有翼のセズリア第ニ話「急襲!囚われの部隊を救出せよ!」

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有翼のセズリア第ニ話「急襲!囚われの部隊を救出せよ!」 - (2016/01/05 (火) 17:49:44) の1つ前との変更点

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<p><br /> 立て籠もる人々、補助動器具を身に付けてはいるが、<br /> 傷だらけで、顔も皆疲労困憊の様相としている。</p> <p>「まだ通信出来無いのか!」</p> <p>遠距離通信用端末を背負った通信兵に怒鳴る。<br /> 「もう少しなんです。通信妨害で・・・繋がりました!」<br /> 「でかした!私が話す!」</p> <p>「「救難要請!我が部隊は新型旧兵器群に囲まれて、身動きが出来ないでいる!<br /> 任務遂行が困難である!救難要請を頼む!籠城維持時間は12Twowが限度!<br /> 返答を求む!」」<br /> 「「返答把握しました。座標から換算し、お近くの船団より20機程度の<br /> 翼機が到着可能です。籠城維持時間が短縮される可能性は有りますか?」」<br /> 「「有る!装備状態にも依るが場合によっては2Twowだ!今すぐ欲しい!」」<br /> 「「把握しました。可能な限り維持していてください。<br /> 健闘を祈ります。」」</p> <p> </p> <p><br /> 〜〜〜同時刻第24次編成船団内にて〜〜〜</p> <p>黄金の大地に匙を差し込む。弾力の後に差し込まれる。<br /> 匙が引き上げ、大地に亀裂が裂けて浮かび上がるそれはまさに、<br /> 浮遊する黄金色の大地そのものだ。</p> <p>その一時の楽しみを喧騒なサイレン音と共に命令が下された。</p> <p>「「「第24次編成船団に出撃命令!巡航ユニット装着の上、<br /> 作戦ポイントに於いて籠城している輸送部隊を補助せよ!」」</p> <p>「食べてる最中なのに。冷蔵庫に入れて、いや、掻き込んでしまえ!」</p> <p>乱雑に口に放り込まれ、喉越し豊かに潤した。</p> <p> </p> <p><br /> スーツを常に着込んだ身体は張りを持った圧力となって現れる。<br /> 走る身体は、一歩毎にその肉を揺らして、重量感を振り撒く。<br /> 端末を首に着けながら、作戦概要の質疑応答をしている。<br /> 発言内容がログとして記載されて行く。</p> <p><br /> Shift「今回の作戦ではどうすれば?」</p> <p>Alfa「救出作戦だ。隊の皆も聞いて欲しい。<br /> 本営からの通信ではこうらしい。<br /><br /> &lt;&lt;救出任務である。旧パンノニア領内旧文明都市遺構に於いて、<br /> 輸送中の部隊からの救難要請が発生した。<br /> 部隊自体が旧兵器群に囲まれており、<br /> 身動きが出来ず籠城しているとのこと。<br /> 部隊を援護し、安全圏まで輸送する任務である。<br /> 巡航ユニットを使用して急行し、可能な限り排除せよ。&gt;&gt;<br /><br /> とのことだ。<br /><br /> Stayt「何を輸送しているのかは言わなかったのか?」<br /><br /> Alfa「確かに言わなかった。<br /> ただ、輸送部隊が組まれる程の物品で、<br /> 捨てることの出来ない程の重要品であることは分かる。<br /><br /> Straw「ある程度掃討して翼機で運ぶことが可能でしょうか?」<br /><br /> Alfa「その目的も有ると思う。運搬用予備浮遊機関も用意するべきだな。<br /> 誰か頼めるか?」<br /><br /> Reae「私が担当しましょう。ハッキングより運転の方が向いているんで。」<br /><br /> Alfa「頼んだ。各自質問は無いな?」<br /><br /> 「「問題有りません!」」<br /><br /> Alfa「では参ろうか。」</p> <p> </p> <p><br /> 肉に飲み込まれていく。</p> <p>接続シーケンスに入り、</p> <p>動き出す。</p>
<p><br /> 立て籠もる人々、補助動器具を身に付けてはいるが、<br /> 傷だらけで、顔も皆疲労困憊の様相としている。</p> <p>「まだ通信出来無いのか!」</p> <p>遠距離通信用端末を背負った通信兵に怒鳴る。<br /> 「もう少しなんです。通信妨害で・・・繋がりました!」<br /> 「でかした!私が話す!」</p> <p>「「救難要請!我が部隊は新型旧兵器群に囲まれて、身動きが出来ないでいる!<br /> 任務遂行が困難である!救難要請を頼む!籠城維持時間は12Twowが限度!<br /> 返答を求む!」」<br /> 「「返答把握しました。座標から換算し、お近くの船団より20機程度の<br /> 翼機が到着可能です。籠城維持時間が短縮される可能性は有りますか?」」<br /> 「「有る!装備状態にも依るが場合によっては2Twowだ!今すぐ欲しい!」」<br /> 「「把握しました。可能な限り維持していてください。<br /> 健闘を祈ります。」」</p> <p> </p> <p><br /> 〜〜〜同時刻第24次編成船団内にて〜〜〜</p> <p>黄金の大地に匙を差し込む。弾力の後に差し込まれる。<br /> 匙が引き上げ、大地に亀裂が裂けて浮かび上がるそれはまさに、<br /> 浮遊する黄金色の大地そのものだ。</p> <p>その一時の楽しみを喧騒なサイレン音と共に命令が下された。</p> <p>「「「第24次編成船団に出撃命令!巡航ユニット装着の上、<br /> 作戦ポイントに於いて籠城している輸送部隊を補助せよ!」」</p> <p>「食べてる最中なのに。冷蔵庫に入れて、いや、掻き込んでしまえ!」</p> <p>乱雑に口に放り込まれ、喉越し豊かに潤した。</p> <p> </p> <p><br /> スーツを常に着込んだ身体は張りを持った圧力となって現れる。<br /> 走る身体は、一歩毎にその肉を揺らして、重量感を振り撒く。<br /> 端末を首に着けながら、作戦概要の質疑応答をしている。<br /> 発言内容がログとして記載されて行く。</p> <p><br /> Shift「今回の作戦ではどうすれば?」</p> <p>Alfa「救出作戦だ。隊の皆も聞いて欲しい。<br /> 本営からの通信ではこうらしい。<br /><br /> &lt;&lt;救出任務である。旧パンノニア領内旧文明都市遺構に於いて、<br /> 輸送中の部隊からの救難要請が発生した。<br /> 部隊自体が旧兵器群に囲まれており、<br /> 身動きが出来ず籠城しているとのこと。<br /> 部隊を援護し、安全圏まで輸送する任務である。<br /> 巡航ユニットを使用して急行し、可能な限り排除せよ。&gt;&gt;<br /><br /> とのことだ。<br /><br /> Stayt「何を輸送しているのかは言わなかったのか?」<br /><br /> Alfa「確かに言わなかった。<br /> ただ、輸送部隊が組まれる程の物品で、<br /> 捨てることの出来ない程の重要品であることは分かる。<br /><br /> Straw「ある程度掃討して翼機で運ぶことが可能でしょうか?」<br /><br /> Alfa「その目的も有ると思う。運搬用予備浮遊機関も用意するべきだな。<br /> 誰か頼めるか?」<br /><br /> Reae「私が担当しましょう。ハッキングより運転の方が向いているんで。」<br /><br /> Alfa「頼んだ。各自質問は無いな?」<br /><br /> 「「問題有りません!」」<br /><br /> Alfa「では参ろうか。」</p> <p> </p> <p><br /> 肉に飲み込まれていく。</p> <p>接続シーケンスに入り、</p> <p>動き出す。</p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <p>「「巡航ユニット、接続を開始します。作業腕が展開されますので、<br /> 作業員は腕より一定距離離れてください。」」</p> <p>シャッターが開く。そこには軌道車両によって運ばれてきた、<br /> 『巡航ユニット』がそこにはあった。作業腕が駆動し、<br /> ユニットを取り出して、接続されていく。</p> <p>Alfa「皆、巡航ユニットは加速がキツイぞ、注意して」</p> <p>Straw「初めてなので怖いです」</p> <p>Stayt「まぁ、採掘場のユニットだもんな。そりゃあ恐ろしいぐらいにな。<br /> すぐに慣れるさ。」</p> <p>巡航ユニットは翼機に付属される、『使い捨て』のユニットである。<br /> それは『このような事態』で使われるのが多いからである。</p> <p>Alfa「では皆、出撃だ。」</p> <p><br /> 母艦底部のハッチが開き、背中にユニットが装着された巨人が垣間見える。<br /> 巨人が底部からずり落ちて、ユニットが高周波を発しながら駆動し始める。</p> <p>Alfa「さぁ、ダンスを始めよう」</p> <p>吸気音が加速していく。オイルが噴気されて駆動する。<br /> 空中に放り投げだされた巨人が、ユニットの加速によって波打ち、<br /> そして巡航を開始した。</p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <p>「連絡いれてから何分経った?」<br /> 「60分だ。流石にきついですよ。」</p> <p>風切音を発する。馬みたいな旧兵器を倒すが、反撃してくる。<br /> 壁が熱せられ、赤くなってくる。</p> <p>「壁も長くは持たないですね・・・」<br /> 「全く何なんだ、この輸送物は。<br /> こんな反抗、只の旧兵器の攻撃とはわけが違うぞ。」</p> <p>立て籠もった旧文明の遺構は、高層建築物群の一角で、<br /> 登ろうとしてくる旧兵器を落としたり、<br /> 上がってきた旧兵器を破壊したりして事を凌いでいる。</p> <p>その輸送物は立方体で、端には補助器具、<br /> 外装に何層も重ねた保護布を巻いていて、<br /> 大きさは人の背丈より少し大きい程である。</p> <p>「屋上に立て籠っているが、<br /> 大型のやつがやってきたら、もうおしまいだぞ。」<br /> 「なんとか持ちこたえるんだ。それまでの・・何あ」<br /> レーザー光が隊員の頭を吹き飛ばす。<br /> 「射線に入りやがって。新手が来やがった。」</p> <p> </p> <p>それは数え切れない程の触手を口や側面に生やし、<br /> レーザー収束の形にして発射したメルディオラの派生砲撃手だ。</p> <p>「また出力の高いやつか。もう持たないな・・・」</p> <p>そして彼方から光が見える。<br /> 「また新手か・・・いや違うな、このパターンは・・・</p> <p> </p> <p>『支援』だ」</p> <p> </p> <p>突如として放つレーザー光線は、<br /> 射線上に存在していた旧兵器共を焼き尽くし、<br /> 爆縮を起こす間も無く破壊する。</p> <p>高周波音を発しながら外れたユニットが、<br /> 旧文明の道に衝突しながらぶっ壊れ、<br /> 炎上しつつやってくる。</p> <p>砲撃手が口を向け、光を放つ。<br /> 鱗粉のように纏うチャフが分散する。</p> <p>「使い捨てユニットだとしても、贅沢なやり方ですね」<br /> 「そういう使い方だから問題は無い。」</p> <p>生体複合の浮遊ユニットが翼のように広がり、<br /> 減速しつつ、旧兵器を倒していく。</p> <p>「輸送部隊の人たちだね。待たせてすまなかったね。」<br /> 「こちらも全滅寸前だった。間に合ってよかった。」</p> <p> </p> <p>旧兵器もまた、戦力的にも不利のようで、<br /> 光線を発しつつ、後退していき、<br /> こちらもまた光線を発しつつ、輸送物を守っていた。</p> <p>「これが輸送対象ですね。」<br /> 「そうだ。これが対象だ。」</p> <p>そして彼方からやってくる護衛されてくる輸送機を見て、<br /> 任務が完了したことに安堵していた。</p> <p> </p> <p><br /> 布の下、それは黒い外装に覆われた、<br /> そう、まるで『箱』のような形であることが、<br /> 世界を大きく変えることになるのだから。</p> <p> </p>

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