王達の記録 ◆DiyZPZG5M6
「あっあの~千華留さん! こんなところでゆっくりしてていいんですか~?」
私は椅子に座り、青い月の光を明かりにして一冊の本を読んでいる。
その背後からりのちゃんの可愛らしい声がした。
「だめよりのちゃん、あなた疲れているのでしょう?」
「で、でも……」
やんわりとりのちゃんの言葉を否定する私。
今私達がいるのはとある喫茶店の中、別荘地の中に佇む西洋風の小奇麗な店である。
場所はりのちゃんと出会った場所から北上した地点、おそらくG-4のあたりだろう。
その背後からりのちゃんの可愛らしい声がした。
「だめよりのちゃん、あなた疲れているのでしょう?」
「で、でも……」
やんわりとりのちゃんの言葉を否定する私。
今私達がいるのはとある喫茶店の中、別荘地の中に佇む西洋風の小奇麗な店である。
場所はりのちゃんと出会った場所から北上した地点、おそらくG-4のあたりだろう。
私は本を閉じてりのちゃんのほうを向く。
元気に振舞っているのだろうが、その表情には疲労の色を隠せないでいた。
いや、身体的な疲労はそれほどでもないのだろう。
彼女の疲労は精神的な物である。
何もわからないままこの島に連れてこられ『ゲーム』という名の殺し合い。
最後の一人となるまで終わることのないゲームに突然放り込まれた彼女の心労は、
相当なものだろう。なのに彼女は私に心配をかけまいと明るく振舞っていた。
それがとても痛々しく、見かねた私は少しでも彼女の気分を和らげようと休憩を提案したのである。
元気に振舞っているのだろうが、その表情には疲労の色を隠せないでいた。
いや、身体的な疲労はそれほどでもないのだろう。
彼女の疲労は精神的な物である。
何もわからないままこの島に連れてこられ『ゲーム』という名の殺し合い。
最後の一人となるまで終わることのないゲームに突然放り込まれた彼女の心労は、
相当なものだろう。なのに彼女は私に心配をかけまいと明るく振舞っていた。
それがとても痛々しく、見かねた私は少しでも彼女の気分を和らげようと休憩を提案したのである。
「大丈夫よ、何も焦ることはないわ、りのちゃん」
優しい声をりのちゃんに向ける。
りのちゃんは私の気遣いを察したのか、それ以上何も言わなかった。
私はもう一度微笑み、テーブルの閉じられた本を再び開く。
「千華留さん、明かり点けなくてもいいんですか? こんな暗いところじゃ目悪くしますよ~」
私は軽く首を振って答える。
「そうね、でも今は明かりを点けられないわ」
「え……どうしてですか?」
「今、明かりを点けるとどうなるかしら?」
「そりゃ明るくなるに決まってます」
「この喫茶店の外は?」
「真っ暗――あ!」
りのちゃんは、はっと声を上げ目を見開く。
なぜ私が明かりを点けない理由に気がついたようだった。
「そう、外は真っ暗なのにここだけ電気がついていたらどうなるかしら?
他の人間に私達の居場所を教えるようなものなの。この島にはすでに殺し合いに乗ってしまった人がいるかもしれない。
最低限の自衛の手段は確保しないとね」
私はウインクをしてりのちゃんを見据える。
彼女は少ししゅんとした表情で言った。
「ごめんなさい……私そんなことも気がつかないで……」
「いいのよ、りのちゃんは私の事を気遣って言ってくれたのでしょう?」
優しい声をりのちゃんに向ける。
りのちゃんは私の気遣いを察したのか、それ以上何も言わなかった。
私はもう一度微笑み、テーブルの閉じられた本を再び開く。
「千華留さん、明かり点けなくてもいいんですか? こんな暗いところじゃ目悪くしますよ~」
私は軽く首を振って答える。
「そうね、でも今は明かりを点けられないわ」
「え……どうしてですか?」
「今、明かりを点けるとどうなるかしら?」
「そりゃ明るくなるに決まってます」
「この喫茶店の外は?」
「真っ暗――あ!」
りのちゃんは、はっと声を上げ目を見開く。
なぜ私が明かりを点けない理由に気がついたようだった。
「そう、外は真っ暗なのにここだけ電気がついていたらどうなるかしら?
他の人間に私達の居場所を教えるようなものなの。この島にはすでに殺し合いに乗ってしまった人がいるかもしれない。
最低限の自衛の手段は確保しないとね」
私はウインクをしてりのちゃんを見据える。
彼女は少ししゅんとした表情で言った。
「ごめんなさい……私そんなことも気がつかないで……」
「いいのよ、りのちゃんは私の事を気遣って言ってくれたのでしょう?」
りのちゃんを不安がらせないようににっこりと微笑む私。
こんな深遠の闇の世界でも優しく照らすりのちゃんはまるで太陽のよう。
その元気な笑顔は私の内に澱む不安を取り除いてくれる。
こんな世界にも日の光は満ち溢れていた。
こんな深遠の闇の世界でも優しく照らすりのちゃんはまるで太陽のよう。
その元気な笑顔は私の内に澱む不安を取り除いてくれる。
こんな世界にも日の光は満ち溢れていた。
「ところで千華留さん。今読んでいる本は……」
「ええ、りのちゃんのデイパックにあった本よ」
「うーん、私には難しい本です~」
私が読んでいる一冊の本、何の変哲もないただの文庫本だ。
題名は、
「ええ、りのちゃんのデイパックにあった本よ」
「うーん、私には難しい本です~」
私が読んでいる一冊の本、何の変哲もないただの文庫本だ。
題名は、
――ギルガメッシュ叙事詩。
紀元前2600年の古代メソポタミア文明の文学作品。
シュメールの都市国家ウルクに実在したとされる王ギルガメッシュをめぐる物語である。
親友エンキドゥとの出会いが、民から暴君として恐れられたギルガメッシュを徐々に変えていく――
シュメールの都市国家ウルクに実在したとされる王ギルガメッシュをめぐる物語である。
親友エンキドゥとの出会いが、民から暴君として恐れられたギルガメッシュを徐々に変えていく――
「そんな昔の話が今も残ってるなんてすごいですね」
「まさに古代ロマン溢れる物語だわ。『エヌマ・エリシュ』の発掘あっての物ね」
「えぬま……何ですかそれ?」
「とある図書館で発掘された粘土板のことよ、楔形文字で記されたそれはほぼ原型をとどめた形で出土したの。
内容はギルガメッシュ叙事詩を含んだバビロニア神話の世界観がこと細やかに記されていた。
天空の神アヌ・中空の神エンリル・大地の神エアなど当時の人々が崇拝した神々の名。
これのおかげで当時の宗教観、生活観が私達でも知られることとなったと言っても過言ではないわ」
「まさに古代ロマン溢れる物語だわ。『エヌマ・エリシュ』の発掘あっての物ね」
「えぬま……何ですかそれ?」
「とある図書館で発掘された粘土板のことよ、楔形文字で記されたそれはほぼ原型をとどめた形で出土したの。
内容はギルガメッシュ叙事詩を含んだバビロニア神話の世界観がこと細やかに記されていた。
天空の神アヌ・中空の神エンリル・大地の神エアなど当時の人々が崇拝した神々の名。
これのおかげで当時の宗教観、生活観が私達でも知られることとなったと言っても過言ではないわ」
私は興奮気味でまくし立てる。
「う~~~~千華留さんがなに言ってるかさっぱりわかんないですぅ~~」
ふと、りのちゃんを見ると彼女の頭にはハテナマークたくさん浮かんでいた。
う……ちょっと調子に乗りすぎちゃったか……
「う~~~~千華留さんがなに言ってるかさっぱりわかんないですぅ~~」
ふと、りのちゃんを見ると彼女の頭にはハテナマークたくさん浮かんでいた。
う……ちょっと調子に乗りすぎちゃったか……
◆ ◆ ◆
私達は休憩を済ませ喫茶店を出ることにした。
目的地はまだ未定。とりあえずは北に向かおう。
「足元気をつけてね」
私はりのちゃんの手を引く。
こんな場所に、この瞬間に人が通りかかるなんてあるはずがない、
ある種楽観的な考えでデイパックの中のランタンを取り出し、りのちゃんの足元の闇を照らしてあげた。
目的地はまだ未定。とりあえずは北に向かおう。
「足元気をつけてね」
私はりのちゃんの手を引く。
こんな場所に、この瞬間に人が通りかかるなんてあるはずがない、
ある種楽観的な考えでデイパックの中のランタンを取り出し、りのちゃんの足元の闇を照らしてあげた。
その時――りのちゃんの背後で小さな光が点いているのを私の目は見逃さなかった。
「りのちゃんごめんなさい!」
私は急いでランタンの明かりを消す。周囲を闇が包み込む。
その瞬間遠くに見えていたその光も消える。
りのちゃんが思わず声を上げた。
「わっわっなんなの~」
「ごめんちょっと静かに!」
「むぎゅっ」
私は大慌てでりのちゃんの口を押さえる。
むーむーと声をあげもがくりのちゃんの耳元で囁く。
『今、人がいたの』
りのちゃんはぎょっとしたような顔になってこくこくと頷く。
彼女が大人しくなったのを見計らって口から手を放す。
状況を把握したりのちゃんが小声で話しかけてきた。
『……誰だろう』
『今はわからない……だけど向こうもこちらに気がついてる』
こちらの明かりが消えたとたん向こうの光が消えた。
それが意味することはつまり、向こうもこちらを把握した。
こちらと同じく場所を探られないために明かりを落としたのだろう。
息を殺して光があった方角を見る私達、距離は少なくとも百メートルは離れている。
この距離では人影すらもわからない。
私は急いでランタンの明かりを消す。周囲を闇が包み込む。
その瞬間遠くに見えていたその光も消える。
りのちゃんが思わず声を上げた。
「わっわっなんなの~」
「ごめんちょっと静かに!」
「むぎゅっ」
私は大慌てでりのちゃんの口を押さえる。
むーむーと声をあげもがくりのちゃんの耳元で囁く。
『今、人がいたの』
りのちゃんはぎょっとしたような顔になってこくこくと頷く。
彼女が大人しくなったのを見計らって口から手を放す。
状況を把握したりのちゃんが小声で話しかけてきた。
『……誰だろう』
『今はわからない……だけど向こうもこちらに気がついてる』
こちらの明かりが消えたとたん向こうの光が消えた。
それが意味することはつまり、向こうもこちらを把握した。
こちらと同じく場所を探られないために明かりを落としたのだろう。
息を殺して光があった方角を見る私達、距離は少なくとも百メートルは離れている。
この距離では人影すらもわからない。
どうする源千華留、このまま闇に紛れて立ち去るか?
確かにそれがもっとも確実かつ無難な選択だろう。
「りのちゃん……これ持ってて」
「えっ……これって……?」
りのちゃんの手に渡された重い金属の質感。
「これおもちゃじゃ――」
「本物よ」
「えぇぇぇ!!」
スプリングフィールドXD。
放たれた弾丸は人の身体を容易く破壊する正真正銘の人殺しのための武器。
「でも絶対に撃ってはだめよ。約束して」
「はっはい!」
最悪の事態を想定してりのちゃんに自衛の手段を託す。
そして私は一つの賭けに出る。
相手がゲームに乗っていないと仮定して賭けをする。
私の悪い癖、ほんの少しでも可能性があると思うと、つい勝負したくなる。
ギャンブルはオッズが高ければ高いほど面白いのだから。
賭ける物は私の命。
まったくもって分の悪い賭け。
さあ勝負だ。
確かにそれがもっとも確実かつ無難な選択だろう。
「りのちゃん……これ持ってて」
「えっ……これって……?」
りのちゃんの手に渡された重い金属の質感。
「これおもちゃじゃ――」
「本物よ」
「えぇぇぇ!!」
スプリングフィールドXD。
放たれた弾丸は人の身体を容易く破壊する正真正銘の人殺しのための武器。
「でも絶対に撃ってはだめよ。約束して」
「はっはい!」
最悪の事態を想定してりのちゃんに自衛の手段を託す。
そして私は一つの賭けに出る。
相手がゲームに乗っていないと仮定して賭けをする。
私の悪い癖、ほんの少しでも可能性があると思うと、つい勝負したくなる。
ギャンブルはオッズが高ければ高いほど面白いのだから。
賭ける物は私の命。
まったくもって分の悪い賭け。
さあ勝負だ。
私はランタンの光を明滅させる。
一瞬つけて消したかと思えばしばらく間を置いて点けっぱなしにする。
この意味に相手が気がつくか――!
一瞬つけて消したかと思えばしばらく間を置いて点けっぱなしにする。
この意味に相手が気がつくか――!
ちかちか、ちかちかと明滅するランタンの光。
これはモールス信号、一瞬の明滅を『・』間を置いた明滅を『―』と見立てて相手に信号を送る。
これはモールス信号、一瞬の明滅を『・』間を置いた明滅を『―』と見立てて相手に信号を送る。
ワ・タ・シ・ハ・コ・ロ・シ・ア・イ・ニ・ノ・ッ・テ・イ・ナ・イ
仮に相手がモールス信号を知らなくても、
定期的に明滅する光を見れば何かしら意思表示と見てアクションを起こすはず。
それを願って信号を送る。
やがて――
定期的に明滅する光を見れば何かしら意思表示と見てアクションを起こすはず。
それを願って信号を送る。
やがて――
ワ・タ・シ・モ・コ・ロ・シ・ア・イ・ニ・ノ・ッ・テ・イ・ナ・イ
◆ ◆ ◆
「まったく……大した度胸だねえ」
ここはさっきまでりのちゃんといた喫茶店。
月明かりが青く染める室内で一人の女性が言った。
年の頃は二十代半ば、180cm近い長身の女性だった。
身長の高さもさることなながらその体格も日本人離れしたナイスバディの美女。
私もそれなりにスタイルは良いと自負してきたが彼女のスタイルには足元に及ばない。
街中を歩けば周りの注目を浴びること間違いなし。
……悔しい。
ここはさっきまでりのちゃんといた喫茶店。
月明かりが青く染める室内で一人の女性が言った。
年の頃は二十代半ば、180cm近い長身の女性だった。
身長の高さもさることなながらその体格も日本人離れしたナイスバディの美女。
私もそれなりにスタイルは良いと自負してきたが彼女のスタイルには足元に及ばない。
街中を歩けば周りの注目を浴びること間違いなし。
……悔しい。
「自己紹介がまだだったねぇ、あたしは浅間サクヤ、フリーのルポライターさ」
何となく死亡フラグ漂う自己紹介と感じるのはきっと気のせいだろう。
サクヤさんの自己紹介を受けて私とりのちゃんも自己紹介をする。
「源千華留です」
「蘭堂りのですっ、よろしくお願いします!」
「蘭堂……りの……?」
少し怪訝な表情になるサクヤさん。
私の視線に気がついたのか彼女は表情を緩め言った。
「いや、ここに来る前に神宮寺奏という人間に会ったのさ。そいつが蘭堂りのを探していたんでね。もっとも、こんなに早く見つかるとは思わなかったよ」
「なっなんだってーーーー!!!!」
りのちゃんの驚きの声が室内に木霊した。
何となく死亡フラグ漂う自己紹介と感じるのはきっと気のせいだろう。
サクヤさんの自己紹介を受けて私とりのちゃんも自己紹介をする。
「源千華留です」
「蘭堂りのですっ、よろしくお願いします!」
「蘭堂……りの……?」
少し怪訝な表情になるサクヤさん。
私の視線に気がついたのか彼女は表情を緩め言った。
「いや、ここに来る前に神宮寺奏という人間に会ったのさ。そいつが蘭堂りのを探していたんでね。もっとも、こんなに早く見つかるとは思わなかったよ」
「なっなんだってーーーー!!!!」
りのちゃんの驚きの声が室内に木霊した。
サクヤさんの説明によると、神宮寺奏は大十字九郎という男の人と共に行動しているのだと言う。
彼女達は電車で島を北上し、サクヤさんは知り合いを探すため島の東に向かっていた途中だったのである。
「しかしあの場でモールス信号なんてよく考えたねぇ……あたしが知らなかったらどうするつもりだったのさ?」
「モールス信号を知らなくてもあれを見たら何らかの信号と気がつくでしょう? 冷静な判断力を持っていたら、こちらに敵意が無いことを確認できたかと」
「まあそうだけど……あたしが殺し合いに乗っていないことを前提とした判断さね」
「だから賭けだったんですよ。この程度の賭けに勝てないようではこの先、
島から生きて脱出するという大博打を打つなんてできないってね。
それに――ギャンブルはオッズが高ければ高いほど面白いのですもの、うふふ」
私の言葉にサクヤさんは信じられないといった表情で呆れたようにお手上げのポーズを取る。
「あ~あたしの負け負けっ! あんたみたいな肝の据わった女子高生なんて初めてだよ。
女子高生なんかやめて賭博師になったほうがいいんじゃないかい、着物きて丁か半かって」
「そういうのは私のイメージじゃないですよ~。むしろサクヤさんのほうがらしいですよ」
私とサクヤさんは顔を見合わせ笑いあった。
彼女達は電車で島を北上し、サクヤさんは知り合いを探すため島の東に向かっていた途中だったのである。
「しかしあの場でモールス信号なんてよく考えたねぇ……あたしが知らなかったらどうするつもりだったのさ?」
「モールス信号を知らなくてもあれを見たら何らかの信号と気がつくでしょう? 冷静な判断力を持っていたら、こちらに敵意が無いことを確認できたかと」
「まあそうだけど……あたしが殺し合いに乗っていないことを前提とした判断さね」
「だから賭けだったんですよ。この程度の賭けに勝てないようではこの先、
島から生きて脱出するという大博打を打つなんてできないってね。
それに――ギャンブルはオッズが高ければ高いほど面白いのですもの、うふふ」
私の言葉にサクヤさんは信じられないといった表情で呆れたようにお手上げのポーズを取る。
「あ~あたしの負け負けっ! あんたみたいな肝の据わった女子高生なんて初めてだよ。
女子高生なんかやめて賭博師になったほうがいいんじゃないかい、着物きて丁か半かって」
「そういうのは私のイメージじゃないですよ~。むしろサクヤさんのほうがらしいですよ」
私とサクヤさんは顔を見合わせ笑いあった。
「奏会長が無事とわかって助かりました。サクヤさん、その九郎さんって人はどんな人ですか!」
と、りのちゃん。
「ん~~そうだねえ……一言で言うと――」
「なになに~?」
「全裸」
と、りのちゃん。
「ん~~そうだねえ……一言で言うと――」
「なになに~?」
「全裸」
その瞬間、りのちゃんが凍りついた。
「あわわわわわ奏会長が裸の男の人と一緒~~~!!! パヤパヤってレベルじゃないですーーーっ!!!」
顔を真っ赤にして慌てふためるりのちゃん。その姿がとても可愛らしい。
「まあ好きで全裸になったわけじゃないだけどねえ、電気も水道もガスも止められた赤貧探偵が
公園で体を洗っていたらここに連れて来られてらしいのさ」
サクヤさんはここにいない九郎さんのフォローをする。
少なくとも奏さんの身は今のところは無事なのだろう。
「あわわわわわ奏会長が裸の男の人と一緒~~~!!! パヤパヤってレベルじゃないですーーーっ!!!」
顔を真っ赤にして慌てふためるりのちゃん。その姿がとても可愛らしい。
「まあ好きで全裸になったわけじゃないだけどねえ、電気も水道もガスも止められた赤貧探偵が
公園で体を洗っていたらここに連れて来られてらしいのさ」
サクヤさんはここにいない九郎さんのフォローをする。
少なくとも奏さんの身は今のところは無事なのだろう。
「ところでさ、あんた達これが何かわかるかい?」
サクヤさんは自らのデイパックからある物体を取り出す。
取り出されたものは装飾がなされた剣の鞘。
西洋の剣を収めるための鞘のみがそこにあった。
「これだけ……ですか? 鞘の中身はないんですか?」
「ああこれだけさ、年代物の鞘。古物商に売りつければ小遣い稼ぎぐらいにはなるかね」
私は鞘を手にとってそれを見つめる。装飾はなかなかのものであり、年代物の風格を漂わせている。
「この紙切れがくっついてなかったらただの鞘として見れたんだけどねぇ……」
「紙切れ……説明書ですか」
「ああそうさ。でも詳しい説明は何も書いちゃいない、書いているのはその鞘の名前だけさ」
サクヤさんは自らのデイパックからある物体を取り出す。
取り出されたものは装飾がなされた剣の鞘。
西洋の剣を収めるための鞘のみがそこにあった。
「これだけ……ですか? 鞘の中身はないんですか?」
「ああこれだけさ、年代物の鞘。古物商に売りつければ小遣い稼ぎぐらいにはなるかね」
私は鞘を手にとってそれを見つめる。装飾はなかなかのものであり、年代物の風格を漂わせている。
「この紙切れがくっついてなかったらただの鞘として見れたんだけどねぇ……」
「紙切れ……説明書ですか」
「ああそうさ。でも詳しい説明は何も書いちゃいない、書いているのはその鞘の名前だけさ」
サクヤさんから手渡された紙切れを眺める。
そこには『エクスカリバーの鞘』と書かれ小さく『全て遠き理想郷』とルビがふられていた。
「エクスカリバー……」
「私もそれ知ってますよ~! 漫画とかゲームによく出てくる剣ですよね」
「元ネタはアーサー王伝説だけどね、りのちゃん」
そこには『エクスカリバーの鞘』と書かれ小さく『全て遠き理想郷』とルビがふられていた。
「エクスカリバー……」
「私もそれ知ってますよ~! 漫画とかゲームによく出てくる剣ですよね」
「元ネタはアーサー王伝説だけどね、りのちゃん」
エクスカリバー……数ある名剣、聖剣の代名詞とも言える存在。
イングランドの英雄アーサー王が手にした聖剣である。
その出自は諸説様々であり湖の貴婦人ヴィヴィアンに授けられたという説や、
魔術師マーリンに授けられたものである説などはっきりとはしていない。
イングランドの英雄アーサー王が手にした聖剣である。
その出自は諸説様々であり湖の貴婦人ヴィヴィアンに授けられたという説や、
魔術師マーリンに授けられたものである説などはっきりとはしていない。
「へぇ……千華留もアーサー王伝説を知ってるんだ。なら話が早い」
「と言っても物語で知ってる程度ですけどね」
「それでもいいさ、コレが本物ならどういう代物かわかるかい?」
「ええ、本物なら――」
「えーっいくら本物でも鞘だけじゃ意味がないんじゃないですかーっ?」
「エクスカリバーは刀身本体も名剣として相応しいものだけど、その真価は鞘のほうにあるのよ。
物語中でもアーサー王はりのちゃんと同じ勘違いをして魔術師マーリンに叱られていたわ」
「と言っても物語で知ってる程度ですけどね」
「それでもいいさ、コレが本物ならどういう代物かわかるかい?」
「ええ、本物なら――」
「えーっいくら本物でも鞘だけじゃ意味がないんじゃないですかーっ?」
「エクスカリバーは刀身本体も名剣として相応しいものだけど、その真価は鞘のほうにあるのよ。
物語中でもアーサー王はりのちゃんと同じ勘違いをして魔術師マーリンに叱られていたわ」
エクスカリバーの鞘の能力、それは身に着けた者のあらゆる傷を癒す魔法の力。
鞘によって不死の力を得たアーサー王は数々の合戦に赴き勝利していったのである。
だがその鞘は魔女モルガンによって奪われ、アーサー王はやがて非業の最期を遂げる。
死の間際、アーサー王は数少ない生き残りの部下であるベディヴィエール卿にエクスカリバーを、
湖の貴婦人に返却するように命じたのである。
鞘によって不死の力を得たアーサー王は数々の合戦に赴き勝利していったのである。
だがその鞘は魔女モルガンによって奪われ、アーサー王はやがて非業の最期を遂げる。
死の間際、アーサー王は数少ない生き残りの部下であるベディヴィエール卿にエクスカリバーを、
湖の貴婦人に返却するように命じたのである。
「でも伝説の中の剣なんだから本物なわけないですよ」
「そうね……」
私は何も答えない、確かにりのちゃんの言うとおり。
アーサー王伝説は実際にあったことも盛り込まれているのだろうが、後世になるにつれヨーロッパ各地の伝説も付け加えられて完成されたもの。
故に本物なんて存在するはずがないのだ。
「そうね……」
私は何も答えない、確かにりのちゃんの言うとおり。
アーサー王伝説は実際にあったことも盛り込まれているのだろうが、後世になるにつれヨーロッパ各地の伝説も付け加えられて完成されたもの。
故に本物なんて存在するはずがないのだ。
「――全ての伝説、説話、寓話が架空のものとは限らない。そうは思わないかい千華留?
かのトロヤ戦争とてシュリーマンが遺跡を発掘するまでは伝説の存在だったからねえ」
サクヤさんは静かに言った。
……この人は一体何者なのだろう、自称ルポライターだから職業柄その手の知識に触れる機会が多いからなのだろうか?
かのトロヤ戦争とてシュリーマンが遺跡を発掘するまでは伝説の存在だったからねえ」
サクヤさんは静かに言った。
……この人は一体何者なのだろう、自称ルポライターだから職業柄その手の知識に触れる機会が多いからなのだろうか?
「まあ、仮に本物だったとしてこれをあたし達が扱えるとは思えないからねえ……それこそアーサー王本人でもなきゃ使いこなせないはずさ」
◆ ◆ ◆
私達は喫茶店を出てそれぞれの目的地に向かうことになった。
私とりのちゃんは奏さん達と合流するため島を北上する。
サクヤさんはもう一つの支給品……全参加者情報と書かれた一枚のディスクを解析するためパソコンを探す。
それと彼女の知り合いである羽藤桂という女の子を探すため島の東側に向かう。
「いいかい、集合場所の確認をするよ」
「はい、二回目の放送のころにF-7の駅でおちあう……そうですね」
「あんたが探している蒼井渚砂だっけ? 見つけられるように努力する――だから」
「サクヤさんの探し人、桂ちゃんを……私もできる限り探します――だから」
私とりのちゃんは奏さん達と合流するため島を北上する。
サクヤさんはもう一つの支給品……全参加者情報と書かれた一枚のディスクを解析するためパソコンを探す。
それと彼女の知り合いである羽藤桂という女の子を探すため島の東側に向かう。
「いいかい、集合場所の確認をするよ」
「はい、二回目の放送のころにF-7の駅でおちあう……そうですね」
「あんたが探している蒼井渚砂だっけ? 見つけられるように努力する――だから」
「サクヤさんの探し人、桂ちゃんを……私もできる限り探します――だから」
「「死なないで」」
私とサクヤさんの声が重なる。
お互い背を向け違う道を歩む一歩を踏み出そうとした。
と、背後からサクヤさんの声がした。
「おっと忘れるとこだった……千華留、これを持っていきなっ!」
サクヤさんはデイパックから長いそれを取り出し私に手渡す。
「エクスカリバーの鞘……でもこれじゃサクヤさんが……」
「あんたロクな武器持ってないだろ? 使い方がわからなくてもそれで殴るぐらいはできるさ」
「私は銃を持ってるけど……サクヤさんは丸腰じゃないですか」
「こう見えても体力と腕っ節に自信があってね、大の男一人二人ぐらいなら素手でなんとかなるさ」
そう言って彼女はからからと笑う。
「千華留……りのをしっかり守ってやりな……りの、千華留を困らすんじゃないよ」
優しい笑みと声で私達に語りかけるサクヤさん。
う~んこれが大人の女性の魅力ってやつですか。私も五年ぐらい経てばこれぐらいの貫禄は身につくのかな……
お互い背を向け違う道を歩む一歩を踏み出そうとした。
と、背後からサクヤさんの声がした。
「おっと忘れるとこだった……千華留、これを持っていきなっ!」
サクヤさんはデイパックから長いそれを取り出し私に手渡す。
「エクスカリバーの鞘……でもこれじゃサクヤさんが……」
「あんたロクな武器持ってないだろ? 使い方がわからなくてもそれで殴るぐらいはできるさ」
「私は銃を持ってるけど……サクヤさんは丸腰じゃないですか」
「こう見えても体力と腕っ節に自信があってね、大の男一人二人ぐらいなら素手でなんとかなるさ」
そう言って彼女はからからと笑う。
「千華留……りのをしっかり守ってやりな……りの、千華留を困らすんじゃないよ」
優しい笑みと声で私達に語りかけるサクヤさん。
う~んこれが大人の女性の魅力ってやつですか。私も五年ぐらい経てばこれぐらいの貫禄は身につくのかな……
「りのちゃん、行きましょう」
「はいっ!」
まずは駅へ、そこから電車に乗り島の北側へ。
私達は歩き出す。それぞれ違う道を、想いを胸にして。
「はいっ!」
まずは駅へ、そこから電車に乗り島の北側へ。
私達は歩き出す。それぞれ違う道を、想いを胸にして。
【G-4 別荘地/1日目 黎明】
【浅間サクヤ@アカイイト】
【装備】:なし
【所持品】:支給品一式。『全参加者情報』とかかれたディスク。
【状態】:健康
【思考・行動】
1:羽藤桂の発見。(単独ならば保護)
2:島にいる参加者の情報収集。及び、お互いの認知。
3:首輪を外せる人物の確保。
4:脱出経路の確保。
5:可能ならばユメイは助ける。葛と鳥月は放置。
6:蒼井渚砂を探す
7:1が済み、3と4が成功したならば、禁止エリアに桂と退避する。
【浅間サクヤ@アカイイト】
【装備】:なし
【所持品】:支給品一式。『全参加者情報』とかかれたディスク。
【状態】:健康
【思考・行動】
1:羽藤桂の発見。(単独ならば保護)
2:島にいる参加者の情報収集。及び、お互いの認知。
3:首輪を外せる人物の確保。
4:脱出経路の確保。
5:可能ならばユメイは助ける。葛と鳥月は放置。
6:蒼井渚砂を探す
7:1が済み、3と4が成功したならば、禁止エリアに桂と退避する。
◆ ◆ ◆
サクヤさんと別れた私達は闇夜の別荘地を歩いていた。
ふと隣を歩いていたりのちゃんに視線を移す。
どことなくうつむき加減で元気が無いように見えた。
「りのちゃん……どうかしたの?」
「…………」
りのちゃんは何も答えない、だがその目は何かを訴えているようにだった。
私はそれ以上何も言わず、りのちゃんが言葉を発するのを待っていた。
「千華留さん……」
りのちゃんの歩みが止まり、私の名を呼ぶ。
はっきりとした口調でその次の言葉を紡ぐ。
ふと隣を歩いていたりのちゃんに視線を移す。
どことなくうつむき加減で元気が無いように見えた。
「りのちゃん……どうかしたの?」
「…………」
りのちゃんは何も答えない、だがその目は何かを訴えているようにだった。
私はそれ以上何も言わず、りのちゃんが言葉を発するのを待っていた。
「千華留さん……」
りのちゃんの歩みが止まり、私の名を呼ぶ。
はっきりとした口調でその次の言葉を紡ぐ。
「千華留さんの鉄砲……本物だったんですね……」
「うん……」
あの時、私はりのちゃんにおもちゃの銃と嘘を吐いた。
その小さな嘘が今の私の心をちくちくと痛めつける。
りのちゃんの純真無垢の目が私の罪悪感を責め立てる。
「うん……」
あの時、私はりのちゃんにおもちゃの銃と嘘を吐いた。
その小さな嘘が今の私の心をちくちくと痛めつける。
りのちゃんの純真無垢の目が私の罪悪感を責め立てる。
「私嫌だよ……千華留さんまで人殺しになるのは……」
りのちゃんはその目いっぱいに涙を湛え訴える。
目をそらせたかった。だけどそれはできなかった、目をそらすのはりのちゃん対する裏切りのようで――
私は何も言えずただりのちゃんを見つめているだけだった。
目をそらせたかった。だけどそれはできなかった、目をそらすのはりのちゃん対する裏切りのようで――
私は何も言えずただりのちゃんを見つめているだけだった。
ぽふっと小さな身体が私に触れる。
りのちゃんが今にも泣きそうな顔でわたしの胸に顔を埋め、私を抱きしめていた。
りのちゃんが今にも泣きそうな顔でわたしの胸に顔を埋め、私を抱きしめていた。
「どうして……みんな仲良くできないの……! どうして私たち殺したり殺されたりしなきゃならいの!」
胸の中で泣きじゃくるりのちゃん。
ああ――この子は本当に無垢で純真だ。
人と人は解り合えると信じて疑わない、あまりに純粋な少女。
だけど人と人が解り合うためには、本来人と人は解り合えないことを理解しなければならない。
「そうね……世界中の人達がりのちゃんみたいだったらこんな事は起きなかったでしょうね……」
そっとりのちゃんの頭を撫でてあげる。栗色の柔らかい髪が私の指に絡まりあう。
胸の中で泣きじゃくるりのちゃん。
ああ――この子は本当に無垢で純真だ。
人と人は解り合えると信じて疑わない、あまりに純粋な少女。
だけど人と人が解り合うためには、本来人と人は解り合えないことを理解しなければならない。
「そうね……世界中の人達がりのちゃんみたいだったらこんな事は起きなかったでしょうね……」
そっとりのちゃんの頭を撫でてあげる。栗色の柔らかい髪が私の指に絡まりあう。
「でも世界にはりのちゃんの優しい心と同じぐらい、悪意が存在している。
この島は世界の縮図、平和な日常に暮らしていた人達が悪意に呑まれ殺人者となる。
人が人して存在する限り善意と悪意は光と影のように切り離せないものなのよ。
私自身、もしかしたら悪意に飲み込まれ絶望に染まってしまったかもしれない。でも私はここにいる――」
この島は世界の縮図、平和な日常に暮らしていた人達が悪意に呑まれ殺人者となる。
人が人して存在する限り善意と悪意は光と影のように切り離せないものなのよ。
私自身、もしかしたら悪意に飲み込まれ絶望に染まってしまったかもしれない。でも私はここにいる――」
りのちゃんが顔を見上げる。私はその柔らかい頬を撫でて言った。
「りのちゃんがここにいるおかげで私は道を誤らなかった。ここにいることができるのよ……」
「だったら約束……約束してください……何があっても千華留さんは千華留さんでいるように……
例え何があっても……私が死んでしまっても、大切な人が死んでしまっても自分を見失わないように……」
「だったら約束……約束してください……何があっても千華留さんは千華留さんでいるように……
例え何があっても……私が死んでしまっても、大切な人が死んでしまっても自分を見失わないように……」
そっと彼女は小指を差し出す。
私も無言で自らの小指を差し出す。
絡み合う細い指。
私は人の善意という物に全てを賭ける。
そしてあの神父に思い知らせてやる。この世には絶望と同じぐらい希望に満ち満ちていることを。
私も無言で自らの小指を差し出す。
絡み合う細い指。
私は人の善意という物に全てを賭ける。
そしてあの神父に思い知らせてやる。この世には絶望と同じぐらい希望に満ち満ちていることを。
【源千華留@Strawberry Panic!】
【装備】:怪盗のアイマスク@THE IDOLM@STER、能美クドリャフカの帽子とマント@リトルバスターズ!、
スプリングフィールドXD(9mm×19-残弾16/16)
【所持品】:支給品一式、エクスカリバーの鞘@Fate/stay night[Realta Nua]
【状態】:健康
【思考・行動】
基本:殺し合いはしない。りのちゃんや渚砂ちゃんを守る。
0:島を北上するため駅に向かう。
1:りのちゃんと一緒に行動。
2:渚砂ちゃん、奏会長、プッチャン、桂ちゃんを探す。
【装備】:怪盗のアイマスク@THE IDOLM@STER、能美クドリャフカの帽子とマント@リトルバスターズ!、
スプリングフィールドXD(9mm×19-残弾16/16)
【所持品】:支給品一式、エクスカリバーの鞘@Fate/stay night[Realta Nua]
【状態】:健康
【思考・行動】
基本:殺し合いはしない。りのちゃんや渚砂ちゃんを守る。
0:島を北上するため駅に向かう。
1:りのちゃんと一緒に行動。
2:渚砂ちゃん、奏会長、プッチャン、桂ちゃんを探す。
【蘭堂りの@極上生徒会】
【装備】:メルヘンメイド(やよいカラー)@THE IDOLM@STER、ドリルアーム@THE IDOLM@STER
【所持品】:支給品一式、ギルガメッシュ叙事詩
【状態】:健康
【思考・行動】
基本:殺し合いはしない。ダメ、絶対。
1:千華留さんと一緒に行動。
2:奏会長、プッチャン、渚砂さん、桂さんを探す。
【装備】:メルヘンメイド(やよいカラー)@THE IDOLM@STER、ドリルアーム@THE IDOLM@STER
【所持品】:支給品一式、ギルガメッシュ叙事詩
【状態】:健康
【思考・行動】
基本:殺し合いはしない。ダメ、絶対。
1:千華留さんと一緒に行動。
2:奏会長、プッチャン、渚砂さん、桂さんを探す。
※浅間サクヤと情報を交換しました。
※第二回放送の頃に、【F-7】の駅に戻ってくる予定。
※第二回放送の頃に、【F-7】の駅に戻ってくる予定。
042:World Busters! | 投下順 | 044:契約、そして |
042:World Busters! | 時系列順 | 045:まこまこクエスト~狸と筋肉とスライムと呪われし血脈 |
026:The Course Of Nature~秒速5メートル~ | 浅間サクヤ | 068:嘆きノ森の少女 |
030:えきぞちっく・といぼっくす | 蘭堂りの | 064:ときめきシンパシー |
030:えきぞちっく・といぼっくす | 源千華留 | 064:ときめきシンパシー |