数多の作家の集合体である主人公の真名の代表格。
彼がプレイヤーが付けた名前以外で呼ばれる際は原則グリムと呼ばれており、グリム兄弟のいずれかが作家集団の統括者と思われる。
だが、アリスとルイス・キャロルの愛物語を観察したい這い寄る者の箱庭で踊らされている今作では
キャロルがグリムを押しのけて表に出てくることが多く、主人公のモノローグからたびたび狂気が滲み出ている。アリスはどこだ。
主人公が紅ずきんをアリス呼ばわりした後「貴方………。グリムじゃない。貴方は誰ですか?」と言われるのもこのため。
エルマ、ゲルダ、カイといった不幸なアンデルセン作品のキャラに対して殺意が高く
これは「貧困層は死ぬ以外に幸せになる術を持たない」という若き日のアンデルセンの思想が原因とされている。
何度も記憶を弄られたり、自分の作品を悪趣味な内容に改変されたりしており、前作今作ともに最大の被害者である。
ノーデに「貴方様の力は特別です。畏れられ、誘惑溢れる幸の味。数多の星から逃れるには容易くないでしょう」と評される通り
今後も支配者に目を付けられ被害を受けることは避けられそうにない。
Ⅱでやたらアリスアリス言ってる人格。
アリスの記憶やミチルの台詞を見る限り、元からアリスに執着するロリコン教師だったようだが、ありすのおまんこ事件の後
「早く元凶を殺さないと、貴方…大変な事になるわ」と言われるあたり、這い寄る者のせいでアリス厨に磨きがかかったようだ。
幼いアリスに恋慕し、学寮長である父親をマジギレさせるほどに深い仲になったうえ
イーディスやロリーナの発言を見るに彼女らにも手を出した模様。ADVでは実際に三姉妹といちゃこらする様子が描写された。
後年、老婆になったアリスと再会して時の残酷さに打ちひしがれ「あの頃に戻りたい。神様がいるのなら
どうか僕の願いを聞き届けてくれ――」と祈った結果、メアリィに捕捉され、主人公の素材の一つとなった。
Gエンドで白の騎士になり主人公から分離したが、それをグラン・ギニョールになかったことにされて、主人公の中に戻ってしまった。
そのため麻袋女やカーナッキに「アリスだ」と言い、メイベルに「アナタなんてさっさとアリスに食べられてしまいなさい」と呆れられている。
Hエンドでは再分離されておらず、相変わらず主人公の一部であり続けている。
フランスの劇作家、アンドレ・ド・ロルド。
Fantia
によると、夢を与える童話作家の主人公と対になる、悪夢を与える最強の悪夢霊である。
ロルドがいる牢には蒼鳥の羽根が落ちており、チルチルとミチルに攫われたようだが、ロルド曰く「アイツは僕を腫物扱いしやがった」
とのことで、メアリィの判断で主人公の素材から外されたと見られる。
自身が所属していたグラン・ギニョルを我が子同然に愛しており、グラン・ギニョールに選ばれたグリムに嫉妬して三度も妨害してくる。
実は劇場のグラン・ギニョル座と、暗黒舞台装置グラン・ギニョールを混同しており、誤解で襲われたグリムは完全にとばっちりだった。
最後の襲撃ではグラン・ギニョールのすぐそばまで来たためか別物だと気付いたが、直後ギニョールに始末された模様。
不思議の国のアリスの舞台に二次創作者の露悪的なアレンジを加えた這い寄る者の箱庭。名前は「ワンダーランド」。
前作の舞台ロストエンパイアと同様に、支配者が書き換えた童話を改変能力によって具現化した悪夢の園である。
表向きは種馬として拉致したグリムを支配者やその眷属との子作りに励ませ、産まれた子ともまた子作りさせるという
外なる者繁殖計画の会場だが、主催者の這い寄る者の真の目的は叶わなかったアリスとキャロルの愛物語を永遠に繰り返すことだった。
それが露呈すると、意欲が萎む参加者が続々現れ、次第に数を失っていったと、混沌ダンジョンの月のビーストの部屋に書かれている。
SEN0以下でノーデの前にある本を見ると、ゲーム開始時には既に愛物語が65ループ目を迎えているのがわかる。
マリーやジャックが言う「不思議の国は人口が増え、やがて過多で破滅する」という話は、繁殖計画による人口の増加のせいか。
町民
「SENって結局何の略だったのかな! ないしょ?」
リィフ
「けっこー単純だよっ!ヒントは精神病棟。そして双子が言ってるよっ」
ヒントはトゥイードルダムの「ダムが足りない」発言。助言の「
レッドラム!
」と、鏡に書かれた「SEN」のことだと思われる。
senにdamを付け足し、逆から読んでみよう。なお、それでも最後にsが足りてないが、
作者は開き直っている
。
クトゥルフ神話における旧神「偉大なる深淵の主」「大帝」ノーデンスその人。ただしBLACKSOULSには旧神という分類は出てきていない。
ノーデという名前で司書になっているのは、近代図書館を創始した司書ガブリエル・ノーデが由来かもしれない。
這い寄る者の誘いに乗って繁殖計画の共催者となり、主人公の小間使いとして出演した。
惚れている主人公を我が物にしたいという本音が見え隠れするが、一方で人の愛を理解したいと願っている。
そのためメイベルに提示された独り勝ち計画に乗りながら、プリケットに「愛は寛容で情け深い。そして、妬む事をしない」と説かれて
主人公を助けるために協力もしている。這い寄る者に対しても協賛しながら裏切る準備を進めていることになり、裏表の激しい人物といえる。
そのせいかプリケットは「白兎にはあまり深入りしない方がいいよっ☆」とグリムとノーデの離間工作をしている。
「夢から醒めた後も、アナタは何故かまた此処に戻ってきた。ワタシのシャトランジが恋しかったのか、あるいは時計の針が遡ったと考えたわ。
だけど、そうじゃない。つまりアナタの魂はグラン・ギニョールと密接に結びついているあの子もアナタに逢いたがっている」
ここから"繰り返し"を起こしているのは、Gエンド後はグラン・ギニョール、A~Fエンド後は時間操作する兎の懐中時計を作れるノーデと思われる。
「プリケットね、元々は宇宙に住んでいたんだけれど訳あってこの星に墜ちてきたんだっ☆」
のっけから外なる者であることをばらしている。赤の女王の肩書きやダイス6の無貌、グリフィに言う「にゃあるるるぅ!」は這い寄る者の一部だったため。
Hエンドでプリケットの指輪を持っていると、這い寄る少女たちの中に紛れ込んでいた横顔ハゲはプリケットだったとわかる。
余談だがこの横顔ハゲ、タイトル絵のSEN0バージョンでただ2人(もう片方はグリム)変化のない存在である。
「愛しき貴方を力で縛り付けて、支配してしまう日が来るのかもと予期したら怖かった。
自分から一歩引いて、別れを告げられない臆病者なの。お茶会の裏では『どうすればこの夢が醒めるのか』とばかりずっと考えていた。
『いっそ誰かに邪魔された方がいい』って……そう思ったら最後、私は彼女達に魂を引き剥がされて、ここまで落魄れちゃった。
ふふっ……笑えるよね。無様だよね。私は『貴女を愛する少女』の姿を持つに相応しくなかったんだ」
このセリフやHエンドの姿を考慮するとグリムや祈り主とお茶会をしていたアリス01が姿を変えた人物だと考えられる。
この件を這い寄る者視点で書いたものが、混沌ダンジョンの図書室で読める以下の文章だと思われる。
彼女は鏡みたいに瓜二つ。私と同じ瞳、同じ髪、同じ姿で生まれた。この世界では、同じ彼女は二度要らない。
私は悲鳴を上げる私が歯車に巻き込まれて磨り潰される姿から目を背けた…
ⅠのDエンドから引き続き登場。Ⅱの物語はこいつがメアリィからグリムと改変能力を取り上げたことから始まる。
星に魅入られたハーグリーヴス。身侭な神が這い寄って来る。
世界は流転し、終わった筈の夢物語が再び始まろうとしていた。
事の発端は天体観測中の老婆、アリス・リデルが這い寄る者の興味を引いたこと。
這い寄る者はアリスを乗っ取って自身の一部を混ぜたアリス01を作り出し、その愛物語の相手だったルイス・キャロル(を内包するグリム)に近づいた。
赤の女王プリケット
「いつもは観察して、途中で飽きるはずだったのに。只の興味本位、いわば好奇心だった
気づいたら貴方の夢に囚われて、貴方しか考えられない。貴方が好きすぎて、感情をどう扱えばいいか解らないの」
這い寄る者は当初こそ軽い気持ちでグリムと交際していたが、やがて本気になっていき
アリス・リデル
「釣った魚に餌をやらないように、燃え盛った酔い火が醒めるように、一度手に入れてしまえば、愛の価値は極端に下がってしまう。
私は離れていても、死が二人を別つまで想い合う……。そんな愛の結晶が見たかったんです」
このような考えのもと、他の支配者たちにグリムがいい種馬だからと嘯いて役者を募り、主人公に苦難を課す劇場を製作して
グリムが紛い物のアリスを追い求める演目を永遠に繰り返そうとした。いつか「本物」の自分に気づいてくれるその時まで。
ちなみに、一部の助言はグリムが夢から覚めないようにこいつが書いたものだったりする。
キャロル川 |
助言 |
壊せ。 |
ジャバウォックの雪だるま 【SEN≦0】 |
少女、娘、妹、母。 いいかい? よく聞きなさい 選択を 選ぶ な。 敵 あ |
作者インタビュー
によると、アリスの役柄を被っているせいで弱体化しているが、絶対にアリスの役柄を放棄しないとのこと。
この名称はチェシャ猫が言う「役柄は、君と紛い物のアリスを引き裂く獣」から。引裂く獣、ダイナに負けると殺害される母/妹/娘アリスのこと。
Hエンドで母/妹/娘アリスの背後に三人の悪夢が現れる描写や、それらの悪夢のソウルのフレーバーテキストを見る限り
悪夢と紛い物のアリスの間には何かしら深い関係がありそうである。(Gエンドで三悪夢撃破後にも出てくるため、同一人物では無いだろう)
4つの悪夢のうちロリーナだけ対応するアリスがいない理由は、過去にいた姉アリスが途中降板し、代役も宛がわれていないためと考えられる。
妹アリス
「先刻の"繰り返し"で姉アリスの存在が消えた」
前作のメインヒロインにしてラスボス。改変能力を奪い取られており「もう生き返れない」と本人が言っている。
殺しても少女の悪夢で出てくるのは、裏ルートへ行く際に周回しているためである。
「ボクだって元は神様だしっ」という台詞は、今は神様ではないということ。創造神の名を冠する第三形態も失っている。
メアリィ・アンの名は不思議の国のアリスに名前のみ登場する女中から。
メイドのヘッドドレスを付けていることからも、奉仕種族並に格落ちしていると思われる。
Hエンドでちゃっかり逃げ出してるので、Ⅲでどんな悪事をしてくれるかが期待される。
Fエンドの「グリムっ!殺意を抱き続けるんだ!」というセリフは、ゲーム「UNDERTALE」のゲームオーバー時のメッセージ、「Stay determined(決意を抱き続けるんだ)」のパロディだろうか。
SEN1~30のときの黄色い熊の「たすけて リィフちゃ」という台詞から、前作の聖森にいた3匹の妖精が改変されたものと思われる。
ラドウィッジ市街酒場の左上に座っており、話しかけると突然戦闘が始まる宇宙人みたいな奴。
初見では何者か見当もつかないが、Bエンドを経験してから開戦時の台詞をよく聞くと、正体は奇形で産まれた主人公の子供であろうと察せる。
恐怖のフレデリックの「あんたも俺と同じ匂いがするんだ。実の娘を犯すのは気持ちいいもんなァァ」や
カキの「お前の娘だろおがぁあぁぁあぁぁあぁぁあぁぁぁッッ!!!」の意味も、Bエンドを見るとわかるようになっている。
声の主は紅ずきんの森でキノコ群集地にいたアルラウネ。
該当の扉の前に新緑の力の魔書が落ちているが、これは紅森でアルラウネを倒すと習得したスキルである。
パンツを見ると「初めて女の子に成って、下着に発情されるなんて」と言うので元男である。
「支配者は生殖の為には自由に雄と雌の概念を確定できる。
アナタの繁殖相手になってもいいわよ?
でも、この姿じゃ駄目ね。次はもっと
アナタの魂を釘付けにする女の子に成ってあげる♪」
この発言からすると、かねてから貧しいメイベルのガワはウィンターベルで使い捨てるつもりだった模様。
混沌ダンジョンで古王を倒すと、今後起きるであろう支配者の箱庭同士の終末戦争について語る。
戦争の結末は宇宙に存在する全ての物質が一瞬にして消し去られる「白痴の目覚め」であり
不死者の主人公は永遠の虚無世界を味わう事になるから、それを防ぐため戦争の阻止を持ちかける。
主人公も箱庭を創って戦地に乗り込めば支配者達を止められるという。
現状では邪魔な魂が足を引っ張るため、主人公は創造をできないが、メイベル曰く
「いずれ黒き魂の負荷に耐えられず、近いうちに爆発して器が壊れるでしょう
その瞬間こそ狙い目よ、グリムくん。飛散した魂を搔き集めて別々の器に戻すの。ワタシも手伝ってあげる」
メアリィが混ぜた魂を元通りに分けて、それぞれ元の肉体に入れるということだろうか。
這い寄る者の繁殖計画に対しては「最初はワタシも働いたけど、五回目ですぐ飽きたわ」と言っている。
また終末戦争の話をしたときや、ノーデとの会談中は、這い寄る者による会話の盗聴を警戒していた。
ノーデとは反りが合わず、会えば悪口の応酬になっていたが、飽きた繁殖計画を終わらせるため
ノーデに独り勝ち(おそらくノーデが主人公の苗床になるバッドエンドのこと)するよう勧めていた。
また「白の女王でさえワタシを信用してくれなかったもの」という言葉は
「白の女王なら他の有象無象よりは話を聞いてくれる」とも受け取れる。
ノーデの方も「皆で世界の果てを目指しましょう。そこでは白痴も虚無など畏れる必要は無いのです」と
言っており、なんだかんだでメイベルに警告された白痴の目覚めの対策をしているようである。
妹アリスからは、這い寄る者と共謀して、屠った神格をコレクションにしているのではないかと嫌疑をかけられた。
這い寄る者に屠られた眠りの神と湖棲神がシャトランジにいるため疑われたと考えられる。
秘密の雪園の扉は混沌ダンジョンと同じ物なのでメイベルが出したと思われる。ここから主人公をウィンターベルに導いて
ノーデが隠している醜い秘密を暴かせつつ、終末戦争への布石としてグラン・ギニョールの改変能力を回収させようとした。
「外なる者が心を解するなど、到底不可能な話」
「外なる者と人間が愛し合うなど不幸の末路を辿るに決まっている」
支配者と人間の相互理解を絶望視していたが、グリムがメイベルを助けようと足掻くのを見て、少しは考えを改めたようである。
メイベルの「これだから旧支配者は」という台詞で旧支配者だとわかる。
BLACKSOULSにおける旧支配者は信仰を失って忘れ去られた支配者のことなので、我々が知る神格に元ネタはいないのかもしれない。
ノーデの元部下で、国も責任も捨てたノーデに裏切られたと感じ、冠を破壊して国を滅ぼし、力こそが全ての世界を作ろうとした。
チャシャ猫には破滅願望のテロリストと呼ばれる。本人も自身が自分勝手なのは自覚している。
ノーデの元部下。こちらは旧支配者と明言されていないが、倒すと外なる者のソウルを落とすので地球外生命らしい。
両親の性行為(地球外生命体のため「肉と肉がどろどろに溶け合ってる」は比喩ではない、SAN値チェックものの光景だろう)を見て気持ち悪いと思ったのが男嫌いの始まり。男が原因で国を捨てたノーデに涙が止まらず更に男を嫌う。
冠を奪取し、性行為は一切不要の乙女達が雄という不浄に穢されない永遠に純潔でいられる雌による雌の為の国を実現しようと目論む。この世界は繁殖パーティの会場なのだが
ライデンに負けたことがある。チェシャ猫には思想の強いレイシストと言われる。
プレイヤーにはよくフェミと呼ばれるが、グリムにはエロシーンでミサンドリーと喝破されている。
奉仕させるとメアリィと面識があること、監禁して話すと過去に純白の牢獄にいたことがわかる。
おそらくメアリィの作品か、ビクトリアのようなヒロイン創りのための参考資料だと思われる。
Fantia
には「ライデンやユニスを殺せる力があるのかな?といえばノー」と書かれている。
旧支配者未満の実力ということになり、奉仕種族のショゴス相応の力しか持たないらしい。
メアリィも奉仕種族並に降格している節があり、かつて投獄していた相手と同格に落ちぶれたようである。
ヤケクソ騎乗位
どうして愛してくれないんですか
どうして愛してくれないんですか
どうして愛してくれないんですか
愛して 愛して 愛して 愛して
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
後半戦の文字化けした技名
貴方を愛して貴方を貴方を愛して貴方を愛して貴方を愛して貴方を貴方を愛して
全三体。アリス・ドールと受付のキャラチップはグラン・ギニョールと同型の人形。ADVで三姉妹を演じた人形だろうか。
地下階段の下の赤い熊:ADVのエロシーンで長女が抱いていた縫いぐるみ。
アリス・ドール:前作の童話【不思議の国のアリス】の内容と、三日目夜の次女の発言内容が同じ。
次女 → アリス02-A型 → アリス・ドール と改変されてきたと思われる。
精神病棟の受付:処方薬を扱う薬売りなので、ADVで薬を飲んでいた三女。
長女と寝た翌朝、家を出てから振り返ると役者が人形だったとわかる。
Hルートラスボス戦と同じくグラン・ギニョールの人形劇だったようである。
別れ際に次女から「また近いうちにお逢いになると思いますけど」と言われるのも
この後すぐラスボス戦になるからだろう。
毎夜、居間で目星すると、三姉妹全滅エンドの後日談らしき情報を得られる。
4日目に聞けるラジオの内容からすると、ADVはかつてメアリィがキャロルに対してやった耐久テストのリプレイらしい。
アリス・ドールの「私は設計図が無ければ何も創れません」という発言からすると、グラン・ギニョールは
ストーリーの自作ができないようなので、メアリィの権能だった頃の体験をそのまま流用したと思われる。
外側だけでなく内側にも鍵穴がある扉だ。
鍵が無ければ出られない玄関、鍵を握りしめて息絶えた次女、外に出る気配のない子供たち。
これらと3姉妹誘拐事件の新聞を考慮すると、キャロルが三姉妹を拉致監禁しているように見えてくる。
他にも学寮長の家で「ここは僕の家だ」発言をしたり、観葉植物の中から薬を見つけようとしたり、
しおれた花輪のような三女にVENUS(痩せ薬)を与えるなど、キャロルの異常性を鑑みても
度の過ぎた奇行が見られるが、もともとメアリィが書いた筋書きなら合点がいく。
一日目夜に次女と寝る → 翌朝居間に行くと、まだ寝ているはずの次女に先回りされている。
一日目夜に1階廊下で次女と話して同衾はしない → 翌朝次女から「わたし、昨日はずっと自分の部屋にいた」と言われる。
このような矛盾に満ちた展開にもメアリィらしさが滲み出ている。
紅ずきん
「色々調べて回ったけど、私と貴女(エリザベート)…。生まれも家系も全てにおいて矛盾点が有り過ぎる
細かな設定にも手を回さない適当さ加減は、どう考えても奴の仕業」
劇作家ロルド
「我が子は腕から離れてしまった。遠い遠い冬鐘の地で、ディナー・ショーを開いている」
☆ディナーショーへ ようこそ:)
えらばれた あなた 最高ラッキー!
とびきりステキな食じが うれしい! ←わたしたち
かくれんぼたのしい!
先生が隠れる役 ←わたしたち見つける![・v・]
見つからなかったら あなたの勝ち
見つかったら ディナー囲んで遊びましょ
次女
「一番に食べたいの」
使い込まれたカメラ。
……そして、ディナーを囲む人形たちの写真がある。
ADVの目的の一つはグラン・ギニョールが主人公を食べること。
アリス・リデル
「どうして私が探さなければならないのですか」
アリスが主人公に先んじてADVの発生地点に向かっており、這い寄る者が次女人形に封じられている
ことを考えると、二つ目の目的はワンダーランドから消えた主人公を探しに来た這い寄る者の足止め。
メイベルが改変能力で創られた処刑装置で、さも計画通りといった感じに死んでいるため
おそらくグラン・ギニョールとメイベルは談合しており、二つ目の目的では二者の利害が一致する。
だが這い寄る者をADVに閉じ込めた後は、主人公を食べたいグラン・ギニョールVS食べさせたくない
メイベルの戦いになっており、外から呼び鈴を鳴らす貧しそうなみすぼらしい少女や
『(主人公)くん ニゲテ 喰ワレ ル 』と喋る人形から、メイベルの干渉が窺える。
助言がADVからの脱出を促すものと、脱出を阻むものに分かれているのも、二者が争っているからだろう。
一介の数学教師が娘に恋だと?馬鹿げている
-学寮長のソウル
煌めく夜空。嗤う星々。身分違いの恋。
夢を見ることを忘れた少女は大人となり、身分の高い男性と結婚する事になる。
……誰かが僕を見て嗤っている気がする。
僕は嘲笑されている。
僕は見下されている。
僕は憐れまれている。
僕は
微笑む男はキャロルの劣等感や被害妄想のメタファー、あるいはアリスと結婚したキャロルより身分の高い男性だろうか。
巨女の正体の手掛かりは見当たらないが、八尺様のような体高と服装が貴婦人を思わせる。
……見覚えのない写真が入っている。
女性がこちらにむかって微笑んでいる。
何時撮ったのか、誰だったか。
……私は想い出す事ができなかった。
僕の愛しきアリスを捜しに行かなければ。
…しかし、何故だろうか。
記憶の中で彼女の顔が真っ黒に塗り潰されている。
――誰も彼も愛しき少女を思い出せない。
ああ、愛しき少女はこんな顔をしていただろうか?
-少女の写真
本作で顔が見れない、思い出せない女性といったらアリスである。
最後まで見ると本を閉じる音がしてタイトル画面に戻るのは、チェシャ猫が言う
「ページを捲って捲って裏表紙に辿り着いたとしても、ひっくり返せば簡単に振り出しに戻るんだ」
を体現している。
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