか言う痛い奴の言い成りになって、何がしたいの――」
「あんな奴に縋り付くしか、どうにもならないからよ」

己の抗議を遮って紡がれた言葉に、思わず息を呑んだ。
バイザーの奥に隠した瞳が、見えないのに悲痛な色を浮かべた気がしてならない。

冥界の王はもとより、神を名乗るゲームマスターに悪感情が湧かない訳ない。
よりにもよって、『神様』なんかに頼らざるを得ない自分に嫌気が差す。
けど他に方法があるのか。
供物と称して奪った妹の声を、何も悪いことなんてしてない勇者部の皆の体を返してくれる、奇跡が起きると言うのか。
起きないから、蜘蛛の糸に等しい可能性に縋り付いている。
結局どの世界でも変わらない、捻くれて意地の悪い『神様』の言い成りになった。

「うぁ…っ!?」

詳しい事情が語られずとも理解出来る、言葉の重みへみかげが何も言えずにいる中。
話はこれで終わりとばかりに、風の剣が一層激しさを増す。
防いだ体勢のままに吹き飛ばされ、床を転がるも敵の手加減には期待するだけ無駄。
心なしかプレッシャーまで上がった風に恐怖しつつ、バックルへ手を伸ばす。

『ランブドアランジーナ!』

ワンダーライドブックの力を引き出し、聖剣から三日月状の斬撃を放つ。
メギドを怯ませる威力も風を止めるには頼りない、苦し紛れの抵抗に過ぎない。
一振りで霧散した刃には目もくれず、優勝へ一歩近付く為に斬り殺さんと踏み込む。





「ごがあああああっ!?」





だというのに、またしても手を止めるしかなかった。
聞こえた声は風もみかげでも、同じ空間で戦闘中の男二人とも違う。
今度は何事かと視線を彷徨わせる必要もなく、声の主が壁を突き破って彼の前に転がる。
全員暫し戦いを中断し乱入者へ意識を向ける中、

「いた…!こっちの部屋まで飛ん、で…?」
「……」

続けて現れる新たな顔ぶれへの、高まった混乱故の視線を浴びせられ。
桜色の髪を靡かせた少女も、異形の貌を貼り付ける侍も、発するべき言葉を直ぐには見付けられなかった。

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