アルトロンガンダム(EW版) ALTRON GUNDAM (Endless Waltz Ver.) |
登場作品 |
新機動戦記ガンダムW Endless Waltz |
型式番号 |
XXXG-01S2 |
全高 |
16.4m |
重量 |
7.5t |
所属 |
マリーメイア軍 |
武装 |
バルカン砲 ツインビームトライデント ドラゴンハング |
搭乗者 |
張五飛 |
【設定】
OVA『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』用にカトキハジメによってデザインリファインされた
アルトロンガンダム。
テレビシリーズとデザインが異なるが、設定上は同一の機体である。
OVA公開当時に発売されたプラモデルなどの商標名や関連ゲームにおける名称は、テレビ版と区別できるように『アルトロンガンダムカスタム』もしくは『ガンダムナタク』と呼称されていたが、リデザインされた同一機ではなく改良機と誤解を招くことから、徐々に『アルトロンガンダム(EW版)』という名称表記へと移行していった。
ドラゴンハングの形状が変更され、ビームキャノンやランダムバインダー、シールド、脛部スラスターが削除されたことで、よりスマートな外観に変更されている。
『敗栄』では、映像版で省略されたランダムバインダーとビームキャノンがバックパック装備『フーティエ(胡蝶)』として復活した。
【武装】
バルカン砲
頭部の2門を内蔵している機関砲。
ツインビームトライデント
ビームグレイブに代わり装備された格闘ビーム兵器。
その名の通り柄の両端から三又槍(トライデント)状のビーム刃を形成する。
更に
メリクリウスのクラッシュシールドの粒子加速技術を応用することで、ビーム刃自体の出力も大幅に向上している。
EW版ではトライデントを三又から一本のビームに切り替え可能としている。
非使用時はバックパックにマウントされる。
ドラゴンハング
両腕部に装備されているガンダニュウム合金製の大型クロー。
EW版ではより大型化し、開閉方向も上下から左右に変更されている。
シールドとしての役割も果たす。
火炎放射器がオミットされたがTV版よりもリーチは長くなっている。
【武装(その他)】
2連装ビームキャノン
『敗栄』に登場。
シェンロンの射撃能力の低さを補うべく装備された、背部の龍尾状連装ビーム砲。
ヴァイエイトのビームキャノンの技術が用いられており、出力・射程ともに優秀な性能を発揮する。
銃身部はドラゴンハングと同様の多関節アームで接続されており、背面など多方向への発砲が可能。
映像版EWでは省略されたが、『敗栄』ではランダムバインダー部分も含めた「フーティエ(胡蝶)」という名称の追加装備として新たにデザインされている。
『敗栄』では、撤去されたドラゴンハングファイヤーを補うための装備という位置づけ。
バックパック
映像版EWで使用。
地上での高速飛行用にプロペラントが増設されており、内部には減速用のパラシュートを装備している。
地球降下時に使用された。
【原作の活躍】
『Endless_Waltz 敗者たちの栄光』
『Endless_Waltz』
X18999コロニーにてヒイロの乗る
リーオーと交戦。
その後、宇宙でヒイロの
ウイングガンダムゼロ(EW版)と激闘を繰り広げながら大気圏に突入し、地球に降下。
五飛が考えを改めた後はドロシー・カタロニアに促され抗議行動に踏み切った民衆と共にブリュッセルに姿を見せ、民衆とともにマリーメイア軍を武力行使することなく追いつめる。
反乱終結後、五飛は揚子江付近(小説版によると竜一族の故郷)で本機を自爆させ、亡き妻の安らかな眠りを願う。
【搭乗者】
張五飛
CV:石野 竜三
直情的な性格で常に己の信念のまま行動する少年。
力に対する拘りが強く、悪を憎むと共に、弱い者が戦おうとする事も嫌っている。
トレーズ・クシュリナーダとの決闘から1年後、戦士として生きる道を失った事や大戦後与えられた平和を享受するだけの市民への強い嫌悪と拭いきれないトレーズへの敗北感から、自ら悪となり正義を確かめる事を思い立ち、アルトロンガンダムと共にマリーメイア軍に参加。
トロワが同じく新教聖歌隊に潜入した際には、デキムを庇う形で彼の前に立ち塞がり、更にその後、ヒイロとコロニーX-18999内部、及び衛星軌道上と2度に亘って対決する。
しかしヒイロに再び悲劇を繰り返すのかと問われ、自分の行いはかつてモビルドールで世界を蹂躙したOZと変わらないことを悟る。
ブリュッセルにて自らの意志で立ち上がった人々を背後から見届け、ようやくトレーズに対する葛藤に決着をつける。
その後、他の
ガンダムパイロット達とは異なり竜一族の故郷でアルトロンガンダムを自爆させ、機体に宿る妹蘭の魂の安らかな眠りを願うと共に、その場に現われたサリィ・ポォの誘いに応じてプリベンターに所属する事になった。
【原作名台詞】
- 「貴様らは正しいのか!?」
「貴様らは、正しいのかと聞いている!」- 潜入したヒイロとデュオの前に立ち塞がる五飛。
- ヒイロたちは何を以って今の世界を守ろうとするのか?彼らの正義を確かめるべく、双頭竜が牙を剥く。
- 「さぁ地球よ、オレに本当の正義を見せてみろ!」
- 武力を封印して平和になった世界は今再び、武力によって支配されようとしている。
この困難に世界はどう対処するのか?五飛はそれが知りたかった。
- 完全平和主義は、力なき正義は無力なのだろうか?
- 「オレは、犠牲の上に成り立つ平和という名の正義が本当に正しいか確かめたいだけだ!」
「そのために、オレは悪になる!」
「人類は変わらなかった。倒すべき敵を倒しても地球は何も変わらなかったんだ!」- 『武力を否定する今の世界は本当に正しいのか確かめたい』。
それが五飛のマリーメイヤ軍に加担した真意だった。
つまり、今の地球が武力に屈するような世界なら滅んでしまえ、ということかもしれない。
- 自らが悪になって世界を試すという手段は、奇しくもかつてのトレーズと同じだった。
トレーズの理想を継いでいるとも、否定しようとしているとも取れる。
- 「オレは、兵器として扱われた人間たちの代弁者だ!」
「オレは貴様を含む、すべての兵士のために戦っている!」
「オレと貴様はこうして戦っている!戦っている時こそ、貴様もオレも充実しているのではないのか!?」
「オレと貴様は同類だ!戦場でしか、己の存在意義を見出すことが出来んのだ!!」- 五飛はかつて戦争を軽んじていただけに、妹蘭の正義、トレーズの思想、ブローデンの夢と、色々なものを背負ってしまったことで戦いに対する捉え方が非常に重いものになっていた。
- 同じく兵士の道でしか生きられないヒイロにはそんな自分の考えが理解できるはずだと訴える五飛。
- しかし、当のヒイロは…。
- 「違ぁうッ!オレは今でも、ヤツと戦っている!!」
- "ヤツ"とは勿論トレーズのこと。
- トレーズの思想を否定し命まで奪ったにもかかわらず、世界はまた戦争への道を歩み始めている。
五飛はあの対決から1年が経っても今の世界にトレーズの死に釣り合うだけの価値を見出せていなかったのだ。
- 「オレはリリーナ・ピースクラフトを認めない!兵器を捨て、兵士を封印すれば平和という考えは間違っている!」
「それが戦う者の魂の拠り所となる!」- トレーズの「(戦争の犠牲になった)彼らは決して無駄死になどしていない」という発言を踏まえた、五飛なりの今の世界に対する見識。
- 『戦った者たちを切り捨てる』という部分に最も反発していることが分かる。
だが、弱者の肩入れをして戦いを始めてもかつての悲劇の繰り返しになるとヒイロは反論する。
- 『過去の戦争の犠牲を無意味にしないために』というニュアンスはどちらも同じだけに、ヒイロも五飛も一歩も譲らない。
- 「あれが…また繰り返されるというのか……」
- 最後にヒイロは、未来で起こりうる犠牲について問うた。
- 言い返せず呆然とする五飛の脳裏に、故郷のL5コロニーが自爆した場面がフラッシュバックする。
- 「戦いは兵士で決するものではないのだ。これでオレも戦いを捨てることができる…。フッ、さらばだトレーズ」
- 本当の意味でトレーズとの決着がついた瞬間。
- 勝ち目のない戦いを続けるガンダムたちの姿を見て立ち上がった民衆は、平和のための戦いを始めた。
- これこそがトレーズの愛した人の在り方であり、ヒイロの望んだ兵士の必要のない世界だった。
- 自分たちの意思で正義と悪を判断し、武器に頼らない民衆には、OZやロームフェラ財団のような支配者は必要ない。
トレーズやミリアルドのような存在に縋ることもない。それを理解した五飛はようやく微笑む。
- 望む決着を付けられなくても、逃げずに悩み続けて結論を出せるところが五飛の本当の強さなのだろう。
- 「ナタク…安らかに眠ってくれ」
- 全てが終わった後、共に戦った愛機を自爆させる五飛。
- 妻が命を懸けて守った機体を、妻の一族の故郷で眠らせる五飛なりのけじめ。
【その他名台詞】
- 「心配するな、ブローデン。オレが人類の脅威になってやる」
- 「BATTLEFIELD OF PACIFIST」より。EWへの動向へ繋がることを示唆する重要な場面。
- 五飛が接触したトレーズ派の旧OZの士官であるブローデンは、人類の可能性を信じて変革を目指す男だった。
彼の夢に共感した五飛はやがて本気で協力するようになる。
- 作中終盤、ブローデンは部下の裏切りに遭い命を落とすが、五飛は彼の遺志を継いで『人類を試す事』を決意する。
- 「…甘えるな! 自ら死を選ぶなど逃げにすぎん…! 貴様も男ならば最後まで戦い抜き、己の信念を貫き通してみろ…!」
- ゲーム『スーパーロボット大戦L』より。
- 共演作品の『鉄のラインバレル(TVアニメ版)』「中島宗美」への説得。
同作における「ナタクのファクター」の象徴とも言える場面。
実はスパロボで全くの無関係の作品キャラ同士が「説得」するイベントはこれが初めてだったりする。
【VS.シリーズの活躍】
ガンダムVS.ガンダムNEXT PLUS
以前からWのガンダムで一人だけハブられてると同情の念を買っていたが、
ウイングガンダムゼロ(EW版)と共に堂々参戦。
多くのプレイヤーが嬉しさの涙を流した。
ゲーム内ではコスト2000の格闘機体という位置づけだが中距離戦も可能。
特にメイン射撃であるドラゴンハングは格闘機にあるまじき誘導・威力で、更には弾切れも実質無い(伸びた腕が帰ってくるまでその腕が射出できない)という高性能。
ビームトライデントをブーメランのように投げつけるサブ射撃や、アシストの
サーペントのマシンガンによる援護も強力。
各種格闘は言わずもがなで、強力なものが揃っており同コストの中ではトップクラスといえる。
中途半端な距離ではハングに喰われ、不用意な撤退はトライデント、近距離ではアシストを絡めた格闘が飛んでくると敵にすると中々厄介である。
余談だが、パイロットの五飛は戦闘中もたびたび正義を口にする。
様々な人間がいるガンガンでは馬鹿にされることも少なくなかったり。
特に
マリーダには彼女が原作で使ったそのままの言葉で完全に言い負かされてしまった。
EXVSシリーズ
ガンダムデスサイズヘル(EW版)のアシストとして登場。
クロスボーン・ガンダムX1改のアシストと同じ突進系でツインビームトライデントを振り回しながら近づいて連続突きを叩き込む。
拘束時間が長いので相手を動かして格闘への布石にしたり、コンボの〆に使い相手を運びつつ片追いに持っていく等使い方は幅広い。
尚、原作では五飛とデュオは敵対している筈なのに、何故アルトロンがデスサイズヘルのアシストとして採用されているのかは不明である。
時期に目をつぶればFBの
ヒルドルブよりはマシだが…
EXVS.2
デスサイズヘルのアシストがウイングゼロとヘビーアームズ改に変更された為、リストラされた。
原作で敵対していたからおかしかった…というよりも基盤変更により新しくモデリングを用意しなければならなくなり、手間を省くためリストラされたのだと思われる。
同じような立場に
セラヴィーガンダム、
ペズ・バタラなどがいる。
【勝利・敗北ポーズ】
勝利ポーズ
通常時:ツインビームトライデントを振り回す。
両腕のドラゴンハングを展開した状態でトドメ:ドラゴンハングを展開する。EWの
エンディングの再現。
敗北ポーズ
通常時:膝をつき、orzのポーズになる。
【その他の活躍】
スーパーロボット大戦
五飛といえばスパロボ等で毎度当たり前のように敵陣営にいたり、役に立たない性能と攻略本でいわれるような、W勢の中でかなり不遇な扱い(当時はニュータイプ以外のモビルスーツ乗りはだいたいそんなことを言われがちだったが)であったが、近年の作品では本来の切れ者な一面や妹蘭の夫であった点、歴戦の猛者としての面がクローズアップされ、昔の鬱憤を晴らすような活躍を見せてくれるようになった。
特に上記の『L』で共演した『鉄のラインバレル(TVアニメ版)』は「正義」がテーマになっており、彼が加入していた「加藤機関」首領「加藤久嵩」にトレーズのような精神を感じ同志として見守る立ち位置におり、その上同僚で上記の説得する相手は「妻を亡くしたことで正義に絶望した男」という五飛の対のような設定をしているなどあまりにも作品の世界観に馴染んでいることから「ナタクのファクター」と呼ばれ一部のwikiでは記事が作られ、動画サイトなどでは「五飛いないの?」「今回は原作漫画版だから」などネタにされてしまうことに。
それ以降はある程度(昔がひどすぎたのだが)扱いが良い傾向にあり、スパロボのW勢で一番注目されるキャラといっても過言ではない。
それ故に逆に「五飛を出すたびにクロスオーバーを期待されているため悩みどころになっている」とスパロボの偉い人が
コメントしていた。
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最終更新:2024年06月06日 14:38