その2

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homuhomu_tabetai

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再び薄暗い部屋の机

ガラスケース内で、あるほむ種の番が交尾をしている

まどまど1「マドッ!マドッ!ホムラチャンッ…///」カクカク

ほむほむ1「マドカァッ!マドカァッ!ホムゥゥゥ…///」パンパン

近くでは、別の番の妊ほむが出産の時を迎えようとしている

ほむほむ2「ホムゥゥゥ…!!マ、マドカァァァッ…!!」ヒィヒィフゥ!ヒィヒィフゥ!

まどまど2「ホムラチャン…!マドマドォ…!」ギュッ!



『――今交尾をしている番は一ヶ月近くもの間、ほぼ毎日ああして交尾に明け暮れている』

『だが見ての通り、ほむほむの方は一向に妊娠する様子がない』



ほむほむ2「マドカァァァァッ!!!」アッ…!

まどまど2「ホムラチャン!?」パァッ!

妊ほむ、遂に出産する



『ほむレイパーには捕食したほむ種に生殖異常を引き起こす成分が含まれており、オス側のほむ種が食べた場合は無精子症となる』



生まれてきた数匹の赤子、いずれも奇形

一匹は一つ目、一匹は片足なし、身体がくっついている者も一対、残りは未熟ほむ

まどまど2「マドッ…マドォォォォォッ!?」ギョッ!

ほむほむ2「ホム…ホム…!ホ…ホムウゥゥゥゥッ!?」ハァ…ハァ…ギョッ!

驚愕し絶叫する番2

奇形ほむと未熟ほむたち、産声をあげようとするも呼吸が荒く、たちまち衰弱していく



『メス側のほむ種がほむレイパーを食べた場合は子宮に異常が起こり、正常な赤子が生まれてこない体質になる』



ほむほむ2「ホム…ホム…!マ、マドカァ…!?」オロオロ

まどまど2「ホムラチャン…!マドォ…?」アセアセ

ほむほむ1「マドカァァァァーーーッ!!」ゼッチョウ!

まどまど2「ホムラチャァァァーーーン!!」ゼッチョウ!

どうしていいかわからずオロオロしている番2

そんな番2など我関せずといった様子で絶頂に至る番1



『まとめると、ほむレイパーによるほむ種への影響は次のようになる』

『ほむレイパーに襲われた個体は生殖器を破壊され他のほむ種と交尾することが不可能となり、出産の際に激痛で死亡、無数のほむレイパーを産み残す』

『ほむレイパーの幼体を捕食した個体は、オスなら無精子症、メスなら子宮異常となり、子孫を残すことが不可能となる』



喘ぐように口をパクつかせ、息絶えていく赤子ほむたち

番2、涙を零しながらその場にへたり込む

ほむほむ2「ホムゥゥゥ…!ココジャ…ココジャナイィィ…!!」エッグエッグ

まどまど2「ゼッタイオカシイヨォォォ…ホムラチャン…!!」シクシク

この二組の番以外にも、ケース内のあちらこちらで同じ光景が繰り広げられている



ガラスケースを引きの構図で映すカメラ

暗転



森の中

ほむ種の巣穴を発見する数匹のQB

無表情ながら、ギラギラと輝いた赤い瞳が巣穴の入り口に注がれている

「キュップイ」「キュップイ」「ケイヤク」「キュップイ」「ケイヤク」「ケイヤクケイヤク」ハァ…ハァ…!



『――繁殖力を最大の武器とするほむ種にとって出産は最も重要な行為であるため、堕胎という発想は遺伝子レベルで嫌悪されており絶対に行われない』

『従って、ほむレイパーに種付された場合でも、母体となったほむ種は確実に出産してしまう』



QB「キュップイ!!」ダッ

一匹のQBが息を荒くし巣穴へ突入する

残るQBたちも続々巣穴に入り込んでいく

QBs「ケイヤクゥ!!」ゾロゾロ



『また、本来の主食である通常のQBが栄養だけを備えた無味乾燥な餌であるのに対し、ほむレイパーはほむ種に好まれる味をしている』

『よって通常のQBよりもほむレイパーの幼体の方をわざわざ好んで捕食するようになる』

『よしんば警戒しようとも、幼体のほむレイパーは通常のQBと区別がつかないためほむ種が違いを判別するのは困難である』



少しして、巣穴から一匹のほむほむが飛び出してくる

ほむほむ「ホム…!ホム…!!」アタフタ

這いずるように巣穴を離れようとするほむほむ

次の瞬間、巣穴からQBのしなやかな肢体が現れ、ほむほむの脚を押さえつける

ほむほむ「ホムッ!?」ギョッ

QB「ケーイーヤークー…!」ギラギラ

ほむほむ「ホ、ホビャアァァッ!?」ジタバタ

死に物狂いでもがくほむほむ

QB、そのままほむほむの脚を引きずって巣穴に引き戻す

「ホビャアァァアァァーーーー…!!マドカァアァァァァーーーーー……」ボロボロ ズルズルズル…

泣き叫ぶほむほむの姿が巣穴に消える



『ほむレイパーは可能な限り多くのほむ種と交尾しようとする性質があるため、一度に複数のほむ種と相対した場合、一匹につきおよそ10秒程度というすさまじい早さで種付することができる』

『そのため一匹巣穴に入り込むだけで、その巣のほむ種の半数近くを襲うことが可能だ』

『もし複数のほむレイパーが巣穴に侵入した場合、ほぼ確実にその巣は壊滅するだろう』



巣穴から微かに悲鳴が漏れ聞こえてくる

暗転



『――以上が、私が生涯をかけて創りだした新生物・ほむレイパーの全てである』

『だが口惜しいことに、この研究成果を世に発表することはできそうにない』

『ほむレイパーによってほむ種が激減すれば、それを餌にしていたほ食種は勿論、一部の昆虫や小動物、鳥類などにも大きな影響がでるのは明白だ』

『ゆえに私の渾身の研究成果は、科学の神髄を理解しようとしない愚か者共によって棄却され、私も存在を抹消されることだろう』

『研究室を荒らされ、サンプルとして確保していたほむレイパーおよびほむ種たちは全て廃棄させられてしまった』

『既に何匹かのほむレイパーを森に放ってはいるが、その全てが愚か者共の手を逃れられるとは限らない』

『――生態系のバランスだの食物連鎖だのといった自然界の掟など、私の知った事ではなかった』

『私はただ純粋な知的好奇心から、己の思うがままに研究を続けてきたのだ』

『ならばこそ、志半ばで我が生涯最高の研究が潰えてしまうのを、黙って見過ごすことなどできようもなかった』

『そう、このほむレイパーの研究はまだ完成には至っていないのだ』

『ごく稀にしか生まれ出ない希少ほむ種――奴らへの対抗策がまだみつかっていない、それだけが私の心残りである』

『ゆえに、この映像ディスクを見つけ出した者が、科学への探求に理解を示し、私の研究を引き継いでくれるような人物であることを切に願う』

『ディスクケースの裏に、最後のほむレイパー培養キットを隠した場所を記しておいた』

『このディスクを発見し最後まで視聴した貴方よ、どうかその手で私のほむレイパーたちを世に解き放ってほしい――』



音声終了



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(終)



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