夜の向こうで待つ人へ ◆EAUCq9p8Q.
明らかにされていくその片鱗。それは、「頭のネジが外れている」なんて表現では済まされない異常ぶりだった。
ネジの数で言えば常人から数十から数百はぶっ飛んでいる。
これだけ頭のネジが外れていれば、あるいはそれはもう、別の構造の別の生命と呼べるという範疇。
そう、あるいは。
『絶望』という種の新生命とでも呼ぶべき少女。
それが、魔法少女のランサーからの伝聞で見えた、
江ノ島盾子という少女の真の姿だった。
予選から始まり、先ほどの特大級の交渉決裂に至るまで。
誰かを殺し。
世界を煽り。
きらりを見出し。
彼女を救い。
彼女を操り。
『死神様』と共謀し。
息を吸うたびに誰かが呻きを漏らし、息を吐くたびに誰かが傷つき。
誰かの怒りで体の熱を保ち、誰かの悲しみで喉を潤し、誰かの焦りで鼓動を打ち、誰かの折れた心を食んで飢えを満たし。
全身全霊で周囲に対し悪意をみなぎらせ、もしくは一切の悪意なく無邪気に。
周囲の全てに絶望を振りまいてきた。
杏だって他者の悪意とかそういう黒い部分に疎いわけではないと思っていた。
ネットでは匿名でインファイトをしまくっていたし、格ゲーをすれば暴言をぶつけあったし、アイドル業界のど真ん中で後ろ暗い噂を耳にしたことだってある。
だが、
江ノ島盾子の持つそれは明らかに深さが、暗さが、濃さが違う。
ちびっこ相撲大会に両国を制した横綱が土俵入りをしたくらいには見てきた景色とその景色を見るために培った力に差がある。
人知を超えた絶望が、杏を見つめて笑っている。「私はこういう女だよ。さあ、あなたの親友のきらりちゃんはどうなるでしょう」と言いながら。
言い切った魔法少女のランサー……姫河小雪/スノーホワイトになんと答えればいいのか、言葉は見つからない。
平時なら「自分に正直に生きてるねえ」くらいで流す。スケールがでかすぎて理解の枠を超え、一周回って冷静になるくらいには別世界の話。
だが、別世界は口を開けて杏が飛び込むのを待っている。
杏からきらりへと繋がる全ての線の上で、笑顔で手を振り待ち構えている。
「……なんだかなあ」
深くついたため息が、つぶやいた言葉が、自販機で買ったコーヒーの湯気をぼかす。
コーヒーの熱では補いきれない、夜風のせいだけではない身の冷たさ。
小一時間に及ぶ
情報交換。そこで杏の心のなかに生まれた感情。
それを何かと形容するなら。
これ以上なく、そして疑いようもない、絶望だった。
江ノ島盾子に飲まれず垂れ流された絶望が、この街に溶けていく。
☆
情報交換が終われば、今後についてを語らう時が来る。
杏の目標は決まっている。きらりの笑顔だ。
だが、先ほど感じた予感はまず間違いではない。杏が何か行動を起こせば、その先で
江ノ島盾子との衝突は免れない。
また、きらりのサーヴァントをなんとかする必要がある。
もしも無警戒で近づけば、あのボロボロの喫茶店の代わりに今度は杏がぺしゃんこだ。
並び立つ壁の高さと険しさは想像したくない。
横でアニメチックなたんこぶをこさえてチョコボーをかじる相方、ランサー・
ジバニャンを見る。
ズボラさとマイペースさならばこの聖杯戦争でぶっちぎりの一位を取れるだろうこの猫が、
江ノ島盾子を出し抜く策をひねり出せるとは思えない。
最高に近いスペックを持つロボニャンを拳の一振りで砕き抜く僧兵のバーサーカー相手に、この猫が優位を取るには随分な手回しと根回しがいるだろう。
「マスター?」
「ランサー、一対一のヨーイドンだったらあのすっごい強そうなサーヴァントに勝てる?」
「無理ニャン。オレっちの命なんて瞬間で輝くニャン」
「だよねえ」
分かっていても尋ね、分かりきった答えに息を吐く。
だったら杏はどう動くか。
少なくとも片方、可能ならば両方の壁を、一時的にかいくぐりたい。
そのために杏の手札では足りないのであれば、外的要因を使って、無理やり壁をこじ開ける。その準備が必要だ。
飲み干したコーヒー缶を投げる。こんな時ばっかり、缶は運良くゴミ箱に一発で入る。その幸運を、欠片でも、今後自由なタイミングで使えればいいのに。
立ち上がり大きく背伸びをすれば、こわばった体が小さな音を立てながらほぐれていく。
「じゃあ」
一言杏が言った瞬間、スノーホワイトの目が鋭くなった。
何も言わずに槍(喫茶店で杏を救ったものだ)を取り出し、声を潜めて杏に語りかける。
「杏さんはランサーと一緒に、あちら側から出てください」
あちら側、と指定されたのは来た道とは違う方向だ。
表情、武装、指示。三つ揃えばなんとなく察する。
「誰か居るの?」
「……『気づかれたくない』という心の声が聞こえました。
こちらを狙うアサシンのサーヴァントかもしれません。
私が一度仕掛けて敵の気を引くので、杏さんはその間に」
運悪く鉢合わせたか、あるいは必然で追い詰められたか。
そもそも本当にサーヴァントが居るかどうかも怪しい。根拠はスノーホワイトが自称しているスキルだけ。
だが、小一時間話して得た彼女の印象と迫真の声色は、杏の心の天秤を疑う方ではなく信じる方に傾けた。
ジバニャンとも念話で情報をやり取りし、黙ってついてくることと周囲を警戒することを口をすっぱく言いつける。
ジバニャンははっと周囲を見回した後、口を塞いでコクコク頷いた。
さあ、後はスノーホワイトの合図で逃げ出すだけ。なのだが。
「ねえ、ランサー……あ、白い方の」
「なんですか」
「これ、持っといて」
渡したのは今朝方
ジバニャンが使っていた携帯ゲーム機。
最近のゲーム機はIDを交換してネット環境さえ整えておけばメッセージのやりとりが出来る。
スノーホワイトが本当にきらりの救出を手伝ってくれるならば、
江ノ島盾子の介在する余地のない連絡経路を確保しておく必要がある。
これが
江ノ島盾子の手に渡り逆手に取られることがあるかもしれないが、そのリスクを飲んででも、杏はスノーホワイトとの繋がりを絶ちたくないと思っていた。
ようやく掴んだ、一つ目のピース。きらりの笑顔へと繋がる第一歩。
ここでこの程度のリスクを飲めなくて、ニートはやっていられない。
「使い方、分かる?」
「……たぶん。多少は」
「後で送るよ。くれぐれも『又貸しはやめて』ね」
「オレっちの、ゲーム……!」
手で口を抑えアワアワ言いながらワナワナ震える
ジバニャンはほうっておいて、最後に一言二言交わす。
「逃げ場の失われる公共交通機関は使わず、なるべく人通りと明かりの多い道を選んで移動してください」
「物騒なアドバイスどうも」
言い終わると同時に杏のゲーム機から旧
ジバニャンのゲーム機に「あ」とだけ書かれたメッセージを送る。
すかさずそれを確認したスノーホワイトは、メッセージの読み方は理解したと頷いてみせた。
そこまで進めば、もう会話は必要ない。
スノーホワイトは手に持つ槍を構えて走り出し、杏は震える
ジバニャンの手を掴み駆け出す。
夜の闇の向こうまで飛んでいく
ジバニャンの「オレっちのぉぉおおおおおおおおおおお!!!」という叫びが、小さな公園での幕間を締めくくった。
☆偽アサシン
こちらに向けて駆け出す影が一つ。こちらに背を向け駆け出す影が二つ。
判断は単純。主命を果たすのみ。
そのために偽アサシン・まおうバラモスは諜報のために身を隠していた生け垣の後ろから立ち上がり、はげしいほのおを吐き散らした。
駆け寄ってきていた影、小娘がたたらを踏む。
立派な獲物を見る限り、槍兵(ランサー)のクラスに相違ないだろう。
昼間の決闘の、老兵のランサーを思い出し、傷が疼く。
追撃で放つのはメラゾーマ、はげしいほのおとは違う指向性の爆炎が渦を巻きながら小娘に迫る。
小娘は横っ飛びに飛び退き回避。またしても避けられる。
だが、やはり回避の一手だ。今度の小娘のランサーは炎を裂く技術も魔法も持ち合わせていないのだろう。
いけるか、やれるか。頭の中で魔王の挟持と主命がせめぎ合う。
動き出す小娘が見えた。思考が整うのを待たずイオナズンを放ち、周囲が真昼のように照らされる。
「避けきれるか、小娘ぇっ!」
爆裂、爆裂、更に爆裂。光と熱と音。三つが混ざりあい小さな公園を塗りつぶしていく。
爆煙の向こうが見えるより速くまたはげしいほのおを吐き、距離を保つ。
どうやら小娘は遠距離攻撃の術も、こちらとの距離を詰める術も持たぬらしい。
口から笑いが漏れる。
朝の勇者、昼の老兵、どちらもバラモスの手に余る敵だったが、こいつは違う。
こいつは、バラモスでも殺しうる贄だ。
一陣吹き抜けた夜風に爆煙が薄れ、炎の向こうで身を低く構える小娘のランサーの姿が見える。
真っ白な戦闘装束はイオナズンの余波で焦げている。無効化や反射もない。
再度放つはイオナズン。周囲にばらまくようにして小娘の逃げ場を潰す。
イオナズンを放つ直前、小娘は閉じ込められる運命を見抜いたように回避に移った。
爆風を背に大きく跳躍する小娘目掛けて間髪入れず放つのはメラゾーマ。自由の聞かぬ滑空状態を最高火力で焼き切る。
だが、再度小娘は何かを察したように地面に槍を突き立て無理やり軌道を切り替える。
体を焼き尽くすはずのメラゾーマは公園の少ない緑を燃やすだけだった。
「嬉しいぞ、小娘。そなたのような脆弱な英霊も居るのなら、出張った甲斐があるというもの」
立ち上がる小娘に笑いながら投げかける。
宝具は懸念事項だが、ここまで追い詰めて出てこない宝具なら、余程のなまくらか、あるいは余程のもろはか。
仮に準備に時間がかかると言うなら、準備が済むより速くひねり潰せばいい。
「あなたは」
姿勢を低くしたまま小娘が囀る。
「どうして、こんなことを」
バラモスがこんなことをする理由は単純。主命故だ。
主命。情報を集め、我が主
ゾーマのもとへ持ち帰ること。
そのために今までは戦闘を避け、敗走することもあった。
だが、こいつは違う。この小娘は、魔王に嬲られるただの人間だ。
こんな小娘一人とて首級の一つと獲って帰れば、いつかに響くやもしれぬ鬨の声を彩れるというもの。
なんと答えれば目の前の小娘の最期がより歪むか。
にたにたと悩むバラモスの答えを待たず、小娘は、一言、口にした。
☆
一瞬の虚。
小娘は走り、手に持った槍でシーソーを切り取り、バラモス目掛けて投擲した。
我に返りシーソーを腕で叩き落とす。視界の向こうで待っていたのは切り取られたシーソーの残り。
それを更に叩き落とす。小娘の姿がない。
「そなた、その名をッ!!」
イオナズンを唱える。夜の闇を染め上げるために。
空中に登り、爆裂した閃光が、周囲をあかあかと照らしあげる。
「どこで、その名をッ!!」
公園内にはすでに居ない。
駆け出し、公園の敷地外を見渡す。建物の屋根を飛びながら去っていく小娘の背が見える。
「小娘ぇぇぇぇぇえええええええええええええ!!」
心根の弱い人間ならば聞くだけで引きつり臓器を吐き出すほどの怒気が籠もった絶叫。
だが、その絶叫がどれだけ闇夜を貫こうとも、小娘が振り向くことはなかった。
身を隠すことも忘れ背を追いながら頭を動かす。
ゾーマについて知られた。これが意味することは何か。
あの小娘がバラモスという存在について知識を持っていたならば思い至るも道理か。
いや、違う。そういう次元の話ではない。
ゾーマの存在を知られれば、
ゾーマの不意を打たれるやもしれぬ。
バラモスが在る以上、
ゾーマは戦うことが出来ぬ。そこを何らかの方法で島ごと破壊されれば、
ゾーマはそれで終わる。
ならばどうする。
小娘とバラモスの距離は縮まない。どころか、屋根を飛び最短経路で逃げる小娘と翼もなく地を駆けるバラモスでは差は開くばかり。
魔法を撃っても、振り返ることすら無く完璧に避けられる。
ならばどうする。
幸いにして、小娘の逃げる方角は
ゾーマの控える地とは別の方向。
身を隠し、一度退き、
ゾーマの指示を仰ぐか。
あの小娘が攻めてくる程度ならば問題ない。返り討ちにして腹わたを喰らい尽くすのみ。
逃げ出した小娘の仲間、取るに足らぬ。徒党を組んで戦おうというならばもとよりそうしていたはず。
それをせんということは、つまりあれらも小娘同様武勇の者ではないか、あるいは近接では冴えぬ者か。
嬲られる小娘を見て見ぬ振りという現状なら、前者の可能性のほうが高いだろう。
このまま身を晒し駆け続け、他の――それこそ、勇者のセイバーや老兵のランサーのような敵に見つかればそれこそ悪手。
駆ける足を止め、闇夜を跳び抜ける小娘の背をにらみつける。
「覚えておれよ、小娘。次に会う時がそなたの最期じゃ」
捨て台詞を投げ、遮蔽物に身を隠し、今度は足音も消す程に慎重に移動を始める。
目指すは一路、
ゾーマの契約者たる少女の控える拠点。
【C-5/住宅街/1日目 夜間】
【偽アサシン(宝具『まおうバラモス』)@ドラゴンクエストⅢ そして伝説へ】
[状態]健康、焦り
[思考・状況]
基本行動方針:大魔王城完成まで図書館には近寄らずに情報収集
0.早朝まで生きて残り、参加者の情報を大魔王
ゾーマに伝える。
1.一時撤退し
ゾーマへ報告。
2.
ゾーマの秘密を守るため、小娘(スノーホワイト)とその仲間(杏&
ジバニャン)は殺したい。
[備考]
※
中原岬&セイバー(レイ)、
シルクちゃん&ランサー(本多・忠勝)、
双葉杏&ランサー(
ジバニャン)、ランサー(姫河小雪)を確認しました。
レイが勇者であることも気付いています。
ランサー(スノーホワイト)が
ゾーマの名を呼んだことに危機感を覚えています。
※遮蔽物がある場合気配遮断もあって発見しにくいですが、見つかるときは見つかります。
※宝具であるため念話・霊体化は使えません。魔力はアサシン(
ゾーマ)のものを使用します。
また、実際のバラモスとは違って状況によって思考判断を行い、分が悪ければ防御・撤退もします。
※彼の持つ気配遮断:Eは『NPCには見つからない』『参加者には隠れていれば見つからない』程度です。
参加者に一人で歩いているところを見られれば見つかります。
※『NPCを極力殺さない』という
ゾーマの命令を守ります。ただし極力なので必要に応じて殺します。
※早朝、もしくは非常時と判断した場合にのみ廃教会に帰ってきます。
※
フェイト・テスタロッサを見つけた場合、彼女の危険性を判断します。
危険ではないと判断した場合、保護を申し出て教会まで連れ帰るつもりです。(ただし生存優先のため、危険であると判断した場合は交戦・逃走もやむなし)
※C-4 小さな公園がバラモスの技で崩壊しました。
また、C-4とC-5地区でイオナズンの光が何度も確認されました。
☆ ランサー
(我が主、
ゾーマに情報を持ち帰る。脱落することは許されぬ)
スノーホワイトの問いかけに答えるように聞こえた心の声は、想像以上の効果を発揮した。
怒り狂った推定アサシン(二足歩行のオオトカゲ)は怒りと魔法を撒き散らしながらスノーホワイトを追い続けた。
ゾーマの情報を持ち帰られては困る。未だ戦闘の準備整わぬ
ゾーマを襲撃されては困る。と頭の中で唱え続けながら。
走るうちに心の声は
ゾーマを襲撃されては困ると他の参加者に見つかっては困るに切り替わり。
困った心の声がぱたりと止んだのを感じ、スノーホワイトは足を止めた。
どうやら推定アサシンは、
ゾーマのもとに帰ったらしい。
できればその
ゾーマの居場所も知りたかったが、深入りすればあの魔法の乱れ打ちにスノーホワイトはなすすべなく膝を折り、志半ばで消滅していただろう。
推定アサシンが杏と彼女のランサーを追わないと分かった以上、一旦切り上げる。
足を止め、夜空を見上げる。
まだ、届かない。
あの推定アサシンの魔法にも勝てない程度の魔法少女がスノーホワイトだ。
それでも、届けなければならない。
これ以上の犠牲を出さぬため、次に会った時にはあの推定アサシンも、彼の主である
ゾーマも、必要とあらば打倒しなければならない。
頭の中に、
ばいきんまんの言葉が蘇る。
「いいことをするのが正義、その反対が悪」。
江ノ島盾子のそばを離れ、巨悪にして邪悪である彼女が自由に動く暇を与え。
蜂屋あいとの会合を見逃し、倒すと誓ったキャスターとの交戦の機会を棒に振り。
大いなる禍根の一つかもしれない推定アサシンに背を向け、彼の離脱を追わず。
行ったことと言えば、きらりを守るため、杏と手を組んだこと。
それでも、スノーホワイトは、正義のために、戦えているのだろうか。
答えの出ない問いに目を伏せ、そのまま瞬間霊体と化す。
数瞬後、スノーホワイトは屋根をすり抜け建物内に滑り込んでいた。
大きな病院の中。万が一に備えて身を隠すのと、態勢を整えるのにはもってこいだ。
四次元袋を覗き込む。か細い正義の証がブルーライトを放っていた。
見れば、モバイルネットワーク内蔵らしく、無線インターネット環境ではないが電波を受信できていた。
場所を踏まえて一旦電源を切る。数分といえども、「何か」が起こらないとは言い切れない。
そう考えながら、スノーホワイトは院内を物色し、目当てのものを見つけ出す。
炎を吐くトカゲ。才のないスノーホワイトがそれに対抗するには、これを使うほかない。
スノーホワイトが探し、手をかけたのは、院内に設置されていた消火器だった。
【C-6/病院内/1日目 夜間】
【ランサー(姫河小雪)@魔法少女育成計画】
[状態]ダメージ(小)、疲労(中)、絶望(小)、ストレス
[装備]
[令呪]
[道具]ルーラ、四次元袋、消火器×3、杏の携帯ゲーム機
[所持金]なし
[思考・状況]
基本行動方針:出来る限り犠牲を出さずに聖杯戦争を終わらせる。
0.
江ノ島盾子の思惑を破壊する。
1.杏の携帯ゲーム機を使い杏と連携。きらりを助ける。
2.
江ノ島盾子と
蜂屋あいを野放しにしていることに罪悪感
3.推定アサシン(まおうバラモス)を危険視。
ゾーマの正体を特定……?
4.幸子はことはしばらくそっとしておく
[備考]
※
木之本桜&セイバー(沖田総司)、
フェイト・テスタロッサ&ランサー(
綾波レイ)、
蜂屋あい&キャスター(アリス)、キャスター(
木原マサキ)、偽アサシン(まおうバラモス)、バーサーカー(
チェーンソー男)、
輿水幸子を確認しました。ステータスは確認していません。
ゾーマという名前を心の声経由で知りました。正体については不明です。
※
江ノ島盾子がスキル『困った人の声が聞こえるよ』に対応していることに気づきました。
蜂屋あいの心の声が聞こえません。
※
諸星きらりの声(『バーサーカーを助けたい』『元いた世界に帰りたい』)を聞きました。
彼女が善人であることを確信しました。
ニートを舐めないでほしい。
いくらアイドルを始めたと言ってもニートはニートなんだもの。
公園を駆け出し、勢いが良かったのは最初の数十秒。後は脇腹を押さえながら、肺の底からこそぎだすような呼吸を垂れ流しよれよれ歩くばかり。
逃げながら見れば、空がライトの数十倍の光度で照らされていた。
爆音が続き、知らない人が見れば季節外れの花火のように映ったかもしれない。
光は杏から離れるように向こうへ向こうへと進んでいく。
それを見て、杏はまた少しだけスノーホワイトのことを思った。
善悪や白黒はともかく、行動は一貫している。
ひょっとすると、本当に、信頼してもいいのかもしれない。
いやいや油断は禁物と、棒のような足を引きずり考える。
あの
江ノ島盾子のサーヴァントだ。
江ノ島盾子がなんらかの方法で裏で糸を引いている可能性もある。
慎重にいかなければ、取りこぼすことになる。それだけは、避けたい。
えっちらおっちら歩き、たまに休み、また歩き。
一応スノーホワイトから言われたように、公共交通機関は使わず、最低でも明かりは確保できている道を進む。
小さな体に運動不足の足じゃ、家に帰り着くまでに時計の針は十二時を周ってしまっていた。
また少し休憩と足を止め、携帯ゲーム機を見る。
スノーホワイトからメッセージはない。当然だ。えっちらおっちら歩くばかりで使い方を送っていない。
どうやって説明するか、いっそ説明書ページのURLでも貼るか。
なんて考えている杏の視界に、見慣れぬメッセージが飛び込む。
いや、見覚えはある。今朝も同じものが届いていた。
「
第一回定時通達」と書かれたそのメッセージを開くと、へんてこりんな文章で、脱落した人数が紹介されていた。
「もうちょい詳しく……とは、言えないか」
マスター4人、サーヴァント5騎。少なくとも杏と同じただの人間が4人、脱落している。
へんてこりんな文章に隠された毒からは、4人が全員平穏無事でさようならという話ではなさそうだ。
詳しく聞けば、その分隠された毒が顕になる。顕になった毒を見れば、杏の頭はまともな思考が出来なくなる気がする。
今はそんな辛い現実は見たくはない。
目をそらすように通達を流し読みする。
その他に書いてあるのは朝と同じ
フェイト・テスタロッサについてとデイリークエストについて。
一読し、小考。
もう一度読み直し、また読み直し、長考。
杏の頭の中で、いろいろなパーツが、くっついたり離れたりしながら、一つの形を作っていく。
「どうしたニャン、マスター?」
「ランサー……杏、決めたよ」
顔を上げ、にやりと笑う。
杏では届かない二枚の壁を、もしかしたら超えられるかもしれない。
必要なのは、ニートの持たない行動力とクソ度胸、アイドルの持たない耐久力と隠密性。
ニートが持ってる耐久力と隠密性で、アイドルの持っている行動力とクソ度胸で、それを成し遂げる。
そのために、まず、杏は作戦を口にした。
「杏は、引きこもる!!」
握った拳は、きらりの笑顔に向いている。そう信じている。
【D-3/双葉家周辺/2日目 黎明】
【
双葉杏@アイドルマスターシンデレラガールズ】
[状態]精神的疲労(中)
[令呪]残り三画
[装備]
[道具]携帯ゲーム機×1
[所持金]高校生にしては大金持ち
[思考・状況]
基本行動方針:なるべく聖杯戦争とは関わりたくなかったが
0.きらりの情報を整理。その後、なんとかしてきらりを助ける方法を探る。
1.うおおおおおおおおお!!!杏は引きこもるぞおおおおおおおおお!!!
2.きらりの奪還と
江ノ島盾子の打倒……?
3.CDに対する発言によるきらりへの複雑な感情
[備考]
※
木之本桜&セイバー(沖田総司)、
江ノ島盾子&ランサー(スノーホワイト)、蜂屋あい&キャスター(アリス)、諸星きらり&バーサーカー(
悠久山安慈)を確認しました。
※
江ノ島盾子はクロ認定、スノーホワイトは半信半疑(シロ寄り)です。
スノーホワイトとは携帯ゲーム機のメッセージ機能でやり取りが出来ます。
※自身がなんらかの理由からきらりのサーヴァント(
悠久山安慈)の標的になっていることを理解しました。
【ランサー(
ジバニャン)@妖怪ウォッチ】
[状態]ダメージ(中)
[装備]のろい札
[道具]なし
[所持金]なし
[思考・状況]
基本行動方針:なんとなく頑張る
0.言ってることが無茶苦茶ニャン!
1.めっちゃ痛いニャン! バーサーカー(
悠久山安慈)とはもう会いたくない。
2.ランサー(姫河小雪)は味方……?
[備考]
※『猫に九生あり』のうち、ロボニャンが『二重の極み』で大破しました。
暫くの間ロボニャン状態への変身が上手く行かない可能性があります。
最終更新:2020年07月26日 21:15