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有翼のセズリア外伝話「アーキルチョコレート」

「これが伝説に伝わる、『アーキルチョコレート』か・・・」

 旧アーキル領内でかつて生産されていたとされる、
『この世で最もまずいお菓子』として知られている、
『アーキルチョコレート』の生産工場を発見した。
 その工場がかつて生産した『チョコレート』が余りにもまずくて、
潤滑剤にしたりとか、土嚢にしたりとかしていたとされている。
 採掘場の方ではポピュラーな発掘品ではあるのだが、
今回は文献で発見した生産工場まで出向いたのであった。

「それにしても、ここのチョコレートは腐ってないですよね・・・
何を添加剤にしているのかすら、私には・・・」

「文献によると、かつては旧文明の生産工場を稼働させて作ったものらしい。
その生産工程を、他の工場で模倣して作っていた言われている。
でもまぁ、今も腐っていないとか・・・頭おかしいとは思うよ。」

 そこにあったのは、
今も腐っていない『新品』のチョコレートだったからである。

「食える・・・のか?」

「発掘品のを食ったことがあったが、まずいぞ。」

「まずい、ですか・・・」

 手に取った、『新品』のチョコレートは、今でも食えるような見た目をしていた。
発掘品のチョコレートでは欠けていたりすることもあるのだが、
ここのチョコレートは『完品』として存在していたからである。

「一緒に喰いましょう。どんな味なのかを知りたいですし。」

「発掘品と同じ味をするのだろうかも知る必要があるしな。」

 二人はそのチョコレートを開封し、
そして一緒に、同時に食った。

「「まずい!!!!」」

「なんだこりゃあ。発掘品と同じ味かよ!頭おかしい過ぎるぞ!!」

「うへぇ・・・まっず・・・こんなのをアーキルの人々は食っていたのかよ。
頭おかしいんじゃねぇか、おい。」

「こりゃあクルカも喰わねぇわけだ。吐くのも分かる・・・」

「とりあえず・・・どうします?この『完品』のチョコレートの山・・・」

「・・・持って帰るか。」

「ですね・・・。反面教育用として。」


 こうして採掘場集落へ、
『反面教師』としての『完品の』チョコレートが運ばれるのであった・・・
最終更新:2015年09月26日 17:27