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波紋呼ぶ赤の森 ◆eQhlNH2BMs



「はあ…はあ……」

ダグバから逃れた園咲霧彦は、同行者である少女、高町ヴィヴィオを背負って北にある中学校を目指していた
そこなら保健室もあるだろうし、ちゃんとした手当てができるはずだ。

「ここだな……ぐっ!?」

なんとか学校にたどり着いた霧彦だったが、そこで顔が苦痛にゆがんだ。
気絶しているヴィヴィオもそうだが、霧彦自身も先ほどの戦いで深いダメージを負っている。
そんな状態で休みもせずにヴィヴィオを背負ってここまで来たのだ。
さらに、学校へたどり着いたことにより緊張が解けたことにより、一気に疲れや痛みが襲ってきたのだ。
学校を眼前にして、その場に倒れてしまう霧彦。


「だ、大丈夫ですか!?」


そんな彼らの前に現れたのは、一人の少女だった。



「ありがとう、助かったよ祈里ちゃん」

保健室にて手当てを受け、礼を言う霧彦。

「いえ、お二人とも無事でほっとしました」

手当てを施した張本人――山吹祈里は柔らかな笑みを浮かべて言った。
ほむらと別れた(というよりいきなりいなくなったのだが)後、彼女はこの中学校内にとどまっていた。
理由は校内の探索と、ここにやってくるかもしれない参加者を待つためである。

そうして現れたのが、校舎を前に倒れる霧彦とヴィヴィオだったのだ。
祈里は二人を保健室まで運んで手当てをして…そうして今に至るというわけだ。


「えっと…あなたが園崎霧彦さんで、そこで眠っているのが高町ヴィヴィオさん」
「ああ、それと…」

言葉を続けようとする霧彦と祈里の間に割って入ってきたのは…ウサギのぬいぐるみを外装としたヴィヴィオの愛機。

「えっと、この子は…?」

動くぬいぐるみを見ても、祈里は特に驚かなかった。
普段からタルトやシフォンと一緒にいるため、今更驚きようもなかった。

「セイクリッド・ハートというらしい」
「(こくこく)」←うなずくすなおさ
「可愛い~~~~~!!」

祈里は歓声を上げると、クリスを抱きしめ頬ずりをしていた。
クリスの方も満更ではなさそうだ。


「それで祈里ちゃん。確認してほしいことがあるんだけど…」
「あ、はい。なんでしょう?」



「どうだった?ヴィヴィオちゃんの身体は」

数十分後、一度保健室内から退出していた霧彦がやってきて、祈里にヴィヴィオの様子を尋ねた。

「はい…衣服で隠れてる部分も含めて見てみましたけど、特におかしな様子はありませんでした」
「やはりそうか…」

霧彦が祈里に調べさせていたのは、コネクタなしでガイアメモリを使ったヴィヴィオの体に異常がないかどうかだった。
一応霧彦自身も学校につく前に簡単に調べはしたのだが、さすがに衣服を脱がして細部まで調べるわけにもいかず、また逃走中の身で時間的余裕もなかった。
ゆえに、こうして出会った祈里に、ヴィヴィオの体を調べさせたのだ。

「どうやらこの説明書に書かれてあることは本当のようだ」

霧彦が取り出したのは、ヴィヴィオのデイバックから取り出したヒートメモリの説明書だ。
この説明書には、コネクト無しでの挿入が可能だと書かれていた。
正直半信半疑だったのだが、記述に誤りはないようだ。

「コネクタ無しでの挿入で体に異常がない…か」

ミュージアムが新しく開発した技術なのか。
あるいは首輪に特別な細工がされているのか。
それとも全く別の理由からなのか。
少なくとも、今のままでは分からない。

「とにかく、まだ安心はできないな…」

説明書によれば、使用による精神汚染は変わらず存在するようだ。
彼女が目を覚ましたら、様子を確かめてみる必要がある。


「あ、あの……」
「ん?なんだい祈里ちゃん」


思考に没頭していた霧彦は、祈里に声をかけられて顔を上げる。

「その…情報交換しませんか?」
「ああ、それもそうだね」


「それじゃあ、そのノーザって人は殺し合いに乗っている可能性が高いんだね?」
「はい、おそらく……霧彦さんの知り合いは左翔太郎さんと園崎冴子さん、ですね?」
「ああ、仮面ライダー君は信用できるだろうが、冴子は…正直よくわからないな」
「でも、霧彦さんの奥さんなんですよね?」

祈里の言葉に、霧彦はふっと自嘲気味に笑った。

「僕も冴子のことは信じてやりたいんだけどね…とりあえず、出会ったら用心するに越したことはないと思うよ」
「そうですか…」


霧彦の様子から聞いてはいけない何かがあることを感じとり、祈里はそれ以上追及しなかった。


「しかし…君は友達が3人もこの場に呼ばれているのか」
「はい…だけど、ラブちゃんも美希ちゃんもせつなちゃんもきっと無事だって信じてます!」

明るくそういってはいるが、きっと心の奥底では友達の身を案じているのだろう。


「(くそ…やはりこの殺し合いには、ミュージアムが関わっているのか!?)」


祈里にヴィヴィオ、祈里の3人の友人にヴィヴィオの友人だというアインハルト。
さらに祈里の話によれば、数時間ほど前に彼女と同じくらいの年の見知らぬ少女と出会ったらしい。
この殺し合いの場には、自分が思っていた以上に子供が多い。
この事実に、霧彦はあの時の園咲琉兵衛の言葉を思い出さずにはいられない。


『大人になりきれない年代の子供ほど、より精度の高い、良いデータが得られるからねえ。純粋無垢な精神と肉体により、バードメモリは急速な進化を遂げるだろう。そして、やがて限界を超える』
『使用した人間が、死ぬという事ですか?』
『無駄な死ではない。それによって得られたデータは、我がミュージアムの目的に大いに貢献するだろう』


「(ふざけるな!)」

霧彦は風都を愛していた。
そして、ガイアメモリはそんな風都をより素晴らしい存在へと変えてくれるものだと信じていた。
しかし彼らは…ミュージアムはそんなこと考えていなかった。
彼らにとって風都はただの実験の舞台装置に過ぎなかったのだ。
そしてここに呼ばれた参加者たちもまた実験台…ケージの中に閉じ込められたモルモットということなのだろう。


「(そんなことさせない…させてたまるか!お前の好きにはさせない!園咲琉兵衛!)」



「あれは……!」

その時、祈里が驚きの声を上げた。
彼女は校舎の外を見て驚いているようだ。
霧彦もそちらへ首を向けてみると…


「な……!」


森が燃えていた。



「あれはまさか…!」

燃え盛る炎を見て、霧彦が思い出したのは先ほど戦った怪人。
この火災は奴の仕業だろうか。

祈里の方を見ると、不安そうな顔で燃えている森を見つめていた。
しかしその顔はやがて決意を秘めた表情に変わった。
その様子に本能的にまずいと感じた霧彦は、


「私、あそこに「僕があそこまでちょっと様子を見に行ってくるよ!」


祈里の言葉を遮り、霧彦は自分が火災現場へ行くことを申し出た。
あそこには、あの恐ろしい怪人がいる可能性が高い。
そんな場所に、彼女を行かせるわけにはいかない。

「だめですよ!まだ怪我が治ってないんですから!私が行きます!」
「だめだ!君を行かせるわけにはいかない!」

ヴィヴィオの例もあるため、彼女も何らかの戦う力を持ってる可能性は高いだろう。
それでも、あの怪人と戦わせるわけにはいかない。
あいつは、全てを飲み込みかねないほどの力を持った悪魔だ。
ヴィヴィオの時のような失敗を再び犯すわけにはいかない!

「君はヴィヴィオを看ててくれ!あそこには僕が一人で行く!」
「…分かりました」

懸命な説得の末、どうにか祈里は思いとどまってくれたようだ。
しかし彼女は、不安そうな表情で霧彦を見ている。
それに対し霧彦は、ふっと表情を和らげて言った。

「大丈夫だよ、ちょっと見てくるだけさ。すぐに戻ってくるよ」

霧彦としても、こんなところでやられるわけにはいかない。
ナスカの力による限界がいつかは訪れるだろうが、それまでは死ぬつもりはない。


「…絶対、戻ってきてくださいね」
「ああ、約束するよ」


未だに不安そうな祈里の言葉に、霧彦は薄く笑みをこぼしながら応えると、中学校校舎を後にした。


【1日目/黎明 G-8 中学校周辺】

【園咲霧彦@仮面ライダーW】
[状態]:疲労(中)、ダメージ(中)、内臓にダメージ(小)(手当て済)
[装備]:ナスカメモリ@仮面ライダーW、ガイアドライバー@仮面ライダーW
[道具]:支給品一式、ランダム支給品1~3、ヒートメモリ@仮面ライダーW
[思考]
基本:この殺し合いを止める
1:火災現場へ向かう
2:冴子は可能なら説得したい
3:本郷猛、一文字隼人に興味
4:ガイアメモリは支給された人次第で回収する 
[備考]
 ※参戦時期は18話終了時、死亡後からです
 ※主催者にはミュージアムが関わってると推測しています
  ゆえにこの殺し合いも何かの実験ではないかと考えています



【1日目/黎明 G-8 中学校】

【高町ヴィヴィオ@魔法少女リリカルなのはシリーズ】
[状態]:疲労(小)、上半身火傷、左腕骨折(手当て済)、気絶中
[装備]:セイクリッド・ハート@魔法少女リリカルなのはシリーズ
[道具]:支給品一式、ランダム支給品0~2
[思考]
基本:殺し合いには乗らない
1:気絶中
2:みんなを探す
[備考]
 ※参戦時期はvivid、アインハルトと仲良くなって以降のどこかです

【山吹祈里@フレッシュプリキュア!】
[状態]:健康
[装備]:リンクルン
[道具]:支給品一式(食料と水を除く)、ランダム支給品1~2
[思考]
基本:みんなでゲームを脱出する。人間と殺し合いはしない。
1:霧彦が戻ってくるのを信じて待つ
2:ヴィヴィオの様子を看る
3:桃園ラブ、蒼乃美希、東せつなとの合流
4:一緒に行動する仲間を集める
[備考]
※参戦時期は36話(ノーザ出現)後から45話(ラビリンス突入)前。
※「魔法少女」や「キュゥべえ」の話を聞きましたが、詳しくは理解していません。
※ほむらの名前を知りませんが、声を聞けば思い出す可能性はあります。


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最終更新:2013年03月14日 22:32