川崎市の阿部孝夫市長は20日の定例会見で、東日本大震災の被災地のがれき受け入れについて、「市内に保管されている(放射性物質が検出された下水汚泥などの)焼却灰の最終処分の見通しが付いたら、被災地からの受け入れを検討したい」と改めて川崎市独自に受け入れる方針を表明した。
神奈川県の受け入れが難航するなど、進まない県内自治体のがれき受け入れに対し、後押しの意味もあるとみられる。
川崎市のがれき受け入れをめぐっては昨年4月、阿部市長が震災で被災した福島県と
宮城県を訪れた際に、「津波で残ったがれきなど粗大ごみを川崎まで運び、処理したい」と申し出た。しかし、その後「子供が心配」など1カ月で約6千件の苦情が市に殺到した経緯がある。
阿部市長は「もともと(受け入れの)状況が許せばやると川崎は表明している」と強調し、「明確に反対の意思表示をしている人もいるが、『市長にお任せします』という意見が一番多いと思っている」と述べた。その上で、「筋の通らない反対は無視する」と強い姿勢を見せた。
受け入れに前向きな阿部市長だが、依然として市内に保管された放射性物質が検出された焼却灰の処分問題が解決していない。市危機管理室によると、浮島処理センター(川崎区)では、下水汚泥と一般ごみの焼却灰計約6400トンを保管(1月31日現在)。国の暫定基準値は下回っているが、最終処分方法の見通しは立っていない。阿部市長は「どういう処分が可能かというのを明確にしながら(受け入れを)対応していきたい」とした。
また、県のがれき受け入れが、焼却灰を埋め立てる方針の県営産業廃棄物最終処分場(横須賀市芦名)周辺の大楠連合町内会から撤回を求める文書が提出されるなど難航。阿部市長は「受け入れ先には理解をしてもらいたい」と話した上で、「県ルートでできなければ、被災地から川崎で受け入れ、市内の処分場で処分するという道筋しかない」との考えを示した。
がれきを受け入れる被災地や日程など詳細は明らかにしていないが、受け入れるのは安全確認されたがれきで、阿部市長は「受け入れについて合理的な判断ができるようになったら、それを押し通す」と述べた。
会見で改めてがれきの受け入れの方針を述べる川崎市の阿部孝夫市長=20日、川崎市役所
最終更新:2012年02月21日 22:39