長年人類を縛り続けてきた旧文明の遺産、旧兵器。
その旧兵器が現パルエ人に与える脅威は依然として強大なものであり、多くのパルエ人はいつしかこの呪縛から逃れる時が来ると信じていた。
この共通認識は600年代末の旧兵器による民間船撃沈事件を持って本格的に議論がなされるようになり、パルエ人類は旧兵器との最終決戦を決意する。
その作戦名は――
本稿はパルエ最大の決戦である目覚め作戦の概要について随時更新していく。
600年代末のパルエはかつての超大国であったアーキル連邦とクランダルト帝国が縮小ないし解体去れたことにより、
パワーバランスが大きな変化を遂げて下記のような新たな派閥を形成するに至っていた。
目覚め作戦にはパルエ大陸の全国家及び共同体が作戦参加を表明。
部隊の9割は空軍が締めていたが、空軍を持たない国家も兵員や技術提供を行うことで総力戦の体制をとっていた。
また、旧兵器への総攻撃までは20年ほどの猶予があったため、各国は作戦に備えて十分な準備期間が与えられた。
この戦いには旧人類が作ったアンドロイドであるセイゼイリゼイ、ミケラダスウェイアなどもパルエ人類側として参戦していることも特筆したい。
1)すべての兵力を目覚め作戦に投入する
2)故に、国家間によるありとあらゆる軍事行動を凍結する
だいたいそんな内容の"血盟条約"が結ばれたことにより、連合軍は実質的な主力である空軍のほぼ全てを作戦に参加させることができた。
主力はアーキル系、帝国系、パンノニア系軍艦を中心とした空中艦で占められ
艦の特性・武装・速力ごとに複雑に割り振られ、ある部隊は理想的な戦闘バランスを整えた多国籍軍、別の部隊は一国家一級の特化型部隊も編成された。(例:無人操縦旧式艦群・リコゼイ砲部隊)
特殊部隊について
セズレーン部隊
戦略ラケーテ師団
海軍について
陸上部隊について
導入部分は確定路線。
その後は詳しい記載を避け、各自の創作のスペースの余地を残しています。
諸島連合艦隊、本島から出港。
限界線(旧兵器の迎撃の危険のあるライン)にむけて全力出撃。
上空援護としてアナンサラド空軍のアナンジュ型2隻、スネハ型3隻、アーキル艦隊よりバザルス級が4隻同行した。
共に海上の低速進撃に合わせた編成だった。
六王湖上空へ集結していた連盟軍が抜錨。
"冬の波"と呼称される、ノスギア山脈を越えるように流れる上昇気流に乗り山脈突破を試みる。
リューリア大艦隊戦で導入された総兵力を超す、史上最高の戦力投射が行われた。
東方作戦で全滅したものと思われるかつての帝国艦隊の残骸を大量に発見する。
全艦黙祷を捧げ、Z旗が掲揚され、最高戦闘態勢に突入。
前方3ゲイアスにラ型旧兵器15基が森林地帯より出現。
同時に15基と戦火を交えるのは史上初であったが、前方に大量に展開していた小型艦の統制弾幕射撃により全てが排除される。被害なし。
さ:らに前方10ゲイアスに大量のラ型が森林より出現。数は100基あまりと極めて大規模。
パンドーラ隊の軍事顧問団のにより、アーキルによるリコゼイ砲艦隊の長距離迎撃が決断される。
08:19 リコゼイ砲全10隻、ラ型に対してリコゼイ光子砲を照射。うち1隻キャパシタ負荷により機関自爆、初の損失。
ラ型は直前に分散していたため撃破されたのは10基程度であった。
迎撃に失敗し次弾のためヒューズ交換に追われる中、リコゼイ砲艦隊が遠方の未確認光学砲台より長距離攻撃を受ける。
リコゼイ砲に使われていた固有波長を旧兵器はパレタ社型兵器と認識し、機関をピンポイント射撃したものだった。
故に艦自体は中破に留めることができたが、虎の子艦隊を全損した連盟軍はマニュアル外事態の対応に追われ大混乱に陥る。
旧兵器に対しては飽和攻撃以外に有効手段を持っていない連盟軍の、現時点でラ型を攻撃できる通常兵装は限られていた。
司令部は空雷による一斉射撃以外に迎撃手段なしと決断し、全艦に射撃命令を発令。
各艦の空雷はサイズから速度まで統一されていなかったため、予め簡易な計算表を作成していたため、ラ型に同時に着弾するタイミングで順次発射がなされる。
ニヂリスカ艦隊3隻は空雷射撃のために本隊よりはずれ、極めて突出する形となり発射後の回避は危険なものとなっていた。
空雷攻撃は成功し、ほぼ無抵抗のラ型は全てが撃破される。
ラ型を通り抜けた流れ弾はそのまま遥か彼方へ馳走していき、旧兵器の対連盟軍"免疫"獲得を助長するものとなってしまい目覚め作戦中盤に大きく影響を及ぼす。
この時突出していたニヂリスカ艦隊はその直下にさらなるラ型の増援に見舞われてしまうが、驚いたことにラ型は接近してもほぼ無抵抗だった。
パンドーラ隊は首を傾げたが、リゼイの「ラ型は各地ごとにネットワークが遮断されていて、禁足地の旧兵器は連盟軍への対抗手段を持っていない状態である」という解釈に納得。
連盟司令部では、この機会に全力進撃を敢行し早期決着を目指す方針が決定される。
連盟司令部は全艦隊を3部隊に再編。
旧兵器が"免疫"を付ける前にできるだけ奥深く進撃し、オリエント海から上陸・遡上予定のオリエント条約機構(諸島連合海上部隊)と速やかに合流することを主目標とした。
目覚め作戦がはじまる。