デザインは『マクロス』シリーズで有名な河森正治で、最初期デザインは「ジオニックガンダム」という仮名が付けられており、ガンダムタイプがジオン系の外装を被るという
ガーベラ・テトラに通ずるコンセプトが考えられていた。最初期の外観は現在のGP02とは大きく異なり、
サザビーに似たデザインだった。その後、鎧武者を意識しつつ何度かの修正を経て、現在の強面のガンダムフェイスにアトミックバズーカとラジエーターシールドを持つデザインに至っている。
本機の開発はAE社の第2研究事業部(旧ジオニック社員中心)が担当し、そのコンセプトは
ドムと同じく強襲攻撃用の重MSであり、基本的な技術は公国系のものが用いられている。
MSという最強の機動兵器に最強の火力である戦略核兵器を運用させる(ザクⅡの核バズーカは戦術核。威力が段違い)というコンセプトが追求され、「Mk.82」核弾頭を運用するにあたってガンダム本体も爆心地付近で巻き込まれる事から、ラジエーターシールドや全身の徹底的な対核・対衝撃装甲、耐核コーティングで防備が施されている(ただし、それだけの処置を以ってしても機体へのダメージは抑えきれず、作中では核攻撃の衝撃で左腕が可動しなくなる不具合が生じている)。
他の武装プランとしては、地球連邦軍の正規仕様では多連装ロケット砲"MLRS (Multiple Launch Rocket System)"による中距離面制圧を行う装備が存在した。本機を奪取したデラーズ・フリートでは対艦ライフル(Blu-Ray Box特典で使用)を使用したほか、核バズーカの放棄後はスキウレをベースにしたビームバズーカでの運用を検討していたらしい。
本機は連邦系技術と公国系技術が融合した意欲的な試作機であり、本機を含むガンダム開発計画の機体群は情報こそ抹消されてしまったものの、リック・ディアスなどの次世代機に技術は継承される事になった。
サイサリスと言ったら核と言うほど核兵器に縁があるMSである。バズーカ用の核兵器はトリントン基地にあったが、トリントンの核弾頭と言えばレオンが守ろうとしていた事がある。なお、南極条約違反の本機を秘匿していたトリントン基地は、デラーズ紛争以降、2号機強奪の不祥事と戦略的価値の乏しさから寂れ、ガンダムUCの舞台であるUC0096年頃には、配備されているMSの大半が旧式で、幹部もほとんど左遷組という憂き目に合っている。
なお、本機が南極条約違反であるというのはデラーズの談だが、南極条約は一年戦争の終結時に失効しており、そもそも南極条約が禁じているのは核兵器の使用であり、本機を開発・所持するだけであれば条約違反にはあたらない。この事は本シリーズにおいても「核兵器搭載機を開発・生産しても実際に核兵器を撃たない限りは非難されない」という形で再現されている。
核バズーカの他に印象に残る装備としては、ラジエーターシールドと呼ばれる専用の大型シールドが挙げられる。このシールドはバズーカ使用時の自滅を防ぐために必要不可欠な機構であり、万が一破損しようものならバズーカを使用できなくなってしまう(第2話でニナのアドバイスを受けたコウは、咄嗟にGP01のビームサーベルでこのGP02のシールドを刺している。その結果、甲高い音と光を放って冷却剤が漏れ出しており、コウを倒せる状況にあったガトーが「ぬかった!」と吐き捨てて撤退を即決したのはこれが理由)。そのため、基本的に通常の防御行動に用いるのはご法度……なのだが、本シリーズ(というかゲーム作品全般)ではギャンの爆発物モリモリのシールド同じように一般的なシールドと同じ扱いをされている。
「核兵器搭載型MS」として完成した本機だが、計画当初のコンセプト自体は「高機動・重装甲・重火力による強襲用MS」でコンセプト変更後も引き継がれているのだが、悲しいかなこの手の「見た目が重そうな機体」の宿命として、本作を含めてゲーム作品ではその高機動っぷりが再現されない事が多い。
なお、現実世界では核実験禁止条約により宇宙空間で核爆発をさせようものならIAEAから怒られるのだが、科学者の間でも、もし宇宙空間で核爆発が起ったらどうなるかと言う事に関しては結論が出ていない。ある仮説では核爆発の爆風による破壊効果は真空の宇宙では効果が無いとも言う者もあり、さらにはEMP効果による電子機器のショートが限界と言う説も存在する。つまり、本気で核を使ってみたら、バーミンガムはピンピンしていて通信機とレーダーしか壊れていなかったという場合もありうるというわけである。ちなみにガンダム世界で使われるもので、「核パルスエンジン」も核実験禁止条約により開発が出来ないものの一つである。