放射性物質を取り除くため、横浜市が南本牧廃棄物最終処分場(中区)に導入した浄化剤のゼオライトについて、市が1カ月足らずで使用を中止していたことが分かった。使用後のゼオライトからは1キロあたり5千ベクレルの放射性セシウムが検出されていた。
市は昨年10月、放射性物質を吸着し、除去する効果があるとされるゼオライトを導入。処分場にたまった汚染水を処理し、海に放流していた。住民説明会や市議会では「ゼオライトは福島でも効果があった」とPR。使用中止の説明は一切してなかった。
市によると、実際にゼオライト(5500キロ)を浄化装置に装填(そう・てん)したのは1回だけ。通水させたのは10月5日~11月1日の間だった。処理した排水は約1万8千トン。使用済みのゼオライトは国の安全基準の8千ベクレルを超えていなかったため、処分場に埋め立てたという。
井上さくら市議(無所属)は6日の市議会で、「微量でもゼオライト全体に吸着したセシウムは約2750万ベクレル。なぜ中止にするのか。今も1日あたり100万ベクレルを海水に垂れ流していることになる」と質問した。
これに対し、市資源循環局の大熊洋二局長は「10月の使用は実験。排水からセシウムは不検出なため、使っていない。国の基準を超えないように万全を期している」と繰り返した。
しかし、市が使う「(セシウム)不検出」は「検出ゼロ」ではなく、「定量下限値」未満という意味。市は一定の条件下で測定できる限度値を、セシウム134、137とも1キロあたり10ベクレルとしている。
(佐藤善一)
写真:南本牧廃棄物最終処分場では昨年11月、住民説明会が開かれた=横浜市中区
最終更新:2012年03月07日 15:19