リアホイールのベアリング交換でアクスルシャフトサポート(ベアリングハウジング)からレースを抜き出したり打ち込んだりする作業はタガネや貫通ドライバーで行うことが可能だが、ひどく頑固に抵抗される場合がある。(タイトルでは「スリーブ」と表記しているが変更できないので、文中では以後「レース」で統一)
ベアリング交換の具体的な作業手順はまぁさんのオリジナルの項目にあるのでそちらを参照されたい。リア編
さて、ハウジングとベアリングレースのはめ合いがきつくてタガネや貫通ドライバーでガンガンやってもなかなか動かないときには、強力なヒートガンやガストーチでハウジングを熱して膨張させることではめ合いを緩めることができる。
抜き出す場合や打ち込み途中でレースがハウジングの内部にある場合でも外側から炙ってやればOK。
ただし塗装が焦げたり、まして灼熱させたりしてはいけない。またダラダラと加熱して熱が内部のレースに伝わってしまっては意味がない。ちゃちゃっと手早く炙って、手で触れるか触れないかくらいの熱さが良い。

ただし塗装が焦げたり、まして灼熱させたりしてはいけない。またダラダラと加熱して熱が内部のレースに伝わってしまっては意味がない。ちゃちゃっと手早く炙って、手で触れるか触れないかくらいの熱さが良い。
炙った方を下にして貫通ドライバーなどをレースに当て、ハンマーで叩くと楽に抜ける。

できればレースを打ち込む前にハウジングを加熱しておく方が温度差による外径・内径の差が大きくなって、スムーズに打ち込みできる。ただしハウジングの内側に薄く塗布したグリスが過熱で沸いてしまわないように気をつける。
おまけ:
ベアリングのレースを打ち込む際に、使わない古いレースの一つを加工して「あてがね」にすると傾かずに無理なく打ち込める。
ベアリングのレースを打ち込む際に、使わない古いレースの一つを加工して「あてがね」にすると傾かずに無理なく打ち込める。
作り方:
- 加工には、ワークテーブルの付いた固定式ディスクサンダーを使う。
- レースをワークテーブルに平らに乗せ、ゆっくり回転させながら周囲を均等に削る。
- 切削はほんのコンマ数ミリで良い。
- 火花が出るので、サンダーを木工と共用している場合は火災に注意!
打ち込み:
- プラハンマーなどでレースの上端がハウジングの縁に至るまで打ち込む。
- レースの上に「あてがね」を乗せてプラハンマー(ここからは鉄のハンマーでもOK)でさらに打ち込む。
- 打ち込み音のピッチが高くなったら着座している。このときあてがねの上端はコンマ数ミリハウジングの縁より上に出ている。
By Okapon
添付ファイル
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