自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた@創作発表板・分家

03 第3話:出動

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tapper

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 2004年4月18日19時22分 北九州市小倉北区鍛冶町 料亭「ときわ」
 小倉でも有数の料亭に丸山連隊長、田島三佐、岩村県警本部長が集合していた。県庁では責任のなすりつけあいをしていた3人だが、一つの部分で意見の一致を見た。
「ここはみんなで痛み分けで行きましょう。丸山連隊長は奴らの宿営地の提供。私は資材や装備の手配。岩村さんは情報提供。ということで・・・」
 田島は岩村にビールをついでやりながら言った。岩村もこの提案に同意した。
「いいでしょう。我が県警もあの大神官様のおかげでメンツが丸つぶれだ。彼女のために編成した臨時の部隊・・・、ありゃなんと言いましたかな?」
「第一独立偵察小隊、ですかな」
 丸山の言葉に岩村は「ああ」と言わんばかりに膝を叩いた。
「そうそう!まあ、いかにもとってつけたような名前ですな」
「あの金髪の小娘も、一応は国賓待遇だからな。彼女のための部隊を編成してやったという体裁を整えておいた方があちらの国王にも覚えがよかろう。それにしても、小娘と思っていたら歯に絹着せない物言いで驚いたな」
 田島がうんうんと頷いた。
「しかし責任者を重岡にするというあたり、さすが連隊長ですな。その上、隊の厄介者の尾上までも・・・」
「あいつも武器のエキスパートなんだが、性格がなぁ。それにしても、あの村山め、厚かましいにもほどがある!」
 丸山は酔いが回ってきたのか乱暴にテーブルを叩いた。あの知事との会見場で鋸とを思い出したのだ。
「あの探偵め。秘書とか言っていた女とぐるになって、我々を脅迫しおった!あの女はあの女で携帯でいきなりマスコミの連中に電話をかける始末だ・・・。おかげでこっちも特例であの2人を雇わなくてはいけなくなってしまった。」
「ソ連ではあるまいし、まさか殺すわけにはいきませんからなぁ」
 岩村がなだめるように丸山にビールを注いだ。
「あの大神官までそれを要請したらこっちも断れん!せっかく重岡に今回の責任をとらせて後は、なあなあでごまかそうとしていた計画がだいなしだ!」
「まあまあ、そこを機転を効かせてあの部隊を作った連隊長の手腕は自衛隊でもトップクラスですぞ」
 つまり、何か問題を起こさせて部隊は解散。重岡はじめ臨時雇いの連中も解雇。大神官様には本国にお帰りいただけばいいわけだ。
「それにこちらの調査で、現段階ではアジェンダの魔道大臣はこちらに潜入した形跡はありません。つまり、大神官の空振りですので・・・。まあ、果報は寝て待てですな。浅川先生の暫定政権首班選挙も近いですし、ここは一致団結いたしましょう」
 岩村の言葉に丸山も田島も頷いた。アジェンダの魔道大臣などこの九州に潜伏しているはずはない。もしもしていれば何かしらの事件が発生するはずだ。そうでないならば、後は独立偵察隊の連中が何か問題を起こしてくれれば完璧だった。その時、岩村の携帯が鳴った。
「もしもし・・・・、えっ?そうか・・・。駐屯地にお連れしろ・・・」
「どうしたんです?」
 電話を切った岩村に田島が尋ねた。彼は少し困った顔をして丸山に相談した。
「それが、ガシリア人らしい男が、自分は大神官の側近だと言い張っているというので北署に引っ張ったそうなんです。」
「わかった。一応、向こうの部隊に命令して身元照会させておこう。駐屯地に連行してくれ」
 丸山はここまで来れば、一分の隙も見せない覚悟だった。万が一スパイで破壊工作でもされればさっき話した計画はおじゃんとなってしまうのだ。

 2004年4月19日9時46分 北九州市小倉南区北方 第一独立偵察小隊本部のプレハブ
  重岡二尉は会議の進行役として会議室の黒板の前に立っていた。議題はドボレクの捕捉について。重岡は必死だった。この島流しのような部隊でなんとか実績を あげて元の出世コースに帰るのだ。そのためには部隊のみんなをひっぱって行かねばならない。そう思って面々を見回した。
「・・・・・・あぁ・・・・・・」
 思わずため息がこぼれた。村山はまたしても缶ビールを飲みながら話を聞いている。ドローテアは朝刊の社会面の隅々まで目を通している。その彼女を半笑いで見つめる尾上。それをあからさまに気持ち悪がる美雪。早くも重岡の決意は薄れかけた。
「なあ、しかし。俺たちは警察じゃない。どうやってその潜入したドボレクを見つけだすんだ?」
 珍しく村山が誰にともなく言った。たまにはいいこと言うじゃないかと重岡は思った。彼も彼なりに考えているのだ。もっとも、それは国家のためとかではなく、彼の股間が自由になるためなのだろうが・・・。
「これだ!」
 そう言ってドローテアはさっきまで読んでいた新聞を放り出した。
「新 聞はこの国のすみずみで起こったこともつぶさに伝える。この中で、そなたたちが見て異常だと思う事件を見つけてくれ。私は、この国で使われる魔法を探知す る能力を持っているが、ドボレクが魔獣を召還する程度では感知できないことも多い。だからこそ、警察にも情報提供を求めたのだ。」
 なるほど、だから眉唾記事だらけのスポーツ新聞まで取り寄せているわけだ。重岡はさすが大神官と思った。
「ミランス様。で、肝心の封印魔法というのは、ドボレクと相対すればすぐに使えるのですか?」
 重岡は間髪入れずに質問した。彼女は「ドローテアでよい」と前置きすると、咳払いして答えた。
「はっきり申し上げて、使えない。そなたたちには縁がないから知らないのも仕方ないが、魔法を発動するには呪文が必要だ。私が村山殿の***を締めあげる時も、一応呪文を唱えておるのだ。試しに唱えてみるか?」
 彼女の言葉に村山がビールを吹き出した。
「冗談だ・・・・」
 真顔で答える彼女に一同は固まった。ただ1人、尾上を除いて・・・
「自分も締めあげて欲しいです!ハァハァ・・・・」
「尾上、貴様は黙ってろ・・・・」
 重岡はそれだけ言うとふたたびドローテアに向き直った。その呪文に関してはかなり重要だった。部隊の作戦もそれによって大きく変わってくる。
「では、ミランス・・・いや、ドローテア様、実際にはどれくらいかかるんでしょう?」
 ドローテアは少し考えて、窓の外を見た。そしてすっと立ち上がって窓を開けると、訓練用の櫓を指さした。
「時間を計ってくれ。」
 そう言って目を閉じて神経を集中させ始めた。
「いにしえより我がガシリアを守りし精霊に・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 優に1分近い呪文を唱え続けるドローテア。美雪は思わずその長さにつぶやきをこぼした。
「マジで長いって・・・・」

次 の瞬間、彼女が目を見開くや、数十メートル先にある訓練用の櫓は火柱をあげて吹っ飛んだ。その近くをジョギングしていた隊員の一団が驚いて腰を抜かすのが 見えた。いくらなんでもやりすぎだ。重岡は頬の筋肉がぴくぴくするのを感じたが、あえてそれを口に出すことはしなかった。半分やけくそになっていた。
「今のが封印魔法の呪文に近い長さの魔法だ。この間私は完全に無防備になる。だからこそ、護衛が必要なのだ。これは魔法が使われだして以来の課題でな。呪文の朗詠が魔法の弱点なのだ。」
 爆発のすごさに驚く一同を後目に、村山が新しい缶ビールをイスの下にあるクーラーボックスから取り出しながら言った。
「だったらさ。最後の・・・・、なんとかしたまえって部分から前を先に言っておけばどうなんだ?」
 村山の言葉にドローテアはあっけにとられた。確かに、あらかじめ使う魔法の呪文を言っておけばうまく行きそうな気がした。
「村山殿!さすが、私が見込んだ男だ!」
 よっぽど画期的だったのだろう。ドローテアは感激の余り村山に抱きついた。重岡もこの意見には実験の余地があると思った。それにしても、彼女曰く数百年の歴史の中で、誰もそれを試みなかったのは不思議だった。彼らなりの騎士道でもあるのだろう。
「ちょっと!何、どさくさ紛れにセンセーに抱きついてんの!」
 美雪が抗議の声を上げた。新たな発見に興奮するドローテアは彼女の抗議も意に返さなかった。
「ふん!小娘の戯言などで挑発される私ではないわ!」
 鼻で笑うドローテアに美雪もさすがに切れたようだ。
「あたしは大卒の23なんだけど!あんたはいくつ?時代劇みたいな言葉使ってさぁ!案外40くらいなんじゃないの?」
 その言葉に反論したのはドローテアではなかった。若々しい男の声だった。
「無礼者!ドローテア様をこれ以上愚弄するのは許さんぞ!」
 声の主を求めて一同はプレハブの入り口に視線を集中させた。そこには、銀色の甲冑に身を包み、腰にはサーベル。肩には黒いマントを羽織った金髪の美青年が立っていた。
「バルクマン!バルクマンではないか!」
 ドローテアは騎士に向かって歓喜の声をあげた。その騎士もドローテアの姿を認めるや、その足下に駆け寄り、手を取って口づけした。
「よくぞ、よくぞ無事であった!」
「ドローテア様こそ!・・・・で、こちらのお歴々はいったい?」
 バルクマンと呼ばれた騎士の質問に対してドローテアはことのいきさつを話し始めた。

 2004年4月19日10時11分 北九州市小倉南区北方 第40普通科連隊駐屯地グラウンド
 道すがら、ドローテアのいきさつを聞き終わったバルクマンは思わず、彼女の前に跪いた。
「申し訳ありません!自分さえいち早くドローテア様のところにはせ参じればこのようなことにはならなかったものを・・・。自害してお詫びしたい心境です!」
 突っ伏して詫びる青年騎士にドローテアは優しく言った。
「よい。そなたが無事だっただけで私は満足だ。それに、この村山殿も意外と切れ者だぞ」
「もったいないお言葉に存じます・・・」
 ドローテアの言葉に感激した騎士はグラウンドの真ん中で男泣きに泣き始めた。それを見ていた美雪がそっと青年騎士に近寄った。
「まあ、男だったらあんまり人前で泣くもんじゃないと思うけど・・・、ラブラブな彼女と再会できてうれしいのはわかるけどさぁ」
 その言葉にバルクマンはすっと立ち上がって美雪に向かい合った。美雪は思わず顔を赤らめた。
「私はドローテア様とは何のやましい関係もない!バルクマン家は代々、ミランス家に使える騎士だ!ドローテア様のためには命を惜しまぬし、見返りも求めぬ!そのような詮索は今後許さぬぞ!」
 バルクマンの言葉を聞いて美雪は怖がるどころか、さらにぽおっと顔を赤らめた。その反応に青年騎士も思わずしどろもどろする。
「かっこいい・・・・チョーかっこいい」
 金髪のイケメン騎士の男らしい言葉に美雪は惚れ込んでしまったようだ。あっさりと美雪が自分からバルクマンに乗り換えられた(付き合ってないのだから正確な表現ではない)村山はいささかおもしろくないようだった。それを見てドローテアがおもしろそうに笑った。
「村山殿、あっさりと乗り換えられたな」
「ふん、美雪がいなくても俺には相手は腐るほどいるから・・」
 村山の明らかな強がりにドローテアは少しだけしょんぼりした顔をしたが、当の村山がそれに気がつくことはなかった。

 2004年4月19日10時19分 北九州市小倉南区北方 第40普通科連隊駐屯地グラウンド
 グラウンドの真ん中で実験は開始された。重岡の合図でドローテアはさっき唱えた呪文を唱え始めた。
「いにしえより我がガシリアを守りし精霊に・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 そして最後のフレーズの直前でそれを止めると、重岡に無言で合図した。きっちり5分。無言のまま待つと、彼女は言葉を発した。
「・・・・・我に力を与えたまえ」
 そう言うと、さっきと同じく大きな爆発が起こった。尾上は興奮気味にデジカメにこの実験を撮影している。いや、むしろドローテアを撮影しているだけかもしれない。
「では、もう1度」
 重岡の合図で彼女は同じ呪文を唱え始めた。その間に重岡が村山にそっと耳打ちした。村山もにやっとすると黙って頷いた。やがて彼女の呪文の朗詠は終わった。
「じゃあ、ドローテア。「ピザ」って10回。心の中で言ってみてくれ」
 村山の言葉にいささかとまどいながらも彼女は心の中でピザを10回唱えた。
「じゃあ、ここは?」
 そう言って村山は自分の肘をさした。バカにするな、という顔をしてドローテアが村山の質問に答えた。
「膝に決まっておるではないか・・・、あ・・・」
 思わず言葉を発したことに気がついてドローテアはうろたえた。重岡が彼女に合図する。
「・・・・・我に力を与えたまえ」
  慌てて唱えるドローテアだが、先ほどのような爆発は起こることはなかった。これではっきりしたことがいくつかあった。魔法は呪文を唱える者の精神が安定し ていないと発動しないということだ。それが言葉の問題と関わるかは別問題として、少なくとも、呪文の途中に別の言葉を発することは魔法の失敗を意味するこ とはわかった。実験が終わって思わず美雪が我慢できずに笑った。
「ははは!今時、あんなのにひっかかるなんて、マジおかしい!」
 プレハブに戻ってみんなにコーヒーを出しながら言う美雪にドローテアは不愉快な顔をしている。バルクマンに耳打ちして何か相談していたが、彼の言葉を聞いてにやっと笑った。
「おい!小娘!ニシンと10回言ってみよ!」
 挑発的な物言いに美雪はむっとしながら、「ニシン!ニシン!ニシン!」と繰り返した。
「では、女性が子供を産むことは何という?」
 ドローテアの自信満々な表情に対抗するように美雪も即座に答えた。
「妊娠!・・・・・・・・・あっ・・・・・」
 自分も引っかかってしまったことに気がついた美雪は顔をしかめた。
「ははは!あんまり男のことばかり考えているから引っかかるのだ!」
 高笑いしてドローテアは階段の上の自室に入っていった。その余裕の言動によけいに頭に来たのだろう。美雪は悔しげに村山の机をどんどんと叩いた。
「なにあれ!マジでむかつく!」

 怒り狂う美雪にバルクマンがすっと歩み寄った。とたんに美雪がおとなしくなる。
「許してください。ドローテア様はまだ19。年齢の近い美雪殿と話すのがおもしろくてたまらないのです」
「え?19?」
 その言葉にバルクマンはだまって頷いた。
「は い。ドローテア様がご両親の家督を次がれたのが15の時です。それ以来、同年代の女性と接する機会もありませんでした。私はこんな生き生きとしたドローテ ア様を見たのは久しぶりです。ガシリアと異世界との違いもありましょうが、ご了承ください。美雪殿、御礼申し上げます」
 イケメンの騎士に頭を下げられて美雪はうれしそうに笑った。まあ、あんな小娘の相手でこの騎士の気を引けるならそれでもいいかな、って思った。

 2004年4月19日16時34分 遠賀郡芦屋町芦屋海浜公園
 海開きにはまだまだ遠い砂浜だが、海水浴客ではない別の人種が集まっていた。彼らの目的はサーァーだった。うざったい家族連れの海水浴客が居ないこの時期は彼らにとって絶好のサーフィン日和だった。
「おい!あれ、いけてねえ?」
 サーファーの1人が指さした方には、1人で砂浜に出っ張った岩に座る女性がいた。
「おお。けっこうかわいいな」
 もう1人が時計を見た。ここは17時で閉園だ。準備をしてお持ち帰りするには十分な時間だ。
「いっとく?」
 どうやら彼女は外国人のようだ。サーファーの食指が動く。
「いっとこ」
 2人のサーファーは見たこともない人種の女性ににやにやしながら歩き始めた。

 2004年4月21日9時47分 北九州市小倉南区北方 第一独立偵察小隊本部のプレハブ
  あの会議と実験の後、取り立ててすることのない面々はそれぞれの仕事に没頭していた。村山は相変わらずビール三昧。美雪はとりあえず与えられた事務作業。 尾上は装備品のスペックをチェックしながらドローテアの画像を見て笑顔を浮かべている。肝心のドローテアは2階にこもり、バルクマンは市内から集めた大工 を動員してドローテアの宿舎を建設している。その造りたるや、駐屯地の建物以上だった。彼の持っていたミランス家の財産の一部を使った工事だった。
「重岡殿!重岡殿!」
 突如、そこへドローテアがプレハブ1階に降りてきて叫んだ。その声に反射して尾上が直立不動で彼女を迎える。
「どうされました?」
 重岡の返答を聞くまでもなくドローテアは彼に新聞の社会面を見せた。
「これは・・・」
 そこには、「芦屋海岸で新興宗教?野宿を続けるサーファーたち」という記事があった。中身は、家に帰ることなく、浜辺で生活を続けるサーファーの生活がレポートされているだけだった。
「これはいったい・・・」
 重岡の返答を待つのがじれったくなったのか、ドローテアは美雪にその新聞を投げた。
「小娘!この写真に写る女を見てみろ!」
 年下の女の子に小娘呼ばわりされた上に命令口調で言われた屈辱を、先日のバルクマンの言葉でがまんした美雪は言われたとおり新聞の写真を見た。よく見えない。とりあえず、スキャナーにかけてできる限り解像度を上げてみる。
「あっっ」
 彼女は声をあげた。写真の奥、浜辺に近い岩場に座る女性に向かって大勢のサーファーが祈るように座り込んでいる。美雪のいつにない真剣なリアクションに村山もドローテアを見た。彼女は忠実な騎士を従えながら得意満面な表情で口を開いた。
「これはドボレクの召還したナパイアスだ。男を誘ってはその魂まで吸い取り力にする魔物だ・・・。尾上二曹!」
 ドローテアのいついない鋭い命令に尾上はびしっと敬礼した。
「はっ!」
「すぐに車両と実弾の支給を要請しろ!我ら第一独立偵察小隊の出番だ!」
 ドローテアの自信に満ちた言葉に、尾上は指揮官の重岡を無視して電話にとりついた。武器のエキスパートの尾上は、本来の能力を出しててきぱきとオーダーを伝えている。置いてきぼりにされた重岡は泣きそうになりながらドローテアを見た。
「重岡殿、出動だ。ついにドボレクが動き出したぞ」
 ドローテアはバルクマンから渡されたサーベルを受け取るとWACの制服のベルトに挟んだ。村山も渡されていた9ミリ機関拳銃のマガジンを確かめた。ふと、そんな彼を見ているドローテアに気がついた。なんだかんだ言ってあてにされているのがうれしかった。
「村山殿、頼むぞ」
「任せてくれ」
 初陣にいささか緊張しているドローテアを見て、右手の親指を突き出しながら村山は缶ビールを飲み干した。
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