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パンノニア経済新聞

691年6月

6月分
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6月20日 イオナスカ自然公園にアムツィッカが初飛来
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パンノニア環境省ヴァンカリア観測所は、イオナスカ地方立自然公園に今年もアムツィッカが今季初となる飛来を確認したと報じた。同観測所の職員が昨夕の巡回中に、海岸に6羽のアムツィッカを発見し撮影した。アムツィッカの飛来数は環境汚染やアーキルでの乱獲などを理由に減少傾向にあり、今後も同地方の春の風物詩が維持されるかどうか、環境問題への対策に注目が高まっている。

6月21日 ホップ価格高騰 解消の兆し
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今日昼、ポルヴャック農業庁長官は定例記者会見において、「ホップの価格は今後安定していくだろう」と楽観的な予測を述べた。同庁の調査により今年度のホップ収穫量が昨年度の大凶作から反転して豊作となる見込みであること、クランダルト産ホップの輸入交渉などがまとまったことを背景としている。国内ビール大手のカルタグピーヴォ、オリエント酒造、サスニャフローナなどは、ホップ高騰により昨年度から500ml缶で5~8クローシュほどの値上げを行っていたが、しだいに価格は落ち着くと見られる。

6月22日 ペルーシア本線で沿線火災 特急フェテリヤーナほか最大9時間遅延
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先日深夜より発生しているアティラフカ付近の山火事の影響で、ペルーシア本線が今日未明から昼頃にかけて運行を停止していた。この影響によりソルノークからペルーシェを結ぶ特急フェテリヤーナ号などが最大9時間程度遅延し、沿線の乗客最大3万名に影響が及んだほか、一部の貨物列車のダイヤにも遅れが生じており、王立鉄道貨物輸送は一部の荷物の配送が2日ほど遅れる可能性があるとしている。山火事は消火されつつあり、今日夜にも正常なダイヤに復旧できる見込み。

6月23日 通信大手三社に家宅操作 目覚め作戦需要にらみ談合か
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シルナトリツェ地検特捜部と公正取引委員会は今朝午前、独占禁止法違反などの疑いで、PCN、ヴェルコニーチ、南方電信の三社に家宅捜索に入った。三社には、目覚め作戦に関連する国際通信事業の受注を巡って談合を行った疑惑が持たれている。関連する契約の総額はおよそ95万オリントと見られている。PCNとコニーチは、本紙の取材に対し、「現時点での回答を差し控える」し、南方電信は「そのような事実はなかったと認識している」と述べた。

6月24日 ルジン銃器工場が破産申請
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ルジン=シェウレスィロ市に本社を置くルジン銃器工場が王国破産法11条を適用し破産申請を行ったことが明らかになった。同社は自由パンノニア共和国時代にギルドマジャル参加で設立された銃器メーカーで、大戦中はアールカ軽機関銃などを生産していた。動乱でアーキル領となった後はアーキル国向けの銃器や猟銃などの生産を行っていたが、アーキル時代に設備更新に滞り、パンノニア返還後は競争力の低下に苦しんできた歴史がある。返還後は常に赤字が続いており、これ以上の存続が難しくなったと思われる。多くの関係者は、最終的にバスタンナ造兵廠が何らかの形で救済することになると見ている。

6月25日 LKS会長、SKSとPKSの買収に意欲
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旧GM系航空機メーカーの再統合が進んでいる。リディナ=コリンスィク航空機工場(LKS)のセルヴィナ・サトゥルミューク会長は、昨日午後ソルノークで記者会見を開き、国際競争力を確保するべく、同じく旧ギルドマジャルのサラン航空機工場(SKS)とプルスク航空機工場(PKS)の買収を検討していると発表した。LKS戦後パンノニアの民間航空機製造を牽引してきたが、その急成長に生産能力が追いついておらず、12年前には黒字倒産の危機に陥ったこともあった。BBG・アヴィエーション・リース・ファイナンスとの相互投資などを通して対策を進めてきたが、一昨年発表した新型機LKS-245は多数の発注を受けつつも生産力不足から納入遅れが続いている現状にある。サトゥルミューク会長は、SKSとPKSの社員は弊社と企業文化を持っているとし、今一度仲間になってほしいと述べた。なお、一部関係筋によると、カルタグスチルアヴィア代表取締役ユポリート・サルム社長は、独占禁止法に抵触する可能性があるとして訴訟を検討しているとされる。またヴァンカリア地方のペパヴォ知事は、本紙の取材に対し、「LKSはヴァンカリア地方のGDPの11.3%を担う大企業で、市民生活にとっても重要だ。今後の成長を期待したい。」と述べた。

6月26日 テルベリ湖でココマ漁解禁。
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今日午前、イヴィラステ市長は、調査の結果条件がそろいつつあるとして、例年から2ヶ月遅れの7月1日からテルベリ湖のココマ漁を解禁すると発表した。昨年末の水温低下の影響でココマの産卵が遅れたため、イヴィラステ市はココマ漁の解禁を延期してきた。コーンテリ村で飲食店を営むロジャルカさんは「ココマは春の味覚。ずっと待っていた。」と喜ぶ。全国の市場ココマが並ぶのは7月第二週ごろとなる見込み。

6月27日 カルタグ・ツェストラヴァニで最大震度3の地震 死者はなし
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今日午前4時頃、ツェストラヴァニ地方ポレヴィア県東部を震源とする地震が発生した。ポレヴィンスィク、グリャヴァ、ソチャンスカでは震度3を記録した。カルタグでは震度1~2、ツェストラヴァニでは震度1であった。カルタグ大学のヴォリク・スローク教授は、この地域での地震を「非常に珍しい」としている。この地震による建物の倒壊及び死者は今のところ報告されていない。王立アカデミー旧文明学研究所は、この地震と旧兵器の関係について調査するとしているが、可能性は限りなく低いだろうと述べている。

6月28日 両陛下、バリグを訪問
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リトプラークシア陛下及びクランチー陛下は、昨日深夜から六王湖のバリグを訪問した。外務省が今朝、発表した。両陛下は午前中に目覚め作戦の準備を進める軍港の状況を視察され、オリエント軍第1艦隊の将兵らを激励された。午後にはアイギス帝との夕食会が設けられ、デザートにはアイギス帝お気に入りのプリンが供された。非公開で行われた会談では三国関係に関する意見交換が行われたとみられ、リトプラークシア陛下は会談後の会見において、目覚め作戦後の赤道地域の平和と持続的な発展のためには両国の協力が不可欠であるとの旨を述べられ、両国政府が最大限努力することを期待すると述べられた。外務省関係筋によると、今回の王室会談の主目的は、来月行われるオリエント首脳会談に先んじて六王湖のEPEC加盟の空気の醸成であるとのこと。六王湖のEPEC加盟が実現し、ミラルール圏にも加わることになれば、東海岸諸国の経済交流は一層活発化すると期待される。もっとも、南系の法体系を採用している六王湖とEPEC諸国の間では制度上の相違も多く、EPEC加盟が実現したとしてもミラルール圏への加入には一定の時間が要すると見られている。

6月29日 「トゥトリア埋蔵金」議論に終止符か
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シルナトリツェ大学の調査チームは、昨年3月から行ってきたプラポティツィ城跡の発掘調査について最終報告を行った。研究主任バンデローク教授は、発見された様々な発掘品を展示したほか、同城が陥落した際の状況などについての3Dシミュレーションなど、3時間にわたる発表をメディア向けに公開した。バンデローク教授は、いわゆるトゥトリア埋蔵金について記者から質問を受けると「それが事実である可能性は極めて低いというのが今回の調査の結果だ」と述べた。プラポティツィ城にはトゥトルリュリ王国の埋蔵金が存在するという伝説は長らく人気があったために、今回の発掘調査の結果については落胆する声も多いとみられる。一方で教授は、「非常に多くの成果のある作業だった。これまで、トゥトルリュリ王国の文化の実情はアシュレーウ公国側の資料でしか見ることができなかったが、ヴァンカリア系ともアシュレーウ系ともことなる独特の生活と文化があったことが明らかになった。これは万金に値する」と成果を強調した。

6月30日 グルミ環境副大臣が辞任の意向
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先月発覚したトリプル不倫疑惑で世間を騒がせているグルミ環境副大臣(48)は、昨日深夜、公民党会館において、記者らに対し辞任の意向を表明した。本日夕にもパミュースィク首相に辞意を伝えると見られる。グルミ副大臣の不倫問題については、第一報が報じられた当時は当事者間の話であり済んだこと、と擁護する声もあったものの、週間声秋が不倫相手の一人がメルパゼル国籍であったことを突き止めたことで、安全保障上の観点から批判する声が高まった。ヴィルシュチノ憲政国民党代表は昨日の国会において辞任を強く要求し、内閣不信任案を検討していると述べていた。ロヴチューク公民党幹事長は、本紙記者の取材に対し、「国民にたいして申し訳ない」とし、「シルナトリツェ市議会選を控えた大切な時期だ。しっかりと気を引き締めてほしい。」と述べた。


7月分
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7月1日 ルッダーシェン、アシュレーウに工場建設
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クランダルトの飲料・食品大手ルッダーシェンホールディングスは、一昨年からソルノークに本社を置く現地法人ルッダーシェン・ビバレッジ・パンノニアの設立を進めてきたが、アシュレーウ郊外に初のパンノニア国内工場の建設を行うことで市と合意したと発表した。この工場の敷地面積は18万平方メルトとなる予定で、8000人程度雇用すると見られている。ルッダーシェン・ビバレッジ・パンノニア代表のセルベフ氏は、土地の選定について、市側の提案した諸条件に加えて、輸送の利便性と良質な水の確保が理由であるとしている。工場は早ければ904年5月から稼働する見込み。

7月2日 メル=パゼル、諸島の備蓄軍艦数を批判
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メル=パゼル政府はきょう、諸島連合の保有する目覚め作戦不参加艦艇について、「過剰な備蓄だ」と公に批判した。メル=パゼル政府はこれがザガム・ガリ条約に違反するものであるとして追及したい構えだ。スラーグ通信によると、諸島大陸省はこの批判について反論しつつも、速やかな対応を検討していると述べた。パンノニア政府及びオリエント条約機構は現時点でノーコメントとしている。シルナトリツェ安全保障研究所のリリク氏は、「諸島軍の艦艇は水上船であり、メルパゼルに脅威を及ぼすとは思えない。メルパゼルの要求は言いがかりに近く、何らかのディールを引き出すために条約を使おうとしているのだろう。しかし、これがメル=パゼル軍にとって『やぶ蛇』となる可能性もある。」と本紙記者の取材に対して述べた。

7月3日 たまねぎの日「祝いきれない」物価上昇に嘆く声
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きょう7月3日、国民の祝日、たまねぎの日が祝われた。公園や駅前などでオニオンスープが振る舞われ、飾り玉ねぎが家の前に吊るされる……そんな光景も、次第に薄れていくのかもしれない。たまねぎの物価はここ数年上昇が続き、すでに6年前の3倍に達している。「たまねぎなしに、パンノニア料理は有りえない」6つ星レストランを営むテルラトク氏は、政府「パンノニアの文化を守るためにも、政府は物価安定に取り組んでほしい」たまねぎの日を心から祝える日がまた来てほしいものだ。

7月4日 ヨーウホロド=モドツカームィイに種子保管庫 最悪の事態備え
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目覚め作戦に関連する最悪の事態に備え、諸島連合のヨーウホロド=モドツカームィイに種子保管庫を共同で建設していることがわかった。ニシュフォロ通信が昨日、報じた。諸島の民間機関に委託され建設と保管作業が行われているとのこと。同種子保管庫の詳細については、パラドメッド研究所ら当事者からの発表が待たれる。ソルノーク大学遺伝学研究所のアルヴィミトコ教授は、「このような施設はむしろもっと早くから作っておくべきだと言ってきたが、ようやく動いたという形だ。人類、あるいはたとえ特定の地域だけでも、その生態系が大規模に破壊される事態が起こる脅威というのは、そもそも旧兵器だけではない。」と述べている。これまでこの施設の建設が公表されていなかったことについて、関係者は、安全保障上の理由などをあげている。

7月5日 パンノニア空軍、新型空母「シルナトリツェ・パンノーニュ」就役 その実力は?
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今日、わが国の艦隊にあらたな一隻が加わった。空軍広報部は昼の会見で、ツェストラヴァニ級に続く新型空母、「シルナトリツェ・パンノーニュ」が就役したと発表した。広報部によると、この”対旧兵器”超大型空母は、100機近い搭載数、ツェストラヴァニ級の倍となる4本のカタパルトに加えて、最先端の艦隊指揮システムを備えており、目覚め作戦におけるパンノニア艦載航空隊艦隊全体の指揮に貢献するという。会見では記者らから様々な質問が飛び交い、同艦の価値と意義を説明したが、詳細なスペックや、エンジン配置が内蔵式となった理由や、ツェストラヴァニ級では油圧式であったカタパルトが蒸気式となった理由等技術的な質問に対しては、現時点では回答できないと答えた。艦首部に装備された対艦ミサイルの数の多さや砲熕兵器の充実を見るに、同艦は、寿命を迎えつつあるツァトラトヴァール級戦闘空母の代艦という側面があると見られる。器官不調から目覚め作戦の前線戦力から外されたツァトラトヴァール級戦闘空母「イールトゥ・パンノニェール」が8月には予備役となる予定で、新空母の艦載航空隊は同艦から移管されていると発表された。

7月6日 プラスクヴァリヤ・コスタニヤ両王女、ご成人
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今日6日、プラスクヴァリヤ王女・コスタニヤ王女がともに18歳の誕生日を迎えられ、ご成人なされた。リュリ宮殿において成人式が執り行われた。式は終始和やかな雰囲気で進んだ。宮殿前広場では2万人の市民が集まり祝い、伝統に則りツェストラヴァニ・ワインが振る舞われた。また記者会見でコスタニヤ王女は、バスタンナ大公コノヴェルド1世との婚約の件についての質問に答えられ、詳しいことは未定だが、目覚め作戦が完了したら時期を発表できると述べられた。

7月7日 ヴィルクーナの名画など42点が来帆 三都に巡回予定
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ノイエラント帝国美術館の保有する42点の名画が、まもなくパンノニアにやってくる。ルッダーシェンホールディングスが協賛するこの巡回展では、ヴィルクーナの名作「うつむき」や「ポレアスの朝市」など、近世クランダルトの芸術家たちの作品が展示される。今日メディア向けのプレオープンが北部州立ソルノーク国際美術館で行われた。一般向けの展示スケジュールは以下の通り。
  • 北部州立ソルノーク国際美術館 7月10日-9月10日
  • 王立パンノニア美術館 9月21日-10月30日
  • カルタグ南中洲美術館 11月10日-12月4日

7月8日 民会解散!
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今日の民会本会議にて、パミュースィク首相は民会の解散を宣言した。その後のぶら下がりによると、7月21日公示、8月3日投開票となる見込みだという。ヴァンカリアサミットを控えたこの時期の解散は、野党にとってもメディアにとっても予想外だ。憲政国民党幹事長グラーシュは、昼の定例記者会見で「公民党は奇襲攻撃を仕掛けてきた」と語る。リュリ文化社会主義同盟のラチコヴァー共同代表も「サミットに影響も出かねない。解散権の濫用だ。」と怒りをあらわにした。公民党の支持率は複数の不祥事により減少傾向にあり、まだ勝てるうちに総選挙を迎えておきたいという考えが背景にあると見られる。パミュースィク首相は演説の中で、今回の解散総選挙の大義を、まもなく迫る目覚め作戦に伴う輸送コスト増大や物価高への対策について国民の支持を問うとしている。

7月9日 憲政国民党・コプノ政調会長が政界引退を発表 療養に専念
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憲政国民党・コプノ政調会長(74)は、今朝党本部で会見を開き、政調会長職を辞任し、民会選に出馬しない旨発表した。持病の治療に専念するとされる。コプノ氏は、「わが党も世代交代の時期。悔しさや寂しさもあるが、必要な判断。うちには優秀な議員がたくさんいる。パンノニアの未来のため頑張ってもらいたい。」と述べた。

7月10日 ヴァンカリア・サミット開幕 目覚め物流問題・環境問題・六王湖のEPEC加盟交渉が焦点
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691年度EPEC首脳会談が今日、ヴァンカリア地方で開幕した。両陛下は今朝首相とともにヴェシチャヤ島を訪問され、首脳らをお出迎えになられた後、昼食会が開かれた。サミットには、諸島連合のシパ総長、フォウ王国のモース西王守、マン王国のファトマ統領、アーキル国のマベフ評議長、東アノールのシッダート大統領がEPEC加盟国の首脳として来帆した。また前年同様、EPEC事務総長シルメンチューク、オリエント開発銀行総裁カカンも会談全体に加わる。さらに本年度は六王湖第一副宰相兼東方政策特命全権大使のヴォルマーニュ氏、ラドラ民主共和国駐帆大使カミェンヒェン氏、アナンサラド外相イム・サード氏もオブザーバーとして参加する。サミットはヴァンカリエ市の観光地ヴェシチャヤ島を封鎖して行われ、警備はここ数ヶ月国内外で行われているテロなどを警戒し2万4千人体制で臨む。日程は7月15日までの5日間だが、15日の午後から翌16日にかけて、参加した首脳の一部はパンノニア・諸島連合合同海上軍事訓練を視察するという。政治評論家のランデルジャーク氏によると、ヴァンカリア・サミットの主たるトピックは、目覚め作戦に伴う物流問題、環境保護に関する問題、そして六王湖のEPEC加盟交渉だ。これらについてどの程度合意と進展が得られるか注視していきたい。

7月11日 スニーシカ上空で護衛艦衝突 濃霧で位置関係を誤認か
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今日未明4時11分頃、スニーシカから東に12kmほどの空域で、大型護衛艦「ティラストヴィーナ」と小型護衛艦「パルミカ」が衝突する事故が発生した。現時点で「パルミカ」の乗員1名が死亡したほか、両艦あわせて16名が負傷し、うち4名が重体である。空軍と空運省の合同調査本部は昼ごろに会見を行い、現時点の調査結果について報告した。報告によると、ギッザスより帰還する補給船団の誘導を行っていたティラストヴィーナがスニーシカ入港にむけアプローチ中に、試験航行のため巡回飛行中であったパルミカの側面に衝突したとのこと。ティラストヴィーナはパルミカの約3倍の船体容積があり、船体規模の差からティラストヴィーナに大きな損傷はなかったが、パルミカの船中央部が大きくひしゃげる形で損傷した。両艦の乗員は衝突の3秒前まで互いを認識できていなかったといい、濃霧により互いの航法灯が見えていなかったことも一因であったと考えられる。

7月12日 「自然保護に関するヴァンカリア条約」締結へ 渡り鳥の産卵地保護などで合意
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今日、ヴァンカリア・サミットにおいて、「自然保護に関するヴァンカリア条約」に各国首脳らが署名した。同条約は、近年課題となっている絶滅危惧種の保護を目的としたものであるが、従来議論されてきたような狩猟の制限や外来種の規制の枠組みに加えて、渡り鳥の産卵地保護など自然豊かな地域の開発に対する規制が大規模に盛り込まれている点が画期的であるとされる。パミュースィク首相は、「次世代、さらにその次の世代まで、美しく豊かなパルエの生態系を守り抜いていくことが大切だ」と会談後の記者会見で述べた。ヨコシマグループやランカクフーズ、などからなるメルパゼルの国際企業団体は、“外国企業を締め出そうとするための偽善であり、大陸連盟の掲げる自由貿易協定違反だ”と不満を述べている。

7月13日 船舶用浮遊機関2600本を諸島から貸与など物流連携
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目覚め作戦に伴う空運問題に対する対策として、諸島連合はパンノニアに対し2600本、フォウ王国に対し800本、アーキルに対し600本の船舶用大型浮遊機関を国家戦略備蓄から貸与する用意があると発表した。サミットで議論された何らかの経済協力のバーターとして貸与が決定したと見られる。目覚め作戦のため多数の船舶が徴用される中での民間輸送力の確保に向けて、パンノニア政府は三年前に空運省に設立された目覚め作戦対策室が様々な取り組みを進めてきたが、特に国際輸送を担う大型船舶の不足が問題となっていた。モスボール保管されている旧自由パンノニア空軍のアーキル製戦時標準船などの再稼働などに、これらの浮遊機関が活躍すると見られる。

7月14日 六王湖、EPEC加盟交渉スタートに同意
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六王湖(帝政ダルト国)の代表としてサミットへ訪れたヴォルマーニュ第一副宰相は、六王湖のEPEC加盟について「強く前向きに検討したい」とし、「近々、本格的な加盟交渉をスタートする」と会談後の記者会見で発表した。来月に次官級協議を開始し、目覚め作戦後に行われると見られるトップレベルの会談までに現場レベルでの調整を進めていくと見られる。また、ミラルール圏加盟についても、「障壁はかなり多い」とする一方、「ミラルール条約はEPECの根幹に関わるものである」とし、「時間をかけて議論する価値がある」と述べた。

7月15日 ヴァンカリア・サミット閉幕 東海岸諸国の結束を確認
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ヴァンカリア・サミットが今日午前、閉幕した。閉会式のあとで各国首脳らはユタリープへ移動し、ユタリープ事件資料館を訪れ献花を行ったあと、リシャール七つ星レストラン「ラフィラ・リミディナ」で昼食会を行った。その後、夕方にはオリエント海上の新型空母「シルナトリツェ・パンノーニュ」へ空軍機で移動した。翌16日の昼まで、オリエント海上で行われるパンノニア・諸島合同訓練を視察すると見られている。アーキル連邦のジメッツ評議長は、「往時のアルゲバルを想起させる巨艦だ。ここまで大きな船が、快速なパンノニア艦隊に随伴できることは驚きだ」と驚きをあらわにした。

7月16日 「50キロトン級の爆弾」セタナ環礁沖合同軍事訓練において決戦兵器試験
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昼に行われた空軍省の発表によると、本日5時30分頃にセタナ環礁沖で観測された振動は、パンノニアと諸島連合が共同開発した新型爆弾の試験によるものだったと明らかになった。実験は軍事訓練の一環として行われ、招待された各国首脳に展示する形で行われたという。発表によると、この爆弾はリコゼイ砲を利用したもので、実験ではTNT換算で約50ktの威力を発揮したとのこと。報道官は、詳細な原理や仕様については翌日以降に追って説明するとしつつも、記者からの質問に対して、「この爆弾はその威力に比してコンパクトなのが特徴で、目覚め作戦までにはわが国の戦略爆撃機にも搭載可能なサイズで量産を目指す」と述べた。軍事評論家のアルネンコ氏は、「TNT換算50ktという数字が事実なら、現在我が国の配備している最大の戦略爆弾TBA-8000(1.5kt)のおよそ33倍の威力だ。どの程度の量産が可能なのかはわからないが、もしTBA-8000を置換する次世代兵器となるなら、我が国の戦略爆撃機の数が33倍になったに等しい。」と述べている。大戦末期ごろから、主に敵の都市や巨大施設などをターゲットとするいわゆる戦略爆弾には、通常の爆薬よりも重量比で優れるサーモバリック爆薬が使われてきた。冷戦中には炸薬の高圧化や懸架重量を炸薬重量が上回るいわゆる浮力爆弾などの技術によってサーモバリック爆弾は進化を遂げてきたが、近年はそれも伸び悩んでいる。この新型爆弾がサーモバリック爆弾の一種なのか、また全く別なものであるのかは現時点で不明だが、戦略爆弾の高性能化においてある種のブレイクスルーを引き起こすものとなるのかもしれない。

7月17日 融陽力とは?専門家に聞く
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空軍省は今朝、昨日未明に諸島連合において我が国と協力のもとで行われた対旧兵器用特殊兵器実験の詳細を一般向けに公表した。発表によると、同実験で起爆された特殊兵器は「融陽力」というエネルギーを利用しているという。また、これまで非公開とされていた空母「シルナトリツェ・パンノーニュ」の主機についても、融陽力を用いた蒸気タービン機関が搭載されていることが発表された。公開された資料によると、その原理は次のようなものであるという。リコゼイ砲から放たれる光線をビームスプリッターと呼ばれるパーツで分けた後全てのエネルギーを1点に集中照射することで燃料となる原子核を融合させ、より重い原子とすることで、リコゼイ砲の稼働にかかるエネルギーを遥かに上回る莫大なエネルギーが熱エネルギーとして生じるという。このエネルギーを瞬時に解放する形で兵器化を行えば、今回実験された爆弾となり、またタービンを通して少しずつ回収すれば極めて効率のよい外燃機関として利用できる。ソルノーク理科大のパシュミン教授は、「融陽力は次世代のクリーンエネルギーになるかもしれない。原理上、この装置は化石燃料を消費せず、大気汚染を引き起こさない。散乱する中性子への対策など不便は多いが、環境問題に寄与できる可能性がある。」と述べた。今回実験の行われた融陽爆弾や、空母シルナトリツェ・パンノーニュに搭載されている融陽炉は燃料としてヘリウムを利用しているという。十分な数のリコゼイ砲の製造、大量のヘリウムの採掘など、本格的な実用化には相応の時間を要するものと見られるが、オクロ機関再生技術の確立までのつなぎとして、融陽力はエネルギー問題解決の鍵となるかもしれない。一方、パラドメット研究所は「このような兵器を我々に事前相談することなく作成したことは遺憾である。セイゼリゼイも不快感をあらわにしている。」と声明を出している。

7月18日 ゼゲツ機、ドヴナ空港で管制の復航指示を無視し着陸強行 あわや事故
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パンノニア運輸安全委員会の発表によると、今日午前9時頃、市営ドヴナ国際空港に着陸するゲゼツ航空90241便が、管制官の指示無理な着陸を強行しようとしたとして、同社が適切な対応をとるまで同社機のパンノニア乗り入れを全面禁じる措置を発表した。同便は、悪天候の中、事前に指示したルートからそれ、異常かつ不安定な降下率でアプローチを始めたことから、空港の15キロ手前で管制官により着陸をやり直すよう指示されていた。しかし同機の機長が無線を切断し着陸を強行しようとしたため、管制官は飛行機の故障を疑い、付近の航空機全てに退避指示を出していた。幸い、無事着陸には成功し、負傷者はなかったが、管制官は「いつ落ちていてもおかしくなかった」と語る。ドヴナ日報の取材によると同便の機長は「急いでいたんだからしょうがない。無事着陸できたのになんの文句があるのか」と発言しているという。運輸安全委員会によると、事前の申請に反して、同機は計器着陸装置を搭載しておらず、両操縦士とも計器着陸に関する資格を保有していなかった。

7月19日 ポリン社、ネットショッピング事業展開
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スーパーマケット「ルミナ28」、キオスク「アカツィヤ」などを運営する食品小売大手ポリン社がネットショッピング事業に進出する。同社CEOミルマヴェッツ氏が今日昼に会見を開き発表した。ミルマヴェツ氏によると同社は、目覚め作戦後に発生すると見込まれる余剰輸送インフラを活用した通販業が今後拡大していくとの見立てから、3年後程度を目処にパンノニア国内の食品ネットショッピング市場シェア1位を目指し大規模投資を行っていく考えを示した。ネットショッピング市場は近年着実に成長してきたが、消費期限や輸送の難しさから食品分野ではまだ遅れが目立つ。ポリン社はパンノニア国内に大規模冷凍庫などを備えた最大30箇所前後の配送拠点を新設するほか、従来の同社の物流網も併用し、注文から最大12時間で配送可能な体制を目指す。「新鮮や肉や魚、野菜やフルーツを、いつでも気軽に家から購入できるようにする。週末にスーパーに買い出しに行く時間を、もっと有益に使えるようになる。それが私達の描く未来像だ。」ミルマヴェツ氏はそう述べた。

7月20日 バスタンナ自動車 Limicほか3車種をリコール
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バスタンナ自動車は、同社が販売する最新車種3種のリコールを発表した。大型ファミリーカーLimic、商用バンSorka、中型トラックA5Miaのそれぞれの最新世代が対象となる。これらの車種に搭載されているコンピューターの防水が不十分であったことが調査により判明したためであるという。変速機などが正常に動作しないといった故障報告がこれまでに寄せられており、これに関連したものとみられている。

7月21日 機動隊が極右団体の本部を強制捜査 軍の一部と関与しクーデター計画か
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カルタグ市公安委員会の発表によると、今日昼頃、機動隊がパンノニア民族栄光党の党本部とされる建物への強制捜査を実施した。同団体は672年の国会議員連続爆殺未遂事件以来非合法化されているが、様々な形で活動が続いてきた。近年は目覚め作戦反対運動において陰謀論などを拡散し勢力を拡大している。今回の捜査は、軍特殊部隊の一部に同団体の関係者との接点が明らかになったことから、その背景を探るべく行われたと言う。公安委員会は、軍と結託したクーデターの計画の疑いについて調査を進めている。同団体は、選挙のたびに傷害事件などを引き起こしてきた過去がある。捜査には、民会選を控え、平和な選挙が行えるよう不安定要素は除去したいという背景もあるようだ。

7月22日 アーキル軍最新ミサイルの機密文書が流出 ゲームコミュニティの「論争」で
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アーキル軍の最新の空対空ミサイル「Ro-28 “デューン”」の機密資料がインターネット上に流出していたことが発覚し、関与したアーキル軍人の男性が逮捕・起訴されていたことが明らかになった。事件が起こったのは、マン王国・ポジシアに拠点を置く、Ihojin Entertainment社の人気シューティングゲーム「Battle Lightning」のプレイヤーコミュニティ。世界中の様々な兵器で戦う同ゲームのプレイヤーコミュニティでは、兵器の性能の有利不利やリアリティを巡って激しい議論が起こってきたという。そうした恒例の「喧嘩」の中で、本職がアーキル軍人であったというあるプレイヤーが持ち出した「秘密兵器」が、機密文書に指定されていた最新のアーキル製ミサイルについての技術資料だった。容疑者の男性は、ラオデギア日報の取材に「デューンの射程はもっとあるということを知っていた。ゲームの性能には納得いかなかったので、証拠を突きつけたかった」と述べている。Ihojin EntertainmentのペルノクCEOは事件について取材会見を開き「このような事件が起こってしまったことは遺憾である。プレイヤーの皆様には、コミュニティでの議論は冷静に、法律を守って行ってほしい」と述べた。また、このミサイルの性能については「Battle Lightningはあくまでゲームであり、ゲームバランスのために性能を調整することはある。」とし、機密文書を持ち出されたところでそれがゲームの設定に反映されるわけではないと念押しした。

7月23日 横行するにせブランド品 被害額過去最大 税関局が注意喚起
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今年度に入って、にせブランド品に関する事件の数の被害額が過去最大を記録し続けている。ネットショッピングなど、現物を確認できない商取引が拡大してきたことや、偽造側の手口が発展してきたことがその背景にあるとみられる。税関局は注意喚起を行い、信用できる店やサイトかどうか見極めるための手法についてパンフレットを郵送するなどの対策を検討している。また政府内部では、にせブランド品の製造だけでなく流通に関する罰則の強化なども必要ではないかという声があがっている。

7月24日 ギュリ電算通信、新製品発表会を開催
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 きょう、ギュリ電算通信は記者や大手メーカー関係者を集め新製品の発表会を実施した。記者たちの注目を集めたのは、Wheatstone bridgeマイクロアーキテクチャを採用する新世代CPU「Triton」。これまで同社の主力を担ってきたQuarkシリーズに代わるものとして企画されたこの新シリーズは、微細化とアーキテクチャの改良を交互に行っていくことで、毎年新世代の製品を発表するという試みだという。CPUのコア自体に大幅な設計変更がなされており、統合されたメモリコントローラもロード帯域幅も243tritの帯域幅に3倍増している。コア数は最上位クラスのT8は同社の一般向けCPUとしては過去最大の27コアとなるとのことで、ミドルレンジのT6でも21コア、エントリー向けのT4は15コアと、近年のメニーコア化競争に応えた形だ。一方で動作クロックはT8の最上位モデルとなるT8 985Xで420MHzと伸び悩む点には疑問が残る。今回発表された製品は地中海シリコン(子会社)の47nmだが、来年までに開発を終える予定の第二世代ではアーキテクチャを共通させつつ35nmに移行することが予定されている。またギュリ電算通信は今後のPC向けCPUはすべて81tritとなり、27tritの新規開発は行わないと述べた。競合他社も同様の姿勢を見せており、81tritPCの普及はまもなく決定的なものとなるのだろう。
 また発表では次世代型スマートフォン向けSoCの試作品も公開され、こちらではすでに35nmが採用されるとのこと。同社が来年に発表すると見られるスマートフォン及びタブレットへの搭載が予定されている。発表会に同席した地中海シリコンCEOのファリュート氏は、「まだまだ伸びしろはあるはずだ。700年までに我々は10nmを目指す」と述べた。

7月25日 民会選の経緯と争点
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中盤戦にさしかかった民会選について、あらためて経緯と争点をおさらいしておこう。

今回行われるのは、憲法において全パンノニア最高の立法府と規定されている民会。憲法11条の規定により、内閣総理大臣は民会に対して解散権を持つ。パミュースィク政権は、迫る目覚め作戦への対策について国民の信を問うとして、今月8日、ヴァンカリア・サミットを目前に突然の解散を発表した。7月21日に公示され、来月3日に投開票となり、期日前投票はすでにはじまっている。

今回の突然の解散劇に対しては、野党からは解散権の濫用との批判も強かった。また与党政権内部、特に外務官僚らからの不満も大きかったと言われている(実際、大臣のうち3名が解散の署名を拒否したことで解任されるに至っている)が、首相はスピード感ある対策のために必要な行為だと強調する。党内の一部からは「相次ぐ不祥事の中解散を実施しても議席を減らすのは必至。目覚めに勝てば支持率も勝手に上がってくれるから、今わざわざ負けに行くのは得策ではない」との声もあったという。ある大臣政務官は、「(今の支持率で解散に踏み切るのは)自殺行為だ。鳩見町には困惑と不安が広がっている。」と不快感をあらわにする。だが、杏橋に近い記者の間では、今回の解散に対するパミュースィクの”本音”が党内政局にあることはもはや常識だ。パミュースィクはドラスティックな目覚め作戦対策を構想しているが、これには与党の守旧派や、柏池と関係の深い組織内議員らから不満の声が強い。議席数でみれば敗北することになるとしても、パミュースィクの案を指示する人気のある新人を比例上位に入れ、あるいは反対に守旧派を非公認にして刺客を立てることで、党内の意見の統一を図る狙いがあるという。パミュースィクには、第一次政権時に、ドブルジャ戦争への対応について党内意見の混乱で思うように政策を進められず、それが野党からの攻撃を受け政権交代に至った苦い経験がある。側近の一人は、「(パミュースィクは)これから世界で大きな戦争をするのだから、党内融和など言っていられない、党を壊してもやるべきことをやるんだ、と語っている」と明かす。パミュースィクは過去の雪辱を晴らすべく本気の勝負を始めたと言えそうだ。もっとも、その結果としてパミュースィクにとって重要な議員が落選したり、また過半数を割るようなことになれば、パミュースィクにとっても都合が悪くなる。

政治評論家のパペツィク氏は、この突然の解散劇は決して苦肉の策ではなく、1年以上前から練られていたものだったのではないかと指摘する。野党時代、自身の派閥「新翔会」の強化に努めてきた時から、すでにこの計画は練られていたのかもしれない。公認権を握る幹事長には最側近のトゥルヴァニカウ氏を任命しつつ、一方で選対本部長には選挙後の責任を着せることを前提に守旧派の代表格の一人ルネナヴァー氏を任命するという「腹黒い人事」は、この解散は予定してのものだったというのだ。またパペツィク氏は次のように語る。「選挙に強そうな新人を多数立てている。これは1ヶ月や2ヶ月ちょっとでかき集められるものではない。おそらく、側近らと共謀し、党に隠して独自の選挙準備をしていたのだろう。」このタイミングまで解散を引き伸ばした理由としては、突然の解散で野党の準備不足を突くことはもちろん、目覚め作戦までまだ余裕がある時期ではなく、十分差し迫り、クランダルトを筆頭に国外の混乱が見え始めた時期であれば、対策を強く訴えるリーダーの姿は国民から共感を得やすいと考えていた可能性がある。2年前の政治情勢下であれば、このような下降トレンドの中での解散は、そうした党内世論の統一の意図のもと行われたとしても、ある種の"無理心中"に過ぎなかったかもしれない。しかし、ここ数カ月の野党情勢の変化、とくに野党第一党憲政国民党の凋落と、旧復古党/旧社会党周辺で繰り広げられた大規模な政界再編が、パミュースィクに"勝機"を与える形になりつつある。仮に議席を落としたとしても、首相の座と政策を通す手立てが残るならば、彼らにとってこの解散は十分意味のあるものだ。「目覚め作戦で成果を上げれば、支持率も上がるだろう。来年春頃、結果責任を問う形でもう一度解散をやれば議席は回復する。」パミュースィクに近いとされる某顧問院議員はそう語る。一方、擁立状況を見るに最も準備不足を露呈したといえる憲政国民党の一部は、「完全に杏橋の論理だけの解散。こんな目覚め作戦を控え、一日でも無駄にするべきではなかった。国民への裏切りだ。」と恨み節だ。だが、野党第一党ならば、いつ何時解散があっても勝って政権を取りに行くくらいの気概がいるのではないか。

こうしたパミュースィクの「党内謀略」に対して、36人の組織内議員を抱える柏池の意見は割れている。解散発表の3日後、経団連は幹部会合を開き対応を協議したものの、意見はまとまらなかったという。組織内議員は、なんとか支持組織を説得して、あるいは組織を切ってパミュースィクに迎合して公認と支持を得るか、支持を稼ぎとにかく勝つか、判断を迫られた。最終的に、組織内議員については非公認となる候補はいなかったが、その裏にどのようなディールがあったのかは明らかではない。しかし、経団連、特に五大財閥も揺れているのは確かだ。関係筋からリークされた情報によると、国内最大の財閥であるバスタンナ銀行グループは「戦争を前に内部対立を起こしかねない行為で、深い憂慮」をパミュースィクに伝えたとされる。その一方、傘下に軍需産業を多く抱えるカルタグスチリグループはパミュースィクの政策の支持を示している。またBBGアヴィエーション・リース・ファイナンスを通してバスタンナ銀行グループと資本関係が強いはずのリディナ=コリンスィク航空機工場は、カルタグスチリに同調するような姿勢を見せているという。トゥトルリュリ鉄鋼系列の企業はまだ明確な立場を示すことができていない。パミュースィクの「地盤」を支えるパンノニアニッケルは支持に回るだろうが、TUTALは守旧派の重鎮・ドゥルマシェウ総務会長の最大の支持母体だ。投資家目線では、パミュースィクの強い国家主導の目覚め作戦対策は、財界や投資家を中心に強い反発がある一方、軍産複合体などには大きな利益を与えることになるかもしれない。しかし、いずれにせよこれらは目覚め作戦という不確定要素の多い世界的事業の中の一側面であり、予測の難しいものであることは間違いない。

また、公民党が柏池を、憲政国民党が労働組合をそれぞれ抑えるという旧来の構図自体、終わりが近いのかもしれない。そもそも、歴史を振り返るならば、公民党発足時の最大の支持母体は、南系の労働組合連合、南パンノニア人民連合総会であった。しかし、二十日抗争で白志会(憲政国民党の前身)を見限った経団連が公民党に急接近すると、人連総は押し出される形で支持を取りやめたという経緯がある。その後、人連総はほかの労働組合系組織と合併し全パンノニア労働評議会を設立、白志会の若手議員らに支持を表明するという“入れ替わり”が起こり、それが今日まで続いてきた。しかし、まもなく15周年を迎える構造は、立憲白志会のリベラル化とエスタブリッシュメントの接近に対する不満が全労評の左右分断を引き起こしたことなどをきっかけとして、急速に崩れつつある。さらに一方では、従来公民・興産が半々で抑えてきた外埠頭(テック界隈)系の票田と献金も、近年急速に伸長するリュリ文化社会主義同盟を中心とするポピュリズム政党への”鞍替え”をはじめている。今回の民会選と(とその直前にあるシルナトリツェ市議会選)は、こうした複雑化する力関係が、はじめて明確な形で表に出てくる選挙ということになるのかもしれない。

もちろん、まだ選挙が終わるまで情勢は変化しうるが、情勢調査を見る限り、パミュースィクの計略は今のところ成功しつつある。しかしその先、例えば次の民会解散や顧問院議員選挙の際には、パミュースィクにもよみ切れない新しい事態が、新野党から起こり始めるかもしれない。

さて、今回の選挙において各党が訴える政策を見ていこう。
今回の選挙の最大の争点は目覚め作戦対策であることは間違いない。与党・公民党は、目覚め作戦をパンノニア憲法における中規模有事とし、これに基づく国権の強化のもとで、一部品目の配給化や強制買付を含みうる大規模な施策を実施していくことを求めている。一方、野党第一党の憲政国民党は、小規模有事のスキーム内で十分であるとし、人権がおろそかになることはあってはならないと訴え、10年前に公民党政権下で行われたアナンサラド侵攻時の問題点を強調している。当時、アナンサラド侵攻において戦争には勝利しながらも国内混乱を招いたことから、公民党は83年の民会選挙で下野し、憲政国民党に与党を譲った苦い経験があった。とはいえ、序盤情勢調査を見る限りでは、今回の目覚め作戦対策については、憲政国民党の主張は支持を広げられていない。むしろ、リュリ文化社会主義同盟は、序盤調査においてすでに憲政国民党を上回る支持を集めている。文社同は、公民党の掲げる大規模な目覚め作戦対策には概ね賛成か、むしろより強い介入が必要であるという立場をとりつつも、財界や軍産複合体との関係の強い公民党の裁量下ではそうした介入が特定の産業セクタに有利となるのではないかと批判し、国民全員のための政治、とくに再分配の強化を求めている。

その他の主要政策の比較については、下記の表を参照してほしい。また、本紙はシリナトリツェ・グローバル・リベラルアーツ大学(GLUS)との協力のもと、今回の選挙から試験的にインターネット上でボートマッチサービスを開始する。このサービスは、30個程度の質問に、「賛成」「どちらかといえば賛成」「中立」「どちらかといえば反対」「反対」の五択で回答すると、候補・政党との一致度を知ることができるというもの。読者の皆様が投票先を選ぶ上で参考になれば幸いである。

なお、今朝女王陛下は、12日後の民会・代官選挙と明日に迫ったシルナトリツェ市議選について、短い演説を行われ、冷静で平和な選挙活動を各党の関係者及び国民に呼びかけられた。演説の全文は四面に掲載している。

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リトプラークシアの演説

31年前の660年。私が15歳の高校生の頃、第一回王国民会議員総選挙が行われました。実質的な王宮はカルタグにあり、ここシルナトリツェはまだ殆ど更地で、このパルエ池のあるあたりも、まだ大戦中の地雷の残る何もない湿地でございました。国の南北では、それぞれまだ法律も商慣習も全く異なり、交流もまだそう多くなく、北西地域にいたっては、アーキル領という時代。動乱の痛みはもちろん、まだ南北戦争の記憶も残り、飢えと病も、決して他人事ではなかった、そういう時代でございました。それから、激動の31年間。パンノニアはすさまじい成長を遂げ、統一を果たしてまいりました。もちろん、数多くの痛ましい事件があったことは、忘れてはなりません。7度の戦争があり、629件の死者をともなうテロがあり、それらの尊い犠牲者は、すべてあの碑に刻まれています。そしてそこには、667年9月19日、ユタリープで亡くなった先々代の国王であり、私の両親、アチールとツィティヤの名も刻まれています。それでも、そうした数多くの混乱を乗り越え、われわれパンノニア人は、希望を捨てず、家族を、隣人を助け合い、心に一つの思いを、皆でこの国を、パンノニアを世界のてっぺんにするんだと、そういう思いで、日々努力してきたからでございます。そしてその思いが、8年前には、ついにこの国を、世界第一位の経済大国へと、押し上げてきたのであります。

世界に誇る、清く安定したパンノニア立憲王政は、時に激しく、自由闊達で、しかし同時に平和的で、互いを尊重しあう成熟した政治議論の上にこそ成り立つものでございます。世にどうでもよい選挙などというのはありませんが、それでも今回の、目覚め作戦という国家の大事を前にしたこの第九回民会議員総選挙、及び州/王領代官選挙、そしてまたシルナトリツェ市議会議員選挙は、とりわけ、国家と世界の行く末を決める大切な選挙でございます。候補者の皆様におかれましては、正々堂々と論戦を交わし、悔いなく戦い抜くことを期待しております。また有権者の皆様におかれましては、歴史上決して当然だったわけではないその権利、その一票一票の重みをよく噛み締めながら、必ず、投票所へ足を運ばれることを期待しております。

また明日に控えるシルナトリツェ市議選も、選挙活動に残された時間はのこり10時間程度となりました。候補者、応援者の皆様が最後まで最善を尽くし、選挙活動と投票が平和裏に行われることを願っています。

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7月26日 シルナトリツェ市議会選で与党勝利 民会選への影響は
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本日、王都シルナトリツェ・パンノーニュ市議会選挙において、市長派が100議席中、前回比2議席増となる56議席を獲得し勝利した。内訳としては福祉公共党、護民会の議席はそれぞれ1議席減少したものの、市長派の無所属議員が4名増加した形となる。

福祉公共党  36議席
憲政国民党  13議席
リュリ文化社会主義同盟 13議席
護民会  9議席
空賊党  3議席
イルヴィア保守党  2議席
緑の都  2議席
減税会  1議席
無所属  21議席(うち市長系11議席)

投票率は81%と非常に高かった。イルヴィア直轄王領法の関係や選挙管理委員会の管轄違いなどから同日の選挙実施が不可能で、選挙が連続する形となったことが投票率に影響を与えたかどうかという点については、意見が別れている。

今年6月7日、タルヴァナーク前市長はイルヴィア直轄王領代官選に出馬の意欲を示して辞任、その後任にはタルヴァナークが民会議員時代に秘書を務めたこともある前市議のルチコ氏が当選した。関係筋では、タルヴァナークがイルヴィア直轄横領の権力を握るための「5ステップ」なるものが知られている。①市長座を子飼いに譲り当選させる、②市議選で市長派が勝つ、③代官選で自分が勝つ、④地域政党を結成して王都議会を解散する、⑤王都議会選で勝つ、というものだ。今回の市議会選でのルチコ派の勝利は、タルヴァナークにとって、この「5ステップの」2番目までを達成した形となる。次の段階は、来る民会選と同日に行われる代官選挙において、彼自身がイルヴィア領民から選ばれることだ。

今回のシルナトリツェ市議会選の結果が民会選にどの程度の影響があるのかは予測が難しい。政治中枢として建都された若い王都シルナトリツェ市は、年齢や社会階層の比率が他地域とは明確に異なっており、直接参考となるものではないと一般に言われるが、数字は大きく異なることにせよトレンドはこれまでおおよそ共通してきた。ただ、今回が今までと大きく異なるのは国政とは異なる独自の戦い方を続けるタルヴァナーク派の存在だ。実際、今回の市議会選では、民会選の主要イシューである目覚め作戦対策よりも、イルヴィア直轄王領の行政改革、とりわけシルナトリツェ市とイルヴィア直轄王領の二重行政の解消が主な争点となっていた。憲政国民党が主張する現状維持案、反市長派の多くが支持するシルナトリツェ市を郊外まで拡大する大シルナトリツェ案、そしてタルヴァナーク派が主張するシルナトリツェ市制そのものを廃止しイルヴィア直轄王領全体をパンノニア王都とする特別都案の3つが、今回の選挙の主要な争点であったことは明白である。

7月27日 民会選 一週間前の情勢は?
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きのう26日、迫る民会選はついに一週間前を迎えた。本紙は一週間前情勢調査を実施した。その結果は以下の通りとなった。

公民 201-230
憲政 62-93
文社 55-80
自然 15-25
興産 7-15
共和 5-12
共産 議席獲得の可能性
大地 議席獲得の可能性
明星 議席獲得は難しい
安心 議席獲得は難しい

公民党は議席をやや減らす見込みであるものの、単独過半数を維持する可能性は十分ある。憲政国民党は野党第一党を維持する可能性が高いが、当落線上にある議員も多く予想が難しい状況だ。同様にリュリ文化社会主義同盟も当落線上の議員が多く、場合によっては憲政国民党を抜いて野党第一党となる可能性も一定程度見込まれる。自然の党は議席を増やす見込みで、自由興産党、民主共和連合は選挙前議席を維持する流れと見られる。共産党と大地と海と空の党は議席獲得の可能性が高い一方、新党明星、生活安心の会やその他の諸派については議席獲得は難しい展開となっている。

また、本紙政治部の編集長ポトカとイスピン、また政治評論家のパペツィク氏がそれぞれパン経オンライン公式チャンネルで行った票読みの結果は以下の通りである。

公民 ポトカ イスピン パペツィク
憲政 212 205 215
文社 87 86 79
自然 17 21 19
興産 11 14 13
共和 12 10 7
無所属・諸派 15 13 12

7月28日 LKS、SKS・PKS買収に持株会社設立
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今日午前、旅客機世界最大手リディナ・コリンスィク航空機工場は、持株会社KASGM(ギルドマジャル航空機製造コンツェルン)を設立し全自社株を移転したと発表した。サラン航空機工場及びプルスク航空機工場の買収のための法的な下準備とみられ、両社の買収交渉において何らかの確約が得られたと考えられる。LKSは、目覚め作戦後発生が見込まれる修繕軍需をSKSおよびPKSの所有する工場に割り振ることで、自社工場においてはいち早く同社の本業である民間旅客機部門の生産の効率化を狙う。同社にとっては、特に納入が遅れているLKS-245型機の生産効率化は急務であるほか、ミドル・オブ・ザ・マーケットの最小クラスに投入予定の新型ナローボディ機、LKS-3Xの開発を急ぎたいと見られている。なお、カルタグスチルアヴィア及びホーテンブルク航空機工場が起こした独禁法違反の疑いに関連する一連の訴訟については、政府の仲裁のもと、合意が結ばれたと見られている。合意の詳細については秘密とされているものの、公開されている範囲ではLKSの持つ航空機用次世代非金属素材やエンジン技術に関する特許の開放などが含まれているという。今回の統合の結果、旧GM系航空メーカーはLKSにほぼ実質的に一本化された形となった。GMの失敗「フォイレの悲劇」の二の轍を踏まないために、LKSには何が必要となってくるのだろうか。航空経済評論家のウラーラ・ナルチャコヴァー氏は「まず、政府との適切な距離感を忘れてはならない」とする。このような大企業は、政府に真っ向から対立してしまっては、フラッグキャリアのROPAや軍からの受注において不利となり、また国外取引において十分な保護と協力を受けられず失敗する可能性がある。バスタンナ自動車がかつて破産の危機に陥った原因は、政府介入に対する過剰な敵視であった。一方で、かつてのGMがそうであったように、政府発注を相手に肥大化しすぎた組織もまた腐敗しうる。その点では、カルタグスチルアヴィアとの自由で健全な競争が望ましい。もっとも、カルタグスチルアヴィアの主要部門は軍需であり、LKSの主要部門は民需で、両者ともに互いの中心分野に対して競争力のある製品をあまり提供できていない。このことは長期的に悪い影響を与えるかもしれないと、ナルチャコヴァー氏は語る。そして第三の落とし穴は、行き過ぎた経営多角化であろう。GMは不動産業、観光業、通信業などに次々と手を出していった結果、解散に陥ったという過去がある。LKSは様々な誘惑を断ち切り、その王座を綺麗なまま守り続けることができるのだろうか。

7月29日 国際数学協会、ラスティ=フロント予想解決と発表
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国際数学協会の研究チームは、3年前にカルログラード数学研究所のネベリ氏が発表した、ラスティ=フロント予想を否定したとする論文の査読が完了し、同論文の正しさを認めたと述べた。この功績により、ネベリ氏には同予想にかけられていた10万オリントの懸賞金が贈られる予定であるほか、再来月発表予定の本年度のグラウンズ賞の受賞も間違いないと見られている。ラスティ=フロント予想は、612年にリュディギアの数学者ラスタル・”ラスティ”・クレル・パハンとメイエル・フロントが定式化し、長らく未解決であった純粋数学上の予想。南半球においては、同時期にインダストラリーゼ数学研究所でこの問題について研究していたヨハネス・フライトとアレン・ヴァン・グライド、コルネリウス・ヴァン・グライド兄弟の名を取ってフライト=グライド予想とも呼ばれている。この予想は「MRK関数のマイマイ解はすべてカブリ数の積で表せる」というもので、長らくこの予想は経験的に正しいと考えられ、予想から80年近くにわたり数多くの数学者が挑戦してきたが、証明には至らなかった。683年にはノイエラント大学の研究グループがハイパーニューロンを用いて計算を行い、少なくとも2^32までの範囲においては正しいことを確認していた。また688年にはパラドメット研究所が旧文明遺跡から発見した文書から、旧文明もこの問題を認識していたものの未解決であったこと、また旧文明は当時の巨大コンピュータによって2^100まで検算し、反例はなかったとする検証結果を残していた。しかし、極端に大きな数において突然に反例が見つかる事例は数学においてはしばしば存在し、ラスティ=フロント予想においても予想を否定する立場も一定数存在した。今回認められた論文において、ネベリ氏は様々な画期的な方法を用いることで、予想の反証に成功した。国際数学協会の研究チームは、ネベリの論文の通り、2^338付近に最初の反例が現れ始め、2^8000以降ではかなり成立しないケースが増えることを確認した。ラスティ=フロント予想の解決は、数学の進展のみならず、物理学の分野ではNMKパラドックスなどの解決にも寄与するとされ、「この世界がどのように存在しているのか」を解き明かす鍵を握っているとも呼ばれることがある。

7月30日 新聞各紙本社や公民党本部などに爆破予告 爆弾は見つからず
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昨日深夜、「明日正午に(施設名)を爆破する」などと書かれた爆破予告メールが、本紙を含む新聞各紙の本社や一部政党の施設などに宛てて送られた。各施設では避難指示などが出され、警察が緊急出動するなどの騒ぎとなったものの、いずれの施設でも爆弾は見つからなかった。選挙妨害が主な目的であったと考えられる。爆破予告を受けた施設は以下の通り。パンノニア経済新聞本社、南都通信本社、銀帯日報本社、新都新聞本社、統一産業新聞本社、布時新報本社、汎界電信本社、公民党シルナトリツェ東柿園本部、公民党カルタグ総支部、リュリ文化社会主義同盟カルタグ支部総局、王立鉄道カルタグ-ニルガ線統括部及び外環状線統括部。予告文の送り主は、新興宗教系陰謀論組織「新聖域」(旧兵器は存在しないとし、目覚め作戦は軍産複合体の陰謀であると主張している)の関係者を名乗っているものの、真偽は明らかになっておらず、現在も調査が進められている。


8月分
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8月1日 クルカインフルエンザに新特効薬 保健福祉省まもなく認可
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シルナトリツェ医科大学と医薬品大手CBMMの共同開発したクルカインフルエンザ治療薬「アペロス」がまもなく保健福祉省から認可される方針であることがわかった。「アペロス」は従来治療が困難とされたF1型、F2型、G型などの特に症状の重い株のクルカインフルエンザに対して効果的な治療薬であるという。CBMMは686年から段階的に治験を進めてきたが、重大な障害や死亡事故の例はなく、安全に使用できることがわかったという。従来、この種のクルカインフルエンザ治療薬としては、「ベリオキプロン」のみが有効として知られていたものの、「ベリオキプロン」はクランダルト国内でしか製造できず、また副作用や制約の多い薬であったため、「アペロス」の登場はクルカインフルエンザの治療に画期的なものとなりそうだ。

8月2日 民会選議席最終情勢
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 パンノニア経済新聞は、テレビ・リュリ、KC通信社と共同で7/30~8/1日に世論調査を実施し、その結果をもとに情勢を推測した。その結果は以下のようになった。

公民 205-223
憲政 62-84
文社 57-82
自然 16-25
興産 8-12
共和 7-10
共産 2議席もあり得る
大地 議席獲得の可能性
明星 議席獲得は難しい
安心 議席獲得は難しい

 与党・公民党は単独過半数にあたる213を獲得する可能性は半々であり、接戦区での勝敗が政権の今後を大きく左右することになるかもしれない。とはいえ、野党第二党を争う憲政国民党とリュリ文化社会主義同盟が首班指名で手を結ぶことは考え難く、数議席程度の不足であれば連立によって一定程度安定した政権の維持は可能そうだ。憲政国民党には厳しい情勢となっており、議席を大きく落とすのはほぼ確実と思われる。それに対してリュリ文化社会主義同盟の躍進は目覚ましく、情勢を読みきれないところがある。”泡沫”とみなされてきた諸派の中では、共産党と大地の党が議席獲得を伺う一方、新党明星、安心が第一はかなり苦しい情勢だ。
 我が国の民会議員選挙は、現在世界でも珍しい選考投票制度を導入している。これはパンノニア統一まもない政治の不安期に、中道の与野党が結託し、極右と極左を政界から弾き出すために導入したという背景がある。多くの国民に好まれていることよりも、多くの国民に嫌われていないことの方が票につながるとも言われ、一般に中道政党ほど有利とされる。政治の安定に有益とされる一方、少数派の意見が蔑ろにされる危険もあるとして、選挙制度の改革を訴える声も近年高まっている。

 また、同日実施される州代官選挙についても、情勢調査が実施された。北部州では公民党・現職のルジェスラウ・エシュトレウ候補が野党系のアルトラ・コンシャティン候補をリードし優勢である。南部州では文社同・現職のアミリーナ・レトィドゥーク候補が公民党のミュシュラ・アネパ候補をやや先行し、憲政党・新人・前カルタグ市長のイストル・シャンティジール候補が追い上げを図っている。回復領州では現職・憲政党のビケル・バルムハン候補の支持が広がりを欠く中、文社同と地域政党・ドヴナ自由党、減税の会が共同で推薦する無所属候補アンハルシヤ・イルトヴィカン氏が抜け出す勢いだ。現職が立候補しなかったイルヴィア直轄王領では無所属・新人・前シルナトリツェ市長のミトル・タルヴァナーク氏と無所属・新人・シュトヴァニヤ・コンシュナ氏、イルヴィア改革党のアルナリ・ポパウ氏が激しく競り合い、先の見えない情勢だ。下チェルストヴォ直轄王領では公民党・現職で文社同が相乗りするイルタティラ・レン・チェルストヴォ候補が圧倒的に優勢で、他候補を大きく引き離している。

8月3日 第九回王国民会議員総選挙 きょう投開票
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 第九回王国民会議員総選挙が、きょう投開票日を迎えた。午後3時時点での投票率は58.3%で、前回比で3.8%高い。あす午前2時頃には大勢が判明し、結果の確定は早ければ午前8時頃になると推測されている。一定程度注目を受けた選挙であったこと、全国的に天候に恵まれていたことから、投票率は最終的に前回を数%上回り、70%台に到達する可能性が高い。
 警察と内務省および各自治体の治安当局は、予告されていた反目覚め作戦過激派などによる妨害や、過去にあった国際テロ組織からの攻撃を念頭に全土で厳戒態勢を実施しているが、幸い執筆時点で大きなトラブル等は起きていないという。
 唯一の例外はシルナトリツェ市郊外の投票所において、ケバブ屋台を営むアーキル人男性(58)が、トラックにて運んでいた数匹のコッコが不十分な管理により檻を逃げ出したことで制御不能となり、投票箱を破壊して中身を散乱させる事態が発生した。男性は警察に一時拘束されたが、事件性はないとして釈放された。選挙管理委員会は、当該の投票について「投票用紙はすべて回収できたはずだ」と述べている。
 一方、フェルヴィア市の投票所では、同日実施されるフェルヴィア市議選の投票用紙と、民会議員選挙用の投票用紙を投票所の開場からおよそ10分間にわたり、取り違えて渡していたことが発覚した。24人目の投票者がこのミスに気づき、職員に指摘したことから発覚した。フェルヴィア市選挙管理委員会は、市議選の投票箱と民会議員選挙の投票箱は異なるもので、民会議員への投票を済ませた後に市議選の投票用紙を受け取る形となっていたことから、用紙の誤り以外の手違いはないと判断し、これらの票を有効票として扱うとした。なお、フェルヴィア市選挙管理委員会は、半年前のフェルヴィア市長選においても年度記載の誤った投票用紙を交付するトラブルを起こしている。

(民会議員選挙法に基づき、選挙当日中は開票まで情勢報道を行えません。)

8月4日 公民党辛勝 単独過半数を確保も14議席減
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きのう行われた第九回王国民会議員総選挙の結果が、けさ9時頃に確定した。投票率は71.2%で、前回比で4.1%上昇した。与党・公民党は219議席を獲得し、単独過半数となる213議席をかろうじて上回ったものの、解散前議席から14議席減となった。前回野党第一党であった憲政国民党は29議席減の64と大幅に支持を落とした一方、社会党とパンノニア復古党左派などが結集した新政党、リュリ文化社会主義同盟(文社同)は88議席を獲得し新たに野党第一党となった。自然の党も10議席増の22議席と躍進した。自由興産党は10議席(前回9)、民主共和連合は8議席(前回9)と大きな変化はない。また、パンノニア共産党は同党として初めて民会に議席を獲得(2議席)し、国政政党要件を満たした。大地と海と空の党(旧・大地の党)は1議席減の1議席にとどまった。

開票速報を見守る各党幹部らの表情は様々だ。パミュースィク前首相は大勢の判明した昨日2時の時点で、「議席が減少したという事実は重く受け止めなければならない。しかし、それでも過半数の議席を得たという事実は、国民の多数が、我々が行う改革の方向を支持しているということである。我々はやるべきことをやっていく。」と述べた。リュリ文化社会主義同盟の「風が我々のほうに拭いてきているのを感じる。我々は672年選挙以来の実質的な二大政党制を打ち破った。」(パフリック幹事長)と祝賀ムードだ。一方ヴィルシュチノ憲政国民党代表は「無念だが、受け入れるしかない。我々は立ち直り、またいずれ政権を勝ち取る。」と険しい表情だ。躍進を遂げた自然の党のルートヴァー代表は「この数字は、我々の真の敵が『旧兵器』でも『メルパゼル』でもなく、我々が作り上げて日々それにたよるところの文明の汚点であるということが、国民に受け入れられ始めたということだ。」と述べている。

なお、同日行われた州代官選挙の結果は以下の通り。
イルヴィア直轄王領 - ミトル・タルヴァナーク 無所属・新人(前シルナトリツェ市長)
下チェルストヴォ直轄王領 - イルタティラ・レン・チェルストヴォ 公民党・現職
北部州 - ルジェスラウ・エシュトレウ 公民党・新人(元民会議員、前第一副首相)
南部州 - アミリーナ・レトィドゥーク リュリ文化社会主義同盟・現職
回復領州 - アンハルシヤ・イルトヴィカン 無所属・新人(元実業家)

8月5日 パミュースィク前首相が首班指名
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本日の民会において内閣総理大臣選挙が行われ、公民党代表のミルコ・パミュースィク(69)が過半数以上となる216票を得て再選した。今後数日以内に第三次パミュースィク政権が組閣される見通し。党内からの造反はなかったと仮定すると、少なくとも3名の無所属議員がパミュースィクを支持したと思われる。パミュースィクは任期中に最長首相記録を更新すると見られている。首班指名を受けてパミュースィク首相は民会にて2時間23分にわたる演説を行い、目覚め作戦に向けて徹底した対策を実施していくこと、その成果をパンノニアのさらなる発展へと着実に結びつけていくための取り組みに全力を注ぐことを誓った。演説中には、目覚め作戦対策の補助金措置のための財源としての高所得者への課税に対して、自由興産党所属の議員から野次が飛ぶ場面も見られた。パミュースィク首相はこれらの反論について、その後の記者会見の冒頭、「色々な声、色々な立場があることは承知しているが、我々は民意によって選ばれた」と述べた。これについて記者からは「議席自体は減っているのに、過半数を取ったということで民意を得たと主張する根拠は何なのか」という質問があったが、首相は、「直近の支持率動静の背景を考えれば、減少した議席というのは主にそれ以前のいくつかの不祥事と多党化の流れによるものであって、目覚め作戦対策そのものに対しては支持を得たと見ています。我々の失った議席は主に選挙区であり、比例では4議席積み増しているという事実はその証左です。また、各紙の世論調査でもそのような結果が出ているでしょう。もちろん、そうした不祥事に対する反省と対策には引き続き取り組んでいきます。」と答えた。例年通りであれば今晩にも第三次パミュースィク政権が組閣される予定で、首相と新閣僚らは午後8時頃にリュリ宮殿で親任式に出席した後、陛下と食事を共にされるとみられる。

8月6日 第三次パミュースィク内閣組閣、異例の抜擢目立つ。「目覚め内閣」と命名
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昨日午後、第三次パミュースィク内閣が組閣された。

総理大臣 ミルコ・パミュースィク(61,男)…代議士/新翔会
首席総理補佐官 オチェン・ナスタルヴォーヴィン(67,男)…代議士/新翔会 
第一副総理 ヴォドプラニシヤ・ペルガーク(59,女)…顧問/日曜会 
首席報道官 ユラータ・リーンベルク(42,女)…代議士/新翔会
国家安全保障委員長 アルストゥルメウ・ガルハン(59,男)…代議士/献和会
国家情報局長 カロナーフィイ・タピャウカ(47,男)…代議士/無派閥
内務大臣 フヴェノルナム・アシュレヴェンスィク(52,男)…代議士/日曜会
外務大臣 ザカーリイ・ミューミン(62,男)…顧問/明清会
大蔵大臣 ドゥルプ・アルシェンコ(68,男)…代議士/日曜会
経済大臣 モルメイ・イズビュルギン(43,男)…代議士/明清会
法務大臣 ミール・ハルトゥウ=コリン(54,男)…代議士/献和会
陸軍大臣 イルミトカニア・ミャスチコヴァー(73,女)…代議士/日曜会
空軍大臣 プルクタ・ソルヴェンスィク(67,女)…代議士/無派閥
非常事態大臣 パトルニャ・マルヮパシミュノウ(男,71)…代議士/無派閥
逓信大臣 ミスクライティイ・ヤーヴェリャスツィウ(男,67)…代議士/新翔会
空運大臣 ヨルトルプ・クシュニャーシジェク(男,59)…民間登用
国土建設開拓大臣 ピウニツィナ・リス・スヴィトヴャスコヴォ(女,66)…顧問/明清会
国家資源大臣 イオフェネーリヤ・ルナゾーク(69,女)…代議士/8世研
環境大臣 サミア・ペルハン(56,女)…代議士/無派閥
海洋・河川大臣 パトラディム・シュルヴィン(44,男)…民間登用
教育科学大臣 コスタニヤ・プリヴィヤウスィカ (55,女)…代議士/新翔会
文化幸福観光大臣 ベラルナータ・サジナ(38,女)…民間登用
保健福祉大臣 マルトナン・カンネールベリ(41,男)…顧問/新翔会
デジタル大臣 クラタス・ミシャーリン=ランジェナスツェウ(49,男)…民間登用
特命担当大臣(統一業務) ルポネ・シャシャトウ(82,男)…民間登用
特命担当大臣(目覚め物流) サルファルミイ・コシュギン(53,男)…顧問/無派閥
特命担当大臣(軍事整合) エルナール・マジャール(59,男)…顧問/無派閥
特命担当大臣(多様性) ヴィルイルミカ・カルチコヴァー(43,女)…代議士/無派閥
特命担当大臣(サイバー安保) イリメルティイ・ラーゲンシェン(35,男)…代議士/新翔会
特命担当大臣(サプライチェーン) クリャチャセレン・ペルドラーチェク (68,男)…代議士/日曜会

 民間登用は過去最多となる4人となった。現在の憲法は閣僚の3分の2を国会議員から構成することを義務付けているものの、残り3分の1まではパンノニアの公民権を有する限り誰でも任命できる。しかし、閣僚人事は首相にとって党内各派閥への報酬という側面があるため、これまで民間登用はほとんど行われてこなかった。パミュースィク首相は、公民党政権というよりも自分の政権という色を打ち出すことで、目覚め作戦に向けた挙国一致の空気を醸成したいと考えているようだ。
 また、首相は「シャシャトウは最後の統一業務特命担当大臣となるだろう」と述べた。現憲法の制定をもって解体された統一省の業務を引き継ぐ形で置かれていた統一業務特命担当大臣であるが、すでに南北の統一業務はほとんど完了し、残る業務は各省庁がそれぞれの分野で担当できるため、専用の大臣・機関を置く必要性は薄れつつある。首相は、シャシャトウにはその引き継ぎの作業を担わせることを念頭としている。統一を速やかかつ平和に実施するために、一定程度強力な権限が与えられており、それにともなう利権のコントロールは難しい仕事となる。シャシャトウを民間登用した背景には、外部の人間によってそうした利権の問題を回避しようという意図があると見られる。
 一方、いわゆる党内非主流派からの入閣は、献和研究会(2名)、8世紀政治研究所(1名)からのみとなり、政創同友会、慧政会、雲水同志会からの入閣はなかった。慧政会のリーダー格、アリン代議士は「露骨に報復的な人事、党内に亀裂が走るのは必至だ」と述べている。

8月7日 首相、目覚め作戦対策を発表
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 きょう14時頃官邸にて行われた会見においてパミュースィク首相は、先の解散総選挙において主張してきた目覚め作戦対策について、特に優先して取り組むべき大枠の指針として、生活の保障、兵士の権利の保障、パンノニア主導による国際協調の枠組みの早期構築の3本柱を改めて強調し、その実現に向けた取り組みを本臨時国会にて早期に決着することを目指し、選挙によって示された民意を最大限実現していくと語った。
 第一の柱、生活の保障については、まず短期的な対策として、目覚め作戦に備えるために各世帯が負う負担を軽減するため、特に貧困世帯・非課税世帯に向けた応急処置として、付加価値税の減税を主軸とし、随時必要な世帯や企業に対する給付や減税のパッケージがまもなく審議入りすると述べた。またかねてよりパミュースィク首相が訴え、議会・世論に加えて党内意見さえ二分してきた国家特別買付法改正案についても、必要に応じて野党の協力も得ながら可決に持ち込みたいと意気込みを語った。国家特別買付法の改正が成立した場合、その内容によっては、首相は任意の品目について、目覚め作戦の期間中物流を完全に統制することができる。戦後まもない混乱期の南パンノニアではしばしば実施されてきた品目指定型の一時的統制経済は、混乱の緩和や合理化において一定程度役に立つ反面、自由市場の原則とは反するもので、経済上のリスクも少なくない。
 第二の柱、兵士の権利の保障については、先の国会において与党内での意見がわれまとめることのできなかった目覚め作戦参加者に対する給与及び傷病時・戦死時の保障態勢について、より効果的かつ人道的な制度の実現を目指すと述べ、一連の詳細な制度案を提示した。民会選においても公約に掲げていたように、パミュースィク首相は陸軍省・空軍省がそれぞれ個別に検討してきた制度ではなく、より一律で公平な制度のもと、軍人や準軍事組織の将兵、また目覚め作戦に我が国からはおよそ120万人前後が参加すると見られるいわゆる軍属についても、しかるべき保障を行っていくと述べた。
 第三の柱、国際協調については、先の国会においても議論の白熱した「目覚め作戦に伴う世界的経済混乱に対する友好国への支援に関する法制」が中心となると見られる。党内の首相に近い議員らの間で通称モーニング・エスプレッソ法と呼ばれているこの案は、従来のOTOやEPECの枠組みとは別に、新たにパンノニア主導の相互援助の枠組みを構築することを目指すものだ。目覚め作戦の終了後、凍結された各地の紛争や対立がふたたび湧き上がるという懸念や、また南東地域の分割を巡る問題の中で、一票でも多く各国からの支持を取り付けたい狙いがあるという。特にパミュースィク首相が目を付けているのは南半球だという噂が広がっている。会見において首相は、対外援助計画について、「当然、親しい国々、基本的価値観を共有する国々が優先される」としつつも、「それはその他の国々に関与しないということを意味するわけではない。いまそうした支援を特に必要としている国々をいくつか知っており、長期的には互恵的な取り引きができると期待している」と述べた。経済界の想定よりもかなり悪い状態にある帝国経済と、それに伴う南半球での帝国のプレゼンス低下は、ある種の交渉の機会をもたらすかもしれない。ある政府高官は、「帝国そのものも含めた南半球全域に広く支援の輪を広げて囲い込むことによって、戦後の冷戦構造における数的優位を得るのが主目的だ」と語る。だが、目覚め作戦によって国内にも相応の経済的ダメージが予想されるなか、前もって多額の支援を諸外国に約束するというのは国内軽視であるとの声も根強く、世論は二分されている。特に、先の民会選に勝利したとはいえ、顧問院で同法を可決させるための交渉を野党と成功裏に成立させることができるかは疑問が残る。
 パミュースィク首相の支持率は59%と近年では高めで、公民党の支持率である39%を上回り、無党派の支持を得られていることが分かる。この背景には、目覚め作戦対策について一定程度広い支持を集めていることが挙げられるだろう。ただ、選挙により党内基盤は一定程度強化されたものの、依然として財界系の議員を中心に党内外からの反発も強く、また文社同のような第三極の拡大による議席減に伴い、政策の実現性には不安が残る展開となりそうだ。
 高支持率について、政治評論家のトルタディーク氏は、次のように語る。「目覚め作戦というのは、相手が人間、国家でないというだけで、その政治上の位置というのはほとんどほかの戦争と変わらない。それもかなり大きな戦争である。無論さまざまに個別のケースはあるものの、経験則として、戦争は始まってしばらくは世論は与党の味方をし、しばらくして負担が熱狂を上回り始めると反転する。当面パミュースィク内閣の支持率は高い位置をキープすると思われるが、それが下落に転じるのと目覚め作戦の終結のどちらが先か、そこに注目しなければならない。」
 一期目でドブルジャ戦争を経験し、そこから野党に転落した苦い思い出もあるパミュースィク首相は、当然それを理解しているだろう。不死鳥のごとく党代表・首相に返り咲き、長期政権を築きつつある彼の秘策は何か、注目だ。

8月8日 南北停戦記念日
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 きょう8月8日、644年の南北停戦から、47年目の記念日を迎えた。パミュースィク首相、ガルハン国家安全保障委員長、サジナ文化幸福大臣ら三名の閣僚は昼12時頃、リトプラクーシア女王陛下とそのご家族に招かれて昼食会を開いた後、無名戦士の墓にて停戦記念式典を行った。
 両陛下や閣僚、来賓らが継油式を行った後、小規模なパレードが実施された。本年度は、北側代表をアシュレーウ第1有翼重騎兵連隊が、南側代表をネーゼンブルク装甲兵連隊が担当し、両連隊から選抜された兵らは広場の左右から行進して入場したのち、すれ違いながら一人ずつ握手をかわしていった。
 式典においてパミュースィク首相は演説を行い、目覚め作戦の意義とパンノニアの国際社会における積極的な貢献がパンノニアの国益とも結びつくことを強調し、この作戦で主導的な地位を占め続けることを約束した。また目覚め作戦にともない大規模に国際的な支援を実施する枠組みをパンノニア主導で構築していくことを検討しているとし、これらの施策は、南北停戦以来の人類の希望である世界平和とパンノニアを偉大な国とする上で大きな意義があると述べ、帝国侵攻による分断以降分かたれたパンノニアは、644年の停戦、654年の再統一、680年の北西地域返還合意、そしてこの691年の目覚め作戦による旧兵器の脅威からの解放を通して、完全な国家となるだろうと語った。
 リトプラクーシア女王陛下も簡単な挨拶を行い、パンノニアはいま実質的に戦時であり、いっそうの団結が求められるとしつつも、同時にそのような空気が却って分断や対立を生むことのないよう、適切な配慮と思いやりをもって隣人と接することが重要であると述べた。また、王室財産の主要な一角であるシルナトリツェ航空を事実上の譲渡に近い1オリントでイルヴィア直轄王領交通局へ売却した件についても説明しながら、皆がそれぞれにできる形で、そして特に余力のある人々にはより多くの貢献をお願いしたい、と語った。女王陛下の演説に続いて、クランチー王配陛下・マン王国国王は、目覚め作戦に向けた両国の協力の深化を通して、相互の信頼は一層深まっていると述べた。

 なお、本紙では、終戦記念日の直前に目覚め作戦の是非について世論調査を実施している。

Q:目覚め作戦(旧兵器に対する国際的な大規模攻勢)に賛成ですか?

  賛   成  |■■■■■■■■ 42%
 や や 賛 成 |■■■■■ 23%
どちらともいえない|■■■■ 19%
 や や 反 対 |■■ 9%
  反   対  |■ 7%

Q:目覚め作戦を今この時期に行うことに賛成ですか?

  賛   成  |■■■■ 18%
 や や 賛 成 |■■■■■ 23%
どちらともいえない|■■■■ 21%
 や や 反 対 |■■■■■ 24%
  反   対  |■■■ 14%

Q:パミュースィク政権の目覚め作戦対応を評価しますか?

 評 価 す る |■■■■■■ 31%
や や 評 価 す る  |■■■■■■■ 33%
どちらともいえない|■■■ 16%
や や 評 価 し な い|■■ 11%
評 価 し な い|■■ 9%

 全体的な傾向として、目覚め作戦自体には賛成であるものの、この時期での実施については賛否両論という評価が強いことがわかった。これについて、最大の理由は、「今までも防衛できてきた」が最大であり、ここ数年の旧兵器の活発化については、「深く憂慮する」・「憂慮する」を、「それほど憂慮していない」が上回る結果となった。しかし一方で、パミュースィク政権の目覚め作戦への積極的な姿勢については、野党支持者も含めて総論的には評価する見方が強い。本来は今すぐに目覚め作戦をする必要はないが、それでも国際的な流れとなっているならば積極的に参加し、その中で主導的な地位を握ることが国益である、という世論が主流となっているようだ。これは今年はじめ以降政権側が繰り返し強調してきたナラティブが一定程度国民に受け入れられてきた形であると言える。

8月9日 海洋資源持続性会議 ペルーシェで開催
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 水産資源や海洋の自然環境の保護などについて、沿岸国が共通の規制の制定や保護の枠組みについて議論する海洋資源持続性会議が、きょう9日から明後日までの3日間、ペルーシェで開催されている。今回の第4回会議には、我が国のほかに、諸島連合、アーキル、フォウ、皇国の5つのオリエント諸国と、クランダルト、ネネツ、ラドラ、オージア、スクルフィルの5つの南オシデント諸国が参加した。
 近年、このような環境保護のテーマは国際的にますます関心が高まっている。先月のEPEC首脳会談においては渡り鳥の産卵地保護などを掲げた「自然保護に関するヴァンカリア条約」の合意に至ったが、このテーマにおいても同様の国際的な条約の合意が可能であるかが注目である。
 海洋資源持続性会議(CSMR)は、4年前に、オリエント海洋評議会と南半球水産会議が、より高度な国際枠組みの実現のため合併して設立されたものである。開催地は持ち回りであり、第一回はラドラのザガム・ガリにおいて行われ、「非持続的漁業法の規制に関するザガム・ガリ条約」の設立に至った。第二回会議は諸島連合・地中海のティベペポル、第三回はネネツのシトタで行われた。
 世界の水産資源漁獲量2位のメルパゼル共和国が不参加であることから、とくにオシデント地域における条約の実効性については議論が指摘されている。特に、蘭鶴ランカクグループ、マル鳥水産、ネコソギシーフードなどの商船隊によるスクフィル排他的経済水域での違法操業などの問題に対して、会議がいかにして効果的な対応が可能か、協議を重ねる必要があるだろう。

8月10日 ティヴォニア鉱山公害訴訟、政府は控訴断念 原告側勝訴確定
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 きょう昼の定例記者会見において、ハルトゥウ=コリン法務大臣は、600-30年代にかけてティヴォニア鉱山で起こった一連の公害問題(いわゆるティヴォニアがん)についての集団訴訟において、原告側の要求をほぼ認めた6月23日のフェルヴィア高裁の判決に対し、控訴しない以降を明らかにした。これにより、賠償金44万オリントが被害者らの団体に支払われることが確定した。
 ティヴォニア鉱山放射性廃棄物汚染は、パンノニア七大公害問題の一つとして知られており、旧自由パンノニア共和国の国営レアアース鉱山であったティヴォニア鉱山(トゥトリア地方)の採掘・精製過程で生じた放射性廃棄物が、適切な処理なく堆積・流出したことで、鉱山周辺の集落において多大な健康被害を引き起こしていた。
 これまで政府当局は、当時はまだ放射性物質の危険というのが十分に理解されておらず、仕方のないことがあった点などから、その責任を否定する姿勢を貫いてきた。672年におこなわれた裁判においては原告側が敗訴していた。しかし、様々にあらたな証拠やデータがみつかったことから、688年からあらたな訴訟がはじまり、弁護団側は、放射性物質の危険性や、その原理が特定できていなかったとしても、ティヴォニア鉱山周辺では、その河川流域に従って一部の病気の異常な罹病率や平均年齢が有意に低いといったデータは当時から指摘されており、一部の医師は調査の実施や鉱山の操業停止を求めていたにもかかわらず、当時の共和国政府の対応は十分ではなかったという点から賠償を求めていた。地裁では原告の主張を部分的に認める判決が出たものの、この判決には双方が控訴したことから、今年に入りフェルヴィア高裁での裁判が行われ、6月23日、フェルヴィア高裁は原告の主張をほぼ認める形で、政府が公式に責任を認め謝罪するとともに、44万オリントを被害者の救済などを行う団体へ支払うことを命じる判決を下していた。
 今回の控訴断念により原告側の勝訴が確定した。共同訴訟を主導した救済団体の会長であり、自信も被害者の一人であるモルシウ氏は記者会見を開き「ようやく、ついに成し遂げることができました」と述べつつも、複雑な感情を吐露した。「しかし、残念ながら、被害者の多くはもうすでに亡くなっています。ここ2、30年、ほかの公害問題が解決していく一方で、ティヴォニア鉱山の問題はあまりにも時間がかかりすぎてきました。」

8月11日 第29回ロルコヴァー賞 受賞者「なし」
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 きのう10日、国内最大の文学賞の一つであるロルコヴァー賞の審査結果が発表されたが、今年は受賞者なしという異例の結論となった。筆頭審査員のプルムリル氏は、「賞の価値を守るためには必要なこと」と語りつつも、落胆の意を表した。
 受賞者なしとすることについては、編集委員の間でも意見が大きく別れたという。受賞作を出さないというのは出版社にとっては受賞作出版の機会を失うため難しい判断であり、一部の編集委員やスポンサーの東原出版からは反対の声も大きかったという。しかしながら、議論の末、最終的には、本年度のノミネート作の中にはロルコヴァー賞にふさわしい作品はないという結論で合意したという。
 審査員の一人で、「受賞作なし」とする決定を特に強く主張したという、カルタグ大学名誉教授のペルズロチェクは、次のように語る。「未だに多くの作家たちが、トルティリー・イリクの模倣から脱することができていないのは、嘆かわしいことだ。確かに、イリクには一定の功績があった。私はあれを文学的意義のあるものだとは思わないけれども、そこには時代性と社会的意義があった。動乱後の混乱が一段落し、凄まじい勢いで経済が発展し、大国へとのし上がり、経済的な豊かさを得ていく中で、一方ではパンノニアとはなんぞやという問いも、闘争でしか得られない理想もなくなっていく。普通の未熟な若者たちが、その無機質でニュートラルな社会の勢いと社会の普遍化の中で押しつぶされ、物寂しさを、幻想的な妄想と軽薄な性関係が埋めていく――我々がすでに辟易しつつあるこの種のプロットは、当時はまだ、決して陳腐なものではなかったのだ。だが今日、それらすべてがもう古臭いものになっている。イリクの問題としたものは、今どきの若者にとっては、贅沢な悩み、優柔不断にしか映らないだろう。ドブルジャガス危機以来の経済の状況、目覚めデタント、職業も人間関係の多様化……こうした新しい社会の現実を前に、文壇は次の時代に進まなければならない。そういうパイオニア精神がない限りは、現代パンノニア文学の母(ロルコヴァー)の名を借りるには値しないのだ。」
 近年、ライトノベルやコミック業界の伸長により、出版業界全体は好調であるのに対して、純文学はかなり苦しい位置に立たされている。今回のロルコヴァー賞の結果は、そうした時代の流れの一つの反映であるかもしれない。

8月12日 私たちはまだ九割九分:「フロア街を占拠せよ」から三年、続く抗議活動
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 フロア街での大規模デモの始まりから、ちょうど3年目になる今日、フロア街に面するシュカーテ公園におよそ一万人があつまり、あらためて3年前のデモ活動の意義を強調しつつ、行進を行った。
 680年代初頭のドブルジャガス危機に関連して起こった経済不況に対する不満をうけて682年に公民党から政権を奪取した憲政国民党は、経済再建の主要路線として、当時一部で支持されていた規制緩和・ネオリベラリズムを採用した。この政策転換には、老舗の財閥や大企業と結託する公民党への対抗として、当時目まぐるしい勢いで急伸していた新興財閥、特にいわゆるテック系の支持を取り付ける狙いがあった。こうして行われた憲政国民党政権下での一連の改革は、確かに我が国のGDPや政府の税収を改善させた一方で、失業率は増加し、休息な中間層の衰退を招いた。これに起因する相対的貧困と、小さな政府路線によって縮小した社会保障の両側からの打撃によって疲弊した国民の怒りは、80年代末にはそうとう高まっていた。
 運動の発端となったのは、反消費主義・反資本主義・環境主義を掲げる雑誌「レクラモウダルーニキ」の創始者アクーリイ・ラスニャック氏らによる呼びかけであった。ラスニャック氏は、ソルノークの金融街であるフロア街を寡占的富裕層の象徴とみなし、「フロア街を占拠する」ことを掲げるウェブサイトを創設し、SNSで市民に抗議活動への参加を求めた。この呼びかけに応じて688年8月12日、フロア街のシュカーテ公園に多くの人々が集まった。デモ隊は、「私達は9割9分」をスローガンに、およそ2ヶ月間にわたりフロア街での抗議活動を実施した。南パンノニアにおいて、貴族制の敷かれていた帝国領時代、裕福な1%が所有する資産は、南パンノニアの20%の資産であった。これに対して、運動当時、統一パンノニアの裕福な1%の所有する資産の割合は30%以上にまで達しており、それは未だに改善していない。
 運動は社会的にも大きな共感を集め、作家や思想家などの文化人の多くも賛同し、抗議活動に加わった。「このままでは我が国はメルパゼルのようになってしまう」、「新マルダル主義と決別せよ」という、資本主義のあり方に対する根本的な疑義は、政権基盤を大きく揺るがすこととなった。支持率が低迷し、議会、特に顧問院での停滞をまねくなか、憲政国民党は追い込まれる形で民会を解散。総選挙の結果、当時野党第一党だった公民党は、従来の大きな政府路線への回帰と格差是正を訴え、多くの支持を得て過半数を獲得。ドブルジャ戦争で失った政権の座を奪い返した。
 しかし、公民党政権になって3年、富裕者課税の強化と手厚い社会保障の復活などで一定の成果をあげた反面、資産の偏在はいまだに加速を続けている。パミュースィクの経済政策については評価する声もある一方で、不十分だという声も小さくない。集まったデモ隊の規模の多さは、そうした社会の現状に対する不満の大きさを反映しているといえる。先の民会選において、伝統に基づく互助を主張するリュリ文化社会主義同盟が躍進したり、パンノニア共産党が国政に初の議席を獲得したりといった政治的な「風」の原動力には、こうした新興経済エリートに対する不満があるとみて間違いない。
 パミュースィク首相率いる公民党が、こうした国民の声に対して、目覚め作戦という未曾有の政治・経済・軍事的イベントを前に、どのような施策で向き合っていくことができるのか。国民はそれをどう受け止めるのか、注目だ。

8月13日 西部電力 商用オクロ技術に投資「融陽炉だけに頼るわけにはいかない」
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 西部電力は、オクロ機関の民間向け量産再生技術研究に大規模な投資を行っていくと発表し、エリツィア大学と共同で研究機関の設立に合意した。オクロ機関とは旧文明の製造した”永久機関”で、外部からいかなる燃料も消費することなく永遠にエネルギーを生成する夢のテクノロジーだ。実質的に燃料を必要とするいわゆる「複製オクロ機関」は一部に軍用での配備が進む一方、永久機関としての商用レベルでの実用化はまだ目処がたっておらず、目覚め作戦に関連した研究活動を通して解析が進んできた。オクロ技術についての研究は、往年のパンドーラ隊以来、長年アーキルが主導する形で研究が行われてきたが、国内でも独自の研究基盤を確保したい狙いだ。パンノニア先端科学委員会や北部電力は次世代のエネルギーとして融陽炉に期待を寄せており、当面は軍事目的ではすでに実用化に成功しているこちらが研究の中心となるとみられるが、西部電力はオクロへの夢を急いでいる。西部電力会長のプロヴァク氏は、「弊社でも融陽炉は導入していきたいが、それだけで満足はしない。安価で安定した電力を供給するためには、未来を融陽炉だけに頼るわけにはいかない」
 あまり知られていないものの、実験用レベルの永久オクロ炉としては、7年前にゼメイ・ステップ近郊にて撃破・捕獲に成功した準メルカヴァ級旧艦船「Ⱗ-13-2」に搭載されていた3基のうち1基を鹵獲した例がある。もっとも、これも正規のオクロ炉とはいい難く、低圧で安定した暴走状態にあった鹵獲個体の放射する熱を活用し、蒸気タービンを駆動させるというものだった。この実験炉「レツェート」は、空軍と国立アカデミー旧文明学研究所の共同で建造され、5年前からオクロ炉のデータ解析を兼ねて稼働している。もちろん、オクロ炉は副産物である熱としてではなく、直接エネルギーを取り出す機能を有しているはずだ。西部電力は、今後50年以内にオクロ永久機関を主要な電力源とするという野心的な目標を掲げつつ、目覚め作戦によって得られる新たな旧文明テクノロジーに関する知見がその突破口を開くことを期待しているようだ。

8月14日 メルファ国際映画祭 本年度の受賞作が発表
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 世界三大映画祭の一つにも数えられているメルファ国際映画祭の受賞作が発表された。金賞にはフォウのスタジオF6による歴史映画「暗がりで」が選ばれた。同作はフォウとアーキルで3期連続興行収入1位、本邦でも今季第2位を記録した人気作で、下馬評通りの結果となった。 
 最優秀監督賞にはスクルフィル・ラドラ合作の映画「沖」を製作したイキュタル・トゥフ・シリス監督がスクルフィル人として初のメルファ受賞者として選ばれた。また同作は演出特別賞も受賞している。
 本邦からはヴァータール・スーズリン監督の「月たちの追跡」が脚本賞を受賞したほか、ライリティウの同名の小説を原作とする「九日後」が審査員特別賞を受賞した。原作から大幅に拡大・改変されたストーリーが原作ファンの一部から不況を買っていたものの、映画として非常によくまとまっていた点や改変の一貫性が評価された形となった。
 最優秀男優賞には「ポンティック」のマレーンス・リークテイム氏、最優秀女優賞には「ヨーグルト屋台」「めみめもま」などで主演を務めたルーマ・サペテ氏がそれぞれ選ばれた。

8月15日 首相、10月からの付加価値税を一律10%減税と発表 物価上昇見据え
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今朝の会見でパミュースィク首相は、目覚め作戦に伴う物価高対策として、10月1日から付加価値税を一律で10%減税すると発表した。これにより付加価値税は、一般商品が13%、食料品は2%、生活必需品は0%、嗜好品は25%となる。また減税までの買い控え対策として、9月30日を利用期限とするクーポンをなるべく早く、遅くとも今月末までに配布することも盛り込まれた。付加価値税を対象とした理由は、付加価値税法においてその税率は省令によって定めるとされており、時間のかかる議会での法審議を必要としないことが理由と考えられる。また記者からの財源に関する質問に対しては、今後本格的な制度の拡大の中では戦時国債法の活用を検討しているとしつつも、この付加価値税の減税にあたっては、当面、国家戦略基金の保有する外債を使用する予定であると回答した。パミュースィク首相は、「大規模な財政赤字も厭わない。それが先の民会議員総選挙で示された民意だ。そしてわれわれは今から本物の戦争をしようとしている。」と述べ、理解を訴えた。

8月16日 鞍国債など大幅下落 パミュースィク首相発言が原因か
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 昨日夕から今朝にかけて、クランダルト国債が暴落し、その下げ幅は一時12ポイントに達した。RSE問題に対する対応の不安などを背景としつつも、直接的な要因は、付加価値税減税の財源に国家戦略基金の外債を使用するという先日のパミュースィク首相の発言が原因と見られている。ただし、今回の減税措置をすべて国家戦略基金の鞍国債の売却から行うとしても、それは同基金の所有する鞍国債約6%、パンノニア政府の所有する鞍国債全体のうちのわずか2%に過ぎない上、実際には鞍国債のみで調達するとは考えにくく、実施日についても未定となっている。経済アナリストでSIT教授のルネルコ氏は、この大幅下落について、目覚め作戦対策に早くも不調の見えつつあるクランダルト経済に対する不安と金利の不均衡による売りムードが、首相発言をきっかけに市場のある種のパニック的な反応として一気に破裂したと解釈できる、と述べている。しかし今後も各国が大規模な財政政策の財源のために外債の”現金化”に走れば、各国間での摩擦は必至となるだろう。クランダルト政府は現在のところ「これらはすべて一時的なものだ」と述べ、投資家筋に冷静な対応を呼びかけている。

8月17日 トゥトリア水産「揚げない冷凍からあげ」一時販売休止
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トゥトリア水産は今日、同社が販売する人気商品「揚げない冷凍からあげ」の出荷を2ヶ月程度停止すると発表した。同製品は販売直後から好評を得て小売店では品薄が相次ぎ、生産がほとんど追いつかない状況にあった。目覚め作戦に伴う物流価格増加によって一部原料の調達が滞ったことを受け、生産体制を整える目的で一時販売休止を決定したという。目覚め作戦中に販売再開が可能かどうかについて、同社は「今はまだわからない」と回答した。パンノニアの冷凍食品市場は、ここ数年で飛躍的に拡大している。独身者や共働きの増加といった生活スタイルの変化、価格の安定、バリエーションの増加などもその背景にあるという声もあるが、料理研究家のソルミ氏は、よりシンプルに『味』が良くなったからだと考察する。同氏は北部テレビのワイドショーにて「(冷凍食品が)『楽だがまずい』という時代は終わった。着実に進歩しているし、まだ伸びしろは存分にあると思う。どの家庭にもある冷凍庫と電子レンジで、5,6分ばかり待てば、家の中で一流シェフの味を楽しめる時代が近づきつつある。」とコメントした。また家電大手ASI社で冷蔵庫部門の研究課長を務めるP氏は、本紙記者の取材に対して「今後、家庭冷蔵庫は冷凍庫容積の広さが鍵となっていくのではないか」との考えを示し、「需要に応えた新モデルを近く発表できると思う」と述べた。

8月18日 テナー中銀 2ポイントの利上げ発表
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テナー中銀は、政策金利を従来の11.5%から2ポイント上昇させ、13.5%とすると発表した。インフレと通貨下落を止める防衛的な措置と見られ、先日のクランダルト国債下落に見られるような一連の混乱の波及が背景にあると見られる。目覚め作戦に伴う一連の経済混乱は、先月に大幅利上げを行ったテナーのほか、カノッセアや沿グランパルエ、アルクグラルなど、経済的に脆弱な赤道地域の小国に早くも重大なダメージを与えつつある。赤道経済政策研究所所長のエルプヘイム氏は、「これはまだごく始まりに過ぎない」とし、さらなる景気の悪化について警鐘を鳴らす。「中小国は、大国と比べてイレギュラーに対するバッファが少なく、真っ先に悲鳴を上げる。しかし、そのことは大国は安全だということを意味しない。大国がそのバッファを食いつぶした時には、それ以上の大崩壊を招くことも十分ありうる。国際的な協調を通して支え合い、連鎖的な崩壊を防ぐよう努力することは、あらゆる人々にとって価値のある取り組みだ。」

8月19日 首相、ノイエラントを訪問 目覚め対応巡り四カ国協議
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 きょう19日、パミュースィク首相とコシュギン目覚め作戦物流問題担当相が、クランダルト・ノイエラントを訪問し、同国のマクシミリアン執政官、ネネツのドロフェーエフ首相、バセンのミエルキオール最高議長らと四カ国会談を実施した。首相と目覚め相はきのう深夜にシルナトリツェを政府専用機・政府専用予備機で出発し、現地時間けさ10時頃にノイエラントのペリッセルフェルト空軍基地に到着。マクシミリアン執政官夫妻に基地で迎えられたあと、フローターでともにノイエラント市内・プフェルドレー宮殿へ移動した。
 宮殿に到着後、首相はマクシミリアン執政官と共同で30分ほど記者会見を行い、今日の協議の意義について語った。記者からは先日クランダルト債の売却に言及したことが同国債の下落を招いたことについての質問もあり、首相は、「国際慣行上問題のあるものではなく、投機家の過剰な反応が原因であるとしつつも、事前の相談が十分ではなかった点についてはお詫びする」と伝え、両国の協力関係の維持については「大国としての国際社会への貢献の責任の義務を手を取り合って果たしていきたい。」と伝えた。ノウラント急行線で合流したバセン・ネネツ両代表と合流し、昼食会の後、主に目覚め作戦に関する経済協力について3時間以上にわたり議論を交わした。

 協議後の記者会見によると、首相は、目覚め作戦及び食料問題を巡り特に経済危機に陥っている南半球の支援として、一連のパッケージを提案したという。これは二段階に分かれるもので、第一段階は目覚め作戦遂行の準備のためのパッケージで、以下の内容を含む。

①諸島連合から新規調達を確約できた浮遊機関を用い、貨物船や建設船、タグボートなどのべ250隻前後を再整備し貸与する。
②物流難により目覚め作戦期間中パンノニア国内で余剰すると見られる食料品の、優先的な早期売却・移送の実現による南半球の食料備蓄援助を行う。
③パンノニア国鉄、ROPAなどが使用する統合運行管理システムの無償提供など、ソフトウェア面での物流支援を行う。
④従来「有望な発展途上国」に限定されるとしていた対外支援投資銀行の中小国開発投資援助を時限的に南半球のすべての国に対し適用拡大し、希望する国の政府または企業にこのスキームで最大合計10億オリント程度の低金利オリント建て借款を認める。

 第二段階は目覚め作戦後の復興に関するもので、その内容は協議の中で要望を聞きつつ決めていくとした。パミュースィク首相の計画するモーニング・エスプレッソ法に基づくものになると見られる。記者からの質問に対し、パミュースィク首相は、これらの支援はただ投げ渡すだけのものではなく、「長期的にパンノニアの利益ともなるwin-winなものだ」と説明した。

 また、会談では歴史問題において大幅な前進があった。「四・一七事件」や「コトヴァの悲劇」など、南パンノニアの属領時代において総督府や帝国軍が行った様々な非人道行為について、クランダルト帝国はこれまでその事実認定と責任を一貫して否定してきたが、政府の公式見解としてはじめてこれらを認め、公的な謝罪を行った。ただし、いずれも被害者が存命でないことなどから賠償などは行われないという。南半球の政治情勢に詳しいルミリウ氏は、「もちろん、帝国国内の右派からは強い反発もある」としつつも、「”屈辱的だがやむを得ない打算”であり、しかも、賠償等の”実害”のない形で話をまとめることができたというのは、外交カードとして丁度いい」ものだったと述べた。一方、ネネツやバセンの外交関係者の間では「我が国における同様の事案についての謝罪はないのか」との不満の声もあると見られる。

 首相らは深夜にノイエラントを出発し、明日、バセンのガリ、ネネツのカルログラードを歴訪する予定であるという。

8月20日 首相、ガリ・カルログラードを訪問
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昨日ノイエラントにて四カ国会談を行ったパミュースィク首相とコシュギン目覚め作戦物流問題担当相は、今日続けてバセン・ガリと、ネネツ・カルログラードを訪問し、各国の政治家や財界関係者などと会談を行った。昼前にガリに到着した一行は、バセンの関係者と大枢軸諸国事務総長などらとともにワーキングランチを行った後、ミェルキオール最高議長、マルムェット外務大使らと30分程度の非公開の会談を行った。この場での共同声明や記者会見はなく、首相はすぐにカルログラードへ出発した。カルログラードでは離宮を表敬訪問し、女王陛下の親書を届けた後、政財界の有力者や文化人などとともに夕食会が催された。その後再び短い非公開の会談の後、深夜0時頃、大枢軸諸国とパンノニアの長期的なパートナーシップに関する声明の発表と記者会見が行われたが、基本的には19日にノイエラントで発表したものと大差なかった。一日で二国を回るハードなスケジュールで、会議時間は各1時間半程度に限られたことから、この訪問は形式的なものであったとの見方も強い。首相は明日朝にカルログラードを発ち、帰国する予定である。なお、記者会見においては、パミュースィク首相はこの日チコ市で行われているアーキル・パフクパン元首相国葬についても言及し、「戦争を終わらせることは、戦争を始めるより数倍難しい」「彼のような政治家がもっといたなら、冷戦は違った形だったかもしれない」と敬意を示した。パフクパン元首相の国葬には、バテリイ・ナシチェツィン駐アーキル大使とランノダリア・ミミャ外務副大臣を内閣として公式に派遣したほか、王室からはセオラート王子が出席した。

8月21日 エゲルスカ・ヴラタ国際空港、F滑走路供用開始
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きょう21日、マン王国東部、エゲルスカ・ヴラタ国際空港などを運営するエゲリアエアポート株式会社は、同港に6年前から建設を開始していたF滑走路の供用を開始した。マン王国の東への窓であると同時に、パンノニアにとっては西への窓でもある同港は、エアロ・パンゲア、ROPAともに西海岸や南半球への路線の中継給油地として利用する最重要ハブ空港の一つであり、赤道随一の過密空港とも言われてきた。目覚め作戦にともない空港の一部(A滑走路・C滑走路)が軍用に割り当てられることで、民間路線が渋滞するリスクを回避するべく、689年供用開始を目指して建設の始まったF滑走路であったが、用地買収を巡る混乱などで工事が遅れ、ようやくの供用となった。F滑走路は5000×75メルトの大型のもので、ILS(計器着陸)用施設は最新のカテゴリーC5に対応している。記念すべき1機目の商用着陸はエアロ・パンゲアのシルナトリツェ発・ノイエラント行92便だった。エゲルスカ・ヴラタ国際空港を拠点とするマン王国のLCC、トランスイクエーターはこれを記念して同港発着便を一週間・先着2000名限定で半額とするイベントを発表した。

8月22日 ユヴェンコ陸運長官、今年9月末から予定通り私鉄への国家管理を指示
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アルナーシイ・ユヴェンコ陸運局長官は、王立鉄道と路線の接続する私鉄各社に対し、9月末頃から目覚め作戦終了後まで、特別ダイヤを編成し、運行管理の一部を逓信省に委ねることを求めた。特別ダイヤにおいては、通勤時間などを回避しつつも、昼間や深夜などに一定の隙間を空け、王立鉄道貨物局や軍の車両などの臨時列車を割り込むこと、また一部の貨物輸送の空陸代替の一環として、貨物列車を走行させることなどが定められた。戦時インフラ徴用法の枠内で実施される見込みで、私鉄全社はこの指示に従うと発表し、目覚め作戦までの暫定ダイヤについて利用客に理解を求めている。私鉄の労働組合の多数が加盟する全国連合組織、私鉄労連は「職員に追加の過剰な業務が発生しないよう、十分な配慮されることを求める」と発表した。陸運局は「臨時列車は基本的に軍の兵站部によって運行され、日頃からその訓練を受けているものであるから、私鉄に金銭的な、また労働上の大きな負担はかからない」と述べている。一方で現場からは「そうは言っても、路線は各社それぞれで、線路幅が同じであれば簡単に走れるというものでもないのではないか」との不安の声もある。また、鉄道の統合運用を巡っては足並みのばらつきも目立っており、先月には中南海-ツェストラヴァニ電気軌道が保有する路線の一部において、目覚め作戦に向けたインフラ改善助成金を受け取っていたにもかかわらず、助成金の条件であった車両限界の統一のためのホームの改修工事が目覚め作戦に間に合わない見込みとなっている件で、陸運局から24万オリントの訴訟を準備しているとも報じられた。

8月23日 ヨコシマ社員ら8名を起訴 産業スパイ問題で
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今月18日に南部州警がカルタグスチリモビリエなどへの産業スパイの疑いで、ヨコシマ社員ら8名を逮捕していた件で、検察庁は全員を起訴したと発表した。メル=パゼル大使館は釈放を要求していたが、検察庁はメルパゼルとの関係悪化よりも事態の究明を優先した判断となった。またこれに関連して外務省は、メルパ=パゼル駐カルタグ総領事館に勤務する職員2名をこの事件に関与したとして「ペルソナ・ノン・グラータ」に指定し、退去処分とした。メル=パゼル側はこの処分について遺憾であると述べており、対抗措置を検討するとしている。経済安全保障委員会は、裁判の結果次第では、ヨコシマ社及びその関連会社4社に対する指定を従来の「特別注意」から「不適格」へと一段階上げることを検討している。目覚めデタントにより一時は改善の傾向の見られたメル=パゼルに対する市民感情は、この事件以来急速に悪化しており、22日にはデモ隊が駐カルタグ総領事館に対して落書きを投石を行う事件も発生した。今後、起訴を受けてメル=パゼル側でもこれに呼応するようにデモなどが起こる可能性が高いと見られる。

8月24日 栄養液タンク倒壊事故
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 けさ2時頃、クレテリ県ムィスラウ市郊外にあるムィスラウ栄養液戦略貯蔵プラントが相次いで倒壊し、栄養液の流出が発生、ジャヴォロンカ村を中心に228棟の民家などが破壊される事故が発生した。現在明らかになっている範囲で、プラントの従業員や近隣住民など31名の死亡が確認されたほか、489名が重軽傷を負い、62名の行方がいまだわかっていない。マルヮパシミュノウ非常事態相のもとに緊急対策チームが組織され、地元の消防局と非常事態省の部隊に加え、コサックと海上保安庁などが救助活動に参加しているが、凝固した栄養液内に取り残されているものもいるとみられ、救助は難航している。ムィスラウ栄養液戦略貯蔵プラントには、主に肥料原料用の栄養液原料が12種類貯蔵されているが、そのうちF型栄養液はP3型栄養液と接触すると樹脂状に凝固する性質を持つ。流出した栄養液の洪水は、プラントより低地に位置するジャヴォロンカ村を飲み込んだ後凝固した。窒息の危険などを考えると、救助に残された時間はそう多くないかもしれない。
 プラントの倒壊が生じた理由はまだ明らかになっていないものの、事故当日のムィスラウ周辺の気候と地形から、連日の想定以上の降雨にともなう地盤の軟弱化が原因ではないかとの指摘もある。また水たまりが凝固を早めた可能性もあるとみられている。同様の栄養液戦略貯蔵プラントはパンノニア各地に存在し、これらがもし同じ危険を抱えているとすれば大きな問題である。マルヮパシミュノウ非常事態相は、既存の他のプラントについてもただちに再検査の実施を指示すると述べている。

8月25日 総務省、前期国家内景白書を公開
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 総務省は今日、前期国家内景白書を公開した。国家内景白書(NVBK)は年2回、半期ごとに発行される、国内情勢にかんする総合的な白書で、677年のオープンキャビネット法以来、一般に公開されている。これまでは郵送での購入(2オリント)または公立図書館(蔵書義務が定められている)により閲覧するものとしていたが、本期からは総務省のwebサイトからpdf形式で電子版を入手できるようになったほか、一部データ、グラフ、図表等もcsv形式の元データをダウンロードできるようになり、利便性が高まった。国家一般頒布公開物公益法に基づき、パンノニア国籍を有する国民はこれらのデータを実質的に著作権上の制限なく利用できる。
 白書によると、人口は8期連続で漸減傾向にあり、合計特殊出生率は統一王国成立以来はじめて1.5を割った。出生率の低下は特に都市部において顕著で、ソルノーク市で1.32、カルタグ市で1.42、シルナトリツェ市では0.49だった。その一方、外国人居住者人口は増加しており、特に赤道地域からの出稼ぎ労働者は安定して多く、いわゆる労働移民に該当するカテゴリーの2種長期在留資格保持者数は、前年比で15%増加した。地域別では、イルヴィア直轄王領の人口は前年比12%増と力強く各地の若者を吸収し、ソルノークやカルタグ、またノーヴィ・ギュルスク周辺のいわゆるシリコンリバーでは人口は増加傾向にあるものの、地方都市は激しい人口流出にさらされている。北部州と南部州それぞれの全体での人口傾向は拮抗しており、国内の人口比に大きな変化はない。
 本期の経済成長率は2.89%で、先進国の中では概ね好調ではあるものの、政府が掲げる持続的な3.5%成長という目標にはまだ遠く、ドブルジャガス危機以来の経済混乱は終結したものの、それ以前の高度経済成長の水準には達していない。また、国内の経済格差は依然広がりつつあり、目覚め作戦に伴う各種補助金・減税などを差し引くと国民の大部分において実質賃金はマイナス傾向にあり、堅調な一部の基幹産業をのぞくと、IT業界・金融業界の限られたエリートの伸長と、目覚め作戦特需によって実態経済の脆弱化が覆い隠されている形であり、厚い中間層の回復が急務である。
 債務残高は対GDP比189%となっており、数字だけ見ると悪い水準にあるものの、年々膨れ上がる外貨準備とSWFの好調な運用状況を差し引くと今のところ深刻な問題ではないと見られており、A&O信用格付は前期と変わらずAA+であった。
 687年の下半期から続いた貿易赤字は加速しており、対GDP比3.3%にまで達している。最大の貿易相手かつ赤字相手であるアーキルからは、主にリュディギアなどで大量生産される比較的安価で中品質の日用品(衣類、家具、玩具)の輸入が爆発的に拡大している。EPECによる自由化を背景に、対アーキル輸入は今後さらに拡大していくと見られ、国内の旧来型工業(回復領に多い)は苦境に立たされる可能性がある。鉄鋼石などの一部天然資源では採掘コストの増加により輸出から輸入へと転じる局面が生じている。ドブルジャガス及び天然ガスについては、ノボチアⅣ協定により公定価格での安定した輸入を維持できており、栄養液輸出と均衡する形でエネルギー全体ではほぼ赤字額は0に近い。一方、従来輸出の二大頭であった航空・防衛分野と農作物での黒字は安定しているほか、サービス(金融サービス、ITサービス、知財使用量、教育、旅行、コンサルティング)分野で新たに黒字が拡大している。
 第一次産業では、特に農業・畜産業において大企業の参入が続き、大規模化・効率化が進み、生産・輸出ともに過去最大を記録しているが、こうした供給過多による過酷な価格競争は小規模事業者の経営を苦しめている。このトレンドはしばらく続く見込みで、北部州に多い旧来の小規模個人農家は、生き残りのために有機農法などをアピールしてブランド化を行ったり、果物や嗜好品などより付加価値の高い作物に転作するなどの対応が求められている。漁業では冷凍輸送技術の発達と食文化の変化により内陸部での海産物の消費が急速に拡大しており、テルスタリ、諸島連合の二国から主に輸入しているほか、ラドラ・スクルフィルからの冷凍魚介類の輸入も拡大傾向にある。国内では漁船を用いた漁業は農業同様集約化・大型化が進み個人の漁師が淘汰されつつある一方で、内陸部での養殖の試みもはじまっている。鉱業分野はやや不調で、環境問題対策にかかるコストのために、規制の弱い中小国産資源との価格競争に勝つことが難しくなっている。安全に、しかしより安価に採掘する技術の開発が急務となっている。
 第二次産業においては、シリコンリバーを中心とする電子産業の発展が目覚ましく、地中海シリコンとラドラ・セミコンダクタ・ファウンドリの合弁による大規模工場がアシュレーウに建設中で、93年までに25nm級の量産を目指している。重工業においては、軍需産業は目覚め作戦の特需によりかなりの利益を得ているものの、目覚め作戦後急速に進むとみられる需要の減少に対する備えがまだ十分ではない。また陸上車両、特に重機及び軍需においてTSG重工、カルタグスチリモビリエが目覚め作戦を背景とする特需の中で堅調である一方、目覚め作戦終了後のラインの維持や雇用については先行きが不透明だ。普通車においては主要メーカー各社は国内において絶対的な安定市場を維持する一方で輸出に苦戦しており、特に新興国市場においてより安価なアーキル系メーカーに対して軒並み敗れている形となっている。また、EVの開発においてアーキル・メルパゼルなど諸外国のメーカーに遅れが目立っている。国内の様々な法的規制は他国のEVの参入に対する防壁となる一方、国内メーカーによる開発を妨げる側面もあり、評価は分かれている。第二次産業全体で見た時もっとも好調であるのは航空機製造で、目覚め作戦に向けた世界平和に伴う民間航空の活性化を背景として拡大を続けている。特に最大手LKSはSKS、PKSの買収により世界最大の航空メーカーとなった。ただし、現時点で同社は事業拡大のため多大な投資を行っており、利益はそれほど拡大していない。
 第三次産業においても航空業界は全体的に好調で、空運では二大エアラインであるROPAとエアロ・パンゲアの経営は安定に向かいつつあり、ドブルジャ危機からの航空業界統廃合の苦難はほぼ乗り越えつつある。ただし、目覚め作戦に伴う物流ストップが今度どのような影響を及ぼしていくかについては十分注意が必要だ。また、航空自由化以来のLCCの波と、目覚め作戦に関連するBtoGの拡大を背景として、BBGリースファイナンス社は極めて好調で、過去最高益を上げている。BBGLFの事業の大部分はドライ・リースであるものの、同じくバスタンナ銀行グループに参加するエアロ・パンゲアと87年に共同で設立したパイロット派遣会社トランスコンチネンタル・アビエーターズ社を活用したウェット・リース事業は、需要の急変する現在の国際空運事業において大きな役割を果たしている。IT関連産業、特にソフトウェア分野及び決済サービス分野は引き続き強い拡大傾向にあり、我が国の新しい基幹産業を形成しつつある。小売、卸売、運輸の各分野は目覚め対策関係でやや苦戦が見られるが、補助金によって維持されている。
 691年度後期国家内景白書は例年通りであれば来年2月頃に公開される見込みである。

8月26日 ペネク最高裁判事に射殺未遂 活動家の男を現行犯逮捕
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 きょう昼過ぎ、シルナトリツェ市の路上において、23歳・無職の男がペネク最高裁判事の乗った車両に拳銃を4度発射する事件が起こった。銃弾のうち3発は路上に外れ、1発がタイヤに命中。ペネク最高裁判事はそのまま車を退避させ事なきを得た。実行犯は通行人に取り押さえられ、駆けつけた警察により現行犯で逮捕された。警察の取り調べに対して、容疑者は、殺すつもりで撃ったと供述している。関係筋によると、旧優生保護法に基づき去勢処理を行った当時の南部中央保健局長を訴えた裁判において、ペネク判事らは法の不遡及を理由に無罪判決を出しており、これに不満があったと思われる。もっとも、その判決が当人にどのような関係があったかについては明らかになっていない。
 現在、最高裁判所長官は警護対象としてSPが付くものの、判事についてはまだそのような措置はない。判事についても日常の警護を実施するかという本紙の質問に対し、内務省は「検討は始める」と回答した。要人警護に詳しいルテリペ氏は、次のように語る。「たしかに、事件があった以上、警護の強化が議論に上がるのは自然ではある。内務省軍設置法では、本来特別警護の対象と取り決められている人物以外についても例外的に警護することは可能であり、過去最多の死刑執行指示を出したルナパ元法務大臣には終身警護が決まっている。とはいえ、警護される側も実は不便が多い。外出の自由が制限されることになり、たとえば、深夜にちょっとコンビニへ、ができなくなる。私の見解としては、今回の事件は個人的で例外的なものであり、警護措置を変更する必要はないように思う。」

8月27日 バスタンナ市中心部で不発弾 地下鉄が一時麻痺
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昨日深夜、バスタンナ市中心部の建設現場で、大戦時代の不発弾が発見され騒ぎとなった。夕方5時頃、近隣の住民に避難指示が出されたほか、爆弾の位置が地下鉄路線に近かったこともありバスタンナ市営地下鉄東西線など一部の路線が運休となる騒ぎに発展した。建設会社からの通報を受けた県警ははじめ最寄りの駐屯地に処理を依頼したものの、陸軍の担当者は爆弾処理班が目覚め作戦訓練のため不在だと回答。遠方の基地や内務省軍への依頼も行なったものの到着まで時間を要するとの返答があった。幸い、通報から約30分後に市内に居合わせた宮廷官房情報局職員らが信管の解体など仮処置に成功したことから、7時頃には地下鉄の運行再開と避難区域の縮小を実施。その後、9時頃になって到着した陸軍の爆弾処理部隊が爆弾本体を回収して事なきを得た。地元住民は、「まだ残っているなんて」と驚きをあらわにし、無事回収に成功したことに安堵した。

8月28日 連盟、南東地域評議会第8回会議を開催
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 きょう8月28日、大陸連盟はセズレーンにおいて南東地域評議会を招集し、第8回目となる会議を開催した。主な議題は目覚め作戦終結後の南東地域の取り扱い、特に領土の分割を巡るもので、前回以来観測に成功した新しい測量結果を反映した各国の領土要求のすり合わせが行われる予定である。我が国からイェルジュタトヴァー連盟特使のほか、ミューミン外相とコシュギン目覚め作戦物流問題担当相が参加した。目覚め作戦での統一的協力と南東地域の共同統治を定めたエゲルスカ・ヴラタ合意に基づき、同外交団はマン王国の代表も兼任する。
 今月実施された諸島連合軍の調査報告に基づく天然資源の分割を巡る問題が加わったことで、領土策定は一層難航するものと見られている。
 民間旧文明学シンクタンク「RELNASS」の代表理事を務め、南東地域の地理に詳しいボスポルチク氏によると、今回公にされた資源分布の変更点としては、アウダティア海石油貯蔵庫、ヌミ高原、憎しみの窪地、サイン河などが主な争点となるという。「特に、最大の議論の対象となっていたアウダティア海の石油貯蔵庫が空だった、というのはなかなか衝撃だった。あのあたりを強く主張していた国々は、今頃、危なかったと冷や汗をかいているだろう。」
 連盟結成以前から我が国が戦略的段階開拓作戦に基づき設定し、後に実行支配地域については連盟により委任開拓領として承認されたゼメイ・ステップの分割における取り扱いを巡っても、議論は紛糾する見込みだ。ゼメイ・ステップの戦略的段階開拓作戦は8つの目標線を100年かけて進軍することで、パンノニア軍単独でブラウン・トシタデルまでの安全な占領を目指す計画であった。現時点ではPHASE IIIまでが完了しており、PHASE IVの途中を終えているが、目覚め作戦により以後の計画は放棄される。保守派の一部には、PHASE VIIIまでパンノニアの主権が及ぶべき、南東地域の分割は別の問題とすべきだという声もあったものの、政権はPHASE IVまでを「現時点のパンノニア領」として、PHASE V以降は南東地域の分割対象に含めるという妥協案を提示している。アーキル・諸島連合など利害調整の進む北半球諸国や、同様に連盟以前からの実行支配地域を有するネネツ・フォウなどにはこの方針は受け入れられつつあるが、南半球を中心に、実行支配ができているPHASE IIIまでがパンノニア領土であり、PHASE IVは分割の対象とすべきという声も強い。またメルパゼルなど西側諸国は、PHASE I ~ IIIの委任開拓領全域も南東地域の一部であり、分割の対象に参入するべきだと述べ、意見は真っ向対立している。
 これら委任開拓領を巡る問題に加えて、メルパゼル側との領土要求の重複は激しく、特に電波の原と憎しみの窪地周辺での領土要求の対立は、今回の第8回会議だけでは決着に至ることは難しいだろう。
 また、今回の調査では原住民の集落と思しき存在も追加で複数確認されており、一部からは目覚め作戦に伴う被害のリスクから、これらの原住民に人道的警告を行う案もあがっている。しかし、それが旧兵器に与える影響が未知数であることから、その危険性を指摘する声も強い。これらの報告を踏まえ、空軍は、早ければ来月末に実施する予定の第12回ドローン・コンステレーション作戦において、原住民調査も重点目標とすると述べた。

8月29日 首相「目覚め作戦頃に解散」対策へ評価を問うと宣言
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 きょう正午頃、パミュースィク首相は王宮前での政治集会において、目覚め作戦後に辞職し、再度の解散を行うと語った。発言は退役軍人協会代表との対談の中で出たもので、今年末頃と見込まれている目覚め作戦の完了から数カ月後、事後処理が一通り落ち着いた時点で自身は任を引き、公民党代表選を実施し新しい党の顔を決めてから民会解散を行うことを考えていると述べた。目覚め作戦が年内に完了する場合、早ければ来年春過ぎの会期末の解散となる見込みだ。
 メディア関係者の中では目覚め後解散説はこれまでもまことしやかに語られてきたが、公の場で直接総理の口から発せられたのは今回が初めて。予想外の場での発表に、会場は一時ざわついた。その意図について、パミュースィク首相は「私が辞めるのは、私の責任、私たちの世代の責任で作戦を完了させるためだ。選挙はその評価を問うためだ。」と説明した。目覚め作戦が成功した場合、支持率が一時的に上昇する可能性があり、その風を選挙に投じることを狙っているという批判もあり、野党の一部からは解散権の乱発であるという声が上がっている。一方で、ドブルジャ戦争時に戦後支持率の下落を経験したのは当時のパミュースィク首相その人でもあった。

8月30日 南東地域配分算定法についての連盟条約可決 西側諸国「バリケード」を破り退席
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 きょう30日、28日からセズレーンで行われていた南東地域評議会第8回会議において、南東地域配分算定法についての連盟法条約が賛成多数で可決した。南東地域評議会設置法に基づき、この法案は連盟条約の一部に加えられ、全世界に対して強制力を持つ。
 同法は、目覚め作戦完了後の南東地域の分配を巡って、どの国がどの面積・資源を得るかをある程度機械的に算出する方策について定めたもので、現状の重複した要求に対して広い合意が可能な中立的解決を行うための措置として、今回の第8回会議冒頭から議論されてきたものだ。一般的な個別の交渉では合意が困難と見られていた中、もはや目前となった目覚め作戦を前に速やかな解決を可能とすることを目指していた。しかし昨日の時点ではその中身を巡る議論が大いに紛糾し、結論が得られるかは怪しいとも見られてきた。特に問題となっていたのは、中小国に対する領土配分についての議論である。植民地維持能力のない中小国への配分は不幸を招くという理論のもと、主要6ヶ国で南東地域を分割するという非公式の大国間合意が80年代には暗に結ばれていたものの、中小国側の反発や国際人権団体などのロビー活動、またある種の外交カードとし中小国の領土獲得を容認する動きが近年進んでいた。加えて、目覚め作戦に伴う経済的混乱が中小国、特に赤道諸国に与えている損害などを鑑み、より公平な分配を求める声が高まっており、これを承認するかどうかが今回の最大の焦点となっていた。
 関係筋によると、大勢は今朝の時点で決まったという。パンノニア、アーキル、クランダルトの三ヶ国が朝食会を行い、開会当時から現実的な妥協案として評価されてきたラドラ案を受け入れることを約束しあった。午前の会議では、三ヶ国はラドラ案での採決を目指す発議を共同提出。しかしメルパゼル代表が議論がまだ尽くされていないとして審議を拒否し、牛歩を伴う演説で妨害を続けた結果、採決は午後に持ち越された。
 午後、暴言の飛び交う中、評議長は採決の開始を告げると、メルパゼルのクシモチ・ザイギ外相を先頭に、リパブリア代表、ヒグラーテ代表など、西海岸諸国の代表は示し合わせたように相次いで席を立ち、表議長の着席命令を無視し議場を去ろうとした。通路側にいたイェルジュタトヴァー連盟特使とアーキルのアルムパン外相が“バリケード”を作ろうとしたところ、ザイギ外相が押し通ろうとしたため、イェルジュタトヴァー連盟特使が転倒。救助に乗り出したコシュギン目覚め相とザイギ外相がつかみ合いの”格闘”に発展する騒ぎとなった。メルパゼル代表らが退席した後、評議長は採決の実施を支持。議場に残った各国の多くが賛成票を投じ、可決となった。
 ミューミン外相は現地にて記者らの質問に答え、賛成票を投じた理由について、「目覚め作戦の公平性を維持し、中立的な解決を図るため総合的に判断した」と回答。賛成は自身で判断したのか、総理から直前の指示があったかについては、「指示があったが、私も同意見だ。ありうる様々なケースについて、出国前に閣僚と議論し結論を得てここに来た。この法案も予想の範囲内だった」と答えた。また、従来の大国分割案では領土を得られないことからパンノニアとの共同統治を提案していたマン王国について、個別に領土請求が行われるのか、それともパンノニアと合算で算定するのかという記者からの質問に対しては、昨晩行われた電話会談において、合算方式を採用することを決めたと回答した。西海岸諸国代表の退席時の乱闘については「極めて不誠実な態度と言わざるを得ない、国際社会に大きな恥を晒した」としてメルパゼル政府とザイギ外相を非難した。
 一方、メルパゼルのスズミ総裁は、直後に行われた会見において、この採決は不当なもので受け入れられないとして連盟に抗議しつつ、状況によっては西海岸連盟の目覚め作戦からの撤退の可能性をも示唆する警告を行った。またストラント総司令はこの発言に対して「必ず報いを受ける」と反論。西海岸連盟と大陸連盟の対立が浮き彫りとなった。
 なお、今回の南東地域配分算定法では、南東地域の指す具体的な範囲についての合意には至っておらず、この点については第9回に持ち越されることとなった。パンノニアが求めるPHASE IVまでを既存の領土とする主張が通るかどうかは今後の交渉次第である。
最終更新:2026年06月04日 20:30
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