東日本大震災で発生したがれきを防潮堤整備に活用する「いのちを守る森の防潮堤」構想をめぐり、宮城県議会と県の温度差が目立ってきた。議員連盟を結成し、全会一致で推進する議会に対し、県は法規制などを理由に慎重姿勢を崩さない。構想が動きだせば、がれき処理の工程や広域処理の行方にも影響を及ぼすだけに、15日開会の6月定例会では論戦の焦点に浮上しそうだ。
「時間的にも法的にも制約があり、(実現は)物理的に不可能だ」
村井嘉浩知事は11日、同構想の実現に厳しい認識を示した。発言の相手は、がれきの受け入れ検討のため県庁を訪れた北橋健治北九州市長。「魅力的な構想だが、議論はどの程度進んでいるのか」という問いに答えた。
村井知事は廃棄物処理法で木質がれきの埋め立てが禁じられていることや、構想実現には法改正が必要で2013年度末の処理期限に間に合わなくなる点を指摘した。
村井知事はこの日の定例記者会見でも「県の独断で進められない。国と話し合いを進めなければならない」と慎重な言い回しに終始した。
知事と市長の会談の約1時間後、議連は県議会棟で、構想に賛同する県選出国会議員との意見交換会を開いた。会合では県側の対応をいぶかる意見が続出。「そもそも、なぜ県は広域処理にこだわるのか」など県方針への異論が相次いだ。
議連の相沢光哉会長(自民党・県民会議)は「がれき量の精査の結果、がれきは県内でも十分処理できる量になった。国に広域処理を依頼した手前、後に引けないのだろう」と推し量った。
議連も引くに引けない状況にある。5月下旬には岩沼市で実証実験に着手。当日は1000人のボランティアが参加し、苗6000本を植えた。
この日の会合では「構想を進めるよう県に求める」とし、6月定例会で県の対応をただしていく姿勢をあらためて打ち出した。
2012年06月12日火曜日
最終更新:2012年06月14日 17:38