死を超えた鬼と少女 ◆CKVpmJctyc
殺人遊戯の舞台となった島は、深い夜の闇に包まれている。
ある者は闇を嫌い、身を潜め、朝を待つだろう。ある者は闇に乗じ、獲物を狙うだろう。
しかし、ここはそんな闇とは縁遠いところだった。
東西に伸びる歓楽街。
ネオンなど人工的な光に満ちた風景は、まるで日常から、そのまま切り取られてきたようだった。
ここが、この島ではなく普通の場所にあったなら、深夜でも関係なく多くの人で賑わっていただろう。
しかし、ここにいたのは、白い長髪の大男、九鬼耀鋼ただ一人だった。
ある者は闇を嫌い、身を潜め、朝を待つだろう。ある者は闇に乗じ、獲物を狙うだろう。
しかし、ここはそんな闇とは縁遠いところだった。
東西に伸びる歓楽街。
ネオンなど人工的な光に満ちた風景は、まるで日常から、そのまま切り取られてきたようだった。
ここが、この島ではなく普通の場所にあったなら、深夜でも関係なく多くの人で賑わっていただろう。
しかし、ここにいたのは、白い長髪の大男、九鬼耀鋼ただ一人だった。
多くの店が立ち並ぶ歓楽街。予想通りどこも無人ではあったが、俺が足を向けたのは日本式の居酒屋だった。
殺し合いに何の関係もない施設をご丁寧に用意してあるだけに、居酒屋の中も見慣れた通りのものだ。
宴会用の大部屋、四人掛けのテーブル席、一人用のカウンター席。
さすがに店員までは配置されていなかった。
とはいえ何のサービスも受けられない代わりに、何をしようと勝手だという自由がある。
本来、店員しか入らない厨房へと躊躇なく進入する。特に面倒もなく酒は発見できた。
適当に目に付いた一升瓶数本を手に、カウンター席へと戻り、腰を下ろした。
一本をカウンターに置き、残りの瓶は、隣のいすに置いておいたデイパックへとしまう。
殺し合いに何の関係もない施設をご丁寧に用意してあるだけに、居酒屋の中も見慣れた通りのものだ。
宴会用の大部屋、四人掛けのテーブル席、一人用のカウンター席。
さすがに店員までは配置されていなかった。
とはいえ何のサービスも受けられない代わりに、何をしようと勝手だという自由がある。
本来、店員しか入らない厨房へと躊躇なく進入する。特に面倒もなく酒は発見できた。
適当に目に付いた一升瓶数本を手に、カウンター席へと戻り、腰を下ろした。
一本をカウンターに置き、残りの瓶は、隣のいすに置いておいたデイパックへとしまう。
「しかし、なかなか、面白いものを置いている」
目の前に置いた日本酒の銘柄は、『鬼ころし本醸造』
日本のとある地方の地酒らしい。
日本のとある地方の地酒らしい。
『アルコール 15.6 %。
辛さを予想させるややきつい香り。
一口目で辛さと渋さを感じるが、徐々に口中に甘みを感じ、円やかさも同居。後はさっぱりとします。
燗にすると、甘さ、辛さがよりはっきり感じ、ふくよかさをより口中に広げます。
お酒好きな方には堪らない逸品でしょう』
辛さを予想させるややきつい香り。
一口目で辛さと渋さを感じるが、徐々に口中に甘みを感じ、円やかさも同居。後はさっぱりとします。
燗にすると、甘さ、辛さがよりはっきり感じ、ふくよかさをより口中に広げます。
お酒好きな方には堪らない逸品でしょう』
と、なかなか大層な煽り文が添えられている。
ずいぶんと皮肉が利いたのを置いたものだ。
これを飲めば、俺の首輪が反応して爆発でもしてくれるだろうか。
グラスにいっぱいに注ぎ、一気に飲み干す。
まったくもって残念なことに首輪は何の音も発さなかった。
これを飲めば、俺の首輪が反応して爆発でもしてくれるだろうか。
グラスにいっぱいに注ぎ、一気に飲み干す。
まったくもって残念なことに首輪は何の音も発さなかった。
酒を進めながら、先程の考察を振り返り、まとめる作業を行う。
首輪、制限、主催者、死人。
……考えてはみるものの、本来、考察は飯塚隊長の専門だ。俺の頭で簡単に解決できるわけもない。
一升瓶は半分ほど空いていた。成果はいまいちながら、思索になかなか没頭していたらしい。
息をつき、店の入り口へと視線を向ける。
首輪、制限、主催者、死人。
……考えてはみるものの、本来、考察は飯塚隊長の専門だ。俺の頭で簡単に解決できるわけもない。
一升瓶は半分ほど空いていた。成果はいまいちながら、思索になかなか没頭していたらしい。
息をつき、店の入り口へと視線を向ける。
「さて、そこで見てるやつ。どうだ? お前も一緒に飲むか?
隠れていなくても、お前を酒の肴にとって食おうという気はないんだがな」
隠れていなくても、お前を酒の肴にとって食おうという気はないんだがな」
一声のあとの静寂。店の入り口付近に感じた気配は、動く様子がない。
どうしたものか、いっそ壁をぶち破るかと考えていると、制服姿の少女が、おそるおそる顔を見せた。
どうしたものか、いっそ壁をぶち破るかと考えていると、制服姿の少女が、おそるおそる顔を見せた。
◇ ◇ ◇
ばれていた。
美希がいないかと、歓楽街を探索しているところで、暢気にも酒を飲んでいるこの男を見つけた。
どうしようかと様子を見ていたけれど、どうも見つかっていたらしい。
やましい事はないのに、まずい、と緊張が走った。
感覚的に感じ取れる所謂よくないもの。
この男がまさにそうだった。どこか危険な雰囲気が、この男にはあると。
声をかけられた時点で逃げ出そうかとも思った。
でも、誰かと接触すらできないようじゃ、美希を探しだすこともきっと出来ない。
美希がいないかと、歓楽街を探索しているところで、暢気にも酒を飲んでいるこの男を見つけた。
どうしようかと様子を見ていたけれど、どうも見つかっていたらしい。
やましい事はないのに、まずい、と緊張が走った。
感覚的に感じ取れる所謂よくないもの。
この男がまさにそうだった。どこか危険な雰囲気が、この男にはあると。
声をかけられた時点で逃げ出そうかとも思った。
でも、誰かと接触すらできないようじゃ、美希を探しだすこともきっと出来ない。
男は、一目見て印象に残る外見だった。
肩まで伸びた枯れたような白い髪。右目につけた眼帯。
座っているので、わかりにくいけど、随分と大柄だ。
肩まで伸びた枯れたような白い髪。右目につけた眼帯。
座っているので、わかりにくいけど、随分と大柄だ。
「安心しろ、別にお前に危害は加えん。まあ、お前が俺を殺しに来たというなら話は別だがね。
……それで、いつまでそこに突っ立ているつもりだ?」
「いえ、ここで結構です」
……それで、いつまでそこに突っ立ているつもりだ?」
「いえ、ここで結構です」
私が、どう話しかけようか迷っていると、向こうから話しかけてきた
あちらに襲ってくる意思がなくても、あまり友好的に接したいとは思えなかった。
見た目の問題だけじゃなくて、感覚的な部分が大きいんだけれど。
最悪の場合、いつでも逃げ出せるように、あまり奥には進みたくなかった。
あちらに襲ってくる意思がなくても、あまり友好的に接したいとは思えなかった。
見た目の問題だけじゃなくて、感覚的な部分が大きいんだけれど。
最悪の場合、いつでも逃げ出せるように、あまり奥には進みたくなかった。
「ふむ、まあいい」
特に気にした風はなく、男は持っていたグラスに視線を戻していた。
何にしても、殺し合いをするつもりがないなら話くらいはできる。
とにかく美希を知らないか聞かないと。でも、この島には、こんな人がたくさんいるんだろうか。
こんなのを一人で相手しなきゃならないなんて……。やっぱり葛ちゃんに一緒に来てもらえばよかったかもしれない。
弱気を見せないように表情を引き締める。
肩にかけたデイパックの紐を、無意識に強く握り締めながら、目の前の男に問いかけた。
何にしても、殺し合いをするつもりがないなら話くらいはできる。
とにかく美希を知らないか聞かないと。でも、この島には、こんな人がたくさんいるんだろうか。
こんなのを一人で相手しなきゃならないなんて……。やっぱり葛ちゃんに一緒に来てもらえばよかったかもしれない。
弱気を見せないように表情を引き締める。
肩にかけたデイパックの紐を、無意識に強く握り締めながら、目の前の男に問いかけた。
問いかけの結果、私の緊張は、成果を挙げてはくれなかった。
目の前の白髪眼帯の大男は、九鬼耀鋼。ここにきてからまだ誰とも会っていなかったらしい。
それでいて、ここで一升瓶を空けているんだから暢気にもほどがある。
とは言っても、探している人はいるらしかった。
如月双七という男子高校生で、逆立った髪が特徴だそうだ。一応は師弟関係だ、とのこと。
目の前の白髪眼帯の大男は、九鬼耀鋼。ここにきてからまだ誰とも会っていなかったらしい。
それでいて、ここで一升瓶を空けているんだから暢気にもほどがある。
とは言っても、探している人はいるらしかった。
如月双七という男子高校生で、逆立った髪が特徴だそうだ。一応は師弟関係だ、とのこと。
「ドミニオンを知らない……だと?」
「はあ……聞いたことないですね。有名なんですか?」
「はあ……聞いたことないですね。有名なんですか?」
酒を飲みながら、どこか余裕を持って話をしていた九鬼が、訝しげな表情を浮かべる。
それから続いて出てきた単語は、どれも覚えのないものだった。
人妖、ASSHS、ドミニオン、神沢市……どれも全然聞いたことがない。
それから続いて出てきた単語は、どれも覚えのないものだった。
人妖、ASSHS、ドミニオン、神沢市……どれも全然聞いたことがない。
「ふう……」
いい加減、要領を得ない私の反応に何か感じるところがあったのか、ため息をついて黙り込んでしまった。
飲んでいた一升瓶をじっと見つめ、どうも思考の海に潜ってしまったようだ。
飲んでいた一升瓶をじっと見つめ、どうも思考の海に潜ってしまったようだ。
「あの……」
しかも、なかなか帰ってこない。黙られると元々良くない居心地が、さらに悪くなってしまう。
所在無くなってしまったので店内にぐるっと視線を巡らせる。
飲んでいたお酒に目をやってみる。……鬼ころし? 聞いたことがないけど、たぶん焼酎か日本酒だろう。
やっと考えに一区切りついたのか、視線を戻し、グラスに半分ほど残っていた酒を一気に空けていた。
そして、何事もなかったみたいに、私に声をかけてくる。
所在無くなってしまったので店内にぐるっと視線を巡らせる。
飲んでいたお酒に目をやってみる。……鬼ころし? 聞いたことがないけど、たぶん焼酎か日本酒だろう。
やっと考えに一区切りついたのか、視線を戻し、グラスに半分ほど残っていた酒を一気に空けていた。
そして、何事もなかったみたいに、私に声をかけてくる。
「すまなかったな、あまり気にしないでくれ。少し思うところがあったんでな」
表情は、もとの余裕を持った表情に戻っている。自分の中で納得がいったなら、それでよしにしよう。
話がかみ合わないので、群青学園の名前を出してみるという選択肢も、一瞬だけよぎった。
もちろん、すぐにそんな考えは捨てたけれど。……そんなこと、わざわざ人にさらす必要はないんだから。
話がかみ合わないので、群青学園の名前を出してみるという選択肢も、一瞬だけよぎった。
もちろん、すぐにそんな考えは捨てたけれど。……そんなこと、わざわざ人にさらす必要はないんだから。
空いたグラスに、また酒が注がれている。瓶をいっぱいに傾けているところを見るに空になったみたいだ。
こっちを見てないけど、話しかければ、ちゃんと聞いていると思う。
私は、葛ちゃんのときのように、黒須先輩と支倉先輩の危険性、異常性について伝えた。
余すところなく、彼らのことが伝わるように。
こっちを見てないけど、話しかければ、ちゃんと聞いていると思う。
私は、葛ちゃんのときのように、黒須先輩と支倉先輩の危険性、異常性について伝えた。
余すところなく、彼らのことが伝わるように。
「ほう、白髪に制服姿の男に、長い黒髪でブレザー姿の女ねえ」
「そうです。どこにいても、きっと彼らは変わらない」
「そうです。どこにいても、きっと彼らは変わらない」
そう、変わらないから、危険だ。
九鬼は、途中からグラスを手で弄んでいた。
九鬼は、途中からグラスを手で弄んでいた。
「警戒しろというのは、別に構わん。他のやつに伝えてやるというのも。
無論、俺自身は遅れを取るつもりはないがな。それは構わんのだが……」
無論、俺自身は遅れを取るつもりはないがな。それは構わんのだが……」
いかにも何かありそうに言いよどむ。
「……何か気になることでもあるんですか?」
「いやなに、お前は、それを伝えて回って、どうしたいのかと思ってな。
いかんせん、こういう状況だ。その話を聞いて危険なら殺したほうがいいという発想に飛躍するのは難しくないぞ。
そして、その二人を、お前自身はどうするつもりなのかとな」
「なっ……」
「いやなに、お前は、それを伝えて回って、どうしたいのかと思ってな。
いかんせん、こういう状況だ。その話を聞いて危険なら殺したほうがいいという発想に飛躍するのは難しくないぞ。
そして、その二人を、お前自身はどうするつもりなのかとな」
「なっ……」
想定していなかった返しだった。
私は、ただ彼らの危険性を伝えたかっただけ。別に殺してほしいと言っているわけじゃない。
もちろん、殺さなくちゃならない可能性は充分あるとは思う。
必要なら、私が殺す覚悟はある、つもりだ。彼らから、美希や葛ちゃんのような子を守るためにも。
手元にはないけど、実際、身を守るために、ボウガンの練習は充分にやっていた。
――的にしていた、あの人形が、ぼろぼろになるほど。
私は、ただ彼らの危険性を伝えたかっただけ。別に殺してほしいと言っているわけじゃない。
もちろん、殺さなくちゃならない可能性は充分あるとは思う。
必要なら、私が殺す覚悟はある、つもりだ。彼らから、美希や葛ちゃんのような子を守るためにも。
手元にはないけど、実際、身を守るために、ボウガンの練習は充分にやっていた。
――的にしていた、あの人形が、ぼろぼろになるほど。
でも、それでも私は敵わなかった。
ボウガンという明らかに有利な武装を持った私を、支倉先輩にはベルトと石礫による投石だけで一方的に追い詰めた。
圧倒的だった。武装の不利を簡単に覆して遥か上をいくほどに。
ボウガンという明らかに有利な武装を持った私を、支倉先輩にはベルトと石礫による投石だけで一方的に追い詰めた。
圧倒的だった。武装の不利を簡単に覆して遥か上をいくほどに。
「別に私は……」
「ああ、別に答えなくて構わんさ。少し興味があっただけだ」
「ああ、別に答えなくて構わんさ。少し興味があっただけだ」
わずかに間を開けてしまった私の言葉を遮り、九鬼は席から立ち上がった。
入り口に、立ちすくんでいた私の横を、すれ違い、通り過ぎていく。
入り口に、立ちすくんでいた私の横を、すれ違い、通り過ぎていく。
「そうだ、もうひとつ質問があった」
きらびやかな歓楽街を背景に、ぐっと顔だけ振り返り、ニッと哂う。
戯言だと思ってくれていいが、と前置きした上で、こう言葉を続けた。
戯言だと思ってくれていいが、と前置きした上で、こう言葉を続けた。
「――お前、死んだことはあるか?」
◇ ◇ ◇
不夜の様相を呈するネオン街の灯りは、遥か背後に遠ざかっていた。
実に殺戮の島らしい闇の中、一人足を進める。
実に殺戮の島らしい闇の中、一人足を進める。
この島で初めて人間と会い、色々と思うところはある。
最も気にかかるのは、あの佐倉霧という娘との常識の乖離だろう。
現代の日本に住んでいて、人妖を知らないというのは有り得ない。
ドミニオンの戦闘部隊の副隊長と明かして、きょとんとされるとは思わなかった。
最も気にかかるのは、あの佐倉霧という娘との常識の乖離だろう。
現代の日本に住んでいて、人妖を知らないというのは有り得ない。
ドミニオンの戦闘部隊の副隊長と明かして、きょとんとされるとは思わなかった。
この齟齬の原因は何か。
名前、外見からして外国人ではない。あの場で、知らないと嘘をつく理由もない。
以上のことと、自分が一度死んでいるという状況を合わせて考える。
そして、行き着いたのは、やはり常識外れな仮説だ。
まあ、一度死んでいるというだけで、既に常識も何もないわけだが。
名前、外見からして外国人ではない。あの場で、知らないと嘘をつく理由もない。
以上のことと、自分が一度死んでいるという状況を合わせて考える。
そして、行き着いたのは、やはり常識外れな仮説だ。
まあ、一度死んでいるというだけで、既に常識も何もないわけだが。
仮説は、この殺人遊戯が、俺が死んだときから、相当な時間が経ってから開催されているのでないかというもの。
人妖周辺の知識を完全に持たない少女。
人々の教養から、ある事実をなくすということ。
数年単位で無理でも、数十年単位でなら、情報操作なり教育なりで、過去をなかったことにすることは可能だろう。
人妖なんてものは、敗戦後から確認されだしたもので、名誉な文化でもなんでもない。
高校生程度が認知しなくなる程度は出来るだろう。どこかで聞いても与太話だと言い包めるのは容易い。
人々の教養から、ある事実をなくすということ。
数年単位で無理でも、数十年単位でなら、情報操作なり教育なりで、過去をなかったことにすることは可能だろう。
人妖なんてものは、敗戦後から確認されだしたもので、名誉な文化でもなんでもない。
高校生程度が認知しなくなる程度は出来るだろう。どこかで聞いても与太話だと言い包めるのは容易い。
「これは、いよいよ双七を探す意味が出てきたかもしれんな」
ククッと、笑いがこぼれる。
この仮説が、もしも正しいとした場合、最初に考えた考察も現実味を帯びてくる。
わざわざ、時間を空けたところから死人を連れてくるくらいだ。当然、俺だけというわけではあるまい。
死人や繰り返し参加している者と会える可能性も、ぐっと高くなる。
この仮説が、もしも正しいとした場合、最初に考えた考察も現実味を帯びてくる。
わざわざ、時間を空けたところから死人を連れてくるくらいだ。当然、俺だけというわけではあるまい。
死人や繰り返し参加している者と会える可能性も、ぐっと高くなる。
ひとまずの目的地は、最寄の駅だ。線路まで敷いてある以上電車が走っている可能性はある。
駄目なら、近くの施設に向かうとするか。
そろそろ俺も真面目に動くとしよう。あの酒の名の通り、せいぜい殺されないように、な。
駄目なら、近くの施設に向かうとするか。
そろそろ俺も真面目に動くとしよう。あの酒の名の通り、せいぜい殺されないように、な。
◇ ◇ ◇
また一人になった。人口光で目が痛くなりそうな歓楽街を歩いている。
日常風景のはずなのに、人がいないだけで、こんなに違和感を覚えるんだろうか。
違うか。違和感があるのは、街の風景のせいじゃない。
日常風景のはずなのに、人がいないだけで、こんなに違和感を覚えるんだろうか。
違うか。違和感があるのは、街の風景のせいじゃない。
変わった人だった。
九鬼耀鋼。
どうも、私が出会う白髪の人間は、どこかおかしいらしい。
九鬼耀鋼。
どうも、私が出会う白髪の人間は、どこかおかしいらしい。
『死んだことがあるか』という言葉。
死んだことがある人間なんて、その辺をうろうろしてるわけないじゃない。
私が、返答に窮していると、結局、またニヤっと哂って、思うところがなければそれでいいと言う。
ただ、去り際に、こうも言っていた。
――そうやって聞いてみると、面白いことがあるかもしれない、と。
何か、裏の意味でもあるんだろうか。
死んだことがある人間なんて、その辺をうろうろしてるわけないじゃない。
私が、返答に窮していると、結局、またニヤっと哂って、思うところがなければそれでいいと言う。
ただ、去り際に、こうも言っていた。
――そうやって聞いてみると、面白いことがあるかもしれない、と。
何か、裏の意味でもあるんだろうか。
それとは別にもっと気になることがある。
違和感のわけ。心に少しだけ引っかかりを感じる原因。
違和感のわけ。心に少しだけ引っかかりを感じる原因。
「私が、先輩たちをどうしたいか、か」
別に殺せと言いたい訳じゃない。ただ危険だって、気をつけるべきだって言いたいだけ。
でも、危険性を知ったところで、ずっと逃げてるだけじゃ、このゲームは終わってくれない。
特に、支倉先輩。やっぱり、どうイメージしても、自分じゃ対処できる自信がない。
この島のどこかにいるはずの、守りたい親友のことを想う。
でも、危険性を知ったところで、ずっと逃げてるだけじゃ、このゲームは終わってくれない。
特に、支倉先輩。やっぱり、どうイメージしても、自分じゃ対処できる自信がない。
この島のどこかにいるはずの、守りたい親友のことを想う。
「美希……いったいどこにいるの。……私、間違ってない、よね?」
【G-5 路上 1日目 黎明】
【九鬼耀鋼@あやかしびと -幻妖異聞録-】
【装備】:なし
【所持品】:支給品一式、不明支給品1~3、日本酒数本
【状態】:健康
【思考・行動】
基本:このゲームを二度と開催させない。
1:以下の目的のため、駅へと向かう。電車が走っていない、または待ち時間が長ければ別荘地やボート乗り場を探索
2:首輪を無効化する方法と、それが可能な人間を探す。
3:制限の解除の方法を探しつつ、戦力を集める。
4:自分同様の死人、もしくはリピーターを探し、空論の裏づけをしたい。
5:如月双七を探す。
【九鬼耀鋼@あやかしびと -幻妖異聞録-】
【装備】:なし
【所持品】:支給品一式、不明支給品1~3、日本酒数本
【状態】:健康
【思考・行動】
基本:このゲームを二度と開催させない。
1:以下の目的のため、駅へと向かう。電車が走っていない、または待ち時間が長ければ別荘地やボート乗り場を探索
2:首輪を無効化する方法と、それが可能な人間を探す。
3:制限の解除の方法を探しつつ、戦力を集める。
4:自分同様の死人、もしくはリピーターを探し、空論の裏づけをしたい。
5:如月双七を探す。
【備考】
※すずルート終了後から参戦です。
双七も同様だと思っていますが、仮説にもとづき、数十年後または、自分同様死後からという可能性も考えています。
※今のところ、悪鬼は消滅しています。
※主催者の中に、死者を受肉させる人妖能力者がいると思っています。
その能力を使って、何度もゲームを開催して殺し合わせているのではないかと考察しています。
※黒須太一、支倉曜子の話を聞きました。が、それほど気にしてはいません。
※すずルート終了後から参戦です。
双七も同様だと思っていますが、仮説にもとづき、数十年後または、自分同様死後からという可能性も考えています。
※今のところ、悪鬼は消滅しています。
※主催者の中に、死者を受肉させる人妖能力者がいると思っています。
その能力を使って、何度もゲームを開催して殺し合わせているのではないかと考察しています。
※黒須太一、支倉曜子の話を聞きました。が、それほど気にしてはいません。
【G-6 歓楽街 1日目 黎明】
【佐倉霧@CROSS†CHANNEL ~to all people~】
【装備】:ダーク@Fate/stay night[Realta Nua]
【所持品】:支給品一式、ダーク@Fate/stay night[Realta Nua]、ドラゴン花火×1@リトルバスターズ!
【状態】:健康
【思考・行動】
基本:山辺美希との合流
1:山辺美希と合流するため、リゾートエリアを捜索
2:他の参加者に黒須太一と支倉曜子の危険性を伝える
3:美希との合流後、H-4に若杉葛を迎えに行く
4:気が向いたら、出会った相手に「死んだことがあるか」という質問をしてみる
※登場時期は少なくとも支倉曜子に殺されそうになったイベント以降です
※若杉葛の知り合いはこの場にいないと聞かされています。
※人妖関連の話を聞いていますが、理解できていないので、断片的にしか覚えていません。
【装備】:ダーク@Fate/stay night[Realta Nua]
【所持品】:支給品一式、ダーク@Fate/stay night[Realta Nua]、ドラゴン花火×1@リトルバスターズ!
【状態】:健康
【思考・行動】
基本:山辺美希との合流
1:山辺美希と合流するため、リゾートエリアを捜索
2:他の参加者に黒須太一と支倉曜子の危険性を伝える
3:美希との合流後、H-4に若杉葛を迎えに行く
4:気が向いたら、出会った相手に「死んだことがあるか」という質問をしてみる
※登場時期は少なくとも支倉曜子に殺されそうになったイベント以降です
※若杉葛の知り合いはこの場にいないと聞かされています。
※人妖関連の話を聞いていますが、理解できていないので、断片的にしか覚えていません。
038:降り止まない雨などここにはないから(前編) | 投下順 | 040:蒼い鳥に誘われて |
時系列順 | ||
025:少女の求めるもの | 佐倉霧 | 050:何気ない遊園地に、数々の出会い |
029:死の先にあるモノ | 九鬼耀鋼 | 065:End Of All Hope |