ウィリアム・うだるように暑い砂漠の夜に/ノアベルト・真夜中に目が覚めても
本日の更新はお休みになります。
こちらより、いつもとは少し違う形のSSを上げさせていただきますね。
文字数の関係でビジュアルデータにしましたので、読み難い方はお手元で拡大していただけますと幸いです!
うだるように暑い砂漠の夜に。
真夜中に目が覚めても
本日の更新は、ここまでとなります。
前半の
ウィリアムは、香辛料の効いた料理やさっぱりした飲み口の強い蒸留酒やモヒート。
後半の
ノアベルトは、綺麗なグラスに入れたデザートワインにチーズやスイーツのイメージで…
画像中の文章
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それは静かな夜だった。
やっとテントに戻って一息吐くと、ウィリアムは身に纏っていた軍服をばさりと脱いだ。
(リーエンベルクの浴場に入りたいが、今夜はこれも悪くはないか、)
うだるような熱帯夜。
砂漠の夜がここまで暑い事はあまりないが、今夜は火の系譜の精霊達の祝祭舞踏が行われており、青くどこまでも続く砂丘は真夜中の陽炎に霞んでいた。
テントがある遺跡の近くには、白藍色の葉を茂らせる木が生えている。
その木に実った枇杷に似た実をもぐと、宝石質なその実を砂漠の砂に投げた。
すると、そこにはいつの間にか清廉な泉が湧き出ている。
着ていた服を全て脱ぎ去ってしまい、冷たい泉に浸かると、こぼれ落ちそうな星空を見上げた。
肌に染み入る冷たさはどこか心地良く、目を閉じて瞼の裏側に残る星の煌めきに唇の端を持ち上げる。
ああ、君がこんな夜を愛おしむだろうと思うから、見慣れた美しさにその面影を映す。
「それだけで、今夜はいい夜に思えるんだ。また君に、話す事が出来たからな」
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真夜中に目を覚ました。
リーエンベルクは明るい。
その幸福なランプのような温かな明るさに、ノアは胸が苦しくなった。
この屋根の下には沢山の宝物が息づいていて、あの雨上がりのラベンダー畑で出会った君に手を引かれて、ここまで来た。
幸せで、幸せで、弾みたくなるような安堵に唇の端を持ち上げる。
「僕は贅沢ものだなぁ」
ああ、ここには僕の家族がいる。
僕を置き去りにしない君がいて、僕を大事にしてくれる仲間がいる。
そう考えると、お気に入りのグラスととっておきの葡萄酒を持って、誰かに会いに行きたくなった。
こんな夜中にだって、きっと誰かと一緒にいられるのがリーエンベルクなのだから。
(もし今の僕に尻尾があったら、ご機嫌でぶんぶん振っちゃうよね!)
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最終更新:2022年05月07日 11:51