※投稿者は作者とは別人です
42 :外パラサイト:2011/01/04(火) 21:02:50 ID:PYl3SWRU0
極秘
合衆国陸軍レーフェイル大陸方面軍司令部情報部長室
通牒
宛先 ダグラス・マッカーサー閣下
(他の配布先は付記参照)
マオンド軍秘密研究施設の実態について
1 1月24日の会議にてお問い合わせの件に関する要約です。
2 マオンド軍が捕虜および被占領地住民を生体実験に使用していた事実は海軍の潜水艦に救助されたハーピィ族の女性の証言等によりすでに明らかとなっている ところでありますが、停戦協定に基づく武装解除の過程で新たに発見された機密資料を分析した結果、この種の実験は政府の承認のもと、長期間にわたり組織的 かつ計画的に実行されていたことが判明しました。
3 この秘密研究機関の母体となったのは、戦前からマオンド国内各所に開設されていた-最も古いものはソドルゲルグの研究施設で1895年から稼動しています-魔法研究所と呼ばれる施設であります。
この研究所は、表面上は、軍事用の攻勢魔法や新兵器の開発機関という体裁を取っていましたが、実態は魔法の各種人体実験や、特殊兵の練成を目的とした実験場であり、各地から集められた捕虜や亜人種を実験台として生命倫理を無視した人体実験を行っていました。
4 魔法研究所の研究内容がかくも残虐な方向性を持つに至った直接の要因として、1938年5月から停戦にいたるまで国内の魔法研究所を統括する魔法科学省総監を務めたシュニシック・フービ中将の存在が挙げられます。
1917年7月にローズデルク魔法研究所長に就任したフービ大佐(当時)は強引かつ非情な運営によって頭角をあらわし、1919年4月には魔法科学省主席補佐官の地位に着きます。
当 時マオンド国内で潜在的に国王に次ぐ権力を持っていたナルファトス教団と強い繋がりを持つフービ大佐は、教団の政治力をバックに研究所の組織を人員・資金 両面で大幅に強化するとともに、自らの提唱する「理想国家建設のための合理的民族管理計画」を実践すべく強力な指導力を発揮していきました。
記録 によるとフービ少将(魔法科学省総監就任に伴い昇進)は就任時の訓示で「マオンド共和国がレーフェイル大陸を統べるのは神の意思であり、すべての非マオン ド人種はマオンドの国家と国王に隷属する運命にある。すべての非マオンド人種は偉大なるマオンドの平和と繁栄のため、血の一滴まで捧げなくてはならない」 と述べています。
43 :外パラサイト:2011/01/04(火) 21:04:56 ID:PYl3SWRU0
5 フービの指揮下で急速に規模を拡大した魔法研究所は、1939年10月から1942年9月までの間に下部組織となる収容所兼実験施設を国内および占 領区域内に多数設立していますが、詳細については鋭意調査中であり、その全貌を解明するには今しばらく時間がかかるものと思われます。
現時点で判明しているのは、これら新設の収容所兼実験施設では所長および実験主任のポストはナルファスト教団からの出向者で独占され、一般職員こそ軍属が多数を占めていたものの、実質的には教団が施設を私物化していたということです。
そしてこれらの実験施設では、ナルファスト教団の教義に沿った形での、人権を無視した実験が日常的に行われていました。
6 これらの施設では、主に薬物投与による精神操作と戦闘能力の強化、そして異種交配によるより強力な魔法生物の創造といった内容の実験が行われていました。
しかしその詳細については停戦後の混乱に乗じて多くの収容所幹部が関係書類を焼却のうえ逃亡中のためその全容は未だ調査中です。
被検体として収容されていたもの達への聞き取り調査も行っておりますが生存者の多くが精神に異常をきたしており、こちらの進捗状況も捗捗しいとは申せません。
7 記録によりますとこれらの実験施設に収容され被検体として実験に供されたもの達は、大部分が実験の過程で死亡するか実用に耐えない失敗作として処分されていますが、ごく少数ながら実戦に投入され、我が軍との交戦に至った事例が報告されております。
もっとも有名なのはグラーズレット沖で行われたハーピィの自爆攻撃ですが、その他にもヴィザコツァの森林地帯では狂化された植物の精霊が操る樹木の襲撃を受け、141連隊第1大隊が少なからぬ損害を受けております。
8 フービおよび主だった収容所の上級幹部は現在も逃亡中であり、関係各機関が大掛かりな捜査活動を行っているにも関わらず未だにその所在を突き止めるに至っていません。
実験試料を取引条件にして南大陸諸国軍内部に存在する反米グループの庇護を受けているとの未確認情報もありますが、こちらの可能性は低いと思われます。
9 停戦協定に従いマオンド国内各地に点在するこれら実験施設は順次我が軍によって開放されておりますが、収容所の管理を引き継ぐ過程において幾つかの問題が発生しております。
一 例を挙げると昨年12月22日にエットメヌチェに進駐した第522野戦砲兵大隊の兵士は接収した実験施設に収容されていた亜人種の惨状に衝撃を受け、義憤 にかられた一部兵士のグループが収容所守備隊兵士に対する私刑を行っておりますが、同様の事例はスエトマンド、ノボチェ、シグランツァの三箇所でも確認さ れています。
10 更に深刻な問題として指摘されているのが各収容所で押収された映像資料の流出であります。
これら実験施設では実験内容の多くは魔術的な記録装置を使用することによって音声付きのカラー動画として記録され、専用の再生装置を使用することによって魔法を使えないものであっても記録装置に収録された内容を閲覧することが可能です。
これらの資料の中でも特に亜人種の女性を被検体とした異種交配実験の記録映像はブルーフィルム同然の内容であり、ソドルゲルグではこの記録装置と再生装置をセットで着服し、密かに合衆国本土に送ろうとした将校のグループが摘発されております。
この問題を放置することは、同盟諸国に合衆国軍兵士のモラルに対する不信感を抱かせる危険があり、早急に抜本的な対策を取る必要があることを特に強調するものであります。
付記 本通牒の写し配布先、ヴァルター・モーデル中将一部、大西洋艦隊情報部気付一部。
42 :外パラサイト:2011/01/04(火) 21:02:50 ID:PYl3SWRU0
極秘
合衆国陸軍レーフェイル大陸方面軍司令部情報部長室
通牒
宛先 ダグラス・マッカーサー閣下
(他の配布先は付記参照)
マオンド軍秘密研究施設の実態について
1 1月24日の会議にてお問い合わせの件に関する要約です。
2 マオンド軍が捕虜および被占領地住民を生体実験に使用していた事実は海軍の潜水艦に救助されたハーピィ族の女性の証言等によりすでに明らかとなっている ところでありますが、停戦協定に基づく武装解除の過程で新たに発見された機密資料を分析した結果、この種の実験は政府の承認のもと、長期間にわたり組織的 かつ計画的に実行されていたことが判明しました。
3 この秘密研究機関の母体となったのは、戦前からマオンド国内各所に開設されていた-最も古いものはソドルゲルグの研究施設で1895年から稼動しています-魔法研究所と呼ばれる施設であります。
この研究所は、表面上は、軍事用の攻勢魔法や新兵器の開発機関という体裁を取っていましたが、実態は魔法の各種人体実験や、特殊兵の練成を目的とした実験場であり、各地から集められた捕虜や亜人種を実験台として生命倫理を無視した人体実験を行っていました。
4 魔法研究所の研究内容がかくも残虐な方向性を持つに至った直接の要因として、1938年5月から停戦にいたるまで国内の魔法研究所を統括する魔法科学省総監を務めたシュニシック・フービ中将の存在が挙げられます。
1917年7月にローズデルク魔法研究所長に就任したフービ大佐(当時)は強引かつ非情な運営によって頭角をあらわし、1919年4月には魔法科学省主席補佐官の地位に着きます。
当 時マオンド国内で潜在的に国王に次ぐ権力を持っていたナルファトス教団と強い繋がりを持つフービ大佐は、教団の政治力をバックに研究所の組織を人員・資金 両面で大幅に強化するとともに、自らの提唱する「理想国家建設のための合理的民族管理計画」を実践すべく強力な指導力を発揮していきました。
記録 によるとフービ少将(魔法科学省総監就任に伴い昇進)は就任時の訓示で「マオンド共和国がレーフェイル大陸を統べるのは神の意思であり、すべての非マオン ド人種はマオンドの国家と国王に隷属する運命にある。すべての非マオンド人種は偉大なるマオンドの平和と繁栄のため、血の一滴まで捧げなくてはならない」 と述べています。
43 :外パラサイト:2011/01/04(火) 21:04:56 ID:PYl3SWRU0
5 フービの指揮下で急速に規模を拡大した魔法研究所は、1939年10月から1942年9月までの間に下部組織となる収容所兼実験施設を国内および占 領区域内に多数設立していますが、詳細については鋭意調査中であり、その全貌を解明するには今しばらく時間がかかるものと思われます。
現時点で判明しているのは、これら新設の収容所兼実験施設では所長および実験主任のポストはナルファスト教団からの出向者で独占され、一般職員こそ軍属が多数を占めていたものの、実質的には教団が施設を私物化していたということです。
そしてこれらの実験施設では、ナルファスト教団の教義に沿った形での、人権を無視した実験が日常的に行われていました。
6 これらの施設では、主に薬物投与による精神操作と戦闘能力の強化、そして異種交配によるより強力な魔法生物の創造といった内容の実験が行われていました。
しかしその詳細については停戦後の混乱に乗じて多くの収容所幹部が関係書類を焼却のうえ逃亡中のためその全容は未だ調査中です。
被検体として収容されていたもの達への聞き取り調査も行っておりますが生存者の多くが精神に異常をきたしており、こちらの進捗状況も捗捗しいとは申せません。
7 記録によりますとこれらの実験施設に収容され被検体として実験に供されたもの達は、大部分が実験の過程で死亡するか実用に耐えない失敗作として処分されていますが、ごく少数ながら実戦に投入され、我が軍との交戦に至った事例が報告されております。
もっとも有名なのはグラーズレット沖で行われたハーピィの自爆攻撃ですが、その他にもヴィザコツァの森林地帯では狂化された植物の精霊が操る樹木の襲撃を受け、141連隊第1大隊が少なからぬ損害を受けております。
8 フービおよび主だった収容所の上級幹部は現在も逃亡中であり、関係各機関が大掛かりな捜査活動を行っているにも関わらず未だにその所在を突き止めるに至っていません。
実験試料を取引条件にして南大陸諸国軍内部に存在する反米グループの庇護を受けているとの未確認情報もありますが、こちらの可能性は低いと思われます。
9 停戦協定に従いマオンド国内各地に点在するこれら実験施設は順次我が軍によって開放されておりますが、収容所の管理を引き継ぐ過程において幾つかの問題が発生しております。
一 例を挙げると昨年12月22日にエットメヌチェに進駐した第522野戦砲兵大隊の兵士は接収した実験施設に収容されていた亜人種の惨状に衝撃を受け、義憤 にかられた一部兵士のグループが収容所守備隊兵士に対する私刑を行っておりますが、同様の事例はスエトマンド、ノボチェ、シグランツァの三箇所でも確認さ れています。
10 更に深刻な問題として指摘されているのが各収容所で押収された映像資料の流出であります。
これら実験施設では実験内容の多くは魔術的な記録装置を使用することによって音声付きのカラー動画として記録され、専用の再生装置を使用することによって魔法を使えないものであっても記録装置に収録された内容を閲覧することが可能です。
これらの資料の中でも特に亜人種の女性を被検体とした異種交配実験の記録映像はブルーフィルム同然の内容であり、ソドルゲルグではこの記録装置と再生装置をセットで着服し、密かに合衆国本土に送ろうとした将校のグループが摘発されております。
この問題を放置することは、同盟諸国に合衆国軍兵士のモラルに対する不信感を抱かせる危険があり、早急に抜本的な対策を取る必要があることを特に強調するものであります。
付記 本通牒の写し配布先、ヴァルター・モーデル中将一部、大西洋艦隊情報部気付一部。