どこまでも、止まらず走り続けよう ◆OmtW54r7Tc



最初の6時間を生き延びたものが耳にすることになる放送。
当然それは一文字たち一行も耳にすることになった。

『ご機嫌よう、参加者の諸君。この度は六時間という長きに渡る時間をよく生き残ってくれた』
「え…サラマンダー男爵!?どうして…」

放送を行う男の姿と声に、花咲つぼみが驚きの声を上げた。

「知り合いなのか?」
「え!?…い、いえ」
「?」

つぼみの様子を不審に思いながらも、一文字は放送の内容に耳を傾けることに意識を向けた。



「嘘だろ…?本郷……」

本郷猛。
一文字や他のライダーたちよりもずっと前から戦ってきた仮面ライダーの原点ともいえる男。
誰よりも長く、多くの戦いを経験してきた彼が…こんなにも早く死んでしまった。

「ちくしょう!馬鹿やろうが!!」

思わず床を殴りつける一文字。
その言葉は死んでしまった本郷に対するものなのか。
彼を殺した人物に対してなのか。
あるいはこの殺し合いを開いた主催者達へ向けたものかもしれない。

(…ち、また出てきやがった)

自分の顔をなでて、傷の痕を確かめる。
この男、一文字隼人は激しく怒ると改造手術の痕が浮かび上がるのだ。

(カッカしててもしかたねえ。どんなに怒ろうが…現実は変わりはしねえんだ)

そう、いつまでも怒っている場合ではない。
こんなへこたれた姿を見せたら、本郷のヤツに説教されちまう。
俺たちは仮面ライダーだ。
あきらめる事なんて許されない。


(見てろよ本郷…俺はおまえの分まで走り続けるからな!)



(凪は無事か。他の連中も)

石堀光彦は知り合いの名が一人も呼ばれなかったことに安堵した。
特に西条凪には死んでもらっては困る。
彼女が死んでしまえば、石掘の計画は根底から崩れてしまう。
また、彼女に次いで死なれて困るのが姫矢准だ。
彼は現在のネクサスの光の持ち主だ。
彼が死んだ時、光の継承がこの会場内でも起こるかはかなり微妙なところだ。
なにしろこの会場は石掘達が住む世界とは全くの別次元にある可能性がある。
彼の光が元の世界の次の光主の所へきちんとやってくるのか怪しい所だ。

(凪、姫矢。俺のためにも生きていてくれよ)

薄く怪しい笑みを浮かべながら、石掘光彦は彼女達の身を案じた。
彼らの為ではなく、自分自身の為に。



「えりか…えりか……!」

つぼみは悲しんでいた。
来海えりか。
プリキュアの仲間であり、そして希望ヶ花で初めてできた…親友の名前が呼ばれたのだ。


(えりかが死んだだなんて…そんなの、そんなの……!)

嘘だと思いたかった。
何かの間違いだと思いたかった。
でも、きっとそれではだめだ。
現実から逃げても…何も変わらない。
より深い悲しみを背負い込むことになるだけだろう
最初のクモジャキーたちの死や、三影という怪人の死で殺し合いという現実は十分なほどに身にしみた
だからきっとえりかは…死んだ。
殺し合いという現実の中で。

つぼみは、死亡者に印をつけた名簿を眺めた。


(ラブ達も呼ばれてたんですね…)


放送で呼ばれたノーザという名前。
聞き覚えのあったその名前に、つぼみは改めて名簿を確認し、そして今まで気づいていなかった知り合いの存在に気付くことができたのだ。
きっと今ごろ、ラブ達もプリキュアとして戦っているのかもしれない。
いつきも、ゆりも…
そして、死んでしまったえりかも戦いの中で命を散らしてしまったのかもしれない。

(私は……)



「さて、どうしたもんかねえ」

放送を終え、民家の外へと出た三人。
ビートチェイサーの前に来たところで、一文字が困った表情を浮かべた。
まだ左腕の麻痺は残っているものの、手は開くようになった。
沖との約束もあるし、すぐに移動したいところだが…

「どうしたんですか?」
「いや、このバイクで移動するつもりなんだがな…」
「…なるほど、3人乗りは厳しいだろうね」

そう、一文字が困っていたのは移動の問題だった。
バイクというのは移動に便利であるが、集団行動には適さない。
かといって、二手に分かれて行動するというのもまずい。
つぼみも、一応軍人らしい石掘も一般人だ。
保護せずに別れるのも考え物だ。
どうした者かと思案していると、


「…あの!私が一人になります!」


つぼみのその言葉に、一文字は驚いた表情で顔を上げた。



「何言ってんだよお嬢ちゃん、死ぬつもりか?」

一文字はあえて軽い感じでつぼみを問いただす。


「いえ、私は死ぬつもりはないですし、本気です」

それに対してつぼみは、淀みのない声ではっきりとそう言い切った。
そんなつぼみの様子に、一文字はばつの悪そうな表情になる。
彼女の様子は考えなしや自棄で言っているようには見えなかった。

「つぼみちゃん、君が一人になるなんて無謀すぎる。俺が一人になった方がまだましだ」

一文字を援護するように、石掘もつぼみを止める。
もっとも彼は、一文字のように本気で彼女の身を案じてなどいない。
つぼみを止めているのはあくまで建て前であり、本心としてはむしろ戦力・移動手段共に充実した一文字と一緒に行きたいと考えているくらいだ。

「大丈夫です、石掘さん。だって、私には…」

そこでいったん、迷うように顔をうつむかせた。
しかしすぐに覚悟を決めたように顔を引き締めると、言った。


「私には……この力があるから!」


そういうと、つぼみは懐からココロパフュームを取り出した。



「プリキュア!オープン・マイ・ハート!」



その掛け声と共に、つぼみの姿がどんどんと変わっていく。
髪が、衣装が変化を遂げ、そして…


「大地に咲く一輪の花、キュアブロッサム!」


「「………」」

二人の男は、目の前の出来事に呆然としていた。



(私はバカです…大バカです!)

つぼみは悔やんでいた。
彼女は、石掘や一文字に正体を隠していた。
その結果…彼女はこの6時間の間プリキュアとして何もしなかったのだ。
彼女が何もしなかった間に、えりかを始めとする18人もの命が奪われたのだ。

正体を隠し続けている限り、自分はいつまでたっても何の行動も起こせない。
その結果、次の放送ではさらに多くの犠牲者の名が呼ばれるかもしれない。
そんなことは…耐えられなかった。

(どうして、どうしてもっと早くこの行動を取れなかったんだろう…)

その答えは自分でもなんとなくわかっていた。
きっと…心の中に甘さがあったのだ。
こんなふざけたゲームに乗る人がそんなにたくさんいるはずがない。
そんな思いが心のどこかにあったからこそ、のんびりと構えてしまっていたのだ。


(ごめんなさい)


改めて、犠牲になった人たちに対して謝る。
別に許しを請うつもりはない。
これはつぼみなりのけじめだ。


(私はもう足を止めない、これ以上悲劇は起こさせない!)

どれほどの困難が待っていようと、走り続ける。
既に死んでしまったえりかの分まで。



一文字と石掘は、つぼみから様々なことを教えられた。
プリキュアの事、砂漠の使徒の事、そしてサラマンダー男爵の事を。


「なるほどな~、お嬢ちゃんはあの放送の男と知り合いだったのか」

一文字が納得したようにうんうんと頷いた。
放送の時のあの反応はつまりはそういうわけだったという事だ。

「はい、でもどうしてサラマンダー男爵が…」

つぼみの話によれば、サラマンダー男爵は既に彼女達によって倒され、今は心を入れ替えオリヴィエという少年と暮らしているはずなのだそうだ。

「可能性はいろいろ考えられるね。偽物か、再び心変わりしたか、あるいはオリヴィエという少年を人質に取られたか…」
「沖みたく過去から連れてこられたって可能性もあるぜ」

男爵については今の所憶測でしか考察することができない。
本人に直接会って確かめた方が早いという事で、この話題はいったん打ち切りとなった。


その後話し合った結果、一文字と石掘は当初の予定通り南へ、つぼみは南東へと進路を定めた。
つぼみが南東へ進むのは、森や森の真ん中にある冴島邸へ参加者の捜索範囲を広めるためだ。
バイクで木々生い茂り足場も悪い森の中を進むのは得策とは言えないため、一文字達よりも適任だ。

「仲間と市街地で落ち合う約束をしてるんだ。そっちも18時までに市街地に来てくれ」
「18時ですね…分かりました」
「それと、こいつを持ってけ!」

そういって一文字がつぼみに向けて投げたのは、一つのデイバックだった。

「そいつは三影のデイバックだ。戦う力があるって言っても、支給品が鯖だけじゃ頼りないだろ?」
「ありがとうございます!」

礼を言うつぼみの表情を見ながら、一文字はふっと笑った。
少し前までどことなく思いつめたような表情をしていたが、今はどこか頼もしい表情をしていた。

「それじゃあな、お嬢……いや」

言いかけたところで、一文字は言葉を止めた。
考えてみれば、いつまでたっても『お嬢ちゃん』というのは変な感じだ。
三影の一件での気まずさもあって、さっきから他人行儀な呼び方をしてしまっていた。
だが、今のつぼみは単なる保護対象ではない。
自分たち仮面ライダーと同じように人々を守る戦士、いわば戦友といってもいい。
そんな相手にいつまでもよそよそしい呼び方は失礼だ。


「しっかり頼むぜ、キュアブロッサム!」
「はい!」


【1日目/朝 C-2】


【一文字隼人@仮面ライダーSPIRITS】
[状態]:疲労(中)、胸部に斬痕、左腕が全体的に麻痺
[装備]:ビートチェイサー2000@仮面ライダークウガ
[道具]:支給品一式、姫矢の戦場写真@ウルトラマンネクサス、ランダム支給品0~2(確認済み)
[思考]
基本:仮面ライダーとして正義を果たす
1:石堀と共に南から市街地へ向かう
2:他の仮面ライダーを捜す
3:暗黒騎士キバを倒す(但しキバは永くないと推測)
4:もしも村雨が記憶を求めてゲームに乗ってるなら止める
5:元の世界に帰ったらバダンを叩き潰す
6:この場において仮面ライダーの力は通用するのか……?
[備考]
※参戦時期は第3部以降。
※この場に参加している人物の多くが特殊な能力な持主だと推測しています。
※加頭やドーパントに新たな悪の組織の予感を感じています(今のところ、バダンとは別と考えている)。
※参加者の時間軸が異なる可能性があることに気付きました
※18時までに市街地エリアに向かう予定です。
※村エリアから南の道を進む予定です。(途中、どのルートを進むかは後続の書き手さんにお任せします)
※つぼみからプリキュア、砂漠の使徒、サラマンダー男爵について聞きました
 フレプリ勢、ハトプリ勢の参加者の話も聞いています



【石堀光彦@ウルトラマンネクサス】
[状態]:健康
[装備]:Kar98k(korrosion弾7/8)@仮面ライダーSPIRITS
[道具]:支給品一式、メモレイサー@ウルトラマンネクサス、110のシャンプー@らんま1/2
[思考]
基本:今は「石堀光彦」として行動する
1:周囲を利用し、加頭を倒し元の世界に戻る
2:今、凪に死なれると計画が狂う……
3:一文字と共に南から市街地に向かう
4:孤門、凪、姫矢、つぼみの仲間を捜す
5:都合の悪い記憶はメモレイサーで消去する
6:加頭の「願いを叶える」という言葉が信用できるとわかった場合は……
[備考]
※参戦時期は姫矢編の後半ごろ。
※今の彼にダークザギへの変身能力があるかは不明です(原作ではネクサスの光を変換する必要があります)。
※ハトプリ勢、およびフレプリ勢についてプリキュア関連の秘密も含めて聞きました
※良牙が発した気柱を目撃しています。
※つぼみからプリキュア、砂漠の使徒、サラマンダー男爵について聞きました



【花咲つぼみ@ハートキャッチプリキュア!】
[状態]:健康、加頭に怒りと恐怖、強い決意、キュアブロッサムに変身中
[装備]:プリキュアの種&ココロパフューム
[道具]:支給品一式×2、鯖(@超光戦士シャンゼリオン?)、三影のランダム支給品1~3個
[思考]
基本:殺し合いはさせない!
1:仲間を捜す
2:南東へ進む、18時までに一文字たちと市街地で合流する
[備考]
※参戦時期は本編後半(ゆりが仲間になった後)。DX2および劇場版『花の都でファッションショー…ですか!? 』経験済み
 そのためフレプリ勢と面識があります
※溝呂木眞也の名前を聞きましたが、悪人であることは聞いていません。
※良牙が発した気柱を目撃しています。
※プリキュアとしての正体を明かすことに迷いは無くなりました


「逃がさないぞ…」

そして、暗黒騎士バラゴのストーカーは続く。
彼は一文字と石掘の後を追うことにした。
つぼみ殺害に関しては、彼らが別行動をとった時点で諦めることにした。
仮につぼみを殺害するため彼女の後をつけ殺害したとしても、一文字を見失ってしまってはこれ以上の手を打てない。
かなり長い付き合いであろう本郷猛という男が死んでも揺るがない彼が、つぼみ一人の死でぶれることなどありえない。
ゆえに彼は、一文字たちの方の後を追い、付け入るすきを探ることにしたのだ。


「仮面ライダー一文字隼人。貴様が闇に堕ちるさま、この目にしかと焼きつけてくれる…」


【バラゴ@牙狼─GARO─】
[状態]:胸部に強打の痛み、顔は本来の十字傷の姿に
[装備]:ペンダント、魔戒剣、ボーチャードピストル(0/8)@牙狼
[道具]:支給品一式×3、ランダム支給品0~2、冴子のランダム支給品1~3、顔を変容させる秘薬?、インロウマル&スーパーディスク@侍戦隊シンケンジャー、紀州特産の梅干し@超光戦士シャンゼリオン、ムカデのキーホルダー@超光戦士シャンゼリオン、『ハートキャッチプリキュア!』の漫画@ハートキャッチプリキュア!
[思考]
基本:参加者全員と加頭を殺害し、元の世界で目的を遂行する
0:一文字の監視
1:一文字に復讐する
2:今のところ顔を変容させる予定はない
3:石堀に本能的な警戒(微々たるものです)
[備考]
※参戦時期は第23話でカオルに正体を明かす前。
※顔を変容させる秘薬を所持しているかは不明。
※開始時の一件で一文字のことは認識しているので、本郷についても認識していると思われます。
※冴子と速水の支給品はまだ確認していません。
※つぼみ達の話を立ち聞きしていました
 そのためプリキュア、砂漠の使徒、サラマンダー男爵について知りました




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最終更新:2013年03月15日 00:12