(コンフー……ああ、売女と同類の奴か。)
いつしかムラクモのクローンの暗殺の際に、
依頼したのも似たような拳法を使う奴だったな。
なんて思いながら不意打ち感覚で銃撃を放つ、
銃口を向ける寸前に気付いたことで首を逸らして回避。
そのままステップから勢いをつけた状態での飛び蹴り。
鋭い飛び蹴りを前に咄嗟に番傘でガードを優先する。
依頼したのも似たような拳法を使う奴だったな。
なんて思いながら不意打ち感覚で銃撃を放つ、
銃口を向ける寸前に気付いたことで首を逸らして回避。
そのままステップから勢いをつけた状態での飛び蹴り。
鋭い飛び蹴りを前に咄嗟に番傘でガードを優先する。
「!? なんだ、この重さは……ッ!」
タタリの影響でなんちゃってでは済まされない八極拳の一撃。
単純な威力の重さだけで言えば、劣化八幡力の美炎以上の威力を持つ。
直撃すれば、最悪首の骨が折れたっておかしくないようなものだ。
見た目で判断するものではないと自分で言った通りの結果か。
単純な威力の重さだけで言えば、劣化八幡力の美炎以上の威力を持つ。
直撃すれば、最悪首の骨が折れたっておかしくないようなものだ。
見た目で判断するものではないと自分で言った通りの結果か。
「チィ! 厄介だな!」
素直に受け止めるのは得策ではない。
そのまま受け流して姿勢を整える。
着地している彼女の背を狙うように銃口を翳して放つ。
そのまま受け流して姿勢を整える。
着地している彼女の背を狙うように銃口を翳して放つ。
「ハッ!」
着地から即座にジャンプによる回避が間に合う。
振り向きながら着地後一気に踏み込んでワンインチにまで迫る。
完全者もバックステップして距離を取ってはいたものの、
それでも番傘の間合いとしては不利になる距離。
振り向きながら着地後一気に踏み込んでワンインチにまで迫る。
完全者もバックステップして距離を取ってはいたものの、
それでも番傘の間合いとしては不利になる距離。
「トォ!」
事実、蹴り上げによって番傘は空中を舞う。
彼女の得物がなくなったところに鳩尾へ拳を叩き込む。
彼女の得物がなくなったところに鳩尾へ拳を叩き込む。
「オアシス!」
そうはいかないのがスタンド能力。
泥のような色をしたスーツを纏っては地面へ潜り、
攻撃は盛大に空振りにさせた上ですぐさま地上へ飛び上がる。
残念ながら完全者は徒手空拳に関しては素人もいいところ。
応用一つでスティッキィ・フィンガーズを超える膂力も、
悲しいが彼女がそれを使うことはない。普通に持ち腐れである。
だから狙いは都古本人ではなく、空中を舞う神楽の番傘の方だ。
すぐさまキャッチしてスタンドを解除と共に空中で身を翻し、
攻撃の隙を晒している都古の背へと番傘を振るう。
盛大に外した攻撃の隙を埋める術はない。
泥のような色をしたスーツを纏っては地面へ潜り、
攻撃は盛大に空振りにさせた上ですぐさま地上へ飛び上がる。
残念ながら完全者は徒手空拳に関しては素人もいいところ。
応用一つでスティッキィ・フィンガーズを超える膂力も、
悲しいが彼女がそれを使うことはない。普通に持ち腐れである。
だから狙いは都古本人ではなく、空中を舞う神楽の番傘の方だ。
すぐさまキャッチしてスタンドを解除と共に空中で身を翻し、
攻撃の隙を晒している都古の背へと番傘を振るう。
盛大に外した攻撃の隙を埋める術はない。
「愛さん、ヒーット!」
と、思っていたその矢先。
戦場にらしからぬ声と共に、
愛が全速力で走りながら鉄バットを振るい、
番傘を思いっきり叩いて攻撃が相殺される。
戦場にらしからぬ声と共に、
愛が全速力で走りながら鉄バットを振るい、
番傘を思いっきり叩いて攻撃が相殺される。
「か……ったぁい!」
戦闘民族たる夜兎の出鱈目な使い方にも耐えるそれが、
たかだか田舎の学生が持ってた鉄バットで勝てるはずがない。
寧ろバットは凹んでしまい、手に来る反動のあまり投げ捨ててしまう。
転生の都合肉体的に鍛えられてるとは言えない完全者故に、
腕が折れるとかそういうことはないし妨害にもなりえたのだが。
たかだか田舎の学生が持ってた鉄バットで勝てるはずがない。
寧ろバットは凹んでしまい、手に来る反動のあまり投げ捨ててしまう。
転生の都合肉体的に鍛えられてるとは言えない完全者故に、
腕が折れるとかそういうことはないし妨害にもなりえたのだが。
「宮下お姉ちゃん!?」
自分一人で戦うつもりだったのと、
彼女には自分みたいな格闘技の技術はない。
だから此処で彼女が乱入は予想できなかった。
彼女には自分みたいな格闘技の技術はない。
だから此処で彼女が乱入は予想できなかった。
「鬼とかならまだしも『人』だったら愛さんもちょっとね! 『ヒット』だけに!」
場の空気を分かってるのか、
分かってないふりをしてるだけなのか。
しょうもないダジャレを口にして軽く笑う。
愛はスクールアイドルであって、戦いに身を置く者に非ず。
理由も躊躇もなく、他者を傷つけるような性格でもない。
誰かを傷つけるなんてことはしたいはずがなく、
あくまで今のは傘を狙い、武器を奪って無力化させる為にしただけのものだ。
誤って顔面を狙わないように注意はしていたものの、
やはり戦力外であることを痛感させられる。
分かってないふりをしてるだけなのか。
しょうもないダジャレを口にして軽く笑う。
愛はスクールアイドルであって、戦いに身を置く者に非ず。
理由も躊躇もなく、他者を傷つけるような性格でもない。
誰かを傷つけるなんてことはしたいはずがなく、
あくまで今のは傘を狙い、武器を奪って無力化させる為にしただけのものだ。
誤って顔面を狙わないように注意はしていたものの、
やはり戦力外であることを痛感させられる。
「邪魔だ小娘!」
「わ、ちょ!」
今度は愛を狙ったスイングだが、仰け反って回避。
その勢いを使ってバク転しすることで一気に距離を取る。
都古のような戦うための動きとは違うものの、
洗練された動きには完全者から見ても少し目を張るものがある。
その勢いを使ってバク転しすることで一気に距離を取る。
都古のような戦うための動きとは違うものの、
洗練された動きには完全者から見ても少し目を張るものがある。
宮下愛と言う少女は基本的に何でもできる才女ではあるが、
中でも運動能力に関してはメンバーでも常軌を逸してるレベルのものを持つ。
だから部室棟のヒーローと呼ばれるほどの目覚ましい活躍ができる。
中でも運動能力に関してはメンバーでも常軌を逸してるレベルのものを持つ。
だから部室棟のヒーローと呼ばれるほどの目覚ましい活躍ができる。
(無駄に体幹がいいが、所詮は人だな。)
確かに目を張るが所詮は見せる動き。
あくまで体幹だけで動いてるだけの奴。
すぐさま愛に銃口を突きつけるも、迫る都古の肘内。
やむなく番傘を防御へと回して互いに反動で距離を取る。
あくまで体幹だけで動いてるだけの奴。
すぐさま愛に銃口を突きつけるも、迫る都古の肘内。
やむなく番傘を防御へと回して互いに反動で距離を取る。
(向こうの金髪は戦力外だから、余り気にする必要はないか。)
様々な支給品が混在している中で、
鉄バットを武器にする理由は大体選択肢が他にないだけ。
となれば敵としてみる必要はなく、優先順位は決まる。
鉄バットを武器にする理由は大体選択肢が他にないだけ。
となれば敵としてみる必要はなく、優先順位は決まる。
「試すか……オアシス!」
再びスタンドを纏って地面へと潜り込む。
地面に潜られて互いに足元を中心に警戒を強める。
地面に潜られて互いに足元を中心に警戒を強める。
(来る!)
足元がぬかるんだ感覚。
即座に都古はステップを踏んで離れるも、
完全者の姿は出てくる気配がない。
即座に都古はステップを踏んで離れるも、
完全者の姿は出てくる気配がない。
「ちょちょちょ!?」
愛の声に反応し視線を向ければ、
彼女の方も地面がぬかるんで足が沈みかけている。
まだ抜け出せる範疇ではあったものの、
彼女の方も地面がぬかるんで足が沈みかけている。
まだ抜け出せる範疇ではあったものの、
「そうはいかん。」
彼女の足を掴んでぬかるんだ地面に片足だけ引きずり込まれる。
ぬかるみに囚われてる隙に地面から跳ねるように飛び出し。
スタンドを解除しながら地上へと着地して、
愛へと番傘の先端にある銃口を突きつける。
ぬかるみに囚われてる隙に地面から跳ねるように飛び出し。
スタンドを解除しながら地上へと着地して、
愛へと番傘の先端にある銃口を突きつける。
「ッ!」
すぐに逃げ出すも、右足が思うように動かない。
身を逸らすことで顔に空くはずの風穴は、
耳たぶをちょっとだけ削るだけに留めることになる。
十分痛いがそれをしている場合ではない。
身を逸らすことで顔に空くはずの風穴は、
耳たぶをちょっとだけ削るだけに留めることになる。
十分痛いがそれをしている場合ではない。
「イツッ……ちょ、これってまずい奴!?」
足が動かないのは何故かと足を見れば、
右足が踝まで埋まって固定されていたのが原因だ。
オアシスは物質を泥にすることができる能力があるが、
能力の解除や触れてない物質は元の物質通り硬い状態に戻る。
愛の足が埋まった状態で解除すれば、足は当然コンクリートに埋まったまま。
勿論抜け出せるわけがない。周りは固められたコンクリートなのだから、
ちょっとやそっとどころか、下手をすれば足の切断が必要になる。
最初から彼女を沈めて生き埋めにすればいいだけの話では? と思われるが、
参加者の大半が地中に埋めれば死ぬのだから、流石に消耗が大きい制限がある。
最悪自分が生き埋めになる行為を、おいそれとできるものではない。
もっとも、生き埋めにしなかったのにはそれとは別の理由があるが。
右足が踝まで埋まって固定されていたのが原因だ。
オアシスは物質を泥にすることができる能力があるが、
能力の解除や触れてない物質は元の物質通り硬い状態に戻る。
愛の足が埋まった状態で解除すれば、足は当然コンクリートに埋まったまま。
勿論抜け出せるわけがない。周りは固められたコンクリートなのだから、
ちょっとやそっとどころか、下手をすれば足の切断が必要になる。
最初から彼女を沈めて生き埋めにすればいいだけの話では? と思われるが、
参加者の大半が地中に埋めれば死ぬのだから、流石に消耗が大きい制限がある。
最悪自分が生き埋めになる行為を、おいそれとできるものではない。
もっとも、生き埋めにしなかったのにはそれとは別の理由があるが。
「消耗は激しかった上にそっちは逃げ延びたか。
だが、貴様らにとって致命的な一手になるだろうな。」
だが、貴様らにとって致命的な一手になるだろうな。」
先ほどは愛のお陰で都古は免れたが、
今度は事実上の人質の立場へと変わる。
今度は事実上の人質の立場へと変わる。
「生憎と私は強くないからな。狡猾に、魔女らしく行かせてもらおうか。」
てっきりそのまま人質に取られると思えば、
完全者は放置した状態で都古の方へ走りながらオアシスで地面へ潜る。
すぐさま飛び出した勢いで空中を舞いながら番傘によるの銃撃の雨。
正面からの攻撃なのでさほど問題ではなく、すぐに横へと飛んで全弾回避。
そのまま都古を飛び越えて着地しながら再び完全者は番傘を銃として構える。
完全者は放置した状態で都古の方へ走りながらオアシスで地面へ潜る。
すぐさま飛び出した勢いで空中を舞いながら番傘によるの銃撃の雨。
正面からの攻撃なのでさほど問題ではなく、すぐに横へと飛んで全弾回避。
そのまま都古を飛び越えて着地しながら再び完全者は番傘を銃として構える。
「え?」
ただその方角は都古ではない。
射線を確認すれば、その先にいるのは───動けない愛の姿。
射線を確認すれば、その先にいるのは───動けない愛の姿。
「宮下お姉ちゃんッ!!」
不敵な笑みを浮かべながら、完全者が引き金を引く。
目的に気付いてすぐさま拳のスピリット・オブ・マナで防ぐが、
咄嗟だったため防いだ弾丸の軌道がずれ、額を掠めて鮮血が舞う。
目的に気付いてすぐさま拳のスピリット・オブ・マナで防ぐが、
咄嗟だったため防いだ弾丸の軌道がずれ、額を掠めて鮮血が舞う。
「みゃーこ!?」
駆け寄ろうとしたものの、
身動きできず足を挫きそうになってすぐに戻す。
あの時出なければ都古が危なかったとはいえ、
自分が出たことでこの事態になっている。
心が痛まないかどうかで言えば普通に痛む。
身動きできず足を挫きそうになってすぐに戻す。
あの時出なければ都古が危なかったとはいえ、
自分が出たことでこの事態になっている。
心が痛まないかどうかで言えば普通に痛む。
(なんとか抜け出さないといけないけど……)
自分が文字通り足枷をされてしまってる状況を、
どうにかしたいものの足は完全に埋まった状態だ。
コンクリートでは生身どころか、仮に鉄バットがあっても容易ではない。
因みに鉄バットはオアシスの余波で半分埋まっていて、
容易には回収できなくなっていた。
どうにかしたいものの足は完全に埋まった状態だ。
コンクリートでは生身どころか、仮に鉄バットがあっても容易ではない。
因みに鉄バットはオアシスの余波で半分埋まっていて、
容易には回収できなくなっていた。
「言っただろう、私は強くないんだ。」
愛を生かしたのは向こうから人質を守るから。
大人数である以上打算目的の連中は少数になる。
目論見通り、彼女は自分から盾になってくれた。
単純な人質の存在は思いのほか邪魔なものだ。
自分の移動の邪魔になるなら捨てざるを得ないし、
下手をすれば第三者からの妨害だってありうる。
特に、二階には三人いたがその三人目が未だ出てこない。
此処で人質をとって動きを鈍らせるよりも存分に働いてくれるだろう。
愛を足枷とすることで、都古相手にも有利に立ち回れる。
大人数である以上打算目的の連中は少数になる。
目論見通り、彼女は自分から盾になってくれた。
単純な人質の存在は思いのほか邪魔なものだ。
自分の移動の邪魔になるなら捨てざるを得ないし、
下手をすれば第三者からの妨害だってありうる。
特に、二階には三人いたがその三人目が未だ出てこない。
此処で人質をとって動きを鈍らせるよりも存分に働いてくれるだろう。
愛を足枷とすることで、都古相手にも有利に立ち回れる。
「お前達は複数でかかっているのだから、卑怯とは言うまい?」
殺し合いにプライドも何もあるわけではない。
旧人類に対して正々堂々とか欠片も思うところなどなく。
効率よく殺せるのであれば、それでいいのだから。
煽ったのは相手の士気が少しでも下がればと、
少しばかり芝居がかった台詞のものである。
旧人類に対して正々堂々とか欠片も思うところなどなく。
効率よく殺せるのであれば、それでいいのだから。
煽ったのは相手の士気が少しでも下がればと、
少しばかり芝居がかった台詞のものである。
(そういえば今さっきは咄嗟に使ったが、
これはガトリングだったな。忘れそうになっていた。)
これはガトリングだったな。忘れそうになっていた。)
近づかれたら苦しくなると言う立ち回りから、
距離が近い戦いでは反動や隙を気にして避けてきたことだが、
神楽の番傘は通常の夜兎の番傘から改良されている機関銃だ。
だからやろうと思えば、相手をハチの巣にもできる。
距離が近い戦いでは反動や隙を気にして避けてきたことだが、
神楽の番傘は通常の夜兎の番傘から改良されている機関銃だ。
だからやろうと思えば、相手をハチの巣にもできる。
(愛さんが離れないと……)
都古なら無意味でも自分を庇ってしまう。
それだけを避けるべく、懐のレッドカードに手を伸ばす。
相手に使っても自分が動けない状態のままなのは変わらないし、
それを解決できるものが彼女にはない都合別の考えをする。
これで自分自身を戦闘可能範囲外まで逃がすことで解決できるのではと。
それだけを避けるべく、懐のレッドカードに手を伸ばす。
相手に使っても自分が動けない状態のままなのは変わらないし、
それを解決できるものが彼女にはない都合別の考えをする。
これで自分自身を戦闘可能範囲外まで逃がすことで解決できるのではと。
(でも、これってどうやって飛ぶの?)
これが、どのような理屈で範囲外に出るのか。
もし物理的な移動によって行動を起こす物であったなら。
その瞬間自分の足は此処に置き去り、千切れることが確定する。
もし物理的な移動によって行動を起こす物であったなら。
その瞬間自分の足は此処に置き去り、千切れることが確定する。
籠城したことのデメリットが此処で顕著になる。
元々は異能とは一切無縁の生活をしてきた人間で、
彼女は異能を目にしたのは今しがたのオアシスが初めてだ。
異能を何度も見てれば『そういうもの』と認識ができて、
使えばワープと言った超常現象で離れるだろうと思えるものだが、
少ない以上思ってしまう。常識的な手段で距離を離すのではないかと。
説明も文章で判断するしかない以上、完全者はオアシス以外は物理的な攻撃手段のみ。
だからどうしても使用を躊躇ってしまう。平穏が彼女を鈍らせる。
そのまま突き付けられた銃口から無数の弾丸が放たれた。
元々は異能とは一切無縁の生活をしてきた人間で、
彼女は異能を目にしたのは今しがたのオアシスが初めてだ。
異能を何度も見てれば『そういうもの』と認識ができて、
使えばワープと言った超常現象で離れるだろうと思えるものだが、
少ない以上思ってしまう。常識的な手段で距離を離すのではないかと。
説明も文章で判断するしかない以上、完全者はオアシス以外は物理的な攻撃手段のみ。
だからどうしても使用を躊躇ってしまう。平穏が彼女を鈍らせる。
そのまま突き付けられた銃口から無数の弾丸が放たれた。
ただし、別の方角に。
「来たか、三人目!」
漸く姿を見せてきた最後の一人、洸が戦場に乱入してきたから。
そのままであれば銃を放ってハチの巣は確定ではあったものの、
都古が放置したままでいた特注の日傘を回収していて弾丸を次々と弾いていく。
狙いを都古の方へと向けるも、傘越しに洸が空へと投げられた物が視界に入る。
そのままであれば銃を放ってハチの巣は確定ではあったものの、
都古が放置したままでいた特注の日傘を回収していて弾丸を次々と弾いていく。
狙いを都古の方へと向けるも、傘越しに洸が空へと投げられた物が視界に入る。
「チィ!」
見た瞬間にそれが何か察した。
ありふれた見た目をした手榴弾なのだから。
オアシスを纏い、番傘を開くと同時に爆発する。
爆発物にはいい思い出がないと数時間前に味わったばかりで、
異様な警戒をしてるとも言えるような防ぎ方でもあった。
勿論都古たちも巻き添えになる範囲ではあったが、
ギリギリ洸が滑り込むように日傘で間に入ってガードして、
衝撃で吹き飛びそうなところを都古が抑えてやり過ごす。
ありふれた見た目をした手榴弾なのだから。
オアシスを纏い、番傘を開くと同時に爆発する。
爆発物にはいい思い出がないと数時間前に味わったばかりで、
異様な警戒をしてるとも言えるような防ぎ方でもあった。
勿論都古たちも巻き添えになる範囲ではあったが、
ギリギリ洸が滑り込むように日傘で間に入ってガードして、
衝撃で吹き飛びそうなところを都古が抑えてやり過ごす。
「間に合ったか……」
洸としては逃げるべきだと思った。
潮時なのは明らかだし、相手は実力伯仲でも、
都古たちと違い卑劣な手段も辞さないような相手。
手段を選ぶ奴と選ばない奴が対等であるはずがない。
しかもあれでまだ常識的な範囲の参加者であって、
口伝だけとは言え絶鬼レベルの参加者はもっといるはず。
そこも考えて殺し合いに乗る側に、完全者に協力することも考えた。
まだ常識的な範囲なので、非力でも人材の為生かす可能性はあるから。
この病院で生存が望めないのであれば、参加者を減らす側に回るべきだと。
潮時なのは明らかだし、相手は実力伯仲でも、
都古たちと違い卑劣な手段も辞さないような相手。
手段を選ぶ奴と選ばない奴が対等であるはずがない。
しかもあれでまだ常識的な範囲の参加者であって、
口伝だけとは言え絶鬼レベルの参加者はもっといるはず。
そこも考えて殺し合いに乗る側に、完全者に協力することも考えた。
まだ常識的な範囲なので、非力でも人材の為生かす可能性はあるから。
この病院で生存が望めないのであれば、参加者を減らす側に回るべきだと。
(本当にギリギリだった……)
あくまで彼の最優先は野咲春花と再会するために生きるだけ。
過程や方法にどれだけの屍を築いたところで何一つ変わりはしない
まともな倫理観があるなら、火事の遺体を親子愛だからと撮るわけがないのだから。
いや、一応不謹慎とは思っていたとは未来の彼は言っていたが。
過程や方法にどれだけの屍を築いたところで何一つ変わりはしない
まともな倫理観があるなら、火事の遺体を親子愛だからと撮るわけがないのだから。
いや、一応不謹慎とは思っていたとは未来の彼は言っていたが。
「みっつんやるー!」
できるならハイタッチでもしたかったが、
動けないので言葉だけでに留めておく。
そんな愛を一瞥しながら、溜息をついた。
動けないので言葉だけでに留めておく。
そんな愛を一瞥しながら、溜息をついた。
(……こっちの方が都合がいいのは変わらないな。)
ただ洸には『自分の意に沿わない相手を暴力で従わせる』と言う、
DVを愛だと謳う父親から受けてしまった悪影響が根底に存在している。
洸はそれを制御できない。できれば本来の彼はあんな結末は迎えない。
もし、完全者が自分の意に沿わなかった相手ですぐに決裂した際に、
それが抑えきれなければその先に待っているのは自分の死だけだ。
乗る側に回った際のリスクが余りにも大きいものがあった。
だったらまだ自分の思う通りに動いてくれるひろし達を助ける方が、
今後もやりやすくなるし安全であると言うことに変わりはない。
DVを愛だと謳う父親から受けてしまった悪影響が根底に存在している。
洸はそれを制御できない。できれば本来の彼はあんな結末は迎えない。
もし、完全者が自分の意に沿わなかった相手ですぐに決裂した際に、
それが抑えきれなければその先に待っているのは自分の死だけだ。
乗る側に回った際のリスクが余りにも大きいものがあった。
だったらまだ自分の思う通りに動いてくれるひろし達を助ける方が、
今後もやりやすくなるし安全であると言うことに変わりはない。
「それより、爆発は終わったからあいつを止めてくれないか。
もう一回あいつが地面に潜られたら、俺まで的にされたら終わりだ。」
もう一回あいつが地面に潜られたら、俺まで的にされたら終わりだ。」
「うん、そうだよね。ありがとう洸お兄ちゃん!」
二人を置いて、傘を飛び越えながら三度完全者と対峙する。
その間に洸がデイバックからハンマーを取り出す。
その間に洸がデイバックからハンマーを取り出す。
(貰っておいて正解だったか。)
爆弾とか日傘はあれども洸には安全に使える武器がなかった。
だから放送が来るまでの間過ごしていた時間の間に、
他の参加者の中からいらない武器があれば譲ってもらおうと、
可奈美の方で使う予定がなかった呪蝕の骸槍とウォーハンマーを貰った。
ないよりかはましと思って受け取ったが、今の状況ではすごく助かるものだ。
地面をブロック状に、殆どの材質問わずできるのは適材適所と言ったところ。
何度か彼女の足の周囲を叩いたことでブロックも大分削れて、
厚底ブーツみたいな分厚い脚になってるのは変わらないが、
ある程度は走れるレベルでありなんとか脱出には成功する。
だから放送が来るまでの間過ごしていた時間の間に、
他の参加者の中からいらない武器があれば譲ってもらおうと、
可奈美の方で使う予定がなかった呪蝕の骸槍とウォーハンマーを貰った。
ないよりかはましと思って受け取ったが、今の状況ではすごく助かるものだ。
地面をブロック状に、殆どの材質問わずできるのは適材適所と言ったところ。
何度か彼女の足の周囲を叩いたことでブロックも大分削れて、
厚底ブーツみたいな分厚い脚になってるのは変わらないが、
ある程度は走れるレベルでありなんとか脱出には成功する。
「サンキューみっつん。さっきは本当にダメかと思ったよ。」
もう逃げることが物理的にできない絶望感からの解放は、
いかに明るさが取り柄である愛としても緊張がゆるんで膝をつく。
足を引っ張ったことについての罪悪感もあるので、早急に立ち上がるが。
いかに明るさが取り柄である愛としても緊張がゆるんで膝をつく。
足を引っ張ったことについての罪悪感もあるので、早急に立ち上がるが。
「それより離れますよ。俺の方に戦えそうな武器もあるので。」
「え、ホント?」
「リスクがあって不安でしたから、使いたくないんですけど。」
日傘を盾にしながら隙を伺って離れる二人を尻目に、
二人の戦いはより熾烈を極めていく。
二人の戦いはより熾烈を極めていく。
「ちょうしんちゅう!」
高速で移動しながらの肘内による一撃。
素早い動きもあって咄嗟のサイドステップをしつつ、
リーチの間合いから外れるも足払いへと繋げてくる。
素早い動きもあって咄嗟のサイドステップをしつつ、
リーチの間合いから外れるも足払いへと繋げてくる。
(この小娘、リーチが足りないと思えばすぐに切り替えてくるか!)
着地を狙われて足払いされては流石に対処不可能だ。
姿勢を崩したまま倒れることになるが、そうはならない。
オアシスがある以上倒れて隙を晒すことは決してなく、一度沈むだけだ。
すかさず引きずり込もうと手を伸ばすも、やはりセッコ程の使いこなせない。
手を伸ばして掴もうとしても先に避けられるどころか、
姿勢を崩したまま倒れることになるが、そうはならない。
オアシスがある以上倒れて隙を晒すことは決してなく、一度沈むだけだ。
すかさず引きずり込もうと手を伸ばすも、やはりセッコ程の使いこなせない。
手を伸ばして掴もうとしても先に避けられるどころか、
「てぇい!」
震脚で動きを止められ、腕だけが地上に取り残される。
怯んだ腕を両手で掴まれてしまい、思いっきり投げ飛ばす。
地面から投げ出され、その背中へ飛び蹴りを喰らわせる。
怯んだ腕を両手で掴まれてしまい、思いっきり投げ飛ばす。
地面から投げ出され、その背中へ飛び蹴りを喰らわせる。
「ガハッ!」
ダメージには変わらないが、
オアシスのお陰で辛うじて重傷は避けることはできた。
空中で姿勢を戻しながら着地すると、すかさず迫る都古の右ストレート。
着地時にオアシスで地面へ潜られることで回避され、地面から銃口だけが出てくる。
乱射される前に即座にその場から離れ、地上に戻るが都古の方向とは逆向きに出てしまう。
オアシスのお陰で辛うじて重傷は避けることはできた。
空中で姿勢を戻しながら着地すると、すかさず迫る都古の右ストレート。
着地時にオアシスで地面へ潜られることで回避され、地面から銃口だけが出てくる。
乱射される前に即座にその場から離れ、地上に戻るが都古の方向とは逆向きに出てしまう。
(地面の中だと方向感覚も狂うわ、音での探知もしづらいで、慣れんな。)
異常聴覚をがあってこそセッコのオアシスは脅威だ。
それがない以上オアシスの強みが余り活かせないことに歯がゆさを思いつつ、
手のひらを広げた状態の左手から繰り出される都古の発勁を振り向きながら番傘でガード。
破壊力ある衝撃を持つ一撃には軽く浮かされながら距離を取らされる。
更に距離を詰めるべく都古が肩を前面に押し出す、所謂貼山靠を狙う。
それがない以上オアシスの強みが余り活かせないことに歯がゆさを思いつつ、
手のひらを広げた状態の左手から繰り出される都古の発勁を振り向きながら番傘でガード。
破壊力ある衝撃を持つ一撃には軽く浮かされながら距離を取らされる。
更に距離を詰めるべく都古が肩を前面に押し出す、所謂貼山靠を狙う。
「フッ、グレイプニル!」
「え!?」
しかし突如として都古の足元から紫に輝く黒い鎖が、
彼女の足を縛り動きを止めさせられる。
彼女の足を縛り動きを止めさせられる。
「地面に潜る、それだけが異能だけだと思ったようだな。」
先の戦いでは美炎相手には早く使う暇がなく、
沙都子はまともな戦闘を仕掛けなかったりで、
中々使う機会に恵まれなかったが完全者は元々は魔女。
魔剣ダインスレイヴがなかろうとも魔女としての力を行使することは可能。
足に気を取られた隙を、完全者は逃すことなく番傘で彼女の鳩尾を突く。
沙都子はまともな戦闘を仕掛けなかったりで、
中々使う機会に恵まれなかったが完全者は元々は魔女。
魔剣ダインスレイヴがなかろうとも魔女としての力を行使することは可能。
足に気を取られた隙を、完全者は逃すことなく番傘で彼女の鳩尾を突く。
「ウゲッ……!」
少女からはおよそ出ないような呻き声と共に肺から空気を吐き出す。
戦闘民族である夜兎の無茶な使い方にも耐えられる材質である以上、
下手な鉄で殴られる以上の痛みが存在して身体がくの字に曲げられる。
戦闘民族である夜兎の無茶な使い方にも耐えられる材質である以上、
下手な鉄で殴られる以上の痛みが存在して身体がくの字に曲げられる。
(後は引き金を!)
いくら縛っても所詮は足だけ。
幼い彼女の拳が届く間合いではあるし、
焦って頭を狙うと言った欲はかけない。
なので一度密着した距離から放つことを選ぶ。
密着した距離なら確実に当たるし、手榴弾も都古がいる。
この状況で使われることはない上に、そも手榴弾ならオアシスで防げる。
相手が一人だけと言えども、確実に勝てる瞬間。
幼い彼女の拳が届く間合いではあるし、
焦って頭を狙うと言った欲はかけない。
なので一度密着した距離から放つことを選ぶ。
密着した距離なら確実に当たるし、手榴弾も都古がいる。
この状況で使われることはない上に、そも手榴弾ならオアシスで防げる。
相手が一人だけと言えども、確実に勝てる瞬間。
「───な。」
頭を横から殴られたかのような衝撃に思わず転倒する。
同時に鳴り響いた音も合わせて、銃声だとすぐに気づいた。
オアシスを纏っていたお陰で致命傷には至らなかったが、
都古が近くにいる状況下で銃を使うと想定はしなかった。
下手をすれば彼女に当たるフレンドリーファイアになると言うのに。
倒れる最中に撃ってきた方角、病院の一階の廊下を見やれば彼女も察した。
狙撃してきた洸が使っていたのは拳銃ではない。狙撃銃なのだと。
長い銃身を持つ狙撃銃は力のモーメントによって銃身のブレを抑えることができる。
要するに狙撃銃は重量の都合、超長距離でなければ拳銃よりも当てやすい。
同時に鳴り響いた音も合わせて、銃声だとすぐに気づいた。
オアシスを纏っていたお陰で致命傷には至らなかったが、
都古が近くにいる状況下で銃を使うと想定はしなかった。
下手をすれば彼女に当たるフレンドリーファイアになると言うのに。
倒れる最中に撃ってきた方角、病院の一階の廊下を見やれば彼女も察した。
狙撃してきた洸が使っていたのは拳銃ではない。狙撃銃なのだと。
長い銃身を持つ狙撃銃は力のモーメントによって銃身のブレを抑えることができる。
要するに狙撃銃は重量の都合、超長距離でなければ拳銃よりも当てやすい。
「うまくいったか。」
額の汗をぬぐいながら当たったことを軽く喜ぶ。
それと、父の影響でカメラで撮るのが趣味でファインダーを覗く彼にとって、
スナイパーライフルについてるスコープで狭まった視界は慣れたものだ。
銃の取り扱い自体は初めてではあったが、運よく成功した。
うまくいったことに軽く安堵の息を吐く。
それと、父の影響でカメラで撮るのが趣味でファインダーを覗く彼にとって、
スナイパーライフルについてるスコープで狭まった視界は慣れたものだ。
銃の取り扱い自体は初めてではあったが、運よく成功した。
うまくいったことに軽く安堵の息を吐く。
(ッ……まずい!)
完全者は此処で最悪の事態へと陥った。
頭に強い衝撃が当たった。つまりどうなるかと言うと、
彼女の脳からスタンドDISCがズルリと抜け落ち、コンクリートを転がっていく。
数メートル先でぐるぐると回転しながら倒れるがそれを見るどころではない。
彼女はオアシスによって防御、移動を賄っていたがそれを失った。
洸の銃撃を回避する手段はなく、それを回収する暇も与えられない。
しかも此処は駐車場。狙撃銃を凌げる障害物が近くにないのも向かい風だ。
放置された車もあったが、オアシスで中途半端でも沈めたせいで、
少女の姿であったとしても無理がある。
頭に強い衝撃が当たった。つまりどうなるかと言うと、
彼女の脳からスタンドDISCがズルリと抜け落ち、コンクリートを転がっていく。
数メートル先でぐるぐると回転しながら倒れるがそれを見るどころではない。
彼女はオアシスによって防御、移動を賄っていたがそれを失った。
洸の銃撃を回避する手段はなく、それを回収する暇も与えられない。
しかも此処は駐車場。狙撃銃を凌げる障害物が近くにないのも向かい風だ。
放置された車もあったが、オアシスで中途半端でも沈めたせいで、
少女の姿であったとしても無理がある。
「理屈は分からないけど、
あの人の頭から出た奴がないとあのスーツが出ないのかな?」
あの人の頭から出た奴がないとあのスーツが出ないのかな?」
遠巻きに二人を眺めながら、一息つく。
命懸けだったがこれで無力化に成功できた。
安堵の息を吐きたいが、まだ油断はできない。
ロックとひろしが戦ってるもう一人の方も忘れてはならない。
命懸けだったがこれで無力化に成功できた。
安堵の息を吐きたいが、まだ油断はできない。
ロックとひろしが戦ってるもう一人の方も忘れてはならない。
「とどめ刺します。」
ただ、それで終わるわけはなかった。
単純に殺し合いを優先としない参加者であっても、
乗った参加者に対する見解が全員一致するとは限らない。
単純に殺し合いを優先としない参加者であっても、
乗った参加者に対する見解が全員一致するとは限らない。
「み、みっつん? 流石に無力化させるだけでいいんじゃ……」
さっきは装甲を纏っていたから、
死なないという考えがあったから気にはしなかった。
殺し殺されなんてものとは一切無縁の彼女にとって、
殺人の一線は当然存在するし、誰かに手を汚させたくもない。
無論愛も放送や絶鬼の話から、全員が分かり合うなんて話は夢物語だと思ってる。
同好会も基本はバラバラの考え方ではあるし、今回は都合よく纏まるのもないだろう。
完全者の強さ自体は、話に聞いた絶鬼程の実力はないと言うことはなんとなくわかるし、
それならDISCや武器を奪えば、敵も諦めがつく可能性だって十分にある。
死なないという考えがあったから気にはしなかった。
殺し殺されなんてものとは一切無縁の彼女にとって、
殺人の一線は当然存在するし、誰かに手を汚させたくもない。
無論愛も放送や絶鬼の話から、全員が分かり合うなんて話は夢物語だと思ってる。
同好会も基本はバラバラの考え方ではあるし、今回は都合よく纏まるのもないだろう。
完全者の強さ自体は、話に聞いた絶鬼程の実力はないと言うことはなんとなくわかるし、
それならDISCや武器を奪えば、敵も諦めがつく可能性だって十分にある。
「お人好しが過ぎます。無力化した後、奪いにこないとでも?」
冷徹な一言に、愛も言葉が詰まる。
割り切りたくないことだと思っていたが、そういう意味だと正解だから。
なお。物理的に止めようとした場合洸は事を起こしていたので、
程々に留めたことで矛先が向かなかったのは、彼女の知らない地雷回避だ。
割り切りたくないことだと思っていたが、そういう意味だと正解だから。
なお。物理的に止めようとした場合洸は事を起こしていたので、
程々に留めたことで矛先が向かなかったのは、彼女の知らない地雷回避だ。
「それは、そうだけど───! みっつん、危ない!!」
視界の隅に見えたそれ気付いて、咄嗟に彼を押し倒す。
いきなり何事かと思うが、その思考は妨害された。
赤い結晶が洸の頭部を軽く抉り、更に突き飛ばした愛の肩も抉る。
互いに出血したまま倒れ、すぐに二人は起き上がりながら、
今しがた通り過ぎたそれに視線を向けた。
いきなり何事かと思うが、その思考は妨害された。
赤い結晶が洸の頭部を軽く抉り、更に突き飛ばした愛の肩も抉る。
互いに出血したまま倒れ、すぐに二人は起き上がりながら、
今しがた通り過ぎたそれに視線を向けた。
通り過ぎた存在が振り返る。
人と呼ぶには似ても似つかない異形の姿。
しかしツインテールの姿と言った可愛らしさは、
デフォルメされたキャラクターとも受け取れなくもない。
ただ、少なくとも並みの学生ばりの背丈に戸惑うが。
人と呼ぶには似ても似つかない異形の姿。
しかしツインテールの姿と言った可愛らしさは、
デフォルメされたキャラクターとも受け取れなくもない。
ただ、少なくとも並みの学生ばりの背丈に戸惑うが。
「折角どさくさにまぎれたって言うのに、うまくいかないものね。」
伯爵ズが一人、マネーラ。
最後の役者がこの決壊戦線の舞台へと姿を現す。
最後の役者がこの決壊戦線の舞台へと姿を現す。
「───は?」
零を追いかけていたマネーラではあったが、
とても追いかけられる状況ではなくなっていた。
ノワール伯爵の死を告げられて、頭が真っ白になったが故に。
とても追いかけられる状況ではなくなっていた。
ノワール伯爵の死を告げられて、頭が真っ白になったが故に。
「伯爵様、が?」
いや、なんで? としか言えない。
ドドンタスも死亡してることも反応したが、
彼女にとってそれ以上に伯爵の死が信じられないことだ。
自分やナスタシアならまだわかる。でも伯爵が負けるなどあり得ない。
ディメーンから告げられたことが信じられないに拍車をかけるが、
自分が出会った知り合いは誰も告げられてないことを考えるに、
無作為に選んだのではないことぐらいはわかっている。
個人に対して嘘の情報を流すメリットよりデメリットの方が大きい。
ドドンタスも死亡してることも反応したが、
彼女にとってそれ以上に伯爵の死が信じられないことだ。
自分やナスタシアならまだわかる。でも伯爵が負けるなどあり得ない。
ディメーンから告げられたことが信じられないに拍車をかけるが、
自分が出会った知り合いは誰も告げられてないことを考えるに、
無作為に選んだのではないことぐらいはわかっている。
個人に対して嘘の情報を流すメリットよりデメリットの方が大きい。
「……」
マネーラにとって、伯爵に仕える理由は結構軽いものではあった。
彼がイケメンであり、それとイケメンのハーレムを作るためのものだ。
嘗て救われたドドンタスやナスタシアと比べればとても軽い動機だし、
ディメーンのような目的が不明の奴でも、ミスターLのようなパターンでもない。
動機こそかなり軽かったが、ピュアハートが反応する程の忠義を彼女は持つ。
たとえ伯爵の死を前に、心が動かない筈がない。
彼がイケメンであり、それとイケメンのハーレムを作るためのものだ。
嘗て救われたドドンタスやナスタシアと比べればとても軽い動機だし、
ディメーンのような目的が不明の奴でも、ミスターLのようなパターンでもない。
動機こそかなり軽かったが、ピュアハートが反応する程の忠義を彼女は持つ。
たとえ伯爵の死を前に、心が動かない筈がない。
「だったら、変えるしかないわね。」
最初の予定は完全に不可能となってしまった。
伯爵と共に脱出を目指すと言う目的どうあがいても叶わぬ。
となれば目指すのは一つしかない。ディメーンを信用などできないが、
だからと言って脱出して伯爵が、ドドンタスが生き返るかどうかもまた別。
ミスターLとナスタシアも同じだろう。伯爵の為に動くことは決まっている。
だったらやろう。伯爵復活の為に、ディメーンも含め皆殺しにするまでだと。
伯爵と共に脱出を目指すと言う目的どうあがいても叶わぬ。
となれば目指すのは一つしかない。ディメーンを信用などできないが、
だからと言って脱出して伯爵が、ドドンタスが生き返るかどうかもまた別。
ミスターLとナスタシアも同じだろう。伯爵の為に動くことは決まっている。
だったらやろう。伯爵復活の為に、ディメーンも含め皆殺しにするまでだと。
(……)
協力者のあかりについては多少は申し訳ないと思う。
この殺し合いの中で零やギャブロに対する対応の仕方は、
自分を見失わず、それでいて他人を思いやれる大人の在り方だったと言える。
零との問答で伯爵が殺し合いをしたらどちらを味方することは提示している。
天秤にかけたところでそこは変わらないし、優先するべきは伯爵も不変だ。
訣別のように、ピーチの姿から元の姿へと戻る。
この殺し合いの中で零やギャブロに対する対応の仕方は、
自分を見失わず、それでいて他人を思いやれる大人の在り方だったと言える。
零との問答で伯爵が殺し合いをしたらどちらを味方することは提示している。
天秤にかけたところでそこは変わらないし、優先するべきは伯爵も不変だ。
訣別のように、ピーチの姿から元の姿へと戻る。
「悪いわね、アカリ。アンタほど───アタシ優しくないの。」
零の件も頼まれたがすでに彼女を見失っている。
仮に見つけたとしても、あかりの頼みを聞くことはできない。
殺し合いに乗ってるので利用するため今すぐ殺すことはしないが。
姿を元に戻してからは、後は音の方向へと向かって遠巻きに眺めたぐらいだ。
遠巻きに見ていたとはいえ、戦い方から何方がこちら側かは察せられた。
だから混乱を招くよう動く。無力な参加者から刈り取る。
仮に見つけたとしても、あかりの頼みを聞くことはできない。
殺し合いに乗ってるので利用するため今すぐ殺すことはしないが。
姿を元に戻してからは、後は音の方向へと向かって遠巻きに眺めたぐらいだ。
遠巻きに見ていたとはいえ、戦い方から何方がこちら側かは察せられた。
だから混乱を招くよう動く。無力な参加者から刈り取る。
「え!?」
マネーラの乱入によって出た都古の僅かな隙を逃がさない。
完全者は地面に落ちたスタンドDISCを回収する為に走り出す。
流石に不意打ちをするには短いと感じて、そちらを優先する。
都古もすぐに追走するが、出遅れた一手は余りにも遅すぎた。
DISCは先に取られて、その手に握られる。
完全者は地面に落ちたスタンドDISCを回収する為に走り出す。
流石に不意打ちをするには短いと感じて、そちらを優先する。
都古もすぐに追走するが、出遅れた一手は余りにも遅すぎた。
DISCは先に取られて、その手に握られる。
「一手遅かったようだな。
装備する暇はなかったが、私にかまけてていいのか?」
装備する暇はなかったが、私にかまけてていいのか?」
二人に危険が迫っているが、
かといって完全者を野放しにもできなければ、
番傘相手に背を向けて救援もままならない。
ただ、完全者もスタンドなしの状態ではある。
かといって完全者を野放しにもできなければ、
番傘相手に背を向けて救援もままならない。
ただ、完全者もスタンドなしの状態ではある。
「ハァッ!」
迫る都古の徒手空拳を前に、
装備する暇もないまま接近戦に持ち込まれていった。
此処で形勢を逆転されればそれこそ終わりだと。
装備する暇もないまま接近戦に持ち込まれていった。
此処で形勢を逆転されればそれこそ終わりだと。
◇ ◇ ◇
「イッタタタ……ひりひりする。」
「あれは人、なわけないよな。」
疑っていたわけではないが
此処で初めて人外に出くわして少し戸惑う二人。
どこかデフォルメキャラのような可愛らしさがあり、
余り敵と言う認識がしづらくもあった。
此処で初めて人外に出くわして少し戸惑う二人。
どこかデフォルメキャラのような可愛らしさがあり、
余り敵と言う認識がしづらくもあった。
「あら、アタシを人じゃないと思うの? だって───」
そんな二人に、マネーラは変身する。
白衣を羽織ったあかりの恰好へと変わり、
白衣を羽織ったあかりの恰好へと変わり、
「こんな姿になったり。」
続けてギャブロの姿へと変わり、立香、零と次々と姿を変えていく。
「こんな姿もあるわ。さて問題。どれが本来アタシでしょうか?」
元のマネーラの姿へと戻りながら問いかける。
マネーラにとって変身する意味は二つほどあった。
一つは『殺し合いに乗った変身する能力者』がマネーラではなく、
今変身した参加者の誰か、或いは存在しない誰かに擦り付ける為。
ただ此方はマネーラは変身しても能力までは模倣できない上に、
自身の力も使えなくなるので、ある程度考えると即座にばれてしまうが。
マネーラにとって変身する意味は二つほどあった。
一つは『殺し合いに乗った変身する能力者』がマネーラではなく、
今変身した参加者の誰か、或いは存在しない誰かに擦り付ける為。
ただ此方はマネーラは変身しても能力までは模倣できない上に、
自身の力も使えなくなるので、ある程度考えると即座にばれてしまうが。
主に重視しているのはもう一方の、同じく疑心暗鬼の為のもの。
『マネーラの姿さえ参加者を模倣した姿に過ぎない』と印象付ける為。
散々変身した以上、今後彼女達は他の参加者と出会ったとしても、
それが本人かどうかの判断がつかなくなって、疑心暗鬼に陥りやすい。
マネーラは能力こそ光るが、他人を真似ることについてはかなり下手だ。
自分が誰かに成りすましてずっと紛れ込むよりも、内輪もめさせた方がいい。
仮に逃げられたとき用の疑念の種は蒔くことはできた。芽吹けばそれでよし、
芽吹かないなら他の陣営にそれをやって、疑念を加速させればいいだけだ。
悪意のある参加者に出会って疑念を持った奴はギャブロ以外もいるだろう。
全員がすぐに信用できることなど皆無なのだから。
『マネーラの姿さえ参加者を模倣した姿に過ぎない』と印象付ける為。
散々変身した以上、今後彼女達は他の参加者と出会ったとしても、
それが本人かどうかの判断がつかなくなって、疑心暗鬼に陥りやすい。
マネーラは能力こそ光るが、他人を真似ることについてはかなり下手だ。
自分が誰かに成りすましてずっと紛れ込むよりも、内輪もめさせた方がいい。
仮に逃げられたとき用の疑念の種は蒔くことはできた。芽吹けばそれでよし、
芽吹かないなら他の陣営にそれをやって、疑念を加速させればいいだけだ。
悪意のある参加者に出会って疑念を持った奴はギャブロ以外もいるだろう。
全員がすぐに信用できることなど皆無なのだから。
「一番使い勝手良さそうなのは、この身体だけどね。」
さも『他人の能力を模倣して戦う』とでも言わんばかりな発言をしておく。
ありもしない存在で混乱を招けば、自分の立ち回りもより強くなっていくものだ。
ありもしない存在で混乱を招けば、自分の立ち回りもより強くなっていくものだ。
「お喋りは此処まで。言いたいことも言ったことだし……まねーら・ちぇーんじ!!」
マネーラの首が音を鳴らす。
鳴らすと表現はしたものの内容は普通のものではない。
首がぐるぐるとあり得ない動きで回転し始める。
二人揃って目の当たりにしたその光景に恐怖し、
逃げるべきだと脳裏に警鐘が鳴り響くも、足がすくむ。
回転が終われば、彼女の頭部を中心に棒のような足が六本生えて、
胴体だった部分は頭部から力なくぶら下がり、蜘蛛の如く足を広げていく、
フィクションではないその光景は、ホラーの一言以外で表しようがない。
別の世界線では、バトルモードと呼ばれる姿へと変貌する。
鳴らすと表現はしたものの内容は普通のものではない。
首がぐるぐるとあり得ない動きで回転し始める。
二人揃って目の当たりにしたその光景に恐怖し、
逃げるべきだと脳裏に警鐘が鳴り響くも、足がすくむ。
回転が終われば、彼女の頭部を中心に棒のような足が六本生えて、
胴体だった部分は頭部から力なくぶら下がり、蜘蛛の如く足を広げていく、
フィクションではないその光景は、ホラーの一言以外で表しようがない。
別の世界線では、バトルモードと呼ばれる姿へと変貌する。
「じゃあ、死んでくれる?」
頭部から赤い結晶、マネーが放物線を描きながら飛んでいく。
弾速はさほど早くないのと、二人とも距離はあったので避けることは難しくない。
ただ、病院の床に突き刺さるそれの威力は語るに及ばずだ。
次々と放つそれを、足の踏み場を減らされながら愛は凌ぐ。
弾速はさほど早くないのと、二人とも距離はあったので避けることは難しくない。
ただ、病院の床に突き刺さるそれの威力は語るに及ばずだ。
次々と放つそれを、足の踏み場を減らされながら愛は凌ぐ。
「みっつん! 逃げ───」
こんなの自分達でどうこうできる相手じゃない。
また自分が余計なピンチに陥って都古の足を引っ張りたくない。
レッドカードの戦闘範囲外についても冷静に考えられるようになった今、
ばらけてる状況で使って、他の方に飛んで巻き添えになる可能性が出て控えたくなる。
そういう意図もあったが、洸を見やればその様子に少しばかり鳥肌が立つ。
整った顔立ちからは想像できない程、怒気や憎悪と言った感情が見て取れる。
また自分が余計なピンチに陥って都古の足を引っ張りたくない。
レッドカードの戦闘範囲外についても冷静に考えられるようになった今、
ばらけてる状況で使って、他の方に飛んで巻き添えになる可能性が出て控えたくなる。
そういう意図もあったが、洸を見やればその様子に少しばかり鳥肌が立つ。
整った顔立ちからは想像できない程、怒気や憎悪と言った感情が見て取れる。
洸にはもう退くと言う選択肢がなくなっていた。
相手がみすみす逃がしてくれるような輩ではないし、
此処で一般人二人だけで移動と言うのは極めて危険と言う、
合理的な考え……というのは普通の洸にはあっただろうか。
ただ今の洸は、頭部の出血で正常な思考ができない状態にある。
考えてることは、春花の下へ帰るのを邪魔する敵の排除だけ。
カッとなったら見境つかなくなるとは、本人の談だ。
相手がみすみす逃がしてくれるような輩ではないし、
此処で一般人二人だけで移動と言うのは極めて危険と言う、
合理的な考え……というのは普通の洸にはあっただろうか。
ただ今の洸は、頭部の出血で正常な思考ができない状態にある。
考えてることは、春花の下へ帰るのを邪魔する敵の排除だけ。
カッとなったら見境つかなくなるとは、本人の談だ。
「素人が当てられるとでも思ってるわけ?」
幾ら愛が突き飛ばしたことで重傷は回避しても、
頭部からの出血は決してバカにできず今も流れ続けている。
視界が少しぼやけている状態で銃を正確に狙えるものではない。
頭部からの出血は決してバカにできず今も流れ続けている。
視界が少しぼやけている状態で銃を正確に狙えるものではない。
───無論、ただの銃であればの話だが。
「え? あ?」
さっき完全者に対して撃った弾は見ていた。
なのに、何故そんなビームのような砲になってるのか。
銃口を明らかにオーバーした攻撃は多少狙いがずれても、
十分に当てることができて、足が二本程吹き飛ばされて後方の床に突き刺さる。
なのに、何故そんなビームのような砲になってるのか。
銃口を明らかにオーバーした攻撃は多少狙いがずれても、
十分に当てることができて、足が二本程吹き飛ばされて後方の床に突き刺さる。
帝具、浪漫砲台『パンプキン』。
通常は精神をエネルギーとした狙撃銃だが、
ピンチになればなる程にその威力が増すと言う文字通り浪漫な代物。
だから強敵に命の危機に陥ってる洸が使えば、その威力は激増する。
通常は精神をエネルギーとした狙撃銃だが、
ピンチになればなる程にその威力が増すと言う文字通り浪漫な代物。
だから強敵に命の危機に陥ってる洸が使えば、その威力は激増する。
「原理は分からないけど、だったら動けばいいだけの話よ!」
自分の足を天井と床へと一点に伸ばし、
マネーが頭部の四方から突き出したまま頭を回転させる。
足を滑車のように使い頭部が不規則に天井や床で反射しながら迫る。
ホッケーや独楽のような動き、と言うのが正しいのだろうか。
抉れた床や天井から、これもまた受けてはならないが、
マネーが頭部の四方から突き出したまま頭を回転させる。
足を滑車のように使い頭部が不規則に天井や床で反射しながら迫る。
ホッケーや独楽のような動き、と言うのが正しいのだろうか。
抉れた床や天井から、これもまた受けてはならないが、
「クソッ!」
やけ気味に洸がパンプキンを撃っても、
基本ベースが狙撃銃であるパンプキンにとって、
小回りが利かない都合照準は余りうまく定まらない。
元の使い手であるナジェンダやマインならまだしも、
狙撃銃を振り回しながら撃つなんて経験がない彼には無茶な話だ。
何度も光線のような強化された弾丸が放たれるが、悉く外れて院内を破壊していく。
基本ベースが狙撃銃であるパンプキンにとって、
小回りが利かない都合照準は余りうまく定まらない。
元の使い手であるナジェンダやマインならまだしも、
狙撃銃を振り回しながら撃つなんて経験がない彼には無茶な話だ。
何度も光線のような強化された弾丸が放たれるが、悉く外れて院内を破壊していく。
「だったら!」
愛が洸の背後からパンプキンを掴み、天井へと向けながら放つ。
本体が狙えないのならば、足を伸ばした天井を崩すこと優先するのを選ぶ。
目論見通り天井を破壊し、マネーラはバランスを崩す。
瓦礫や破片のせいで追撃できず離れざるを得ないものの、
それはマネーラにとっても同じで避けざるを得なかった。
本体が狙えないのならば、足を伸ばした天井を崩すこと優先するのを選ぶ。
目論見通り天井を破壊し、マネーラはバランスを崩す。
瓦礫や破片のせいで追撃できず離れざるを得ないものの、
それはマネーラにとっても同じで避けざるを得なかった。
「逃がすかぁ!!」
ただマネーラにはこの状況でも攻撃手段がある。
着地しながら、地面から大量のマネーが波のように飛び出し二人へ押し寄せる。
悠に三メートル以上の波だ。タイミングよくジャンプはできないし、
当たれば串刺しになるのは間違いないので逃げるしかない。
着地しながら、地面から大量のマネーが波のように飛び出し二人へ押し寄せる。
悠に三メートル以上の波だ。タイミングよくジャンプはできないし、
当たれば串刺しになるのは間違いないので逃げるしかない。
「こっち!」
完全者がいる中飛び出すものではないが、
どこまで波が続くか分からない今窓から逃げるしかない。
院内を逃げてロックが戦ってる敵と挟み撃ちになればそれこそ終わり
逃げやすいようパンプキンを構える前に他の窓も開けていたのが功を奏した。
二人の足を多少掠めることはあっても、行動不能には至らせない。
どこまで波が続くか分からない今窓から逃げるしかない。
院内を逃げてロックが戦ってる敵と挟み撃ちになればそれこそ終わり
逃げやすいようパンプキンを構える前に他の窓も開けていたのが功を奏した。
二人の足を多少掠めることはあっても、行動不能には至らせない。
「マネマネマネ~~~!!」
駐車場に出て病院からどんどん距離を取っていく。
身体がガラス片のように砕けながら再度元の形を復元すると言う、
斜め上の方法で窓から出て、再びマネーを飛ばされ回避しつつ逃げる。
都古の邪魔にならないよう、あえて二人から離れるように。
身体がガラス片のように砕けながら再度元の形を復元すると言う、
斜め上の方法で窓から出て、再びマネーを飛ばされ回避しつつ逃げる。
都古の邪魔にならないよう、あえて二人から離れるように。
「ドッカーン!」
二人が逃げていく姿を横目に二人は戦い続けていた。
都古は懐に潜り込んでアッパーをかけ、それは回避される。
続けてもう片方の手から放たれたアッパーも首を逸らして、
頬に赤い筋を刻まれる程度の傷に留められた。
都古は懐に潜り込んでアッパーをかけ、それは回避される。
続けてもう片方の手から放たれたアッパーも首を逸らして、
頬に赤い筋を刻まれる程度の傷に留められた。
「どうした、仲間がピンチだぞ?」
はっきり言って完全者はそこまで動かなくてもいい。
彼女が焦って何かしらミスをすればそれだけでいいのだから。
とは言え電光機関とまでは行かずとも、破壊力のある一撃だ。
DISCが装備できる隙を見つけなければ一撃で再起不能にされる。
彼女が焦って何かしらミスをすればそれだけでいいのだから。
とは言え電光機関とまでは行かずとも、破壊力のある一撃だ。
DISCが装備できる隙を見つけなければ一撃で再起不能にされる。
(冷静に対処すればどうと言うことはないさ。)
都古の膂力はタタリによって底上げされて凄まじいが、
根本的な問題、小柄故にリーチが短いと言うことは覆せない。
間合いを取りながら番傘の打撃や弾丸で攻撃する、こすい立ち回り。
完全者と言う名前からは想像がつかないような戦い方ではあるが、
合理的な面で言えば寧ろ完全者の名前通りとも言えるだろう。
根本的な問題、小柄故にリーチが短いと言うことは覆せない。
間合いを取りながら番傘の打撃や弾丸で攻撃する、こすい立ち回り。
完全者と言う名前からは想像がつかないような戦い方ではあるが、
合理的な面で言えば寧ろ完全者の名前通りとも言えるだろう。
肘内も、震脚も、アッパーも。
憔悴に駆られたそれは先程までとは違う。
強くなっても精神が幼い子供である以上は、
今の状況に焦ってしまい精度が悪くなるのは無理からぬことだ。
憔悴に駆られたそれは先程までとは違う。
強くなっても精神が幼い子供である以上は、
今の状況に焦ってしまい精度が悪くなるのは無理からぬことだ。
「かっ飛べぇ!」
距離を取る以上、近づく手段が必須。
一番速度と距離を稼げる飛び蹴りが再び完全者に迫る。
一番速度と距離を稼げる飛び蹴りが再び完全者に迫る。
「───焦ったな!」
それが完全者の待ち望んでいた行動だ。
これが来たときの為に、動きを最小限に留めてたので容易に回避。
飛び蹴りこと彼女曰く『ごけいけん』は確かに素早いが外したリスクも大きい、
無理に攻める必要のない完全者にとっては最高のタイミングが訪れて、
この一瞬でスタンドDISCを再び頭に突っ込んでスタンドを得る。
とは言えあくまで緊急用だ。彼女を倒すのはあくまで自力に頼ることになる。
これが来たときの為に、動きを最小限に留めてたので容易に回避。
飛び蹴りこと彼女曰く『ごけいけん』は確かに素早いが外したリスクも大きい、
無理に攻める必要のない完全者にとっては最高のタイミングが訪れて、
この一瞬でスタンドDISCを再び頭に突っ込んでスタンドを得る。
とは言えあくまで緊急用だ。彼女を倒すのはあくまで自力に頼ることになる。
「さあ、これで今度こそ形勢逆転だ!」
すぐさま着地した後振り返って踏み込む都古。
その動作の前に完全者の前に現れる複数の魔法陣。
その動作の前に完全者の前に現れる複数の魔法陣。
「行け、ラーンスネッツ!」
グレイプニル以外にも使える魔法の一つ。
黒紫の珠が三つ生成され、一斉に彼女に目掛けて発射される。
当たるまいとサイドステップで距離を取りつつ、
追尾性能を持つラーンスネッツは彼女の近くで爆発する。
直撃はしなかったが、爆風のあおりを軽く受ける。
黒紫の珠が三つ生成され、一斉に彼女に目掛けて発射される。
当たるまいとサイドステップで距離を取りつつ、
追尾性能を持つラーンスネッツは彼女の近くで爆発する。
直撃はしなかったが、爆風のあおりを軽く受ける。
「さあどうした、近づけば勝てるだろうに!」
煽られるが、そうしたくてもできない事情もある。
グレイプニルと言う足元から出る技がある以上、
ごり押しで近づいてもそれで足止めされてしまうだけだ。
だから詰める場合は出す暇もなく近づくしかない。
グレイプニルと言う足元から出る技がある以上、
ごり押しで近づいてもそれで足止めされてしまうだけだ。
だから詰める場合は出す暇もなく近づくしかない。
(そう来るのは分かっているぞ?)
当然、完全者もそのことを読んでいる。
元から中距離を保ちながら戦うことに慣れてる都合、
敵の間合いを見ることに関しては素人ではないのだ。
都古の攻撃の飛距離や間合いを想定しての距離の取り方は、
近づけども攻撃が狙えない都古は余計に焦らされるばかりだ。
元から中距離を保ちながら戦うことに慣れてる都合、
敵の間合いを見ることに関しては素人ではないのだ。
都古の攻撃の飛距離や間合いを想定しての距離の取り方は、
近づけども攻撃が狙えない都古は余計に焦らされるばかりだ。
「ハハハハハ! 追い詰めよ!」
詰めの一手に再びラーンスネッツ。
しかしその数は五つと先程の倍近くになっている。
グレイプニルはさも近距離限定の技に見せかけてるが、
設置については別に距離が相手てもできるものだ。
避けに専念してる隙をついて、一気に叩き込む。
展開された魔法陣から放たれた黒紫の珠が再び迫り、
都古はそれを跳躍して飛び越えようとする。
しかしその数は五つと先程の倍近くになっている。
グレイプニルはさも近距離限定の技に見せかけてるが、
設置については別に距離が相手てもできるものだ。
避けに専念してる隙をついて、一気に叩き込む。
展開された魔法陣から放たれた黒紫の珠が再び迫り、
都古はそれを跳躍して飛び越えようとする。
「無駄だ! それはホーミングされるとわかっているだろう!」
彼女の言う通り、飛び越えたとしても背後から迫る。
それに対して裏拳を振るうも、当然のことだが爆発。
更に連鎖的に爆発を起こし、少なからず都古はダメージを受ける。
それに対して裏拳を振るうも、当然のことだが爆発。
更に連鎖的に爆発を起こし、少なからず都古はダメージを受ける。
「イッ……でも、これなら!」
それが彼女の狙いだと、今になって気付いたが。
「しま───!?」
ラーンスネッツは小さいとはいえ爆発を起こす。
微々たるものかもしれないが、都古は子供ゆえに軽い。
だから小規模の爆風でも、彼女の動きを加速させるものになる。
爆風で都古は吹き飛ばされてるが、地面に直撃する寸前に手を地面に当て、
勢いそのままにネックスプリングの要領で前進しながら起き上がる。
起き上がる、とは言うがバネのように跳ねたことで距離を詰め、
一瞬にしてワンインチの距離まで迫られてしまう。
微々たるものかもしれないが、都古は子供ゆえに軽い。
だから小規模の爆風でも、彼女の動きを加速させるものになる。
爆風で都古は吹き飛ばされてるが、地面に直撃する寸前に手を地面に当て、
勢いそのままにネックスプリングの要領で前進しながら起き上がる。
起き上がる、とは言うがバネのように跳ねたことで距離を詰め、
一瞬にしてワンインチの距離まで迫られてしまう。
「グレイプ……」
「当たったらッ!!!」
咄嗟に使おうとするも間に合わない。
ありったけの声を張り上げながら都古は叫ぶ。
力んでるのは単に力を込めてるからか、それとも今からする行為への恐怖か。
着地しながら右手を握り締めて、その技を叩き込む。
ありったけの声を張り上げながら都古は叫ぶ。
力んでるのは単に力を込めてるからか、それとも今からする行為への恐怖か。
着地しながら右手を握り締めて、その技を叩き込む。
「死ぬかも───ッ!!!」
都古の使う技の中で最大の技、絶技雷極・安崩拳。
それはもう、清々しいほどにただ殴るだけのもの。
シンプルであるがゆえに、一切の小細工のない純粋な槍が如き一撃。
最大の技だけあって威力が桁違いに強く、本人の言う通り死ぬかもしれないもの。
殺し合いに乗らない以上これに頼るべきものではないと決めていたが、
だからと言って、愛達を見殺しにするわけにはいかず使うことを選ぶ。
彼女もまた覚悟を決めて相手を倒すではなく、殺す覚悟を決める。
本来とは違い、アッパーの要領で鳩尾へと叩き込む。
すんでのところで何とか番傘を挟んでガードするが、
それはもう、清々しいほどにただ殴るだけのもの。
シンプルであるがゆえに、一切の小細工のない純粋な槍が如き一撃。
最大の技だけあって威力が桁違いに強く、本人の言う通り死ぬかもしれないもの。
殺し合いに乗らない以上これに頼るべきものではないと決めていたが、
だからと言って、愛達を見殺しにするわけにはいかず使うことを選ぶ。
彼女もまた覚悟を決めて相手を倒すではなく、殺す覚悟を決める。
本来とは違い、アッパーの要領で鳩尾へと叩き込む。
すんでのところで何とか番傘を挟んでガードするが、
(この威力、耐え切れ───)
荒っぽい使い方にも耐えれる番傘と言えども、
都古の攻撃を完全に耐えきることはできなかった。
都古の攻撃を完全に耐えきることはできなかった。
「ヌグ、アアアアアッ!!」
番傘はひしゃげ、完全者を吹き飛ばすには余りあるものだ。
空高く彼方へと吹き飛ばされ、完全にこの病院の戦線から離脱させられる。
空高く彼方へと吹き飛ばされ、完全にこの病院の戦線から離脱させられる。
「ハァー、ハァー……」
生死は不明なのは救いか不幸か。
彼女にとっての初めての経験でもあり、手が震える。
だがその恐怖を飲み込む。二人は敵から逃げてるのだから。
彼女にとっての初めての経験でもあり、手が震える。
だがその恐怖を飲み込む。二人は敵から逃げてるのだから。
「早く、行かないと───」
◇ ◇ ◇
「くぉら逃げてんじゃねえワレェ!!」
口調が変わる程に怒りながらマネーラは二人を追跡する。
ちぇんじしたモードは屋外では強みが余りないので、途中で戻った。
参者は平安京の開けた道を必死に移動しながらの戦いが始まっている。
メネーラは二メートルほど浮遊しながら、マネーを展開しては飛ばしていく。
愛が日傘を使って防ぎつつ、洸がパンプキンを撃ちながら逃げるも、
周囲に浮かぶマネーが壁の役割を果たしていて直撃はしない。
ちぇんじしたモードは屋外では強みが余りないので、途中で戻った。
参者は平安京の開けた道を必死に移動しながらの戦いが始まっている。
メネーラは二メートルほど浮遊しながら、マネーを展開しては飛ばしていく。
愛が日傘を使って防ぎつつ、洸がパンプキンを撃ちながら逃げるも、
周囲に浮かぶマネーが壁の役割を果たしていて直撃はしない。
(早く殺さないと、野咲に───)
田舎と言う交通機関の乏しい場所での生活と、
メンバーの中でも体力がずば抜けて高いことで足腰が強い二人で、
かつ途中までマネーラがちぇんじの変身時間で時間を食ったと言う、
様々な要因が重なったことで距離を取りながらそういうことはできた。
しかし、それもマネーラが元の姿に戻ってからは次第に距離が縮んでおり、
更に的が小さくなったことでマネーの壁を突破の為何度も当てなければならないのに、
一発だけだったり外れたりと、攻撃が届くことがないままの逃亡が続く。
メンバーの中でも体力がずば抜けて高いことで足腰が強い二人で、
かつ途中までマネーラがちぇんじの変身時間で時間を食ったと言う、
様々な要因が重なったことで距離を取りながらそういうことはできた。
しかし、それもマネーラが元の姿に戻ってからは次第に距離が縮んでおり、
更に的が小さくなったことでマネーの壁を突破の為何度も当てなければならないのに、
一発だけだったり外れたりと、攻撃が届くことがないままの逃亡が続く。
「みっつん!? ひょっとして、攻撃受けちゃったの!?」
愛が洸の様子を見て、声を上げる。
頭の傷はそのままだが、他に何か受けたわけではない。
頭の傷はそのままだが、他に何か受けたわけではない。
「? 何を言って……ゴホッゴホッ!」
軽く咽て、手のひらを見やる。
怪我らしい怪我を受けてない筈なのに、
彼の手は吐瀉物となる血液に染まっている。
吐血する前にも既に口から血が流れており、だから愛は気付けた。
怪我らしい怪我を受けてない筈なのに、
彼の手は吐瀉物となる血液に染まっている。
吐血する前にも既に口から血が流れており、だから愛は気付けた。
「嘘、だろ。」
洸の支給品がパンプキンであれば、
二階から完全者を狙撃することでの援護はできたはず。
けどしなかった。彼は進んで使いたくなかったのだ。
最初に何度か使って何も問題ないと気にしなかったが、
この舞台ではアカメも考えた帝具のリスクが浮き彫りとなる。
二階から完全者を狙撃することでの援護はできたはず。
けどしなかった。彼は進んで使いたくなかったのだ。
最初に何度か使って何も問題ないと気にしなかったが、
この舞台ではアカメも考えた帝具のリスクが浮き彫りとなる。
(悪かった、のか……!)
少し長い話になるが、帝具には相性が存在する。
『帝具の相性は第一印象で大体決まる』と言うのは、
ブラートが言った言葉ではあるが、全てがそうとは限らない一例もある。
一例として生物型帝具、ヘカトンケイルやスサノオはそういう部類になる。
これらは相性のいい相手が近くにいると目を覚ましたり動いたりするものだ。
それはあくまで生物型の話では? と言われてしまえばそうかもしれない。
ただ、帝具が使用者を選ぶと言うのはある意味では生物のようなものだろう。
羅刹四鬼の一人、イバラがアカメから村雨を奪った際に怖気が走ったように。
何より、インクルシオやライオネルは未だ素材が生きているものだってある、
『帝具の相性は第一印象で大体決まる』と言うのは、
ブラートが言った言葉ではあるが、全てがそうとは限らない一例もある。
一例として生物型帝具、ヘカトンケイルやスサノオはそういう部類になる。
これらは相性のいい相手が近くにいると目を覚ましたり動いたりするものだ。
それはあくまで生物型の話では? と言われてしまえばそうかもしれない。
ただ、帝具が使用者を選ぶと言うのはある意味では生物のようなものだろう。
羅刹四鬼の一人、イバラがアカメから村雨を奪った際に怖気が走ったように。
何より、インクルシオやライオネルは未だ素材が生きているものだってある、
何が言いたいのかと言うと、
帝具は元の使用者に性格が似通ってるかどうかもある程度入るはずだと。
インクルシオをかっこいいと思ったタツミとブラートは印象の善し悪しの定義になるが、
同時にお互いが『これをかっこいいと思える性格をしている』と言う性格の合致とも言える。
他の一例に、嘗て歌姫であったコスミナはマイク型の帝具であるヘヴィプレッシャーを使い、
何でも器用にできるラバックは千変万化の異名を持つクローステールを使ったように、
人としての在り方や性格から、相性の善し悪しを図ることはできなくもないと言える。
スサノオが目覚めた際も、ナジェンダが嘗ての将軍(男)に似ているから目覚めたりと、
以前の使用者と、ある程度何かしらが合致するのも帝具の相性は考えられることだ。
帝具は元の使用者に性格が似通ってるかどうかもある程度入るはずだと。
インクルシオをかっこいいと思ったタツミとブラートは印象の善し悪しの定義になるが、
同時にお互いが『これをかっこいいと思える性格をしている』と言う性格の合致とも言える。
他の一例に、嘗て歌姫であったコスミナはマイク型の帝具であるヘヴィプレッシャーを使い、
何でも器用にできるラバックは千変万化の異名を持つクローステールを使ったように、
人としての在り方や性格から、相性の善し悪しを図ることはできなくもないと言える。
スサノオが目覚めた際も、ナジェンダが嘗ての将軍(男)に似ているから目覚めたりと、
以前の使用者と、ある程度何かしらが合致するのも帝具の相性は考えられることだ。
洸はパンプキンの見た目については余り悪いという印象はなかった。
父の影響でカメラで撮影をすることが多々あり、ファインダーを覗くことは必然。
スコープ越しに見ることができるパンプキンは一致はともかく、ある程度馴染みがある。
狭い視界の中に入った標的を撮るか、撃つか。違いがあるならそれぐらいだし、
彼は春花との恋路を邪魔するなら、その春花にさえも暴力を振るう行動に出る人間だ。
銃と言う引き金一つで人を殺すこともできるそれに対する嫌悪感も、常人よりは薄い。
父の影響でカメラで撮影をすることが多々あり、ファインダーを覗くことは必然。
スコープ越しに見ることができるパンプキンは一致はともかく、ある程度馴染みがある。
狭い視界の中に入った標的を撮るか、撃つか。違いがあるならそれぐらいだし、
彼は春花との恋路を邪魔するなら、その春花にさえも暴力を振るう行動に出る人間だ。
銃と言う引き金一つで人を殺すこともできるそれに対する嫌悪感も、常人よりは薄い。
だが性能は致命的に合わないものだ。
パンプキンは狙撃銃ではあるが、相手が近くても応戦できるうえに、
読んで字の如く浪漫砲台。逆境でこそ真価を発揮する性能を持つ。
本来の使用者たるマインは差別を受けたことで路地裏生活を強いられ、
明日をも知れぬ身であったため勝ち組と言う『逆転』に執着していた。
(一応差別をなくすため、と言うまともな理由での行動もあったりするが。)
ある意味、そんな反骨精神がパンプキンと引き合わされたとも言える。
パンプキンは狙撃銃ではあるが、相手が近くても応戦できるうえに、
読んで字の如く浪漫砲台。逆境でこそ真価を発揮する性能を持つ。
本来の使用者たるマインは差別を受けたことで路地裏生活を強いられ、
明日をも知れぬ身であったため勝ち組と言う『逆転』に執着していた。
(一応差別をなくすため、と言うまともな理由での行動もあったりするが。)
ある意味、そんな反骨精神がパンプキンと引き合わされたとも言える。
では洸はどうだろうか。確かに家庭環境は最悪な部類に入るのは間違いない。
父によって暴力が愛と伝えられ、母によって暴力が愛だと決定づけられた。
逆境にいたかもしれないが、最終的に暴力で解決できることを覚えてしまった。
思い通りにならなければ恋慕する相手でさえ手を上げかかる彼の生き方に逆境はない。
壁と言う逆境があっても乗り越えるのではなく、暴力で壁に穴を開けて素通りするだけの、
真っ平らな生き方において『逆境』も『浪漫』など何処にもない。
父によって暴力が愛と伝えられ、母によって暴力が愛だと決定づけられた。
逆境にいたかもしれないが、最終的に暴力で解決できることを覚えてしまった。
思い通りにならなければ恋慕する相手でさえ手を上げかかる彼の生き方に逆境はない。
壁と言う逆境があっても乗り越えるのではなく、暴力で壁に穴を開けて素通りするだけの、
真っ平らな生き方において『逆境』も『浪漫』など何処にもない。
長々と話したが、
簡潔に済ませれば洸は『見た目で大体決まる』の『大体』から外れ、
相性が悪いと分かってないまま使用し続けた結果がその吐血だ。
簡潔に済ませれば洸は『見た目で大体決まる』の『大体』から外れ、
相性が悪いと分かってないまま使用し続けた結果がその吐血だ。
「だ、大丈夫!?」
「この銃の、使い過ぎ、です……ッ!」
パンプキンは使用者の精神力を糧に弾として撃つ。
当たらないからと何度も何度も撃ち続ければ、
相性の良くない洸から精神だけでは賄いきれなくなる。
そのツケが、ようやく目に見えた形となって表れてきた。
加えて、忘れがちだが狙撃銃は銃身がぶれないようにするため重い。
カメラが少なからず重いものでも、長時間銃を持って動く体力もなかった。
当たらないからと何度も何度も撃ち続ければ、
相性の良くない洸から精神だけでは賄いきれなくなる。
そのツケが、ようやく目に見えた形となって表れてきた。
加えて、忘れがちだが狙撃銃は銃身がぶれないようにするため重い。
カメラが少なからず重いものでも、長時間銃を持って動く体力もなかった。
「なんかわからないけど、追い詰められてるってわけね!」
歩みを止めた洸に引き返す愛。
絶好の機会を逃さず、二人の頭上に展開されるマネーの雨。
愛が咄嗟に日傘を頭上に向けたことで防ぐことには成功するが、
周囲には地面に突き刺さったマネーがそこかしこに突き刺さっていく。
体力が減りつつある洸と、動けてると言えど足がブロック状になってる都合、
ちゃんとした走りができない愛では狭い足場を満足に逃げることもできない状態だ。
絶好の機会を逃さず、二人の頭上に展開されるマネーの雨。
愛が咄嗟に日傘を頭上に向けたことで防ぐことには成功するが、
周囲には地面に突き刺さったマネーがそこかしこに突き刺さっていく。
体力が減りつつある洸と、動けてると言えど足がブロック状になってる都合、
ちゃんとした走りができない愛では狭い足場を満足に逃げることもできない状態だ。
「ピーチと言い、どんだけ硬い傘使ってるのよ!」
奇しくも戦ってきた勇者の一人と、
同じ色の傘で同じ風に防がれている。
少しだけ腹立たしくなるが二人はヨゲンのしょの勇者などではない。
今までがまぐれに過ぎない存在であり、自分の優位性も変わらなかった。
二人は今、絶体絶命の状況へ追い込まれている。
同じ色の傘で同じ風に防がれている。
少しだけ腹立たしくなるが二人はヨゲンのしょの勇者などではない。
今までがまぐれに過ぎない存在であり、自分の優位性も変わらなかった。
二人は今、絶体絶命の状況へ追い込まれている。
そう。『絶体絶命のピンチ』なのだと。
「!」
洸が突如起き上がり、
パンプキンを持ち上げようとする。
パンプキンを持ち上げようとする。
「みっつん!? 使いすぎると危険なんでしょ!?」
もうただでさえ頭部から出血して止血もせず、
帝具の使い過ぎで疲弊してる姿は痛々しく見ていられない。
静止の言葉も無視し、洸は狙いをマネーラの方へと定めようとする。
レッドカードも命懸けで頑張ってる彼の行為を無駄にすると思えてしまい、
結局使えないまま手元に残したままになっていた。
帝具の使い過ぎで疲弊してる姿は痛々しく見ていられない。
静止の言葉も無視し、洸は狙いをマネーラの方へと定めようとする。
レッドカードも命懸けで頑張ってる彼の行為を無駄にすると思えてしまい、
結局使えないまま手元に残したままになっていた。
(どいつもこいつも……)
朦朧とした意識で思ったのはそれだ。
止めようとする愛も、殺そうとするマネーラも、
そして自分の思うように動かないパンプキンにさえ。
八つ当たりに等しいそんな怒りではあるが、こういう時は話が別だ。
パンプキンの使い手であるマインはセリューに勝利した時は、
使用者の感情が昂ることでも威力が十分に強化されていた。
マイン曰くその時のセリューの敗因は『私を怒らせた』とのこと。
止めようとする愛も、殺そうとするマネーラも、
そして自分の思うように動かないパンプキンにさえ。
八つ当たりに等しいそんな怒りではあるが、こういう時は話が別だ。
パンプキンの使い手であるマインはセリューに勝利した時は、
使用者の感情が昂ることでも威力が十分に強化されていた。
マイン曰くその時のセリューの敗因は『私を怒らせた』とのこと。
筋違いや逆恨みと、おかしなものであっても怒りは怒りであることに変わらない。
自分の意に沿わない愛に怒り、自分の目的を邪魔する完全者やマネーラに怒り、
何よりも暴力で解決すると言う考えを制御しきれない今の状況に置いて、
彼の怒りは怒髪天を衝くに等しいものとなっていた。
自分の意に沿わない愛に怒り、自分の目的を邪魔する完全者やマネーラに怒り、
何よりも暴力で解決すると言う考えを制御しきれない今の状況に置いて、
彼の怒りは怒髪天を衝くに等しいものとなっていた。
(引き金が、重い。)
ただ、疲弊しきった身体は鉛のように重く、
最早引き金を引くことも満足にできず、
狙いも思ってる以上にうまく定まらない。
撃たねば此処で死ぬ。だから撃って殺す。でもできなかった。
彼一人では、最早戦う力は残されてないのだ。
最早引き金を引くことも満足にできず、
狙いも思ってる以上にうまく定まらない。
撃たねば此処で死ぬ。だから撃って殺す。でもできなかった。
彼一人では、最早戦う力は残されてないのだ。
「……愛、さん?」
愛は天井を破壊した時のように、
後ろから洸を抱きかかえるようにパンプキンを握り締める。
後ろから洸を抱きかかえるようにパンプキンを握り締める。
「みっつんだけに背負わせたくない。愛さんも、半分持つから!」
マネーラとの戦いで攻撃は常に洸に任せっぱなしだ。
可奈美も、ひろしも、ロックも、都古も。全員戦ってる。
命を奪うかもしれない状況下で、皆命懸けで戦っていた。
そうやって手を汚すことも全て洸に任せてしまうのか。
だめだ。そんな自分だけが潔白でいるなんてことは。
皆が誰かを殺す罪を背負うのなら、自分も背負うべきだと。
バラバラでありながらもスクールアイドル同好会で意見が一致した、
アイドルとファンは共にあると言う姿のように。
自分も皆と一緒に歩むことを選ぶ。
可奈美も、ひろしも、ロックも、都古も。全員戦ってる。
命を奪うかもしれない状況下で、皆命懸けで戦っていた。
そうやって手を汚すことも全て洸に任せてしまうのか。
だめだ。そんな自分だけが潔白でいるなんてことは。
皆が誰かを殺す罪を背負うのなら、自分も背負うべきだと。
バラバラでありながらもスクールアイドル同好会で意見が一致した、
アイドルとファンは共にあると言う姿のように。
自分も皆と一緒に歩むことを選ぶ。
「これが! 愛さんとみっつんの一撃だよ!!」
洸がパンプキンをある程度支え、
愛がしっかりと狙って彼の指を押し込んでその引き金を引く。
絶対絶命と言う状況で放たれる二人のピンチを感じたパンプキンの威力は、
今まで三人が見てきたものの中で、最高の一撃となる。
愛がしっかりと狙って彼の指を押し込んでその引き金を引く。
絶対絶命と言う状況で放たれる二人のピンチを感じたパンプキンの威力は、
今まで三人が見てきたものの中で、最高の一撃となる。
「ええ!?」
極太のビームにマネーラも驚愕する。
とても今から回避しても間に合わない。
今周囲に浮かせてるマネーを収束させて、
即席の壁とすることで、直撃を防ぐ。
とても今から回避しても間に合わない。
今周囲に浮かせてるマネーを収束させて、
即席の壁とすることで、直撃を防ぐ。
「グッ、ツ、こ、こんなもの……!!」
耐える。耐えようと押しとどめる。
この威力、直撃すれば肉片一つ残らない。
マネーに多少のヒビが入っていくものの、
このビームがいつまでも続くわけではないだろう。
それまで耐え凌げれば自分の勝ちだと。
この威力、直撃すれば肉片一つ残らない。
マネーに多少のヒビが入っていくものの、
このビームがいつまでも続くわけではないだろう。
それまで耐え凌げれば自分の勝ちだと。
「いっけええええええええええええええッ!!!」
愛は思いっきり叫ぶ。
意味はないかもしれないとは思いながらも、叫ばずにはいられなかった。
一見無意味かもしれない行動ではあるが、意外と意味はあったりする。
意味はないかもしれないとは思いながらも、叫ばずにはいられなかった。
一見無意味かもしれない行動ではあるが、意外と意味はあったりする。
「マ、マネーが……!」
先ほども述べたが、パンプキンは感情の昂ることでも威力が強くなる。
想いの強さが威力に繋がるのであれば、叫ぶことも決して無意味ではない、
威力が上がったことでマネーの割れる音の悲鳴と共に亀裂が広がっていく。
盾にしてきたマネーが一つ、一つと次々と砕け始める。
想いの強さが威力に繋がるのであれば、叫ぶことも決して無意味ではない、
威力が上がったことでマネーの割れる音の悲鳴と共に亀裂が広がっていく。
盾にしてきたマネーが一つ、一つと次々と砕け始める。
「保て、な───」
次々と砕けていき、最後の盾となるマネーが粉々に砕ける。
盾を失ったマネーラはそのままパンプキンの光に包まれ、
辺獄の空に一筋の光が駆け抜けた───
盾を失ったマネーラはそのままパンプキンの光に包まれ、
辺獄の空に一筋の光が駆け抜けた───