【設定】
旧クロスボーン・バンガードのモビルスーツ「
ビギナ・ギナII」の改修機。
元々のビギナ・ギナIIは
ビギナ・ギナの発展仕様として位置づけられている機体である。
改良型ショット・ランサーと出力強化型ビーム・シールドを装備しており、ドレル・ロナが搭乗する予定であったとされているが詳細は不明である。
入手した
ガンダムF91のデータと同機の外観的特長を元に設計されているため、ガンダムタイプに近い顔の造りとV.S.B.R.のような形状の大型スラスター・ポッドを装備しているがこれにはV.S.B.R.としての機能はなく、形状が似ているだけの可動式多方向スラスターユニットである。
本機は末尾サブタイプ記号が「B」でV.S.B.Rを装備しているビギナ・ゼラは「G」の為B型の本機の方が設計や開発順は先である可能性は高い。
本機はコスモ・バビロニア建国戦争時に鹵獲されたらしいビギナ・ギナIIを、木星決戦のためにサナリィが調達。
そして元木星帝国の特殊部隊「デス・ゲイルズ」のリーダーであるギリ・ガデューカ・アスピスの戦闘スタイルと、アタッカーとしての役割に応じて調整を行った。
出力強化型ビーム・シールドはギリの愛機だった
クァバーゼのスネーク・ハンドに換装され、ビーム・ライフルと小型核弾頭ミサイルを内蔵したショット・ランサーを装備している。
【武装】
ショット・ランサー
クロスボーン・バンガードのMSが標準装備しているものとは外観も仕様も大分異なる。
突撃槍の上部にビーム・ライフルを、下部には5発の小型核弾頭ミサイルを搭載している。
ランス部は作中で先端を射出する描写はなく、完全な打突武器である可能性が高い。
スネーク・ハンド主体で戦っていた本機よりも、ミノルのF90での活用のほうが印象深い武器である。
ビーム・ライフル
ショット・ランサーの上部に内蔵されているビーム砲。
小型核弾頭ミサイル
「鋼鉄の7人」作戦において攻撃を担当する本機とF90Iタイプ木星決戦仕様に装備され、ショット・ランサーに5発内蔵している。
コロニーレーザー「シンヴァツ」の射線変更及び破壊を行うための装備であったが、本機は「シンヴァツ」に近づく前にカリスト兄弟に両腕を破壊され、使用不可能となった。
スネーク・ハンド
左腕に装備されている蛇腹状の鞭の先端に丸鋸状のビーム・ソーを備えている武装。
元々はクァバーゼの主兵装であり、木星戦役時に
クロスボーン・ガンダムの接近戦闘スタイルに対抗するために考案された武器で、その射程はクロスボーン・ガンダムの間合いを一回り上回っている。
この武器を高速で振り回す攻撃と、「防御」担当MSのトトゥガ、「牽制」担当MSのアビジョとの連携でキンケドゥの駆るX1をおおいに苦しめた。
ギリはこの武器の扱いに自信を持っており、カリスト兄弟の放ったフェザー・ファンネルをこの武器で叩き切るという腕前を見せている。
【原作の活躍】
「鋼鉄の7人」作戦のAチーム「死の旋風隊(デス・ゲイルズ)」の攻撃担当。
日程的に慣熟飛行などもやっていないと思われるが、ギリは見事に乗りこなしてみせ、圧倒的戦力差をものともせずに進軍していった。
しかし光のカリストと影のカリスト(のバイオ脳)の駆るMS「ディキトゥス」との交戦でチームは壊滅、本機も両腕を失い戦闘不能となるが、ギリのカリスト兄弟に対する意地でコロニーレーザーに特攻、爆散する。
この特攻によりコロニーレーザーの射線がわずかにずれ、放たれた一発目のビームは地球に命中せずにすんだ。
【搭乗者】
ギリ・ガデューカ・アスピス
CV:岩永 哲哉
木星戦役時はトビアと同じか少し小さいくらいの背格好であったが、再会したトビアから「ずいぶん伸びたなあ」と驚かれ、声変わりもしているなど3年もの間に大きく成長している。
また、一人称が「僕」から「俺」に変わっているほか、性格も幾分丸くなっている。
戦役後は地球でコックとして働いており、その腕前はトビアたちがオーバーリアクションをとってしまうほどで、シンヴァツ撃破に向かう際の移動中にもメンバーに食事を振舞っていた。
料理を始めた経緯は不明だが、本人も調理の面白さを感じ始めていたようで後述のように木星の企みを知った直後は「地球が駄目になるならコロニーに移って食い物の店(レストラン)でも開く」と話していた。
当初は木星帝国軍人としての誇りや作戦の無謀さから「鋼鉄の7人」作戦への参加を拒否していたが、「スクール」で自分を「No.2」と呼んで見下していたカリスト兄弟が新総統となっていることを知り一転、参加を表明。
その上でトビアに対して「けっしてお前の仲間になるんじゃないからな!」と発言しミノルとバーンズにツンデレ呼ばわりされる。
地球上では鹵獲した量産型クァバーゼで戦い、なんとかミノフスキー・ドライブ防衛には成功するが、ブランクや重力下での戦闘経験そのものの少なさ、機体性能差もあってか苦戦している。
「鋼鉄の7人」作戦時には再結成された死の旋風隊のアタッカーとして慣れた宇宙で大暴れしていたが、カリスト兄弟には善戦するも圧倒されビギナ・ギナIIの両腕を失ってしまう。
しかし最後の意地でコロニーレーザーへ特攻、既に死亡したと思われていたバーンズの身を挺した援護もあり、機体をコロニーレーザーへぶつけ、その命と引き換えに衝突と爆風でレーザーの射線をずらし地球を救う事に成功しカリスト兄弟に一矢報いている。
【原作名台詞】
- 「さあ、惜しみなく賞賛しろ!俺はお前たちとは違うんだ」
- トビアたちに自慢の料理を振舞って見下すような態度でこのセリフを言い張る。いくら体が成長しても性格は無印から変わってなかった。
- 「木星に忠誠は誓えても…貴様のような下衆総統に振る尻尾は持ってないんだよ!!」
- 「貴様ら兄弟に…吠え面をかかせてやるぜぇっ!!」
- カリスト兄弟に大破させられたビギナ・ギナIIでコロニーレーザーに特攻したときのセリフ。
- この後ギリはいわゆる走馬燈を見るのだが、最後に思い出したのは木星にいたころではなくコックとしてトビアと再会した時のことと、かつて自分が作ったであろう料理だった。口ではいろいろ言いつつも内心ではトビアを認めていた自分に驚き、心の中で舌打ちしながら散っていった。直前には「地球などどうでもいいんだよ!」とは言っているが、カリスト兄弟に対しての反発だけではなく、地球にもそれなりに愛着を感じていたのかもしれない
【VS.シリーズの活躍】
EXVS.
EXVS.2
MBONまではフルクロスの覚醒技で登場したが、今作では覚醒技が変更されたことにより欠席となった。
EXVS.2 XB
第11弾追加プレイアブル機体として参戦。
コストは2500。
スネーク・ハンドによる格闘と、
アラナ・アビジョと
バーラ・トトゥガを呼び出して攻撃する武装を持つ見た目通りの格闘機…ではなく万能機の仕上がりとなっている。
最大の特徴は特格のカウンターでそこからの派生で核、カウンター成立時と同じ滅多切り、縦回転切り、横回転切りとどれも優秀な派生に移行可能。フルセイバーのカウンターを弾数性にして強化した感じ…といえばイメージがしやすいか。
見た目通り格闘もどれも性能はよく、キャンセル不可だが高火力派生もある。
サブのビーム・ソー、CSのショット・ランサー、アシスト、特格派生の核と豊富な射撃武装もあるためロマンと実用性を兼ね備えた機体に仕上がった。
覚醒技は死の旋風隊の連携攻撃だが、初段からの派生で特攻も出せる。
特攻技が覚醒技となったブレイヴと異なりこっちは完全に自爆技で四肢が原作での破損順に外れその後敵機を巻き添えに自爆し撃墜扱いになる。
捨てゲー対策か爆発以外全て掴み属性なため自爆前に相手を撃墜すると落下しながら四肢と武装が復活する。
PVでは
ガンダムと戦っているが、これは木星帝国の適当なプレイアブル機体が無かった事とアマクサの代役だと思われる。
もっとも、本機が投入されるシンヴァツ戦ではアマクサは出てこなかったが…。
余談だが、本機は元々はクロスボーン・バンガードの機体であり、ギリも本機に搭乗している時点では木星帝国を離反している筈なのだが、公式サイトでの所属は何故か「木星帝国」となっている。
下衆総統に振る尻尾は持っておらずとも木星への忠誠心は忘れてはいないという事だろうか。
…恐らく公式の間違いだろうが。
ちなみに、参戦時には岩永氏のSNSでEXVS公式アカウントに引用リツイートする形でスネークハンドをイメージしたような字の配置による
コメントがなされた。
EXVS.2 OB
参戦初週からなかなかの勝率と高使用率をキープしていたが、Nサブの誘導が低下した程度で大きな変更点もなく続投。
そしてフルクロスの覚醒技としても復活。かつてのようにカッ飛んで自爆するが、なぜか両解放が発動されるというおまけ付きで完全に出し得技。両解放の発動条件は単に気合いの問題なのかもしれない
【余談】
クロスボーン・ガンダムの作者がガンダムF90にF90II用のIタイプを装備できるかどうかをサンライズに問い合わせた所、返事と一緒に本機を推薦されたことで登場する事になったという経緯がある。
最終更新:2024年05月17日 15:12