このページではD&D4版の公式のモンスター・データを分析する。
これにより、オリジナル・モンスターを作ったり、改造したりする際に、公式のデータに沿ったものを作りやすくすることを目的とする。
◆【前提】
公式のモンスター・データはいくつかの段階を経て調整されてきた。
このページではそれぞれを“世代”と呼称し、3世代または4世代の水準を想定する。
1世代:MM2以前。
|・精鋭、単独の防御値引き下げ。
↓・レベル11以上の単独のhp引き下げ。
2世代:MM2以降~MM3以前。DMG2以降。
|・データ・ブロックの記述が刷新。
↓・ダメージの量をはじめ、データ水準が調整。(
HJアップデート参照)
3世代:MM3以降。
|・精鋭、単独が追加の攻撃機会を得たり、幻惑状態・朦朧状態を解消する特徴を多く持つ。
|・運用上の取り扱いが簡略化されたものが多い。
↓・ただし3世代との差異が見られないものもある。
4世代:MV以降。
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3世代から4世代の変化 |
3世代から4世代の変化
この世代間はデータの傾向変化が見られながら、明確なデータ調整の基準についての記述が見つけられなかった(あれば教えてください)。
この項では、この世代間でのデータの変化について考察している。
◆【[武器]攻撃】、パワー
ジャイアントやアルコンなど、元素クリーチャーに対して多くみられる調整。
MM1では「種別のないダメージに加え種別を持つダメージ。」という攻撃パワーを持っていたモンスターが、
MVでは「種別を持つダメージ。」に簡略化されて再録された。
前者は攻撃の性質を再現しているが、後者のほうが運用が楽であることは間違いない。
なお、MM3の時点で前者のパワーを持つモンスターは減少しているように見受けられる。
◆【インサブスタンシャル/非物質的】、特徴
MM3以前は抵抗欄に記載されていたが、MVやそれ以降のアドベンチャーでは、特徴欄に記載されるようになった、
特徴欄に記載することで、特定のダメージ種別に対して通用しないことを記述することがしやすくなった。以下一例。
▼特徴
インサブスタンシャル/非物質的
このモンスターは[光輝]または[力場]ダメージを与えるもの以外の攻撃からは
半減ダメージを受ける。[光輝]または[力場]ダメージを受けると、
次の自分のターン開始時までこの特徴を失う。
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3世代から4世代の変化、精鋭以上 |
◆【アクション・リカヴァリィ/行動回復】、特徴
単独モンスター向け。行動阻害する状態を、ターン終了時に無条件に終了させる特徴。
4eでは古来より、単独モンスターが不利な状態によって行動を抑制され続けてきた。
DMの視点から見れば、この特徴はあらゆるレベルの単独モンスターに与えても問題ないだろう。
▼特徴
アクション・リカヴァリィ/行動回復
このモンスターのターン終了時には常に、このモンスターを幻惑状態、朦朧状態あるいは
支配状態にしている効果がすべて終了する。
◆神話級の単独モンスターが持つ状態への対抗手段
神話級の単独モンスターは、【アクション・リカヴァリィ】と同様の利益を、ターン開始時に得るものが多い。
さらには、そもそも複数の状態に対する完全耐性を、特徴として有するものもいる。
▼特徴
エピック・リカヴァリィ/神話的回復
このモンスターのターン開始時、彼に作用している幻惑状態、朦朧状態、減速状態、
動けない状態、拘束状態の効果は終了する。
◆【インスティンクティヴ・~/本能的~】、特徴
単独モンスター向け。通常のイニシアチブとは別に、指示されているアクションを行える特徴。
「判定結果+10」で行動機会を得るため、多くのパーティに対して先制攻撃を行えることになる。
移動を伴うアクションにおいては、移動中に防御値ボーナスや抵抗を得るものもいるが、
そうしたアクションは動けない状態で封じ込めることができるという弱点もある。
▼特徴
インスティンクティヴ・~/本能的~
このモンスターは「自分のイニシアチブ判定結果+10」のイニシアチブにおいて、
1回のフリー・アクションとして、(指定のパワー)を使用できる。
このモンスターが自分を支配状態、または朦朧状態としている効果のために
フリー・アクションを使用できない場合、移動を行う代わりに、その効果が終了する。
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ウーズ |
ウーズ
よくみる特徴、パワー
◆【近接基礎攻撃】
スラムが一般的。
◆【ウーズ/粘体】
(ウーズ)キーワード自体が持つ特性は、4世代以降はデータ・ブロックに記述されるようになった。
▼特徴
ウーズ/粘体
“無理矢理入り込む”際にも、
(1)半分の移動速度ではなく完全な移動速度で移動し、
(2)攻撃ロールに-5のペナルティを受けることがなく、
(3)“無理矢理入り込”んでいることによっては戦術的優位を与えない。
◆【スプリット/分裂】
実際の動きとしては重傷となって以降に戦場制圧強化と追加攻撃機会を得る特徴。
性質上、精鋭に与えるのが相応しい。
▼トリガー型のアクション
スプリット/分裂
トリガー:このウーズが初めて重傷になった。
効果(A不要):このウーズは2体のクリーチャーに分裂する。
分裂後の個体は、それぞれが分裂前のhpの半分に等しいhpを有する。
もとのウーズに作用していた効果は、2体目のほうには適用されない。
【マーキュリアル・ボディ/流動性の体】
奇襲役または遊撃役に向いた特徴。
▼特徴
マーキュリアル・ボディ/流動性の体
このウーズは移動困難な地形を無視し、移動によって機会攻撃を誘発しない。
その他
キーワード:(ウーズ)。(無視覚)が多い
完全耐性:(無視覚)なら[凝視]
抵抗:[酸]が多い
知覚:疑似視覚、振動感知が多い
移動速度:登攀が多い
技能:〈隠密〉が多い
属性:無属性(本能的にしか行動しない種の場合)
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オーク |
オーク
よくみる特徴、パワー
◆【ウォリアーズ・サージ】
4世代より前のオークの共通特徴。
回復によって、たいていは攻撃を1回耐える程度のhpを取り戻す。
▼標準アクション
(近接)ウォリアーズ・サージ/戦士の回復力([回復][武器])◆遭遇毎
必要条件:自分が重傷である。
効果:近接基礎攻撃を1回行い、[重傷値の半分]点のhpを回復する。
◆【サヴェジ・ディマイズ/死にぎわの大暴れ】
4世代のオークの共通特徴。
ウォリアーズ・サージと比べ、戦闘を長引かせないが、hp0で誘発する特性上無駄打ちになりづらく、よってPCが食い止めづらい。
▼トリガー型のアクション
サヴェジ・ディマイズ/死にぎわの大暴れ◆遭遇毎
トリガー:hpが0に減少
効果(フリー):標準Aを行う。
その他
知覚:夜目
属性:混沌にして悪
言語:共通語、巨人語
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最終更新:2021年04月19日 16:11