男がぶらぶらと川沿いを散歩している。
両肩に簡易的な添え木をへこへこ歩く姿は、リハビリ中の患者のようだ。
向かう先はサンタ・ルチア駅。本音を言えば、彼にとってはどうでもいい場所。

「ヴァニラ・アイスは……そろそろ駅についてる時間かね」

一足遅れた男の足は何を導いていくのか。
戦火の火花を散らせるのか、はたまた収束させるのか。

「ま、俺は美味い女にありつけりゃあ充分なんだがな……お? 」

屍生人J・ガイルが降水に囲まれたコロッセオに進入をしようとしたその時。
駅から何かが崩れる轟音が響いた。

「お! どんぱち、やってるやってる……」

まるで他人事にように欠伸をしながら、J・ガイルは左の腕でお腹のかゆい所をかいた。
日の出まで、あと2時間。



【I-4 北部 /1日目 早朝(4:00過ぎ)】
【J・ガイル】
[時間軸]:ジョースター一行をホル・ホースと一緒に襲撃する直前
[能力]:『吊られた男』
[状態]:左耳欠損、左側の右手の小指欠損、右二の腕・右肩・左手首骨折 カーズに燃えるような怒り、それを上回るほどの恐怖 軽く情緒不安定
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
1.ヴァニラ・アイスに従い日の出までにサンタ・ルチア駅に向かう。援護も"とりあえず”する。
2.自分だけが助かるための場所の確保もしておきたい。
3.カーズには必ず自らの手で借りを返す…のか?
4.3のために力をつける。結局はこのゲームでは力がないと死んでしまう…
[備考]
※デイパックと支給品一式をカーズに奪われました。
※『吊られた男』の射程距離などの制限の度合いは不明です。
※ワムウによる蹴りのダメージは右二の腕・右肩・左手首骨折でした。それぞれに対して添え木がしてあります。
※午後4時ごろ、サンタ・ルチア駅で何かの破壊音が響きました。


★ ★ ★


「私の『面』が見えますか? 」

陰鬱なトーンで質問しながら、男は雨粒で造られた足場から飛び降りる。
低血圧を思わせそうな彼の話し方は、深夜に降り注ぐ雨のように暗い。
ゆっくりと近づいてくる男の姿にエンポリオは更に恐怖したが、素直にその質問にYESと答えた。

「では2つ目。あなたの仲間の情報を、スタンド能力も含め出来るだけ細かく教えていただけませんか? 」

男の質問が明らかな情報搾取に姿を変えたので、エンポリオは運命を呪った。
人としてもスタンド使いとしても弱く、反逆する意思も簡単に消されてしまう。
そして紳士的な口調で静かに脅迫するこの男は、いずれ仲間の障害になる。
スタンド使いの戦いでは、相手の能力を知ることは大きなリードをもたらすからだ。
とはいえ頑固に口を閉ざして逆らえば、用済みとして始末されてしまう。
おまけに、正直に話したからといって助かる見込みはない。

「だが断る! 」

エンポリオはわきあがる感情を押し殺し、拒否の一答をぶつけた。
正しいと思える行為。立ち向かう意思。
納得のできる行動は、弱弱しく頭を下げる柳じゃあなく、どっしりと上に伸びる頑固な大木だった。
人の弱みに付け込むような略奪者に、捧げる命はない。
ここで折れることは、母親を殺したプッチ神父に、命乞いをするようなものだ。

「残念ですねェ。お若いというのに」
「死ぬのは怖いさ……でも、あの時の僕は譲らなかった」

ケープ・カナベラルの戦いで、プッチの圧倒的戦力に押し負けて仲間は死んだ。
絶望的だった。
だが無謀とわかっていても、勇気を出してプッチに拳銃を構えた。
かつてのエンポリオ・アルニーニョの誇りは、

「僕は、今も僕のままでいたい」

まだ、死んでいなかった。

★ ★ ★

2、3倍はある体格の大人の背中に、全身を預ける。
初体験が赤の他人、しかもこんな状況で迎えるとは誰が予想しただろう。
背負われることによって始めて伝わる温かみがこそばゆく、心を安らげてくれる。
両親の愛を大して受けずに育った川尻早人には、それだけ"おんぶ"に衝撃を受けていた。
その養育列車もサンタ・ルチア駅が終点となる。

「もしかして、野球帽を被った少年のお知り合いですかァ? 」

駅で待っていたのは、友ではなく他人。
初対面の相手から、それも明らかに年上の人間にお辞儀をされるなんて珍しいな、と早人は思った。
仰々しい態度で接されるのは、小学5年生である身には縁のないことだ。
元から内気ではあったし、親や友人は割かし図々しい性格が多かった。
幸い男は善人だったらしく、手当てを施してくれたらしい。

「エンポリオは無事なのか? 」
「失血による酸素欠乏で気絶しているだけです。容態は危険ですがねェ」

淡々と交わされる端的なやり取り。
恐怖に震えながら駅を離れた時とは大違いだ。
天候を操る能力者、ウェザー・リポートが仲間になってくれた。
ウェザーを探すために涙を呑んで見捨てたエンポリオは無事だった。
エンポリオに大怪我を負わせたヴァニラ・アイスはウェザーに敗れて河に転落した。

「早人、お前も傷の手当てをしよう。応急処置はしたが、傷の具合を見てみないとな」

怪我人を介抱している彼らがとても頼もしくみえる。
何もできないチッポケな子供を一身で背負う姿に、テレビで見たヒーローを重ねたくなった。
ヒーローは負けない。もう寂しい別れは味わいたくない。
沢山の仲間が集まりみんなで力を合わせて悪を倒しにいく。
こんなことがこれからもずっと続くといいのにな、と考え始めていた。

「早人、あれは誰だ」

その時、ウェザーが自分の顔を背中に向けて早人に問いてきた。
サンタ・ルチア駅の別の入り口から近づいてくる客。
ウェザーは身に覚えのない人物なのだが、早人はよく知っていた。
『運命に勝ったッ! 』、そんな確信がふと頭をよぎる。
心配だったが、伝書鳩は無事に"彼"に手紙を届けてくれたようだ。
その上、エンポリオの下僕、ヨーヨーマッまで一緒にいる。
もっとも会いたい相手が、こんなに早くやってきてくれたのだ。
これを喜ばずとして何を喜ばないのか。

「僕たちの仲間だッ! 」

仲間と呼ばれた男は、早人の声に反応し手を振る。
その名は東方仗助(とヨーヨーマッ)。
早人と同じ世界の住人である。

★ ★ ★

「な……な……"治せない"……」

涙を浮かべて、早人は激しく狼狽している。
地面に膝から足までぺたりとつける姿に、さっきまでの生気は微塵も感じられない。
希望が打ち砕かれた人間は弱いものだ。

「悪いな……こればっかりはどーしよーもねえんだ」

その早人に謝っている男、東方仗助は早人にとっての希望だった。
あらゆるものを治す能力、『クレイジー・ダイヤモンド』のスタンド。
早人は自分とエンポリオの怪我を彼に治してもらうつもりだったのだろう。
答えはNO NO NO 
彼のスタンドが『治せる』のは、形あるものだけ。
ヴァニラ・アイスに粉微塵になって消された早人の右足とエンポリオの腕は、どこにも無い。
ゆえに治せない。

『旦那"候補"様、落ち着いてください。傷に響きます。あなたにも、旦那様にも』

だが受難はそれだけではない。
この降り注ぎ続ける雨のせいで、彼らの血は固まらずに流れ続けていた。
河に流れてしまったり、地面に吸い取られたり……考えられうるケースは様々だが、出血した分の血は回収不可能。
クレイジー・ダイヤモンドは彼らの体に血を戻すこともできないのだ。

「僕はッ! 途中でウェザーに止血を……でも彼はッ! ……う、うううう……」

悲しみにうちひさがれていた少年はついに脇目も振らず泣き出した。

『旦那"候補"様、落ち着いてください。泣いたところで何も解決いたしません』
「ううう……どうして僕をそんな風に呼ぶんだ……! 」
『今の旦那様はあなたを信頼しております。旦那様の遺志はあなたの意志でしょう。
 おそらく"僕が死ぬ時になったらヨーヨーマッは君に託すよ"とおっしゃるかと』
「うるさいッ! 」

早人の悲しみは擦り寄る下僕の戯言にさえも癇癪を起こしてしまう。
歯に衣着せぬ言葉による強制的な現実直視は、この状況ではなお痛ましい。
しばらくはいたずらに時が過ぎていくのを待つしかないだろう。

「……? どうかしましたかウェザー・リポート」

卑屈さを漂わせる黒いコートの肩にウェザーが手を置く。
質問には答えない。無言のまま強引に駅の奥へと連れ込んでいこうとする。
声ださずにその場を去ろうとしたのは、気遣い以外の何物でもない。

「わかりました。あなたの相談、承りましょう」

ウェザーは去り際に東方仗助へサインを送った。
川尻早人の傷を癒すのは『治せる』彼だけだからだ。
仗助は左手を軽く胸にあて、目で訴え返してきた。
意図を汲んでくれたようで、"任せろ"と言わんばかりの顔つきだった。

★ ★ ★ 

「残念で仕方なりませェん」

両手を胸の中心で組んで、男は深くお辞儀する。
仗助たちのいる駅の入り口から北に大分離れた野原。
雨の音がけたたましく丘を叩き、ドラミングを披露している。

「私がもっと、もっと早くあの場にたどり着いていれば――」
「どうしてエンポリオを助けた? 」

ウェザー・リポートのこの質問には、当然ながら裏の意図がある。
てがかりは彼が最初に見つけた青年の死体。
そして死体が握っていた黒い毛糸。
その感触は少し不思議だった。
雨の濡れかたを見ればわかるが、材質が少し古臭くて生糸としては売り物にはなりにくい。
まるで"何十年も昔の洋服から千切られた"ような印象を受けた。
この特徴的な感触を持つ黒い衣服。そのコートを着た人物こそが、青年を殺した犯人と思っていたのだが……。

「……? 見殺しにするわけにはいかないでしょう」
「お前は雨を固定することによって止血ができる能力者。わかっていたんじゃないのか」
「"止血しても手遅れだった"と? 買いかぶり過ぎですよ」
「買ってなんかいないさ。止まない雨は無いし、雨で出来た止血のフタもいずれ蒸発する……それが自然だ」

それらの都合がこの上なく揃う疑惑の男が、いきなり現れて人助けをしていたら。
真だ、と目星をつけていた結論に綻びが生まれるようなもの。
誰だって戸惑うし、先にに進みにくくなるものだ。
元々、ウェザーは"青年を殺した男は有無を言わず先手必勝を狙う"というイメージ持っていたのだから。

「強いて挙げるなら……気になったからですかねェ。
 彼は"先"を見ていた。自分の死んだ後のことを考えていた。何を見ていたのか……それを知りたくなったんですよ」

疑いは払拭されることはない。しかし、この男は話を聞く限り"頭がいい"。
尻尾を見せないというか感情が掴み取れないというか、とにかく油断ができない。

「用件はそれだけですか? 」

ポケットにしまってある黒い生糸。殺人を立証する手がかりだ。
早人の仲間である東方仗助のスタンドの『治療』でこの糸が黒いコートに戻れば証拠として立証が可能。
だが、うかつに出せば誤魔化される恐れは否定できないのだ。
"その青年を私を殺そうとしたので、やむを得ず正当防衛を……"と反論されてしまうだろう。

(とはいえ、どす黒い悪意は感じられる)

極力無難は話題で少しづつ、素性を探っていくか。
それとも思い切って襲い掛かり出足を見るか。
"雨を固定できる"というスタンドを悠々と他人に見せられる事態が、奥の手の存在を匂わす。

「そういえば名前をまだ聞いてなかったな」
「……ブラックモア、以後お見知りおきを」


ウェザー・リポートの苦労は続く。




【サンタ・ルチア駅周辺(H-3中央部)/一日目/早朝(4:00頃)】
【ウェザー・リポート】
[時間軸]: 12巻、脱獄直後
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、不明支給品1~3(本人は確認済み)、黒い糸数本
[思考・状況]
基本行動方針: とりあえず殺し合いには乗らない。
1.駅に戻る
2.『雨』を降らせ、仲間に自分の存在を伝え合流する(ブラックモアが気になるが←のために降雨は続行)
3.ブラックモアを警戒。じっくり見極めるか即・滅殺するか考え中。
4. 男(ロメオ)を殺したやつ(ブラックモアか?)を探す。相手次第で始末する
5.襲ってきた相手には容赦なく反撃する。
6.エンリコ・プッチ、ラング・ラングラー(再起不能のはずだが…?)の二名に警戒

※雨はウェザー・リポートが降らせています。
 雨が降っている領域は【I-3】の周囲一マス程度です。
※名簿はチェック済みです。一通り目を通しました。早人と情報交換しました。
※ブラックモアとは情報交換を完全にしていません。交換されたのは下の情報だけです。
 ①ブラックモアが、気絶しかけていたエンポリオを止血して助けた。
※黒い糸はブラックモアの服からちぎりとったものです。

【ブラックモア】
[時間軸]:ジャイロの鉄球が当たって吹っ飛んだ瞬間
[状態]:左腕にかすり傷
[装備]: 一八七四年製コルト
[道具]:支給品一式×2(デイバッグ二つ)予備弾薬(12/18)不明支給品1~3(本人は確認済み)
[思考・状況]
基本行動方針:優勝する。
1.駅に戻る
2.優勝する為の味方が必要(ウェザーたちが気になる)
3.遺体を捜す
4.名簿にある“ツェペリ”“ジョースター”“ヴァレンタイン”の名前に注目
5.傘が欲しい…。

※名簿はチェック済みです。一通り目を通しました。"ツェペリ""ジョースター""ヴァレンタイン"の名に警戒と疑問を抱いてます。
※ブラックモアがほかの七部の参加者をどのぐらい知っているかは不明です。
※エンポリオからは情報を聞き出せませんでした。



★ ★ ★ 

(こいつらを騙すのには成功したが、面倒くさいことになっちまったなあ)

自分のとった行動に毒づきながら、東方仗助――になりすましていたラバーソールは、耳障りな号泣を聞いていた。
未だ意識のハッキリしない子供と、その子供に抱きついて呼びかける少年。
わざとらしいオーバーな素振りが、彼の眼隣筋をひきつかせる。

(合流するタイミングも悪かった。話しかけられる雰囲気でもねーし……。
 仗助みたいな甘ちゃんは、泣き止むまで大人しく待つタイプだよな。
 "すっきりしたか? じゃあ墓を立ててやろうぜ"みてーな臭い台詞かましてよお)
『旦那"候補"様、旦那"候補"様……ああ、まったく取り合ってくれない』
(このミョウチクリンな生き物もこのガキどもには媚びうる癖に、俺はガン無視だ。
 あ~~"どっちが早人"かすらも、わかりゃあしねえ。"早人"は日本人なんだろうが……うーん。
 仗助も外国人並の身長だったし、どっちも髪を染めてるっぽいしなあ~~)

ラバーソールは早人たちに気づかれぬように立ち上がり、駅の奥に向かって歩き出した。
向かう先はサンタ・ルチア駅の時刻表だ。

(駅を通る列車は、地図に書いてある線路を通るらしい。この赤いラインがそうだな。
 途中で途切れているのは何でだ? ……あ、そうか地下鉄か。線路が地下を走ってるんだな。
 なるほどぉーっ、うまく使えば最高に逃げ道だが一歩間違えると袋のネズミってわけだ……ん? )

ラバーソールはふと首筋に冷たさを感じた。
氷を肌に当てたような持続的な寒さではなく、北風が通り過ぎたような刹那的な寒さ。
雨が降る日には、誰もが冷たさに雨を連想する。
建物の中で滴りを感じれば、顔を上げて見据えてしまう。

「雨漏りしてるの――かッ!? 」

ラバーソールが化けていた東方仗助の脳天に、鋭利な包丁が突き刺さる。
天井から落ちてきたものは雨ではなく、雨で濡れていた来訪者だったのだ。
身軽さを生かした暗殺術を極めたナチスコマンドー、ドノヴァン。
彼の技量を持ってすれば、駅の屋根をつたい、上空から襲撃するなど朝飯前。
……もっとも、今の彼はただの人形だ。彼の意識はすでに無い。
それは水のスタンド、アクア・ネックレスの仕業。
体も水で出来ているアクア・ネックレスはドノヴァンの全身に寄生することで、体を乗っ取っているのだ。

「……痛ってえじゃあねえか。俺の眉間にちょっぴり刺さっちまったぜ。
 ヒヒヒ、仗助は俺より身長が高いからよお……イエローテンパランスで頭部を水増しさせといた。
 シークレットシューズならぬシークレットヘッド! ドゥーユゥーアンダスタァ~~ン?
 つまり仗助の頭をブッ刺しても、本体である俺様には距離が……足り、足り、足り、足り、足りなあ~~いッ! 」

しかしドノヴァンはスタンド使いではない。
ちょっと腕の立つ程度の軍人であり、その実力は一般人の枠を超えないのだ。
この世界に招かれた80余名の中では下位に属す。

「こいつはメチャ許さんよなアアアアアアアアアアアアアアッ!! 」
『ギャアーーースッ! 』
「おお? それがてめえのスタンドか? ゲロみてーに吐き出してんじゃねーよッ! 」

ゆえにラバーソールのスタンド、黄の節制(イエローテンパランス)に、いとも簡単に捕らえられてしまう。
縦横無尽に伸びる黄色のスライムが彼の骨格を捻じ曲げ、肉を破り、血を啜る。
その容赦の無さはアクア・ネックレスにも耐えられなかったらしく、とうとう宿主を放棄してしまった。
ドノヴァンは晴れて自由の身となったのだ。
もっとも、彼はそのまま人食いスライムの今宵4度目となるメインディッシュになってしまったわけだが。

「ブジュルブジュルすり潰して、いただきま――」








ガ オ ン ッ ! !





まるでコルクの栓を切り取った斬痕のように穴が開いた体。
啜っていた血が、噴水として夜を照らしている。
全てが一瞬だった。
謎の"何か"は、ラバーソールのわずか数センチ頭上にあるドノヴァンを、黄の節制ごと消し去ったのだ。

「あれ? 」

東方仗助の頭も一緒に巻き込まれたせいで、ラバーソールはバランスを崩して倒れた。
呆気にとられるしかなかった。
脱出不可能の捕食地獄は、もうひとりの襲撃者の存在を夢にも思っていなかったのだ。


【H-3サンタ・ルチア駅の奥 /1日目 早朝(4:00頃)】
【ラバーソール】
[時間軸]:承太郎と戦闘中、ザリガニ食べてパワーアップした辺り。
[状態]:健康。仗助、重ちーを食べてパワーアップ!? 地面に倒れている。
[装備]:サブマシンガン@小消費(ヴェネツィア空港警備員の持ってたやつ)、
    巨大なアイアンボールボーガン(弦は張ってある。鉄球は2個)
[道具]:支給品一式 ×3(ラバーソール・重ちー・仗助) 内一食分食料消費、ギャンブルチップ20枚、ランダム支給品×1
[思考・状況]
基本行動方針:勝ち残り、優勝。溺れるほどの金を手に入れる。
1.……は?
2.サンタ・ルチア駅に向かい早人から承太郎についての情報を聞きだす。
3.状況によっては承太郎、仗助、花京院に化ける。
4.ディオからの報酬よりも美味しい褒美だ!ディオなんてどうでもいい!
5.この鳩、いったいどうしようかねぇ…?
[備考]
※ラバーソールは現在、首なしの東方仗助になっています(仗助と身長差があったため本体の頭は無事です)。
※ラバーソールは承太郎、仗助、花京院に化けれます。偽のスタンド像も出せますが性能はイエローテンパランスです。
 多分ウェザーとブラックモアにも変装可能でしょう。(エンポリオと早人は身長の問題をクリアできるのかは不明)
※ラバーソールは仗助が自分自身の怪我も治せると勘違いしています。
※本物の早人を知りません。早人の年齢は10~18ぐらいだろうと予測してます。つまり……
※鳩は早人が同封した返事分、一回分の便箋を持っています。
※ラバーソールは重ちーの残りのランダム支給品の中身をまだ確認してません。
※ドノヴァンの持っていた包丁(吉良の親父が持っていたもの)は消滅しました。

【地下鉄の謎】
この世界の鉄道は途中で地下を通っているようです(地下鉄)。
サンタ・ルチア駅がどのルートを通って地上の線路とつながっているのかわかりません。

【ドノヴァン 死亡】





★ ★ ★

ろくに動けぬ少年2人と大量の荷物を抱え、ヨーヨーマッは駅を後にした。
愚鈍な体に相応しいゆったりとしたスピードで、雨の中を進む。
自立型というカテゴリーに特化されたスタンドゆえに、パワー&スピードはほぼEランク(超ニガテ)。

「仗助さんが……偽者だって? 」
『推測ですがね』

しかし体のほとんどを一度に消滅させられても、時間をかければ完全に修復可能。
生活の知恵も豊富に備えている博識家。
欠点を補って余りある知能と耐久性がヨーヨーマッの持ち味だ。

「いつから目星をつけていたんだ? 」
『最初からです』
「決め手は? 」
『いきなり私に声をかけたからですよ。"早人! 読まさせてもらったぜーっ、お前の手紙をよぉーっ"、と』

ヨーヨーマッは、サンタ・ルチア駅に初めて来たときの状況を思い出していた。
いつの間にか、主人であるエンポリオが駅の外で倒れていて、黒いコートの男と何やら会話をしている。
いつの間にか、彼の友人である川尻早人が行方をくらませている。
理解に苦しむ状況の中、とりあえず最優先事項としてエンポリオに接触することを決めた。
そこに、東方仗助が現れたのだ。川尻早人が送った伝書鳩の手紙と共に。
背丈、格好、口調、スタンド、どれもが早人から聞いていた情報と合致していた。

「お前を川尻早人と間違えたってこと? ……見間違えるかな。スタンドと人間を」
『いいえ。見間違えていないからこそ、声をかけたんですよ。
 旦那候補様がピンとこないのも無理はありません。だってあなたはスタンド使いじゃあないのだから』

――スタンド使いはスタンド同士で会話ができる、という事実がある。
スタンドとスタンド使いは一心同体であるゆえの法則だ。
スタンドが怪我をすれば本体も怪我をするし、スタンドによっては五感もお互いに共有できるケースがある。
では、あなたがスタンド使いになったと仮定していただきたい。
"行方不明の東方仗助を探している最中に、彼のスタンド、クレイジー・ダイヤモンドを発見しました。どうしますか?"

「仗助さんのスタンドを見つけたんだから、こっちもスタンドで話しかけ……あっ!!
 まさか駅にいた東方仗助は、"僕がスタンド使い"だと勘違いしていたのか!? 」
『おおかた、手紙の内容だけで川尻早人という人物像を読み取って、私を旦那候補様のスタンドと決め付けたんでしょう。
 どうみても怪しいです、本当にありがとうございました……本物だったら警戒は怠らないはず。
 荒木飛呂彦が作り出したこの世界で、未知のスタンドと遭遇したんですよ? フレンドリー過ぎるでしょ』

そうか……と肩を落として納得する早人に、ヨーヨーマッは警告を続ける。
偽者の仗助は、ミスを犯したとはいえ完璧な変装をやってのけていた。
つまり川尻早人を知らないのに、東方仗助を知っていたことになる。
次に、本人にしか届かないはずの伝書鳩の手紙を、偽者は読む機会があった。
それは偽者が東方仗助と接触する機会もあったことを指しているのだから。

「仗助さんは、ひょっとしたら……」
『そこまでは計りかねますが、一応、旦那様と旦那候補様の本名は黙ってておきましたら大丈夫ですよ。
 偽者は"4人"から本物の川尻早人を探さなければならないから、きっとボロを出します』
「……お前、意外と空気が読めるんだな」

早人の言葉を大きなお世話と思いながらも、ヨーヨーマッには理由があった。
ヨーヨーマッと早人が初めて出会ったときに下された注意。
"はい、わたしはヨーヨーマッ DアンGのスタンドで、今のだんな様はエンポリオ・アルニーニョ様です"
"ちょっと待ってよヨーヨーマッ! 何でぼくの名前まで教えちゃうんだよ!"
"エンポリオ様、最初に自分から名乗るのは礼儀ですよ? "
"だからって……"
ヨーヨーマッは主人を守るために命令を曲解する傾向があるが、時には主人の意思を全面に尊重するのだ。

『まあ今回はイレギュラーということで一つ。せっかく逃げれるチャンスなんですから逃げちゃいましょう
 この先にいるウェザー・リポートたちと合流して、ついでに馬もGETします』
「馬? 馬がいるのかい? 」
『ほらあれです。偽者の東方仗助が支給品だとぬかしていました。あれに乗れば……』





ガ オ ン ッ ! !




『……"こっち"のことを失念しておりました。
 旦那候補様の悪い予感が当たってしまいましたね。非常に残念です』
「奴は……ウェザーさんが……さ、再起……不能、に……」
『だが、生死まではわからなかった。ウェザー・リポートに河へ叩き落としただけです』

ヨーヨーマッは立ち止まると、右腕に挟んでいた荷物と川尻早人を解放した。

『たった今、私の本来の旦那様であるDアンGが、荒木飛呂彦に殺されたのを感じました』
「そんなッ!? こんな、こんなところでッ! 」
『"仮の主人であるエンポリオ様が死ねば、DアンGは殺される。そしてDアンGのスタンド、ヨーヨーマッも死ぬ"』 
「あ……あああ……エンポリオ……ヨーヨーマッ……! 」
『主人の死は即ち下僕の死。それが私に架せられたルールです、ハイ』

早人はヨーヨーマッを力なく見やる。
ザックリと削り取られた左半身。
掛けていたはずだったバッグは、欠片を。支えていたはずだったエンポリオは、肉片を。
それぞれが残骸を遺して消えていた。

『旦那候補様……いや、"川尻早人"様。
 旦那様の分も頑張ってください。旦那様も、きっとそう望んでおられることでしょう』

降りしきる豪雨の中、煙のように崩壊していく体躯。
精神エネルギーの塊である、スタンドが天に召される予兆だ。

『健闘を祈っております――――どうかお気をつけて』

ヨーヨーマッは腰にぴったりと右手をつけて、丁寧に頭を下げた。
川尻早人に贈る、最初で最後の見送りだった。




【サンタ・ルチア駅 北出入口周辺(H-3)/一日目/早朝(4:00頃)】
【川尻早人】
[時間軸]:吉良吉影撃破後
[状態]:右足前部欠損、疲労
[装備]:なし
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
基本行動方針:荒木を倒したい。殺し合いにはのらないけど、マーダーは仕方ない。
1.うわあああああああああああああああああああああああ
2.他の知り合いにも会いたい。でも一応警戒
3.吉良吉影を最大限警戒。ディオ、プッチ神父も警戒。駅で会った東方仗助(ラバーソール)も警戒。
4.死んだ人達にはどう接すればいいんだろうか?
5.エンポリオを信頼する
6.ライターを警戒、緊急時には仕方ない?
7.荒木の能力を解明したい

※偽者の東方仗助(ラバーソール)は川尻早人がスタンド使いであると勘違いしている。
 あるいは、ヨーヨーマッを川尻早人のスタンドと勘違いしていると推測しています。
※仗助に危機が迫っていることを感づきました。
※早人の悲鳴が周囲一マスに響き渡りました。
※ヨーヨーマッの主人(エンポリオ)が死んだので、ヨーヨーマッは消滅。
 したがってヨーヨーマッの本来の本体であるDアンGも荒木によって確実に殺されました。
※ヨーロッパ・エクスプレス(シュトロハイムの愛馬)が近くで待機しています。
※川尻早人の周囲に以下の支給品が散らばっています。その他は消滅しました。 

ジャイロの鉄球、ノートパソコンの幽霊(普通に使用可能)、鳩のレターセット、メサイアのDISC、ポルポのライター



【ヴァニラ・アイス】
[時間軸]:回転しながらポルナレフに接近する途中
[状態]:鼻骨、左胸骨、左肩甲骨 骨折 全身に打撲(随時吸血鬼の能力で回復中)、吸血鬼化  ウェザーに対して静かな怒り
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、不明支給品1~2(本人は確認済み)  ゾンビ馬(怪我ひとつを縫える程度)
[思考・状況]
基本行動方針:ディオ(DIO)様以外の全員を殺害し、優勝させる
1.朝日を避けるためサンタ・ルチア駅を拠点にする。駅周辺にいるものは皆殺し。
2.先ほど自分を倒した参加者(ウェザー・リポート)を必ず殺す
3.他のディオの部下も含め、参加者は見つけ次第殺害する (J・ガイルに関しては保留)
4.日が出てきたら駅で待機 その間J・ガイルに参加者を殺しに行かせる
5.ディオ様と『DIOの館』(C-4)で合流する
[備考]
※ヴァニラ・アイスは、自らの肉体の『吸血鬼化』に気付きました。
※『吸血鬼化』はまだ完全ではありません。
※リサリサの絞りかすがI-6にわずかに残されています。
※東方仗助(ラバーソール)は死んだと思っています。

【エンポリオ・アルニーニョ 死亡】
【 ヨーヨーマッ 消滅】
【DアンG 死亡】



★ ★ ★ 


靄と霞が幾重にも交錯する水の社交場から少しはなれた川辺に、片桐安十郎(通称アンジェロ)は座り込んでいた。
ドノヴァンを操っていたアクア・ネックレスの本体である。

「アクア・ネックレス……このまま続行するんだ、駅の偵察を」

駅にドノヴァンを侵入させたとき、アンジェロは歓喜していた。
己を再起不能にした張本人である東方仗助の居場所を早くも捉えたからだ。
ところがどっこい。隙を突いて殺したはずの男はピンピン。
大した怪我もせずドノヴァンを締め上げて、ご満悦そうに勝利を確信していた。

「あの野郎……俺を出し抜いて良い気になってたんだろうなあ。俺が殺してやりたかった」

欲望の消化を訴え続ける本能に自制をかけて、ぐっと堪える。
東方仗助の頭とドノヴァンを消した謎の現象。
スタンド能力ならば、スケールの大きさで負けてしまいそうな使い手だ。

「何が起こってやがるんだ? あの駅で」

アンジェロは雨という絶好の状況にも関わらず、用心を欠かせないでいた。

日の出まで、まだ2時間。



【H-3 川辺 /1日目 早朝(4:00頃)】
【片桐安十郎(アンジェロ)】
[スタンド]:アクア・ネックレス
[時間軸]:アンジェロ岩になりかけ、ゴム手袋ごと子供の体内に入ろうとした瞬間
[状態]:健康、テンション高
[装備]:ナイフ(ディオが吸血鬼になる為にジョージを刺したもの)ライフルの実弾四発、ベアリング三十発  
[道具]:支給品一式
[思考・状況] 基本行動方針:安全に趣味を実行したい
1.俺は……反省すると……厄介だぜ?
2.サンタ・ルチア駅に向かうのは保留。駅がヤバそうだから少し様子をみるぞ!
3.天気を操るスタンド使いに警戒。場合によっては天気を操るスタンド使いを利用する 
4.東方仗助(先を越されたぜ、チェッ)、空条承太郎を殺す。
5.コロッセオに向かう…?
6.荒木は良い気になってるから嫌い
[備考]
※アクア・ネックレスの射程距離は約200mですが制限があるかもしれません(アンジェロは制限に気付いていません)
※アンジェロはドノヴァンを視認できる距離、およそ50メートルほど先行させています
※名簿に目を通しました。
※東方仗助が死んだと勘違いしています。

【残り 68人】

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64:僕らの肩に降りそそぐ 川尻早人 86:Unmistakable
64:僕らの肩に降りそそぐ ウェザー・リポート 86:Unmistakable
64:僕らの肩に降りそそぐ エンポリオ・アルニーニョ :
64:僕らの肩に降りそそぐ ブラックモア 86:Unmistakable
69:Panic ドノヴァン :
69:Panic ラバーソール 86:Unmistakable
69:Panic J・ガイル 86:Unmistakable
69:Panic ヴァニラ・アイス 86:Unmistakable
69:PAnic 片桐安十郎(アンジェロ) 86:Unmistakable

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最終更新:2016年07月05日 22:21