「ほうほう、これがテレビというものか」
興味深げに右から左からテレビカメラを眺め回すのはロゼッタだ。カメラマンが困惑した表情を浮かべている。
「中尉、それはカメラです。テレビに映すための道具です」
「なんと、ではわたしは今お茶の間にこの姿を晒しているという事か」
解説を入れる青谷。上陸以来何度こうやって解説したかわからない。
ちなみに使節は彼女一人ではない。というよりかなり大規模である。無駄に多いと言い換えていい。
大陸に存在するラウジッツ以外の主な国家は元より、
星の数ほど存在する小領邦が片っ端から使節を送り込んで来たのだ。
その中でもロゼッタの好奇心たるや凄まじいものがあり、
日本に上陸してからは嵐のような勢いで説明をぶつけてくる。付き合う青谷はへとへとだ。
ちなみに使節は彼女一人ではない。というよりかなり大規模である。無駄に多いと言い換えていい。
大陸に存在するラウジッツ以外の主な国家は元より、
星の数ほど存在する小領邦が片っ端から使節を送り込んで来たのだ。
その中でもロゼッタの好奇心たるや凄まじいものがあり、
日本に上陸してからは嵐のような勢いで説明をぶつけてくる。付き合う青谷はへとへとだ。
『使節としての仕事はどうしましたか』
と皮肉を言えば、
『大使がいるぞ!』
と元気に返された。
じゃあ一体貴女の役割は何なのかと青谷は問い詰めたかったが、ハンバーガーを片手にコーラをがぶ飲みする
女三銃士を見ていると脱力の余りに何も言えなくなった。上陸一時間で馴染みすぎである。
もしやと思っていたが物見遊山が大きな目的だったらしい。
目立つ格好で自衛官を引き連れ、うろうろとその辺をぶらつく姿は容易に目立ち、
駆けつけてきたマスコミがカメラとマイクを突きつけるに至って、青谷はもうどうにでもしてくれという気分になった。
じゃあ一体貴女の役割は何なのかと青谷は問い詰めたかったが、ハンバーガーを片手にコーラをがぶ飲みする
女三銃士を見ていると脱力の余りに何も言えなくなった。上陸一時間で馴染みすぎである。
もしやと思っていたが物見遊山が大きな目的だったらしい。
目立つ格好で自衛官を引き連れ、うろうろとその辺をぶらつく姿は容易に目立ち、
駆けつけてきたマスコミがカメラとマイクを突きつけるに至って、青谷はもうどうにでもしてくれという気分になった。
「初めまして! 日本人の諸君! わたしは帝国の使者ロゼッタだ!」
よく通る声でカメラに向かって語るロゼッタ。
「この世界へようこそ! 我々はあなた方を歓迎する。仲良くしよう!」
だが、国民向けの使者としてはこれ以上の適材はないかもな、と思い、青谷は苦笑した。
この分なら大陸との関係も楽観視していいのかもしれない。青谷も、テレビを見る人たちも皆そう思った。
この分なら大陸との関係も楽観視していいのかもしれない。青谷も、テレビを見る人たちも皆そう思った。
吉田の戦場は行政の場だけではない。国会もまたそうだった。
転移という異常事態にも関わらず吉田率いる与党の動きは早く、これほどの事態にも関わらず国内の治安が保たれ、
外交的にも成功を収めているのは、外交下手を指摘されてきた日本政府としては異例なまでの優秀さといって
よかったが、それでも社会に歪みは出る。
転移という異常事態にも関わらず吉田率いる与党の動きは早く、これほどの事態にも関わらず国内の治安が保たれ、
外交的にも成功を収めているのは、外交下手を指摘されてきた日本政府としては異例なまでの優秀さといって
よかったが、それでも社会に歪みは出る。
貿易商社の類は大打撃を受けた。多国籍企業もまた壊滅的被害を蒙っている。
中小企業の多くは経営が立ち行かなくなった。
また、抱えていた外国資産が全て紙くずと化した衝撃は極めて大きく、
総じて経済界は大混乱である。首を括るものも多数出た。
それらに対する対処は、今のところ未定である。そして、何よりも食料への不安。
当然、野党は与党を攻撃した。
中小企業の多くは経営が立ち行かなくなった。
また、抱えていた外国資産が全て紙くずと化した衝撃は極めて大きく、
総じて経済界は大混乱である。首を括るものも多数出た。
それらに対する対処は、今のところ未定である。そして、何よりも食料への不安。
当然、野党は与党を攻撃した。
「総理! 総理はこの未曾有の大混乱の責任をどう取られるお積りですか!?」
ヒステリックに叫ぶのは野党連合第二席に位置する民社党の党主。きゃんきゃんと吼える姿は
躾けもされず、甘やかされ放題で育ったプードルやスピッツを思わせる。だが顔は遥かに醜悪だ。
躾けもされず、甘やかされ放題で育ったプードルやスピッツを思わせる。だが顔は遥かに醜悪だ。
「食料の備蓄はもう僅かしかないって言うじゃないですか! それにエネルギーも!
普段からキチンと蓄えておかなかった政府の責任じゃないですか!? えぇ!?
巷じゃ食料不安から暴動が起こったり犯罪が頻発したりして、国民は不安な夜を過ごしているんですよ!?」
普段からキチンと蓄えておかなかった政府の責任じゃないですか!? えぇ!?
巷じゃ食料不安から暴動が起こったり犯罪が頻発したりして、国民は不安な夜を過ごしているんですよ!?」
殆どヤクザじみた口調にあわせ、そうだそうだ、責任を取れ。という怒号が沸き起こる。
(なら普段からお前らもそう主張しておけ)
責任を回避するつもりはない。だが事が起こってから鬼の首でも取ったように正義の味方気取りで
問題を指摘するのはどういう根性なのだろうか。大体テレビ中継もされている場で、食料不安だの
暴動だのとがなり立てて国民を不安にさせるのが吉田には腹立たしい。
内心の怒りを隠しながら答える。
問題を指摘するのはどういう根性なのだろうか。大体テレビ中継もされている場で、食料不安だの
暴動だのとがなり立てて国民を不安にさせるのが吉田には腹立たしい。
内心の怒りを隠しながら答える。
「その件に関しましては全責任は我々にあると強く認識しております。
ゆえに、この問題の解決に全力を尽くし、大陸との貿易を強化することによって、
国民の皆様に変わらぬ日々を送っていただけるよう、尽力する次第で御座います」
ゆえに、この問題の解決に全力を尽くし、大陸との貿易を強化することによって、
国民の皆様に変わらぬ日々を送っていただけるよう、尽力する次第で御座います」
責任をとれていない、詭弁だ、辞めちまえ。という野次の中、吉田は着席する。
「総理! それに自衛隊です! この世界の人たちは酷く遅れてるんでしょう!?
だったら自衛隊のような過剰な戦力は不要です! 不要! とっとと軍備を縮小したらどうですか!?
彼らに無用の脅威を抱かせる原因になります! それとも総理は大陸侵攻でも企てているのですか!?」
だったら自衛隊のような過剰な戦力は不要です! 不要! とっとと軍備を縮小したらどうですか!?
彼らに無用の脅威を抱かせる原因になります! それとも総理は大陸侵攻でも企てているのですか!?」
「そのような事実は一切存在しません。また自衛隊は大陸諸国との協議を経た後、
十分な信頼関係が醸成されたと判断されれば、段階的に必要なレベルまで縮小する予定であります」
十分な信頼関係が醸成されたと判断されれば、段階的に必要なレベルまで縮小する予定であります」
やはり馬鹿だ。大陸侵攻を企てているのか、だと。
企てているに決まっている。ただし飽くまで可能性のひとつとして、だ。
突如として外交が完全に行き詰まり、食糧供給が止まって緊張が高まったならば、
1億2千万の人口を食わせることは不可能になる。もしそうなったなら吉田は悪名を被ろうと、
大陸に侵攻することをためらうつもりはなかった。
無論、吉田としては大陸との協調が最善と信じているが、
オプションの一つとして、その考えは常に頭に置いているのである。
企てているに決まっている。ただし飽くまで可能性のひとつとして、だ。
突如として外交が完全に行き詰まり、食糧供給が止まって緊張が高まったならば、
1億2千万の人口を食わせることは不可能になる。もしそうなったなら吉田は悪名を被ろうと、
大陸に侵攻することをためらうつもりはなかった。
無論、吉田としては大陸との協調が最善と信じているが、
オプションの一つとして、その考えは常に頭に置いているのである。
(もっとも、防衛大臣の言によれば難しいようだが)
兵力が足りません。無理です。その一言につきた。自衛隊の兵力は25万。予備を併せても30万程度。
日本を防衛するにも若干の不足を感じるのに、増してや大陸に侵攻して土地を占領するなど夢物語だった。
もっとも大陸は自衛隊の戦力の実態を掴めず、過剰評価している。
現状では戦わないほうがブラフとして有効ゆえ、その意味でも戦争はありえなかった。
日本を防衛するにも若干の不足を感じるのに、増してや大陸に侵攻して土地を占領するなど夢物語だった。
もっとも大陸は自衛隊の戦力の実態を掴めず、過剰評価している。
現状では戦わないほうがブラフとして有効ゆえ、その意味でも戦争はありえなかった。
(しかし、野党がヒステリックなのはいつものことだが、ここのところは特に酷いな)
異常事態なのだから当然と言えば当然、と思う一方、やはり腹立たしくもある。
このような時なのだから批判を繰り返すだけでなく、何か建設的な意見を言うべきではないか。
今は与野党共に難局に立ち向かうべき時なのに。
へこましてやる。そう思いながら吉田はマイクの前に進み出た。
このような時なのだから批判を繰り返すだけでなく、何か建設的な意見を言うべきではないか。
今は与野党共に難局に立ち向かうべき時なのに。
へこましてやる。そう思いながら吉田はマイクの前に進み出た。
「ご批判を色々と頂戴いたしましたが、さて、では野党にお聞きしたい。
この危機を乗り切るため、野党としてはどのような案をお持ちでしょうか?」
この危機を乗り切るため、野党としてはどのような案をお持ちでしょうか?」
「それはですね! 自衛隊を削減して! 憲法九条を死守して! 無駄遣いを減らして!」
「自衛隊の削減は現在検討中です。また無駄遣いとは何でしょうか? 具体的に仰って下さい。
そして憲法九条は本件には無関係と考えます」
そして憲法九条は本件には無関係と考えます」
醜悪なプードルが口をぱくぱくさせている。吉田は少し溜飲が下がった。
「政府としては食料の輸入のほか、野菜工場に品種改良など、多角的にこの問題に取り組んでおります。
エネルギー問題に関してはそもそも大陸側に我々にとって有益なエネルギー資源を採掘する技術がないため、
難航しておりますが、当面は電力供給の時間的制限などで乗り切り、
技術供与とその後の貿易で解決する予定であります。もっとも、同じ資源が存在すれば、ですが。
さて、野党としてはいかがお考えですか? 是非お聞かせ願いたい」
エネルギー問題に関してはそもそも大陸側に我々にとって有益なエネルギー資源を採掘する技術がないため、
難航しておりますが、当面は電力供給の時間的制限などで乗り切り、
技術供与とその後の貿易で解決する予定であります。もっとも、同じ資源が存在すれば、ですが。
さて、野党としてはいかがお考えですか? 是非お聞かせ願いたい」
プードルは何も言い返せない。視線で殺してやると言わんばかりの顔で睨むばかりだ。
吉田は冷笑し、着席しようとして、
吉田は冷笑し、着席しようとして、
「案ならあります」
横合いからの声に引き止められた。
「民栄党の田中です。発言をさせていただきたい」
(野党連合のリーダーか)
厄介な奴が来たな、と思う一方、案があるのなら是非聞かせて欲しいと吉田は思った。
民社党のプードルとは違う。田中は実力ある政治家だ。
かなり強引な手も使うが、政治家としての手腕は吉田も評価している。
民社党のプードルとは違う。田中は実力ある政治家だ。
かなり強引な手も使うが、政治家としての手腕は吉田も評価している。
「首相、輸入だ何だといっても、それでは国民は安心しません」
「どういうことでしょうか?」
「国民は気付いてしまったのですよ。自分たちの国がいかに危うい基盤に載っているかを」
確かにそうだ。今まで何の心配もなく食料が手に入り、電気を無制限に使って何の疑問も覚えなかった
国民は、今回の一件で自分たちの国の欠陥を認識した。
この国だけでは、食料を供給できない。エネルギーもだ。国際社会とはそういうものだが、もうそれがない。
新たな世界で生活するに当たって、国民は自給自足を望むようになってきている。
だが現実問題としてそれが不可能だからこそ、吉田は大陸との協調を望んでいるのだ。
国民は、今回の一件で自分たちの国の欠陥を認識した。
この国だけでは、食料を供給できない。エネルギーもだ。国際社会とはそういうものだが、もうそれがない。
新たな世界で生活するに当たって、国民は自給自足を望むようになってきている。
だが現実問題としてそれが不可能だからこそ、吉田は大陸との協調を望んでいるのだ。
「仰る事は正しいと思いますが、では我々はどうすれば?」
「簡単なことです」
田中は自信満々といった様子で答えた。
「我々には自衛隊があるじゃないですか、アレを有効活用するのですよ」
アンシャム伯領は大陸でもっとも小さな独立国である。
その面積は日本で言う和歌山市の半分程度、人口は一万人にも届かず、これといった産業もない。
だが、その歴史は大陸でも最も古く、権威もまた皇帝家を越える程であり、外交交渉の地として幾度も選ばれてきた。
そのアンシャムはこの日、ひとりの客人を迎えていた。
その面積は日本で言う和歌山市の半分程度、人口は一万人にも届かず、これといった産業もない。
だが、その歴史は大陸でも最も古く、権威もまた皇帝家を越える程であり、外交交渉の地として幾度も選ばれてきた。
そのアンシャムはこの日、ひとりの客人を迎えていた。
「我が家の蔵書室はお気に召しましたか、皇帝陛下」
館の主人アンシャム伯爵が林立する本棚の森の中に佇む客人に挨拶をする。
ユグドラ帝国皇帝、ルクツァ一世がそこにいた。手元には数冊の本がある。
ユグドラ帝国皇帝、ルクツァ一世がそこにいた。手元には数冊の本がある。
「ああ、帝都の図書館もこれほどのものはない。流石、古代帝国の末裔だけはある」
行政府で執務を行っていたアンシャムは不意の訪問を受けていた。事前の連絡もなければ、供回りも僅か、
お忍びであることは明らかである。相手が相手ゆえ、先に自分の城館で待って貰うよう伝えていたが、
行政府から駆けつけてみれば、何故か皇帝はたった一人で蔵書室にいた。
お忍びであることは明らかである。相手が相手ゆえ、先に自分の城館で待って貰うよう伝えていたが、
行政府から駆けつけてみれば、何故か皇帝はたった一人で蔵書室にいた。
「それで、ご用向きはいかに? まさか我が家で本探しではありますまい」
「いや、そのまさかだ。わたしは望んでいた本を貴公の蔵書室から見つけたよ。これだ」
ルクツァが手元の本を示す。『トールボット物語』、『ファルデアの神話』と記された古めかしい本がそこにあった。
「貴公はこの本を知っているか?」
「はぁ、一応は。しかし荒唐無稽で、とても皇帝陛下のご興味をひくとは」
「少し読んでみろ」
気は進まなかったが、アンシャムは差し出された『トールボット物語』を開く。
ルクツァの示した二冊の本は何れも遥か太古にまとめられた神話や民話の類だ。
『トールボット物語』は英雄騎士物語。『ファルデアの神話』は古代に信仰されていた神々の話である。
中々面白いエピソードもあるが、総体として幼稚であり、
子供の寝物語には丁度いいが、立派な大人の読む本ではない。
だが、読み進めるうちにアンシャムは目を見開く。
ルクツァの示した二冊の本は何れも遥か太古にまとめられた神話や民話の類だ。
『トールボット物語』は英雄騎士物語。『ファルデアの神話』は古代に信仰されていた神々の話である。
中々面白いエピソードもあるが、総体として幼稚であり、
子供の寝物語には丁度いいが、立派な大人の読む本ではない。
だが、読み進めるうちにアンシャムは目を見開く。
「ご冗談を、これは新しく書き下ろされたものではないですか」
その本は見かけこそ古めかしいが、中身は彼の知る物語とは別物だった。
読み物として面白い。苦難、裏切り、友情、逆転、勝利。様々な困難に打ち勝ち、
勝利する英雄トールボットが活き活きと描かれている。
オリジナルがエピソードの集合体だったのに対して、こちらは海の向こうからやってきた
国ほどもある悪竜との対決という点で首尾一貫しているらしく、読み応えがありそうだ。
読み物として面白い。苦難、裏切り、友情、逆転、勝利。様々な困難に打ち勝ち、
勝利する英雄トールボットが活き活きと描かれている。
オリジナルがエピソードの集合体だったのに対して、こちらは海の向こうからやってきた
国ほどもある悪竜との対決という点で首尾一貫しているらしく、読み応えがありそうだ。
「その通り。こちらの本も少し目を通せ」
言われて『ファルデアの神話』をぱらぱらとめくる。
(やはり、違う)
意味不明で未整理、矛盾が多かった上にエピソードがそれぞれ独立していたオリジナルの神話より
遥かに読みやすく、体系的に整理されている。
何より、善なるファルデア神と悪なる海神との善悪二分論が旧来の神話との決定的な違いだ。
遥かに読みやすく、体系的に整理されている。
何より、善なるファルデア神と悪なる海神との善悪二分論が旧来の神話との決定的な違いだ。
「皇帝陛下、こんなものが我が家で見つかるわけがありません」
「だろうな、だが、これは貴公の家で見つかったものなのだよ。貴公がその保障をしろ」
「仰る意味がわかりかねます。それでは神話伝説の捏造、歴史の捏造です」
「今まで誰も省みることのなかった過去だ。捏造して何が悪い」
ルクツァの怜悧な目がアンシャムを貫く。アンシャムの背に冷たい汗が流れた。
ルクツァは25歳。アンシャムより20程若い。だが、時折見せる視線は確かに皇帝のそれだ。
ルクツァは25歳。アンシャムより20程若い。だが、時折見せる視線は確かに皇帝のそれだ。
「詰まらなさの余りに図書室に放置された神話など不要だ。これから新しく古い神話を我々は研究する必要がある。
私はその二冊の本を始め、多くの『古い』本を国中、いや、大陸中の大学にばら撒き、いずれは農夫の子でも知る
程のものとする」
私はその二冊の本を始め、多くの『古い』本を国中、いや、大陸中の大学にばら撒き、いずれは農夫の子でも知る
程のものとする」
「何故、そのようなことをする必要が? こんな古い物語だというのに」
「転ばぬ先の杖という奴だ」
ルクツァは不機嫌そうに眉を寄せた。
「『この世界の人たちは酷く遅れてるんでしょう!?』か。舐めたことを言ってくれる。
だが我々が奴らに対抗するには、団結する必要がある。個別ではとても勝てない……」
だが我々が奴らに対抗するには、団結する必要がある。個別ではとても勝てない……」