第12章 希望山脈〜バトルロワイアルに向き合うとき〜
「うわぁぁぁぁぁあああああ!!!!!」
しんのすけは無我夢中で逃げている―――
だが、それも無理はない。なぜなら―――
しんのすけは無我夢中で逃げている―――
だが、それも無理はない。なぜなら―――
マサオ君が……マサオ君が……
あの、怖がりで気が弱く泣き虫のマサオ君が―――
刀でオラを斬ろうと襲い掛かってきて、それを守ったアリサちゃんが代わりに斬られて―――
「僕は、歳破神・巨大危険種佐藤マサオだぁぁぁぁぁあああああ!!!!!」
変なお注射をしたマサオ君の体が化け物みたいになっちゃた!
変なお注射をしたマサオ君の体が化け物みたいになっちゃた!
数々の大冒険を乗り越えてきた嵐を呼ぶ幼稚園児でも受け入れられない現実を直視したからだ。
ズザァァァァァ―――
「い……イタタ」
しんのすけは痛みに耐えつつも起き上がり―――
しんのすけは痛みに耐えつつも起き上がり―――
「!?口の中に草が……ぺっぺ!」
しんのすけは転んだ拍子に飛び出てきた”草”を口にいれてしまった。
しんのすけは転んだ拍子に飛び出てきた”草”を口にいれてしまった。
「んも〜〜〜、こんな草……オラいらないゾ!」
しんのすけは、残りの草を空高くポ〜〜〜イと投げ捨ててしまった。
しんのすけは、残りの草を空高くポ〜〜〜イと投げ捨ててしまった。
―――そして、我に返ると……
「そ、そうだ!きっとこれは夢なんだゾ!」
(そうだ!マサオ君がオラを斬ろうと襲い掛かってきたり、化け物に変身なんかするわけがないゾ!)
しんのすけは夢だと思い込んだ。
先ほど、転んで”痛み”を感じているのにも関わらずにだ。
(そうだ!マサオ君がオラを斬ろうと襲い掛かってきたり、化け物に変身なんかするわけがないゾ!)
しんのすけは夢だと思い込んだ。
先ほど、転んで”痛み”を感じているのにも関わらずにだ。
その時―――
しんのすけの耳に懐かしい声が聞こえてきた―――
しんのすけの耳に懐かしい声が聞こえてきた―――
―――しんのすけ。お前はそれで良いのか?
「え?」
(その声は……!)
しんのすけは顔を見上げると、驚きの顔を見せる。
(その声は……!)
しんのすけは顔を見上げると、驚きの顔を見せる。
なぜなら―――
「お……おマタのおじさん!」
しんのすけの前に現れたのは、井尻又兵衛由俊。
戦国時代、春日家に仕えた武士。
しんのすけの前に現れたのは、井尻又兵衛由俊。
戦国時代、春日家に仕えた武士。
☆彡 ☆彡 ☆彡
「おじさん……!?どうしてここに……」
「さぁ、俺にもよくわからん。だが、しんのすけが悲しんでいると知ってな!居ても立っても居られなくて化けて出てしもうたわ」
そういうと又兵衛は”わっはっは”と大声を上げて笑う。
「さぁ、俺にもよくわからん。だが、しんのすけが悲しんでいると知ってな!居ても立っても居られなくて化けて出てしもうたわ」
そういうと又兵衛は”わっはっは”と大声を上げて笑う。
「う……うう……」
「ん?」
「おマタのおじさ〜〜〜〜〜ん!!!!!」
しんのすけは大粒の涙を流して又兵衛の胸に飛びつく。
「ん?」
「おマタのおじさ〜〜〜〜〜ん!!!!!」
しんのすけは大粒の涙を流して又兵衛の胸に飛びつく。
「これこれ、男子がそう簡単に涙を流すな」
「でも、オラ……オラ……!!」
「仕方のないヤツだ。……ところでしんのすけ。今、お前は……”殺し合い”に巻き込まれている」
「えっ!?」
「おそらく、お前の友をああしたのは、殺し合いを開いた者達の仕業に間違いないだろう」
「えええ!?」
「だから、この殺し合いをしんのすけ。お前が止めるのだ」
又兵衛が教えた真実にしんのすけは驚愕する。
「でも、オラ……オラ……!!」
「仕方のないヤツだ。……ところでしんのすけ。今、お前は……”殺し合い”に巻き込まれている」
「えっ!?」
「おそらく、お前の友をああしたのは、殺し合いを開いた者達の仕業に間違いないだろう」
「えええ!?」
「だから、この殺し合いをしんのすけ。お前が止めるのだ」
又兵衛が教えた真実にしんのすけは驚愕する。
「でも……殺し合いを止めるなんてオラにはできないよ……」
「俺は、今まで戦とは敵将の首を獲ることで終わると思っていた。だが、お前は大蔵井高虎の首を取らずに戦を終わらせた。何……此度もこの戦を終わらせることができると俺は信じてる」
又兵衛は力強くしんのすけに伝える。
「俺は、今まで戦とは敵将の首を獲ることで終わると思っていた。だが、お前は大蔵井高虎の首を取らずに戦を終わらせた。何……此度もこの戦を終わらせることができると俺は信じてる」
又兵衛は力強くしんのすけに伝える。
「おマタのおじさん……」
―――そう、ボクもしんちゃんなら止められると信じている。だってキミには”勇気”が備わってるから
「マ……マタ!」
「マ……マタ!」
マタ・タミ。
暗黒世界ドン・クラーイの住民。
人間界の支配を企んだ王のアセ・ダク・ダークを討つために勇者として選ばれたしんのすけのサポートを行った少女。
暗黒世界ドン・クラーイの住民。
人間界の支配を企んだ王のアセ・ダク・ダークを討つために勇者として選ばれたしんのすけのサポートを行った少女。
「マタ!マタ!!マタ!!!……オマタ〜〜〜」
しんのすけはマタの胸に飛び込むと甘える。
しんのすけはマタの胸に飛び込むと甘える。
「……オほん!」
マタが咳ばらいをすると、しんのすけは一歩、後ろに下がる。
マタが咳ばらいをすると、しんのすけは一歩、後ろに下がる。
「さっきも言ったけど、しんちゃんなら大丈夫!なんてったって、しんちゃんはアセ・ダク・ダークを倒した勇者なんだから」
「で、でも、それはマタやキンキン、ギンギンの力があったから……」
「ううん。たとえ、この場にボクやキンキン達がいなくてもしんちゃんならできるよ。だってキミは石にされたボクを救う為に一人でアセ・ダク・ダークに立ち向かったんだから。……だけど、力を力みすぎないようにね。だって”なんとなく頑張る”がしんちゃんのいいところだんだから」
マタは優しくしんのすけに伝える
「で、でも、それはマタやキンキン、ギンギンの力があったから……」
「ううん。たとえ、この場にボクやキンキン達がいなくてもしんちゃんならできるよ。だってキミは石にされたボクを救う為に一人でアセ・ダク・ダークに立ち向かったんだから。……だけど、力を力みすぎないようにね。だって”なんとなく頑張る”がしんちゃんのいいところだんだから」
マタは優しくしんのすけに伝える
「マタ……」
―――ええ、私もしんちゃんの勇気ならこんな催しに負けないと思ってるわ!
「トッペマ!」
「そう、私はトッペマ、あなたのしもべ…うふふ」
「そう、私はトッペマ、あなたのしもべ…うふふ」
トッペマ。
からくり人形の女の子。
その正体はヘンダーランドの王女、メモリ・ミモリ姫。
オカマ魔女の手により姫の心が宿っていた。
からくり人形の女の子。
その正体はヘンダーランドの王女、メモリ・ミモリ姫。
オカマ魔女の手により姫の心が宿っていた。
「トッペマ〜〜〜!」
「しんちゃん、久しぶりね」
しんのすけとトッペマは互いに抱擁する。
「しんちゃん、久しぶりね」
しんのすけとトッペマは互いに抱擁する。
「でも、どうして元の姿に戻れたのに、また人形の姿なの?」
「それはきっと、しんちゃんとの縁が深いのがこの人形の姿だったからだと思うわ」
「ほうほう」
「話を戻すけど、しんちゃんは、勇気を持ってマカオとジョマを倒せたじゃない。しんちゃんならあの双子の企みを阻止することができると私は確信してるわ!」
「でも……」
「大丈夫。しんちゃんなら運命のレールを元に戻すことができるわ」
「トッペマ……」
「それはきっと、しんちゃんとの縁が深いのがこの人形の姿だったからだと思うわ」
「ほうほう」
「話を戻すけど、しんちゃんは、勇気を持ってマカオとジョマを倒せたじゃない。しんちゃんならあの双子の企みを阻止することができると私は確信してるわ!」
「でも……」
「大丈夫。しんちゃんなら運命のレールを元に戻すことができるわ」
「トッペマ……」
―――Hola!しんのすけ。貴方は勇気だけでなく”機転”があるわ!
「カロリーナ!」
カロリーナ。
野原一家がメキシコに移住した時の幼稚園の幼稚園教諭。
ダンスが好きでお尻のキレはぴか一。
野原一家がメキシコに移住した時の幼稚園の幼稚園教諭。
ダンスが好きでお尻のキレはぴか一。
「あの超巨大化したキラーサボテンの女王を倒すことができたのは、紛れもなくしんのすけの機転よ。頭でっかちな大人達だけでは、あの双子には到底敵わないわ。だからこそ、しんのすけのような存在は必ず必要となるわ!」
「カロリーナ……」
「カロリーナ……」
―――しんちゃんには勇気や機転だけでなく”やさしさ”もあるよ。
「レ、レモンちゃん!」
スノモノ・レモン。
スカシぺスタン王国のスパイ。
始めはとある理由からしんのすけを利用していたが、しんのすけ並びに家族と接していくうちに考えに変化が起きた。その後王国を裏切り、ナーラオとヨースルの野望を打ち砕いた。
事件後は自分の家族と共にヘーデルナ王国へ亡命する。
スカシぺスタン王国のスパイ。
始めはとある理由からしんのすけを利用していたが、しんのすけ並びに家族と接していくうちに考えに変化が起きた。その後王国を裏切り、ナーラオとヨースルの野望を打ち砕いた。
事件後は自分の家族と共にヘーデルナ王国へ亡命する。
「ふふ、やっぱりしんちゃんは”やさしい”ね」
「……え」
「私の本名を言わなかった」
「だって、周りに他の皆がいるから……レモンちゃんの本名はオラとレモンちゃん2人だけの秘密だから……」
「約束を守り通すことって難しい。それができるのは、しんちゃんが”やさしい心”を持っているからなんだよ」
「レモンちゃん……」
「……え」
「私の本名を言わなかった」
「だって、周りに他の皆がいるから……レモンちゃんの本名はオラとレモンちゃん2人だけの秘密だから……」
「約束を守り通すことって難しい。それができるのは、しんちゃんが”やさしい心”を持っているからなんだよ」
「レモンちゃん……」
―――勇気、機転、やさしさ、それに加えて、しんちゃんには”明るさ”があるわ!
「タミさん!」
金有タミコ。
未来のしんのすけのお嫁さん。
未来のしんのすけのお嫁さん。
「しんちゃんの明るさが私としんのすけさんが結ばれる未来を救った。この双子達に支配されている殺し合いという霧をしんちゃんの明るさなら絶対に晴らすことができると私は信じてるわ!」
タミコはサムズアップして宣言する。
タミコはサムズアップして宣言する。
「それに、ここで死んだらしんのすけさん以上に”いい大人”になれないでしょ」
「……うん」
「……うん」
―――しんちゃんには、勇気、機転、やさしさ、明るさもあるけど、何より素敵なのは、”友達との絆”よ。
「サキちゃん!」
貫庭玉サキ。
一時的に春日部に引っ越した少女。
悪夢にうなされていたが、かすかべ防衛隊の皆との絆。
そして、しんのすけの母、みさえの説得等を通して、悪夢を受け入れることで悪夢から解放された。
一時的に春日部に引っ越した少女。
悪夢にうなされていたが、かすかべ防衛隊の皆との絆。
そして、しんのすけの母、みさえの説得等を通して、悪夢を受け入れることで悪夢から解放された。
「私は、しんちゃんのママとかすけべ防衛隊の皆の力で悪夢から解放された。かすかべ防衛隊は、しんちゃんに風間君、ボーちゃんにネネチャン。そして……マサオくんだよね。だから、マサオくんを惑わす悪夢を祓う。だよね、しんちゃん」
「サキちゃん……うん、サキちゃんの言う通りだゾ」
「サキちゃん……うん、サキちゃんの言う通りだゾ」
―――アイヤー!機転、やさしさ、明るさ、友達との絆……どれも素敵だけど、しんのすけには”正義”があるわ!
「ランちゃん!」
「私の暴走した正義をしんのすけ達の正義が止めてくれた……あの双子達の行いは例え、双子達にとって正義だとしても間違ってる正義。しんのすけがあの双子に本当の正義を教えてあげて。それと……可愛い弟弟子のマサオにも……ね」
「ランちゃん……」
―――しんちゃん、すきよ。
「ななこ!」
ニセななこ。
ミラクルクレヨン”の力でしんのすけが近所のお姉さん”ななこ”をイメージして描いて産みだした勇者の一人。
ミラクルクレヨン”の力でしんのすけが近所のお姉さん”ななこ”をイメージして描いて産みだした勇者の一人。
「しんちゃん、すきよ」
「……うん」
「……うん」
ニセななこはやっぱり”しんちゃん、すきよ”とだけしか喋らない。
しかし、しんのすけにはニセななこの想いは伝わった―――
しかし、しんのすけにはニセななこの想いは伝わった―――
「何だ……私にお助けしてもらいたいのか?なら、お助け料は”いちおくまんえん”何、安心しろローンも可だ」
「ぶ……ぶりぶりざえもん!」
「ぶ……ぶりぶりざえもん!」
ぶりぶりざえもん。
しんのすけが描いた”救いのヒーロー”。
しんのすけの絵だったぶりぶりざえもんはとある組織のコンピューターウイルスとして採用され、産みだされた。
しかし、しんのすけとの交流を得て、”救いのヒーロー”としての心が芽生えた。
しんのすけが描いた”救いのヒーロー”。
しんのすけの絵だったぶりぶりざえもんはとある組織のコンピューターウイルスとして採用され、産みだされた。
しかし、しんのすけとの交流を得て、”救いのヒーロー”としての心が芽生えた。
「いつからオマエのちんちんは小さくなったんだ?」
「ッ!オ、オラのちんちんは小さくなってないゾ!」
「フン!どうだか……」
―――フン! ギュ!
「ッ!オ、オラのちんちんは小さくなってないゾ!」
「フン!どうだか……」
―――フン! ギュ!
「……なんだ、立派じゃないか。なら、私のお助けは必要ないな。……オマエならあの”景色”をもう一度見ることが出来る。私が保証する」
「ぶりぶりざえもん……」
「ぶりぶりざえもん……」
「しんのすけ君!」
「ア……アクションかめ〜ん!」
しんのすけのヒーロー。
アクション仮面。
「ア……アクションかめ〜ん!」
しんのすけのヒーロー。
アクション仮面。
「私がヤツ……パラダイスキングと戦ったときのこと、覚えているかい?」
「う……うん。あの爆発頭のヤツとの戦いのことだよね……」
「う……うん。あの爆発頭のヤツとの戦いのことだよね……」
「そうだ。正直言うとね……私の心は砕け散る寸前だったんだよ」
アクション仮面は衝撃的なことを告白する。
アクション仮面は衝撃的なことを告白する。
「えええ!?」
その告白はしんのすけを驚かせる。
その告白はしんのすけを驚かせる。
「だけど、キミは……」
どうだぁ!?アクション仮面よりパラダイスキングの方がカッコイイだろう?
俺のファンにならねぇか?
俺のファンにならねぇか?
やだ!!!!
―――オラ!正義の味方のアクション仮面が好きだもん!
正義の味方はカッコいいんだゾ!強いんだゾ!ワルモンなんかに負けないんだゾ!
今はやられてても、絶対最後は勝つゾ!
お前みたいな爆発頭にアクション仮面が負けるわけないッ!
―――オラ!正義の味方のアクション仮面が好きだもん!
正義の味方はカッコいいんだゾ!強いんだゾ!ワルモンなんかに負けないんだゾ!
今はやられてても、絶対最後は勝つゾ!
お前みたいな爆発頭にアクション仮面が負けるわけないッ!
爆発頭じゃねぇこれは”アフロ”だ!よく覚えておけ!ガキ!
ガキじゃない!オラ、野原しんのすけだゾ!よく覚えとけい!
「君の言葉は私を奮い立たせてくれた。キミに私は”おたすけ”してもらったんだ」
「オラがアクション仮面を……!?」
アクション仮面の言葉にしんのすけは目を見開く―――
「オラがアクション仮面を……!?」
アクション仮面の言葉にしんのすけは目を見開く―――
「自信を持つんだ!君は正義のヒーローを”おたすけ”したんだ!そんな君が友達を”おたすけ”できないなんて道理はないッ!」
「アクション仮面……」
「アクション仮面……」
「そろそろ、時間だ。……しんのすけ君。キミの健闘を祈ってるよ」
アクション仮面の言葉に合わせて、全員が頷く。
アクション仮面の言葉に合わせて、全員が頷く。
「……みんな。……わッ!?」
突如、しんのすけとみんなを煙が包み込み―――
ふと、しんのすけの耳にかすかな声が聞こえる。
―――しんちゃんなら元の世界へ帰ると私は信じてるよ。
「この声は……」
―――だって、しんちゃんには”一歩踏み出す覚悟”が備わってるから
「つばきちゃ〜〜〜〜〜ん!!!!!?????」
―――シュゥゥゥゥゥ……
煙が晴れると―――
全員。もうそこにはいなかった。
全員。もうそこにはいなかった。
しんのすけの周囲に多くの人が出現した秘密……それは、まどわし草の効果。
飲むと幻覚を見る草。
口にしたおかげで幻覚とはいえ、しんのすけは”バトルロワイアル”に立ち向かう覚悟を完了することができた。
口にしたおかげで幻覚とはいえ、しんのすけは”バトルロワイアル”に立ち向かう覚悟を完了することができた。
「……」
しんのすけは涙を腕で拭うと―――
しんのすけは涙を腕で拭うと―――
「ありがとう、皆。オラ……”バトルロワイアル”に負けない……ゾ」
お礼を言って、頭を下げる。
―――そして、顔を上げる。
その顔は、もう逃げ出したときの顔ではない。
バトルロワイアルに……辺獄を支配する双子達に立ち向かう顔。
お礼を言って、頭を下げる。
―――そして、顔を上げる。
その顔は、もう逃げ出したときの顔ではない。
バトルロワイアルに……辺獄を支配する双子達に立ち向かう顔。
「そうだ……オラが……マサオ君はオラがお助けするんだゾ!」
しんのすけは、又兵衛から譲り受けた馬手差しを手に取ると―――
しんのすけは、又兵衛から譲り受けた馬手差しを手に取ると―――
「……金丁」
―――カチンッ!
それは”ケツイ”の証。
「しんのすけ君……」
ようやく、しんのすけに追いついたミライマンはしんのすけに声をかける。
ようやく、しんのすけに追いついたミライマンはしんのすけに声をかける。
「ミライマン。……オラ、マサオ君をお助けするゾ!」
ミライマンにそう宣言すると―――
ミライマンにそう宣言すると―――
ダッ―――
「出発おしんこ〜〜〜!!!」
しんのすけは皆の下へ……巨大危険種と化したマサオくんが暴れている現場へ戻ろうと駆けだした。
もうしんのすけは足を掬むことはない。
なぜなら―――
”ともだち”をお助けするからだ―――
しんのすけは皆の下へ……巨大危険種と化したマサオくんが暴れている現場へ戻ろうと駆けだした。
もうしんのすけは足を掬むことはない。
なぜなら―――
”ともだち”をお助けするからだ―――
「かすかべ防衛隊、ファイヤー!」
☆彡 ☆彡 ☆彡
第13章 とべとべカインお兄さん
「どうやら、追いかけてはこないようだな」
私は、帝具マスティマの効果で飛翔しつつ周囲の確認を怠らずに移動していた。
私は、帝具マスティマの効果で飛翔しつつ周囲の確認を怠らずに移動していた。
注意すべき人物、八将神”日姫”の姿はあれから一向に見えないことから、とりあえずの危機は脱することができたらしい。
「マスティマは便利だが、疲労が溜まる。余り長時間の飛行は避けた方がいいな」
これからのことを考えると無駄な体力の消費は避けたい。そろそろ、地上に降りろうとしたその時、人影を発見した。
これからのことを考えると無駄な体力の消費は避けたい。そろそろ、地上に降りろうとしたその時、人影を発見した。
「ん?あれは……」
(小学生?いや……あれは幼稚園児か)
叫び声を上げながら走っている幼子を見かけた。
(小学生?いや……あれは幼稚園児か)
叫び声を上げながら走っている幼子を見かけた。
「……」
(あのような幼子まで殺し合いに参加させるとは……)
それと同時に私は憂鬱な気持ちにされる。
(あのような幼子まで殺し合いに参加させるとは……)
それと同時に私は憂鬱な気持ちにされる。
直感したからだ。あの少年は”保護されてる人間”だと。
(おそらく、集団で何か諍いが起こり、パニックを起こして逃げ出したといったところだろう)
庇護されるだけの人間は闘いに臨むハングリーさが足りない。
そういう人間は大抵、パニックに陥り、逃げ出す。
庇護されるだけの人間は闘いに臨むハングリーさが足りない。
そういう人間は大抵、パニックに陥り、逃げ出す。
カインが生まれ育った地区は貧民街で最も酷い場所だった。
生き抜くために、私は闘った。
自分の価値観を決定づけたのは、リンチを受け死んだ同年代の少年の姿を見たときだ。
少年は反撃することなくひたすら耐えていた。
おそらく、反撃すればさらに酷い暴行を受けると知っていたからだろう。
しかし、結果的に少年は死んだ。
生き抜くために、私は闘った。
自分の価値観を決定づけたのは、リンチを受け死んだ同年代の少年の姿を見たときだ。
少年は反撃することなくひたすら耐えていた。
おそらく、反撃すればさらに酷い暴行を受けると知っていたからだろう。
しかし、結果的に少年は死んだ。
私はそれを教訓とした。
そして求めた―――
―――力と自由を。
―――力と自由を。
そして”自由”とは闘うこと。
それが”生きる”に繋がる。
それが”生きる”に繋がる。
故に―――
生とは日々戦いの中で勝ち取るもの、惰性をむさぼる輩に今日を生きる資格はない。
それが金と力の街で生き抜いた末の結論だ。
「悪いが、餓死を待つ負け犬を救うほどお人よしではない」
(……早く他の情報を得るために参加者と接触しなければ)
(……早く他の情報を得るために参加者と接触しなければ)
道端の小石に躓いたのだろう……転んだ少年を横目に立ち去ろうとした。
だが―――
―――ヒュゥゥゥゥ
―――パク。
「ん?口に草が!?くっ、私としたことが……あ……あれは、なんだ……!?」
突如、少年の周囲に様々な人物が姿を現すのを目視した。
突如、少年の周囲に様々な人物が姿を現すのを目視した。
「この光景は……一体?私の目はおかしくなったというのか!?」
(それとも……別の宝具の力なのか!?)
私は狐につままれているかと思いつつも、少年と彼らのやり取りをひっそりと聞き耳を立て聞くことにした。
(それとも……別の宝具の力なのか!?)
私は狐につままれているかと思いつつも、少年と彼らのやり取りをひっそりと聞き耳を立て聞くことにした。
少年と彼らのやり取りが終わると、彼らは姿を消した。
「……」
(私は、始めあの少年は保護されるだけだと思っていた。しかし、それは、間違いだったようだ……あの少年も闘っていた。
(私は、始めあの少年は保護されるだけだと思っていた。しかし、それは、間違いだったようだ……あの少年も闘っていた。
「ふ……良い物を観させてくれたお礼だ。私もあの少年を”お助け”するとするか」
私は、駆けている少年の傍まで近寄る。
私は、駆けている少年の傍まで近寄る。
「お?ツバサの生えたイケメンのお兄さんだ!」
「私の名前はカイン・R・ハインラインだ。少年、その足では時間がかかる。私が君を友達の元まで運ぼう」
「私の名前はカイン・R・ハインラインだ。少年、その足では時間がかかる。私が君を友達の元まで運ぼう」
「ありがとう!え〜と、オカカ・R・ライオンお兄さん!」
「……できれば、私のことはカインと呼んでくれ……」
☆彡 ☆彡 ☆彡
第14章 オラはしんのすけマン
ガン!ガン!!ガン!!!ガン!!!!ガン!!!!!
アリサが操るエルガンダーZと巨大危険種マサオの攻防は、双方殴り合うという原始的なバトルスタイルで繰り広げている。
ガン!ガン!!ガン!!!ガン!!!!ガン!!!!!
「しつ……こい……なぁあ!」
「それは……こっちの……台詞よ!」
エルガンダーZとマサオ共に譲らない。
「それは……こっちの……台詞よ!」
エルガンダーZとマサオ共に譲らない。
しかし―――
ついに―――コックピットのガラスが割れる。
ついに―――コックピットのガラスが割れる。
「きゃああ!!!」
―――ズキン!
「……ッ!」
(おにぎりに斬られた傷が……ッ)
アリサはマサオに斬られた傷が再び痛みだして呻く。
じわじわキノコと強力な芳佳の治癒魔法でも、戦闘を継続したままの治療では死を瀕死にするだけで治らない。
(おにぎりに斬られた傷が……ッ)
アリサはマサオに斬られた傷が再び痛みだして呻く。
じわじわキノコと強力な芳佳の治癒魔法でも、戦闘を継続したままの治療では死を瀕死にするだけで治らない。
「アリサちゃん……ッ!!」
(やっぱり、完全には力が戻ってないのかな……治癒魔法の効力が低下している。)
アリサの治療をしつつ能力が完全に戻っていないことに気づく芳佳。
(やっぱり、完全には力が戻ってないのかな……治癒魔法の効力が低下している。)
アリサの治療をしつつ能力が完全に戻っていないことに気づく芳佳。
(でも、弱音は吐いていられない!気を抜かず、集中するよッ!)
芳佳は必死に治癒魔法でアリサの治療を継続している。
芳佳は必死に治癒魔法でアリサの治療を継続している。
―――ニタァァァ。
「あれ〜?どうしたのアリサちゃん?調子でも悪いの?」
「あれ〜?どうしたのアリサちゃん?調子でも悪いの?」
―――クッ。
「……言ってくれるじゃない」
「……言ってくれるじゃない」
―――おねがい。なのは……私に力をかして……!!
―――たとえ、これで死んだとしてもいい。
―――あの”おにぎり”に強めの一発を決めたい。
―――あの”おにぎり”に強めの一発を決めたい。
「な……の……は……」
治療してもらったおかげで繋いだこの命……これで使い果たしてもいいわ!!!
治療してもらったおかげで繋いだこの命……これで使い果たしてもいいわ!!!
「なのはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああ!!!!!!!!!!」
アリサの魂が込められたエルガンダーZの渾身の一撃が巨大危険種マサオの顔面に強烈にヒットする
アリサの魂が込められたエルガンダーZの渾身の一撃が巨大危険種マサオの顔面に強烈にヒットする
「〜〜〜〜〜ッ!!!!!」
アリサの意思が強く込められたストレート。
巨大危険種マサオの鼻からボタボタと鼻血が飛び散る。
アリサの意思が強く込められたストレート。
巨大危険種マサオの鼻からボタボタと鼻血が飛び散る。
「い……いたいよぉぉぉぉおおおお!!!!よくもやったなぁぁぁぁぁあああああ!!!!!」
痛みに涙目になりながらも巨大危険種マサオのストレートパンチがエルガンダーZの顔装甲を突き破る。
痛みに涙目になりながらも巨大危険種マサオのストレートパンチがエルガンダーZの顔装甲を突き破る。
「きゃあああああ!!!!!?????」
ブシュゥゥゥゥゥーーー
ブシュゥゥゥゥゥーーー
―――ブツン。
「う……動か……な……い!?」
ここまで、巨大危険種マサオと張り合ったエルガンダーZだが、ついにその機能は耐えきれず、停止した。
ここまで、巨大危険種マサオと張り合ったエルガンダーZだが、ついにその機能は耐えきれず、停止した。
「宮藤さん!」
静香は耐えきれず、機能停止したエルガンダーZの下へ飛ぶ。
静香は耐えきれず、機能停止したエルガンダーZの下へ飛ぶ。
「はぁ……はぁ……は、はは、……おうおうおう!姉ちゃんたち!このオイラの可愛い可愛い顔をよくもこんな目にしてくれやがったな!」
イキるマサオ。
ドヤるマサオ。
イキるマサオ。
ドヤるマサオ。
「ほら!僕が言った通り、しんちゃんが戻ってくるはずがない!」
マサオは日輪刀と化した腕を大きく振り上げる。
マサオは日輪刀と化した腕を大きく振り上げる。
「宮藤さん!」
対峙を黙って見届けていたが、流石に黙ってみてられない。
静香は大破したエルガンダーZへと飛ぶ。
対峙を黙って見届けていたが、流石に黙ってみてられない。
静香は大破したエルガンダーZへと飛ぶ。
「ここまでだな……」
植木も加勢するため行動を開始しようとする。
植木も加勢するため行動を開始しようとする。
「あれあれ?水を差しちゃうの?」
針目はそんな植木を茶化す。
針目はそんな植木を茶化す。
「……加勢」
「うん、そうだね……」
「アニさん……」
「ああ。潮時だ……とにかく、あの子供は確保しないと……」
各自各々も加勢しようと動き出す。
「うん、そうだね……」
「アニさん……」
「ああ。潮時だ……とにかく、あの子供は確保しないと……」
各自各々も加勢しようと動き出す。
「……」
ただ一人、ムラクモは黙って腕組みをしたまま。
ただ一人、ムラクモは黙って腕組みをしたまま。
そのとき――――
「みんな〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!」
その場にいる全員が顔を声の方角へ向ける。
「……」
(ほら……言ったでしょ……しんのすけは必ず戻って来るって……)
アリサはニッと小さな笑みを出す。
「ありがとうカインお兄さん。オラ、もう大丈夫」
「そうか……なら、行きたまえ!そして、君の生を……”お助け”を私に見せてみろッ!」
カインはしんのすけに激励をかけると、送り出す。
(ほら……言ったでしょ……しんのすけは必ず戻って来るって……)
アリサはニッと小さな笑みを出す。
「ありがとうカインお兄さん。オラ、もう大丈夫」
「そうか……なら、行きたまえ!そして、君の生を……”お助け”を私に見せてみろッ!」
カインはしんのすけに激励をかけると、送り出す。
「ブ・ラジャー!」
しんのすけはカインに了解とサインを送る。
しんのすけはカインに了解とサインを送る。
「それでは、行きましょう!しんのすけ君!」
「うん!変身!」
シリマルダシを掴むと、変身の掛け声に合わせて、シリマルダシを逆さまにする。
「うん!変身!」
シリマルダシを掴むと、変身の掛け声に合わせて、シリマルダシを逆さまにする。
シリマルダシのシリから光が放つとしんのすけを包み込む―――
すると―――
しんのすけの姿は―――
赤と白を基調としたスーツにお股の部分に輝く金の玉を拵えたヒーローとなった。
しんのすけの姿は―――
赤と白を基調としたスーツにお股の部分に輝く金の玉を拵えたヒーローとなった。
そのヒーローの名前は―――
―――しんのすけマン!