Kは吠える/永遠という名の悪魔 ◆LuuKRM2PEg


 D-6エリアにそびえ立つグロンギ遺跡の来訪者が、涼邑零の他にもう一人現れた。
 時間の経過と共に薄くなっていく闇に覆われた森林の中を駆け抜けて、既に死人となったその男がここに辿り着いている。何十本の枝や数え切れないほどの葉っぱによって星空の輝きはまともに差し込まなかったが、そんなのは男にとって何の障害にもならない。実の母親すらもその手で殺しても、何の感情も湧き上がらない悪魔となった彼が今更恐怖に支配されるなど有り得なかった。
 古代文字と思われる模様が刻まれた棺が多く存在するが、大道克己は一切の興味を示さない。その中には死人が眠っているのかもしれないが、それなら地獄を生み出すまで放置するだけ。たった一人だけ連れてこられた仲間すらも踏み台にして優勝すると決めた今の克己には、そもそも死人をNEVERにして連れ出そうなんて発想が無い。
 尤も、仮に仲間にしようとしてもNEVERにする為の方法がない以上、どうしようもないが。

「呪泉郷とやらはこの近くか」

 数時間前に仮面ライダーと思われる異形に変身した男や途中から乱入してきたバンダナ男と交戦した後、C-7エリアに存在する呪泉郷を目指して進んでいたら、克己はこの遺跡に辿り着いた。地図によるとここはグロンギ遺跡というらしく、念の為参加者がいないか調べてみたが、やはりこんな辛気臭い場所には誰もいない。
 だが別段落胆する事などなかった。いないならいないで他を探せばいいだけで、その程度に落ち込んでいるようでは戦いで生き残るなんてできない。死人が『生き残る』なんて話など、奇妙かもしれないが。
 とにかく、これ以上誰もいない遺跡などに留まっていたとしても何も得られない。それに古い時代の産物に目を向けるなんて、全ての過去を捨てた克己にとっては無駄以外の何物でもなかった。
 克己は地面に放置していたデイバッグを拾って遺跡を後にする。
 それから数分ほど経った瞬間、遠くから複数の足音が響くのを察知する。風によって揺れる木の葉や塵の音に掻き消されてしまいそうな程に微かなそれだったが、NEVERの常人離れした聴覚ならば捉えるのは容易。

「この音は……近いな」

 耳を澄ませてみれば、三人分の足音の他にはカラカラと台車を引くような音も聞こえてくる。恐らく、荷物を運ぶ為にリアカーのような物でもあるのだろう。そんなのが殺し合いの役に立つのかどうかはまるでわからないが、考えても仕方がない。
 方角から考えて、音の主達は呪泉郷から離れていくのだろうが逃がすつもりはなかった。全てのメモリの王者であるT-2エターナルメモリを握り締めた克己は、すぐさま走り出す。NEVERの身体能力と数多の戦場を切り抜けてきた経験によって、その脚力は数キロもの距離を瞬時に駆け抜けられるほど優れていた。
 その姿はまさしく、生きている者全てを闇の中から引きずり込もうと企む、悪魔のようだった。




 呪泉郷から離れてから時間が大分経ったのか、木々の間から光が差し込んでくる。ぼんやりと地図を確認してみたが、具体的な場所はわからなかった。
 天道あかねに出来るのは、のんびりと寿司屋台を引く梅盛源太と一緒に南東の市街地を目指すしかない。肝心の源太は今、奇妙な格好をした無精髭の怪しい男にさっきから声をかけているが、まともな答えは返ってこなかった。名前を尋ねようとしても、適当に流されてしまう。
 まるで、一人になる為にわざとぶっきらぼうな態度を取っているかのようだった。

「なああんた、本当に戦いしか望んでないのか? そんな人生、寂しくね?」

 今だって源太は、これから周囲を照らしてくる太陽のように明るく訪ねるが。

「それが俺の全てだ……寿司屋、邪魔をするというならお前も容赦しない」

 と、怪しい男は淡々とした返事をするだけ。
 詳しい事情は知らないが、この男はただひたすら強い戦士との戦いを望んでいるらしい。そんな奴と一緒に行動するのはあかねにとって不安以外の何者でもなかったが、客を一人にするわけにはいかないと源太は言っていたので、こうして歩いている。
 無論、あかねとて誰も犠牲になって欲しくないと願っているが、それでも行動する相手は選びたかった。今は源太の作った寿司のおかげで落ち着いてはいるが正直な話、早く離れたいとすら思っている。

「おいおいおい、待ってくれ! 俺に客を斬るなんて趣味はねえよ!」
「なら、黙っている事だな……そもそも、お前たちは何故俺に付いて来る?」
「何でって……そりゃあ、一緒に寿司を食った仲だからに決まってるだろ! な、姉ちゃん!」
「う、うん……」

 朗らかな源太の問いかけに対してあかねは断る事など出来ない。もしもここで下手な事を言ってしまっては、あの巨大な刀で斬られてもおかしくなかった。
 それに全身から漂う雰囲気から考えて、男が只者とは思えない。源太もそれなりに強いのだろうが、もしも戦いになった時に勝てるかどうかわからなかった。それにあかね自身、無駄な戦いなんて避けられるなら避けたいと考えているので、相手の神経を逆撫でしない方が得策だと考えている。

「そうか……なら、勝手にしろ」
「ああ、勝手にするさ!」
「だが気をつけろ。もしも邪魔をするのなら……」
「わかってるって、あんたの邪魔はしねえよ! 強くなりたいってのは、男ならだれでも持ってる願いだからな!」

 仏頂面な男とは対照的に、源太はどこまでも光を放っていた。
 強くなりたい。無差別格闘天道流の主、天道早雲の娘に生まれてからずっと鍛えてきたあかねにも理解できる願いだが、無精髭の男から感じられるのは少し違う気がする。まるで、強くなる為なら人殺しも躊躇わないような目つきだったが……そんな失礼な事、口に出来るわけがない。
 それはただの気のせいだと思ってあかねは不安を振り払った、その時だった。

『ETERNAL』

 何処からともなく、そんな無機質な音声が鳴り響いてくる。
 その声はあかねには覚えがあった。何もすることが無くただぼんやりと支給されたT-2バードメモリのボタンを押してみたら、聞こえてきた声ととてもよく似ている。そんな一瞬の思考の後、自然の物とは思えない蒼い輝きによって闇が照らされた。
 一体何事かと思ってあかねが振り向くと、そこには人ではない異形が立っていた。額からは三本の角が真っ直ぐ上に伸びていて、∞の形をした複眼が黄色に輝いている。純白に彩られた装甲と周囲の闇に同調しそうな黒いローブが、あまりにも対照的だった。
 あまりにも予想外すぎる訪問者を前にあかねは呆気に取られながらも、無意識の内に訪ねる。

「えっ、あなた……誰?」
「仮面ライダー……エターナルだ」

 淡々と名乗った異形、仮面ライダーエターナルは腰から取り出したコンバットナイフを手中で数回転させてから、その切っ先を向けてきた。




「はぁ、仮面ライダー?」

 闇の中より突如として現れた仮面ライダーエターナルを見た途端、梅盛源太は怪訝な表情を浮かべる。
 仮面ライダー。一瞬だけ何の事かと思ったが、あの加頭順とかいういけ好かない奴からそう呼ばれていた男たちがいた。一瞬だけ味方かと考えたが、すぐに違うと源太は判断する。
 いきなり現れて刃物を向けてくるような相手は、あかねを襲った女と同じで敵としか思えない。外道衆と同じで倒さなければならない連中だ。
 だから源太は懐からスシチェンジャーと寿司ディスクを取り出して、あかねと無精髭の男を庇うように立った。

「そうか、お前が最初に地獄へ行きたいのか。面白い」
「させるかよ!」

 鼻で笑うエターナルに力強く啖呵を切りながら、スシチェンジャーの中央に位置するボタンを指で押す。軽快な和風の音楽が響くのを耳にしてから本体を畳んで、寿司ディスクを折り曲げた。
 そして、源太は寿司を握るかのように、寿司ディスクをスシチェンジャーの上にセットする。

「一貫献上!」

 悪を倒すという揺るぎない信念を乗せた言霊を発した瞬間、スシチェンジャーから電子モヂカラが溢れ出して、眩い光のように辺りを照らした。漢字の『光』の形となったそれは源太の顔を覆い尽くした瞬間、一瞬で変身が果たされる。
 光が収まった頃、その身体は『光』の文字が大きく書かれたマスクと金色に輝くスーツで覆われていた。侍戦隊シンケンジャーの六人目の侍、シンケンゴールドへと梅盛源太は姿を変えていた。

「シンケンゴールド……梅盛源太!」

 腰からサカナマルを構えながら、シンケンゴールドは威勢よく名乗りを上げる。これまでは二度も邪魔されたので、ようやく最後まで名乗れた事に心が晴れるが、その直後にエターナルが飛び込んできた。
 その手に握られたコンバットナイフが縦に振るわれるのを見て、シンケンゴールドは素早くサカナマルを鞘から引き抜いて、激突させる。二つの刃から火花が飛び散りながら金属音が響くが、シンケンゴールドはそれを気にせず後ろに振り向いた。
 あかねもそうだが、無精髭の男も表情が驚愕に染まっている。ただの寿司屋がいきなりこんな姿になっては当然かもしれないが、事情を説明するのは後だ。

「お前は……?」
「なああんた、その姉ちゃんを連れて少しでもここから離れてくれ! こいつは俺が引き受けるからよ!」

 そう言いながらエターナルの方に振り向いて、ナイフを押し返そうと両腕に力を込める。しかしエターナルはびくともせず、すぐにしびれを切らしたシンケンゴールドは拮抗状態から抜け出す為に横へ飛んだ。
 数メートル離れた地面に着地した瞬間、エターナルが再び突貫してくる。思わずサカナマルを振るうも、風に棚引くマントによって受け止められてしまい、逆にナイフの一太刀を浴びてしまった。衝撃はスーツの下まで簡単に届き、シンケンゴールドは呻き声を漏らした瞬間、再びナイフで斬りつけられる。
 痛みによって数歩ほど後退するが、それでもシンケンゴールドはサカナマルで斬りかかった。しかしエターナルが右足を軸に身体を回転させた事で、刃の軌道にマントが割り込んでくる。サカナマルの刃先はマントに到達するが、金属音が響き渡った後に呆気なく弾かれるだけに終わってしまった。

「何だ、この邪魔なマントは!」
「お前如きが打ち破れる物ではない、諦めて大人しく地獄に堕ちろ」
「なんだと……!?」

 余裕満々といった様子で嘲笑するエターナルを前に、シンケンゴールドの怒りが更に燃え上がっていく。
 馬鹿にされた事が耐えられず、湧き上がった感情に任せて腹部から寿司ディスクを取り出した。鍔とするようにサカナマルに取り付けて、勢いよく横回転させる。電子モヂカラが両手から全身に駆け巡るのを感じて、シンケンゴールドは勢いよく前進した。

「サカナマル・百枚下ろし!」

 モヂカラの影響で身体能力が格段に上がったシンケンゴールドは、一瞬でエターナルの懐にまで潜り込んで、サカナマルを振るって鎧に叩き付ける。一太刀を浴びせた事でエターナルが蹌踉めき、そこからマシンガンのように刀を振るい続けた。
 あのマントは鋼鉄を遥かに上回る硬度を誇っているから、防がれる前に速攻で叩きのめすしかない。この島に放り込まれてから最初に経験した戦いから、シンケンゴールドはそう判断していた。
 事実、エターナルを守っている漆黒のローブはあらゆる攻撃を無力化する性質を持つ絶対防御の盾。それに防がれる前に、最大の防御とも呼べる攻撃を続けるしか、勝機はなかった。

「クッ……!」
「うおりゃあああぁぁぁぁ!」
「調子に乗るな!」

 しかしエターナルもただ棒立ちになっているままではなく、ナイフを振るってサカナマルを弾くが、シンケンゴールドはお構いなしに斬撃を続ける。時折、エターナルはマントで百枚下ろしを防ぐが、激突の衝撃を殺す事は出来ずに後退していた。ほんの僅かだが体制を崩すのを見逃さずにシンケンゴールドは抜刀する。
 やがてシンケンゴールドは最後の一撃をエターナルの胸板に叩き込むと、甲高い金属音が周囲に響き渡った。白い装甲から火花が飛び散り、エターナルは左手で胸を押さえながら後退するが、すぐに立ち上がる。

「まだ立てるのか!?」
「何かと思ったらその程度か……つまらん」
「何!?」

 蔑んでくるような言葉に再び怒りを覚えたシンケンゴールドは、感情任せにサカナマルを振るうが、刃が触れようとした瞬間にエターナルが跳躍した事で空振りに終わった。
 予想外の行動に驚愕する暇もなく、シンケンゴールドは反射的に目で追う。跳び上がったエターナルは一回転した直後、その拳に蒼いオーラを纏っていた。あれはヤバいと本能で察するがもう遅く、シンケンゴールドはサカナマルを盾にするように構えるしかできない。
 だがそんなのは関係ないとでも言うかのようにエターナルの拳は叩き込まれて、シンケンゴールドはなす術もなく吹き飛ばされてしまい、そのまま背中から屋台に突っ込んでいった。
 あまりの衝撃で全身に激痛が駆け巡っていくものの、何とかシンケンゴールドの変身は保っている。しかしその代償なのか、長年苦楽を共にしてきたゴールド寿司の屋台が粉々に砕け散ってしまっていた。暖簾も寿司のネタも滅茶苦茶になっていて、使い物にならない。

「お、俺の屋台が……! てめえ、よくもやってくれたな! 俺がこの屋台で何年生きてきたと思ってやがる!」
「知るか」

 わなわなと身体を震わせながら立ち上がるが、その間にエターナルがナイフを構えながらつかつかと歩み寄って来る。シンケンゴールドは立ち向かう為に駈け出そうとするが、身体の痛みがそれを邪魔していた。
 その時だった。エターナルが武器を掲げた瞬間、シンケンゴールドを庇うかのようにあの無精髭の男が前に出てきたのは。

「何だ、今度はお前が遊ぼうと言うのか?」
「お前、中々面白そうだな」

 背を向けているので見えないが、声からして男の表情は笑みを浮かべているのが想像できる。しかしそれに反して、シンケンゴールドは笑顔を浮かべる事など出来なかった。

「な、何をやってるんだあんた! 姉ちゃんと一緒に逃げろって言っただろ!」
「寿司屋、まさかお前がシンケンジャーの一員だったとは」
「えっ……? あんた、何でシンケンジャーの事を……」

 予想外の言葉にシンケンゴールドは尋ねた瞬間、男の全身を凄まじい炎が覆っていく。シンケンゴールドが驚愕する暇もなく、その姿は一瞬で変わった。
 燃え盛る炎は男の身体に溶け込むように消えた瞬間、そこにいるのは既に無精髭の男ではない。まるで外道集やドーパントのような白い異形に変わり果てていた。しかも、シンケンジャーの一員になった際に聞いた、腑破十臓という敵の特徴と一致していた。

「その姿……まさか、外道集なのか!?」
「お前も中々面白そうだが、後回しだ」

 異形となった男はほんの一瞬だけ振り向きながら、静かに呟く。しかしすぐに、その腰に下げた剣をエターナルに向けた。

「仮面ライダーエターナルか……どうやら、斬り合うに相応しい相手のようだな」
「外道か……なら、外道は外道らしく地獄に送ってやろう」

 確かな殺意が込められた言葉を互いにぶつけた彼らは、同時に地面を蹴って疾走した。
 異形とエターナルは一瞬で肉薄した後、同時に得物を振るう。一見すると武器の大きさから異形の方が有利に思えたが、エターナルはあの黒いマントを翻して上手く防ぎながらナイフを確実に突き刺していた。しかし異形もその程度でやられず、マントによる防御を潜り抜けてエターナルの装甲に傷を付けていく。
 斬り合いと共にけたたましい金属音が鳴り響いて、その度に火花が飛び散った。ナイフと大剣の激突は既に十合を超えていて、彼らの技量が如何に高いかがわかる。

「オオオオオオォォォォォォッ!」
「ヌッ……!」

 しかし、エターナルの持つナイフは確実に異形の肉体を捉えて、次第に押していった。その勢いは、直前にシンケンゴールドと戦ったとは思えない程に凄まじい。
 シンケンゴールドは知らないが、仮面ライダーエターナルに変身している大道克己という男は死人に等しいNEVERという存在。定期的に細胞維持酵素を注入している限り、どれだけ肉体が傷付こうが再生し続ける上に疲労する事もない。肉体の稼動に関しても四肢を直接吹き飛ばされない限り、支障を及ぼさなかった。
 対するにはぐれ外道である白き異形、腑破十臓は凄まじい戦闘経験を誇っているものの体力には限界があり傷も付けば怯んでしまう。攻撃もほとんどがエターナルローブに遮られ、エターナルエッジによる反撃が来ては消耗するのに時間は必要なかった。

「ハァッ!」

 やがてエターナルの突きは異形の胸部に到達し、力任せに倒す。巨躯の至る所に刻まれた傷口は、ダメージが如何に深いかを物語っていた。異形は何とか起き上がろうとするが、それよりもエターナルの方が早い。

「さあ、今度こそ終わりだ……」
「させるかあああああぁぁぁぁぁぁ!」

 だからシンケンゴールドはエターナルが行動に出る前に、全力でサカナマルを振るった。エターナルは振り向いてくると同時に、シンケンゴールドの一太刀が仮面を叩き付ける。
 予想外の一撃だったのか、仮面の下から男の呻き声が聞こえてくる。その手応えが嬉しく感じるも、今はそれに酔っている場合ではなかった。
 シンケンゴールドは急いで駆け寄って倒れた異形に手を伸ばすも、肝心の相手はそれを取らずに立ち上がってくる。そんな反応にショックを受けそうになるも、その前に異形が尋ねてきた。

「お前、何のつもりだ? 何故、外道である俺に手を貸す」

 シンケンゴールドに向けられたのは、そんな問いかけだった。
 異形の疑問は当然だろう。人々の平和を脅かす外道衆を倒す為のシンケンジャーが、外道を助けるなんて本末転倒。シンケンゴールド自身、今やっている事は間違っていると理解している。
 だけどシンケンゴールドは……否、梅盛源太は異形を助ける事に躊躇いはなかった。

「確かに、俺も外道衆は許せねえ……あんたの言うように、倒すのが当然だ」
「なら、何故だ」
「けどな、それ以前にあんたは俺の客だ! 客が危険な目に遭いそうなら、助けるってのが俺のポリシーなんだよ! 何たって俺は寿司屋だからな!」

 目の前にいる奴は作った寿司を上手いと言って全部食べてくれた。それがシンケンゴールドの行動原理となっている。
 もしも本当に嫌な奴ならばゴールド寿司でのんびり食事もしないだろうし、何よりもあかねに危害を加えていたはずだった。だから、シンケンゴールドは異形を信じている。

「変わった奴だ……お前、侍には向いてないな」
「かもしれねえ……」
「だが、面白い奴だ。やはり、お前の寿司を食って正解だったな」

 異形となっていた男は静かに呟きながら、人の背丈ほどの長さを持つ大剣をエターナルに向けた。

「エターナルと言ったか、寿司を食えなくした借りは返して貰うぞ」
「馴れ合いは終わりか? なら、仲良く終わらせてやるよ」
「させねえよ!」

 異形とエターナルの視線が激突する中、シンケンゴールドが割り込んでくる。そのままサカナマルを構え直し、異形の横に並び立った。

「おいあんた、確か腑破十臓って言ったっけ? 俺はあんたに色々と言いたい事はあるけどよ、まずはこの気に入らない野郎から片付けようぜ!」
「そうだな」
「よし、行くか!」




 呉越同舟という、普段は仲の悪い者同士でも利害が一致すれば力を合わせる例えとして用いられる言葉がある。シンケンゴールドに変身した梅盛源太と白い異形に変身した腑破十臓の間に何があったのかは、天道あかねは知らない。だけど、敵対するよりはこうして仲良く手を取り合っていた方が良いに決まっている。
 そのまま、誰の犠牲も無しに戦いが終わって欲しいとあかねは願ったが、仮面ライダーエターナルはそれを踏みにじってしまう程に強かった。二対一になったから少しは有利になるかと思ったが、数の差を簡単に埋めている。
 何で出来ているのかわからないあの黒いマントで全ての攻撃を防ぐ上に、戦闘が始まってから大分経ったはずなのに一向に消耗する気配がない。そうしている内に、エターナルはその短いナイフでシンケンゴールドを勢いよく斜めに斬り付けた。

「うわあああああぁぁぁぁぁっ!」

 耳にするだけでも苦痛になるような絶叫と共にシンケンゴールドは吹き飛ばされ、地面に叩き付けられる。その際の衝撃によって遂に限界が来たのか、金色のスーツが消滅して梅盛源太の姿に戻ってしまった。
 あかねはすぐに駆け寄って、彼の身体を抱き起こす。

「梅盛さん、大丈夫!?」
「姉ちゃん、逃げろって言っただろ……」
「そんな事、出来るわけ無いでしょ!」

 苦悶の表情を浮かべる源太の声はとても掠れていて、ダメージが如何に深いかを物語っていた。幸いにも血は流れていないが、いつまでもここにいさせる事が出来ない。
 覚悟を決めたあかねはゆっくりと源太を放して、T-2バードメモリを手にしながらエターナルを睨み、左の袖を捲った。
 その一方で、十臓と戦っていたエターナルも振り向いてくる。

「ガイアメモリ……だと?」
「あんたの相手は私よ!」

 加頭順が変身したような不気味な化け物になるのは嫌だったが、我が身可愛さで二人が犠牲になるのはもっと嫌だった。このまま生身で戦って勝てるとも思えないし、可能性を少しでも上げる為にもやるしかない。

『BIRD』

 バードメモリのボタンを押した瞬間、音声があかねの鼓膜を刺激する。それを希望と信じた彼女は勢いよく差し込もうとしたが――

「させるか!」
「キャアッ!?」

 振り下ろした右手に突如として強い衝撃が走って、思わずバードメモリを手放してしまう。反射的に手を押さえながらも、落としたメモリを目で追おうとするが、途端に首を掴まれて身体を持ち上げられた。
 エターナルの握力は凄まじく、首がメリメリと嫌な音を鳴らして軋んでいくのに伴って、あかねの表情は歪んでいく。それでも必死に振り解こうと両手でエターナルを叩くが、まるでビクともしない。

「まさかお前みたいな小娘がメモリを持っているとはなぁ……だが、残念だったな」
「くっ……!」

 嘲笑うエターナルを余所に、あかねは零れ落ちたバードメモリに手を伸ばすが、当然ながら届くわけがない。
 よく見ると、メモリの傍らには小石が転がっていた。恐らくエターナルがそれをぶつけたせいで落としたのだろうが、今はそんな事どうでもいい。
 この場を切り抜ける為にどうすればいいのか必死に考えるが、あかねには手段がまるで思い浮かばなかった。このままでは、乱馬や良牙達と出会えないまま殺されてしまう。その思考に思い至ったあかねの視界は、徐々に闇で覆われていく。
 しかし次の瞬間、彼女の背後で凄まじい轟音が大気を揺らして、眩い光が全てを飲み込まんと広がっていたが、それをあかねが認識することは出来なかった。




 黒い女との戦いで使う余裕の無かった支給品、スタングレネードの効力は凄まじかったが、それを知っていた梅盛源太は目を瞑りながら両手で耳を覆っていたので、そこまでの被害はない。
 一方で流石のエターナルもこれには耐えられなかったのか、呻き声と共にナイフを持つ方の腕で顔を覆っている。凄まじい防御力を誇るあの仮面も、光ばかりは防ぎきることは出来なかったようだ。
 その隙に源太はエターナルにタックルを仕掛け、解放されたあかねを抱えて離れる。十臓とあかねを巻き込むのは心苦しかったが、ここで投げると言ってはエターナルに気付かれてしまうので、使うしかなかった。

「おい姉ちゃん、しっかりしろ!」
「……う、梅盛さん……?」

 必死に揺さ振りながら呼びかけてみると、ゆっくりとだがあかねは瞼を開ける。どうやら、致命傷は負ってないようだが、目が心配だ。あんな眩い光をいきなり見ては、失明の危険性ががある。
 しかし、あかねには悪いが今はエターナルも何とかしなければならない。あれで倒れてくれれば助かるが、そんな都合の良い相手だったら今頃とっくに勝っている。
 スシチェンジャーを手にして振り向いたが、そんな源太の前に十臓が立った。

「やってくれたな、寿司屋」
「わ、悪い……でも、こうするしかなかったんだ」
「だが、まあいい」

 スタングレネードの使用を責められるかと思いきや、十臓は溜息混じりの言葉を返すだけ。それに拍子抜けしつつも、次に突き付けられたのは源太にとって信じられない宣告だった。

「寿司屋、お前は邪魔だ。その娘を連れてさっさと離れろ」
「はぁ!? あんた、何言ってるんだよ! そんな事……できるわけねえだろ!」
「なら、その娘は巻き添えとなって死ぬだろう……お前がそうしたいのなら、俺は別に構わないが」

 ぶっきらぼうにそう言い残して、十臓はエターナルとの斬り合いを再開する。源太は声を荒げて十臓を止めようとするが、それを無視するかのように大剣を振るっていた。
 シンケンゴールドに変身して加勢しようとしたが、その手は震えている。痛みや恐怖が邪魔しているのではなく、十臓の言葉が枷となっていた。先程、二体一で戦ってもまるで歯が立たなかったのに、今更加勢したところで何になるのか。かといって、腕っ節の強い人間でしかないあかねも加えさせても、勝てる見込みなど無い。それ以前に守らなければならない人を戦わせるなんて言語道断だ。
 だから、あかねを連れて逃げなければならないのは正しいかもしれないが、客を放っておくなんて有り得ない。しかしあかね一人だけを逃がしても、考えてみればその後に他の危険人物に襲われたら目も当てられなかった。
 でもこのままここにいたって、十臓が言うように巻き添えになってしまう。

「おい、十臓の旦那!」

 だから源太は決心をして、十蔵の名前を力強く呼んだ。
 当の本人はエターナルとの戦いに没頭しているのか振り向いてこないが、それでも彼は続ける。

「俺はあんたを待ってる! あんたは俺の大事な客だからな……だから、絶対に死ぬなよ! あんたがまた来てくれるなら、俺はとびっきりに美味い寿司をたらふく食わせてやるからよ!」

 そう言い残して、彼は全ての装備を急いでデイバッグに纏めて、あかねの手を取って立ち上がらせた。恐らく、目は見えているのかもしれないがそれに安堵している暇なんてない。

「姉ちゃん、行くぞ!」
「でも、十蔵さんが……!」
「いいから、行くぞ!」

 あかねの反論を無視した源太は痛む身体に鞭を打って、手を引いて急いで走り出す。黒い女との戦いに負けた時みたいに助けられるのは、流石に嫌だった。
 あかねが落としたバードメモリや壊れた屋台も何とかしたかったが、どっちも遠いので諦めるしかない。今は少しでも、エターナルから離れなければならなかった。
 引っ張っているあかねの十臓を呼ぶ声が、源太の胸に鋭く突き刺さる。本当なら十臓も助けたかったが、それだけの力が自分にはない。もしも丈瑠や流ノ介達だったら逃げずに済んだかもしれないと、走る源太は思ってしまう。
 客を見捨てて逃げる俺は卑怯者だ。外道衆よりも、ずっと汚い奴だ。侍も寿司屋も、名乗る資格なんて無い半端な奴だ。
 自分自身を責める言葉が次々と思い浮かんでいくが、それでも源太は走る。そうして、彼とあかねは戦場からの離脱に成功した。




 仮面ライダーエターナルという未知の戦士の力量は凄まじく、一度斬られる度にこの心が疼く。シンケンレッドと斬り合っている時に味わえるそれと同等、あるいは上回っているかもしれなかった。
 もしかしたら、あの血祭ドウコクと互角に渡り合う程の実力を誇るかもしれない。そう思った腑破十臓は昇竜抜山刀を振るい続けているが、エターナルは小さなナイフだけで軽く受け止め、そこからこの皮膚に傷を付けていた。
 またしても身体に痛みが駆け巡って、十臓の感情は高ぶっていく。だが、十臓もただでやられるつもりはない。
 時々、エターナルの黒いマントに斬撃を止められるも、それに構わずひたすら剣を振るっていた。大地を砕く刃すらも通さない盾だが、だからこそ砕く価値がある。

「お前如きが一人で残って良かったのか?」

 そんな中、背後に飛んで距離を取ったエターナルより問いかけられた。

「この至高の感覚を、誰にも邪魔させたくないだけだ」

 しかしそれは十臓にとって愚問以外の何者でもない。
 エターナル程の強者は一騎打ちで戦ってこそ、価値がある。あの寿司屋と小娘を逃がしたのは、戦いに水を差されたくないからに過ぎない。
 そもそも、エターナルが現れた時から戦う事も出来たが、寿司屋はシンケンゴールドとなって立ちはだかった。故に、まずは力量を計るために静観を決める。どちらもそれなりの実力者だったから、勝った方に勝負を挑もうと考えた。

(それに、お前には寿司を食えなくされた借りもある……その借りは、俺が返さなければならない)

 だがエターナルはゴールド寿司の屋台を潰して、あの美味い寿司を台無しにしていた。それが逆鱗に触れ、十臓を戦わせるきっかけとなる。とはいえ、一時的とはいえシンケンゴールドと共闘する事になったのは予想外だったが。
 しかし数で有利になっても、エターナルが崩れる事はない。気に入らないが、同時に面白い相手でもあった。
 やはりエターナルは十臓一人では勝てる相手ではない。だからこそ斬り合う価値があり、邪魔するであろう二人を追い払えたのは正解だった。

「ぬあああああぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 高ぶる感情と共に昇竜抜山刀を振るったが、エターナルはそれを軽々と避けてしまい、地面を砕くだけに終わる。しかしそれでも諦めずに刀を振るおうとした瞬間、手首を切り裂かれてしまい、反射的に昇竜抜山刀を落としてしまった。

「せりゃああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 直後、叫び声をあげるエターナルの左手にあの蒼い炎が纏われているのを十蔵は見たが、もう遅い。その拳は十蔵の胸部に強く叩き込まれ、衝撃に耐える事が出来ずに吹き飛ばされていく。
 声にならない悲鳴を発しながら彼は地面に叩きつけられるが、何とか痛みを堪えて立ち上がったが、その僅かな時間が致命的な隙となった。

「オオオオオオオォォォォォォォッ!」

 十臓の鼓膜を刺激したのは、殺意に満ちたエターナルの咆哮。
 それに誘われるように十臓は空を見上げると、空中で螺旋回転を行っているエターナルの足に炎が燃え上がっていた。それを見て、とてつもない一撃が来ると十臓は察するが、今の彼には防御も回避も出来ない。
 やがて仮面ライダーエターナルの蹴りは、再び十臓の胸部に辿り着く。その凄まじいエネルギーは十臓の全身を一瞬で蹂躙して、そのまま盛大な爆発を起こした。




 辺りで激しく燃え盛る炎からは、まさに地獄絵図と呼ぶに相応しい雰囲気を放っている。
 他者を地獄に引きずり込もうとする仮面ライダーエターナルらしい、粋な計らいかもしれないと、腑破十臓はぼんやりと考えた。
 これこそ斬り合うに相応しい舞台かもしれないと思ったが、身体が言う事を聞かない。はぐれ外道の姿に変身しようとしても、何も起こらない。
 エターナルから与えられた傷が、それだけ深かったのだ。

「あの二人には逃げられたが、丁度いい退屈凌ぎにはなった」

 そして、灼熱の間を掻き分けるようにあのエターナルがゆっくりと姿を現す。その手には、昇竜抜山刀は握られていた。

「お前のような妖怪が本来いるべき世界に戻してやる、有り難く思え」

 その言葉からは侮蔑しか感じられなかったが、エターナルの全身からは地獄の業火より凄まじい殺気が放たれている。しかし、十臓は全く臆する事などせず、それどころか笑みすら浮かべていた。

「恐怖のあまりに狂ったか……哀れだな」
「やはり、斬り合いこそが俺の真実か……」
「何?」
「この斬り合いで果てる事が出来れば、俺も本望……仮面ライダーエターナル、続きを楽しみにしているぞ」

 目の前の戦士は、外道と呼ぶに相応しい男だ。その素質はあのシンケンレッドを遥かに上回っている。
 シンケンレッドとの決着を付けられず、裏正がこの手にないまま本当の地獄に堕ち、あの寿司がもう食えない。心残りは微かにあるが、それを簡単に吹き飛ばしてくれる期待を胸に秘めていた。
 いずれ自分の後を追うであろう、仮面ライダーエターナルと再び骨の髄まで斬り合える。それだけでも十臓は満足だった。

「悪いが、俺はお前如きの戯れに付き合う気はない……お前だけ、地獄で楽しんでいろ」

 エターナルの持つ昇竜抜山刀が振り下ろされて、一瞬で十臓の身体を貫いていく。しかしそれでも、彼は笑みを浮かべていた。
 例えこの身が滅びようとも、魂ばかりは永劫に斬り合いを続けている。腑破十臓はそんな絶対の確信があるからこそ、最後の最後まで笑う事が出来た。




 この殺し合いが始まってから、ようやく仮面ライダーエターナルは勝利を果たす。しかし大道克己の心には何の感情も芽生えてこなかった。人を殺めた事による罪の意識も、優勝に一歩近づいた事による喜びも、勝者として君臨出来た達成感も……何一つとして克己の中には生まれてこない。
 しかし、それは当然だった。ドクター・プロスペクトとの戦いの末に悪魔となった頃から、克己からあらゆる感情が消えてしまっている。だから、望んでいたはずの勝利を手にしても何とも思わない。
 ただ、邪魔者が一人減った程度にしか考えられなかった。

「さて、どうするか……」

 エターナルの変身を解いて細胞維持酵素を注入しながら、克己は今後の事を考える。
 ここから呪泉郷までの距離は近いだろうが、今から向かった所で参加者と遭遇できるかはわからない。逃げた二人を追ってもいいだろうが、あんな雑魚どもは直接手を下さなくても勝手に殺されるだろう。
 とはいえ、あまりのんびりと考えたとしても始まらない。T-2バードメモリと十蔵の支給品を回収した克己は、再び動き出した。


【1日目/早朝】
【D-7/森】
※寿司屋の屋台@侍戦隊シンケンジャーの残骸が辺りに散らばっています。


【大道克己@仮面ライダーW】
[状態]:健康
[装備]:ロストドライバー@仮面ライダーW+エターナルメモリ、エターナルエッジ、昇竜抜山刀@侍戦隊シンケンジャー、T2バードメモリ@仮面ライダーW
[道具]:支給品一式×2、細胞維持酵素×3@仮面ライダーW、グリーフシード@魔法少女まどか☆マギカ、命の闇の種@超光戦士シャンゼリオン、十臓のランダム支給品0~2
[思考]
基本:優勝し、自分の存在を世界に刻む。
1:これからどうするか?
2:T2ガイアメモリを集める。
3:京水と会ったら使ってやる。もしくはメモリを奪う。
[備考]
※参戦時期はマリア殺害後です。
※良牙を呪泉郷出身者だと思ってます。







 あれから源太に手を引かれたまま、あかねはずっと走り続けてきた。
 あかねも源太も人並み以上の身体能力があったおかげで、戦場から大分離れる事に成功している。その結果、二人とも当初の目的地である市街地に近付く事が出来た。
 しかしだからといって、ここにいるあかねはそれを喜ぶ事などできない。彼女の胸中には、とても拭いきれない後悔が広がっていた。
 彼らは今、D-8エリアにある岩の上で身体を休めている。

「ちくしょう……俺がもっと強ければあんな野郎に負けなかったのに……!」

 そして、源太も同じ後悔を背負っているようだった。
 もっと強ければ、十臓にエターナルの事を押しつけて無様に逃げ出す事もなかった。誰かの力になりたいと願っていたのに、出るのが遅かったせいで手段すらも奪われてしまう。
 これじゃあ、何の為に今まで格闘技を学んできたのかがわからなかった。

「姉ちゃん、すまねえ……俺が弱いせいで、こんな事になっちまって」
「そんな! 悪いのは梅盛さんだけじゃないわ! 私だって、もっとしっかりしていれば十臓さんに全てを押し付ける事なんてなかったのよ……」

 腑破十臓がやってくる気配はない。その意味は一瞬で理解できたが、受け入れる事をあかねは拒んでいた。
 考えてみれば、源太みたいに真っ直ぐにぶつかっていればいつかはわかり合えたかもしれない。ほんの少し怪しいからって避けていた事実が、あかねの後悔を更に強くする。

「……梅盛さん、行きましょう。今はあのエターナルって奴の事を一人でも多くに伝えないと」

 しかしこのまま悲しみに溺れていては十臓の思いを無駄にするだけ。彼の為に出来る事は、せめて一人でも多く犠牲者を減らす為に頑張るしかないと、あかねは自分に言い聞かせた。

「ああ、そうだな……悪いな、俺がしっかりしないといけないのに」
「いいえ、私の方こそ梅盛さんには無理をさせてばかりだから……」
「街に着いたら、乱馬って兄ちゃんと会えるといいな」
「……そうね」

 普段なら乱馬の事になるとムキになって反論してるが、そんな元気など今のあかねにはない。
 ただ、源太と一緒に市街地を目指す事しか彼女には出来なかった。


【1日目/早朝】
【D-8/森】


【天道あかね@らんま1/2】
[状態]:ダメージ(中)、疲労(中)、とても強い後悔
[装備]:無し
[道具]:支給品一式、ランダムアイテム0~2個
[思考]
基本:乱馬たちと合流して殺し合いから脱出する
0:十臓さん……
1:源太と行動し、首輪を解除する
2:今は市街地に行きたい。
3:自分が役に立ちそうに無いので落ち込み中
4:仮面ライダーエターナルの事を多くの人に伝える
[備考]
※参戦時期は37巻で呪泉郷へ訪れるよりは前で、少なくともパンスト太郎とは出会っています



【梅盛源太@侍戦隊シンケンジャー】
[状態]:ダメージ(大)、疲労(大)、とても強い後悔
[装備]:スシチェンジャー、寿司ディスク、サカナマル@侍戦隊シンケンジャー
[道具]:支給品一式、スタングレネード×2@現実、ランダムアイテム0~1個
[思考]
基本:殺し合いの打破
0:今はあかねを守りながら、市街地に向かう
1:より多くの人を守る
2:自分に首輪が解除できるのか…?
3:ダークプリキュア、仮面ライダーエターナルへの強い警戒
[備考]
※参戦時期は少なくとも十臓と出会う前です(客としても会ってない)


【腑破十臓@侍戦隊シンケンジャー 死亡確認】
【残り48人】


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最終更新:2013年03月14日 23:12