ラプトゥラバード級巡空戦艦

ラプトゥラバード級巡空戦艦 Raptulhabad-class Battlecruiser
基本情報
種別 巡空戦艦(通称)
高速戦艦(書類上)
命名規則
前級 クレアシオ級 次級 -
設計 グラルール第6造船所 所属 アーキル連邦
製造 4隻起工
2隻竣工,1隻は空母に設計変更、1隻は放棄
世代 第三紀
性能諸元
全長 XXmlt 全高 XXmlt
機関 トウゴ型4式改四エンジン 2基
ソナン=テアラト620型ベクダットエンジン 2基
C615加圧型重複合浮遊機関 2基
機関最大出力 185,000ps x2
93,000ps x2
39,000lc x1
最高速度 192km/h(170km/h) 航続距離 XXgaias
武装 50口径32fin連装砲 6基
40口径48fin単装砲 4基
15.2fin連装両用砲 10基
5.7fin六連装機関砲 10基
4fin四連装機関砲 4基
2.8fin四連装機銃
補助装備 艦載機4機格納可能
(標準構成:ギズレッツァ及びレイテア各2)
乗員 1460名

二次創作
作者名 六方晶ダイヤモンド

- 概要
【概要】
リューリア後の防衛戦略として、連邦軍は第一段階としてのヒグラート防衛による時間稼ぎと補助艦艇再建による数的埋め合わせの後、第二段階として戦略機動性の高い打撃戦隊による機動防御の強化を策定した。当初この打撃戦隊は高速戦略空母を中核とすることを想定していたものの、パイロット育成の限界により急には空母を増備できないこと、またクレアシオ級を用いた試験の結果から、ジェット気流航法を有効に活用することで近代的な高速戦艦には高いポテンシャルがあると考えられたことから、戦略空母と並行して高速戦艦を建造することが決定した。

この際設定された要求性能は以下の通りであった。

①敵戦艦・重巡戦隊を追撃できる高速力
③想定される改インペリウム級の装甲を貫徹できること
②ジェット気流航行最適化による戦略機動性、航続距離
④長砲身グロアール級に標準的な戦闘距離で十分防御できる装甲

しかしこの要求はほとんど最強の戦艦を作れと言っているに近く、駆逐艦すら不足する20年代前半のアーキル空軍には無理のある高望みであり、技術的・資源的・造船能力的に不可能であった。協議の末、④の装甲要求を撤回し、防御力を重巡基準に抑え、巡空戦艦として建造することで、軽量化と資源の節約を目指すこととなった。

造船所のキャパシティの問題や、622年度予算案の不備などから、建造は各加盟国に広く協力を求め、大陸各地の造船所・工場でばらばらに製造されてから合体して組み立てる形式を取った。(その見返りに戦車や火砲などが無償供与された)設計図の誤読、単位換算ミスなどのトラブルが多発したものの、なんとか無事完成に漕ぎ着けることができたのは、この時期整備され始めた通信網の改良に依るところが大きいともいわれている。なお、各国の分担箇所は以下の通り。

メルパゼル  :主推進機、艦載機射出機、補助ドブルジャガス管、両用砲、FCS、電装系の4割など
パンノニア  :下部艦橋、油圧系統の7割、垂直尾翼、内装・調度品など
ザイリーグ諸国:船体基礎構造の4割、32fin連装砲、5.7fin機関砲、2.8fin機銃など
ニヂリスカ  :電球
オデッタ   :上甲板手摺

艦尾に向かうにつれ扁平になり、主推進機を左右並列で設置するという独特の構造により、高速性とジェット気流航行における安定性を確保している。この規模の艦艇としては異様に高い推力重量比を有しており、カタログスペックとしては巡空戦艦の名に恥じない高速性能・加速力を有していた。一方で、全エンジンを起動していると非常に燃費が悪いという問題があり、

全エンジンを最大出力で回した場合、最高速度は時速192km/hを記録したが、これは燃費や冷却の観点から5分程度が限界で、戦闘出力としてさえも殆ど利用できない。大型の船体で高速軽巡と同等のジェット気流ポイント遷移性能を実現するため、短時間のブースト出力、機動性が求められたものである。持続可能な最大速度は170km/h前後であるが、そもそも護衛艦艇が150km/h台の速力であったため、実際にそれだけ高速で戦闘機動をとることはあまりなかった。

防御については基本的には重巡基準の装甲としつつも、一部には重装甲が張られている。例えば主砲・副砲弾薬庫は対40fin砲防御、艦橋装甲区画は対28fin砲防御となっている。


▲装甲配分に関する資料

- 兵装
【兵装】
  • 主砲
    主砲には新式の50口径32fin砲の連装砲塔が上面に前後二基ずつ、下面に一基ずつの計六基搭載されている。この砲塔は新型の長砲身・高腔圧砲を、試製599年式37fin連装砲の砲塔に収めたものである。このため、連装砲でありながらユット・ザイリーグ級やバリオー級に搭載された三連装砲塔よりも大きく、重量もほぼ同等になっているが、約1.5倍の射撃速度が期待できる(もっとも砲身の冷却や寿命においては不利であるが)ため、この点は大きな問題とされなかった。

    新型の32fin砲IB-81は、砲身にラオデギア第19大学の発見した浸ドブルジャ琥珀プルトライト合金を使用する自緊砲身を採用したことで、従来よりも最大装薬量を約30%拡大でき、射程と貫通力を拡大することができた。ただし砲身寿命はやや落ち、100射に制限されることとなった。砲弾は従来の32fin砲と同一のものが使用できるが、本級の就役と時を同じくして平均10%の貫通力増加が見込める新式の徹甲弾が開発されている。(最も、この砲弾は予算不足により殆ど前線には届かなかったとも言われる)

  • 重対艦砲
    本級では主砲のほかに40口径48fin砲が対主力艦用として単装砲塔で4門搭載されている。当初案では主砲をクンバカルナ級の42fin砲で統一することが検討されたが、重量過大となる可能性や担当造船所のキャパシティオーバーなどの懸念、また改インペリウム級(実際にはアーキル軍部の想像の産物でしかなかったが)の装甲を42finでは貫通できない恐れがあったため、要塞砲であった48fin砲を単装で両舷に2門づつ配置し従来の32fin砲と混載する形に落ち着いた。これにより、ラプトゥラバード級は当時のアーキル艦隊の中で数値上は最強の貫通力を有する旋回式艦砲を搭載した艦となった。

    この48fin単装砲は設計上は上記32fin連装砲と簡易な改修で交換可能で、1番艦・2番艦の実戦運用での評価次第では3番艦・4番艦は32fin砲を廃し48fin10門とする案もあがったが、これは結局実行されることがなかった。なお、この案についてグラルール造船所は、48fin砲片側8門の一斉射撃に耐えうる剛性をこの船がそもそも持っていたかは疑わしく、仮に発砲できたとしても揺動が酷く戦闘に支障を来しただろうとの見解を示している。

    ラプトゥラバード級は、当初、その戦略迎撃艦としての設計コンセプトに反し、就役直後は帝国軍の作戦方針の影響から対通商破壊戦に多く投入された。これらの戦闘では過剰火力であり運用にも何のある48fin砲は使用されないことが多く、宝の持ち腐れとまで評価され、現場からは32fin砲への換装と口径統一が提案されるほどであった。しかし、ベルバザール上空戦において48fin砲が戦艦ビルツブルクの竜骨をへし折り事実上一発で撃沈させると再評価され、結局は最後まで留め置かれることとなった。とはいえ、空軍のレポートによると、1番艦ラプトゥラバード及び2番艦シャー・アル・バッディートが戦争中に行った629射のうち、対艦戦闘が占めるのはわずかに86射で、殆どが対地目的で使用されたという。

  • 副砲
    副砲にはメルパゼル製の15.2fin連装両用砲が搭載されている。当初設計段階で積載を検討していた12cm両用砲が生産ラインが追いつかず6年待ちになっていたこと、また12finでは戦艦クラスの副砲として威力不足ではないかという懸念から、自動装填技術に長けたメルパゼルに開発・製造が依頼された。すでにメルパゼル国内で試作されていた14cm単装両用砲を下地とし、この口径を拡大し連装砲化する形で開発が行われた。

    射程、装填速度、貫通力などの基礎性能を比較すると、帝国側で同時期に大々的に採用された15fin両用砲と概ね似たような性能をしていることがわかる。ただし、こちらの方がやや大型である代わりに統制射撃能力に長けているといった違いが見られる。

    アーキルではこの砲塔を輸入乃至はライセンス生産することで、『ロネアリアス級第5グループ』や『両用砲メルケール』などの新クラスを建造することが検討されたが、前者は船体の設計変更などの議論で白紙になったために、また後者は競争入札で国内のベンチャー企業が選ばれた(後に贈賄罪で起訴)ために、結局アーキル国内では採用されることは基本的にはなかった。(メルパゼル国内ではタンワ型軽巡に採用された)
最終更新:2025年01月30日 22:42