ドラム譜面関連


はじめに


ドラム譜面はギター譜面以上に作っている人が少ないので、国内では有効な作法が全く確立されていない状況です。日本でドラムキットを手に入れるには輸入しかない事と、MODがドラム譜面に最適化されていないため不安定な演奏しかできないのが原因です。安定した演奏が可能なMODが出てくると、需要も高まっていくと思われます。


ドラム譜面について


ゲームプレイはギターのルールと大きく変わりません。ギター譜面と同様にEOFでも作ることができます。特色としては、ドラムには音質は良くないですが個々のボタンにKey音が設定されています。ゲーム中にシンバルとかバスドラムに対応するボタンを押すとその音が鳴るわけです。
このため空演奏感は無いのですが、その分譜面に高い整合性が求められます。また、現状ではMODが不安定なためKey音を出してのテストプレイができません。FoFix 3.100 final以降のバージョンでかろうじて音が鳴りますが、連打したりすると途切れてしまいます。こういった理由でテストプレイをしながら完成に近づけていくのが難しい状態です。


FoFix 3.100 finalを使ってテストプレイを行いますが自動演奏は使用不能なので、TRAINING>Practice
を使って自分で弾くしかありません。FoFixのテーマが入手できない人は、Alarian3系 Modのフルインストール版からテーマを引き抜いて流用します。画像はROCK BAND2テーマ。


EOFを使ったドラム譜面の作成


ギター譜面を編集する作業と同じ感覚で進めることができます。操作方法などは同じなので、まずEOFチュートリアルの項を読むのをお勧めします。


ドラム譜面の編集モードに入るには、メニューでSong>Track>PART DRUMと選択しドラムトラックに切り替える必要があります。


ドラム用ノートの記入ルールは以下のようになります。ドラムは各色のノートにKey音が対応しているので、曲の進行に合わせてそれに見合ったノートを記入してやる必要があります。特にバスドラムとクラッシュシンバルは定位置に書かないと違和感が生まれます。タムタムの3音は多少自由に割り振ってもOKなようです。


有効だと思われる作法


基本的にはEOFを使って譜面を書くのが正しいやり方ですが、音を出してのプレイが難しいのでたぶんこんな感じに鳴っていると予想しながら書くことになると思われます。Key音は5つしかないので、頭の中で想像しながら書くのも難しくはないです。

完璧に作り込みたいという人は、使用する音が少ないのに着目してMIDIシーケンサのドラムトラックに直に書き込んでしまうのが有効です。作りながら音合わせが可能ですし、最後に音階を任意の位置に揃えればそのまま完成に持っていけます。FOFのKey音は貧弱なので、MIDIシーケンサからdrum.oggを出力してやるのも良いかも知れません。この項ではMusic Studio Producerを使用したドラム譜面の作り方を解説していきます。
おそらく他のドラムゲームでも作り方は同じようなものだと思います。

従来のEOFを使って制作する方法は、ギター譜面と全く同じ行程なのでそちらを参考にしてください。


Music Studio Producerを使用した工程


EOFで作業する部分の大半をMusic Studio Producerで行います。ただし、FOFの譜面制作工程やEOFの使用方法を理解していることが前提になります。DTMの知識がある人なら簡単だと思います。Music Studio ProducerはフリーのMIDIシーケンサで、手軽に入手することができるので使用していますが、MIDIが編集・出力できるソフトなら何を使っても問題ないと思われます。

専用ツールを使わないため制作途中でのテストプレイはできませんが、MIDIでドラムのオケを作ってしまうと考えれば曲とのシンクロはほぼ完璧になるわけで必要ないとも言えます。最終段階でEOFにMIDI Importしてsong.iniファイルを作ります。この時に、各難易度を追加したり最終的なバランス調整を行います。


1.音源の読み込み

MSPに音声ファイルを読み込んで、それに合わせてノートを打ち込んでいきます。ベースにする音声ファイルを事前にWav形式に変換しておいてください。次に用意した音源を、メニューのファイル>Wavファイルのインポートから読み込みます。
この時にプロジェクトパスを設定するように言われますので、作業ファイルが保存されるフォルダを指定してください。正常に音源が読み込まれると「オーディオエントリー」のウインドウが表示されて「ファイル名 Ch:1」と「ファイル名 Ch:2」が追加されます。ステレオの左右の音声が別々にリストに入るので、ふたつにわけて追加されます。


画像のように追加されたと思います。このままでは、まだトラックに配置されていないので、左上のMIDI側の再生ボタンを押しても音が鳴りません。「オーディオトラック」に音源をコピーして追加してやります。メニューのウインドウからオーディオトラックを表示させ、オーディオエントリーからコピーして追加します。
一覧の左側に黒い四角形が表示されているトラックが選択状態になっていることを示しています。トラックを選択して右クリック、「コピー-オーディオエントリー」から「貼り付け-オーディオトラック」です。正常にオーディオトラックに読み込めると下の画像のようになります。Track Nameは自由に付けてください。


これでMIDI側のトラックを再生するとバックで音声ファイルが再生されるのですが、かなりボリュームを絞ってやらないと煩いかと思います。メニューのウインドウから「オーディオミキサー」のウインドウを開きます。


上が読み込んだ状態、下がボリュームを絞った状態です。


2.ドラムトラックの設定

MIDIトラックの基本的な操作と設定は、画面上部のツールバーで行います。


画像の紫の枠の部分でMIDIトラックを操作します。

赤い枠の部分をクリックしてBPMを入力してください。

青い枠の部分がMIDI+Audioになっていないとバックで音声ファイルが再生されません。
MIDIの音が全くしない場合はPCスピーカーのMIDIの音量がOFFになっていると思います。PCのコントロールパネルからオーディオのプロパティを開いて、「SWシンセサイザ」の音量を上げてください。

初期設定ではトラックを再生するとメトロノームが鳴っていると思うのですが、常時鳴られると邪魔なのでオフにします。表示>コントロールバー>メトロノームで表示させて、PlayとRecのチェックを外します。緑の枠の部分になります。


トラック1に譜面情報を記入していきます。Track Nameを付けてください。

水色の枠のボタンを押して入力欄を表示させ、Device Nameの部分に「Microsoft GS Wavetable SW Synth」を、Chを「10」に設定します。この10番のチャンネルはMIDIのドラム用に用意されたパートです。このチャンネルにはピアノのキーの部分にドラム音が入っています。設定が終ったら、また水色のボタンを押して非表示の状態に戻しておきます。

続いて黄色の枠のボタンを押してトラック1のピアノロールを表示させましょう。


3.ノートの編集

ピアノロールが表示されたかと思います。左側にピアノの鍵盤が表示されていますが、ここを押すとドラムの音色がチェックできます。FOFのドラム譜面で使う音色は5つなので、この中から5つの音階を使って譜面を書いています。
音色が多いのでどれを選ぶか迷うかも知れませんが、FOFのドラムのKey音はタムタムが3音、クラッシュシンバルが1音、バスドラムが1音割り当てられてます。これに似た音色のもので、曲調に合ったものを選ぶとよいでしょう。


使う音色を決めたらトラックを再生しながらバックで流れる曲を聞き、少しずつノートを記入していきます。参考までにドラムトラックにマッピングされている音色のリストは以下です。


PUPPETZ氏はこんな感じで割り振れと書いてます。参考にして下さい。
Green = Kick/Bass pedal
Red = Snare
Yellow = Closed Hi-hat, Tom 1
Blue = Open Hi-hat, Tom 2, Ride
Orange = Crash, Tom 3

オレンジの枠のボタンがアクティブになっていればマウスで記入していくことができます。左クリックで書き込んで、Deleteキーで削除。右クリックでコピーやペーストもできます。まとめてフレーズを選択する場合はツールバーのすぐ下のスペースをクリックしてなぞって下さい。
あまりにも長いフレーズをコピペしたい時はトラックウインドウで任意の小節間を選択してコピーしてください。

音符の長さは黒い枠の部分をクリックして「音符の指定」を表示させて選んでください。ドラムトラックなので8分音符と16分音符の二種類で書いていけば問題ありません。

完成したらよく聞いてみてできる限り曲とシンクロさせてください。FOFでテストプレイは最後までやれませんし、EOFで手直しした部分をMSPに戻ってきて修正するのは面倒です。このトラックをそのままドラム音としてゲームに使うこともできるので、この段階で作り込んでおきます。


4.FOFフォーマットに修正

全部書き込んだらEOFにインポートするためのMIDIファイルに加工します。念のためこの段階で一度保存して、バックアップを取っておいて下さい。

これまで作業していたトラックを複製して、片方のTrack Nameを「PART DRUMS」にしてください。PART DRUMSのピアノロールを表示させ、ノートが入っている部分の鍵盤を押してその部分のノートを全選択し、マウスで7オクターブの指定された場所に移動させます。
複製元のトラックはバックアップを取っているなら消してもかまいません。残しておいてもよいのですが、再生すると音が二重に鳴ってしまうのでトラックリストのMの部分をクリックしてミュート設定にしておきます。


5つの音色を全て移動させた画像です。一番上がクラッシュシンバル、一番下がバスドラムのノートが入り、間の3音にタムタムの音が入ります。タムタムの音は音階に合わせた順序で間違いないと思います。上から高音、中音、低音です。
この状態に加工したらMIDIファイルで書き出します。


5.MIDIファイルで書き出し

EOFにインポートするためにMIDI形式で書き出します。


まず、Tem、Met、Key、PART DRUMSが選択されている状態にします。トラックを途中まで再生した状態なら、最初の位置まで巻き戻しておいて下さい。
次に、メニューの実行から「トラック初期化情報の挿入」を選びます。ウインドウが開くのですが、「トラック名」の部分にチェックを追加します。続いて画像の黄緑色の枠のボタンを押します。


シーケンス名にPART DRUMSが入っているのが確認できます。このままだとまだ、BPMに関する情報が入っていません。直接書き込みます。ハイライトされている鉛筆ボタンを押してくイベントを選択します。


「イベントエディット」ウインドウが開いたらトラックの部分をTemに設定し、テンポの部分に曲のBPMの数値を入れてください。画像と同じウインドウが表示されない場合は、Tempo Trackのみをアクティブにして試してみてください。記入したらOKを押します。一覧にテンポの情報が追加されていると思います。これで必要な情報は書き込まれました。

mid形式での書き出しですが、メニューからファイル>名前を付けて保存を選びファイル名の部分に「ファイル名.mid」と直接書き込んでください。拡張子の付け方で保存形式が決まります。あとは保存を押して進めて、次のウインドウで「個別に出力」を選んでOKを押してください。
この時に不要なトラックを消してから出力しておくとMIDIファイルが軽量化されます。


6.EOFでSong Propertiesを記入

EOFを起動し、File>MIDI Importを選択しますmidファイルを選ぶように言われますので、出力したファイルを選びます。次に音声ファイルの場所を聞いてくるのでogg形式のファイルを選んでください。
「break!」と言われるかも知れません。しかし、読み取れていれば問題ありません。Song>Track>PART DRUMに切り替えてみて、BPMとノートが正しく記入されていれば成功です。
しかし、おそらくノートと音のタイミングがずれていると思います。Edit>Selection>Select Allで全選択して、適切な場所にノートをずらします。二度動かすとSelect Allは無効になるようなので、動かす度に全選択を行ってください。

ここまで正常に進めたら、Song>Propertiesで曲の詳細情報を記入して保存します。この段階でやることは、FOFに読み込ませるための必須ファイルを揃えることです。全て揃えたら、FOFに読み込んでテストプレイしてください。


7.EOFでバランス調整

必要ならば複数の難易度を追加します。この段階で初めてテストプレイできますので、十分に調整してください。
打ち込み済みのMIDIファイルをドラム音源として使用する場合は、ノートのタイミングを調整したらMSP側のファイルも直さないといけません。


8.MIDIファイルをドラム音源ファイルに使用

Microsoft GS Wavetable SW Synthのドラム音色はリアルさには欠けるのですが、せっかく作ったのでドラム演奏音源として活用しましょう。VSTiなど、もっと良い音色をお持ちの方は、それを使えばクオリティが上がると思います。
MSPからMIDIファイルを書き出し、guitar.oggかdrum.oggの名称でエンコードします。ドラムなのにguitar.oggにするのは、drum.oggを読み込めないMODが大半だからです。


逆手順の作法


Music Studio Producerでドラムトラックを作ってからMIDI形式でEOFにインポートする作り方を解説してきましたが、勘のいい人なら逆でもできるんじゃないかと考えると思います。結論から言うとできます。
EOFでノートを打ち込んだ後のnotes.midをMSPにインポートして音色を割り振ります。そのままMIDI出力し直してdrum.oggにエンコードしたら簡単にドラム演奏音源ができます。これはかなり難易度が下がるのにわりと本格的なものができます。ただ、ドラムの音色の組み合わせで最終的な出力を想像してやる必要があります。慣れた人ならかなりの速度で作れるはずです。


ドラム譜面が読めるMOD


Alarian2系 Mod以降のMODならば読み込めますが、どれも完全に動作するわけではありません。
Alarian2系 ModにはKey音がありません。guitar.oggは鳴らせます。
FoFix v3.100 finalはKey音はありますが、guitar.oggもdrum.oggも鳴らないようです。
MODは日々開発されていますので、再現度は向上していくと思われます。wikiではドラム譜面の対応情報を募集しています。情報をお持ちの方は、更新してください。

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最終更新:2010年03月09日 23:20
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