この作品は性的表現が含まれています。
過激な性的描写が苦手な方には不快となる内容なのでご注意ください
過激な性的描写が苦手な方には不快となる内容なのでご注意ください
月は夜色に染まる雲に隠れようとしている、白が黒に染まるが如く
地を照らす輝きは、無造作に飛び交う季節外れのホタルの燈火ばかり
仄かに灯るそれは、迷い人を導く篝火か、旅人を惑わす妖精の悪戯か
地を照らす輝きは、無造作に飛び交う季節外れのホタルの燈火ばかり
仄かに灯るそれは、迷い人を導く篝火か、旅人を惑わす妖精の悪戯か
「……あさひ」
黒いキャンパスの帳の下、幽鬼の少女はその名を小さく呟いた
芹沢あさひ、この殺し合いの舞台で777が出会った、同じく『えんじょい』を共有できた新しい友達
だが、朝日の輝きは暗黒の泥に呑まれ、牙を向いた。
原因は明らかにあの杖だということは事実、ならばそれを破壊すればと言えば容易ではあるがそうではない
実際返り討ちにあい、見失ってしまったのだから
間違いなくあの時戦った、零を付け狙うアナムネシスなる幽鬼と同等かそれ以上か、それほど恐ろしい相手である
芹沢あさひ、この殺し合いの舞台で777が出会った、同じく『えんじょい』を共有できた新しい友達
だが、朝日の輝きは暗黒の泥に呑まれ、牙を向いた。
原因は明らかにあの杖だということは事実、ならばそれを破壊すればと言えば容易ではあるがそうではない
実際返り討ちにあい、見失ってしまったのだから
間違いなくあの時戦った、零を付け狙うアナムネシスなる幽鬼と同等かそれ以上か、それほど恐ろしい相手である
「……ッ」
足を進めるにしても、先のダメージは未だ響いている。痛みこそ引いたが、走れるには未だ至らない
そもそもあさひが何処に向かったのが分からないのでは本末顛倒
探すにしても手がかりが少ない、というかほぼ皆無
そもそもあさひが何処に向かったのが分からないのでは本末顛倒
探すにしても手がかりが少ない、というかほぼ皆無
「……でも、探さないト。このままじゃ、あさひは独りぼっちになっちゃうヨ」
「ダカラ、777が止めないト」
「ダカラ、777が止めないト」
考えるなんてらしくない。今のあさひがどうだとか、関係ない
助けたいから助ける、信じたいから信じるのだ
あのままじゃ、あさひは本当に取り返しのつかない事をしてしまう
777が殺される以上の、彼女(あさひ)が本当に望んでいない悲劇が
助けたいから助ける、信じたいから信じるのだ
あのままじゃ、あさひは本当に取り返しのつかない事をしてしまう
777が殺される以上の、彼女(あさひ)が本当に望んでいない悲劇が
闇を突き進む、夜を往く。
黒の幽冠は、この時ばかりは死神のようにではなく、天使のように、迷人を導く行灯の如く、黒く美しく、夜空のキラキラ星の光を浴びながら、悠然と輝いていた
黒の幽冠は、この時ばかりは死神のようにではなく、天使のように、迷人を導く行灯の如く、黒く美しく、夜空のキラキラ星の光を浴びながら、悠然と輝いていた
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
「―――迷っちゃったヨ!」
暗闇が茂る場所で、思わず叫んでいた
実際あさひを探すのに手探りでしか無いので、誰かいそうな所に飛び込んだり
結果、迷い込んだのは777としてはある意味見覚えのある場所
実際あさひを探すのに手探りでしか無いので、誰かいそうな所に飛び込んだり
結果、迷い込んだのは777としてはある意味見覚えのある場所
黒い正方形のタイルが地面を形作り、無造作に植えられた巨大な樹木や生い茂る草木、照らす灯りはホタルのような小さく浮かぶ、幽霊の如き光の玉
(でも、ここ。777知ってる)
777はこの場所を知っている、名称こそわからないが
辺獄第七階層――想起ノ森。この場所で777が零絡みで思い浮かぶ記憶は、良いものではない
この場所で幡田零は、友人であった水無月有理を、幽鬼パルメニデスを、殺してしまった場所である
辺獄第七階層――想起ノ森。この場所で777が零絡みで思い浮かぶ記憶は、良いものではない
この場所で幡田零は、友人であった水無月有理を、幽鬼パルメニデスを、殺してしまった場所である
(なんだか、ユーウツな気分になっちゃうヨ。さっさと抜け出さないト)
脳裏に過ぎるのは、パルメニデスを殺してしまった直後の、零の哀しそうな顔、零の涙
それを思い出せば思い出すほど、あさひを止めないと、という気持ちが更に増す
それを思い出せば思い出すほど、あさひを止めないと、という気持ちが更に増す
(っテ、何かいるヨー)
観察すれば、無機質な大地を突き破る、茨の根っこのようなものがウヨウヨ蠢いているのが分かる
一体一体は大した事が無いように見えるものの、特筆すべきはその多さ
今となっては痛みは引いたものの、流石にこの数を正面突破となれば骨が折れる
木々に隠れながら、蠢く根っこをやり過ごし、速やかに移動する
一体一体は大した事が無いように見えるものの、特筆すべきはその多さ
今となっては痛みは引いたものの、流石にこの数を正面突破となれば骨が折れる
木々に隠れながら、蠢く根っこをやり過ごし、速やかに移動する
だが、それでも通せんぼをする根っこも何本か立ち塞がるというもの
素人目でも分かるほどに、「ここは厳重に守られています」と強く自己主張する四本の茨の根っこ
それらが守るのは大きな扉のようなもの。幸い気づかれていないので
素人目でも分かるほどに、「ここは厳重に守られています」と強く自己主張する四本の茨の根っこ
それらが守るのは大きな扉のようなもの。幸い気づかれていないので
「吹き飛ばすヨ!」
――Art.えんぴつミサイル
先手必勝一撃必殺と言わんばかりにえんぴつの形をした飛び道具を射出。発射されたえんぴつミサイルは茨根っこを貫通し、扉に弾かれるように消滅
撃ち貫かれ、倒れる茨根っこを尻目に、もしかしたら出口かも?と足を進め、777は扉の奥へと突き進んだ
撃ち貫かれ、倒れる茨根っこを尻目に、もしかしたら出口かも?と足を進め、777は扉の奥へと突き進んだ
○
「……ぁ」
扉の向こうは、誰もが思わずその景色に見とれただろう
夜だというのに、真っ昼間の如くその場所は輝きに満ちている
まるで違う世界へ迷い込んだかのように
周囲に浮かんでいるのは、シャボン玉だろうか?
その透明な球体は、あまりに光景に一時思考を放棄して、悠然と上を見上げる777の姿を映し出しては、夢の終わりが告げられたかのように弾け、その残骸が地に落ちる
何よりも――上空には、陽の光が、太陽のようなものが、光り輝いている
燦然と、燦爛と――淡く、綺羅びやかに
夜だというのに、真っ昼間の如くその場所は輝きに満ちている
まるで違う世界へ迷い込んだかのように
周囲に浮かんでいるのは、シャボン玉だろうか?
その透明な球体は、あまりに光景に一時思考を放棄して、悠然と上を見上げる777の姿を映し出しては、夢の終わりが告げられたかのように弾け、その残骸が地に落ちる
何よりも――上空には、陽の光が、太陽のようなものが、光り輝いている
燦然と、燦爛と――淡く、綺羅びやかに
「キレイ―――って、ここ行き止まりだったヨ!」
思わず見とれてしまったが、見ればただの行き止まりと気付いたのは少し時間が経った後
風景こそ神秘的で幻想的であるが、結局の所足止めを食らってしまった事には変わりはない
地団駄を踏みながらも、この場所から出ようと扉の方へ振り向くが
風景こそ神秘的で幻想的であるが、結局の所足止めを食らってしまった事には変わりはない
地団駄を踏みながらも、この場所から出ようと扉の方へ振り向くが
「……アレ?」
扉が、無い。まるで最初から無かったかのように
いいや、よく見れば扉は先程の茨根っこに包まれている
この部屋は罠だ、明らかな罠だという事実を777が気づくまでそうは時間は掛からなかった
いいや、よく見れば扉は先程の茨根っこに包まれている
この部屋は罠だ、明らかな罠だという事実を777が気づくまでそうは時間は掛からなかった
「……! そこだネっ!」
気配を感じ、瞬時に身を翻し、その方向へ卵型の爆弾を放り投げたと同時に距離を取る
爆弾はまだ見ぬ目標へとぶつからず、細長い『何か』に弾き飛ばされ、壁にぶつかり爆発する
爆弾はまだ見ぬ目標へとぶつからず、細長い『何か』に弾き飛ばされ、壁にぶつかり爆発する
「コレは、スゴく強敵の予感がするヨ!」
そして777が目にしたのは、巨大なナニカ
無数に集った緑色の茨の蔓を足代わりに、大きな赤い果実のようなものから緑色の舌を顕にさせる異様な風貌
その周囲の地面から、先程777が見かけた大量の茨根っこが周囲を守るように地面から生えている
――名はヘルバオム。この会場にて、主催によって配置されたNPCが一体
ルーメン地方にて、動物や人間を養分とし喰らい続ける自然より生まれし『災厄』
ダンジョン内に少なからずいる、強力なボスNPCの、その一角である
無数に集った緑色の茨の蔓を足代わりに、大きな赤い果実のようなものから緑色の舌を顕にさせる異様な風貌
その周囲の地面から、先程777が見かけた大量の茨根っこが周囲を守るように地面から生えている
――名はヘルバオム。この会場にて、主催によって配置されたNPCが一体
ルーメン地方にて、動物や人間を養分とし喰らい続ける自然より生まれし『災厄』
ダンジョン内に少なからずいる、強力なボスNPCの、その一角である
「……肥料になるのはお断りだヨ!」
扉が封鎖されている以上、最初から逃げられるなんて思ってはいない。明らかに目の前の植物の化け物を倒さない限りは出れないと、777はその肌で感じてた
先手はヘルバオムの触手、鋭く細く、フェンシングにおける刺突の如き拘束の突き、777はそれを軽いステッ
プで回避しながらも牽制を兼ねた定規上の飛び道具をヘルバオムに放つ
先手はヘルバオムの触手、鋭く細く、フェンシングにおける刺突の如き拘束の突き、777はそれを軽いステッ
プで回避しながらも牽制を兼ねた定規上の飛び道具をヘルバオムに放つ
放たれた飛び道具は案の定というべきかヘルバオムの触手に弾かれる
その間にも、根っこが777のすぐ真後ろに生え、その体を叩きつけようとする。だが即座に魔力で構成した鳥の鉤爪で応戦し、根っこを切り裂くも、すぐさま別の根っこが777を付け狙う
その間にも、根っこが777のすぐ真後ろに生え、その体を叩きつけようとする。だが即座に魔力で構成した鳥の鉤爪で応戦し、根っこを切り裂くも、すぐさま別の根っこが777を付け狙う
ジャングルジムを掻い潜るように777は根っこの隙間を抜け、時には切り裂きながら、狭い空間を駆ける
777を付け狙い、ヘルバオムの口から見るからに紫色の禍々しい息が吐き出される
777を付け狙い、ヘルバオムの口から見るからに紫色の禍々しい息が吐き出される
「……うわっ、危ないヨ!」
既での所で回避したが、避けた場所にあった雑草は腐り落ちて枯れている
見るからに毒っぽかったのが功を奏した
見るからに毒っぽかったのが功を奏した
「動きは思ったよりタンジュン、でもこれじゃキリが無い……!」
そう、キリが無い。根っこの動きこそ単純明快で、本体も偶に直接触手で攻撃するか、先程の猛毒の息しかしてこない
だが、余りにも多すぎる。恐らくあの化け物が根っこの主であるのか、倒しても倒しても根っこが湧いてくるのだ、キリが無さすぎる
だが、余りにも多すぎる。恐らくあの化け物が根っこの主であるのか、倒しても倒しても根っこが湧いてくるのだ、キリが無さすぎる
「………だったラ!」
その発言とともに、777は静止。これは好機とほぼすべての根っこが777に向けて襲いかかる
襲いかかる根っこの群れは宛ら地を覆い尽くす新緑の津波
襲いかかる根っこの群れは宛ら地を覆い尽くす新緑の津波
「この時を、待っていたんだヨ!」
―――Art.まとめて測るヨ
前後左右上下周囲に、定規上の飛び道具が拡散し、集結しようとしていた根っこを根こそぎ切り裂き尽くす
本体が、薄暗い煙みたいな閃光を発したが、その程度の目くらましなら攻撃中の777は意に介す必要はない
残っているのは本体を守る二本のみ。それを確認した777は本体に向けて駆け出す
本体が、薄暗い煙みたいな閃光を発したが、その程度の目くらましなら攻撃中の777は意に介す必要はない
残っているのは本体を守る二本のみ。それを確認した777は本体に向けて駆け出す
護衛の根っこ二本が襲いかかるも、数の暴力が脅威なだけである根っこは今更驚異ではない
あえて出の遅い技を放つフリで根っこを誘導、確実に仕留める一撃を仕掛けてきた根っこの動きを難なく避ける。読みどおり鋭い攻撃を放とうとしたツケで、地面に盛大に刺さり、抜くまで少しばかりインターバルが空く
あえて出の遅い技を放つフリで根っこを誘導、確実に仕留める一撃を仕掛けてきた根っこの動きを難なく避ける。読みどおり鋭い攻撃を放とうとしたツケで、地面に盛大に刺さり、抜くまで少しばかりインターバルが空く
地面に突き刺さる根っこを軽快な足取りで足場代わりに上へ昇る。ある程度登ったタイミングで跳躍、片方の根っこが地面から引っこ抜けるがもう遅い
「これで、終わりだヨ!」
本体に向けて、大技の構え。現状の777が使える最高火力を叩き込む
相手の遊びに付き合うつもりもないし、大人しく嬲られるつもりもない
あさひを助けるため、いるかも知れない零を助けるため、こんな所で余計な足止めに手間取るわけにはいかない。そんな焦りにも似た感情でもあるが、今は確実に決める為、集中する
相手の遊びに付き合うつもりもないし、大人しく嬲られるつもりもない
あさひを助けるため、いるかも知れない零を助けるため、こんな所で余計な足止めに手間取るわけにはいかない。そんな焦りにも似た感情でもあるが、今は確実に決める為、集中する
「喰らエ! 777ビィィィッッム!!」
技を叫び、渾身の一撃を叩き込む
――筈だったのに
「アレ?」
出ない。本来なら放たれるはずの虹が、反応すらしない
そして、777がその異常に気付いた時には、すでに遅かった
そして、777がその異常に気付いた時には、すでに遅かった
「ナンデ? どうして? ―――あっ」
技が出ない、と言うよりも魔力が封じられた感覚に気付いた直後
『すでに再生し終えた』三本目の根っこが、全身を滑らかに撓らせ、777の身体に打ち振るわれる
『すでに再生し終えた』三本目の根っこが、全身を滑らかに撓らせ、777の身体に打ち振るわれる
「あっ、ぎゃあああああああ!!!」
言ってしまえばビンタの類に錯覚しそうであるが、中身が締まった丸太のように硬い根っこのいち撃破、777の身体に確かな激痛を伝え、苦悶の叫びを上げさせた
鞭打という技術が存在する。力を籠めるべき部位で敢えて脱力することで、振り子の如く遠心力にて重みを増し、インパクトのその瞬間にのみ、最も加速した状態で対象の肉体に打ち付ける技だ
中国拳法では『劈卦拳』という技にその技術が用いられている
その最大の特徴は、相手に与える苦痛の大きさ
赤子から大人まで、平等かつ甚大な痛みを与えるというもの。肉体的ダメージは大した事なくとも、『痛み』を与えるという一点に於いては他の追随を許さない
だが、それを人間ではなく、異形の魔物。全身そのものを撓らせる、鞭そのものの攻撃を仕掛けることの出来るような存在が扱ったのならどうなるか?
鞭打という技術が存在する。力を籠めるべき部位で敢えて脱力することで、振り子の如く遠心力にて重みを増し、インパクトのその瞬間にのみ、最も加速した状態で対象の肉体に打ち付ける技だ
中国拳法では『劈卦拳』という技にその技術が用いられている
その最大の特徴は、相手に与える苦痛の大きさ
赤子から大人まで、平等かつ甚大な痛みを与えるというもの。肉体的ダメージは大した事なくとも、『痛み』を与えるという一点に於いては他の追随を許さない
だが、それを人間ではなく、異形の魔物。全身そのものを撓らせる、鞭そのものの攻撃を仕掛けることの出来るような存在が扱ったのならどうなるか?
答えは目の前の光景の通り。全身に迸る甚大な激痛が、骨が軋む感覚が、その両方が777に牙を剥く
身を捩り、味わったことのない激痛に苦しみ、悲鳴を上げてその身体が宙へと浮かぶ
身を捩り、味わったことのない激痛に苦しみ、悲鳴を上げてその身体が宙へと浮かぶ
(―――なん、で)
なんで、spellが発動しなかったのか? 痛みの中で、777が思ったのはその疑問だけであった
あの時、ヘルバオムが放った煙のような閃光
それは777が知らぬ魔法の一種、魔法封印呪文マホトーンである
ヘルバオム本体は根っこによる攻撃の苛烈さに似合わず、毒や睡眠、目くらまし等を利用する搦め手を主体とした戦法を捕ることを得意とする
まばゆい光を使うのもありだったが、777が全体攻撃を使用してきたと考えると結果的に使わないで正解、あまい息は毒息同様回避されやすいことを考えると打つだけ労力の無駄
777の技は定規と鉛筆以外は全てがspellのカテゴリになる為、マホトーンを使われた時点で777が使える技が3つに限定された
もし777があの時、Spell.777Doodleではなく別のArt技を使っていたのなら、この先の運命は変わっていたのかもしれない
あの時、ヘルバオムが放った煙のような閃光
それは777が知らぬ魔法の一種、魔法封印呪文マホトーンである
ヘルバオム本体は根っこによる攻撃の苛烈さに似合わず、毒や睡眠、目くらまし等を利用する搦め手を主体とした戦法を捕ることを得意とする
まばゆい光を使うのもありだったが、777が全体攻撃を使用してきたと考えると結果的に使わないで正解、あまい息は毒息同様回避されやすいことを考えると打つだけ労力の無駄
777の技は定規と鉛筆以外は全てがspellのカテゴリになる為、マホトーンを使われた時点で777が使える技が3つに限定された
もし777があの時、Spell.777Doodleではなく別のArt技を使っていたのなら、この先の運命は変わっていたのかもしれない
だが、一度確定した運命が変わることなど無い
打ち上げられた身体は、再生した他の根っこが四肢に絡みつき、777を大の字に拘束する
振り解こうにも、痛みが引いてない今の身体ではままならない
打ち上げられた身体は、再生した他の根っこが四肢に絡みつき、777を大の字に拘束する
振り解こうにも、痛みが引いてない今の身体ではままならない
「ウ……ウ……離、セ……!
それでも精一杯の抵抗で手足を動かそうとするもぎっちりと複数の根っこに縛られ、動かすことは出来ない
今から品定めをするかの如く、777の身体はヘルバオムの正面に移動させられる
今から品定めをするかの如く、777の身体はヘルバオムの正面に移動させられる
「や、やめロ……気持ち悪いヨ……!」
「満足だ」と言わんばかりにヘルバオムの巨大な舌は777の全身を舐める。777に抵抗手段はなく、容赦なく全身を一舐めされ、ヘルバオムの唾液まみれ
衣服に付着する唾液は肌にも密着し引っ付く、その感触が気持ち悪く、同時にこそばゆく感じる
衣服に付着する唾液は肌にも密着し引っ付く、その感触が気持ち悪く、同時にこそばゆく感じる
「……ンッ!?」
何の前触れもなく、本体の触手の一本が、ホースのように中心に穴があいた触手が、777の口元へ突っ込む
少しの素振りの猶予すら与えんと、即座に777の口内に液体を放ち、喉元の奥へと流し込む
少しの素振りの猶予すら与えんと、即座に777の口内に液体を放ち、喉元の奥へと流し込む
「むぐっ、んぐぐっ、んぐっー!??」
どれだけの量を流し込んだのか知らないが、飲み込ませた事を確認した触手は777の口を解放して引っ込む
「がほっ、げほっ! ちょっと、777に何を飲ませたんだヨ!?」
無理やり飲み込まされた事による咳込みと若干の嘔吐感を我慢しながらも、目の前の魔物の唐突な奇行に怒号を浴びせる。勿論777とてこの状態をなんとかしようと、痛みも少しはマシになった今と彼女なりに思考を巡らせようとして
(……え)
――下腹部から、熱いものを感じた
(……知らない。777、こんなの、知らないよ)
その『熱さ』は、777の下腹部から、石を投げ込まれた水面に広がる波紋の如く広がっていく
汗腺からは汗が滲み出て、唾液と混じり衣服に染み付き、肌に張り付いていく
液に塗れた衣服を介し肌に張り付くそれは、777の小さい未熟な果実の、その777ですらまともに触れたことがない桃色の突起にも、黒のホットパンツからその内に隠された秘唇にも張り付いて
汗腺からは汗が滲み出て、唾液と混じり衣服に染み付き、肌に張り付いていく
液に塗れた衣服を介し肌に張り付くそれは、777の小さい未熟な果実の、その777ですらまともに触れたことがない桃色の突起にも、黒のホットパンツからその内に隠された秘唇にも張り付いて
「あひっ……!?」
自分でも出したことのない、甘い声を上げて、痺れるような甘く蕩けるような疼きを、理解した
777は失念していた、ここは殺し合いの舞台『だけ』ではない。淫獄の劇場でもある浮遊大陸
当然のことながら、この場にいるモンスターは戦闘力だけでなく陵辱にも特化している
そして777は思い知ることになるであろう――ここは、恐ろしくも愉快な、甘美な地獄であると
当然のことながら、この場にいるモンスターは戦闘力だけでなく陵辱にも特化している
そして777は思い知ることになるであろう――ここは、恐ろしくも愉快な、甘美な地獄であると