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  • 決闘バトルロイヤル @ ウィキ
  • 信条・激昂・焦熱に呼び起されるまま

決闘バトルロイヤル @ ウィキ

信条・激昂・焦熱に呼び起されるまま

最終更新:2022年07月20日 11:36

匿名ユーザー

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「は……?」

口から漏れた声は、自分でも驚く程に間の抜けたものだった。
砂浜に一人立ち尽くす男、猿渡一海の頭にはほんの数分前の光景が幾度もリピートされる。
サングラスの怪しい男に突っかかった少年の首が吹き飛び、スマッシュとは違う化け物が現れ偉そうな事を言って来た。
連中は決闘(デュエル)と言う言葉を使っていたが、早い話が殺し合いだろう。
磯野とか言う男が高らかに開始宣言をし、何の前触れもなくここにいる。

「まさかここがあの世だってのか?」

軽く頬をつねって見ると普通に痛い。
手に伝わる感触は、夜風で少々冷えているが紛れも無く生きた人間の肌。
つまり悪い夢を見ているのでも無ければ、死者としてあの世に居るのでもない。
正真正銘、一海は生きた人間としてデュエルに参加させられている。
俄かには信じられない事である。

「本当に生き返ったってのかよ…」

自分が五体満足でいる現実へ大いに困惑を含んだ呟き。
思い起こされるのはデュエルを強要される前、パンドラタワーでの戦い。
エボルトによる地球滅亡を阻止する為に、戦兎らと共に奴の待つ塔へ乗り込んだ。
ガーディアンを蹴散らし進んだ先で待っていたのは、死んだはずの北都三羽烏。
愛すべき弟分達が敵として立ちはだかったのだ。

尤も本物では無くエボルトが自身の遺伝子で作った擬態。
だが偽物と分かっていても手が出せず、一方的に追い詰められた。
一海は己の不甲斐なさと彼らを護れなかった事を受け入れ、消滅覚悟で最後の手段に出てしまう。
それにより偽物達は倒せたが一海の肉体も限界を迎え、推しのアイドルに看取られながらこの世を去った。

「…………気に入らねぇ」

改めて自分の現状を確認すると、困惑は徐々に怒りへと変わっていく。
別に人が死ぬのを見るのが始めてな訳ではない。
元いた日本で自分達がやっていたのは戦争だし、完全に割り切れてはいなかったが死者が出るのは避けられないと理解していた。
しかしハ・デスや磯野が行ったのは戦争などでは無い。

理不尽へ真っ当な怒りをぶつけた少年を、見せしめのように殺した。
首輪を填め、殺し合わせるのをゲームと言い放った。
ハ・デスはエボルトと同じ、人間を玩具としか見ていないふざけた野郎だ。

「ったく、推しに看取られるなんて俺にゃ勿体ねぇ最期だったってのによ」

仕方なしといった言葉とは裏腹に、一海の目には決意が宿る。
決闘がお望みと言うのなら、存分に戦ってやろうではないか。
但しその相手はハ・デス、そして奴に付き従う磯野のよな連中。
本当にゲーム感覚で開催したのか他に目的があるのか知らないが、連中を叩き潰すのは決定事項。
それが自分が生き返った意味、仮面ライダーとしてここにいる理由なのだから。

と、決意を新たにした所でデイパックの中身を確認する。
予想通りと言うべきか、仮面ライダーへの変身に必要な装備一式は入っていた。
その他にも、一海を驚愕させるアイテムが一つ。

「こ、こいつは……!?」

恐らく全参加者の中でソレに価値を見出すのは一海ただ一人だろう。
成人女性程の大きさの枕。所謂抱き枕。
プリントされたポーズを取った少女が誰なのかを一海は良く知っている。
否、彼女を忘れるなど一海自身が許さない。

「み、み、み、みーたんだぁ~~~~~!!!!!!」」

ネットアイドルみーたん。本名石動美空の抱き枕。
何の因果かみーたんの大ファンである一海に支給されていた。
これを見ているだけで、脳内にはみーたんが「カズミン頑張って(はぁと)」と応援してくれるようだ。
推しからの熱い声援(幻聴)に一海のボルテージは最高潮に達する。

「グズグズしてられねぇ!みーたんが応援してれたなら、今すぐに――っ!?」

行動を阻むようなプレッシャーが、前触れなく襲い掛かった。

全身を強張らせる一海の前に、ソイツはいた。

真紅の騎士、とでも言うべき姿。
全身を紅い装甲で覆い隠し、右手に持つ大剣が月の光に反射して輝いている。
否、よくよく目を凝らして見て見ると装甲だと思っていたのは肉体。
両肩と腕から突起物を生やした、赤い外骨格だ。
頭部には鶏冠にも見える黒い角らしきモノ、加えて黄色く光る眼。
人間ではない、決闘者が見たら悪魔族モンスターか何かだと言いそうな外見をしていた。

怪物の名はデェムシュ。
ヘルヘイムの侵略を生き延び、生態系の頂点に君臨するオーバーロードの一体である。

「ふン、早速猿が湧いテ出て来タカ。」

嘲りと嫌悪を隠そうともしない言葉。
相手の見た目と威圧感に固まっていた一海も、喧嘩を売られたと理解する。

「早々ニ消えロ。汚らワシい猿なド、視界に入レるダケデも虫唾が走ル!」
「あぁ?いきなり出て来て何様のつもりだテメェ」

相手が怪物だからといって、こうも好き放題言われては黙っていられない。
当然の如く抗議するも向こうは聞く耳持たず。(耳らしき器官は確認できないが)
剣を構え悠々と一海へ近付いて来た。
余裕たっぷりな態度は一海を圧倒的な弱者と見ている証拠。
慌てずとも殺せる虫けら、デェムシュにとって一海はその程度の存在なのだろう。

「へっ、その気だってんなら話は早ぇ」

敵の正体は不明だが、殺そうとしているのは間違いない。
ならば大人しく殺されてなどやるものか。
既に腰にはスクラッシュドライバーが装着済だ。
何十回と行って来た手順故に、すっかり染み付いた動作に移る。
パウチ型のアイテム、スクラッシュゼリーを装填する。

『ロボットゼリー!』

「変身!」

『潰れる!流れる!溢れ出る!ロボット・イン・グリス!』

『ブラァッ!!!』

レンチ型レバーを下げるとパウチ内の成分がドライバー抽出、一海の全身をボディスーツが覆う。
巨大なビーカーが出現し、更に一海の頭頂部から火山の噴火のように液体が噴出。
瞬時に固定化し黄金色の装甲へと変化した。

これぞ仮面ライダーグリス。
北都一の暴れん坊、猿渡一海の変身する仮面ライダーである。

「下らン!」

一海の変身を一言で切り捨て、愛剣シュイムを振り被る。
敵は沢芽市のアーマードライダーと同じようなものと判断。
ならば恐れも警戒も一切必要無し。
ヘルヘイムの果実を食べ、更なる力を得た自分の敵ではない。

頭頂部から股まで真っ二つにせんとシュイムが振り下ろされる。
右に上体を軽く捻って回避、同時に拳を突き出す。
デェムシュの胸部を叩く。しかし怯む素振りはゼロ。

「一発だけじゃあ終わらせねぇ!」

スーツ内部の伸縮ゲルパッドが腕力を大幅に引き上げる。
コンクリートだろうと容易く破壊する拳を連続で放つ。
だが効果は無い、デェムシュは鼻で笑う。

「そノ程度で勝っタ気になるトは、所詮ハ猿カ」
「慌てんじゃねぇよ!まだこっからだぜ!」

ドライバーを操作し、専用の武器を左腕に装着する。
可変系武器ツインブレイカー、先端の杭がデェムシュを貫こうと回転数を速めた。

「小賢シいワ!!」

デェムシュの外骨格を破壊する前に、翳した大剣に阻まれる。
両腕で押し出してやれば、後方へとよろけるグリス。
すかさず突き出された切っ先を、ツインブレイカーで弾いた。
シュイムが持ち手の意思とは無関係に、あらぬ方向へと向かう。

「貰った!」

再度左腕をデェムシュ目掛けて突き出す。
顔面へ杭が迫る。

それも当たらない。
グリスの攻撃は確かにデェムシュの顔面を捉えた。
なのにまるで霞でも殴りつけたかのように、手応えが全く感じられ無いのだ。
原因は今のデェムシュを見れば一目瞭然。
重厚な外骨格に覆われた肉体が、頭頂部からつま先まで赤い霧のように変化していた。
霧と化したデェムシュは不規則にグリスの周囲を動き回る。
殴ろうにも霧と化した肉体に攻撃は通らない。
反対に霧が接触する度に、グリスは装甲越しに痛みを受け呻く。

「消え失セロ!!」

無様を晒した相手へ急接近し実体か、シュイムを振るう。
両腕を交差させどうにか防御が間に合ったが無意味。
始めの一振りで防御を崩され、、続く二撃目が胸部を走る。

「がっ…!」

これで終わらせてはくれない、すかさず三度目の斬撃が来る。
痛みに気を取られている場合では無い、横っ飛びに回避しどうにか事なきを得た。
この時の判断を一海はすぐに後悔する羽目になる。
グリスに避けられたシュイムの一撃は、直前まで彼が立っていた真後ろへと振り下ろされた。

「っ!!!!!」

グリスと違って自力で動けないソレに、シュイムを回避する術は無い。
至極当然の結果として刃に断たれ、中身を砂浜にぶち撒ける。
目の前の惨状をすぐには受け入れられず、ややあって理解が追い付く。
次の瞬間、戦場に一海の絶叫が木霊した。
叫んだところでどうにもならない、全ては後の祭り。
それでも一海は腹の底から嘆きの声を出さずにはいられない。

「みーたああああああああああああああん!!!!!」」
「フン、猿の下ラん玩具カ」

見るも無残な姿となったみーたんの抱き枕。
本当ならば支給品として見つけた際、傷や汚れが付着しないよう丁重にデイパック内に戻す筈だった。
だが直後にデェムシュが現れた為、戦闘態勢への移行を優先し、抱き枕は出しっ放しとなっていたのだ。
その結果がこれ。たかが抱き枕と呆れられるかもしれないが、一海にとっては一大事。
推しのグッズを安全な場所に避難させるのを忘れた挙句に斬られるなど、ドルオタ失格である。

(みーたんが…俺のせいでみーたんのきゃわいいお顔が真っ二つに……)

「猿ニ相応シい末路をくレテやるワ!」

一海が何をそんなに嘆いているかなどデェムシュには関係ない。
滅ぶべき下等な生物を始末する、ただそれだけのこと。
嗜虐心を露わに剣を振い――





「スタープラチナ・ザ・ワールド」





気が付けば、訳も分からぬまま吹き飛ばされていた。

「グオオオオ!?」

悲鳴を上げ、無様に砂浜を転がる自分へ困惑を隠せない。
何が起きた?何故自分がこんな目に遭っている?
現状への疑問は即座に怒りへと変わる。
自分がこのような無様を晒すど許される筈が無い。自分にこのような醜態を晒させた輩は生かしておけない。
真っ赤な顔を憤怒で更に赤く染め上げ、己をコケにした者を探す。

相手は直ぐに見つかった。
トドメを刺してやる筈だった猿、そいつの傍に別の猿が佇んでいた。

「やれやれだぜ、間一髪ってとこか」

冷静にそう呟いた少年をグリスは見上げる。
学生服、で良いのだろうか。
今日日これ程に気合の入った改造制服はお目にかかった事が無い。
恰好を笑う気になれないのは、少年の放つ尋常ならざるプレッシャーのせいだろう。
一体どれ程の修羅場を潜れば身に着けられるのか見当もつかない。

呆気に取られていたが、殺気をぶつけるデェムシュの存在で我に返る。
誰だか知らないがこのままではマズい。

「っ、おい!誰だか知らねぇが今は下がってろ!」
「…成程な。あの野郎を殴り飛ばしたのは間違いじゃなかった訳だ」

こちらを危機から遠ざけようとする一海の言葉で確信する。
彼を助けたのは間違いでは無かったと。

警告する一海とは正反対に涼しい顔で、されど視線は鋭くデェムシュを射抜きへ近付いて行く。
ポケットに手を入れたままの、堂々とした態度。
不遜な姿はデェムシュを酷く苛立たせた。

「色々と考えておきてぇ事は山ほどあるが…」

宿敵である吸血鬼を倒し、五十日に及ぶ旅を終えた筈がどうしてこんなものに巻き込まれたのか。
ハ・デスと名乗った化け物は何が目的なのか。
現在対峙している紅い剣士は、ハ・デスとは別の化け物なのか。
気になる事は多々あれど、真っ先にせねばならないのは一つだけ。

このふざけたデュエルに賛同した輩を徹底的にブチのめす。

「目障りナ猿ガぁッ!!」
「行くぜオイ!!」

オーバーロード、デェムシュ。
スタンド使い、空条承太郎。
互いの視線と敵意が交差し、真っ向から激突した。


「オラァッ!」

先手を打ったのは承太郎、その傍らに立つ拳闘士。
スタープラチナの拳がデェムシュの肉体を強打する。
破壊力、スピード共に他の追随を許さない、近接戦では無類の強さを誇るスタンド。
数多のスタンド使いを再起不能に追い込んだ一撃。
人間ならば骨を煎餅でも割るように砕かれていたであろう拳だが、此度は別。
胴体に叩き込まれた拳に何ら反応する事無く、両腕を振るう。
シュイムが狙うはスタープラチナの頭部。

「チッ!」

シュイムに走る衝撃、同時にデェムシュの両腕が跳ね上がった。
剣の下から掬い上げるよう殴り、斬首を回避。
それだけで剣を殴りつけた左腕が若干痺れている。
外見のみならず力も正に化け物と言う事か。
少しばかり骨が折れそうだと内心でため息をつく。

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァッ!!」

一発だけで仕留められないのならば、倒れるまで殴るだけのこと。
スピードに物を言わせたラッシュが殺到。
だがスタープラチナの拳から伝わるのは、金属を殴りつけているような感触。
敵へ効果的なダメージを与えているとは到底言い難い。

スタープラチナを前にデェムシュもただやられる気は皆無。
重量のある両手剣が、スタープラチナと同等の速度で振るわれる。
顔面や胴体を狙った拳はシュイムに阻まれ、反対にスタープラチナが切り裂かれる。
時折、デェムシュにも拳が当たりはするもののやはり怯む様子は無い。

(野郎…!)

承太郎が受けるダメージは致命傷となるものではない。
だが一つ、また一つと傷は増えていき、その度に血が撒き散らされる。
一方でデェムシュは打撃を受けても呻き声一つ上げない。
岩石でも殴りつけているのかと錯覚するほどに硬いのだ。

「生温イ!猿の力なドたカガ知レる!」

我こそが強者と言う傲慢な態度は、実力に裏打ちされたもの。
沢芽市のアーマードライダーを幾度も苦戦させた戦闘力はここでも健在。
おまけにデェムシュらオーバーロードは彼らの王、ロシュオによって肉体を改造された者達。
トドメとばかりに今のデェムシュはヘルヘイムの果実を食した事により、更なる力を物にしていた。
生命力も肉体の堅牢さも、通常のインベスより遥かに上である。

「鬱陶しイワぁっ!」

敵の攻撃はほとんど効果が無く、反対に自分の剣は何度も血を流させている。
なのに相手は一向に倒れない、致命傷になり得る一撃は全て防がれる。
全く持って気に入らない。
苛立ちはそのまま剣に乗せ、勢いを増したシュイムの猛攻に承太郎の傷も増えて行く。
このまま細切れにしてやろうと低く笑い、

次の瞬間にはまたもや吹き飛ばされた。

「ヌゥ!?」

一度ならず二度も、何をされたか分からず身体が宙に浮いている。
屈辱に頭が破裂しそうな程沸騰する。されど分かった事もあった。
あの奇怪な攻撃でも自分を倒すには至らないのだ。
ならば恐れるに足りない。
身体を霧状に変化させ、無様に叩きつけられる事無く承太郎へと接近。
不規則な動きだろうとスタープラチナの精密性ならば命中も容易い。
問題は霧に変化した肉体にはどれだけ拳を放っても意味はなく、反対にスタープラチナへはダメージが与えられてしまう。

何度目かの攻撃の後、スタープラチナの背後で実体化するデェムシュ。
振り向かせはしない、その前に首を斬り落とそうとするつもりだ。
が、シュイムから両腕へ衝撃が伝わる。
黄金色の戦士がシュイムヘ杭を叩き込み、狙いを逸らしたのだ。

「貴様!!」
「俺を忘れてんじゃねぇぞ」

デェムシュの怒りを受け流し、戦線復帰したグリスが両の拳を強く握る。
乱入者の少年に役目を奪われたが、自分は戦いを下りたつもりは無い。
何より、この赤い化け物には徹底的にぶちかましてやらねば気が済まなかった。

「ゥオルァッ!!」
「ぐオ!?」

グリスのストレートが胸部を叩く。
どれだけ食らっても痒いと感じるのが精々の、脆弱な猿の拳。
だというのにこれは何だ。

「テメェは!よくもみーたんを!!傷付けやがったな!!!」

防御も回避も間に合わない。
胸部へ、腹部へ、顔面へ、グリスの拳が叩き込まれ衝撃が内部を揺らす。
本当ならば避ける必要もない攻撃の筈。
なのに一撃一撃が先程までとは嘘のように速く、重い。

「こんなもんじゃあねぇぞ!!!」
「グはァッ!?」

頬への一撃に思考をシェイクさせられる。
急激な敵の変化の答えを導く事すらさせて貰えなかった。

ネビュラガスを注入された者に共通して存在するものがある。
それがハザードレベル。ネビュラガスへの耐久力を段階的に分けたものだ。
仮面ライダーにはレベルが測定値に達していなければ変身出来ず、例えばビルドドライバーは3.0、スクラッシュドライバーは4.0と基準値が設定されている。
またハザードレベルにはある大きな特徴が存在する。
それは感情の昂りによって上昇し、変身者の能力を引き上げるというもの。
戦兎達はハザードレベルの急上昇によって危機を脱した事もあれば、ハザードレベルを上昇させたエボルトの手で苦しめられた事もある。

此度の戦いでもハザードレベルの上昇が起こった。
愛する推しのグッズを破壊したデェムシュへの怒り。
愛する推しのグッズを護れなかった自分自身への怒り。
湧き上がる憤怒により感情を大きく刺激され、それが一海のハザードレベルを上げるのに繋がったのだ。

一海自身も急に自分の攻撃が効き始めた理由に気付いている。
それを律儀に教えてやる気は無く、今はただ目の前の許し難い怪人を叩き潰す事に専念していた。

「舐めルな猿ガァァアアアアアアアアアアッ!!!」

怒りに燃えるのはデェムシュも同じだ。
下等生物と見下す相手からこうも傷を付けられるなど、断じて許しておけない。
両肩の角が放電し、雷撃となってグリスヘ放たれる。
猿の分際で超越者へ逆らった罰を受けるかのように、グリスは絶叫。
続けて掌から火球を発射。至近距離でモロに受け、鮮血のように装甲から火花が散る。
強制的に拳の猛攻を止められた。

「死ネっ!!」

これだけで罰を終わらせはしない。
己の手でつまらない生を奪ってやらねばデェムシュの気は済まない。
首を狙ったシュイムが真下へ叩きつけられ、

「同じ台詞になっちまうが、俺を忘れるんじゃあねぇぜ」

再度寸前で停止する。

デェムシュ相手にはこれで三度目となる時間停止。
既に二回、時を止めた状態でスタープラチナのラッシュを叩き込んだというのに、大したダメージは与えられなかった。
驚くべき頑強さ。DIOの再生能力とは違う意味で厄介な肉体だ。
しかしグリスの猛攻でダメージを受けている今ならば、いけるかもしれない。

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ」

グリスに殴られた箇所へ集中してラッシュを叩き込む。
やはり硬いが、先程よりは若干脆さを感じる。

「グォ――」

承太郎の意思に反して、時が勝手に動き出す。
DIOとの戦いの時よりも明らかに短い時しか止められない。
だがそれらは後回しだ。
集中すべきは眼前の敵をブチのめす、今はその一点のみ。

「オォォォラァァァーーーーーッ!!!!」

顔面ど真ん中を捉えた拳はデェムシュの雄叫びを封じ、殴り飛ばす。
砂浜を大きく超え、海面に出てもまだ飛び続け、やがて派手な飛沫を上げて落ちた。


「あークソ、結局俺の出番取られちまったのかよ」

承太郎が振り返ると、変身を解きボヤく一海がいた。
口調とは裏腹に表情は苦し気なのが見て取れる。
装甲越しとはいえ進化態のデェムシュの攻撃をモロに食らったのだ。
平気でいられる傷では無いだろう。

一方で承太郎も同じようなものだ。
所々が出血し今も学生服を赤く染めている。
致命傷が無いとはいえ、放って置いて良い状態でもない。

互いに聞いておきたい事は山ほどある。
ハ・デスを倒しデュエルを終わらせたい気持ちは共通しているが、まだ自己紹介すらしていない。
一海が纏った黄金の装甲、承太郎の傍らにいた拳闘士、それらの詳細も気になっている。
だが今は

「…一旦場所を変えるぜ。話はそれからだ。立てるか?」
「…おう、ったくあの野郎、好き勝手にやりやがって」

よっこらせと立ち上がり承太郎と向き合う。
場所を変えるのに異論は無いが、その前にやっておかねばならない事がある。
無惨にも斬られたみーたんの抱き枕。
見ているだけで涙が溢れて来るが、どうにか堪えてデイパックに仕舞う。
もうこれ以上彼女が傷つけられないように。

「すまねぇみーたん…。不甲斐ない俺を許してくれ……」

頬を雫が伝い落ちる。
耳元では愛しいあの声で「泣かないでカズミン」という優しい囁き(幻聴)が聞こえて、推しの優しさに涙が流れるばかり。
どっからどう見ても奇行に走ったとしか思えぬ姿に、承太郎は黙って帽子を深く被り直した。

「……やれやれだぜ」


【空条承太郎@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:疲労(中)、全身に斬傷
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品×1~3
[思考・状況]
基本方針:打倒主催者。
1:場所を変えて男(一海)と情報交換する。
[備考]
※参戦時期は第三部終了後。

【猿渡一海@仮面ライダービルド】
[状態]:疲労(中)、ダメージ(大)
[装備]:スクラッシュドライバー+ロボットスクラッシュゼリー@仮面ライダービルド
[道具]:基本支給品一式、みーたんの抱き枕(破損)@仮面ライダービルド、ランダム支給品×0~1
[思考・状況]
基本方針:ハ・デスと従ってる連中をぶっ潰す。
1:場所を変えて少年(承太郎)と情報交換する。
2:ごめんねみーたん……
[備考]
※参戦時期はTV版で死亡後。


◆◆◆


承太郎達が去り、再び波の音だけが聞こえる砂浜。
そこへ新たな音を運ぶものが現れた。
海面にヌッと顔を出し、荒い動きで陸に上がる影。
赤い全身を海水で濡らした異形は、無人の砂浜で雄たけびを上げる。

「おノレ猿ドモがァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!」

奴隷のような首輪を填められ、猿如きに殺し合えと命令され、
挙句の果てには二匹の猿を仕留め損ね、傷まで負わされた。
ここに来てから短時間で屈辱の連続だ。
怒りで自分自身をも殺してしまいそうになる。

「俺をコケにした貴様ラだけハ許サン!殺ス!殺しテやル!!」

さっきの二人も、他の猿共も、ハ・デスも一人残らず殺す。
絶対的な強者である自分が辛酸を舐めたまま終わるなど、飼い犬のように扱われるなど断じて許される事では無いのだから


【デェムシュ@仮面ライダー鎧武】
[状態]:疲労(中)、ダメージ(中)、ずぶ濡れ、激しい怒りと屈辱
[装備]:両手剣シュイム@仮面ライダー鎧武
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品×0~2
[思考・状況]
基本方針ハ・デスも参加者も皆殺し
1:猿は見つけ次第殺す。
2:さっきの猿ども(承太郎、一海)は必ず殺す。
[備考]
※参戦時期は進化体になって以降~死亡前。

【スクラッシュドライバー@仮面ライダービルド】
葛城巧が残した未完成のデータを基に戦兎が完成させた変身ベルト。
スクラッシュゼリーやクラックフルボトルをセットし、仮面ライダーに変身する。

【ロボットスクラッシュゼリー@仮面ライダービルド】
ロボットフルボトルの成分をゼリー状に変換して収めたパウチ型アイテム。
スクラッシュドライバーを用いた変身に使う。

【みーたんの抱き枕@仮面ライダービルド】
滝川紗羽が猿渡一海に売りつけたみーたん(石動美空)の抱き枕。
一海はあろうことか本人が見ている前で抱き枕にキスしようとしたが、当然女性陣からグーパンを食らい阻止された。

【両手剣シュイム@仮面ライダー鎧武】
デェムシュが愛用する大剣。
「信条・激昂・焦熱に呼び起されるまま」をウィキ内検索
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