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CPUd計画

CPUd計画
CPUdというのはサイボーグ技術の前身のようなもので、
人間ひとりの体中にあらゆるデバイスを構築することで幅広い機構を制御できるようにし、臨床実験を行うというのが主な目的である。
CPUdNo.1"フィッツリーネ"自身がこの研究の温床を築き、ものの十数年で世界的にこの改造技術を流布していった。

素体であるCPUdというのは基本的に苦痛を伴う実験を課されるモルモットであり、
そもそも人間をCPUdへと改造する手術の時点で異常に成功率が低く、失敗すればほぼ確実に死亡する。
失敗して辛うじて生き残った場合でもまず人間としての姿をとどめる事がなく、いちいち保障もしてられないことから失敗作は薬殺されることになっている。
こういった非人道的要素の塊ともいうべきCPUd技術は各国の政府当局により禁止されている。
だからあの話のように白々しく人造人間だなどと誤魔化していた。
当然のようにバレる事例など頻繁にあったが、CPUdを開発する組織は世界中に分散していた。
そのため、一つ二つ立件したところで屁でもなかったり簡単に揉み消されるのが現実。
死刑囚に対する改造手術だけは公に認められており、政府当局がCPUd組織へ犯罪者を提供し、監視のもとで手術を行う。
手術が成功し生還した場合は素体が死ぬまで政府の記録係がつきまとう事になる。
よって違法に生産したCPUdとの研究比較がしにくい点が非常に邪魔くさい。
それでも一年に一体というペースで生まれるCPUdは貴重なので相場が少し低い程度の価値で普通に扱われる。
また重犯罪人ともなると精神レベルが軒並み高いことから改造手術の成功率もやや大きめである。


異様に低い成功率に見合うだけの価値がCPUd一体にはある。
素体の性能と研究者の腕にもよるが一人でスパコンを何台分も動かしたりもできた。

犯罪者の改造成功率はというと0.05%が0.21%になる程度。
だから大きい違いはないのだが、これはCPUd開発よりも政府とのコネクションを築くための行動と言った方が正しいかもしれない。
そんなわけで歴代のCPUdはすべて元犯罪者という事になっているが実際に元犯罪者なのは2割といったところである。

CPUd開発というのは一人か二人だけでも手術に成功すれば特許料とかで余裕で元は取れるが多くは天文学的赤字になるのが普通だ。
スポンサーを取ろうにも博打性が高い以前に水面下での活動であるため一般社会から資金は募りにくい。
そこで死刑をぎりぎり免れたような犯罪者等を献金によってムリヤリ死刑囚へランクアップさせ、始末するという触れ込みで裏社会に働きかける。
収監されてる犯罪者の敵対者等が対象となりそうなところだが、エグイことに政府そのものからの収入が一番大きかったりする。
CPUd研究者と政府は裏で結託していると言っていい。

CPUd開発による著しい技術の進展は貧富の差を生みだし、貧富の差が犯罪を生む。
結果なかなかの好循環だったりするわけだ。

このように悪人の改造はおもに資金繰りのために用いられるわけだが、成功率が低い事実は変わらない。
ましてや政府が収監している犯罪者の数なんてのは結構すぐ頭打ちになる。
このような点から仕方なく身寄りのない人間を使うのだ。
実のところ金がかかるのは手術が成功したあとの武装開発であってそれに比べれば手術を施すだけなら大したことはない。
(執刀開始数十秒後で絶命する被験者が大半だから)
執刀前に被験者が聖剣士に救われるという理想的な事例もごく稀にあった。
しかし、ちょうどカリソラが聖剣士の大半を虐殺した時期であるため――

ゆえに結構な数の人間が不当に犠牲となった。

のちにユハビィが聖剣学と機械学のテクノロジーをフルに活用したプラズマ錬金術を筆頭とする自動化技術を推し進めたことでCPUd開発そのものが時代遅れとなり、得体のしれない失踪事件もぱったりと止む事になる。

とはいえ、これがもとで急激に失業者が増えて貧富の差はいっそう拡大。
聖剣士が完全に解体したという事実も重なり政府の手に負えない数の犯罪がいつしか世界的な戦争に発展。
犯罪組織同士の潰し合いへと展開していく。
最終更新:2009年03月03日 10:51