未踏の地。
踏みしめる大地は人跡未踏で、
手に持つは石を圧縮空気で飛ばす『投石銃』、
それと『軍用鞄』、身に付けた『装甲』。
ここは禁忌の土地、南東部だ。
何故こんな所に、私が居るのか。
始まりから語ろう・・・
私は元はと言えば帝国の反乱者だった。
圧政に苦しんでいた私達は反乱を起し、
そして敗北した。
私自身は元は帝国軍人、それも空挺兵※の出であり、
辺境の人々と共に反乱を起こしたわけだが、
鎮圧され、降伏した。
その際、言い渡されたのは、
「その身で以って、帝国に反旗を翻した罪を全うせよ」
と言われたのだ。
「その身で以って」である。
その際渡されたのは、
ネネツ鋼を使用した圧縮空気を、
弾頭の形に変形した石を使う『投石銃』。
ある程度の容量と自己修復性を持った『軍用鞄』。
そしてあの技術将校達から渡された『装甲』
の三つだ。
そして任務、及び死罪の代わりとなる任務が言い渡された。
「禁忌の地、その地域の探検」
だと言う。
軍人達の間でも、「南東部には行くな」と言われている、あの場所だ。
拒否権等無い。
それが帝国に翻した者に対しての死罪なのだから。
南東部に突入するために、
特別に『投入艇』なんてもんも用意してくれた。
ただ直進するために「屁」を使った機関を使い、
高速で突入できるという。
そして、そのための投入艇は何艇も用意されていていた。
そうして南パンノニアのリデア湾から、
海を超えてきたのだ。
何故そう言えるのか?
それは投入する際に眠らされたからだ。
自動で、ただ投入された。
起きた時には陸地に目前だった。
突入艇が熱くなっていくのを感じた私は、
底部を蹴りだして、そのまま後方に飛び出した。
その刹那に突入艇が破壊され、血飛沫と共に爆発炎上した。
そうして、地面に叩きつけられ、今に至るのだ。
「さて、どうしたものか。
とりあえず、前に進むか。」
投石銃に、手頃な『石』を装填して、
この鬱蒼とした密林を歩き始めた。
※ 都市及び拠点、戦艦等を制圧する特殊部隊
最終更新:2016年02月19日 02:19