トールギスII TALLGEESE II |
登場作品 |
新機動戦記ガンダムW |
型式番号 |
OZ-00MS2 |
全高 |
17.4m |
重量 |
8.8t |
所属 |
世界国家軍 |
搭乗者 |
トレーズ・クシュリナーダ |
武装 |
ドーバーガン ビームサーベル シールド |
【設定】
オリジナル
トールギスの予備パーツを用いて組み上げられた2号機。
世界国家元首に就任した
トレーズ・クシュリナーダが自身の乗機として完成させた。
頭頂部の鶏冠状の部分のデザインが変更され、顔はよりガンダムタイプの意匠に近いフェイス形状となり、胴体やバックパック、シールドのカラーがブルーに変更された以外はオリジナルとの差異はない。
機体の一部にガンダニュウム合金を使用している。
機体の青色は地球の代表として出撃するトレーズの意思を反映したもの。
『敗栄』では、長期戦用にエネルギー消費を抑えた両刃のヒートサーベルを装備する。
アビリティレベル
ファイティングアビリティ |
レベル100 |
ウエポンズアビリティ |
レベル110 |
スピードアビリティ |
レベル150 |
パワーアビリティ |
レベル130 |
アーマードアビリティ |
レベル120 |
【武装】
ドーバーガン
右肩のアタッチメントに装備された携行火器。
オリジナルのドーバーガンを解析・改良したもの。
リーオーのものを
トールギス用にアップグレードしたものであり、出力に物を言わせて片腕で連射・発砲する事ができる仕様となった。
実体弾とビーム弾の選択式であり、その威力は一発で複数のMSを吹き飛ばし、ガンダニュウム合金製の
ガンダムに対しても効果を示すほどある。
ビームサーベル
接近戦用のビーム兵器。
シールド裏に2基装備されている。
シールド
若干ながらオリジナルとの耐弾性が向上している。
ゼクス機にあったエンブレムはない。
左肩のアタッチメントもしくは左腕に装備可能。
【武装(その他)】
ヒートサーベル
『敗栄』のみに登場。
対ガンダム用の武器として開発された大型の実体剣で、エピオンのヒートロッド技術を応用している。
使用時には刀身が赤熱化し、ガンダニュウム合金をも貫くことが可能。
【原作の活躍】
劇中での登場は46~48話。
世界国家軍の大将機として投入され、ホワイトファングの
ビルゴIIを多数撃墜するなど猛戦する。
その最中、因縁の相手である
張五飛の
アルトロンガンダムと一騎討ちを行い、互角以上に渡り合うも、ツインビームトライデントで胴体を貫かれ撃破される(小説版では「勝負を仕掛けた結果敗北した」とされ、こちらではわざと敗北したのではないことが明確となっている)。
アニメの企画段階では、
ガンダムを意識したものではなく黒いカラーリングが検討されており、「ブラックトールギス」として紹介された。
漫画版ではこちらの機体が登場する。漫画家のときた洸一によると、「アニメ用色指定資料が原稿の締め切りに間に合わなかったため、塗り分けが分からないように見せるためのものであった」と述べている。
【搭乗者】
トレーズ・クシュリナーダ
CV:置鮎 龍太郎
地球圏統一連合・SMS(スペシャルズ/特別モビルスーツ部隊)創設者兼最高指揮官。
本編開始時点でのOZ総帥であり、階級は上級特佐。
常に冷静沈着で飄々とした態度を崩さず、総帥に相応しい風格を持ち、若きカリスマとして、多くの兵士から尊敬・崇拝されている。
彼自身も白兵戦の達人かつ、優秀なMSパイロットであり、その技量は
ガンダムパイロットやゼクスと同等以上。
自然を愛し、闘いに対して独自の概念を持っている。
ロームフェラ財団の一員で、彼の祖父は前代表。
戦争の惨劇と悲しみを強く実感しており、戦死者の名前と人数をすべて記憶している。
サンクキングダムの
ミリアルド・ピースクラフト(
ゼクス・マーキス)とは個人的に親交がある。
AC195 12/24、
アルトロンガンダムのパイロットである
張五飛との一騎打ちで戦死。
墓碑銘には「平和のための礎となり、信念のままに死す」と記される。
名前の由来はフランス語の「13(treize)」。姓に関しては隅沢克之は「なにかの少女漫画にあったような気がする」と答えている。
小説『
新機動戦記ガンダムW Frozen Teardrop』では、宇宙の平和的指導者
ヒイロ・ユイの甥アインとアンジェリーナ・クシュリナーダの間に生まれ、弟ヴァンと共にクシュリナーダ家で生きていたことが明かされている。
本来は長子であるが、アンジェリーナの再婚で生まれた弟が相応しいと彼を支え続けていた。
【原作名台詞】
- 「所詮、連合軍は平和に慣れ過ぎている。これからの時代は我々が作ろう。我が組織OZが」
- Wの戦乱は、オペレーション・メテオに乗じてトレーズがOZと共に水面下で地球圏支配に乗り出したことから始まった。
- トレーズは、コロニーを抑圧してきた自覚がないまま、平和を呼びかけようとする地球連合から主導権を奪うべく行動を開始する。
- 「戦い続けよう。そして勝てばいい」
- 嫌われ者は強くなければならない。彼の哲学が見え隠れする。
- 「レディ。君はもう少しOZを学んでくれたまえ」
- レディ・アンはバスルームに立ち入ることが許される唯一の腹心であるが、序盤はトレーズの思想が理解できず「エレガントではない」行動を咎められることも多かった。
- 「私は…...敗者になりたい」
- モビルドール至上主義と保守的体制を推し進めようとするロームフェラ財団に逆境に諦めず闘い続けるガンダムパイロット達を引き合いに異論を唱え、締め括りとして発した言葉。
- 本作における『勝者』とは『合理性や効率性を第一とし、ただ勝利のみを求める者』、対して『敗者』とは『非合理な人間性を捨てることなく己の意志を貫き戦う者』といったような意味合いである。
- トレーズの場合は『時代を切り開く者』というにニュアンスが正しいかもしれない。
- 「戦うことを忘れ着飾った銃では、たとえ敵の胸板を撃ち抜いたとしても私に感動を与えない」
「無垢なものは無軌道なのではない、自由なのだ、心が」- デルマイユ侯爵からOZ総帥の任を解かれ、幽閉を言い渡された際の独白。
- 勝利の追求よりも戦う行為そのものを愛し貴ぶトレーズと、勝利を得ることだけに特化したMDはやはり相容れない。
- 「ヒイロ・ユイ、一つだけ忠告しておく。その機体に乗って勝者となってはならない。ガンダムエピオンは兵器ではないのだ。君が敗者として帰還することを望む」
- 戦闘の勝敗ではなく、システムに意思を飲み込まれるなという意味である。
- ヒイロこそが時代の流れを変える鍵になり得ると期待したトレーズは、戦いの意味を見失ったヒイロにガンダムエピオンを託す。
- 「よく覚えておきたまえ。礼節を忘れた戦争は殺戮しか産まないのだ。だから、地球で起きたかつての戦争は悲しかった…」
- 「ミリアルド、我々の後ろには地球がある。我々は退かない。私は地球が好きなのだ」
- トレーズはミリアルドに対し決闘を申し込むが、ミリアルドは拒否した。
- トレーズは『自らも戦場で戦う』ことで、ミリアルドは『絶大な力を行使する』ことで世界に平和を望ませようとする。
- 『人々に平和を渇望させる戦争を引き起こす』という目的は同じものの、そこに至るまでの過程に込められた信念の違いから二人は完全に決別する。
- 「ボタン一つで全ての戦いに決着がついてしまう時代があった。その忌わしい精神の根源が、このモビルドールというものだ。そして延長にあるものが、あのリーブラだ。戦争から人間性が失われれば、勝利も敗北も悲惨なものとなる。神は、どちらにもその手を差し伸べてはくれない」
- 五飛との最終決戦前の言葉。トレーズの思想は最後まで一貫していた。
- 「聞きたいかね?昨日までの時点では99822人だ」
(中略)
「戦いのために犠牲となった人々は、全て記憶している。ノベンタ、セプテム、ベンティ、ドーリアン、ワーカー、オットー、ブント……皆忘れられぬ人々だ」
「私は死者に対し、哀悼の意を表すことしかできない…...だが、君もこれだけは知っておいて欲しい。彼らは決して無駄死になどしていない。そして…!」- 最終決戦での五飛との会話。その後五飛に突撃し……
- 犠牲者の数を答える件は「野望の非難に対する常軌を逸した解答」として視聴者に大きなインパクトを与えた。
- 「五飛、我が永遠の友よ。君たちと戦えたことを誇りに思う…」
「ミリアルド…先に行っているぞ……」- 死ぬ間際の台詞。
- トレーズは、人々の戦おうとする姿勢を「美しい」と感じる一方で、大量の人命を奪う事になる戦争を「悪」と考えており(そもそも、戦争で犠牲となるのは戦う兵士以上に戦わない、戦えない非戦闘員であり、トレーズの中で、このふたつの感覚は矛盾しない)、それ故、戦争を引き起こそうとする自分を決して英雄視せず、「悪」と断じて最後まで肯定しなかった五飛を「最大の理解者」と評したのは、本心からの事である。
【VS.シリーズの活躍】
EXVS.MB
いままで非参戦機体のなかでも参戦を望む声はかなり高かったもののなかなか参戦できずにいたが、2015年6月のアップデートでついに参戦。
トールギスタイプながら通常のブーストダッシュができるという特徴がある。サブ射撃でレバーを入れた方向にスーパーバーニアをふかしてドーバーガンを撃つ。特射でレディの
ウイングガンダムを呼び出し、BR3連射か斬り抜けの攻撃を行い、特格で5秒間のみ機動力を超強化する。Fドラ+覚醒で使えばプレイヤーも扱えないほどの速度となる。
驚異的な機動性からドーバーガンを撃ちまくる機体だが、アシストの
ウイングガンダム以外では主力武器がそれしかなく、射撃とサブ射撃の弾が共用のため
トールギスIII同様弾切れしやすいのが欠点。
優秀な実弾射撃であるCSがあるものの、CS自身のダウン値・補正が低いためメインで追撃してダメを伸ばすのが定石というジレンマを抱える。
特殊格闘のスーパーバーニア中は短時間ながら全機体屈指の機動力を発揮し、更には格闘性能も強化されるので、このときに如何に切り込んでいけるかどうかが重要となっている。
格闘は全体的にエレガントさが漂うモーションで一切役に立たない格闘がない、というほど。特にBD格の連続斬り抜けはカット耐性も拘束時間も長いうえ、壁際でもこぼさないというエレガントさ。
覚醒技は
リーブラの主砲で、発射直前に
ウイングガンダムが押し出す。
こうして特徴だけ見ると「大したことのない機体」に見えるかもしれないが、この高い機動力によってドーバーガンが強力な押し付け武装へと変貌を遂げ、特格によって逃げるも攻めるのも出来るのである。そこにレディというアクセントがつくことで自由自在な戦い方が出来る。
そのため、家庭版FBで参戦した際、あの
バンシィを上回る評価を得ている。
総じて「速さこそ力」というべき欠点のない機体であり、まさに全能なエレガントすぎる機体である。修正されても決して2500トップの座を渡すことはなかった。
武装もシンプルかつ優秀なものが揃っており、このゲームを遊ぶにおいて入門にうってつけの機体であるといえるので、初心者にはぜひ触って欲しいところ。
本機がこんな優秀な性能を持つのに対し、ヒイロにはエピオンを渡したことから「こいつ敗者になる気ねぇ」とプレイヤーからは言われることも。まぁ閣下はエレガントだからね、仕方ねぇんだ。
トレーズの特殊台詞はかなり豊富で原作組は勿論の事、Wのガンダムチームと同じテロリスト繋がりかソレスタルビーイングに対する台詞もある。
EXVS. FORCE
2016年6月のアップデートで追加。
ウイングガンダムのアシストが削除された。機動力をはじめとして基礎性能は非常に高いが、フリーバトル以外は一対多数になりやすい本作では、メインとCSしか攻撃武装がないという手数の少なさが辛いところになっている
EXVS.MB-ON
当初はメインの発生大幅劣化(ビームマグナムと同程度)、特格が出撃時弾数0となるなど、こっ酷く弱体化を喰らっており
バンシィ・ノルンや
ガンダムレギルスと共に上位から完全に転落してしまった。
しかしアップデートで特格の発動時間が延長され、CSも高威力の単発強制ダウンとなった。
GUNDAN VERSUS.
相棒のレディがリストラされてしまったが、スーパーバーニアの発動時間が大幅に延長され、更に発動中は急接近が使えるようになった。
過去作のような万能機でなく、「射撃もできる強襲機」となっている。
EXVS.2
MBONとGVSの武装を折衷して参戦。特格発動中の急接近と射撃ガード付きの飛び込み格闘を得てより追い込みやすくなった。
アプデにより、MBと同じく開幕や復帰直後から特格が使用可能になるなどの強化をもらい、ほとんどの性能はMBの全盛期を上回るものを得た。
しかし、環境のインフレが進んでおりシンプルな武装構成の本機では苦戦を強いられる場面が増えている。
EXVS.2 XB
開幕SBこそ取り上げられたものの、コマンド位置替えで特殊移動が常設化。メインキャンセルで落下も可能で試合全体で見た動きやすさが大きく向上。
レディ呼び足しは射CSに移行。微若干性能が落ちているものの、無限に呼び出せるタイプとしては文句無しの出し得武装。弾切れ時の弱点も解消されている。
後落ち復帰時に強化が無くなったことでコスオバを狙われやすくなった。僚機とのエレガントな連携が求められる。
また、エクストラ機体として仮面ゼクスの初代
トールギスが参戦。アーケードでは初めてギスシリーズが勢揃いすることとなった。
EXVS2OB
S覚醒でレバサブを空撃ち連打するエレガントな脱法ムーブが没収された。
代わりといってはなんだが、覚醒技入力で格闘CSがリロードされるようになった。
アップデートで格闘面が全面的に強化。
特に主力である特殊格闘の追従性能が目に見えて向上しており、かなりエレガントな性能に。
また、入力しただけでブーストゲージを5割も消費していた特殊移動に是正が入り、出し切りでも3割ちょいとなり使い勝手がよくなった。
【勝利・敗北ポーズ】
勝利ポーズ
- 通常時:ビームサーベルを抜いて構える。エレガントである。
- 覚醒時:地面に立てたドーバーガンの銃口に両手を添えて堂々と立つ。初登場シーンの再現
敗北ポーズ
ショートして漂った後に爆散する。原作最後のシーンの再現
【その他の活躍】
スーパーロボット大戦
基本的には敵として登場するが、『D』ではトレーズと共に自軍に加入する。
『D』ではトレーズが三度復活したラスボス機に特攻を仕掛け、
トールギスIIと共に壮絶な最期を迎えている。
しかしながら、そのラスボス(ここでは詳細は割愛)は本体が現れるだけで宇宙が破滅するようなとんでもない存在であったため、トレーズが行動を起こさなければ取り返しのつかない事態になっていたのは事実であった。
そしてトレーズが特攻をした隙に、主人公勢力はその存在が現れるゲートを総攻撃して破壊し、戦いを終結に導いた。
『第2次Z再世篇』ではトレーズのスキルが強力かつ
ガンダムでもなければ太陽炉搭載機でもない為に
刹那のエースボーナスが適用されないなどの強敵として立ちはだかる。
また、最強武器であるビームサーベルのエレガントな演出が話題になった。
なお、上記の犠牲者の数を答える件は、世界観や様々な作品が参戦している都合上
桁が増え999822人と答えている。ファンからはトレーズならこれでも全員覚えていそうと思われている。
その人柄、カリスマからTV版Wが参戦するたびに出番と仲間になるかが気にされるが、トレーズが自軍の仲間になるのはDくらい(しかも最終的には上述の通り強制的に死ぬ)で、後は仲間にならず命を落とす。
もしEWに出ていたらもっと出番があり、最後まで生存するスパロボもあるのかもしれないが…(もしトレーズを出すのならそのためだけにTV版Wの分も版権などの手続きしなくてはならない)。
ちなみにシナリオライター曰く、言動が強烈であるが故に扱いにくいキャラらしく、スパロボで彼が必ず死ぬ理由も案外そんな所にあるのかもしれない。
余談だが、昔のスパロボはゲームバランスが大味で、エピオンのすべての武装が射程1というかわいそうなことになっていたのに、
トールギスIIは射撃武装が豊富にあるため、比較にならない強さを持っていたことから昔の攻略本で「トレーズはゼクスにエピオンなんてものを渡しておきながら自分はなんてものを使っているんだ」的な
コメントをされていた。
FB及びMBでも同様のことをプレイヤー達に言われることも。
【余談】
トールギスIIといえばドーバーガンを杖のように構えるシーンが印象に残るが、そのポーズでプラモなどを飾る人が多かったようで、そこそこ強い地震が起きてもトールギスIIだけは無事に立っていたという逸話があるとか。
なんというエレガントさ。
アニメ企画段階では黒いカラーリングの「ブラックトールギス」として紹介され、コミックボンボンで連載されていた漫画版ではそちらが登場している。
上記の犠牲者の数を答える件の中で語られた人物は主に物語前半で退場した者達。
ノベンタとベンティはニュー・エドワーズ基地でヒイロが撃ち落としたシャトルに乗っていた地球圏統一連合の平和論者。
セプテムは同じくニュー・エドワーズにてレディ・アンに謀られ射殺された連合のタカ派でコロニーに対して抗戦の構えを見せていた。
ドーリアンはリリーナの養父で連合の外務次官。OZのテロにより落命する。
ワーカーはコルシカ基地所属のOZ兵。
エアリーズで友軍の撤退を援護し、サンドロックに破れる。
オットーはゼクスの部下で、
トールギスで特攻を仕掛けサンクキングダムを制圧している連合の基地攻略に貢献した。
ブントは連合の司令官で秘密裏にOZと結託していたが、シェンロンガンダムに自らの乗るヘリを撃ち落とされ死亡する。小説版ではトレーズがブントの名を出した際に五飛がショックを受ける場面がある。
最終更新:2024年10月20日 18:30