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ときめきシンパシー

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ときめきシンパシー ◆UcWYhusQhw


「まあ……結論から言うとかなり収穫はあったな」

私のパートナー―棗恭介―は笑いながらそういった。
いや……あれだけの危険があって収穫だけで済ますのかしら。
あの4本腕の人間から良く逃げてこられたと思う。
我ながら凄い幸運だと思う。
正直マイナスしかないようにしかないように思うんだけど。
クリスのことを知ったのは唯一のプラスと思えることぐらい。
こんな早くにクリスの情報が入るとは思わなかった。
それは素直に喜ぶべき点だろう。

でも私は大聖堂を選ぶ事はしなかった。
クリスには会いたい。今すぐでも。
でも行くにはデメリットが多いのだ。
まず第一にクリスが今でもそこにいるか不明である点。
行っていなかったら骨折り損である。
確証もないまま感情で動くわけには行かない。
第二にこのまま西洋風の街に戻るってことは即ちあの魔人に会う危険性があるという事。
それだけは確実に避けたい。
もう一度あの男と戦ったとして勝てる気がしないのだ。
即ち死への可能性が非常に高いのだ。
死んでしまっては意味がないのだから。

そして決めた大きな要因は鳥月から得た情報にあった。

「……それでクリスと行動していた人間、来ヶ谷だっけ? 本当に大丈夫なの?」
「ああ、勿論。来ヶ谷は乗るような人間じゃないし協力しているなら間違いなく安全だろう。 
 黒い長髪で黄色いリボン。黒っぽい制服。そして鳥月と渡り合える実力。恐らく来ヶ谷に間違いない」

そうそれはクリスが恐らく恭介の知り会いと行動している事だ。
鳥月から詳しく知った大聖堂の戦い。
そこにはクリスと協力していた人間がいるらしいのだ。
その子の情報は黒い長髪で黄色いリボン。黒っぽい制服。そして鳥月とわたりあえる実力。
このことに恭介はピンと来たらしい。
恭介が言うにはその人は元の世界の仲間リトルバスターズの一員らしい。
安心できる人間と恭介が言い切ったのだから私はそれを信用する。
恭介が言うんだから間違いない。
だから私は元のプランどおりに行動する事を決めた。
つまり線路上を辿って行動する事である。
そして今私達はそう行動している。向かうは駅へ。

「収穫って何が収穫なのよ?」
「美味しい情報ばっかだったじゃないか。鳥月のは」

え? どこら辺が。
確かにクリスの情報が得られたの大きいけど他はいいのなんてないはず。
そんな私に恭介は笑いながら私に教えてくれた。

「いいか? 俺たちが手に入れたのはクリスの事。それに黒髪長髪リボンをした女。おそらく来ヶ谷。
 そして、俺たちが知らない人間、青髪の男、黒髪長髪の女。両方とも殺し合いに乗っている。
 どちらも戦闘馴れしてないらしい。この情報はとても有効だ」
「どうして? 不完全じゃない?」
「不完全だからさ。トルタ」

え、不完全だから有効。
何故かしら。
不完全ってことはあやふやの所が多いのよね。
……そうか。

「つまり、情報を作り変えるのも容易でなおかつ単純だから騙しやすいってことね」
「そう言う事だ。人によってはこっちの方が通じる。第一間違ってた事ばれてもそんな影響ないしな。こういう情報も有効に使うもんさ」

流石ね、恭介。
あんな少ない事でここまで含まらせることができるなんて。

私にも何か役に立てる事ないかしら。
何か役に立ちたい。
私は助けられてばっかじゃないもの。
恭介の役に立てる事……

「トルタ」
「……え、何?」
「……焦るなよ」
「焦ってるだろう。見ればわかる」

私が焦ってる?
どうして恭介はそんな事いってるのかしら。

「いいか? トルタ。お前は自分が思っているほど十分役に立ってる」
「……違う。私はあくまで恭介に従ってるだけ。恭介みたいに作戦を立てたり考え付いたりしていない!」

そう私はあくまで恭介の作戦に従っているだけ。恭介の掌の中にいるだけ。
私も役に立ちたい。
私が提案したのだって恭介はもうとっくに知っているのだ。
戦闘の時だって足を引っ張ってばっか。
私は……私は。
ただ恭介に甘えてるだけ。

「恭介に甘えてるだけよ……私は。たまたま与えられた『パートナー』という立場に満足して何もしてない……」
「……トルタ」
「……私は役に立ちたいのよ! 自分の力で! 貴方に! 何も、何にもできない! 私は……私は」

そう自分の力で役に立ちたい。
誰かに指示されるのではなく自分の考えで。
私は何もできないままじゃない。
そんなの……そんなの。

ギリッと歯を強く噛む。
ただ悔しくて、悔しくて。
無力だという事を思い知らせて。
そんな私に恭介は近寄りそっと声をかける。
私の肩を強く握って

「違う。トルタお前はしっかり役に立ってるよ」
「どこがよ……ただ傍にいるだけじゃない」
「傍にいるだけだいいんだよ……それにお前は頑張って自分自身の力で動いてるじゃないか」

傍にいるだけ?
それって役にはたってないじゃない。
私は自分自身の力でどう動いているのよ。

「お前はただ俺の事を聞いてただ動くだけ人形じゃないだろ? しっかりと考え、また俺に不足あるときは補ってくれる。
 それこそ最高の『パートナー』だよ。それでいいんだよ。今は」
「でも!」
「お前は頑張ってるよ……あの男と戦った時だって恐怖に震えず頑張ったじゃないか」

恭介はそういって私の後ろ髪に触る。
だけどそれはもうあのときのような長い髪じゃない。
あの男と戦ってる最中にに少しきられてしまったのだ。
今は辛うじてリボンを結んでられる程度の長さしかない。
ちょっと悲しいけど、そんなこといってられないから。

そんな私の髪を恭介は優しく梳かす。
まるで私を落ち着かせるかのごとく。
優しくいたわるように

「だからいいんだ。今はゆっくりと考えようぜ。まだ始まったばかりだ。トルタは焦らずゆっくり考えればいい自分にしかできないという事を
 今は傍にいてくれて支えてくれるだけで満足なんだから……だからな。良く頑張ってるよ。トルタは……こんな髪にまでなってさ」
「……ん」

恭介の優しい言葉が心に溶けて行く。
伝わるのは優しさ。
その言葉は私を落ち着かせていってくるれる。

「……いいのかな? 今はそれで」
「ああ。今はそれでいい。そしてゆっくり考えていこう」

うん……考えよう。
私の役割を。
ただのパートナーだけじゃなくて。
きっと自分に出来る何かがあるから。
恭介だけに重荷を背負わせなくて。
私にできるはず。
だから頑張ろう。

「ん、ありがと。行こうか」
「ああ。行こう」

きっと私にもできる事があると信じて。
少しずつ探そう、私ができる役割を。




◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇




俺達あの後そのまま線路沿いから少し離れている所を辿っていてとりあえずG-4の駅に向かうことにした。
そしてもうリゾートエリアに入ったんだがどこかトルタの様子がおかしい。
なんか廻りをきょろきょろ見回して落ち着かないのだ。
さっきの事は吹っ切ったようなのだけど今は何処かそれとは違うのに埋め尽くされている。
そう違和感というものに。

「どうした? トルタ?」
「いや……見慣れない光景だなと思って。私のところにはこんな建物なかったから」

トルタが指を示したのは遠くにある高いビル。
そして次に示して見せたのは光り輝く遊園地の看板。
同じくビーチリゾートの外見を写した看板。

どれもそんな目新しいものじゃない。
俺らの町でも遠出をすれば見つかるものだ。
何をそんな珍しがってるんだ? トルタは?
トルタの国には無かったのかな。

「普通にあると思うが……トルタの住んでる国には無かったのか?」
「ええ……見たことないわ。恭介は……名前的にジャパンよね? ジャパンにはあるの? こんな凄いもの」

ジャパンか。
外国の人からみればそうだろうな。
日本は確かに沢山あると思う。
トルタはヨーロッパ系だと思ってたからすっかり判ってたと思うけど地域で違うのか
……うん? ヨーロッパ?
あれ? おかしいな。よく考えればありえない事だ。
そういや

「トルタ……お前日本語わかるのか? 出会った時から言葉が通じてるし」
「いえ……わかんないわ。恭介、貴方こそ私の言葉わかるの?」
「判る訳ないさ……おい、ってことは」
「ええ……まさか」

そうそれはまずあり得ない事の筈なんだ。
あったら間違いなく困る。
でも今この起きてることは確かなんだ。
そうそれは

「「なんで……言葉が通じている……?」」

言葉が通じてるというありえない現実。
普通はありえない筈なんだ。
むしろ当然のように受け止めていた。言葉が通じる事を。
二人が出会ったときから。
疑問に思わなきゃ絶対に気付かなかった事実。
それに気付いた事で俺はさらにありえないことに気付いた。
それを確かめる為俺はペンと紙をだし日本語でこう書いた。

『これが読めるか? トルタ?』

トルタはコクンと頷く。
そしてトルタも同じように書き出す。

『読める? 恭介』

俺も頷く。

トルタが書いたのが何故か日本語に見え読めるのだ。
ありえない。
ありえちゃいけないんだ。
頭が混乱してくる。

落ち着け、俺。
焦っちゃいけない。
考えろ、その答えを。

どうして言葉が通じるかを。
まずこの世界自体が異質なんだ。
俺を連れてこられた時点で。
でも何故言葉まで……?
分からない。

そんな迷いきった俺にトルタが筆談をしてきた。

「恭介。考えてもしょうがないわ。行きましょう」
『恭介……ある仮説をたてたんだけど聞いてくれる? 凄く馬鹿げた話』

トルタが判ったというのか?
それに馬鹿げた話って何だ?

「ああ、そうだな。いくか」
『聞かせてくれどんな話でも』

トルタはこくんと頷き神妙な顔して書き始めた。
トルタが立てた仮説は

『いい? 恭介。主催者はあの人間2人。もし彼らがあの4本腕の人間のような奴でもこんな互い言葉が通じさえる力があるとは思えないの
 じゃあどうやって……あいつらが言葉を通じさせたか。そう考えたら思いついたの。一つのものを』
『それは……なんだ?』
『彼らの背後にきっと私たちでは考えられない黒幕がいる……たとえば天使や神様とかね?』

え……神様?
馬鹿な……といいたい所だがぶっちゃけそれが正しい話のように思える。
言葉を互いが直にわかる。
それができるなんて本当神様の様な奴しか無理だと思う。
神様かどうかなんてわかんない。
でも黒幕の存在。

『変かな……?」
『いいや、アリだ……実にいい考えだ』

そう、アリだ。
考えられるのはその存在が言葉を通じさせたという事だけ。
それしか考えらない。
トルタは自分が褒められたようで実に嬉しそうだ。
しかしそう考えるのなら、俺も嬉しい。

「ヒャッホウ!! いいぞ! トルタ! これは有力の情報だ! これは絶対役に立つ!」
「え……そうなのかな?」

そうだよ、トルタ。
この主催の情報、他のやつらにも有効だ。
現状気付いてるやつらもすく無さそうだしこれは食いつくだろう。
となるならきっと今これを知るのは大きい。

「よし! トルタ! 面白い情報も手に入ったし行くか!」
「……え、ええ」

俺はやたらハイテンションで行く事を促す。
トルタ、やるじゃないか。
お前意識してないがしっかり役に立ってるぜ。
その柔軟な思考はうらやましい。
もっと役にたってる事を気付いてほしいんだが、中々うまくはいかないか。

そう思って俺達は一歩踏み出す。
その時

きゅ~~~

思いっきり2人の腹の音がなった。
あ……そういえば何も食ってないのか。

思いっきり2人の腹の音がなった。
あ……そういえば何も食ってないのか。

「……と、とりあえず食事にしない……き、恭介」
「……あ、ああそうだな。」

トルタが恥ずかしそうに話す。
まあ……普通恥ずかしいな。
でも……

「あはははは!!」
「笑うなあ! 恭介! 貴方も鳴ったでしょうが!」

こんなところまで似るなんて。
全く面白い。





◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇





俺達はその後近くの民家に入ることにした。
その家は小さく平屋でキッチンとリビングしかないような本当小さい家だった。
それにしても生活感がある家だ。
小物や机の上に散らばってる書類。
まるで少し前まで人が住んでてたような感じがする。

「さて、食事するか」
「ええ……って、わあ……」

トルタは何かに気付くように感嘆の声をあげキッチンの方に駆け寄る。
どうしたんだ?
あんなに目を輝かせて。
戸棚まであけて

「すごい、すごい。食材が何でもそろってるわ! これなんでも作れる! 恭介なんか作ってもいい?」
「……うーん、そうだな」
「お願い、恭介」

ぐっ……あんまりおススメではないのだけど。
飯の匂いや音で人が寄って来る可能性もある。
殺し合いに乗ってる奴だったら大変だ。
だから止めるべきなのだが。
……なのだが。

ぐっ……あんまりおススメではないのだけど。
飯の匂いや音で人が寄って来る可能性もある。
殺し合いに乗ってる奴だったら大変だ。
だから止めるべきなのだが。
……なのだが。

トルタ、俺をそんなに見つめるな。
そんなキラキラした目で俺を見るな。
まるで何かをねだる子供のようだ。

……可愛い。

ハッ! 俺は決してあれじゃないぞ!
あれじゃないんだからな! 本当に!

……クッ。
仕方ない。
そんな顔で見られたら断れない。
ああ、何だかなあ。
まあ……いいか

「いいぞ。なんかうまいもの作ってくれ」
「やった。ありがとう! 恭介」

トルタは喜び手を合わせてキッチンのほうに駆け寄り早速準備をし始めた。
俺はそのままリビングの椅子に座りトルタが料理してるのを見守る。
ただし玄関のほうにも気を利かせて。

「うーん……何つくろうかなあ? 朝だから優しい料理がいいよね……えっと恭介は何が好きなのかな……うーん」
「俺は美味しければ何でもいいぞー」
「え……そう……なら……あれがいいよね。美味しくできると思うし楽しみに待っててよ」
「おーう」

なんか……平和だ。
トルタは楽しそうに料理始めている。

ああしてると本当に普通の少女なんだけどな。
いや……本当皆そうか。
こんな殺し合いじゃなきゃな。
自分の力で止めたい。
でも……そういうわけに行かないんだ。
そうなんだよ。
だから止めるわけいかないんだ。

「♪~~~♪~~~~」

歌なんか歌っちゃって。
トルタ、お前は本当幸せに暮らしてたのかな。
ちょっと背負い込みすぎただけの普通の子なのかもしれない。

「報われない思いが濡れてく~~~♪傘もささない帰り道~~~♪」

しかし歌がうまいな。
なんかそんな学校でも行ってたのかな。
報われない思いか……。
きっとそんなことにしないさ。
俺達はそのために戦ってるんだから。

「冷たい雫~~~雨~~~♪~~~ん? あれ? 恭介ー!」
「はいはい? なんだ?」

トルタがなんか困った風に俺を呼ぶ。
どうしたんだ。

「なんかしたのか?」
「ガスがないのよ。おかしいな」

ガス……確かにないな。
でもこれで大丈夫じゃないか?

「IHヒーターあるじゃんか。これでなんとかなるだろ」
「あいえいちひーたー?」
「ああ知らないのか? これを暖めるだな。これをここにおいて。後スイッチを押すだけだ。沸騰するから」
「ふえ~いつの間にこんなもの出来たんだ。本当にこんなのできるの? それにこの四角い箱は?」
「電子レンジだよ。まさかこれも知らないのか。すぐに暖められる奴だよ」
「……す、すごいわね。今の科学は全然知らなかった」
「いや……当然の知識だろ?」
「知らないわよ……ほらあっち行った」

トルタにせかされもとの場所に戻る。
なんで知らないんだあいつ。
IHは兎も角電子レンジくらい知ってるだろ。
ほぼどの家庭でもあるはずだ。
それは外国だって例外じゃないはず。
あいつはヨーロッパ系だから知ってておかしくないのだが。
何故だ?

「わわ……本当に沸騰してる! 温まってる! なんでえ~!? どうしてえ~!?」

いやそこまで驚くなよ……可愛いな。
でもなんでしってな……まさか。

そこで俺はある仮説を思いついた。

それはトルタが違う『時代』から連れてこられたという事。
それならば電子レンジを知らない理由もわかる。
そしてあのビルや看板に驚いた理由も。
前だったら馬鹿な話だと思うけど今なら正しいと思う。
神のような力のもつのが黒幕だったら。
それならきっとできるはず。
しかし……どうしてわざわざ違うところから?
そこに何の思惑が?
なぜ……

ガチャ

その時突然玄関の扉が開いた。
俺は思考を止めその先に銃を向ける。
トルタもいつの間にやら銃を構えている。
早いな……トルタも。

だが玄関を開けたところには人がいなかった。
鋭いな……あっちも警戒してるのか。

なら
「こちら、殺し合いに乗ってない……そっちも乗ってないなら武器を玄関の前に捨ててくれ」
「そちらも同じ事をお願いするわ」
「わかった、なら同時に」

トルタに目で合図して俺だけ捨てる事にする。

「せーの」

二つの銃がそこに置かれる。
そして現れる2人の少女。

「疑ってすまないこちら棗恭介。殺し合いに乗ってない」
「私たちも乗ってないわ。源千華留。こっちはりのちゃん」

こうして俺たちはやっと殺し合いにのってない人間に会うことが出来た。




◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇




「それでりのちゃん達は電車の時間待ちでここら辺探してたんだ」
「はい。なんか時間があわなくて。そしたら美味しそうな匂いが」

で、今俺達は食卓についている。何故か。
情報交換もするまもなくだ。
とりあえずりの達が電車に乗ろうとして時間が合わなくてここら辺を探索することにしたということだけ知らない。
それを行った後まもなくトルタの料理が完成したのだ。
量も多く作ったらしく4人分は普通にあった。

「中々美味しいわね。このミネストローネとリゾット。トルタちゃん上手ね」
「そんな事ないです……千華留さん、ただ家庭料理を出しただけですから」

トルタが料理を褒められてなんか気恥ずかしそうだ。
女の子同士だからだろうか。
もう気軽に話す中にまでなっている。
……こんな事してる場合じゃないんだけどな。

「恭介も美味しい?」
「ああ。美味しいぞ」
「本当に?」
「本当だ」
「そう」

そういって顔を紅くした。
え……なんで?
別にたいしたこと言ってないんだが。
どうしてそんなに照れる?
わからん。

ああ……演技か。
おれを好いてる様に見せるための。
なんかそう判った瞬間ちょっと悲しかった。
しかし本当演技上手だな。
俺も騙されそうだ。

「りのちゃん、あーん」
「ええ!? いいですよ!?」
「ほら、そんな事いわないで。ほーら」
「あ、あーん」

何だこの2人の仲のよさは。
何かは花が咲いてるようだ。
なんか見てるこっちが恥ずかしい。

トルタがじっとそれを見つめる。
凄く熱心に。
何故そんなものを?

その瞬間

「恭介……あ、あ、あ、あーん」
「ぶっ!?!?!?」

ぶっ!?!?
思いっきりスープふいたじゃないか!?

なんで俺にそれを振る!?
まさか演技なのか!?
俺にそんな恥ずかしい事させるのか!
お前は!
く……実はお前天然か!
そうなのか!

「ほ、ほら、あ、あーん」
「クッ」

トルタも真っ赤になってる。
糞!
もう逃げれないのか、俺は!
この恥ずかしさ全開ワールドから!

おお、神よ。
勘弁してください……

俺は覚悟を決めて口を開ける。

「お、おう……あーん」
「うん……あ……あ……あーん」

恥ずかしい。
非常に恥ずかしい。
……ん?
トルタ目を閉じてないか?
恥ずかしいのか。

……不味い。
今トルタのスプーンはおもいっきり口より射程外だ。
このままでは……こぼれて悲惨な事に。

軌道修正だ。
よしこれなら口に入る。
問題ないはず。
さあこの運命を受け入れろ棗恭介。

俺は大きく口を開けた。

だかトルタのスプーンがまた少し上がった。
馬鹿な!?
ホップしただと!?

射程外に!

ま、間に合わない。

……どうやらそれは残酷な運命だった。

「あっつうううううううううううううう!?!??!?!?」
「え!? ご、ごめん!?」

熱いのを思いっきりかかった。
トルタはそのままかかった所をタオルでふく。
申し訳なさそうに謝りながら話しかける。

「御免なさい……恭介」
「いや……大丈夫だ」

ま、まあこれで終わるだろう。
これぐらいはいい。
トルタは安心してこう言った。

「じゃ、じゃあもう一回」
「え゛」

なんという宣言。

神よ。
……ヘルプミー。

「あ、あーん」
「くっ……あーん」

でも今度はしっかりトルタも目を開けている。
これなら大丈夫。
俺は安心してその運命を受け入れる事ができる。

「恭介……あ、あーん」
「あーん……むぐ、うん美味しい」

無事食べる事ができた。
何と言うかすごい気苦労。
もう勘弁して欲しい。
いくら演技でも。

そしてトルタは茹でたトマトみたいに真っ赤だ。
……本当に恥ずかしかったらしい。
……やらなきゃいいのに。


「ねえねえ、みました千華留さん?」
「見ましてよ、りのさん……まったくこんな朝から」
「そうですよね~まったく惚気ちゃって」

は!?
思いっきり忘れてた。
この2人!
ま、まずい。

「これはちがっ」
「何処が違うのかしら~トルタちゃん?」
「そ、それは」

千華留……今のお前近所のオバンだ。
トルタも反応するな。
思う壺だ
真っ赤なトマトがさらに真っ赤になって本当に。
本気で恥ずかしかったんだな。
……まあ、これで演技とは思われてないし。
……まあいいか。

……いいのか?

って
「こほん、千華留いい加減情報を交換しよう」

こんな事ばっかしてる暇なんかない。
とりあえず情報交換だ。

さあミッションスタートだ。
うまくやるぜ、俺。

とその時

「―――」

遂にこのときがやってきた。
そう死を告げる放送が。



【G-4平屋/一日目 早朝(放送直前)】
【2人の共通方針】
1:電車の沿線を行動範囲に、線路近郊の施設を探索。
2:他の対主催のメンバーと接触。
3:そこから情報を得る。
4:自分に危害が出ないように、相手のプロファイリングを元に他の対主催の悪評、もしくは真実を伝える。
5:十分な情報を得たらそのメンバーと別れる。もし理樹、クリスがいるメンバーなら合流。その後隠れながら邪魔な対主催メンバーを排除。
6:もし中々合流できない場合、もっとも安全だと思われるチームに合流。(戦力の面で、信頼関係も含め)
7:序盤は積極的には人を殺さない。基本同士討ちを狙う。情報最優先。終盤は対主催の中心になりなるべくマーダー排除。のち疲労した対主催から狙う。
8:最悪クリス、理樹、鈴がどちらかが死亡した場合は片方のサポートに徹する。両方死亡した場合は互いに優勝を狙う。二人になった場合一騎打ち。
9:ただし完璧に脱出ができる状況になったらそのまま対主催に変更。
10:また、主催の動向や信憑性次第でも対主催に変更。
11:列車の沿線を行動範囲にしていることを信頼できる人間に託し、理樹、鈴、クリスに伝えてもらう。
12:脱出や首輪、主催者の目的についても真剣に考察する。
13;羽藤桂を見付けたら保護。但し残り人数が二桁を切った場合や、止むを得ない理由がある場合はその限りで無い。




【棗恭介@リトルバスターズ!】
【装備】SIG SAUER P226(7/15)@現実、ラジコンヘリ@現実
【所持品】:支給品一式、SIG SAUER P226の予備弾45@現実、デジタルカメラ@リトルバスターズ!
【状態】:脇腹に浅い切り傷、胸部に軽い打撲、中度の肉体的疲労 結構恥ずかしい
【思考・行動】
基本方針:共通方針の通りに行動し理樹、鈴を優勝させる。ただし慎重に慎重を期す。
0:放送を聴く、その後情報交換
1:電車の沿線を徒歩で進み、他の参加者と交流する。近郊の施設を探索する。
2:道中、筆談などを用いて殺し合いや首輪についてトルタと考察する。
3:トルタの過去に興味。
4:『トルタの好意に気付いている』フリをし、親密にしても怪しまれないようにする。
5:できる限りトルタを見捨てない。
6:道中の地形を把握する。



【備考】:
※トルタを信頼し、共感を抱いてます。
※トルタとの間に符丁をいくつか作りました。
 『時間』と『動詞』の組み合わせで意思疎通を行います。
 (『分』:名簿の番号の人間、『待つ』:怪しい など。
 『秒』や『時間』、その他の動詞の意味については詳細不明です)
※トルタとはぐれた場合の合言葉は『トルタの知り合い全員の名前』です。
※参戦時期は鈴ルートの謙吾との野球対決後、リフレイン以前です。
 故に、リトルバスターズメンバー、特に謙吾に申し訳なさを感じています。
※羽藤桂の細かい特徴を認識しています
※黒幕がいると思ってます
※参加者によっては連れてこられた時代が違うと思ってます


【トルティニタ=フィーネ@シンフォニック=レイン】
【装備】:Sturm Ruger GP100(6/6)@現実
【所持品】:支給品一式、Sturm Ruger GP100の予備弾18@現実、不明支給品×1(本人、恭介が確認済み)
【状態】:中度の肉体的疲労 非常に恥ずかしい
【思考・行動】
基本方針:共通方針の通りに行動し、クリスを優勝させる。ただし慎重に慎重を期す。
0:恥ずかしい……
1:電車の沿線を徒歩で進み、他の参加者と交流する。近郊の施設を探索する。
2:道中、筆談などを用いて殺し合いや首輪について恭介と考察する。
3:恭介の過去に興味。
4:『恭介に好意を抱いている』フリをし、親密にしても怪しまれないようにする。
5:できる限り恭介を見捨てない。
6:道中の地形を把握する。



【備考】:
※恭介を信頼し、共感してます。
※恭介との間に符丁をいくつか作りました。
 『時間』と『動詞』の組み合わせで意思疎通を行います。
 (『分』:名簿の番号の人間、『待つ』:怪しい など。
 『秒』や『時間』、その他の動詞の意味については詳細不明です)
※恭介とはぐれた場合の合言葉は『恭介の知り合い全員の名前』です。
※登場時期はアルルートのアルが復活した頃です。
※羽藤桂の細かい特徴を認識しています
※黒幕がいると思ってます



【源千華留@Strawberry Panic!】
【装備】:怪盗のアイマスク@THE IDOLM@STER、能美クドリャフカの帽子とマント@リトルバスターズ!、
     スプリングフィールドXD(9mm×19-残弾16/16)
【所持品】:支給品一式、エクスカリバーの鞘@Fate/stay night[Realta Nua]
【状態】:健康
【思考・行動】
 基本:殺し合いはしない。りのちゃんや渚砂ちゃんを守る。
 0:放送を聴く
 1:りのちゃんと一緒に行動。
 2:渚砂ちゃん、奏会長、プッチャン、桂ちゃんを探す。




蘭堂りの@極上生徒会】
【装備】:メルヘンメイド(やよいカラー)@THE IDOLM@STER、ドリルアーム@THE IDOLM@STER
【所持品】:支給品一式、ギルガメッシュ叙事詩
【状態】:健康
【思考・行動】
 基本:殺し合いはしない。ダメ、絶対。
 0:放送を聴く
 1:千華留さんと一緒に行動。
 2:奏会長、プッチャン、渚砂さん、桂さんを探す。



浅間サクヤと情報を交換しました。
※第二回放送の頃に、【F-7】の駅に戻ってくる予定。


063:破天荒筋肉!(前編) 投下順 065:End Of All Hope
063:破天荒筋肉!(前編) 時系列順 065:End Of All Hope
057:First Battle(前編) 棗恭介 093:これより先怪人領域(前編)
057:First Battle(前編) トルティニタ=フィーネ 093:これより先怪人領域(前編)
043:王達の記録 蘭堂りの 093:これより先怪人領域(前編)
043:王達の記録 源千華留 093:これより先怪人領域(前編)

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